1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 1 |
中日 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | X | 4 | 7 | 0 | 1 |
勝利投手:涌井 秀章(1勝0敗0S) (セーブ:松山 晋也(0勝0敗10S)) 敗戦投手:才木 浩人(2勝3敗0S) 本塁打 |

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◆中日は2回裏、細川のソロで先制する。その後同点を許すも、5回には板山と上林の連続適時打で3点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・涌井が6回4安打1失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は先発・才木が試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。
◆中日は開幕24試合目で初めてジェイソン・ボスラー外野手(31)を4番に入れた。石川昂、細川に続き今季3人目。ボスラーはここまで10試合に出場し、打率2割7分、1本塁打、5打点。27日ヤクルト戦では2点先制適時を含む2本の二塁打を放ち「スイングの状態もよくなっている」と話していた。阪神先発才木とボスラーは公式戦では初対戦だが、2月23日の北谷でのオープン戦で右翼場外へ本塁打を放っている。また、ここまで全23試合に出場し打率1割6分9厘、1本塁打、5打点と不振の細川成也外野手(26)は6番に入った。
◆前回27日巨人戦(甲子園)で今季最長の連勝が6でストップした阪神は、9連戦白星スタートを狙う。先発は才木浩人投手(26)。開幕連敗の後2勝を挙げており、3連勝なるか。また今季初めての1軍昇格となった中川勇斗捕手(21)がベンチ入り。試合に出場すれば、プロ入り後初の1軍戦出場となる。捕手登録は梅野、坂本、栄枝を含めて4人体制となった。
◆6番に降格した細川成也外野手(26)が2回に先制の2号ソロを放った。2回2死走者なし、阪神才木の初球153キロ直球を捉え、左翼席へ運んだ。本塁打は6日ヤクルト戦(神宮)以来15試合ぶり。ここまで全23試合に出場し打率1割6分9厘、1本塁打、5打点。12日阪神戦(甲子園)から4番を務めたが33打数6安打、0本塁打、2打点だった。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が同点の9号ソロを放った。月間8本の本塁打は自身最多となった。1点を追う4回1死、中日先発涌井の145キロ直球を完璧に捉えた。「高めの球をしっかりコンタクトできました。早めに追いつきたい試合展開だったので良かったです」。打球は右翼スタンドに向かって一直線に飛び、試合を振り出しに戻す1発となって虎党を沸かせた。25日巨人戦(甲子園)以来のアーチで本塁打数を9とし、2位の巨人岡本との差を2本に。また打点も23とし、巨人岡本に並んでトップに立った。
◆阪神が今季最長6連勝のあと、今季4度目の2連敗を喫した。9連戦初戦を黒星発進した。先発才木浩人投手(26)が1-1で迎えた5回2死一、二塁、板山に勝ち越しの適時二塁打、上林に中前2点打を浴びて一挙3失点。昨季の中日戦成績は1完封を含む2勝1敗、防御率0・82だったが、好相性を生かせなかった。打線は1点を追う4回、佐藤輝明内野手(26)が中日先発涌井から一時は同点弾となる9号ソロを放ったが、その後は中日投手陣を打ち崩せなかった。これで佐藤輝は4月8本塁打。自己最多の月間本塁打を更新した。3点を追う7回からは国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」から再起を期す阪神湯浅京己投手(25)が2番手で登板。レギュラーシーズンでは23年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来、684日ぶりの復帰登板を果たし、1回1安打無失点と好投した。
◆中日が首位阪神に勝ち、借金2とした。初回、4番から6番に降格した細川成也外野手(26)が2回に先制の2号ソロを放った。2回2死走者なし、阪神才木の初球153キロ直球を捉え、左翼席へ運んだ。「しっかり自分のスイングができた。1球で仕留めることができてよかった」。同点に追いつかれたが、5回に板山裕太郎内野手(31)の右翼線適時二塁打、上林誠知外野手(29)の中前2点適時打で3点を勝ち越した。投げては今季初登板初先発の涌井秀章投手(38)が6回91球、4安打1失点と好投し今季初勝利。プロ1年目から21年連続白星は小山正明(53年~73年、阪神-東京-ロッテ-大洋)、米田哲也(56~77年、阪急-阪神、近鉄)、石川雅規(02~25、ヤクルト)以来4人目。最後はこの日も守護神松山晋也投手(24)が締め開幕からのチーム10勝すべてでセーブを記録する10セーブ目。両リーグ10セーブ一番乗りとなった。涌井が今季初勝利を挙げ、プロ1年目の05年から21年連続勝利。連続勝利は02~25年石川(ヤクルト)の24年が最長で、21年以上は8人目。プロ1年目から21年以上は石川の24年、56~77年米田(近鉄)の22年、53~73年小山(大洋)の21年に次いで4人目だ。阪神戦は昨年まで7連敗中で、同カードの白星は西武時代の10年6月9日以来、15年ぶり。同一カードで15年ぶり以上のブランク勝利は25年田中将(巨人)の中日戦以来8人目。
◆国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年8月に手術を受けた阪神湯浅京己投手(25)が復活登板を果たした。2シーズンぶりの1軍マウンドで1回を無失点に抑えた。最速は150キロだった。1軍登板は23年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦(甲子園)以来544日ぶり。レギュラーシーズンでは23年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来、684日ぶり。Xでは「湯浅くん」のワードがトレンド入り。祝福の声が相次いだ中で「おかえりなさい」の投稿が圧倒的多数だった。中継映像では観客席で泣いている女性の姿も映された。胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚労省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然に発見される場合もある。原因は不明。
◆中日が首位阪神に勝ち、借金2とした。今季初登板初先発の涌井秀章投手(38)が6回91球、4安打1失点と好投し今季初勝利を挙げた。涌井が今季初勝利を挙げ、プロ1年目の05年から21年連続勝利。連続勝利は02~25年石川(ヤクルト)の24年が最長で、21年以上は8人目。プロ1年目から21年以上は石川の24年、56~77年米田(近鉄)の22年、53~73年小山(大洋)の21年に次いで4人目だ。阪神戦は昨年まで7連敗中で、同カードの白星は西武時代の10年6月9日以来、15年ぶり。同一カードで15年ぶり以上のブランク勝利は25年田中将(巨人)の中日戦以来8人目。
◆国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年8月に手術を受けた阪神湯浅京己投手(25)が復活登板を果たした。2シーズンぶりの1軍マウンドで1回を無失点に抑えた。1軍登板は23年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦(甲子園)以来544日ぶり。レギュラーシーズンでは23年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来、684日ぶり。バッテリーを組んだ梅野隆太郎捕手(33)も特別な感情があった。「投球というよりも、その前のファームの時とかいろいろな姿を見ていたし、一線で戦った中なので、特別なものがあったと思う。自分もあったから。まずはリスタート、またスタートを切れた。これから戦っていく上で大事な仲間なので、今日を機会にまたしっかり抑えていけるように、バッテリーとしてやっていきたいと思います」と話した。
◆阪神先発才木浩人投手(26)が6回6安打4失点で3敗目を喫した。1-1で迎えた5回2死一、二塁、板山に勝ち越しの適時二塁打、上林に中前2点打を浴びて一挙3失点。自身の連勝が止まった。昨季の中日戦成績は1完封を含む2勝1敗、防御率0・82だったが、好相性を生かせなかった。「次、頑張ります」。一言だけ残して、宿舎へ戻るバスに乗り込んだ。チームは今季最長6連勝のあと、今季4度目の2連敗。9連戦初戦を黒星発進した。
◆国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年8月に手術を受けた阪神湯浅京己投手(25)が復活登板を果たした。2シーズンぶりの1軍マウンドで1回を無失点に抑えた。1軍登板は23年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦(甲子園)以来544日ぶり。レギュラーシーズンでは23年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来、684日ぶり。初球からマウンドでつまずいたような形になったが、次第に落ち着きを取り戻したように見えた。最速は150キロ。制球よく決まるフォークもあった。ただ開口一番、「緊張しました。何も覚えてないっす。必死というか、意外と力は抜けていたけど、緊張していて。初球、何か変ななるし」と苦笑いした。「(歓声は)聞こえてましたし、本当にありがたいです。やっとここからまた始まるなっていう感じです。まだまだまだ良くなると思うので、しっかり次、もっといいピッチングができるように頑張りたい。マウンドでいっぱい投げている姿を見せたい。ここまで来られたのは本当にたくさんの方の支えがあったから。しっかりと恩返していけるように、いい姿を見せられるように頑張ります。前進です」と、感謝の言葉を並べた。22年の最優秀中継ぎ投手。1軍のブルペンに入る以上、厳しい場面で結果も求められる。当面の目標について聞かれると「そんな、欲は出さないっす。本当に任された場面で、しっかりゼロで帰ってくることがリリーフの仕事だと思うので」と浮ついたところは見せなかった。胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚労省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然に発見される場合もある。原因は不明。
◆阪神が今季最長6連勝のあと、今季4度目の2連敗を喫した。9連戦初戦を黒星発進した。先発才木浩人投手(26)が1-1で迎えた5回2死一、二塁、板山に勝ち越しの適時二塁打、上林に中前2点打を浴びて一挙3失点。今季3敗目を喫した。藤川球児監督(44)は「本当に100%この今日のゲームに勝つためにベストを尽くせたのかということを、バッテリーとともに自分たちも考える必要があるんじゃないですかね」と厳しく振り返った。打線は1点を追う4回に、佐藤輝明内野手(26)が一時同点の9号ソロを放つも、この1点止まり。「才木と梅野のバッテリーで持ってくるような展開じゃないものを持ってきてますからね。これはまた次以降の反省にしてやり返す、それしかない」と力を込めた。また、国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」から復活し、レギュラーシーズンでは684日ぶりの復帰登板となった阪神湯浅京己投手(25)には「何とかゼロで帰ってきたので、良かったんじゃないですかね。僕は普通に、今使える投手として来ているので、起用しているのみです」とねぎらった。
◆中日が首位阪神に勝ち、借金2とした。4番から6番に降格した細川成也外野手(26)が2回、先制の2号ソロを放った。同点の5回には板山裕太郎内野手(31)の右翼線適時二塁打、上林誠知外野手(29)の中前2点適時打で3点を勝ち越した。投げては今季初登板初先発の涌井秀章投手(38)が6回91球、4安打1失点と好投し、今季初勝利。最後はこの日も守護神松山晋也投手(24)が締め、開幕からのチーム10勝すべてでセーブを記録し、両リーグ10セーブ一番乗りを決めた。
◆阪神中川勇斗捕手(21)が29日、今季初めて1軍昇格した。この日は出番はなかったが、出場すればプロ初の1軍戦となる。「試合に出てなんぼやと思うんで、本当にチャンスが来たら、今までやってきたことを出すだけかなと思う」と意気込んだ。ここまでウエスタン・リーグ20試合に主に代打やDHで出場。2割4分4厘、2本塁打、5打点をマークしていた。
◆阪神が今季最長6連勝の後に2連敗を喫した。先発才木が6回6安打4失点で3敗目。藤川球児監督(44)は「本当に100%この今日のゲームに勝つためにベストを尽くせたのか、バッテリーとともに自分たちも考える必要があるんじゃないですかね」と厳しい表情を見せた。1-1の5回1死一塁、バントを試みた投手の涌井を追い込むも、6球目が高めに外れて四球。2死一、二塁から板山に初球を痛打されて右翼線に勝ち越しの適時二塁打を許すと、続く上林にも中前2点打を浴び、一挙3失点した。女房役の梅野は「ああやって四球を出してしまったというところは反省点だし、その後も、一気に相手の打線にのみ込まれたというところは本当に反省点」と5回を悔やんだ。才木は「次、頑張ります」と悔しさを押し殺すように、言葉少なに球場を後にした。打線は佐藤輝の9号ソロの1点のみ。7回は連打で無死一、三塁の好機をつくるも無得点に終わった。指揮官は「その前からゲームのリズムが非常に...。才木と梅野のバッテリーで持ってくるような展開じゃないものを持ってきてますからね。これはまた次以降の反省にしてやり返す、それしかない」と冷静に振り返った。次は自分たちのペースに持ち込む。【磯綾乃】
◆中日の守護神松山晋也投手(24)が3者連続三振で、両リーグ10セーブ一番乗りを決めた。大山をフォーク、前川は155キロ直球でそれぞれ空振り三振。梅野にはフルカウントまで粘られたが「(阪神監督の)藤川さんも見ていたので。まっすぐで抑えるのがプロだと思う」と9球目に155キロ速球を真ん中に投げ込み、見逃し三振を奪った。チームの開幕からの10勝すべてで10セーブを挙げる史上初の記録も更新。井上監督は「フフフフ。手放しで喜んでいい問題ではない」と苦笑いだった。
◆中日涌井秀章投手(38)が今季初登板初先発で阪神を6回1失点に抑え、今季初勝利を挙げた。プロ1年目から21年連続白星にも「まだまだ一線でやりたいので全然気にしていない。上には上がいる。(25年連続のヤクルト)石川さんがまだまだ続けると思うので、そこを追っかけていければ」と、感慨に浸ることはなかった。4回、佐藤輝に許したソロの1点のみ。3点を勝ち越した直後の6回は1死一塁から森下を内角低め146キロで見逃し三振。続く佐藤輝はチェンジアップで一ゴロに仕留めた。オープン戦3試合で計10回8失点と打ち込まれ、開幕は2軍。「3月は正直よくなかった。3月、4月と走り込んで、自分のやりたいことができた。キャンプ中ちょっと寒かったりして無理できなかったので」。慌てずに球のキレや状態を上げ、2軍で3試合に先発し、19回1失点と結果を残して出番を待った。6月で39歳。86年生まれの昭和の男は、後輩の面倒見がいい。現役ドラフトでDeNAから移籍してきた細川もその1人。不振に苦しむ姿に「大丈夫、頑張れよ」と伝え、励ましてきた。細川は「涌井さんを何とか勝たせたい」と2回に先制の2号ソロで援護。一緒にお立ち台に上がった涌井は「今日の夜、ご飯行こうかとLINE(ライン)したら打ってくれたので、これから先行予約しておこうかな」と笑わせた。阪神戦は昨年まで7連敗中で15年ぶりの勝利。「1つ勝てて次につながる」。まだまだこれからも第一線で、白星を重ねる。【石橋隆雄】
◆阪神佐藤輝明内野手(26)がセ・リーグ2冠に躍り出た。1点を追う4回1死、中日先発のベテラン涌井に3球連続で直球勝負を挑まれた。1ボールから2球目の143キロは空振り。それでも3球目の高め145キロは見逃さなかった。「高めの球をしっかりコンタクトできました。いいバッティングができたと思います」完璧に捉えた打球はNPB最大級の広さを誇るバンテリンドームの右翼席へ一直線。9号同点弾を見送りながら、ゆっくりと一塁へ歩を進めた。左翼席を埋めた虎党のボルテージを一気に最高潮に持っていった。本塁打争いを演じる巨人岡本との差も2本に広げた。23打点でも岡本に並んだ。打撃2部門でリーグトップ。「全然気にならない」とかわしながらも「ずっとやってきたことが少し形になりつつあるのかな」。昨オフから直球への対応力、中堅方向から左への意識を強化してきた。開幕から刻んだ数字に納得顔だ。ただ、初回2死一塁ではシンカーに空振り三振。6回2死一塁ではチェンジアップで一ゴロに打ち取られていた。ベテラン右腕の多彩な変化球に翻弄(ほんろう)され、8回2死一塁では左腕斎藤の前に遊飛。本塁打以外の3打席は全て走者を置いて凡退し、「もう1本。走者がいる時に出なかったんで、出せるように頑張ります」と敗戦の中での反省も忘れない。これで4月は月間8本塁打。22年4月、23年9月に記録した月間7本塁打の自己最多記録も更新した。「それはうれしいことですし、まだ全然、明日もあるんで、頑張ります」。チームは連敗を喫し、2位巨人に0・5差まで肉薄された。4月最後の1日は、勝って喜びたい。【伊東大介】
◆国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年8月に手術を受けた阪神湯浅京己投手(25)が復活登板を果たした。2シーズンぶりの1軍マウンドで1回を無失点に抑えた。胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚労省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然に発見される場合もある。原因は不明。<阪神湯浅のこれまで>聖光学院 腰痛で2年秋までマネジャー。ケガ続き プロ1年目の19年に腰椎を疲労骨折し、翌20年も公式戦登板できず。21年も春季キャンプ中に右足の肉離れを発症。飛躍 22年の春季キャンプで初の1軍に抜てき。そのまま開幕を1軍で迎え「8回の男」として活躍し、球宴にも選出。45ホールドポイントを挙げ、最優秀中継ぎと新人特別賞のタイトルを獲得した。世界一 23年WBCで侍ジャパンの一員となり、中継ぎとして3大会ぶりの世界一に貢献。悪夢 WBCから帰国後は守護神として開幕。プロ初セーブなど好調だったが4月に疲労のため再調整。5月に復帰後は調子が上がらず、6月15日を最後に戦線離脱。1軍復帰間近の7月には、左脇腹筋挫傷で長期離脱。復帰 23年11月1日のオリックスとの日本シリーズ第4戦で、約4カ月ぶりに復帰登板。快投でムードを変え日本一に貢献した。叱責(しっせき) 24年2月の紅白戦で3連打を浴び岡田監督から「後ろ(の投手)は喜怒哀楽を出したらあかん」と叱責。その後2軍キャンプに合流し、1軍登板なし。体調不良 24年3、4月の約1カ月間、微熱に悩まされ、右足に力が入らない症状も。24年は2軍25試合登板で防御率7・48と不調を極めた。難病 「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、24年8月に胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術を受けた。
◆国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年8月に手術を受けた阪神湯浅京己投手(25)が復活登板を果たした。2シーズンぶりの1軍マウンドで1回を無失点に抑えた。胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚労省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然に発見される場合もある。原因は不明。
◆湯浅、おかえり! 国指定難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」からリハビリを続けてきた阪神湯浅京己投手(25)が、中日戦(バンテリンドーム)で約2年ぶりの1軍登板を果たした。23年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦(甲子園)以来544日ぶり、レギュラーシーズンでは23年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来684日ぶりのマウンドで、1回無失点と踏ん張った。昨年8月に手術を受け、懸命に目指してきた1軍の舞台。チームは6連勝直後に2連敗を喫したが、右腕の快投は何よりの朗報だ。2年間の思いを乗せ、湯浅はグッと右拳を握った。感情があふれ出た。23年11月の日本シリーズ以来544日ぶり、レギュラーシーズンに限れば684日ぶりの1軍戦で無失点。敵地にもかかわらず、バンテリンドームにファンからの「おかえり!」の声が響いた。「戻ってこれたというか、『やっとここからまた始まるな』という感じです」無我夢中だった。「何も覚えていない。緊張しました」。7回に登板。2死二塁から1打点を挙げていた板山を遊ゴロに仕留めた。「絶対に点をやらん」と気迫の13球で1回1安打無失点。再出発の一戦で、打たれるわけにいかなかった。約1年前は絶望の淵にいた。軸足の右足がしびれ、感覚が消えた。原因は不明。不安を振り払うように、当時はトレーニングに打ち込んだ。力の入らない右足を必死で鍛えた。それでも感覚は戻らなかった。「意味あるのかな...」。登板しても求める感触はほど遠い。光が見えなかった。当時は鳴尾浜に向かうのも憂鬱(ゆううつ)だった。眠れない夜もあった。高校時代は腰の成長痛、プロ入り後も3度の腰椎分離症を克服。何度も這い上がってきた不屈の心すら、病魔は飲み込んだ。「朝が来るのが嫌だった。本当に、初めて野球を辞めたいと思った」やがて胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症が発覚。手術を決断し、術後は今までなかった感覚も戻った。しかし相手は「難病」。その後も完全に症状を忘れられたわけではない。特に今年3月は再びしびれにも苦しめられ「今までで1番しんどかった」。1年前とは違う。手を尽くしながらも立ち塞がる現実が辛かった。それでも湯浅は前を向く。「こんな経験、誰にできるわけでもないから」。病気も含めて今の自分。野球を続ける限りは症状とも共生し、ベストな形を目指していく覚悟があった。22年に最優秀中継ぎを獲得し、23年WBC日本代表も選出。輝かしい過去を持ちながらもゴールは「復活」ではない。「良かった時に戻りたいとは一切思わない。新しい自分を作り上げたい」。新たな理想を掲げた野球人生。その大きな1歩をこの日、踏み出した。チームが連敗を喫した中で見せた明るい希望。「たくさんの方の支えがあってここまで来れた。恩返ししていけるように」。再び立ったスタートラインで、笑って誓った。【波部俊之介】▽阪神安藤投手チーフコーチ(湯浅が復帰登板)「彼の頑張りでもあるし、いろんな人に支えられてここまで来たんで、そういうことに感謝しながら、また。良かったなと思う」阪神梅野(湯浅が復帰登板)「ファームの時とかいろいろな姿を見ていたし、特別なものは自分もあった。これから戦っていく上で大事な仲間なので、今日を機会にまたしっかり抑えていけるように、バッテリーとしてやっていきたい」胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症 厚労省指定の難病の1つ。脊髄の背中側の胸椎を縦につないでいる黄色靱帯が骨化する疾患。脊髄を圧迫するため、下半身のしびれや脱力、悪化すると歩行が不自由になるなどの症状が出る。無症状で偶然に発見される場合もある。原因は不明。
◆阪神・中川勇斗捕手(21)が1軍に今季初合流した。今季はウエスタン・リーグ20試合の出場で打率・244、2本塁打、5打点をマーク。捕手に加えて、三塁や外野守備にも挑戦するなどして出場機会増を目指してきた。チームは28日に高寺望夢内野手(22)の出場選手登録を抹消。中川は右の代打枠として期待がかかる。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は「4番・三塁」の佐藤輝明内野手(26)に注目だ。4月はここまで月間打率・273、20打点。7本塁打は2022年4月、2023年9月と並んで月間自己最多。昨季はバンテリンドームで0本塁打に終わったが、相手先発の涌井とは対戦打率・545(11打数6安打)、5打点、1本塁打と好相性を誇る。4月も残り2試合。月間自己最多本塁打の更新に注目だ。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が四回の第2打席で右翼席へ同点の9号ソロを放った。涌井の高め145キロ直球を一閃。打った瞬間、スタンドインを確信し、ゆっくりとダイヤモンドを一周だ。25日の巨人戦(甲子園)以来の一発で、セ・リーグ単独トップの9本塁打。4月は8本塁打目と、月間自己最多の本塁打数とした。昨年はバンテリンドームでホームランはなく、2023年9月25日以来となる名古屋での一発を放った。佐藤輝は「打ったのはストレート。高めの球をしっかりコンタクトできました。早めに追いつきたい試合展開だったので良かったです」とコメントした。
◆30日の5回戦に先発する阪神・門別門別啓人投手(20)はキャッチボール、ダッシュなどで調整。「(マウンドが)高いので、(球が)より浮きやすいと思う。それ注意しなければいけないかな」と気を引き締めた。開幕から先発ローテ入りし、ここまで4試合に登板して1勝1敗、防御率2・08。30日の登板で昨季の1軍登板の自己最多5試合に並ぶ。「去年は(2試合と)先発でそんなに投げていないので。今のところローテに入れて、いい流れでできてはいる。(今後も)しっかりローテを守って、もっと先発の役に立てたら」と意気込んだ。
◆阪神・才木浩人投手(26)が先発し、二回に先制ソロを浴びた。一回から150キロ超の直球で押し、落差のあるフォークも交えながら二回先頭までは3者連続三振を奪う快投を見せていた。しかし、この回2死後に迎えた細川との対戦で捉えられたのは153キロ直球。打球をあっという間に左中間席まで運ばれ、先制の1点を刻まれた。チームの被本塁打は28日時点で12球団最少の3本。11日の中日戦(甲子園)での上林の2ランを最後に12試合にわたって許していなかった。
◆豪快なひと振りで試合を振り出しに戻した。阪神・佐藤輝明内野手(26)が四回の第2打席で右翼席へ同点の9号ソロを放った。涌井の高め145キロ直球を一閃。打った瞬間、スタンドインを確信し、ゆっくりとダイヤモンドを一周だ。25日の巨人戦(甲子園)以来の一発で、セ・リーグ単独トップの9本塁打。4月は8本塁打目と、月間自己最多の本塁打数とした。昨年はバンテリンドームでホームランはなく、2023年9月25日以来となる名古屋での一発を放った。
◆阪神・才木浩人投手(26)が先発し、同点の五回に勝ち越し点を献上した。二回に細川に先制ソロを浴びるも、四回に佐藤輝に同点ソロで試合を振り出しに戻してもらい、直後の1死二塁のピンチは連続奪三振で切り抜けた。しかし、続く五回は1死から木下に左前打を許すと、送りバントのためバットを寝かせた投手の涌井をフルカウントから四球で歩かせ、一、二塁のピンチを招いた。2死後には元同僚の2番・板山に150キロ直球を右翼への勝ち越しの適時二塁打とされると、さらに上林には中前2点打を浴び、1―4。この時点で失点は今季ワーストタイとなった。
◆阪神・才木浩人投手(26)が先発して6回6安打、今季ワーストタイとなる4失点で降板した。二回に細川に先制ソロを浴びると、同点の五回には1死一塁で送りバントを試みる投手・涌井への与四球も響き、板山&上林に連続適時打を浴びて3失点。七回に巡った打席で代打を送られ、最終的に6イニングの登板となったが、二回以降は毎回走者を背負う投球だった。今季の才木は開幕から連敗スタートも4月15日のヤクルト戦(松山)、同22日のDeNA戦(横浜)で連勝して自身の星を戻し、この日から始まる9連戦の初戦に臨んでいたが、自身3連勝の権利は得られず。チームにとっても12試合連続被本塁打なし、7試合連続2失点以下がここで途切れた。
◆阪神が好機を生かせなかった。1-4で迎えた七回。中日の2番手・清水から大山が左前打を放つと、前川の打球は投手のグラブをはじいて中前へ。連打で無死一、三塁の好機を作った。打席には梅野。鋭い打球も三塁正面。これをボスラーがはじいたが、三走・大山の判断が一瞬遅れた。ホームタッチアウトで1死。小幡は一ゴロで2死一、三塁としたが、代打・木浪が二ゴロに終わった。
◆阪神・湯浅京己投手(25)が七回に今季初登板を迎えた。先頭の木下に中前打を許し、代打・山本の投前バントで1死二塁のピンチを招いたが、岡林を三邪飛に、板山は遊ゴロに抑えて脱出。最速は150キロだった。1軍での登板は2023年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦以来、544日ぶりで、レギュラーシーズンに限れば2023年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来684日ぶり。昨夏に国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を受けてリハビリ生活を開始し、今春キャンプ中の2月22日に術後初となる対外試合登板以後も実戦経験を重ねてきた。今月24日に1軍昇格を果たし、ついに辿り着いた1軍マウンドだった。
◆阪神は中日に敗れ、ビジターでの連勝は8でストップ。3カードぶりに3連戦初戦を落とした。先発は2連勝中の才木浩人投手(26)だったが、二回、細川に先制ソロを浴びる。打線は四回、佐藤輝明内野手(26)の月間自己最多の今月8本目、リーグトップを独走する9号ソロで試合を振り出しに戻したが、才木が安定しなかった。五回にも1死から安打と投手への四球でピンチを背負うと、板山、上林に連続適時打を浴びて一挙3失点。今季ワーストタイの4失点を喫し、3敗目となった。七回には国家指定の難病「黄色靱帯骨化症」からリハビリを重ねてきた湯浅京己投手(25)が684日ぶりに登板した。安打で走者を許すも、直球は最速150キロを記録するなど、後続を抑えて無失点。敗戦の中でも、虎に光をもたらす上々の復活登板となった。
◆中日は細川成也外野手(26)の左越えソロで先制。1-1の五回一、二塁から板山祐太郎外野手(31)、上林誠知外野手(29)が連続適時打を放って3点を勝ち越した。今季初登板の先発・涌井秀章投手(38)は四回に佐藤輝に右越えソロを浴びたが6回1失点と好投して今季初勝利を挙げた。
◆七回を無失点に抑えた阪神・湯浅京己=バンテリンドームナゴヤ(撮影・甘利慈)
◆阪神のビジターでの連勝が「8」で止まった。先発才木浩人投手(26)が二回、細川成也外野手(26)にチーム13試合ぶりの本塁打を許し、五回には1死一塁からバントの構えを見せた涌井秀章投手(38)に四球を与えるなど、3点を失った。才木は6回4失点で3敗目(2勝)。七回に登板した湯浅京己投手(25)はレギュラーシーズンでは23年6月15日オリックス戦(甲子園)以来のマウンドで1回無失点。佐藤輝明内野手(26)は四回の9号ソロで自己最多の月間8本塁打とした。打線は7安打で、ソロによる1点のみ。
◆阪神のビジターでの連勝が「8」で止まった。先発才木浩人投手(26)が二回、細川成也外野手(26)にチーム13試合ぶりの本塁打を許し、五回には1死一塁からバントの構えを見せた涌井秀章投手(38)に四球を与えるなど、3点を失った。才木は6回4失点で3敗目(2勝)。七回に登板した湯浅京己投手(25)はレギュラーシーズンでは23年6月15日オリックス戦(甲子園)以来のマウンドで1回無失点。佐藤輝明内野手(26)は四回の9号ソロで自己最多の月間8本塁打とした。打線は7安打で、ソロによる1点のみ。
◆?中日・涌井秀章投手(38)が今季初勝利を挙げて、プロ1年目の2005年から21年連続勝利を挙げた。プロ1年目から21年以上続けて白星を挙げたのは、1953-73年の小山正明(21年=阪神など)、56-77年の米田哲也(22年=阪急など)、2002-25年の石川雅規(24年=ヤクルト)に次いで4人目。?松山晋也投手(24)が両リーグ10セーブ一番乗り。プロ野球史上初のチーム10勝目まで全てでセーブをマーク。チーム24試合以内に10セーブに到達したのは、2022年の巨人・大勢(21試合)以来3年ぶり。中日では06年の岩瀬仁紀と並ぶ最速記録。4月は9セーブを挙げ、岩瀬の持つ球団記録の月間10セーブ(12年4月など4度)にあと1。?中日の投手が両リーグ最速で10セーブに達したのは、2023、24年のマルティネスと3年連続。チームで3年続けて両リーグ一番乗りが出たのは、91-93年に広島・大野豊が記録して以来32年ぶり2度目で、複数の投手でマークしたのは中日が初。
◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)は中日・涌井秀章投手(36)に翻弄された阪神打線に触れながら、木浪聖也内野手(30)のスタメン起用に言及した。阪神打線は涌井の投球術に翻弄された。ベテランらしく、一球一球、間合いを変えて、タイミングをズラす投球に打たされてしまった感じだ。全体的に若さが出た。一回に森下が放った右前打は、詰まりながらも右方向へはじき返して、対涌井としては理想的だった。しかし次の打席からは完全にタイミングを狂わされてしまった。こういうタイプの投手は走者が出れば、進塁させて少しでもプレッシャーを掛けなければいけない。ところが、その攻めが全くできなかった。選手ができないのなら、ベンチがエンドランなどの攻めをもっと多用すべき。涌井や石川(ヤクルト)ら投球術を持っている投手には、今の阪神は苦労しそうな気がする。この試合では8番・小幡のところで、うまく攻められなかった。そろそろ木浪をスタメンに戻すのも選択肢だ。守備のいい選手をスタメン起用すると、交代させにくくなる。木浪の状態は悪くないので、まずは点を取りに行くことを優先しはどうか。
◆阪神・湯浅京己投手(25)がレギュラーシーズンでは23年6月15日オリックス戦(甲子園)以来のマウンドで1回無失点。打者4人に13球を投げ、1安打だった。
◆流れを手渡し、ビジターゲームでの連勝も「8」で止まった。悔やまれる五回の3失点...。試合後の阪神・藤川球児監督(44)は才木浩人投手(26)ー梅野隆太郎捕手(33)のバッテリーに向けて厳しい言葉を発した。「自分たちからリズムを崩せば、それは当然、こういう結果になるし。作り直さないといけないですね」勝負の分かれ目は同点の五回の守備だ。1死一塁で犠打を試みバットを寝かせていた投手の涌井に痛恨の四球。その後、板山と上林に連続で適時打を浴びた。涌井に苦しめられたのは打線も同じだ。熟練投球に沈められ、奪えた得点は佐藤輝のソロアーチの1点のみ。ベテラン右腕に対し、得点圏に走者を置くことさえできなかった。これで9日のヤクルト戦(甲子園)で石川に献上したプロ野球記録の24年連続勝利に続き、今回の涌井には史上4人目の新人から21年連続白星を献上。反撃機も逸し、記録達成を後押ししてしまった。藤川監督はリズムを悪くしたバッテリーへ向け「次以降の反省にしてやり返す。それしかないですね」と話したが、これは打線にも言えること。悔しさを力に変え、仕切り直す。(須藤佳裕)
◆阪神・湯浅京己投手(25)の復帰登板を受け、福島・聖光学院高時代の恩師・斎藤智也監督(61)がサンケイスポーツにメッセージを寄せた。昇格した24日の朝「1軍に上がりました」と連絡が来ました。「じっくりな」と送ると「承知しております。思いっきり楽しみます」ときた。湯浅は人よりもしんどい思いをしてきているから〝楽しむ〟の意味もわかっている。抑えることばかりが楽しみじゃなくて、打たれることも楽しみ。復帰してマウンドに立てる喜びを、十分味わわせてもらいます、という意味だったんだと思います。高校の間も、けがでまともに野球なんてできていませんでした。ずっとマネジャーで、米を炊いたりチームのことをしていた。プレーできたは2年の10月からだから、実質10カ月。陰では泣いていたみたいですけど、それでもあの頃から決して表では、そんな姿は見せませんでした。湯浅の野球人生はずっと遠回りなんです。プロでも腰痛に苦しんで。そんなやつが、今度は難病を授かるなんて〝神様のいたずら〟は本当に可哀想だと思った。去年の夏の甲子園で激励に来てくれたときは「まだ遠回りするかもしれないけど、必ず復帰してまたファンの方の前で活躍する場がある。辛抱強く頑張れ」と声をかけました。WBC(日本代表として出場した2023年3月のワールド・ベースボール・クラシック)まで行って、一回極めた人間だから。あの頃と同じ結果を求めると負担がくると思う。だから、結果は置いておけばいい。1軍に戻ってこられたということに意味がある。焦らず急がず、ケアを大事に。これからも頑張ってほしいね。
◆阪神・才木浩人投手(26)は6回を投げ今季ワーストタイとなる4失点で降板。3連勝はならず、3敗目を喫して再び負け数が上回った(2勝)。二回には細川に先制アーチを被弾。五回には投手の涌井への四球も絡んで、板山に右翼線を破る適時二塁打、続く上林にも中前2点打を浴びて3点を奪われ「次、頑張ります」と険しい表情でバスに乗り込んだ。梅野隆太郎 「バッテリーで(投手に)四球を出してしまったところは反省点。最少失点でいくために粘り強く投げられたらよかった」
◆今季初登板だった中日・涌井秀章投手(38)が緩急を使って6回4安打1失点。史上4人目の新人から21年連続勝利を挙げた。「もう1イニングいければよかったけど、久しぶりの1軍で、監督も投手コーチも配慮をしてくれたのかな。ひとまず初戦を勝ててよかった」現役では9日に史上初の24年連続勝利を飾ったヤクルト・石川もいる。「石川さんがまだまだ続けると思うので、追いかけていければ。まだまだ一線でやりたい」と先を見据えた。阪神戦は西武時代の2010年6月9日(西武ドーム)以来、15年ぶりの勝利。一昨年の中日移籍後2シーズンで計7試合0勝3敗と分が悪かった相手だけに「なかなか阪神に勝てなかった。一つ勝てたことで次につながる」と力を込めた。(上阪正人)
◆アツアツ、カムバック! 阪神・湯浅京己投手(25)が29日、中日戦の七回に2番手で登板。国指定の難病、胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症からの復帰を果たした。レギュラーシーズンでは2023年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来となるマウンドで1回無失点。チームは1-4で敗れたが、22年に最優秀中継ぎ投手に輝いた男の帰還で、虎のブルペンはさらにアツみが増す!!湯浅が、帰ってきた。684日ぶりとなるマウンドに、背番号65が駆け上がる。診断を受けたあのとき、こうして再び野球ができる保証などどこにもなかった。自力で復活を遂げ、投じた13球。その全てに、湯浅の魂が宿っていた。「緊張した。マジでなんも覚えてないです(笑)。絶対点やらん、と思って投げていた。戻ってこられたというより、やっとここからまた始まるなという感じですね」七回、その瞬間がやってきた。国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」を乗り越えた右腕を球場全体が拍手で包む。心を落ち着かせるように何度も大きく息を吐き、腕を振った。安打と犠打で1死二塁とされるも、リリーフエースの風格は健在だ。岡林を三邪飛。最後は板山を遊ゴロに打ち取り、大きくガッツポーズを作った。大好きだった野球から、目をそむけたくなるほどの辛さだった。2023年初めから、体には違和感が。神経痛に苦しみ、練習ができない日々も続いた。同年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で活躍しながら、シーズンのほとんどを2軍で過ごした。11月のオリックスとの日本シリーズで2試合に登板したが、以降も状態は上がらず。再起をかけた24年も2軍スタートとなり、2軍戦で失点が続いた。「初めて野球をやめたいと思った」。どんなけがにも屈せず、世界一までたどり着いた男の心が折れた。病気が判明し、恐怖心を周囲に漏らしたこともあった。「4割ほどしか復帰できていない病気。どうなるかわからないし、不安はある。手術が怖い」。それでもDeNA・三嶋ら、同じ病気を経験してきた先輩に背中を押され手術を決断。昨年8月、福島県内の病院で、無事手術を終えた。
◆阪神・湯浅京己投手(25)が29日、中日戦の七回に2番手で登板。国指定の難病、胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症からの復帰を果たした。レギュラーシーズンでは2023年6月15日のオリックス戦(甲子園)以来となるマウンドで1回無失点。チームは1-4で敗れたが、22年に最優秀中継ぎ投手に輝いた男の帰還で、虎のブルペンはさらにアツみが増す!!完全復活を果たした阪神・湯浅京己投手(25)は、リハビリの間も、弱音を周囲に漏らすことはなかったという。長らく自主トレを共に行ってきた1学年下の小幡は「あの人はストイック。ずっと変わらずに、ひたすらトレーニングを淡々とやっていた」と証言する。フル回転し、45ホールドポイントを挙げて最優秀中継ぎ投手となった2022年と比較すると、ここ2年は満足できた年などなかったはずだ。それでも下を向くことなく、一歩ずつ前進する姿を小幡もずっと見てきた。「辛いときもあったと思うけど、全然見せない。特別な思いがあってもそれは湯浅さんの中に置いておいて、周りに対しては本当にいつも通りだった」。弱音を吐かず己と戦う背中が、そこにはあった。先週末には「そろそろ湯浅さんの出番あるかもね」と楽しみにしていた復活登板。遊ゴロで見事に1回無失点を仕上げたのは、ずっと一緒に練習してきた小幡だった。(中屋友那)
◆白球はかつての自分とフェンスを越えて右翼スタンドに突き刺さる。広いバンテリンドームでも、ことしの阪神・佐藤輝明内野手(26)には関係ない。キング独走の一撃で後輩の復帰登板に花を添えた。「(本塁打は)よかったんじゃないですかね、はい。いいバッティングができたと思います」0-1で迎えた四回1死。涌井が投じた高め145キロ直球を振り抜いた。打った瞬間、スタンドインを確信。バンテリンドームでは2年ぶり。3試合ぶりの9号ソロに、左翼席を黄色く染めた虎党から大歓声があがった。巨人・岡本に2差をつけ、セ・リーグの本塁打数でも頭一つ抜けている。23打点も岡本と並び1位と2冠。さらに、4月は8本塁打と月間自己最多本塁打数を更新した。「(2冠は)全然気にしていないです。それ(月間自己最多本塁打)はうれしいですけど...。まだ全然。あしたもあるので頑張ります」。試合後、言葉少なに球場を後にしたのは、悔しい敗戦を喫したから。そして、どうしても勝ちたかった理由があった。「簡単なことではないと思いますし、リスペクトしてます。本当に頑張ってここまで帰ってきたと思うので、マウンドで暴れてほしいですね」この日、1学年下の後輩・湯浅が国指定の難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」から復帰し、1軍登板を果たした。復帰を目指して懸命にリハビリを続ける姿に佐藤輝もまた心を打たれた。「彼が投げたらまたチームが勢いづくと思う。心強いです」。三塁から見つめた湯浅の復帰登板。その勢いをバットに乗せたかった。
◆世間は今まさに会社をかえる転職ブーム。アタタ...。本日阪神はそのブームに乗った『転職ドラゴンズ』にやられたー!(涙)二回、先制アーチの細川はDeNAから〝転職〟、五回に決勝打の板山はこともあろうに、わが阪神から中日だし...。2点タイムリーの上林はソフトバンク、そして史上4人目となる新人から21年連続勝利の涌井は、西武-ロッテ-楽天-中日と『転職王』じゃねーの!悔しい!!と叫びつつ、内心では「ムフフ...わが阪神のスタメンは全員生え抜きだもんねェ、羨(うらや)ましいやろ~!」とニンマリする俺であった。いか~ん! 連敗してニンマリしている場合やないわ!! 6連勝の反動? 4番・佐藤輝の一発が出たのに...。てか、この2試合で1点ずつしか奪えない虎打線は、まさかGWに合わせて長いお休みに入る気やないやろねェ!?先発の才木も5回1死一塁から力み過ぎで、投手の涌井に四球を与えたところから崩れるし...。第2戦は欲を捨て、やれることをキチンとやりましょう!最後に黄色靱帯(じんたい)骨化症を乗り越え、マウンドに復帰した湯浅京己投手に記録にはない、阪神ファンの心の白星を贈らせていただきます。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
14 | 10 | 1 | 0.583 (↓0.026) | - (-) |
118 | 84 (+1) | 69 (+4) | 15 (+1) | 18 (-) |
0.241 (↓0.001) | 2.440 (↓0.08) |
2 (1↑) |
巨人 |
14 | 11 | 1 | 0.560 (↑0.018) | 0.5 (↓1) |
117 | 91 (+4) | 80 (+3) | 18 (+1) | 14 (-) |
0.257 (↓0.001) | 2.830 (↑0.03) |
3 (1↓) |
広島 |
12 | 11 | 1 | 0.522 (↓0.023) | 1.5 (-) |
119 | 81 (+3) | 65 (+4) | 8 (+1) | 11 (-) |
0.242 (↓0.004) | 2.290 (-) |
4 (-) |
DeNA |
10 | 12 | 2 | 0.455 (↑0.026) | 3 (↑1) |
119 | 80 (+6) | 73 (+1) | 7 (-) | 9 (+2) |
0.224 (↑0.002) | 2.770 (↑0.07) |
4 (-) |
中日 |
10 | 12 | 2 | 0.455 (↑0.026) | 3 (↑1) |
119 | 50 (+4) | 70 (+1) | 8 (+1) | 12 (+1) |
0.207 (↑0.001) | 2.740 (↑0.07) |
6 (-) |
ヤクルト |
8 | 12 | 1 | 0.400 (↓0.021) | 4 (-) |
122 | 62 (+1) | 91 (+6) | 7 (-) | 4 (-) |
0.226 (-) | 3.850 (↓0.06) |
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