1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 1 | 0 |
阪神 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | X | 6 | 10 | 1 | 0 |
勝利投手:及川 雅貴(3勝0敗0S) 敗戦投手:田中 瑛斗(0勝1敗0S) |

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◆阪神が連勝を6に伸ばした。阪神は1点を追う5回裏、代打・渡邉の適時打で同点とする。そのまま迎えた8回には、大山の適時二塁打などで一挙4点を奪い、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・及川が今季3勝目。敗れた巨人は、4番手・田中瑛が精彩を欠いた。
◆今季最長の5連勝で首位に浮上した阪神は、6連勝、巨人戦での開幕5戦5勝を目指す。新外国人のジョン・デュプランティエ投手(30)が、先発マウンドに上がる。ここまで2試合に先発し、3日DeNA戦(京セラドーム大阪)では6回1失点、19日広島戦(甲子園)では5回3失点(自責0)で敗戦投手。降雨ノーゲームの10日ヤクルト戦(甲子園)でも、3回途中無失点と好投を続けている右腕が、来日初勝利を目指す。打線は25日巨人戦(甲子園)から投手以外は変わっていない。
◆巨人門脇誠内野手(24)が「8番三塁」でスタメン復帰した。開幕スタメンの座をつかみ取るも、ここまで打率1割7分1厘と低迷。ベンチスタートの機会が増えていたが、4月8日DeNA戦(横浜)以来のスタメンとなった。先発マウンドには石川達也投手(27)が上がる。チームは今季、対阪神戦で4連敗中。連敗ストップへ期待がかかる。
◆巨人岡本和真内野手(28)が先制の犠飛を放った。初回1死一、三塁で迎えた第1打席。阪神先発デュプランティエのカーブを中堅まで運んだ。チームは、前日の試合に敗れて今季の対阪神戦4連敗中。この間は全ての試合で先制点を奪われていたが、5試合目にして初めて先手を取った。直後の1回に阪神佐藤輝の右中間への適時二塁打で追い付かれた。
◆阪神中野拓夢内野手(28)が、好守備を披露した。4回無死三塁、巨人4番岡本の中前へ抜けそうな二遊間への当たりを、横っ跳びで捕球。一塁に送球し、二ゴロとした。その間に三塁走者は生還し、1点の勝ち越しを許したが、スタンドの阪神ファンはわいた。
◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)の投球が巨人若林楽人外野手(27)に当たり、場内が一時的に騒然とした。5回1死一、三塁から厳しく内角を突いた直球が腕付近を直撃。若林は痛さでその場にうずくまり、トレーナーらが駆けつけた。観客はざわついた。その後、立ち上がり、一塁に歩いてプレーを続行すると、今度は大きな拍手が起きた。思い出されるのが同じ甲子園での20日の広島戦。広島岡本駿投手(22)が阪神坂本誠志郎捕手(31)の頭部に死球を当てると、藤川球児監督(44)が猛然とグラウンドに飛び出し、広島サイドに激怒。両軍入り乱れる騒ぎとなり、警告試合が宣告された。
◆阪神森下翔太外野手(24)の好守備に、甲子園の阪神ファンがわいた。1点ビハインドの5回2死満塁。カウント2-1から巨人吉川が放った打球は右中間への飛球となった。右翼手の森下は打球を懸命に追って、フェンスに向かって走りながら、左手を伸ばして捕球。勢いそのまま、飛び跳ねながら背中をフェンスにぶつけたが、ボールは離さなかった。抜けていれば大量失点となる可能性もある場面。好守備での阻止に、スタンドからは「森下!」コールが送られた。
◆阪神大山悠輔内野手(30)が、公式戦通算1000試合出場を達成した。試合が成立した5回裏終了後、場内アナウンスが流れ、「おー!」という声とともに、両球団のファンから拍手が送られた。大山は一塁ベンチの前で記念のパネルを掲げ、脱帽して深々とお辞儀。スタンドからは「大山!」コールが起きた。16年のドラフト1位で入団し、1年目は75試合に出場。19年、23年は全試合に出場するなど、2年目以降は昨季まで毎年100試合以上に出場し、大卒9年目での達成となった。
◆巨人石川達也投手(27)が4回3安打1失点で降板した。初回、先頭の近本に左前打を許すと、2死二塁としてから佐藤輝に右中間への適時二塁打を浴びた。それでも、2回以降は緩急自在の投球で追加点を許さず。2勝目とはならなかったが「今日も試合を作ることができ、なんとかリードした状況で後ろ(リリーフ陣)につなぐことができて良かった。あとは全力で応援します」とコメントした。2番手は、今季初登板となったフォスター・グリフィン投手(29)がマウンドに上がった。
◆阪神渡辺諒内野手(29)が、1点を追う5回2死二塁から代打で出場し、同点の中前適時打を放った。代打の適時打は、今季チーム初だった。先発ジョン・デュプランティエ投手(30)の代打としてチャンスで出場。巨人2番手グリフィンの142キロカットボールを捉え、二塁走者の坂本は一気に生還した。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)の打球に、スタンドが一喜一憂した。同点の6回1死。カウント1-2から佐藤輝は、巨人のグリフィンの126キロスライダーをスイングするも、詰まった打球。三塁線へのゴロとなり、グリフィンが追いついた際には、内野安打を期待した阪神ファンが喜びの声を上げた。しかし、グリフィンが打球を見送り、三塁ベース手前でファウルとなると、場内は虎党のため息に包まれた。佐藤輝自身は一塁ベースを通過後に、天を見上げ、打席に戻った。結果は見逃し三振だった。
◆阪神小幡竜平内野手(24)が、ファインプレーで勝ち越しを阻止した。同点の8回1死満塁。巨人6番キャベッジは遊撃方向への鋭いライナー性の打球を放った。小幡は前進守備で通常よりも前方を守っていたが、自身から見て右上の打球をジャンピングキャッチ。遊直となった。続く代打大城卓は遊ゴロで無失点。4番手及川雅貴投手(24)を救う形となった。及川は、今季13試合目の登板で、自責0を継続した。
◆この日1000試合出場を達成した大山悠輔内野手(30)の決勝打で、阪神が今季最長の連勝を6に伸ばした。貯金も最多の6となり、2位広島も敗れたため、ゲーム差は1・5に。今季の巨人戦連勝も5に伸ばし、2リーグ制後では初の開幕から5戦5勝となった。先発のデュプランティエが初回先頭の泉口から連打を浴び、今季の巨人戦5試合目で初めてリードを許す展開となったが、すぐに追いついた。その直後の1回裏、先頭の近本が左前打で出塁すると、2死二塁から4番佐藤輝明内野手(26)が右翼へ同点の適時二塁打。4回に再び勝ち越しを許したが、5回2死二塁で代打渡辺諒内野手(29)が中前適時打を放ち、再び同点に追いついた。2-2のまま迎えた8回1死で、森下が遊撃への内野安打を放ち敵失も誘って二塁へ。佐藤輝は申告敬遠となり1死一、二塁から、大山が田中瑛のシュートをはじき返し、左翼線へ勝ち越しの適時二塁打。ホームインした森下も、三塁ベース上の佐藤輝も手をたたき大喜び。さらに前川が申告敬遠で1死満塁から、坂本誠志郎捕手(31)が左翼への2点適時二塁打を放ち、小幡竜平内野手(24)の中犠飛もありさらに3点を追加した。これで阪神は20日広島戦(甲子園)から6連勝。リーグ王座奪還を目指す虎が乗ってきた。
◆阪神大山悠輔内野手(30)がここぞの場面で決めた。2-2の8回1死一、二塁。5番打者は右腕・田中瑛斗投手(25)の内角に食い込む149キロを思い切り振り抜いた。詰まらされていたが、打球は三塁線を抜けて勝ち越しの適時二塁打となった。大山は前日25日から手にしている「トルピード(魚雷)バット」をこの日も継続使用。芯が手元寄りにあるため、本来なら詰まる内角球にも対応できるという利点があるが、まさに新バットの特長が生かされた一打となった。直前の7回の守備では、及川雅貴投手(23)が1死満塁の大ピンチを無失点でしのいでいた。流れを逃さない大きな一撃となった。
◆巨人が逆転負けで2連敗を喫した。今季の対阪神戦は5戦5敗。引き分けを挟まずに開幕から5連敗は、1リーグ時代の48年以来77年ぶりの屈辱となった。得点を奪っては追いつかれる展開となった。初回1死一、三塁から岡本和真内野手(28)の中犠飛で先制に成功するも、直後に同点。4回にも岡本の内野ゴロの間に勝ち越したが、5回に再び同点とされた。先発石川達也投手(27)粘りの投球を見せるも、4回3安打1失点で降板となった。その後は両チーム無得点で試合が進んだ。8回には1死満塁からキャベッジ、大城卓が凡退し得点を奪えず、逆にその裏に4番手の田中瑛斗投手(25)が大山に勝ち越しの適時二塁打を浴びるなど一挙4失点で競り負けた。阿部慎之助監督は「もうあそこ(8回表)が全てだったし、あそこでもう点取れなかったら、もうほぼイコール負けみたいな流れになっちゃったよね」と勝負を分けた場面を振り返った。石川の交代には「いつもあの球数になってくると急に落ちたりしてくる。代え時だなと思って代えました」と説明した。3連戦の最終戦となる27日へ「明日もね、総力戦で。必ず勝って帰りたいと思います」と誓った。
◆巨人フォスター・グリフィン投手(29)が今季1軍初登板し、2回2安打2失点で終えた。「ちょっと最初はさびついたような、ギクシャクしたような。先発じゃなくて、途中からいくというので、ちょっとなかなか分かりにくいところがあったので」出番は2-1とリードした5回。2番手でマウンドに上がり、前川を148キロ直球で見逃し三振。坂本には四球の後、小幡に投前犠打で、2死二塁となり、代打の渡辺に同点の中前適時打を許した。本来は先発要員。杉内コーチも「1イニング目はやっぱり、いきなりしびれる場面だったからね。もっと楽な展開でと思ったけど」と、おもんぱかった。開幕直前に発熱し、戦線を離脱していた。「2イニング目はサビなんかもきれいに取れて、自分のやりたいことができた」と手応えはあったという。「今後は先発かどうかもちろんわからないですけど、先発だった場合は頭から2イニング目にいけたような、ああいう状態でマウンドに上がりたい」と再現を見据えた。
◆阪神藤川球児監督(44)のタクトがことごとく得点を呼び込んだ。初回無死一塁から中野拓夢内野手(28)が犠打成功。開幕当初はやらなかった初回のバントを成功させ、佐藤輝明内野手(26)の同点二塁打へとつながった。1点を追う5回にも1死一塁から小幡竜平内野手(24)に犠打を命じた。次打者は粘投の先発ジョン・デュプランティエ投手(29)。来日初勝利がかかる右腕に代打を送り、渡辺諒内野手(29)が同点中前打で起用に応えた。デュプランティエの負けも消えた。試合のポイントになった2つの犠打のサインについて、藤川監督は「スタンド(客席)から『そうしなさい』とちょっと感じるような展開で、流れに身を任せて作戦を立てたということです。ファンの方のそうしなさい、ということじゃないですかね」と回答した。球場の雰囲気からインスピレーションを得て? 采配的中だった。
◆この日1000試合出場を達成した大山悠輔内野手(30)の決勝打で、阪神が今季最長の連勝を6に伸ばした。貯金も最多の6となり、2位広島も敗れたため、ゲーム差は1・5に。今季の巨人戦連勝も5に伸ばし、2リーグ制後では初の開幕から5戦5勝となった。2-2のまま迎えた8回1死一、二塁から、大山が田中瑛のシュートをはじき返し、左翼線へ決勝の適時二塁打。ホームインした森下も、三塁ベース上の佐藤輝も手をたたき大喜びした。試合後、大山について聞かれた藤川球児監督(44)は「自分の心の中と頭の中に大山という素晴らしい選手のイメージはあるんですけど、まだ始まったばかりなので、ここ(胸)に秘めておこうかなと思いますね」と笑顔。続けて「ここまででも素晴らしいキャリアで、タイガースによく残ってくれて、という意味では、スタンドを埋め尽くすタイガースファンの方も十分に分かっていると思うし、今後もタイガースに欠かせない存在ですね」とたたえた。
◆阪神は粘りのディフェンスでたび重なるピンチをしのぎ、8回の勝ち越し劇を導いた。先発ジョン・デュプランティエ(29)は5回2失点と試合を作り、6回からは継投。6回は岡留英貴(25)が主軸からの打順で2死を奪い、イニング途中から島本浩也(32)が救援。左腕は続投した7回もぴしゃりと抑えると、9回は及川雅貴(23)が1死満塁とされながらもホームは踏ませず。9回は石井大智(27)が3人で力強く締めた。最後までマスクをかぶった坂本誠志郎捕手(31)は、登板した投手陣の名前を挙げながら、踏ん張りをねぎらった。大ピンチを背負った及川については、内容は明かさなかったが坂本自身の責任とした。「デュプランティエは三振が多くて、球数が(かさんだ)。もっと自分が何とかできたんじゃないかと申し訳なかった。いつも前向きに、いい仕事をしているので、それに応えられるように、早く勝ちがつくようにしてあげたい。岡留もいい打者を抑えて、シマさんも途中から抑えてくれた。流れを相手にやらない、大事なところだった。オヨは僕のミスでちょっとピンチ作っちゃって、キツい場面にして申し訳なかった。中継ぎが頑張って、終盤に点を取るのはチームの形でもある。昨日(村上)頌樹が1人で8回までいってくれたのも大きい。こうやってみんなでつなぎながら何とか粘って、最後に勝てたのはよかったです」と振り返った。自らもバットで援護。8回、大山悠輔内野手(30)の勝ち越し打に続いて、左越えに二塁打を放ち、大きな2点を加えた。「ジャイアンツ打線は気が抜けないので1点でも多くと思っていました。めったに(外野を)越えないので、越えてくれてよかったです」と振り返った。
◆岡本さん、負けませんよ! 阪神佐藤輝明内野手(26)が本塁打、打点でリーグトップを争う巨人岡本和真内野手(28)と激しい打点合戦を展開。阪神、巨人の4番同士による意地の張り合いで1歩も引かず、逆転勝利に貢献した。1点を追う1回2死二塁。追い込まれながら、左腕石川の高め直球に力まずバットを出した。トスバッティングのように当てただけに見えても、規格外の打球が飛ぶ。右中間への鋭い打球をぎりぎりで右翼手が押さえた姿を見て、ノンストップで二塁を陥れた。「高めの球をきっちりコンタクトできました。先制されて、早めに追いつきたい場面だったので、結果が出てよかったです」と会心だ。前日25日は岡本の前で勝負を決定づける単独キングの8号3ランを放ち、打点は岡本に並ぶ21。この日は直前の1回表に、岡本が先制犠飛を放って1歩リードを許したが、虎の4番は即座にやり返して肩を並べた。だが、岡本は4回に二ゴロの間にもう1打点。2冠から1冠にされたが、1打点差で食らいついている。もちろん重要なのはチームの勝敗。2-2同点の8回1死二塁は勝負を避けられ、申告敬遠された。"顔"で好機を広げ、勝利を決める4点が入った。指定席を4番に移して10試合目。今季の4番打率は3割5分1厘の猛打で、堂々と主砲の役割を果たしている。6連勝に貢献した背番号8が誇らしげに言った。「もうね、それ(勝ち)がすべてじゃないですか、今日は」。4番の一打には重みが宿る。TGの看板を背負う2人のデッドヒートは、今日27日の第3ラウンドに続く。【柏原誠】26日の阪神佐藤輝VS巨人岡本の打点合戦★1回巨人岡本 先制中犠飛(22打点)巨人1-0阪神阪神佐藤輝 同点中間二塁打(22打点)阪神1-1巨人★4回巨人岡本 一時勝ち越し二ゴロ(23打点)巨人2-1阪神
◆阪神渡辺諒内野手(29)が大きな仕事を果たした。1-2の5回2死二塁、力投していたデュプランティエの代打で登場。左腕グリフィンから中前にはじき返す同点打で、助っ人右腕の黒星を消した。「(小幡)竜平がしっかり送ってくれた。何とか1本打ててよかったです」とホッとした表情。今季2安打目で初打点。チーム初の代打タイムリーが、その後の逆転勝ちにつながった。4
◆阪神小幡竜平内野手(24)が攻守で貢献した。同点で迎えた8回1死満塁の守備で、キャベッジの三遊間への強烈なライナーをダイビングキャッチ。「引っ張りの方が強いかなっていう意識で思ってましたけど、本当に球が入ったという感じ」。直後の攻撃ではダメ押しとなる6点目の中犠飛も放った。7回には4試合ぶりとなる遊撃への内野安打もマーク。9回に失策を喫した前夜から一夜明け、すぐ借りを返した。
◆阪神リリーフ陣が0のバトンをつないだ。同点の6回に2番手岡留英貴が2死から四球を出し、3番手島本浩也が救援。佐々木をシュートで空振り三振に斬った。「左のところで準備できていたので。みんなでつないで0で抑えられて良かった」。回またぎで7回も3者凡退に仕留めると、8回は4番手及川が0封。その裏の逆転を呼び、9回は石井大智が3人斬りで締めた。この日は守護神岩崎がベンチ外。藤川監督は「彼らは素晴らしい投球をしていますけど、今日出ていない投手やファームにいる選手たちも含めて、たくさんの人数で戦っていくのはチームとして非常に必要なこと」と総力戦を強調した。
◆阪神の野手陣が好守備で盛りたてた。1-1で迎えた4回無死三塁は、二塁中野拓夢が岡本の二遊間への鋭い当たりを横っ跳びでキャッチ。三塁走者の生還は許したが、ヒット性をアウトにした。「そこからズルズルいく場合もありますし、あそこで流れを切れたのはよかった」と充実だ。1-2の5回2死満塁では、吉川の右中間後方への飛球を右翼森下翔太が激走しながら好捕。「守備で貢献できたのは、すごく自分のやってきたこととしてはよかった」と笑顔だった。
◆阪神デュプランティエの来日初勝利はまたもお預けとなった。3度目の先発は高めの直球と、カーブが好調で巨人打線を5回2失点。1-2の5回2死満塁は森下の好捕にも助けられ、自己最多の9三振を奪った。「いい野球ができていたと思います。坂本捕手のすごくいい配球で投げやすかった。最後は森下選手が素晴らしいプレーをしてくれて、本当に助かりました」と感謝しきりだった。
◆阪神坂本誠志郎捕手が粘りのリードとバットで6連勝に一役買った。先発デュプランティエが2点を失ったが、5回以降は0封継投でしのいで8回の勝ち越し劇を演出。「デュプランティエはもっと自分が何とかできたんじゃないかと。申し訳なかった。中継ぎが頑張って、終盤に点を取るのはチームの形。みんなで粘って最後に勝てたのはよかった」と汗をぬぐった。8回は大山の勝ち越し打に続いて、田中瑛から左越えのタイムリー二塁打を放って3点差に広げ、勝利を決定づけた。
◆虎の0魔神だ。阪神及川雅貴投手(24)が、開幕から13試合連続自責ゼロの無双投球で6連勝を呼び込んだ。「自分で出したランナーだし同点で1点でも入れば...。全力で抑えにいった」2-2の8回の勝負どころで、4番手でマウンドへ。吉川と岡本の連打などで1死満塁のピンチを招いたが、キャベッジの弾丸ライナーを遊撃小幡が好捕。続く代打大城卓は遊ゴロに抑え、その裏の4得点勝ち越しを呼び込んだ。リリーフながら早くもキャリアハイの3勝目をゲット。「今回も何とか助けてもらいながら無失点で帰ってこられた」と胸をなで下ろした。チーム23試合の半分以上、両リーグ最多の13試合に登板。それでも計12回1/3を自責0(1失点)に抑え、開幕から防御率0・00を維持している。ここぞで何度も無失点に抑え、セットアッパーとして首位阪神を強力バックアップ。藤川監督も日々の活躍に「本当に今年にかける思いというか、今までの経験が生きて自分らしく投げていくことができている」と5年目の大ブレークに目を細めている。先発にも挑戦した昨季は、登板9試合で1軍と2軍を行ったり来たり。今年を勝負の年と位置付け、並々ならぬ覚悟で臨んでいる。「1軍に定着している選手ではないので、キャンプからの持っている力を出せるように、どんどんアピールしていかないと」。4年間の反省をもとに、1月は守護神岩崎らとの自主トレで心身を鍛え直した。抜てきされた沖縄・宜野座キャンプでも目の色を変えた。ブルペンでは何度もおかわり投球。真っすぐ、変化球ともに威力を増して成長した姿が、首脳陣の目に止まった。「1軍にいないと意味がない」。オープン戦も登板3試合で計5回2/3を無失点。先発と中継ぎの両にらみで調整してきたが「無失点で帰ってくるのは変わらない」と、自身に課した0封ノルマを公式戦でも有言実行している。今回の6連勝中も5試合投げ、タフネス左腕ぶりを存分に発揮している。「ブルペンもチームも一丸となって戦えている」。背番号37の奮闘なくして、虎の首位快走はない。【塚本光】
◆猛虎が止まらん! 首位阪神が5番大山悠輔内野手(30)の8回決勝打に導かれ、今季最長の連勝を6に伸ばした。前日25日から「トルピード(魚雷)バット」を使い始めた主砲は2戦連続の決勝打を放ち、通算1000試合出場を自ら祝福。5度のV打はリーグトップで、6連勝中は4度のV打と勝負強さが際立つ。チームは球団77年ぶり、1950年(昭25)の2リーグ分立後では初の巨人戦開幕5戦5勝をマーク。今季最多の貯金6で、2位広島とのゲーム差を1・5に広げた。数メートル先の佐藤輝が一塁へ歩き始める。申告敬遠がコールされると、甲子園の四方八方から怒号にも似た大歓声が沸き起こった。今季甲子園最多の観客4万2631人も我を失いかけそうな空気感。渦中の大山だけは感情を揺れ動かすことなく、黙々と丁寧に素振りを繰り返していた。「いや、もう冷静に打席に向かいました。そういう場面もあるだろうと想定して準備していました」同点で迎えた8回裏1死二塁、4番が歩かされた。一、二塁でマウンド上には右腕の田中瑛。スライダーを見逃した直後の2球目、内角149キロシュートを振り抜いた。鋭いゴロで三塁線を破る決勝二塁打。二塁ベースに到達すると、5番はパンと手をたたいた。「何回か対戦もあったので、ボールの軌道であったり、どういう投手なのかは頭に入っていました」前日25日から使用する「魚雷バット」は芯が手元寄りにあり、内角球にも対応しやすい。新バットの利点も生かした"読み勝ち打"を決め、77年ぶりの巨人戦開幕5戦5勝に導いた。クリーンアップのトリを任される今季。打点へのこだわりを隠さない。2月の沖縄・宜野座キャンプ中はフリー打撃から得点圏に走者を置いた場面を想定。安打、犠飛どころか、内野ゴロを転がすためのバットの出し方まで確認していた。「場面場面で嫌らしい仕事ができるようになりたいので。あとは......何を考えているのか相手に悟らせないことですかね」虎の背番号3は数年前と比べて明らかに"不気味度"が増した。狙い球が分かりづらくなった。「捕手は打者のしぐさの1つ1つを『演技なのか演技じゃないのか』も含めて見ている。そこであえて『うわー見逃してしまった』みたいな雰囲気を出してみたり。ここ数年は対捕手の部分も増えてきました」この日も勝負どころでバッテリーとの駆け引きに勝利。今季5度目のV打はリーグ最多の数字だ。これで通算1000試合出場も達成。「僕1人の力では無理でした」と周囲への感謝を忘れない姿勢も、リーダー格として頼もしい。チームは8回表1死満塁のピンチを遊撃小幡の大ファインプレーから切り抜け、8回裏に4得点。主役は"一丸力"に胸を張った。「その前のイニングの守備ですごく勢いがついた。本当に全員の勝利。お立ち台も僕だけでなくチーム全員で上がりたいぐらい」今季最長の6連勝、今季最多の貯金6。藤川阪神が、強い。【佐井陽介】前日に続いて勝利打点(V打)を挙げたのは大山。これで大山の今週のV打は22、23日のDeNA戦も含めて4度目。阪神で週間4度のV打は、98年ハンセン以来27年ぶり。ハンセンは7月29、30日広島戦と31日、8月2日巨人戦でV打をマークした。
◆猛虎が止まらん! 首位阪神が5番大山悠輔内野手(30)の8回決勝打に導かれ、今季最長の連勝を6に伸ばした。5度のV打はリーグトップで、6連勝中は4度のV打と勝負強さが際立つ。チームは球団77年ぶり、1950年(昭25)の2リーグ分立後では初の巨人戦開幕5戦5勝をマーク。今季最多の貯金6で、2位広島とのゲーム差を1・5に広げた。阪神が巨人相手に開幕5連勝。阪神の巨人戦開幕5連勝は03年以来、22年ぶり5度目。巨人に引き分けなしで開幕5戦5勝以上は06年ロッテ(6戦6勝)以来5度目で、球団では1リーグ時代の37年秋(7戦7勝)48年に次いで77年ぶり3度目。5度のうち3度を阪神が記録したことになった。また、新人監督が巨人に開幕5戦5勝したのは、80年土井監督(大洋)以来45年ぶり2人目。前日に続いて勝利打点(V打)を挙げたのは大山。これで大山の今週のV打は22、23日のDeNA戦も含めて4度目。阪神で週間4度のV打は、98年ハンセン以来27年ぶり。ハンセンは7月29、30日広島戦と31日、8月2日巨人戦でV打をマークした。
◆巨人阿部慎之助監督が終盤の攻防を悔やんだ。同点で迎えた8回表の攻撃。1死満塁でキャベッジが放ったヒット性の打球は、阪神小幡のダイビングキャッチによって阻まれた。続く代打大城卓も遊ゴロに倒れ「もうあそこが全てだったね。あそこで点が取れなかったら、ほぼイコール負けみたいな流れになっちゃったけどね」。直後に守備の乱れからピンチを招き、大量4失点。明暗がくっきりと分かれ「野球って怖いなって思うね」と嘆いた。打線もつながりを欠く。犠飛と内野ゴロの間による2得点のみで、甲子園に乗り込んでからの2試合は適時打がない。この日は4番岡本の後を打つ5番以降が無安打に終わり「みんな必死でやってるんだけどね。技術がないってことじゃないですか」とバッサリ。これで対阪神戦は開幕から5戦5敗。1リーグ時代の48年以来、77年ぶりの屈辱となったが「明日は総力戦で必ず勝って帰りたい」と意気込んだ。▽巨人グリフィン(5回に今季初登板も同点打浴びる)「最初はさびついてギクシャクした感じだった。責任を感じてる。やったことは受け入れて、この先に目を向けるしかない」
◆この日1000試合出場を達成した大山悠輔内野手(30)の決勝打で、阪神が今季最長の連勝を6に伸ばした。貯金も最多の6となり、2位広島も敗れたため、ゲーム差は1・5に。今季の巨人戦連勝も5に伸ばし、2リーグ制後では初の開幕から5戦5勝となった。
◆27日の巨人戦には阪神D1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が先発する。登板前日はキャッチボールなどで調整。20日の広島戦(甲子園)でプロ初先発初勝利を挙げた期待の左腕は、ここまで救援を含めて7試合に登板し、計13回1/3を無失点に抑えている。対する巨人打線は智弁学園高の先輩である4番・岡本が25時点で打率・326、7本塁打、21打点と好調。伊原は「対戦するのは初めて。状態は非常にいいと思いますし、一発が出るとチームも勢いに乗ると思う。なんとか抑え込みたい」と警戒を強めた。
◆両軍のスターティングメンバーが発表された。5連勝中の阪神は「5番・一塁」の大山悠輔内野手(30)が先発出場。史上537人目の通算1000試合出場を達成する。前夜は一回に先制の適時打を放つなど調子を上げてきており、チームを勝利に導く一打に期待がかかる。岩崎優投手(33)がベンチ外となった。
◆阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が立ち上がりに先制を許した。一回、先頭の泉口に中前打を許すと、続く若林にエンドランを決められて無死一、三塁。3番・吉川尚を大きく曲がるカーブで見逃し三振に斬るも、岡本に中堅に飛球を運ばれて犠飛で1点を失った。その後、一走・若林の二盗で得点圏に走者を背負ったが、甲斐をカーブで空振り三振に仕留めて最少失点で切り抜けた。
◆先制された直後に阪神・佐藤輝明内野手(26)の適時打で同点に追いついた。0-1の一回、先頭の近本が先発・石川の初球直球を左前に運んで出塁すると、中野の犠打で1死二塁。続く森下が捉えた打球を飛ばすも、三塁・門脇の好捕に阻まれたが、佐藤輝の一打で好機をものにした。カウント2-2から高めのボール球の直球をはじき返して、打球は二塁の横を抜ける適時二塁打。25日の同戦で3ランを放った主砲が、この時点で巨人・岡本に並びリーグトップとなる22打点目を挙げた。「打ったのはストレート。追い込まれていましたが、高めの球にきっちりコンタクトできました。先制されて、早めに追いつきたい場面だったので、結果が出て良かったです。」とコメントした。
◆阪神・前川右京外野手(21)が二回の第1打席で中前打を放ち、自己最長を再び更新する14試合連続安打とした。石川の132キロカットボールを捉えた。これで8日のヤクルト戦(神宮)から14試合連続安打。若きヒットメーカーのバットが止まらない。
◆阪神のジョン・デュプランティエ投手(30)が勝ち越しを許した。1-1の四回、先頭の吉川尚にフルカウントから三塁打を許してピンチを背負い、打席には4番・岡本。初球をはじき返され、中前へ抜けようかという打球を二塁・中野拓夢内野手(28)が好捕。その間に走者が生還し1点こそ失ったが、デュプランティエは帽子に手をやり、好守の中野に感謝の意を示した。続く甲斐は遊ゴロ、キャベッジを三球三振に仕留めて、四回までに8奪三振を記録している。
◆先発した巨人・石川達也投手(27)は4回3安打1失点で降板した。五回の攻撃で代打を告げられた。今季4試合に先発して1勝2敗、防御率1.89だった左腕。一回2死二塁から阪神・佐藤輝に同点適時二塁打を浴びた。三回は三者凡退、四回は四球を与えたが併殺に打ち取った。2番手でマウンドに上がったのは、今季初登板のフォスター・グリフィン投手(29)。開幕ローテーション候補だったが、開幕直前に発熱。その後も、コンディション不良で20日のヤクルト戦(神宮)の先発を回避していた。
◆阪神先発のジョン・デュプランティエ投手(30)は五回の裏に代打を送られ、5回4安打2失点、9奪三振で降板した。五回に2死満塁のピンチを背負うも無失点で切り抜けた。1-2の五回、1死から味方の失策で出塁を許し、二盗で2死二塁と得点圏に走者を背負った。打席に立った1番・泉口をカウント2-2から際どいコースにカーブを投げ込み、球審・真鍋の左手が上がりかけるもボール判定。ベンチに戻りかけたデュプランティエは思わず苦笑いを浮かべた。その後、左前打を許し、続く若林に死球で満塁のピンチで打席には吉川尚。カウント2-1から内角低めの直球を捉えられ、右中間の深い位置に打球を運ばれるも、右翼・森下がランニングキャッチ。複数得点を防ぐ好守に、場内からは「森下コール」が湧き起こった。
◆阪神が1点を追う五回に代打・渡辺諒内野手(29)の適時打で2-2の同点に追いついた。この回から登板した巨人2番手・グリフィンを攻めた。1死から坂本が四球を選び、小幡が投前に犠打を決めてつくった2死二塁。ここで先発したデュプランティエの代打で渡辺が打席へ。カウント2-1から内よりの球に詰まるようにはじき返し、中前へ落ちる適時打を放った。「打ったのはたぶんカットボールかな。この大事な場面に代打で起用してもらったので、何としても得点に絡めたいと思っていました。(小幡)竜平も1アウトからバントでチャンスメークしてくれたので、この期待に応えれてよかったです」渡辺は10打席目で今季初打点をマークした。
◆阪神・大山悠輔内野手(30)がNPB史上537人目となる通算1000試合出場を達成した。2017年に白?大からドラフト1位で阪神に入団し、初出場は同年6月23日の広島戦(マツダ)。プロ9年目で節目の数字に到達した。この日の試合前まで、999試合出場で通算933安打、138本塁打、560打点、打率・267。五回が終了し、試合が成立すると、場内アナウンスとともに、記念のボードが手渡された。大山はスタンドに向けて2度頭を下げ、阪神ファンからは「大山コール」が湧いた。
◆阪神は八回に及川雅貴投手(24)が4番手でリーグ最多13試合目の登板。満塁のピンチを招きながらもゼロに抑えた。この回先頭の若林を空振り三振に斬った後、吉川尚に三塁内野安打を許す。岡本には左翼線二塁打を浴びて1死二、三塁とされた。甲斐を申告敬遠で歩かせ、1死満塁と塁を埋めてキャベッジと勝負。カウント2-1からキャベッジは逆方向へ強いライナー打球を弾き返したが、前進守備を敷いていた遊撃・小幡が横っ飛びで好捕するスーパープレーで勝ち越し打を阻んだ。さらに代打・大城卓を1-2と追い込むと、最後は遊ゴロに仕留めて無失点で切り抜け、場内の大歓声を浴びた。
◆阪神が6-2で巨人に逆転勝ちを収めて6連勝。今季最多4万2631人が詰めかけた甲子園で劇的な勝利を挙げて貯金6、2位・広島とのゲーム差を「1・5」に広げた。打線は0-1の一回2死二塁で、佐藤輝の適時二塁打で同点。再びリードされて迎えた五回には、2死二塁から代打・渡辺が値千金の同点適時打を放った。2-2の八回、1死から森下の内野安打と相手失策で1死二塁とチャンスを作ると、佐藤輝が申告敬遠され、打席には5番・大山。場内は大ブーイングの中で打席に入り、田中瑛の内角変化球を捉えた。打球は三塁線を破り、勝ち越しの適時二塁打。好機は続き、1死満塁から坂本が左越え2点適時打二塁打、小幡の犠飛でこの回一挙4点を奪った。先発したデュプランティエは5回4安打2失点、9奪三振と圧巻の奪三振ショーを披露した。一回に2本の安打と犠飛で先制を許すも、武器であるカーブと150キロ超の直球で三振を量産。四回に勝ち越しを許したが、先発の役割を果たした。2-2の八回には3番手で登板した及川が1死満塁のピンチを背負うも、遊撃・小幡の好守にも助けられ無失点。九回は石井が3人で抑えて勝利をつかみ取った。
◆巨人は1948年以来、77年ぶりとなる阪神戦開幕5戦5敗。2リーグ制(1950年)以降では初の屈辱に、阿部慎之助監督(46)は「(八回満塁で無得点) もうあそこが全てだった。あそこでもう点取れなかったら、もうほぼイコール負けみたいなな流れになっちゃった。逆転もしたし、いい形作ったんで、野球って怖いなって思うね」と語った。一回に岡本が中犠飛を放ち、阪神戦今季5戦目で初めて先制点を記録したが、その裏に追いつかれた。五、八回の満塁機でいずれも得点できず、2-2の八回に失策絡みで痛恨の4点を勝ち越された。打線は5番以降が無安打に終わり、指揮官は「みんな必死でやってるんだけどね。技術がないってことじゃないですか」とした。
◆巨人・グリフィン投手が五回から2番手で今季初登板し、2回2安打1失点に抑えた。五回に同点打を浴びたが、六回はクリーンアップから2三振を奪い三者凡退。「最初はギクシャクしたが、2イニング目はやりたいことができた」とうなずいた。阿部監督も「次につながる」と評価した。先発ローテーション候補だった左腕だが、開幕直前に発熱で離脱。その後もコンディション不良で、20日のヤクルト戦(神宮)の先発を回避していた。
◆首位を堅持した阪神が1948年以来の巨人戦開幕5戦5勝を飾った。八回、森下翔太外野手(24)が内野安打と敵失で二進。佐藤輝明内野手(26)の申告敬遠後に、通算1000試合出場を果たした大山悠輔内野手(30)の三塁線を破る二塁打で勝ち越した。坂本誠志郎捕手(31)の左越え2点二塁打と小幡竜平内野手(24)の中犠飛で突き放した。八回1死満塁の窮地を脱出した及川雅貴投手(24)が3勝目。前川右京外野手(21)は二回の中前打で14試合連続安打とした。6連勝、貯金6はともに今季最長、最多。
◆悪い流れを象徴するように、痛烈な打球が無情にも前進守備の網にかかった。巨人は2―2の八回1死満塁、キャベッジが捉えたライナーを遊撃小幡に好捕されるなど無得点。直後に4点を勝ち越され、1948年以来、77年ぶりとなる阪神戦開幕5戦5敗に阿部慎之助監督(46)は「あそこが全てだった。いい形をつくったので、野球って怖いなって思う」と肩を落とした。一回にエンドランを成功させ、4番岡本の中犠飛で阪神戦今季5戦目で初の先取点を奪った。四回も3番吉川の三塁打から岡本の二ゴロで加点したが、5番以降が代打も含めて計18打数無安打の大ブレーキ。下位打線でも得点を重ねた阪神と対照的な結果に、指揮官は「みんな必死でやっているんだけどね。技術がないってことじゃないですか」と唇をかんだ。丸が開幕前に右脚を痛め離脱。坂本やヘルナンデスが不振で2軍再調整となるなどチーム状況は厳しいが、阿部監督は「明日(27日)、総力戦で必ず勝って帰りたい」と言葉に力を込めた。(浜浦日向)
◆阪神は巨人に勝利。これで対巨人には開幕から5戦5勝となった。
◆ファインプレーが突然に飛び出すケースは少ない。生まれる必然性がある。今の阪神の野手には「しっかり守っていれば必ず点が取れる」という確信めいたものがあるのだろう。選手の動きが、巨人の選手と比べると明らかに違う。象徴的なのは八回1死満塁での小幡のプレー。キャベッジの打球にジャンプ一番、好捕した。抜けていれば勝ち越され、八回裏から巨人は必勝リレーの継投だった。阪神の八回裏の猛攻はなかった可能性が高い。四回無死三塁から中前へ抜けようかという岡本のゴロを超美技で二ゴロにした中野のプレーも光った。内野ゴロの間の1点にとどめ、相手の攻撃のつながりを断ち切った。私も優勝したシーズンにはこういうバックの好守によく助けられた。信頼関係が好リズムを生むのだ。投手にも当てはまる。我慢して投げていれば、必ず援護してもらえると思って投げるから、勝利が舞い込む。5回2失点だったデュプランティエは、無駄な四球を全く出さない。この内容は勝利に結びつきやすい。救援陣も役目を果たせば...と気持ちが伝わってくる。強い勝ち方ができている。
◆先発した阪神のデュプランティエ(前ドジャース3A)は5回4安打2失点で降板し「空振りがとれたこと、カウント有利に進めたことはよかった」とうなずいた。3度目の先発マウンドで、来日初勝利はまたもお預けとなったが、最多の9奪三振と持ち味は発揮。藤川監督は「中6日の間に私や投手コーチたちと『次なる課題を埋めにいこうじゃないか』という会話をしてゲームを終わっている。楽しみに見てほしい」と次回登板に期待した。
◆阪神・渡辺諒内野手(29)が大仕事を果たした。1-2の五回2死二塁で代打出場。グリフィンのカットボールをはじき返し、同点の中前適時打を放った。「(小幡)竜平がしっかり送ってくれたので、何とかあそこで一本打ててよかったです」。今季10打席目で初打点。12日の中日戦(甲子園)で今季初安打をマークしており「ヒットが一本出て楽に打席に立てている。継続してやっていきたい」。右の代打の切り札として状態を上げてきた。
◆阪神・前川右京外野手(21)が止まらない。二回の第1打席で石川の132キロカットボールを捉えて中前打。8日のヤクルト戦(甲子園)から始まった連続試合安打を「14」に伸ばした。「1打席目で出たらだいぶ気持ち的にほっとする。あしたも勝利できるように、しっかりもう一回打てるようにしたいなと思います」。打率・312の若武者が6番に座ることも、今季の猛虎打線の強さだ。
◆阪神・島本浩也投手(32)が左キラーらしく好救援だ。2-2の六回2死一塁で左打ちの佐々木を迎えた場面で3番手としてマウンドへ。カウント2-2から内角シュートで空振り三振を奪った。さらにイニングをまたいで七回も三者凡退で封じ「左(打者)のところで準備をできていた。みんなでつないでゼロで抑えられてよかった」とうなずいた。今季は4試合連続無失点と安定感が光る。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)に久々の快音だ。七回に右前打を放つと、3-2の八回1死満塁で勝利を決定づける左越えの2点二塁打。出場7試合ぶりの安打に「巨人打線は気が抜けないので、何とかもう1点をと思って立ちました。僕の打球はめったに(外野手を)越えないので越えてくれてよかった」と笑顔だった。
◆G倒、G倒、G倒、G倒、G倒や~!! 阪神は巨人に6-2で勝利し、1948年以来の巨人戦開幕5戦5勝。今季最長の6連勝、同じく最多の貯金6とした。同点の八回に大山悠輔内野手(30)が左翼線へ適時二塁打。自身の通算1000試合出場となった一戦を鮮やかなV撃で飾った。Gに対しての強さも、ここ最近の大山の勝負強さも歴史的。2位広島に1・5ゲーム差をつけ首位固めに入る。動きそうで動かない、緊迫したゲームにケリをつけた。引っ張った打球が三塁線を抜けると、ナインも虎党も雄たけびを上げた。連日のV打で6連勝。1000試合目のメモリアルゲームを自らのバットで祝福した。「正直ホッとした気持ちが一番でしたし、その前にエラーもあったので、打点を挙げられて、すごくよかったです」五回の守備では後逸、打席でも四回には投ゴロ併殺打。節目の1戦にもかかわらず、見せ場なく迎えた2―2の八回だ。目の前で佐藤輝が申告敬遠され1死一、二塁で出番がやってきた。田中瑛のシュートを捉えると、打球は三塁線を抜け、激走の森下が生還。待望の勝ち越し点に、甲子園を埋めた今季最多4万2631人の観衆が揺れた。後続も続き、この回一挙4点で勝負が決まった。「このお立ち台にも僕だけでなく、チーム全員で上がりたいくらいだと思う。すごく大きな1勝だったんじゃないかなと思います」直前の八回の守りで1死満塁からキャベッジの痛烈な遊直をダイビングで好捕した小幡の守備も、開幕から踏ん張り続けているリリーフ陣も含め、全員でもぎ取った1勝。6連勝で、巨人には開幕から5戦5勝。1948年以来77年ぶりの歴史的G連倒となった。2位・広島とのゲーム差は「1・5」に広がった。
◆後ろで支えてくれる先輩の節目に燃えた。火の出るような打球は黒土で勢いを増して右中間で弾む。先輩、阪神・大山悠輔内野手(30)の1000試合出場を彩る適時打を放ち、佐藤輝明内野手(26)は目を細めた。「先制されて早めに追いつきたい場面だったので結果が出てよかった。それ(勝利)がすべてじゃないですか、今日は」1点を先行された直後の一回2死二塁の好機。何度も辛酸をなめてきた高め直球にバットを合わせた。「高めの球にしっかりとコンタクトできた」。軽打とはいえ、当たればそのパワーが火を噴いた。左腕・石川の144キロ直球を捉えると、打球はあっという間に二塁・吉川の横を抜けていく。今季5試合目にして巨人が阪神から奪った初めてのリードを帳消しにする同点の適時二塁打。今季22打点とし、セ・リーグ1位の岡本(23打点)を追いかけた。恩返しの思いをバットに込めた。この一戦で、大山が通算1000試合出場を達成。4学年上の先輩は後ろでどっしり構え、いつも背中を支えてくれる。「5番に大山さんがいてくれるから、やりやすいです。何とかしてくれる先輩なので」4月15日のヤクルト戦(松山)から任された4番の座。5番・大山がいるから、佐藤輝は輝くことができる。4番に座ったこの10試合は打率・351(37打数13安打)、14打点、4本塁打と絶好調だ。「調子がいいとき、悪いときはありますけど、それはみんなあること。みんなで助け合いながら、というのが打線だと思う。最後までこの打線で頑張れたらなと思います」大山の節目を勝利で飾り、猛虎打線はさらに活気づく。その中心には4番として頼もしく成長するサトテルがいた。(原田遼太郎)
◆八回、巨人のトレイ・キャベッジが放ったライナーに飛び込む阪神・小幡竜平。グラブの先に白球をおさめた=西宮市・甲子園球場(撮影・林俊志)
◆阪神・中野拓夢内野手(28)、森下翔太外野手(24)も美技で勝利に貢献した。まずは四回無死三塁。あらかじめ二塁ベース寄りに守っていた二塁・中野が、岡本の打球を横っ跳びで好捕。ゴロの間に1点は奪われたが、抜群の予測で流れを止め「そこに飛んでくる確率は高い。準備はしっかりできていた」とうなずいた。さらに、右翼・森下は五回2死満塁のピンチで右中間ど真ん中を襲った吉川の打球をランニングキャッチ。小幡と同学年の若虎は「守備で貢献できたというのは自分のやってきたこととしてもよかった」と胸を張った。
◆すっかり虎救援陣の柱だ。2-2の八回、阪神・及川雅貴投手(24)がリーグ最多13試合目のマウンドに上がる。決死の覚悟で腕を振り無失点で切り抜けると、直後の攻撃で味方が勝ち越し、自己最多タイの今季3勝目をつかんだ。「任されたところで投げるのが選手の役割。今回も助けてもらいながらなんとか無失点で帰ってくることができた」誰よりも出番を任されるのはチームから信頼されている証し。今回もきっちり結果で応えた。1死から吉川の内野安打、岡本の左翼線二塁打と申告敬遠で満塁のピンチを背負った。キャベッジが三遊間方向へ放った痛烈な打球を前進守備から小幡が横っ飛びで好捕し、遊直となって2死。さらに代打・大城卓は遊ゴロに仕留めて踏ん張った。小幡のビッグプレーに救われ「ほんと助かりました。脱帽です」-。とはいえ、自身も今季12回?に投げて失点はわずかに1。自責点なしの防御率0・00は立派のひと言だ。「ブルペンもチームも一丸となって戦えている」。タフに首位のチームを支えている。(上阪正人)
◆開幕から巨人に5戦5勝!! 阪神90周年は日本一奪還の虎年やー!! そーだ、今年の干支は巳(へび)だけど、代打ってことでトラ年でいかせてくれね~かな? この勝利で勝率・636。ペナント143試合に換算したら91勝!! 90年プラス日本一の『1』。この勢いでいったれ!!対巨人開幕5戦5勝は77年ぶりだって...。おっ! 77といったら2003年猛虎をリーグ優勝に導いてくれた闘将星野仙一監督の背番号やんかー! ウム、仙ときたら本日プロ1000試合出場の大山が自らのバットで八回決勝タイムリーのお祝い打!! 大山さ~ん、巨人に行ってたら5連敗の屈辱だったのよ~。阪神に残って全てオメデトウ!!2-2の同点の八回一死満塁の大ピンチに、三遊間のライナーに飛びつく超美技でチームを救い、犠飛で追加点を奪った小幡も育ってきとるでェ! 木浪も負けたらアカン!!そんなお祭り騒ぎの中、悲運の外国人が1人。本日先発5回9奪三振のデュプランティエ...。ここまで防御率1・69なのにいまだ未勝利。まさか13連敗中の西武・高橋光成パート2。そんなのダメー! 2人とも次は勝つよー!!
◆なんと77年ぶりの快挙だとか。開幕から巨人に無キズの5連勝-。あぁ、あの時以来か、と語れる方がもし、おられたら、ぜひ、連絡いただきたい。巨人に圧倒されまくるシーズンを数多く見せられて虎ソナにとっては、興味津々、雲外憧憬、祖先崇拝...。痛快な話を根掘り葉掘り、聞きたいと思う。--こんなに勝ちまくって、逆につまらないのでは?新米トラ番・萩原翔にへそ曲がりな問いかけをしたら、速攻で却下された。「尋ねる相手を間違えていますよ。こんなハッピーなことって、ないじゃないですか」失礼しました。さすが熱狂的虎党を自任するトラ番記者だ。1面は決勝タイムリー二塁打の大山。1000試合出場のメモリアルの日だった。メデタイことが重なった。八回の裏に殊勲打が飛び出した瞬間に、隣の席で「ボクが1面を書かなくてはいけないですね。覚悟を決めました。頑張ります」とポツリつぶやいていたのはことしの「大山担当」の渡辺洋次。決して口数が多くない大山の、その胸の奥に潜む闘志の炎が渡辺には見えるのか? 熱き原稿、いかがでしたか。「春の大山」のボードがスタンドのあちこちで揺れていた。なぜか、広まっているこのフレーズ。春のシーズンの大爆発をファンはみんな願っている。ただ、つい先日まで寒波に震え、最近では25度を超える日がやってきて、長期予報は「猛暑、酷暑、烈暑」。すぐに夏がやってくるらしい。短い春だけでなく、「年中、大山」であってもらいたい。
◆八回の攻防が、巨人の分かれ目だった。攻めては1死満塁で、キャベッジが前進守備の遊撃へライナー。惜しい当たり...に映っても、エモトにいわせれば、どん詰まりよ。だからキャッチされるわけだ。それに、守った方はファインプレーでも、打った方は凡打と一緒だしね。それ以前に初球、真っすぐのストライクを見逃している。勝負のかかる場面に消極的で、どうする。開幕当初の活躍で、よもや日本野球を軽く見たわけではあるまい? 一応、いっておくと、あの大谷がいた球界だよ。さて、その裏の田中瑛の投入も、いかがなものか。セットアッパーか敗戦処理か、どうも役割がはっきりしない。成績上は抑えているけど、スピードもコントロールも、それほどではない。なにより、阪神に負け続ける中、先手先手と取っただけに、なんとしてでも勝ちたいゲーム。あそこからは通常の継投ではなく、大勢やマルティネスもつぎ込むべきだった。その前の投手より球威がないと、防ぎきれるものではない。先は長いとはいえ、あとあとに響く勝ち負けというものは、あるのだから。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
阪神 |
14 | 8 | 1 | 0.636 (↑0.017) | - (-) |
120 | 82 (+6) | 63 (+2) | 14 (-) | 17 (-) |
0.246 (↑0.004) | 2.380 (↑0.01) |
2 (-) |
広島 |
12 | 9 | 1 | 0.571 (↓0.029) | 1.5 (↓1) |
121 | 77 (-) | 59 (+2) | 7 (-) | 9 (-) |
0.253 (↑0.002) | 2.290 (↑0.1) |
3 (-) |
巨人 |
12 | 11 | 1 | 0.522 (↓0.023) | 2.5 (↓1) |
119 | 85 (+2) | 76 (+6) | 17 (-) | 13 (+2) |
0.258 (↓0.003) | 2.930 (↓0.14) |
4 (-) |
中日 |
9 | 11 | 2 | 0.450 (↑0.029) | 4 (-) |
121 | 44 (+5) | 63 (+2) | 7 (-) | 11 (+1) |
0.206 (↑0.007) | 2.670 (↑0.03) |
5 (1↑) |
DeNA |
8 | 12 | 2 | 0.400 (↑0.032) | 5 (-) |
121 | 72 (+2) | 71 (-) | 7 (-) | 7 (-) |
0.225 (↓0.003) | 2.930 (↑0.13) |
6 (1↓) |
ヤクルト |
7 | 11 | 1 | 0.389 (↓0.023) | 5 (↓1) |
124 | 55 (+2) | 83 (+5) | 6 (-) | 4 (-) |
0.224 (↑0.001) | 3.890 (↑0.02) |
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