1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 2 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 7 | 12 | 0 | 1 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 9 | 4 | 1 |
勝利投手:才木 浩人(3勝3敗0S) 敗戦投手:井上 温大(2勝2敗0S) 本塁打 |

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◆阪神は初回、森下の適時打と小幡の適時二塁打で2点を先制する。続く2回表に森下の2ランで追加点を挙げると、3回には近本の適時三塁打で2点を加え、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・才木が5回無失点で今季3勝目。敗れた巨人は、攻守に精彩を欠いた。
◆セ・リーグ個人成績で、阪神勢が軒並みトップに立っている。この日は何部門でキープできるか。前日5日の時点で、打率は森下翔太外野手(24)が3割3部6厘でダントツ。2位の巨人吉川尚輝内野手(30)に2分以上の差をつけた。佐藤輝明内野手(26)は5日に3ランを放ち、11本塁打、31打点でリーグトップを快走している。ここまでが打撃の主要3冠。森下は5日に4安打を放ち、安打数も42でトップを走る。盗塁は5人が6個で並んでいるが、その中に近本光司外野手(30)と中野拓夢内野手(28)がいる。さらに細かく見れば、三塁打3本と22得点の佐藤輝、出塁率3割8分2厘の森下、5死球の前川右京外野手(21)など多くの部門1位に阪神勢の名前がある。ホームを踏んだ数を表す得点では4位までが阪神だ。出塁率と長打率を足した「OPS」でも、佐藤輝がただ1人「1」を超す1・017。快調ぶりを示す数字だが、三振も40と突出している。投手では、村上頌樹(26)が単独トップの5勝を挙げている。リリーフで今季まだ自責点0の及川雅貴(23)が登板数15を誇る。6日の巨人戦は午後6時プレーボール。ほか2会場は午後2時から。
◆試合前に「プチ侍会」が行われていた。阪神の選手が球場入りした直後、湯浅京己投手(25)と才木浩人投手(26)のもとに駆け寄ったのは巨人の大勢投手(25)と戸郷翔征投手(25)だった。湯浅、大勢、戸郷の3人は23年WBC侍ジャパンで共闘。才木、戸郷、大勢の3人は昨年11月のプレミア12で共に戦っていた。4人は三塁側のファウルゾーンで談笑。笑顔で会話を交わしていた。
◆東京ドームで今季無傷の5連勝を狙う阪神は、高卒4年目の中川勇斗捕手(21)が「7番左翼」でプロ初スタメンとなった。中川は4月29日に今季初の1軍昇格。同30日中日戦(バンテリンドーム)でプロ初打席に立ち四球。ここまで3打席に立ち2打数無安打1四球となっている。また打率3割3部6厘、42安打の2部門でリーグトップの森下翔太外野手(24)は3戦連発を、11本塁打と31打点でトップの佐藤輝明内野手(26)は2戦連発を狙う。先発の才木浩人投手(26)は6回6安打4失点で今季3敗目を喫した4月29日中日戦(バンテリンドーム)から、リベンジの3勝目を目指す。
◆巨人浦田俊輔内野手(22)が「8番三塁」でプロ入り初めてスタメン起用された。2軍では22試合に出場し、打率2割6分8厘、0本塁打、6打点。前日5日に1軍登録され「気持ちで詰まってもいいので、ヒットを打てるように頑張りたいと思います」と意気込んでいた。また、長野久義外野手(40)は「7番左翼」で4月13日広島戦(マツダスタジアム)以来のスタメン出場となった。先発マウンドには井上温大投手(23)が上がる。
◆巨人岡本和真内野手(28)がプレーボール直後、アクシデントに見舞われた。1回表無死一塁、阪神中野の三塁線へのバントした打球を三塁手の浦田が処理して一塁へ転送。一塁ベース上で岡本と打者走者の中野が接触した。岡本は左肘付近を押さえて、グラウンドに倒れ込んだ。トレーナーに付き添われてベンチに引き揚げ、そのまま負傷交代。秋広が一塁の守備に就いた。
◆初回、阪神の攻撃でショッキングな接触プレーが起きた。無死一塁から中野拓夢内野手(28)が犠打。三塁からの送球を巨人の一塁手・岡本和真内野手(28)がつかんだが、タッチにいったミットが駆け込んだ中野と接触。岡本の左手がもっていかれるような形になり、岡本はもんどり打って倒れた。左手をぶつけた中野も、倒れ込んでしばらく動けなかった。結果はアウトで、中野は顔をしかめながらベンチに下がった。岡本はそのまま交代となった。
◆阪神が相手のミスにつけ込んで貴重な追加点をゲットした。初回、1点を先制してなおも2死一塁。大山悠輔内野手(30)の鋭いライナーが左翼の正面に飛んだ。深く守っていた左翼の長野久義(40)が目測を誤ったか、打球をグラブに当てて前にこぼした(記録は失策)。攻撃継続となり、続く小幡竜平内野手(24)の右越え適時二塁打で2点目が入った。
◆阪神森下翔太外野手(24)が3試合連続本塁打をマークした。打った瞬間に分かる1発だった。2回2死一塁。左腕井上温大(23)の外角136キロを強くたたき、大勢の虎党が待つ左翼席中段に運んだ。4-0と点差を広げる5号2ラン。初回にも先制左前打を放っていた森下は、これで前日5日の第2打席から驚異の6打席連続安打とした。
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます恐ろしさすらあるもう止まらない、止められない森下翔太が3試合連続ホームラン?プロ野球(2025/5/6)??巨人×阪神??Live on DAZN#オレをみろ#阪神タイガース pic.twitter.com/Q9nBQqJILS
◆阪神中川勇斗捕手(21)が「外野」でスーパープレーを見せた。「7番左翼」でプロ初スタメンを果たした若武者は2回1死一塁、長野久義外野手(40)の詰まった当たりに反応。猛ダッシュで前進し、最後は前方へのダイビングでボールをつかんだ。投手の才木浩人(26)も驚いたような表情で、左翼に向かって拍手を送った。4年目の中川は思い切りのいい打撃が評価され、今季、代打で1軍デビュー。捕手登録ながら、打撃を生かすために昨秋のキャンプから練習してきた外野守備も上達。東京ドームでさっそく成果を示した。
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます初スタメンでアグレッシブに本職は捕手だがレフトでも中川勇斗がファインプレー?プロ野球(2025/5/6)??巨人×阪神??Live on DAZN#オレをみろ#阪神タイガース pic.twitter.com/6BMS5XKxYw
◆阪神の切り込み隊長が完璧に機能した。4点リードの3回2死一、二塁。追加点のチャンスで近本光司外野手(30)は右翼線への三塁打を放ち、2者を迎え入れた。近本は初回先頭の左前打で、2点の土台を作り、2回も1死から中前打で出塁して、また2点を呼び込んだ。3回は自ら2打点。1試合3安打は今季5度目となった。
◆巨人井上温大投手(23)が3回8安打6失点でノックアウトされた。1回、1死三塁から森下の左前適時打で先制点を献上すると、なお2死一、二塁から小幡に右越え適時二塁打を浴びた。2回には森下の2ランで2失点。3回には2死一、二塁から近本に2点適時三塁打を許した。登板前日に「先頭バッターを切ることと、先制点を与えないことを意識したい」と意気込んでいたが、悔しさの残る結果に終わった。
◆阪神森下翔太外野手(24)の「ヒットパレード」がようやく小休止した。4回の第3打席は三ゴロだった。前日5日は第2打席の4号ソロから立て続けに打ちまくり4安打4打点。勢いは日もまたいでも変わらず、初回に先制左前打、2回には3試合連発となる5号2ラン。2日にわたって驚異の6打席連続安打をマークしていた。
◆4年目の阪神中川勇斗捕手(21)がプロ初ヒットを記録した。5回1死から三塁線に鋭い打球を放った。三塁手に止められたが、一塁に頭から飛び込んでセーフをもぎ取った。ベースを思い切りたたいて喜んだ。打撃が高く評価されている中川は今季、代打で1軍デビュー。この日は捕手登録ながら「7番左翼」でスタメンに名を連ねた。左翼守備でも前方への飛球をダイビングキャッチ。打ってもプロ初安打を記録した。21年のドラフトでは1位森木大智投手(22)、4位前川右京外野手(21)と同期。一足早く1軍で活躍している前川に代わって、左翼で先発した試合で記念の一打を刻んだ。中川勇斗(なかがわ・はやと)2004年(平16)1月27日、愛知県生まれ。味岡小1年時に味岡キングスで野球を始め、味岡中では愛知尾州ボーイズでプレー。京都国際では1年秋からベンチ入り。3年春夏の甲子園に出場し、夏は2本塁打で4強入りに貢献。高校通算18本塁打。21年ドラフト7位で阪神入団。4月30日の中日戦(バンテリンドーム)で1軍初出場。今季は推定年俸540万円。172センチ、75キロ。右投げ右打ち。
◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます若さ溢れるはつらつプレーこの気持ちの強さが原動力中川勇斗が内野安打でプロ初ヒット???プロ野球(2025/5/6)??巨人×阪神??Live on DAZN#オレをみろ#阪神タイガース pic.twitter.com/w7ffkvt7h8
◆巨人山崎伊織投手が歴史に名を刻む。7日阪神戦(東京ドーム)に先発。ここまで開幕から35イニング連続無失点でセ・リーグ記録を更新中。39年高橋敏(阪急)が持つ開幕から38回1/3無失点のプロ野球記録更新にも期待がかかるが「投げている試合はやっぱり0でいきたいと思っていますけど、投げる試合は目の前の1試合をなるべく最少失点でという思いが強いです」と泰然自若に構えた。
◆伝統の一戦の特別バージョンで「すしレース」が開催された。巨人公式マスコットガール「ヴィーナス」=(G)と阪神のオフィシャルチアダンスチーム「タイガースガールズ」=(T)のメンバーがこの日、「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)してエントリーした。スタートから飛び出したのはマグロ。以下は混戦もコハダがややリード。マグロ(G)が後続を寄せ付けず、6貫差のぶっちぎりでゴール。2着はコハダ(T)、3着アナゴ(G)、4着タマゴ(G)、5着エビ(T)となった。通算成績は、アナゴ7勝、エビ4勝、マグロ3勝、コハダ1勝、タマゴ1勝となった。すしレース 3回終了時にイニング間イベントとして、米国の「ホットドッグレース」のような「すしレース」を開催している。ファン参加型のアクティベーションで出場者は「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)して競走する。メンバーはマグロ、コハダ、タマゴ、エビ、アナゴの計5体。参加対象は公式ファンクラブ「CLUB GIANTS KIDS MEMBER」で当日の開場から1回裏終了まで応募受け付けし、東京ドーム内ファンクラブブースで抽選によって決定する。
◆阪神才木浩人投手(26)に一瞬ひやりとするアクシデントが起きた。6点リードで迎えた3回2死一塁、巨人吉川が153キロ直球をはじき返した打球が才木の左手首付近を直撃した。才木は痛そうな表情を浮かべ、安藤投手チーフコーチ、トレーナーが急いでかけつけた。そのままいったんベンチに下がったものの、数分後に再びマウンドへ。試投で力強いボールを投げ、そのままプレー続行となった。秋広には四球を与えて2死満塁となったが、甲斐を空振り三振に仕留めてピンチを脱した。
◆なじみある右腕の登場に、左翼席の虎党が沸いた。8回、巨人5番手として登板したのは23年まで阪神に在籍した馬場皐輔投手(29)。この日1軍に昇格したばかりで、試合前には阪神ナインとも笑顔であいさつを交わしていた。阪神時代と同じ登場曲「20th century boy」でマウンドへ。巨人ファンのみならず、阪神ファンからも拍手が送られていた。
◆阪神が巨人との直接対決で連日の快勝を収め、4月29日以来となる単独首位に立った。これで球団史上初となる東京ドームで開幕から無傷の5連勝。2カード連続の勝ち越しを決め、この日も敵地の「伝統の一戦」で圧倒的な強さを見せた。初回から3イニング連続で2得点し、一気に主導権を握った。1回1死三塁で森下翔太外野手(24)が先制の左前適時打。さらに2死一、二塁で小幡竜平内野手(24)が右翼へ2点目の適時二塁打を放った。2回は2死一塁で、森下が巨人先発井上から3試合連続となる5号2ラン。虎党が待つ左翼席中段に運び勢いづけると、3回2死一、二塁で近本光司外野手(30)が右翼線へ2点適時三塁打を放ち、序盤で6点のリードを奪った。6回に1点をかえされるも、8回に先頭の代打木浪聖也内野手(30)の左翼への二塁打から好機をつくり、敵失で1点を追加した。先発の才木浩人投手(26)は5回4安打無失点で今季3勝目。この日は「7番左翼」でプロ初スタメンとなった高卒4年目の中川勇斗捕手(21)が好守備を連発し、5回にプロ初安打を放つなど明るい流れをもたらした。今季初の2ケタ得点で勝利した前夜5日に続き、打線が快勝に導いた。
◆巨人が連敗を喫し、今季の東京ドームでの阪神戦は5戦5敗となった。初回から激震が走った。巨人岡本和真内野手(28)がアクシデントに見舞われて、そのまま途中交代した。先頭近本の左前打で無死一塁。続く中野の三塁へのバントを処理した三塁手・浦田の送球がそれて、中野と交錯した。岡本は左肘付近を抑えて、グラウンドにうずくまった。ベンチに引き揚げると、そのまま負傷交代。一塁には秋広優人内野手(22)が入った。先発の井上温大投手(23)は3回8安打6失点でノックアウトされた。1回、1死三塁から森下の左前適時打で先制点を献上すると、なお2死一、二塁から小幡に右越え適時二塁打を浴びた。2回には森下の2ランで2失点。登板最終回の3回には2死一、二塁から近本に2点適時三塁打を許し「早いイニングでマウンドを降りてしまい申し訳ないです」とコメントした。
◆連日の快打が続く阪神森下翔太外野手(24)が守備でも魅了した。8回1死からトレイ・キャベッジ外野手(28)の打球は右翼線を抜く完全な二塁打コース。だが、右翼手の森下はクッションボールを落ち着いて処理すると、反転して二塁までノーバウンドのストライクスロー。余裕をもってアウトにした。キャベッジも驚いたような表情だった。森下は前日の第2打席からこの日の第2打席まで驚異の6打席連続安打。5日は4安打4打点、この日は3試合連続の本塁打を含めて2安打3打点をマークしている。
◆阪神が開幕から東京ドームの巨人戦に5連勝。52年のフランチャイズ制以降、ビジターの巨人戦で開幕5連勝以上は、73年中日7連勝(後楽園)84年中日8連勝(後楽園5、盛岡、仙台、郡山)17年広島8連勝(東京ドーム6、岐阜、京セラ)24年ヤクルト5連勝(東京ドーム)に次いで5度目となり、阪神は初めて。また、前日の6回から7イニング連続得点。阪神の7イニング以上連続得点は14年9月17日ヤクルト戦の8回~19日中日戦の6回に記録した8イニング連続以来で、巨人戦では初。
◆巨人が連敗を喫し、今季の東京ドームでの阪神戦は5戦5敗となった。初回から、チームに激震が走った。巨人岡本和真内野手(28)がアクシデントに見舞われて、そのまま途中交代した。先頭近本の左前打で無死一塁。続く中野の三塁へのバントを処理した三塁手・浦田の送球がそれて、中野と交錯した。岡本は左肘付近を抑えて、顔をしかめてグラウンドに倒れ込んだ。トレーナーに付き添われベンチに引き揚げ、そのまま負傷交代。一塁には秋広優人内野手(22)が入った。阿部監督は試合後、岡本について「長期離脱にちょっとなりかねないかなあという感じかな。多分ダメだね」と明かした。さらに「(病院に)行って検査はもう終わってます。時間はかかるだろうという診断だったみたいなので」とも付け加えた。先発の井上温大投手(23)は3回8安打6失点(自責2)でノックアウトされた。1回1死三塁から森下の左前適時打で先制点を献上すると、なお2死一、二塁から小幡に右越え適時二塁打を浴びた。2回には森下の2ランで2失点。登板最終回の3回には2死一、二塁から近本に2点適時三塁打を許し「早いイニングでマウンドを降りてしまい申し訳ないです」とコメントした。
◆阪神才木浩人投手(26)がド根性の3勝目を挙げた。3回2死一塁。吉川の痛烈なライナーに襲われた。瞬時にグラブを出した打球は左手首を直撃。グラブが外れるほどの衝撃だったが、痛がるよりも先にボールを追いかけた。激痛に顔をゆがめてベンチで状態をチェック。影響は感じさせず後続を抑えた。球数がかさんで5回で102球を要した。6-0の展開もあり、無失点ながら5回で降板となった。左手首にテーピングを巻いて取材に応じた右腕は「初回から点を取ってくれて、投げやすい状況を作ってくれたのに5回までしか投げられなかった」と反省。「自分が1試合投げきらないといけない展開。役割を果たせなかった。僕は野手とリリーフにすごく助けられている。いつかしっかり恩返しできるようにしたい」と主力投手の責任を口にした。昨年4勝1敗のGキラーは今季も健在。東京ドーム全勝のバトンを門別につないだ。【柏原誠】阪神桐敷(3番手で7回に登板。2安打されながら無失点)「今日のように、粘ってゼロでいくのが一番重要だと思う」阪神岩崎(8試合ぶり登板。小幡の好守もあって9回を無失点で締める)「今日は助けてもらったので、明日もしっかり投げたいと思います」阪神門別(プロ初勝利を挙げた東京ドームでの7日巨人戦に先発)「5回くらいまではしっかり投げられるけど、そこから本当に『1人ずつ』という感じで投げないといけない。もっと集中できるように」
◆阪神近本光司外野手は今季5度目の猛打賞だ。初回、左前打で出塁し、先制劇を演出。2回は中前打を放ち、森下の2ランで生還。3回は2死一、二塁から右翼線へ2点適時三塁打を放った。序盤の猛攻にすべて絡む活躍。リードオフマンとしてフル稼働した。「勝ててすごく大きかったと思います」。4月24日DeNA戦で4安打を放って以来の猛打賞。ヒットマンが復活ののろしを上げた。
◆阪神小幡竜平内野手が攻守で活躍した。初回、森下の先制打のあとに右越え適時二塁打。「思い切っていった結果です」。遊撃でも好守連発。9回1死一塁ではライナーを大ジャンプでつかみ、一塁転送で併殺を決めた。不調の前川に代わり中川が7番に入ったことで、初の6番に繰り上がっての活躍。15試合連続先発の24歳に、藤川監督も「たくさんの選手と切磋琢磨(せっさたくま)しながらね」とうなずいた。
◆阪神石黒佑弥投手(23)が6日、4月2日以来約1カ月ぶりに出場選手登録された。この日の巨人戦で6点リードの6回から2番手で登板も、先頭の甲斐にソロ本塁打を浴び1回1安打1失点。「しっかりチームの力になれるような投球ができれば」と話していたが、ほろ苦いマウンドとなった。代わって、前日5日巨人戦に先発し3回1失点だった富田蓮投手(23)が出場選手登録を抹消された。
◆阪神藤川球児監督(44)が、交錯プレーで途中交代となった巨人岡本和真内野手(28)を思いやった。1回表無死一塁の阪神の攻撃で、中野拓夢内野手(28)が犠打。三塁からの送球を一塁手の岡本がつかんだが、ミットが駆け込んだ中野と接触。左手がもっていかれるような形になり、岡本はもんどり打って倒れた。試合後、中野の途中交代は大事を取ってかと聞かれた指揮官は「トレーナーの方から、もしかしたら何かあるかもしれないし、そのままかもしれないということですけど」と話したあとに「交錯のプレーっていうのは中野もそうだし、巨人の岡本選手にしてもあんなプレーは起こってほしくないなと思いながら。初回から気が重くなったプレーですね」と神妙な面持ちで続けた。
◆巨人浦田俊輔内野手がプロ初安打を放った。「8番三塁」でプロ初先発。9回無死の第4打席で阪神岩崎の真ん中低めスライダーをはじき返した。快足を飛ばして二塁内野安打をもぎ取った。5日の1軍合流時には「気持ちで詰まってもいいので、ヒットを打てるように頑張りたいと思います」と意気込んでいた通り、有言実行の初安打となった。
◆阪神中野拓夢内野手(28)が交錯プレーとなるも問題なしを強調した。初回無死一塁で三塁へ犠打を決めた直後、送球を受けてタッチを試みた一塁手の岡本と駆け込んだベース上で接触。「プレーの中でのことだし、お互い全力でやっているので仕方ない」と振り返り、状態についても「大丈夫です」とした。大事をとって8回裏の守備から交代。藤川監督は「中野もそうだし、巨人の岡本選手にしてもあんなプレーは起こってほしくないと思いながら」と神妙に話した。
◆巨人に激震が走った。苦戦を強いられている阪神との「伝統の一戦」で苦難が重なった。岡本和真内野手(28)が長期離脱する可能性が高まった。試合後、阿部監督は「長期離脱になりかねないかなあという感じかな。たぶんダメだね」と明かした。「(病院に)行って検査はもう終わってます。時間はかかるだろうという診断だったみたいなので」。球団広報からは左肘の筋損傷と発表された。7日には出場選手登録を外れる。目を覆いたくなる光景だった。試合開始直後の1回に悲劇が起こった。無死一塁で中野の三塁へのバントを処理した三塁手・浦田の送球がややそれて、一塁ベースに入った岡本が中野と交錯した。岡本は左肘付近を押さえて、顔をしかめながらグラウンドに倒れ込んだ。トレーナーに付き添われてベンチに引き揚げると、そのまま負傷交代。スタンドは騒然となった。主砲の離脱は、とてつもなく大きな痛手となる。試合前時点の全31試合に4番として出場し、打率3割8厘、8本塁打、25打点はいずれもリーグ3位以内の高水準。言うまでもなく打線の枢軸を担ってきた。岡本は「1日でも早く戻れるように頑張ります」とだけ話した。この日は9安打も1得点にとどまり、4失策と守備が乱れた。12安打を許し、7失点で完敗。今季、東京ドームでの阪神戦は、悪夢の5戦全敗となり首位から陥落。阿部監督は「とにかくまだまだ先は長いですし、前向きにやっていきたいなと思います」と声を絞り出した。【為田聡史】
◆阪神藤川球児監督(44)がプロ初先発となった高卒4年目の中川勇斗捕手(21)の姿を絶賛した。「7番左翼」で先発した中川は初回2死二、三塁で四球を選ぶと、5回1死で三塁線へ打球を放ち、一塁に頭から飛び込みプロ初安打をマーク。守備でも2回1死一塁で長野の飛球をダイビングキャッチし、3回1死では泉口のファウルゾーンへの飛球をスライディングキャッチ。昨秋から取り組み始めた外野守備で、好守を連発した。指揮官は「フォアボールも選んだりということで、すごく打席内での姿もよく映りましたけど、このジャイアンツ戦で素晴らしい1歩目が。前のカードで代打で出たんですけれど、スタメンということはすごく本人にとって価値があったんじゃないですかね」と目を細めた。中川の思いきりの良いプレーについて「それはチーム全体の雰囲気が中川自身にプレーをやりやすい環境に整えたりとか、やっぱりチームは1つですから」とチーム状態が好影響をもたらしたと話した。
◆阪神が巨人との直接対決で連日の快勝を収め、4月29日以来となる単独首位に立った。これで球団史上初となる東京ドームで開幕から無傷の5連勝。2カード連続の勝ち越しを決め、この日も「伝統の一戦」で圧倒的な強さを見せた。森下翔太外野手(24)が1回1死三塁から先制の左前適時打。2回には2死一塁で、巨人先発井上から3試合連続となる5号2ランを左翼席に放った。先発の才木浩人投手(26)は5回4安打無失点で今季3勝目。この日、「7番左翼」でプロ初スタメンとなった高卒4年目の中川勇斗捕手(21)が好守備を連発し、5回にプロ初安打を放つなど明るい流れをもたらした。
◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が好守でチームを連勝に導いた。4月29日中日戦以来のスタメンマスク。先発才木を好リードし、「粘りながらしっかり投げてくれて、バトンを渡してくれた。勝つことができてよかったです」と笑顔。打っても2安打。4月23日DeNA戦以来となる今季3度目のマルチ安打を放った。「打席に入ったら自分の仕事をしっかり。バントとかも。まあ、オレよりも中川とかを」と後輩たちの奮起を喜んでいた。
◆もはや敵地は大好物!? 阪神が巨人との直接対決で連日の快勝を収め、4月29日以来となる単独首位に立った。絶好調の3番森下翔太外野手(24)が1回に先制打を放ち、2回は3戦連発となる左越え5号2ラン。初回から3イニング連続2得点から2カード連続の勝ち越しを決めた。東京ドームで開幕から無傷の5連勝は球団史上初の快挙。9連戦最終日となる7日も、こりゃあ期待できまっせ!前夜からの勢いは本物だった。2回2死一塁。森下は真ん中付近の136キロカットボールにグッとこらえた。両手を離すことなく、フルスイング。打った瞬間、左翼席からは大歓声が上がった。バットを握ったまま打球を見届け、やがて左翼席へスタンドイン。悠々とダイヤモンドを回った。「いい角度で上がってくれた。いいホームランでした」3試合連発の今季5号2ラン。初回1死三塁の初打席でもライナーで左前に運ぶ先制適時打を放ち、チームに主導権をもたらした。4安打4打点の前夜から数えて、この試合の2打席目までで6打席連続安打。この日の2安打で2位の巨人吉川に3本差をつけるセ・リーグトップの44安打目をマークした。「ただ調子が良い悪いとかではなく、1試合1打席ごとに自分の中で課題を持ってやっている。それで大きなブレを生むことなく、結果を出せているのかなと思います」世間はゴールデンウイーク最終日。連休中も快音は鳴りやまず、5試合連続安打だ。子どもたちも多く観戦に訪れた中、連日の大活躍を届けてきた。「子どもに夢を与えられる職業。ゴールデンウイークというタイミングがいい時に活躍した姿を見せられたのは、良いことかなと思います」。自身もかつては1人の野球少年だった。幼少期、普段の学校生活などでは朝に両親から起こされることもしばしば。一方で母ゆりさんいわく、野球が絡んだ時は別人だったという。「小さい時から野球に行く時間は守っていた。遅刻しないとか『いつ行かないといけない』とか。好きなことで前向きにやっていたんだなと思います」。夢中で白球を追いかける日々は今も変わらない。大好きな野球と向き合い、努力を重ねてここまでたどり着いた。チームは5戦連続の2ケタ安打で7得点大勝。球団史上初となる東京ドームでの開幕5戦5勝を決め、4月29日以来の単独首位に返り咲いた。藤川監督も「数字が物語っていますし、いい結果をたくさん持ってきている状態ですからね。丁寧に日々やってくれていますね」と目を細めた大暴れ。絶好調の3番が頼もしい。【波部俊之介】阪神が開幕から東京ドームの巨人戦に5連勝。52年のフランチャイズ制以降、ビジターの巨人戦で開幕5連勝以上は、73年中日7連勝(後楽園)84年中日8連勝(後楽園5、盛岡、仙台、郡山)17年広島8連勝(東京ドーム6、岐阜、京セラ)24年ヤクルト5連勝(東京ドーム)に次いで5度目となり、阪神では初めて。東京ドームの巨人戦に限れば、開幕5連勝以上は前記17年広島(7連勝)、同24年ヤクルト5連勝に次ぐ。これで東京ドームの巨人戦は通算189勝263敗12分け、勝率4割1分8厘となった。今季は苦手球場でどれだけ連勝を伸ばせるか?また、前日の6回から7イニング連続得点。阪神の7イニング以上連続得点は14年9月17日ヤクルト戦の8回~19日中日戦の6回に記録した8イニング連続以来で、巨人戦では初。阪神佐藤輝(1安打。初回には大きな左飛)「あと1メートル、2メートル飛ばせるように頑張ります」
◆巨人浦田俊輔内野手(22)がプロ初安打を放った。「8番三塁」でプロ初先発。9回無死の第4打席で阪神岩崎の真ん中低めスライダーをはじき返した。快足を飛ばして二塁内野安打をもぎ取り「今日はいい感じに捉えてはいたんですけど、(野手の)正面を突いたり。でも、最後、内野安打を打てたので良かったです」と喜んだ。この日は父と兄も観戦に訪れていたといい、初安打の記念ボールの行方については「両親にあげます」と語った。一方で、初回の守備の話題に及ぶと神妙な面持ちで答えた。無死一塁で阪神中野の三塁へのバントを処理した浦田の送球がそれ、岡本と中野が交錯。岡本は左肘付近を抑えてグラウンドに倒れ込み、そのまま負傷交代となった。「本当に自分のミスでああなってしまって...謝りました」と肩を落とした。病院で検査を終え、球場に戻ってきた岡本とは会話を交わした。「そういう(励ましの)言葉もかけてもらって、LINEもさっき送っていただいて。言葉に表しづらいですけど、頑張るしかないなと思います」と顔を上げた。
◆ヘッドスライディングの直後、両手を広げてセーフを訴えた。そのまま一塁ベース上で激しいガッツポーズを何度も繰り返した。阪神中川勇斗捕手(21)が気迫むき出しのプロ初安打を飾り、三塁ベンチを最高潮に盛り上げた。「ファームでやってきたことを、いつも通りやっていくだけだと。いい準備ができて試合に臨めました」「7番左翼」でプロ初スタメン。四球、中飛で5回1死の第3打席を迎えた。初球から思い切りのいいスイング。痛烈な打球を三塁線に放ち、巨人浦田のグラブをはじいた。頭から一塁に飛び込み、高卒4年目で1軍初のHランプをともした。「結果を出さないと残れない。必死にいこうと思っていた」。表情を緩めることなくかみしめた。恩師に決意を伝えていた。4月29日の1軍昇格が決まった直後、母校・京都国際の小牧監督に連絡を入れた。「1軍に行きます。何が何でも結果を残してきます」。高卒4年目の覚悟があった。「食らいつくしかない。1軍でやるためだけにやっていた」。"体験"だけで終わるつもりはサラサラなかった。「強気」が売りだ。高校時代、小牧監督から学んだ。3年春の21年センバツ期間。知らず知らずのうちに内角を攻められなくなっていた。そんな時、1学年下の左腕森下(現DeNA)と2人、恩師から厳しく指摘された。「外に外に、と逃げたら捕まるよ」。悔しさを胸に猛省。同年夏の京都大会では7、8球も内角を続けるリードで相手打者を詰まらせた。「就職活動やと思え」。監督からそう言われた夏の甲子園でもひるまず、初戦から2戦連続本塁打。この日も初球からフルスイングする強心臓が際立った。本職は捕手ながら、昨秋キャンプから練習を続ける左翼守備でも好プレーを披露。抜てきした藤川監督は「打席内での姿も良く映りました。このジャイアンツ戦で素晴らしい1歩目が。スタメンということが本人にとってすごく価値があったんじゃないですかね」と納得顔だ。高校時代は甲子園に育てられた若武者。1軍本拠地となった聖地でも、強気なスタイルは崩さない。【塚本光】▽京都国際小牧監督(教え子阪神中川の初安打に)「高校球児みたいに泥くさくもぎ取った。勇斗らしい。教え子の活躍は励みになります。甲子園で光り輝いて欲しいです」
◆阪神中川勇斗捕手は、俯瞰(ふかん)する力を武器として持ち続けている。高校時代に試合でマスクをかぶっていた頃は洞察能力は天下一品。投球直前まで打者の素振りに目をこらし、スイング軌道をリードの参考にした。プロ入り後は昨季、2軍で打率3割2分1厘。ファンから1軍昇格を期待する声が上がり続けていた中、本人だけは冷静だった。オフに京都国際の岩淵コーチと再会した時は「力不足だから、力をつけて1軍の舞台に上がれるようにします」ときっぱり。自身を客観視して課題をつぶしてきた。昨秋、今春のキャンプは本職ではない外野守備練習に汗を流した。2軍施設で居残る姿もあった。「もう必死にやって、取れるアウトをしっかり取って...。投手の方も一生懸命やっているので、自分も一生懸命やっていかないといけない」。この日は左翼で華麗なダイビングキャッチ、スライディングキャッチも披露。走攻守で着実に進化している。【阪神担当 塚本光】
◆巨人吉川尚輝内野手(30)が第92代の4番を務める。前日6日の同カードで今季ここまで全試合で4番を務めてきた岡本和真内野手(28)が負傷交代。左肘の筋損傷のため長期離脱となった。2軍再調整から1軍昇格した坂本勇人内野手(36)は「7番三塁」で昇格即スタメンに名を連ねた。先発の山崎伊織投手(26)は開幕から35イニング連続無失点のセ・リーグ記録を更新中。4回まで0行進を延ばせば39年高橋敏(阪急)が持つ開幕から38回1/3無失点のプロ野球記録更新となる。
◆阪神の石黒佑弥投手(23)が試合前練習に合流した。石黒は開幕1軍をつかみながら、2度目の登板となった4月1日のDeNA戦(京セラ)で1イニング3失点を喫し、3日に登録を抹消された。その後は2軍の8試合で防御率0・00と安定した投球を見せており、約1カ月ぶりの登録となる見込み。練習前には「うれしいですけど、しっかり結果を残さないといけないので、楽しみながらやっていきたい。戦力として呼ばれていると思うので、しっかりチームの力になれるような投球をしたいと思います」と力を込めた。9連戦も残すは2試合となったところで、再びブルペン強化を図る。
◆阪神・森下翔太外野手が試合前のアップで巨人・戸郷翔征投手と仲むつまじく談笑した。前夜の一戦で1軍復帰を果たした右腕。森下は同点ソロを放つなど、戸郷から2安打をマークし、勝利に貢献していた。昨日の敵は今日の友。同学年の2人は熱戦から一夜明け、身ぶり手ぶりを交えながら野球談義に花を咲かせた。
◆巨人はドラフト2位・浦田俊輔内野手(22)=九産大=が「8番・三塁」でプロ初スタメン。5日に約1カ月ぶりに出場選手登録された俊足の左打者が、通算5試合目の出場で念願のプロ初安打を狙う。正捕手の甲斐は3試合ぶりに名を連ねた。「7番・左翼」には40歳のベテラン、長野が起用された。
◆前夜に10-1と大勝し同率首位に浮上した阪神。中川勇斗捕手(21)が「7番・左翼」でプロ初スタメン。前夜4号ソロ含む4安打4打点の大暴れした森下翔太外野手(24)が首位打者と安打で2冠。前夜11号3ランの佐藤輝明内野手(26)が本塁打と打点の2冠。強力打線が巨人を打ち崩せるか注目だ。
◆巨人・岡本和真内野手(28)にアクシデントが発生した。一回無死一塁。阪神・中野の犠打を捕球した三塁・浦田の一塁送球がそれ、一塁の岡本が打者走者と交錯。左腕を抑えながらベンチへ下がり、秋広への交代が告げられた。
◆阪神が先制。森下翔太外野手が勝負強さを発揮した。一回先頭の近本が左前打を放つと、中野が三塁方向へ犠打。三塁手のD2位・浦田(九産大)からの送球が走者方向にそれると、中野と一塁手・岡本が交錯した。アウトの判定も、近本がこの間に三進。1死三塁で森下が打席に向かった。3球目、130キロスライダーを捉えると、打球は左前へ。巨人の主砲・岡本が負傷交代と、どよめく東京ドームの空気の中、虎の3番が仕事を果たした。さらに打席はつながる。2死一塁から大山の不規則な回転がかかった打球を左翼手・長野が落球。2死一、二塁の好機で小幡が右越えの二塁打を放ち、大きな2点目を挙げた。阪神・森下「打ったのはスライダー。1打席目で結果が出たのは良かったと思います。先制点を取れましたが、追加点を狙って次も頑張ります」
◆「7番・左翼」でプロ初スタメンを果たした高卒4年目の中川勇斗捕手(21)が好守で球場を沸かせた。二回1死一塁。長野の打球は詰まって左前へ。全速力で白球に食らいつくと、最後は両ひざをつきながら、突っ伏すようにダイビングキャッチ。少し苦笑いも白球をグラブにおさめた。本職は捕手の若虎だが、昨年11月の秋季キャンプから出場機会を増やすために外野守備にも挑戦。ウエスタン・リーグで実戦を積み、経験を重ねてきた。巡ってきた1軍初スタメンのチャンス。まずは守備でしっかりとアピールした。
◆阪神・森下翔太外野手(24)が止まらない。2‐0の二回2死一塁で迎えた第2打席で井上の136キロカットボールを一閃。打った瞬間、スタンドインを確信した。打球は阪神ファンの待つ左翼スタンドへ。3試合連続の5号2ランで巨人を突き放した。一回は先制の左前適時打を放っており、5日の同戦からこれで6打席連続安打。絶好調の男は「1打席目の良い感覚を持って打席に入ることができました。しっかり自分のスイングができたと思います」と振り返った。
◆7日の巨人戦(東京D)に先発する阪神・門別は6日、キャッチボールなどで調整した。今季5度目の先発で〝魔の六回〟克服に挑む。4月30日の中日戦(バンテリンD)では2死から2四球を与えるなど、2登板連続で六回にピンチを作って降板。「一人ずつ、という感じで投げないといけない。ピッチングもその先を想定しながらできているので、それが出せればいいなと思う」と意気込んだ。4月6日にプロ初勝利を挙げた球場で、2勝目を目指す。
◆阪神の中川勇斗捕手がプロ初安打を記録した。プロ初のスタメンに名を連ねたこの試合、五回の第3打席だ。三塁線のゴロを放つと、全速力で走って一塁へヘッドスライディング。塁審のセーフのコールを確認すると、1度ベースをたたき、何度も何度もガッツポーズを作った。プロ通算6打席目で、泥臭く照らした初めてのHランプ。記念球は確かに、阪神ベンチへと返された。
◆ついに〝無双状態〟に入った。どのコースでも打ち返す。絶好調の森下が3試合連続アーチとなる5号2ラン。序盤から巨人を圧倒した。「打ったのはカットボール。1打席(目)の良い感覚を持って打席に入ることができました。しっかり自分のスイングができたと思います」2―0の二回2死一塁で打席に立つと、カウント3―1から甘く入ったカットボールを一閃。虎党が待つ左翼スタンドへ放物線を描いた。5日の同戦でも同点弾を含む4安打4打点。10-1の大勝、首位タイ浮上の原動力となり、チームは2004年以来21年ぶりとなる東京ドーム開幕4連勝を記録した。勢いそのままに、森下はこれで6打席連続安打。四回の第3打席で三ゴロに倒れて、連続安打は途切れたが、強烈すぎるインパクトを巨人に与え続けた。一回先頭の近本が左前打で出塁し、中野が犠打を決めて一塁へ駆け込む際に、一塁手の岡本と交錯。東京ドームが異様な空気となり、岡本が負傷退場した直後にも、森下が快音を響かせていた。1死三塁から左前へ運び、あっさりと先制適時打。「1打席目で結果が出たのは良かったと思います。先制点を取れましたが、追加点を狙って次も頑張ります」と宣言していた通りの本塁打となった。試合前まで打率・336で、2位の巨人・吉川に大差(・312)をつけて首位打者を独走。安打も42本でリーグ2冠に立っていた。特に5月は手がつけられないほどに絶好調だ。さらに三回には2死一、二塁から近本が右翼線へ2点三塁打。一走の才木も激走でホームインし、6-0と突き放した。五回には、休養を与えられた前川に代わってプロ初スタメンで「7番・左翼」に入った中川が、三塁内野安打でプロ初安打をマーク。森下から若武者まで、虎打線は全員が絶好調だ。
◆巨人・甲斐拓也捕手が3号ソロを放った。0-6の六回無死。阪神2番手、石黒の直球を左翼スタンドへ運んだ。
◆汚名返上のマウンドだった。この試合を迎えるまでは負けが先行し2勝3敗、防御率2・97という成績。13勝を挙げた昨年と比べると物足りない...という声もあるが、阪神・才木は真っ向から否定する。「別に球は悪くないですし、調子もめちゃくちゃ悪いわけじゃない。今年は結構、自分の(投げ)ミスからの失点が多いから。しっかりやりたい」前回4月29日の中日戦(バンテリンドーム)は五回に四球が絡んで3失点。6回4失点で負け投手になった。藤川監督からは「自分たちからリズムを崩せば、それは当然こういう結果になるし。作り直さないといけないですね」と捕手の梅野とともに苦言を呈された。そして、今季初の「伝統の一戦」での登板を迎え、才木は「無駄な四球はないようにしたい。攻めの気持ちでいけたら」とリベンジに燃えていた。昨年、巨人戦は8試合に登板して4勝1敗、防御率1・95と相性は悪くなかった。しかも、前日5日は森下&佐藤輝のアベック弾などで打線が圧倒。藤川監督からは「明日(6日)、才木ですからね。頑張ってくれると思いますから」というハッパも飛んだ。この日も三回までに打線から6得点の援護をもらった才木だが、序盤は制球が安定しなかった。三回2死一塁では吉川の打球が左前腕を直撃(記録は内野安打)するアクシデントに見舞われた。顔をゆがめ、トレーナーに付き添われて三塁ベンチで治療した後、再びマウンドへ。岡本に代わって途中出場した秋広に四球を与えて満塁とされたが、甲斐をフォークで空振り三振に斬り、失点は許さなかった。「もちろん3つとも勝てるのが一番いいかなと思いますけど。とりあえずいい勝ち方ができるようにやっていきたい」そう語っていた通り、無失点投球を続けた。五回も四球と安打で2死一、三塁のピンチを招いたが、代打・大城卓を150キロ直球で空振り三振。五回までで降板したが、首位攻防戦の第2ラウンドで立派に仕事を果たした。(三木建次)
◆巨人のドラフト2位・浦田俊輔内野手(22)=九産大=がプロ初安打を放った。「8番・三塁」でプロ初先発し、1-7で迎えた九回無死の第4打席。阪神・岩崎から二遊間へはじき返し、50メートル5秒8の俊足を生かして二塁への内野安打とした。
◆阪神が巨人に連勝し、単独首位に立った。一回に森下翔太外野手が先制の左前適時打を放つと、二回には3試合連続となる5号2ラン。勢いが止まらない3番打者が序盤で試合を決めた。先発の才木は5回4安打無失点も先発として最低限のイニング数に終わったことを反省。ただ、その後は中継ぎ陣で逃げ切った。「7番・左翼」でプロ初スタメンを果たした高卒4年目の中川はプロ初安打をマークするなど若手も躍動。猛虎打線は5試合連続の2桁12安打。阪神は球団初の東京Dで開幕から負けなしの5連勝と敵地で無類の強さを誇っている。
◆巨人・阿部慎之助監督(46)が敗戦後、一回の守備で負傷交代した岡本和真内野手(28)について「長期離脱になりかねないかなという感じかな。時間はかかるだろうという診断だったみたいなので」と明かした。この日の試合中に病院での検査を終えたという。一塁で先発した岡本は一回無死一塁、阪神・中野の犠打を捕球した三塁手・浦田の一塁送球がファウルゾーン側に逸れたのを捕球する際、打者走者と交錯。左腕を抑えて悶絶(もんぜつ)し、治療のためベンチへ下がったまま秋広と交代した。ここまで全32試合に4番で先発している主砲は打率.308、いずれもチーム最多の8本塁打、25打点。右太もも裏の肉離れでリハビリ中の丸に続く負傷離脱は大きな痛手だ。阿部監督は「いるメンバーでなんとかやるしかないし、奮起させるようにこちらが声がけしたいなと思います」と話した。
◆阪神が巨人に連勝し、単独首位に立った。阪神のデータは以下のとおり。?阪神が巨人を下し、対戦成績を7勝1敗とした。巨人の本拠地・東京ドームで開幕から5戦5勝。フランチャイズ制となった1952年以降、阪神が巨人の本拠地で開幕5連勝したのは球団史上初。後楽園だった62年(1分けを挟む)と東京ドームの2004年の開幕4連勝を上回った。?巨人相手に東京ドームで開幕5連勝以上したのは17年の広島(7戦7勝)、24年のヤクルト(5戦5勝)に次いで3球団目。
◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(56)が、5回4安打無失点で交代した阪神・才木浩人投手(26)に言及した。巨人は選手の過渡期にあるのだろうが、今のチーム状態は良くない。投打に絶好調の阪神としては、このタイミングで徹底的にたたいておかないといけない。先発の才木は無駄な四球が多すぎた。それに尽きる。真っすぐは走っていたし、フォークの落ち方も悪くなかった。だから、どんどんストライクを投げ込んで、状況によっては3球勝負でも良かったぐらい。3球勝負をしていけば、必然的に球数も減る。ということは、長いイニングも投げられる。今回もなぜ六回のマウンドに上がらなかったのか。打球が当たった影響は、外からは分からないが、エース格なんだから、六回までは投げ切ってもらいたかった。ただ、白星がついて3勝3敗。五分に戻せたことは大きい。気分的に乗っていける材料になる。村上と才木はシーズンを通して、カードの初戦を投げ続ける義務がある。次回登板はDeNAになる可能性が高い。オースティン、桑原が戻って戦力が整ってきている。今後の才木を見極めるポイントになる先発だ。注目したい。
◆球団初の東京D開幕5戦5勝を飾った阪神が単独首位に立った。4安打4打点から一夜明けた森下翔太外野手(24)が2安打3打点の活躍。一回の先制打に続き、二回2死一塁で3戦連続の5号本塁打を左翼席に運んで、6打席連続安打を記録した。三回は近本光司外野手(30)の三塁打で2点を加えた。「7番・左翼」で初スタメンの中川勇斗捕手(21)は五回の三塁内野安打が初ヒット。三回に左前腕部付近に打球を受けた才木浩人投手(26)は5回無失点で3勝目(3敗)。また森下、佐藤輝明内野手(26)と打撃主要タイトルを争う巨人・岡本和真内野手(28)は「4番・一塁」で出場し、一回の守備で、バントを処理した三塁手からの送球を捕球した際に打者走者と交錯し、交代した。
◆阪神・中野は一回無死一塁で三前犠打を決め、一塁を駆け抜ける際に巨人・岡本と交錯。終盤までプレーを続けたが八回の守備から退き、試合後は「大丈夫です」と語った。藤川監督は「トレーナーの方から『もしかしたら何か(異変が)あるかもしれないし、そのままかもしれない』ということです」と明かし、慎重に状態をみていく。ともに2023年のWBCでも日本代表入りし交流のある岡本の負傷に、中野は「自分はよけたんですけど、お互いが全力でやったプレーなのでしようがない」と沈痛だった。
◆阪神・中川勇斗捕手(21)がプロ初安打を放ったことを受け、京都国際高時代の恩師・小牧憲継監督(41)がサンケイスポーツにメッセージを寄せた。高校時代から変わらない、ガッツあふれるプレースタイルや勝負強さを明かした。練習中でしたが、いろいろな人からLINEで動画が送られてきていました。中川らしい泥臭いヒットでしたね。あの強い打球がファインプレーされて抜けないのも本当にあいつらしいなと(笑)。うれしさとか、懐かしさがこみ上げてきました。いまどき珍しい、気迫を前面に出せる子だと思います。きょうのヒットみたいに頭から突っ込んで、闘志をむき出しにする。普段は冷めているというか、冷静でクールなタイプなんですけど、グラウンドに立てばスイッチが入るんです。冷静で、心は熱い。捕手をしていましたので、まさにグラウンドの監督で、信頼していました。うちは昨年の夏に優勝することができましたけど、初めての甲子園(2021年の春夏)に導いてくれたのは、まぎれもなく彼。中川がいなかったら、甲子園出場はなかったと思いますね。本人も今季への思いは相当強かったと思います。私としては捕手としての印象しかないですけど、ことしは捕手以外のポジションにも挑戦している。「結果を残してナンボ。どこでも守ってしがみつきます」と言っていました。毎年、年末年始は数日、グラウンドに練習しに来るんですけど「年々成長しているな、良くなっているな」と思っていました。今年は私も「今年結果出さないとクビやぞ」とハッパをかけまていました。きょうの左翼の守備も、普通の守備力なら楽勝だと思うんですけど、ダイビングして(笑)。でもああいう球際の執着心。あれは高校時代から変わっていないですね。彼は大舞台になればなるほど結果を出すタイプでした。高3の夏の大会も「就職活動やぞ。全打席ホームランを狙ってこい」と送り出した。すると、府の決勝から甲子園まで3試合連続ホームラン。あれがスイッチが入ったときのアイツのすごさ。スタメンとなったきょうの試合前にも「なにがなんでも絶対に結果を残してきます」と短いLINEが来ていたので、目立ってやろうと気合が入っていたんでしょうね。これでとりあえずスタートライン。ここから生き残っていくには、いかに結果を残し続けられるかです。私は、中川は甲子園に育てていただいた一人だと思うんです。だから、今度はホームの甲子園で輝いてほしいと思いますね。(京都国際高野球部監督)
◆巨人・岡本和真内野手(28)は一回の負傷交代後に病院で「左肘の筋損傷」と診断された。岡本は球団を通じ、「一日でも早く戻れるように頑張ります」とコメントした。復帰まで1カ月程度と見込まれる。一塁で先発した岡本は一回無死一塁、阪神・中野の犠打を捕球した三塁手・浦田の一塁送球がファウルゾーン側に逸れたのを捕球する際、打者走者と交錯。左腕を抑えて悶絶(もんぜつ)し、治療のためベンチへ下がったまま秋広と交代した。阿部監督は「長期離脱になりかねないかなという感じかな。時間はかかるだろうという診断だったみたいなので」と語った。
◆プロ初の6番に入り遊撃で先発した阪神・小幡は、一回二死一、二塁から右越えへ適時二塁打。「うまいこと反応で打てたかなと思います」と手応えを口にした。九回1死一塁では頭上を襲った泉口のライナーをジャンプしグラブの先で好捕。飛び出していた一走もアウトにして試合を締めた。6試合連続安打としたが「1打席目にああいった形で出て、その後が出なかったのでそこは反省」とさらに高みを目指す。
◆巨人は不動の4番打者、岡本和真内野手(28)が一回の守備で負傷交代するアクシデントに見舞われ、2連敗となった。試合中に病院で検査を受けて「左肘の筋損傷」と診断された主砲について、阿部慎之助監督(46)は「長期離脱になりかねない感じかな。時間はかかるだろうという診断だったみたいなので」と険しい表情で話した。一塁手で先発出場した岡本は一回無死一塁、中野の送りバントを処理した三塁手・浦田からの送球を捕球した際、打者走者と交錯。送球がファウルゾーン側にそれていた。左腕を押さえて悶絶(もんぜつ)し、秋広と交代。大黒柱を失ったチームは先発の井上が3回6失点と崩れ、阪神に首位の座を奪われた。ここまで全32試合に4番で先発し、打率・308、いずれもチーム最多の8本塁打、25打点と打線を引っ張った岡本は「一日でも早く戻れるように頑張ります」と語った。ファームに合流し、リハビリを開始する。実戦復帰まで約1カ月かかる見込み。百戦錬磨の男が救うか―。阿部監督は試合後、不振のため4月16日から2軍で調整していた坂本を緊急昇格させることを決断したもよう。イースタン・リーグで打率・265の36歳は再生の途中だが、阿部巨人の大ピンチで出番が来た。何度もチームを苦境から救ってきたベテランが本領を発揮する。(谷川直之)
◆痛みに耐えるド根性でG倒だ。阪神・才木浩人投手(26)が5回4安打無失点で3勝目(3敗)。今季初の「伝統の一戦」での登板で、予想外の事態にも見舞われながら底力をみせた。「(試合後も)まあ痛いっすね。痛いっす。(でも)大丈夫です」少しだけ笑った。不幸中の幸いだった。アクシデントは6-0で迎えた三回。2死一塁から吉川が放ったライナーが左前腕を直撃した。安藤投手チーフコーチ、トレーナーも駆けつけ一度はベンチ裏に退いた。だが「(骨に異状がないか)チェックをしただけ」で、すぐマウンドに戻った。秋広に対しては155キロを計測するも四球を与え2死満塁となったが、さらにハートは燃えた。続く甲斐をフォークで空振り三振に仕留めた瞬間、大きく手をたたいてほえた。五回にも2死一、三塁のピンチを背負ったが、なんとか切り抜けた。102球でお役御免となり3勝目をつかんだが、才木は「きょうの展開(序盤から6点リード)だったら長いイニングを投げないと。無駄な球が多かった。(自分の仕事は)最低限じゃないですかね」と野手に頭を下げた。藤川監督は「苦しみながらと言いますか、何とか自分の中でシーズンの軌道に乗ろうとしている姿ですけど。きっちりとは(無失点で)帰ってきたので。そのあたり(の課題)は次(の登板で)にというところですね」と、なんとか5回を無失点で投げ切ったことを評価した。才木にも「チームもすごく乗っている。僕は野手とリリーフ(投手)にすごく助けられているので。(次は)しっかり恩返しができるようにしたい」と満足はない。次回登板は13日のDeNA戦(新潟)が有力。そろそろ13勝を挙げた昨シーズンのような、圧倒的な投球を見せるときだ。(三木建次)
◆九回に登板した阪神・岩崎は1回無失点で試合を締めた。4月27日以来のマウンドとなり間隔が空いたが「そこは変わらないですけど、きょうは(守備に)助けてもらったので、あすもしっかり投げたいと思います」と涼しい顔。この日はセーブシチュエーションではなかったが現在通算98セーブとしており、大台まであと「2」としている。
◆一塁ベースをめがけて、阪神・中川勇斗捕手(21)が飛んだ。必死につかんだプロ初安打の勲章。高卒4年目でプロとしての大きな一歩を踏み出した。「結果を出さないと(1軍に)残れないので、そこは必死にいこうとは思っていました」調子を落としていた前川に代わって「7番・左翼」でプロ初スタメンのチャンスが巡ってきた。五回1死で左腕・石川のスクリューに食らいつき、痛烈な当たりで三塁手のグラブをはじく。一心不乱に走って、ヘッドスライディング。気迫で「H」ランプをともし、何度も右手でガッツポーズを繰り返した。「なかなか名前が呼ばれなくて悔しかった。あのときから自分より順位が上の選手には『絶対に負けてたまるか』と思っているんです」京都国際高から2022年ドラフトで阪神に入団。支配下最後の7位での指名だった。入団直後から自慢の打棒で存在感を放ちながら、度重なるけがにも苦しんだ。原動力はドラフトで味わった悔しさとそこで芽生えた反骨心。昨秋から出場機会を増やすため外野守備にも挑戦した。「やばいっす...。マジで難しい」。ゼロからスタート。2軍で必死に白球を追い続けた。二回は長野の打球を両膝をついて倒れこみながらも好捕。三回は泉口の打球をスライディングキャッチで左邪飛に仕留めた。攻守で魅せた若虎を藤川監督は「この巨人戦で素晴らしい一歩目が(踏み出せた)。すごく本人にとって価値があった」と評価する。「本当に必死にやるというか。準備とか。必死にやるだけって感じですね。今は」始まったD7位からの〝下克上〟。ただ必死に上だけを見て進んでいく。(原田遼太郎)
◆阪神・近本が三回までに猛打賞をマークした。一回先頭では左前打を放って森下の適時打で先制のホームを踏み、二回には中前打。三回2死一、二塁では右翼線への2点三塁打を放って巨人を突き放し「結果的によかったです」と充実の表情を浮かべた。ビジターで連勝しての単独首位に「勝って、すごく大きいなと思います」と喜んだ。
◆翔太イムが止まらない! 阪神は7-1で巨人に勝利し、球団初の東京ドーム開幕5戦5勝で単独首位に立った。森下翔太外野手(24)が前夜の4安打4打点に続いて2安打3打点の活躍。一回には先制打を、二回2死一塁では3戦連続本塁打となる5号弾を左翼席に運び、6打席連続安打を記録した。最高のGWの締めくくりや~!!誰がこの男を止められるのか。3戦連発となる放物線が真っすぐに左翼スタンドへ突き刺さり、東京ドームがどよめく。森下が連夜のヒーローとなる活躍で、ついに虎を単独首位に押し上げた。「1打席(目)の良い感覚を持って打席に入ることができた。しっかり自分のスイングができたと思います」前夜4安打4打点の勢いのまま、この日も大暴れした。まずは一回1死三塁で巨人・井上の変化球を左前にあっさりはじき返す先制打。巨人・岡本が一塁上で中野と交錯して負傷交代し、場内が静まりかえっていた直後に、痛烈な一撃を浴びせた。そして、二回2死一塁だ。2ボールからのカットボールをひと振りで仕留め、打った瞬間に本塁打を確信。昨年9月以来、プロ入り2度目の3試合連続本塁打となる5号2ランとなった。5日の第2打席からこの打席まで、自身最長となる6打席連続安打。打率・338と44安打は、ともにリーグトップを独走。「ただ調子がいいとか悪いとかではなくて、一試合、一打席ごとに課題をもってやっているので、結果が出ているかなと思う」と胸を張った。この試合が9連戦の8戦目。連戦で疲労がたまる中でも、森下は自身の体と向き合い続けることで結果を残している。オフから、一年間を戦い抜くことができる体を作り上げてきた。昨年最後の試合となった国際大会「プレミア12」の決勝は11月24日。それでも直後からウエートトレーニングを欠かさなかった。毎日筋肉痛になるほど追い込み、自分の求めるスイングができる土台を築いてきた。
◆巨人・岡本のアクシデントは、まじめな性格が招いたともいえる。一回無死一塁。中野の送りバントを処理した三塁・浦田の送球がシュート回転して、打者走者と交錯する微妙で複雑なコースに来た。それを必死に捕球したがための負傷。そもそも送球が悪かったのだから、瞬時に力を抜いて、けがを避けるテクニックもアリだよ。ひとつの試合のひとつのアウトと、長期離脱のリスクとでは、割が合わないのだから。先発・井上も調子が悪すぎた。本拠地で分の悪い阪神戦。何とかしないと...と気負いすぎたのか。力んで球離れが早くなり、球のキレと伸びを欠いた。まだ自分に、そこまでプレッシャーをかけなくてもいいのではないかな。4番と先発が早めにグラウンドからいなくなる。巨人には踏んだり蹴ったりだったね。阪神では、藤川監督のツボを心得た投手起用がよかった。七回、5点リードでも桐敷を投入。巨人さん、もうここまでですよ、とばかりに反撃意欲を削ぐ。なかなかの采配だったよ。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆3年前の春。2軍キャンプ地を視察に訪れた当時阪神OB会長、通称・ナニワの春団治、川藤幸三が話しかけてきた。「おい、あの俊介が付けとった68番は誰や?」ことしのルーキーの中川です、と伝えると-。「今すぐ、背番号1を付けさせろ。そのぐらいの雰囲気があるぞ」鳥谷が退団して空き番号だった。とはいえ、栄光の番号だ。虎ソナに言っても何も起きないデス。(当時の)平田2軍監督に伝えてください、とかわしたら、直撃インタビューで本当に2軍監督に進言したらしい。「それは早すぎます」平田2軍監督は大慌てだったとか。1軍初スタメンの中川を見ながら、そんな記憶がよみがえってきた。原石は最初から輝いていたようだ。うれしい初安打も出た。またまた、阪神に新たなスター候補が台頭!一回表から猛虎が連続パンチで巨人をボコボコに。まさか、こんな時代が来るとは-。「伝統の一戦といわれてきたのは知ってますが、巨人戦は勝てそうな気がするんですよね」タテジマの永遠のライバルと位置付けられてきた巨人に対して、トラ番・中屋友那が大胆不敵に言い切った。
◆東京ドームでは開幕から巨人に5連勝!! 3番・森下が先制タイムリーあり、3試合連続ホームランありの大活躍!! ワッショイ、ワッショイでゴールデンウイーク(GW)を締めくくり、強い強い阪神タイガース、ありがとう!! と、表の顔ではしゃぎながら何だ? 裏の顔での寂しさは...。一回の守備で岡本が負傷交代。さらに井上が打ち込まれ、三回まで0-6とされた巨人。いや、小学1年時から中学3年時までONを中心としたV9巨人に苦汁を飲ませ続けられたから、こーいう試合を半世紀、望んできたから、これでいいのだ!! と、割り切ったつもりが八回、巨人が本日4つ目のエラー。その途端、こともあろうか「巨人、頑張れよー!!」と自分でも信じられない言葉を発していた俺...。そこにはGW最終日に地方から楽しみに球場に来たファンを裏切んなー!!という、阪神ファンとは別の野球ファンの俺がいたのだろうけど...。3勝目を挙げた才木もそれほどの投球ではなかったし...。ともに初スタメンだった阪神・中川(初ヒットおめでとう)、巨人・浦田の躍動する若者の姿も胸を熱くする試合だったのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
18 | 13 | 1 | 0.581 (↑0.014) | - (-) |
111 | 120 (+7) | 85 (+1) | 20 (+1) | 26 (-) |
0.250 (↑0.001) | 2.370 (↑0.04) |
2 (1↓) |
巨人 |
17 | 14 | 1 | 0.548 (↓0.019) | 1 (↓1) |
111 | 102 (+1) | 102 (+7) | 22 (+1) | 15 (-) |
0.249 (-) | 2.780 (↑0.02) |
3 (-) |
広島 |
15 | 14 | 1 | 0.517 (-) | 2 (↓0.5) |
113 | 101 (-) | 79 (-) | 10 (-) | 13 (-) |
0.247 (-) | 2.290 (-) |
4 (-) |
DeNA |
14 | 14 | 2 | 0.500 (↑0.019) | 2.5 (-) |
113 | 91 (+3) | 81 (-) | 10 (-) | 13 (+1) |
0.221 (↑0.003) | 2.420 (↑0.08) |
5 (-) |
中日 |
13 | 16 | 2 | 0.448 (↓0.016) | 4 (↓1) |
112 | 67 (-) | 94 (+3) | 10 (-) | 19 (+1) |
0.211 (-) | 2.860 (-) |
6 (-) |
ヤクルト |
10 | 16 | 1 | 0.385 (-) | 5.5 (↓0.5) |
116 | 72 (-) | 112 (-) | 7 (-) | 5 (-) |
0.224 (-) | 3.600 (-) |
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