1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 | 0 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 12 | 0 | 0 |
勝利投手:松葉 貴大(2勝1敗0S) (セーブ:松山 晋也(0勝0敗5S)) 敗戦投手:西 勇輝(0勝1敗0S) |

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◆中日は初回、上林の適時打で1点を先制する。そのまま迎えた5回表には、細川の適時打などで2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・松葉が7回1失点の粘投で今季2勝目。敗れた阪神は、打線が相手を上回る12安打を放つも、2得点とつながりを欠いた。
◆中日高橋周平内野手(31)が1軍に合流し甲子園に姿を見せた。今季はキャンプからここまで2軍で調整してきた。また、開幕からここまで全13試合「4番三塁」で出場してきた石川昂弥内野手(23)の姿がなかった。今季成績は打率1割6分(50打数8安打)、3打点、0本塁打だった。
◆今季初勝利を目指す阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)が、さっぱりとイメチェンした。この日、試合前練習のグラウンドに現れた助っ人は、トレードマークの長いひげをきれいにそって登場。「1回一新しようかなと。新鮮な気持ちになるためにという感じ」。前日11日の夜に、約10分かけてニュースタイルが完成した。「日本に来た1年目は春キャンプでそってから、全部そるのは初めてです」と約2年ぶりだという。周りの選手たちからも「若いねって。自分の年齢のことを忘れてるんじゃないかな(笑い)」と評判は上々のようだ。開幕ローテーション入りしたビーズリーは、2戦連続で6回途中で降板し、どちらも勝ち負けつかず。この日はバント練習をしていると、藤川球児監督(44)から「まずは1勝しようね」と声をかけられた。「自分の中でも自分自身に対して期待は大きく持っていますし、監督も期待を持ってくれていると思っている。監督には『もう5回以上行けるようにしっかり準備しています』と伝えました」。来日2年目の昨季は、先発として8勝3敗と飛躍の年になった助っ人。気持ちも新たに、まずは今季1勝目をつかむ。
◆両軍のスタメンが発表され、11日にホーム初勝利を挙げた阪神は連勝を目指す。先発マウンドに上がるのは、西勇輝投手(34)。チーム最年長右腕が、今季初先発で初勝利を目指す。打線は11日にマルチ安打を放った坂本誠志郎捕手(31)が7番での先発となった。
◆中日井上一樹監督(53)が開幕14試合目で、11日試合後に言った「てこ入れ」を行った。開幕からここまで全13試合「4番・三塁」で出場してきた石川昂弥内野手(23)の出場登録を抹消。今季成績は打率1割6分(50打数8安打)、3打点、0本塁打だった。かわりに今季はキャンプから2軍調整を続けてきた高橋周平内野手(31)を出場選手登録し「6番・三塁」でスタメン起用した。
◆阪神藤川球児監督(44)がプレーボールからわずか1分、3球目にいきなりリクエストを行った。先頭の中日岡林が右翼線を抜く安打。森下翔太外野手(24)が完璧なクッションボール処理で二塁に好返球を行った。二塁は微妙なタイミングになったが、塁審はやや迷いながらもセーフのジャッジ。遊撃の木浪の要請を受けて、藤川監督は即座にリクエストのジェスチャーを示した。結果はセーフのまま変わらなかったが、珍しい"爆速"リクエストだった。
◆阪神前川右京外野手(21)がピンチを救った。0-1の2回2死三塁で岡林勇希外野手(23)の打球は左中間の真ん中へ。甲子園の阪神ファンからあきらめに似た悲鳴が上がったが、左翼前川は必死に打球を追い、最後はダイビングしてダイレクトキャッチ。えびぞりになりながら、ボールを離さなかった。一気に試合の流れを持っていかれそうな場面でのビッグプレーだった。岡林は同じ三重県出身。今年1月、同郷の先輩に依頼して、津市内での自主トレに初めて参加。ゴールデングラブ賞3度の外野守備を徹底的に教わっていた。これ以上ない「恩返し」だった。
◆阪神が手痛い1点を失った。0-1の5回。西勇輝投手(34)が2点目を失い、なお1死一、三塁。ジェイソン・ボスラー内野手(31)のどん詰まりの打球が右翼前方に上がった。二塁手の中野拓夢(28)が背走し、後ろ向きのまま好捕したかに見えたが、ボールを落とした。すぐに拾い上げて二塁に転送し、自重していた一塁走者を封殺。その間に三塁走者が3点目のホームを踏んだ。打球はフライでありながら、記録は「二ゴロ」になった。公式記録員は1度、ボスラーに打点なしとアナウンスしたが、のちに打点ありに訂正した。併殺崩れの間の打点と同様のあつかいとなった。
◆今季初先発となった阪神西勇輝投手(34)が、5回途中7安打3失点で降板した。初回に上林の中前先制打で1点を失いながらも、その後は粘投。3回以外は毎回得点圏に走者を進めながら、無失点を継続していた。しかし1点ビハインドの5回1死二、三塁から4番細川にまたも左翼前へテキサスヒットで追加点を奪われた。1死一、三塁となり、続くボスラーの当たりは右翼手、二塁手の間の飛球に。二塁中野が背走したが落球し、さらに1点を失った。直後に2番手漆原大晟投手(28)が告げられた。
◆阪神ドラフト1位伊原陵人投手(24)が回またぎの登板を無失点に抑えた。デビュー戦3月30日広島戦(マツダスタジアム)から、これで6試合連続の無失点となった。2点ビハインドの6回に登板。8番木下、9番松葉を連続三振に取るなど、1イニング目は3者凡退に仕留めた。2イニング目の7回は、先頭岡林に中前打を浴びるなど2死一、二塁のピンチ。代打中田との対戦となったが、143キロ直球で遊ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。2回1安打無失点の好投。これで伊原は、連続無失点イニングを8回1/3に伸ばした。
◆前日11日に今季ホーム初勝利を挙げた阪神は、聖地で連勝とはならなかった。昨季から続いていた甲子園での中日戦の連勝も、引き分けを挟んで11連勝でストップした。今季初登板となった先発の西勇輝投手(34)が5回途中7安打3失点。初回先頭の岡林に右翼線二塁打を許すと、1死三塁から上林に先制適時打を献上。不運な当たりもあったが、3者凡退に抑えた3回以外は先頭打者の出塁を許すなど、苦しい投球となった。前夜に24年9月13日広島戦以来となる、先発全員安打を放った打線もこの日は沈黙。毎回のように走者を出すも、あと1本が出ず。3点を追う5回1死から、木浪、代打渡辺の連打で好機をつくり、中野の右前適時打で1点をかえしたが、反撃はここまでだった。それでも明るい材料もあった。ドラフト1位ルーキーの伊原陵人投手(24)が7回から登板し、2回1安打無失点。これで開幕から6試合の登板で8回1/3を投げて無失点を継続した。阪神は13日中日戦で、2カードぶりのカード勝ち越しを目指す。
◆中日が阪神に競り勝ち、昨年から続く甲子園での連敗を11でストップした。23年9月27日以来2年ぶりの勝利には、井上一樹監督(53)の「てこ入れ」が生きた。初回に1死三塁から上林誠知外野手(29)の中前適時打で先制。5回には、今季初めて4番に入った細川成也外野手(26)の左前適時打などで2点を追加した。投げては先発松葉貴大投手(34)が7回109球、8安打1失点で今季2勝目を挙げた。今季、我慢して育てる方針で開幕から13試合「4番・三塁」で使ってきた石川昂弥内野手(23)が2軍へ降格。代わって今季初昇格の高橋周平内野手(31)が「6番・三塁」で昇格即スタメン出場し、4回に右翼線二塁打を放ち、体を張った守りでも貢献した。チームは連敗を2でストップ。借金を2とした。
◆前日11日に今季ホーム初勝利を挙げた阪神は、聖地で連勝とはならなかった。 今季初登板となった先発の西勇輝投手(34)が5回途中7安打3失点。5回1死一、三塁で、ボスラーの二ゴロの間に3点目を失ったところで降板となった。試合後、藤川球児監督(44)は「苦しみながらもなんとか5回までいこうとはしていましたけど、そこがいっぱいかなというところ。状態もあるでしょうし、最初の登板という緊張感もあったと思うので。展開的にはまだいけるというところだったんですけどね」と話した。前夜に24年9月13日広島戦以来となる、先発全員安打を放った打線もこの日は沈黙。3点を追う5回に中野の右前適時打で1点をかえした。最終回も大山、前川の連打から1死二、三塁の好機をつくったが、木浪の遊ゴロの間に三塁走者の大山が生還した一方、二塁走者の島田が戻れず二塁タッチアウト。指揮官は「その前からですね。あまりゲームをうまく運べなかったというところですね」と試合を総括した。昨季から続いていた甲子園での中日戦の連勝は、引き分けを挟んで11連勝でストップ。13日の第3戦で2カードぶりのカード勝ち越しを目指す。
◆中日ナインが、井上一樹監督(53)の「てこ入れ」に奮起した。阪神に1点差で競り勝ち、昨年から続いていた甲子園での連敗を11で止めた。前日11日まで開幕から13試合「4番・三塁」で使い続けていた石川昂弥内野手を2軍に降格させ、キャンプから2軍調整を続けてきた高橋周平内野手を「6番・三塁」で昇格即スタメン起用。高橋周は二塁打で、今季初4番の細川成也外野手は適時打で期待に応えた。9回、1点差に迫られ、なおも2死一、三塁のピンチで守護神松山が近本をフォークで空振り三振に仕留めた。中日の甲子園での勝利は23年9月27日以来2年ぶり。井上監督の気迫がナインに乗り移ったような粘り腰だった。前日11日の試合後、開幕から全13試合4番を任せてきた石川昂に2軍降格を告げた。井上監督は「4番でいくってオレが決めていたものがなかなか...。チームがうまいこと回らないなら、スパッと2軍でもう1回出直してこいと」と説明した。キャンプから石川昂を4番で育てる方針を打ち出し、ここまで貫いてきた。オープン戦は不調でも使い続けたが、シーズンで打率1割6分(50打数8安打)、3打点、0本塁打。三塁守備のミスも目立っていた中での決断となった。代わりに三塁には、右手の故障もあり、ここまで2軍暮らしだった高橋周を入れた。井上監督は「周平にも『お前が来て新しい風で雰囲気を変えてくれ』『ドラゴンズ一筋で長いことやってるんだから頼むぞ』と言ってね」と背中を押した。高橋周は体を張って三塁を守り、4回の今季初安打となる右翼線二塁打では、二塁に頭から飛び込んだ。4番に座った細川も試合前まで打率1割5分8厘と不振だったが「上位を打てるような成績じゃないのに打たせてくれたことはうれしい」と意気に感じ、5回に左前適時打。前日から1軍で試合に出始めた新外国人ボスラーも来日初安打、初打点と結果を残した。チームは連敗を2で止め、借金2とした。奮起し続ける投手陣を援護できる、つながる打線をつくるため、試行錯誤は続く。こだわり続けた4番石川昂をスパッとあきらめた。3年連続最下位のチームに、勝利へのこだわりを改めて植え付けていく。【石橋隆雄】
◆阪神前川右京外野手(21)が守備の師匠に"恩返し"をした。0-1の2回2死三塁。岡林の左中間への飛球を必死に打球を追い、ダイビングしてダイレクト捕球。えびぞりになりながら、ボールを離さなかった。失点を防ぐ好守を「なんとしても捕りたかった。捕れてよかった」と振り返った。今年1月、同郷三重の岡林に依頼して合同自主トレ。ゴールデングラブ賞3度の名手に課題の守備を教わっていた。バットも乗ってきた。6回に右翼線二塁打。2点を追う9回無死一塁では、望みをつなぐ遊撃内野安打を放った。決勝二塁打を放った前日に続くマルチ安打と、当たりが出ている。「(9回は)本当に何とかという感じで、結果ヒットになって、つながって良かったです。昨日の今日だし、2打席凡退してから3、4打席目に2本出たので、そこは良かったと思います」とホッとしていた。
◆阪神中野拓夢内野手(28)が2日連続の3安打猛打賞で打線をけん引した。前日に続いて、この日も井上のバットを使用。左前打、右前打、中前打と各方向に華麗に打ち分けた。「バットが今までと違い、太く重い分、どうしても振ってしまうとバットが出てこない。コンタクトする方に重きを置いてるので、その結果がいいヒットが出てるかなと思います」と手応えを口にした。
◆阪神の新人工藤泰成投手(23)が9回に登板し、苦しみながら無失点に抑えた。代打ブライトと岡林に連続四球。制球が定まらず、ピンチを迎えたが、併殺と三振で切り抜けた。「ゼロはゼロですけど、悔しいですね。でも、悔しいと言っても自分の実力なので、そこはしっかりやっていかないといけない。カットボールを入れてからよくなったので、ひとつ勉強になったかなと思います」と猛省していた。
◆阪神島田海吏外野手(29)が、一瞬の判断を悔やんだ。2点を追う9回ウラに代走で出場。1死二、三塁の二塁走者としての場面だった。打者木浪は三遊間へのゴロを放ち、三塁走者は一気に本塁突入。一塁もセーフかと思われた打球で、遊撃手村松は迷わず二塁に送球した。進塁、帰塁の判断が一瞬遅れた島田は、戻り切れずタッチアウト。痛恨の走塁死となった。島田は「ミスですね、完全に」と反省。「先に進みたいという気持ちと、でも前のランナーを見ながらという場面だったので。(三塁走者が)ホームに行くか行かないかというところを見すぎた。もっとセカンドランナーは単独ぐらいの気持ちでいたら、行かなくて良かった打球だったので。それがちょっと見すぎた形になってしまった。そこが反省ですね」。三塁ベースコーチャーを務めた田中内野守備走塁コーチは「難しいし、なかなかない打球が飛んだけど、ああいうところで出る選手なのでね。今も話はしたけど、やっぱりプレッシャーのある同点のランナーだったり逆転のランナーというところでいく代走の選手なので。そこをしっかりとできないと、と思うし。僕らももっともっとああいう場面を想定して練習をさせないといけないところもあるだろうし。そこはしっかりとやります」と振り返った。阪神田中内野守備走塁コーチ(島田の走塁に)「難しいし、なかなかない打球が飛んだけど、ああいうところで出る選手。今も話はしたけど、プレッシャーのある同点だったり、逆転のランナーで行く代走の選手なので、そこをしっかりとできないとと思う。僕らももっとああいう場面を想定して練習をさせないといけないところもあるだろうし、そこはしっかりとやります」
◆中日の先発松葉貴大投手が7回1失点で、プロ通算50勝目となる今季2勝目を挙げた。オリックス時代の同僚・西勇と通算3度目の投げ合いで初めて勝った。「感じるものはあった。勝てたのはうれしい」と喜んだ。甲子園での勝ち星はオリックス・ルーキー時代の13年以来。「高校生(東洋大姫路=兵庫)の時は外野を守っていた。その時からマウンドで投げたいと思っていた。ビジターだけど一番好きな球場」とうれしそうに話した。
◆阪神西勇輝投手(34)は今季初登板を飾れなかった。初回に先制点を献上。2回、4回のピンチは粘ったが、5回に四球から2失点したところで途中降板となった。打ち取った当たりが連続して外野の前に落ちる不運もあった。「1イニングでも多く投げて中継ぎを休ませたかった。もっと大胆でもよかったのかなと。丁寧に投げすぎていたので」と反省した。開幕ローテは若手や外国人に譲ったが2軍で調整を続け、3巡目でローテに合流。藤川監督は「最初の登板という緊張感もあったと思う」と78球で交代させた理由を説明した。
◆またまた好投! 阪神ドラフト1位伊原陵人投手(24)が、回またぎの2イニングを無失点に抑えた。これでデビュー戦3月30日広島戦(マツダスタジアム)から、6試合連続の無失点投球となった。「とにかくゼロに抑えるのが1番。ランナーが出ても、いなくてもそこは変わらない。ゼロで抑えるというところができた、ということだけが良かった」2点ビハインドの6回に登板し、まずは2三振を奪い3者凡退。続く7回だった。先頭岡林に中前打を浴びるなど2死一、二塁のピンチ。登板5試合ぶりの被安打だった。要所で迎えた代打中田。フルカウントまでもつれると、球場からは自然と大きな拍手が起こった。「応援が後押ししてくれたのは間違いない」。背中を押され、最後は143キロ直球を選択。痛烈な打球を返されながらも、遊ゴロに打ち取った。「あそこは自分の強気を出したし、逃げるくらいなら攻めて打たれた方がいいというのがあった。思い切って腕を振るだけだった」2回1安打無失点。デビューからは8回1/3無失点となった。時に回またぎでの登板や、2死満塁での火消し役。しびれる延長戦も経験した。セ・リーグ5球団全てと対戦し、いまだ防御率0・00。ブルペンに欠かせない万能左腕だ。「野手の方に助けて頂いていることが多い。これからは自分がしっかり抑えて、チームに貢献できるように頑張りたい」。強気で謙虚な新人左腕。日に日に存在感が高まっている。【波部俊之介】
◆最終回の猛追も実らず、阪神が中日に惜敗し、昨年から続いていた甲子園での中日戦の連勝は11でストップした。2点を追う9回1死二、三塁から、木浪聖也内野手(30)の遊ゴロの間に1点差に詰め寄るも、代走で出場していた二塁走者の島田海吏外野手(29)が痛恨の走塁ミス。打線も序盤からあと1本が出ずに、12安打で2得点に終わった。13日の第3戦で2カードぶりの勝ち越しを狙う。最高潮に達した追い上げムードも、一瞬にしてしぼんでしまった。最終回の阪神の猛追もあと1歩実らず。藤川監督は「うーん...まあねという感じですね」と言葉少なだった。2点を追う9回1死二、三塁で打席には木浪。三遊間への打球を遊撃手が捕球し、その間に三塁走者の大山がホームイン。しかし、二塁走者の島田が進塁か帰塁か、一瞬ためらった。慌てて二塁へ戻るも、間に合わずタッチアウト。2死一塁と状況が一変した。敗戦後、島田は反省しきりだった。「完全にミスです。(三塁走者が)行くのか行かないのかを見ながら、打球も見ながらという判断だったので。もっと単独という気持ちを持っておけば、迷わず戻れたと思う。あそこでいい判断をしなきゃいけない」勢いを変えた1プレー。それでも指揮官は1人を責めなかった。「その前からですね。あまりゲームがうまく運べなかったというところですね」。3時間20分を通して、あと1歩のところで流れを引き寄せられなかった。打線は2桁安打を放ち、毎回走者を出しながらも、最終回までに奪ったのは1点のみ。7回無死一塁で代打原口が遊ゴロ併殺に倒れ、8回1死一塁でも森下が遊ゴロ併殺と、今季最多の3併殺。7回1失点の好投を許した松葉を攻めあぐね、藤川監督も「そうですね。そういうゲームになってしまいましたね。今日はね」と話すしかなかった。11日に今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げるも、聖地で連勝とはならなかった。昨季は甲子園での中日戦11試合で10勝1分けだったが、前夜までの連勝も11でストップ。きょう再び勝利の「六甲おろし」を響かせて、2カードぶりのカード勝ち越しを決めたい。【磯綾乃】
◆前日11日に今季ホーム初勝利を挙げた阪神は、聖地で連勝とはならなかった。今季初登板となった先発の西勇輝投手(34)が5回途中7安打3失点。5回1死一、三塁で、ボスラーの二ゴロの間に3点目を失ったところで降板となった。
◆試合前練習に参加した阪神のジェレミー・ビーズリー投手(29)が口ヒゲとあごヒゲを剃り、グラウンドに現れた。助っ人右腕のトレードマークの一つがたっぷりと蓄えた口ヒゲとあごヒゲ。以前には「トロント時代にメジャーに上がったときにも口ひげがあったので、続けようかなと思って。ゲン担ぎで」と話したこともあったが、この日はその口元をすっきりとさせて練習に臨んだ。開幕ローテーションに加わって戦っている今季ここまでは0勝0敗、防御率4.35。登板した2試合はともに六回に途中降板と悔しい結果となっている中でみせたイメチェンだった。
◆中日・石川昂弥内野手(23)が2軍に降格した。12日付で登録抹消が公示された。今季は開幕から4番を任されてきたが、ここまで13試合の出場で打率・160、3打点、0本塁打。11日の阪神戦(甲子園)では「4番・三塁」で出場したが、4打数無安打、3三振。三塁後方ファウルゾーンへの飛球を遊撃手の村松と譲り合いになり捕球し損ねるなど、攻守に精彩を欠いた。井上監督は「打率も低いし、引け目を感じている。打てない時はしっかり守ってやるよという心意気があれば、お見合いすることはない。テコ入れをしたい」と苦言を呈して状況打開へ何らかの手を打つことを示唆していた。代わって高橋周平内野手(31)が出場選手登録された。今季は開幕2軍スタートとなり、ウエスタン・リーグでの成績は9試合の出場で26打数4安打の打率・154、0打点、0本塁打。
◆前夜先発全員安打で甲子園初勝利を果たした阪神は、チーム最年長の西勇輝投手(34)が今季初先発に臨む。今季は開幕ローテーション入りこそかなわなかったが、ウエスタン・リーグでは3試合に先発して防御率0・64と結果を残す右腕。オリックス時代の同僚・松葉との投げ合いを制し、15年連続となる勝利を目指す。
◆中日は、開幕から4番を打った石川昂弥内野手(24)に代わり細川成也外野手(26)が「4番・右翼」で出場する。昨季甲子園では10敗1分と勝てず、今回の3連戦でも11日の初戦を落とした。打撃陣をテコ入れして甲子園に2023年9月27日以来の勝利を目指す。
◆阪神の先発・西勇輝投手(34)が立ち上がりに先制を許した。今季初登板となった右腕だが、菰野高の後輩でもある先頭・岡林に右翼線への二塁打を許す。この後内野ゴロで1死三塁となり、続く上林に弱い当たりながら内野の頭を越える中前適時打を浴び、先制を許した。さらに細川を四球で歩かせて1死一、二塁と再び得点圏に走者を背負うも、ボスラーを三振、高橋周を三ゴロに打ち取って最少失点にとどめた。
◆阪神の前川右京外野手(21)がスーパープレーで失点を防いだ。0-1の二回。中日は2死三塁と追加点のチャンスを作り1番・岡林のとらえた打球は左中間へ上がった。これを左翼の前川が追いかけ、球際でダイビングキャッチ。超ファインプレーで失点を防いだ。今オフには三重で合同自主トレも行い、守備のイロハを教わった師匠の打球を見事にキャッチ。先発の西勇も大きくグラブをたたいて前川の好守をたたえた。
◆四回に「5番・一塁」で先発した新外国人ジェイソン・ボスラー内野手(31、前マリナーズ)が右翼へ安打を放って出塁した。第1打席で見逃しに倒れた後、四回先頭で迎えた第2打席。初球をとらえて右前に運び、来日初安打をマークした。さらに、この日昇格し「6番・三塁」でスタメンに名を連ねた高橋周平内野手(31)が右翼線に二塁打を放って無死二、三塁とした。だが村松開人内野手(24)が3球三振に倒れた後、木下拓哉捕手(33)が一飛、松葉貴大投手(34)が二ゴロに倒れて得点を逃した。
◆阪神・西勇輝投手(34)が今季初先発し、1―0に四回に招いた大ピンチをしのいだ。先頭の5番・ボスラー(前マリナーズ)に初球を右前に運ばれると、この日昇格即スタメンの高橋周には右翼線二塁打で続かれた。しかし、村松を空振り三振に抑えると、木下は一飛に打ち取って2死。投げ合う松葉は二ゴロに仕留め、追加点を許さず。この日は先制を許した一回に続いて二回も先頭に長打を浴びており、回の先頭に安打を許すのは四回で早くも3度目だったが、1点差を保った。
◆阪神先発の西勇輝投手(34)は五回途中3失点。今季初先発だったが、無念の降板となった。一回に適時打を浴びていきなり先制を許す。その後は再三のピンチをしのぐも、五回、先頭・岡林に四球を許すと、安打と犠打で1死二、三塁とされ、細川に左前適時打を浴びた。なおも1死一、三塁からボスラーの二塁後方への打球も、中野がさすがの守備範囲で追いついたものの捕球まではできずに三塁走者が生還。この回、2点を失い、4回2/3を7安打3失点で降板となった。「今シーズンの初登板で慎重になってしまいました。自分に求められていることは長いイニングを投げていくことだと思っていますし、応えられずに悔しいです。修正できるように取り組みます」と西勇は振り返った。2番手には漆原が上がり、後続を抑えた。
◆「5番・一塁」で先発した中日の新外国人ジェイソン・ボスラー外野手(31)が五回に来日初打点を挙げた。細川成也外野手(26)の左前適時打で2-0とリードを広げてなお1死一、三塁の場面。ボスラーが放った詰まった当たりは二塁手中野の後方へ飛ぶ飛球となり、難しい当たりを背走しながら追った中野が落球。三走の板山が生還して3-0となった。一塁走者の細川はアウトとなり、記録は二ゴロとなったが打点がついた。ボスラーは四回に放った来日初安打に続き、来日初打点をマークした。
◆阪神は中日に逃げ切られ、甲子園では2023年9月27日以来563日ぶりとなる敗戦を喫した。今季初先発のマウンドに上がった西勇輝投手(34)は五回途中3失点と試合を作れず。立ち上がりの一回に適時打で1点を失うと、五回にも2失点でゲームの流れを引き寄せられなかった。打線は五回に中野拓夢内野手(28)の適時打で1点を返すも、中日の先発・松葉に7回1失点の好投を許した。中日を上回る12安打を放ちながらも、3併殺の拙攻。九回の好機では内野ゴロで1点を返したのみ。最後は2死一、三塁も、近本光司外野手(30)が空振り三振に倒れてゲームセットとなった。佐藤輝明内野手(26)、森下翔太外野手(24)の3、4番コンビもノーヒットに抑えられ、前夜に続く勝利を手にすることはできなかった。
◆九回、二盗を決めた阪神・植田海 =甲子園球場(撮影・甘利慈)
◆中日は松葉が7回1失点で2勝目。緩い変化球を巧みに使い、8安打を浴びても粘り強かった。攻撃陣は一回に上林の適時打で先制し、五回は細川の適時打などで2得点。西勇が低調な投球だった阪神は打線も12安打で2得点に終わった。
◆阪神の甲子園での中日戦連勝が1分挟む11連勝で止まった。今季初登板の西勇輝投手(34)が4イニングで先頭打者の出塁を許し、4回?を投げ、7安打3失点で降板した。打線は五回に中野拓夢内野手(28)の右前適時打で2点差に詰め寄ったが、2死一、三塁で佐藤輝明内野手(26)が空振り三振。九回に1点を返した後の2死一、三塁で近本光司外野手(30)が空振り三振に倒れた。3番手で2回を投げたD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は6戦連続無失点。九回に登板した育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=は2四球を与えたが無失点に抑えた。
◆中日・井上一樹監督(53)がナタをふるって悪い流れを断ち切り、昨季から続いていた甲子園での連敗を11で止めた。「数字を残せていない、ヒットを打ちたいというものがいい方に転がっていないのは明確。冷静になれよというところを植え付けていきたい」最下位に沈む状況を打開するため、指揮官は描いた構想をご破算にした。開幕から4番を打ちながら打率・160と不振の石川昂を3連戦の途中に2軍へ降格させ、高橋周を緊急昇格させた。「新しい風で雰囲気変えてくれ。お前もドラゴンズ一筋で長いことやってるんだから、頼むぞ」そうハッパをかけて、14年目のベテランを「6番・三塁」で起用した。高橋周は四回無死一塁で右翼線への二塁打をマーク。前日は山口・由宇での2軍戦に出場したが、この日朝に急遽(きゅうきょ)1軍に呼び出され、勝利に貢献。「自分のできることを一生懸命やることしかできない」と気合を込めた。今季初めて4番に座った細川も五回に適時打を放った。クリーンアップへの送りバント指示や3番上林や5番ボスラーに代打を送るなど、なりふり構わぬ采配を見せて勝利をもぎ取った井上竜。投手が好調の今のうちに攻撃陣を急いで整えていく。(上阪正人)
◆「5番・一塁」で出場した中日新外国人のジェイソン・ボスラー外野手(31、前マリナーズ)が来日初安打と初打点をマークした。初めて先発出場した前夜は4打数無安打だったが「昨日は打ちたい意欲が出すぎてしまっていた。ストライクゾーンに来た球を打ち返す意識で打った」と映像を見ながら修正。状態をさらに上げて打線の中軸として活躍を目指す。
◆中日先発・松葉貴大投手(34)は7回1失点で今季2勝目をつかんだ。「(捕手の)木下の配球にしっかり応えることができた」。緩い変化球を巧みに使い、8安打を浴びても粘り強く要所を締めた。節目の200試合目の登板で自身通算50勝目に到達し「数字はプロ全体で見たらまだまだかもしれないが、自分としては一歩ずつ積み重ねてきた数字」と胸を張った。
◆思うようにボールが飛ばないと悩む姿はもうない。もどかしい敗戦の中で、阪神・中野拓夢内野手(28)がプロ初となる2試合連続の猛打賞だ。おもしろいように打ち始めた。「若干構えを変えてスムーズにバットが出る。プラス(それに加えて)力みなくバットにしっかりボールをコンタクトする意識ができているので。それがいいところに飛んでくれているだけかなと思います」まずは1打席目に逆方向の左前へはじき返し、鮮やかに3試合連続安打をマーク。そして0―3の五回2死一、三塁では、チームが打ちあぐねた松葉の初球を引っ張って一、二塁間を破る連日のタイムリー。甲子園に反撃ムードを生み出した。さらに八回には代わったばかりの新外国人右腕、マルテの154キロを中前へ運んで連日の3安打。2日前の打率・167から同・255まで急上昇させ、さらなる〝上振れ余地〟も十分だ。雨天ノーゲームとなった10日のヤクルト戦(甲子園)が、中野にとっては「恵みの雨」となっていた。以前はヘッドを投手方向に向けながら、低い位置で構えていたが、中断中にベンチ裏で素振りをしていても、しっくりこなかった。そこで、シンプルに肩くらいの位置からバットを出す構えを試すと、感触も良好。小谷野打撃チーフコーチからも「自分の自然体で構えやすい位置だったらそれはそれでいい」と言われ、採用を決断した。さらに翌日の11日の試合前練習から、ロッカーにおいてあった井上のバットを使用。通常よりも20グラム以上重いが、2試合で9打数6安打とまるで別人のような活躍だ。「あまり振るというよりはコンタクトする方に重きを置いている。その結果で、いいヒットが出ているかなと思います」スタートダッシュは出遅れたが、すぐに復調のきっかけをつかんだ。安打量産でダイヤモンドを駆け回る。(渡辺洋次)
◆1点を追う九回2死一塁で代走に起用された阪神・植田海内野手(28)が、重圧のかかる場面で今季初盗塁だ。「グリーンライト(のサイン)が出ていたので、いいスタートが切れました」。3球目でスタートを切ると、ヘッドスライディングで二塁を奪い、中日側のリクエストで行われたリプレー検証でも判定は変わらなかった。得点にはつなげられなかったが、アウトになれば試合終了という局面で〝極上の仕事〟を果たした。
◆阪神・前川右京外野手(21)が攻守で魅せた。まずは0-1の二回2死三塁の守備で、岡林が放った左中間への飛球をダイビングキャッチ。「なんとしても捕りたかったので。よかったです」。打では六回に右翼線二塁打を、2点を追う九回無死一塁では遊ゴロ内野安打を放ち、最後の見せ場を作った。2試合連続マルチ安打で、一時は1割台だった打率も「・282」に上昇。「1、2打席目に凡退しても3、4打席目で2本出たのはよかった」と前を向いた。
◆今季初登板初先発の阪神・西勇輝投手(34)は4回?を投げて7安打3失点で負け投手に。「慎重になってしまった。悔しい」と顔をゆがめた。一回に上林の中前打で先制されると、五回にも2点を奪われた。今季はオリックス時代の2011年からの「14年連続開幕ローテーション入り」が途切れたが「次からはしっかり自分のリズムで投げられたら」と前を向いた。藤川監督は次回登板について「また、後で話し合ってからですね」と明言は避けたが、次週は5試合しか組まれていないため、出場選手登録を抹消される可能性がある。
◆9日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初黒星を喫した阪神育成D1位・工藤泰成投手(23、四国IL徳島)が、2点ビハインドの九回に登板。出直し登板で1回を無失点に封じたが、制球が乱れて「ゼロはゼロですけど悔しい。自分の実力なのでそこはしっかりやっていかないといけない」と反省の言葉を絞り出した。先頭から連続四球。さらに続く板山にも3ボールとして、場内には励ましの声や拍手が〝自然発生〟した。なんとか板山を二ゴロ併殺打に、駿太を三振に斬ってピンチを脱した。
◆六回から登板した阪神D1位・伊原陵人投手(24、NTT西日本)は今季3度目のイニングまたぎで2回を無失点に抑えた。七回先頭の岡林に3月30日の広島戦(マツダ)以来、18打者ぶりとなる安打を許して2死一、二塁のピンチを背負ったが、最後は代打・中田を直球で遊ゴロに仕留めた。「逃げ腰になるぐらいだったら攻めて打たれた方がいい。チームに貢献できるように頑張りたい」と頼もしい。開幕から続く連続無失点も6試合に伸ばした。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は4打席凡退し、先発出場した試合では今季5度目の無安打に終わった。先発の松葉に1、2打席目は一ゴロを打たされ、五回は空振り三振。八回は2番手のマルテの変化球を打ったが二ゴロだった。相手にうまく攻められたかと問われると「それに尽きると思います。あした勝てば(カード)勝ち越しなので、切り替えて頑張ります」と力を込めた。
◆13日の中日戦で甲子園初先発に挑む阪神・門別啓人投手(20)は、キャッチボールなどで調整した。6日の巨人戦(東京ドーム)で待望のプロ初勝利を挙げた左腕。「初勝利を追うことはないので、ちょっと気持ち的には楽。でもここからどんどん勝っていきたいと思っているので、先発としての役割を果たせるように頑張りたい」と意気込んだ。中日打線との公式戦での対戦はこれまで1イニングのみだが、恐れず甲子園初白星と自身2連勝を目指す。
◆求ム、左腕対策! 阪神は中日に2-3で敗戦。12安打を放つも3併殺の拙攻が響き、甲子園での中日戦の連勝が「11」で止まった(1分け挟む)。今季は相手先発が左腕だった7試合で2勝5敗と打ちあぐねており、前カードのヤクルト・石川に続いて中日・松葉にもベテランの技で翻弄された。またも勝率5割に逆戻りしたが、巨人と並び2位に立つ今だからこそ、苦手意識の払拭が必要だ。どれだけ塁上をにぎわせても、飛び込む結末はゴロ地獄...。集めた12安打もむなしく、終盤3イニングはいずれも先頭打者が出塁しながら、あと一歩及ばなかった。立ちはだかったのは左腕・松葉。歯車がかみ合わない敗戦に、藤川監督からは嘆息が漏れた。「うーん...。まあね...という感じ。ゲームをあまりうまく運べなかったというところですね」犠打も含めると「27分の18」がゴロによるアウトと打たされた。特に悔やまれるのが、流れを断ち切る3併殺だ。近本が死球を受けた三回1死一塁は中野が遊ゴロ併殺打に倒れ、先頭の木浪が遊撃内野安打で出塁した七回無死一塁では、大歓声に迎えられた代打・原口も遊撃に転がしてダブルプレー。八回は2番手右腕のマルテ(前フィリーズ)から先頭・中野が中前への快音を響かせたが、佐藤輝の併殺崩れの二ゴロを挟み、森下までもが遊ゴロ併殺打。しかも3つも併殺がありながら残塁も8と、拙攻のオンパレードに虎党はガッカリだった。テンポよく腕を振る34歳のベテラン左腕に、的を絞らせてもらえなかった。全7イニングで塁に走者を置いても中野の右前適時打での1点のみに終わり、藤川監督も「きょうはそういうゲームになってしまいましたね」と認めるしかなかった。相手先発に左腕をあてられた試合は今季7度目で2勝5敗。計46イニングで得点は8。1試合で換算すれば約1・5点しか奪えていない。9日のヤクルト戦(甲子園)でプロ野球新記録の24年連続星を献上した45歳・石川に続き、この日も老練左腕を仕留めきれず、通算50勝目というメモリアルを許した。藤川虎のオーダーは近本、中野、佐藤輝と1番から3人連続で左打者が並ぶだけに、上位打線の〝脱ジグザグ〟の弊害は懸念されていたこと。実際、この3人の今季の対左投手打率はそろって1割台だけに、打破が待たれる。
◆3月にリニューアルオープンした阪神競馬場のセンターステージで、白髪のベテランはいつになくガチガチだった。第68回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(S)の予想検討会に登場したレース部の水谷圭助だ。「めっちゃ緊張したわ。イベントに出るのは、コロナ禍前の2019年にウインズでの菊花賞予想会に出た以来や。競馬場となると、大昔過ぎて覚えてへんなあ」えべっさんのような水谷がカチコチだったのは、緊張からだけではない。前週の大阪杯の時にも当欄で触れたが、競馬には社名を冠したレース、通称『社杯』が行われる。12日に行われた阪神牝馬Sは、サンケイスポーツ杯。レースの格はGⅡでも、サンスポ記者なら、GⅠと同じくらい力が入るレースで、的中しないと...という重圧もある。そんな水谷だが、今春の新企画『水谷圭助のGⅠ11番勝負!! 大獲りケースケでございます』ではいい具合に肩の力が抜けた予想をしている。13日に行われる桜花賞予想では、11日付の1面を飾った。見逃した...という方は、この機会に『サンスポ電子新聞アプリ』のご利用を。11日付の紙面はもちろん、過去3カ月分のバックナンバーをチェックできますよ。話が少しそれてしまったが、リンクスティップを本命に推した今回は、特別にその一部をプレイバックしよう。
◆ガオー! 敗れたけど、虎は牙を残したでェ!! 九回、1点差に迫ったものの、代走で出た二塁走者・島田の走塁ミスがあり2死一塁となってしまう...。そして、一塁走者・木浪の代走に植田が送られた。植田はスタメンに名を連ねることがまずなければ、打席に立つこともほとんどない。よって、脚光を浴びることはほぼないのだ。しかし彼は「ずっ~と、1軍にいる」。その理由は、彼こそプロフェッショナルだからである! 本日、アウトになればゲームセットの場面、植田は走り、さも当然のように盗塁を成功させたのだ!! 虎のスーパーサブ植田海、大興奮をアリガトウ!!九回のマウンドに立った工藤も強くなった!! 育成選手から支配下登録されたルーキーは、ヤクルト戦での連続ワイルドピッチや押し出し四球の呪縛からか、本日もいきなりの2連続四球...。このまま潰れてしまうのか?の窮地から、強い気持ちを振るい立たせてゲッツーに三振! 自分の力で自分に勝った瞬間を見た。もう、大丈夫や!! 心配は先発した西勇の精密コントロールが乱れていたこと。必ずベテランの力が必要になるのだから、ジックリ頼むわ!!

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
広島 |
7 | 5 | 1 | 0.583 (↑0.038) | - (-) |
130 | 48 (+1) | 38 (-) | 4 (-) | 5 (+1) |
0.249 (↑0.003) | 2.570 (↑0.21) |
2 (-) |
巨人 |
6 | 6 | 1 | 0.500 (↓0.045) | 1 (↓1) |
130 | 47 (-) | 42 (+1) | 9 (-) | 7 (-) |
0.264 (↓0.002) | 2.970 (↑0.14) |
2 (-) |
阪神 |
6 | 6 | 1 | 0.500 (↓0.045) | 1 (↓1) |
130 | 39 (+2) | 39 (+3) | 6 (-) | 9 (+1) |
0.227 (↑0.01) | 2.800 (↓0.02) |
4 (1↑) |
DeNA |
5 | 5 | 2 | 0.500 (↑0.056) | 1 (-) |
131 | 51 (+5) | 47 (+4) | 5 (-) | 4 (-) |
0.239 (↑0.006) | 3.270 (↓0.07) |
4 (3↓) |
ヤクルト |
5 | 5 | 1 | 0.500 (↓0.056) | 1 (↓1) |
132 | 31 (+4) | 40 (+5) | 4 (-) | 1 (-) |
0.197 (↑0.002) | 3.130 (↓0.22) |
6 (-) |
中日 |
5 | 7 | 2 | 0.417 (↑0.053) | 2 (-) |
129 | 26 (+3) | 36 (+2) | 3 (-) | 6 (-) |
0.196 (↑0.005) | 2.280 (↑0.03) |
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