1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中日 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0 | 1 |
阪神 | 4 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | X | 6 | 14 | 0 | 0 |
勝利投手:村上 頌樹(3勝0敗0S) (セーブ:岩崎 優(0勝0敗5S)) 敗戦投手:髙橋 宏斗(0勝2敗0S) 本塁打 |

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◆阪神は2点を追う1回裏、森下と前川の適時打で4点を奪い、試合をひっくり返す。その後は4回に中野の適時打、5回に坂本の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・村上が5回3失点で今季3勝目。敗れた中日は、先発・高橋宏が試合をつくれなかった。
◆阪神大山悠輔内野手(30)、佐藤輝明内野手(26)、森下翔太外野手(24)のクリーンアップ3人が試合前練習のフリー打撃で、「魚雷(トルピード)バット」を試した。森下は2種類の同バットを持ち込み、計23スイングで1本の柵越えを披露した。佐藤輝も自身で持ち込み、柵越えを披露。大山は森下が持ち込んだバットで試した。森下は「芯の位置が単純に下に降りているので、詰まってもいい、という気持ちが違うんじゃないですか。バットとかは人それぞれなのであれですけど、気持ち的な面で言ったらやっぱり余裕はできるんじゃないですか」と分析。練習後に「メインで使うかはわからないが、試す可能性はある」と話した。佐藤輝は「まだ分からないですね。すぐ使うかと言われたら、ちょっと微妙ですけど...」と話しつつ「試してみる価値はあるんじゃないかな」と語った。
◆阪神伊藤将司投手(28)が、出場選手登録を抹消された。今季は開幕2軍で、3日に1軍昇格。同日のDeNA戦(京セラドーム大阪)の9回1死三塁から中継ぎとして登板し、三塁走者の生還を許すも、無安打、無失点だった。その後、登板機会はなかった。12日に先発予定の西勇輝投手(34)が、10日から1軍に合流しているが、出場選手登録はされていない。
◆お笑いコンビ、ロッチの中岡創一(47)が、試合前のファーストピッチセレモニーを務めた。阪神ファンとして知られる中岡の名前が呼ばれるとスタンドからは大歓声。この日は、「オーダースーツSADA DAY」として行われ、スーツ姿でグラウンドに登場。投球前には、マスコットのラッキーに名刺を渡した。マウンドから、ボールを高めに投じ、とっさに立ち上がった捕手まで、ノーバウンドで届いた。満足げな表情で天を見上げ、くちびるをとがらせながら、両手の上に向けるポーズを披露。大きな拍手が送られた。
◆前日10日のヤクルト戦がノーゲームとなった阪神は、6試合目でホーム初勝利を目指す。体調不良で9日まで2戦連続ベンチスタートだった佐藤輝明内野手(26)は、10日にスタメン復帰し、この日も「3番三塁」で先発に名を連ねた。先発マウンドに上がるのは、村上頌樹投手(26)。開幕から連勝中で、勝てば04年井川以来の開幕3連勝となる。
◆阪神は11日、8月8日~10日・ヤクルト戦、同19日、20日・中日戦(ともに京セラドーム大阪)で開催する新イベント「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES」(タイガース・ブラック・ダイナマイト・シリーズ)のキービジュアルを発表した。1月の先行販売で好評だった同シリーズ着用ユニホーム、キャップなどのグッズの受注販売を11日午後5時から阪神タイガース公式オンラインショップT-SHOPで開始する。またユニホームを着用した選手たちのメイキング動画も14日から公開予定だ。8月の新イベントが、7月に開催する「ウル虎の夏」に次ぐ新たな夏の風物詩として、シーズン最終盤の戦いに火をつける。
◆ホームでは6戦目での初勝利を狙う阪神が、いきなり先制を許した。今季は開幕投手を務め、ここまで2戦2勝の村上頌樹投手(26)が先発。初回、先頭の岡林に中前打で出塁を許し、1死一塁から上林に4球目の136キロ変化球を捉えられた。打球は右翼ポール際に高々と上がり、先制2ランとなった。村上は、3月28日広島戦(マツダスタジアム)で8回2/3を無失点、4月4日巨人戦(東京ドーム)で7回1失点と好投を続けていた。
◆阪神森下翔太外野手(24)が初回に同点2点適時打を放った。先発村上頌樹投手(26)が中日上林に先制2点本塁打を許したが、その裏に阪神がすぐに反撃。佐藤輝の二塁打などで1死二、三塁の好機に、森下が、右前同点二塁打を中日先発高橋宏斗投手(22)から放った。その後も大山、前川の2点二塁打と5連打で4点を奪い逆転した。本塁打以外でのタイムリーでの得点は4日巨人戦(東京ドーム)以来、5試合ぶりで、1イニング4得点はチーム今季最多。中日高橋宏から1試合4得点も過去最多になった。
◆お笑いコンビ、ロッチの中岡創一(47)がファーストピッチセレモニーで、ゲームスポンサーの「オーダースーツSADA」のスーツを着て登板した。阪神藤川監督を模した予告直球のポーズも見せ「誰も気づかずシーンとしていましたね(笑い)。僕に合わせて作っていただいたスーツはすごく動きやすかった」。同社の佐田展隆社長は「2年前は社内がすごく盛り上がった。今年もぜひ優勝してほしい」と願った。
◆阪神村上頌樹投手(26)が2回にピンチを招くも、リードを守り抜いた。4-2で迎えた2回、先頭の高橋宏が中前打で出塁。続く岡林への3球目、低めのチェンジアップがワンバウンドし、捕手坂本のプロテクターの中へ。直後に球審が「村上投手の投球がキャッチャーの防具に挟まりました。規則により、走者を二塁に進めます」とアナウンスし、規則により高橋宏は二塁へ進塁した。記録は暴投となった。無死二塁とされるも、岡林を直球で中飛。続く山本を三邪飛に仕留め、最後は上林を外の直球で空振り三振に仕留め無失点で切り抜けた。
◆中日先発の高橋宏斗投手(22)が4回9安打5失点でKOされた。味方が2点を先制してくれた初回、1死から5連打を食らい4失点で一気に逆転された。2番中野に一、二塁間を破られ、佐藤輝が右翼へ二塁打。二、三塁のチャンスで森下に詰まった打球を右前に落とされる2点同点適時打。大山に中前でつながれ、前川には左翼線へ勝ち越しの2点適時打。流れを止められなかった。4回に2死一塁から中野に左適時二塁打で5点目を失い、5回の攻撃で打順がまわってきたところで代打カリステを送られ降板した。初の開幕投手を任され「チームに勢いを与えられる投球を」とシーズンインしたが、3戦勝ち星なし。17回で11失点(自責10)。防御率5・29。昨季防御率1・38で最優秀防御率に輝いたエースが苦しんでいる。
◆阪神先発の村上頌樹投手(26)が、5回3失点で、開幕戦から3連勝がかかった勝利投手の権利を得て降板した。今季は開幕投手を務め、ここまで2戦2勝。初回、1死一塁から中日上林に、右翼ポール際への先制2ランを浴びた。直後の1回裏に味方打線が4得点で逆転。5回に代打カリステに適時二塁打を浴び、1点を返されるも、リードしたまま降板した。5回4安打2四死球3失点。毎回となる6つの三振を奪った。村上は、これまで、3月28日広島戦(マツダスタジアム)で8回2/3を無失点、4月4日巨人戦(東京ドーム)で7回1失点だった。降板後、「全体的にストライク、ボールがはっきりしてしまいました。先制されてしまっても、すぐにみんなが逆転してくれたので投げやすかったです。追加点を取ってくれたあと失点を許してしまったり、5回までしか投げることができず悔しいです。あとはチームが勝ち切れるようにベンチから応援します」とコメントした。
◆阪神及川雅貴投手(23)が3者連続三振の好救援を見せた。6-3の6回、先発・村上のあとを受けてマウンドへ。4番・石川昂からの打順で、石川昂、ボスラー、細川という長打力のある3人を全員空振り三振に抑えた。流れを中日に渡さない快投だった。
◆阪神が今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げた。1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム大阪)を含め、ホーム5戦は引き分けを挟んで4連敗中だったが、先発全員安打と打線が奮起。今季初の勝利の「六甲おろし」となった。先発の村上頌樹投手(26)が初回、中日上林に先制2ランを浴びるも、すぐに反撃に出た。その裏、中野、佐藤輝が連打で1死二、三塁の好機をつくると、森下がポテン安打を放ち同点。さらに大山が中前打で続き、前川が左翼へ勝ち越しの2点適時二塁打を放った。さらに4回には2死から近本、中野の連打で1点を追加。5回2死一、二塁では坂本が6点目の右前適時打を放った。開幕投手を務めた村上は5回4安打3失点で降板し、球団では04年井川以来となる開幕3戦3勝とした。甲子園での中日戦先発はこれで5戦5勝となった。6回以降は盤石な中継ぎ陣がリレー。6回は及川が3者連続三振。登板7試合で防御率0・00と頼もしさが光った。8回も石井が3者連続三振の快投で白星を守り抜いた。昨季の中日戦は11試合で10勝1分けと負けなし。今年もホームで竜キラーぶりを見せた。
◆阪神中野拓夢内野手(28)が攻撃の中心になった。初回は1死から右前打で出塁し、4得点の足場を築いた。2回は左中間二塁打。4回は左翼線二塁打で貴重な1点を挙げた。この日は井上のバットを拝借。重く太いモデルを短く持って高橋宏からの3安打につなげた。「簡単に打てる投手ではないけど、甘く来た直球をしっかりとらえようと思った。バットは気分転換。練習で感覚がよかったので」と明かした。
◆開幕右腕村上頌樹投手(26)が苦しみながら、今季初戦から無傷の3勝目をもぎ取った。初回1死一塁でカウント2-1からの4球目。中日上林に136キロカットボールを右翼へ運ばれた。3点リードの5回には1死二塁から代打カリステに左翼線適時二塁打を許した。5回の打席で代打を送られ、86球4安打3失点。04年井川以来、右投手に限れば77年江本以来の開幕投手3戦3勝という勲章を手に入れた。「自分に勝ちがつくよりは、チームに勝ちがついたっていうのが一番大きいんで、勝てる試合だったので、なんとか落とさず投げられて良かったです」。勝利の瞬間、ナインをはにかんだ笑みで出迎えた。この日は高めに浮いた変化球を中日打線に攻略された。「試合も寒い中だったんで。なるべく守りの時間を短くできるようにテンポは意識しました」。昨季最優秀防御率の中日高橋宏との投げ合いの中で野手へリズムのバトンを渡すことに集中した。昨秋に藤川監督から初の開幕投手の大役を伝えられ、3・28へピークを持ってくることを意識した。「キャンプ初日からバンバン投げ込むのではなく、開幕に向けてしっかり調整していった」。今春キャンプの宜野座組最多の786球を投じたが、ブルペンでの連投も封印した。「(球数は)自分の中では少ない方だった。余裕や時間ができた。打たれたり、球があまりいっていない中で、開幕ってなったら心配になる。いい姿を見せられるように」。例年とは違うスキ間時間活用を好投につなげている。ビジターで2勝を挙げたが、ホーム初登板で本拠地初勝利をチームにもたらした。指揮官も「さすが、いいエース」と、大黒柱と公言する。「自分も勝ちたい気持ちと、野手の皆さんも勝ちたい気持ちが、つながったと思います。リリーフの方々も無失点でつないでくれて、いい流れで勝てたと思う」。連敗ストップの中で、3戦3勝のエース右腕が一丸勝利の喜びをもたらした。【伊東大介】
◆阪神救援陣は、この日も圧巻だった。先発村上からバトンを受けて6回のマウンドに上がった及川が、4番石川昂からの打順を3者連続空振り三振。8回の石井も3者連続空振り三振。完全に流れを断ち切る投球に、藤川監督も「すごくいい投球でしたね。ほっとしています」と目を細めた。及川は登板7試合目で5球団を相手に投げて、防御率0・00を継続。「(3者空振り三振は)結果がそうなっているだけなので。結果としてそれが一番最高なので、それはよかったと思います」と、相手を圧倒した投球を振り返った。8回に3番上林からの打順に向かった石井も、中軸打者を完全に封じ込めた。「(3者空振り三振は)そこに関してはあんまり思っていないですけど、3人でテンポよくというのは意識しました。結果としてよかったです」。石川昂にだけ4球を費やしたが、上林もボスラーも3球三振。準イマキュレートイニングの快投だった。「シーズン通して、先発が頑張ってくれる時もあるし、中継ぎが頑張る時もある。野手も打ってくれたので、すごく楽にマウンドに立てました」。互いに支え合えた充実感をかみしめ、快勝を喜んだ。【堀まどか】
◆阪神が今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げた。1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム大阪)を含め、ホーム5戦は引き分けを挟んで4連敗中だったが、先発全員安打と打線が奮起。今季初の「あと1人コール」、勝利の「六甲おろし」の歓喜の声が甲子園に広がった。藤川球児監督(44)も「『あと1球』とか、『あと1人』を聞いて、久しぶりに聞いた。これだこれだ、と思い出しながら、非常に勝ったときはいい気持ちですね」。勝利を託されてマウンドに上がった現役時代を思い起こした。指揮官は「自分たちの一番背中を押してくれていたものを久しぶりに聞いて。これが勝つ最後の瞬間かと思い出しましたね。ちょっとゲーム中でしたけど、にやけちゃいましたね」と振り返った。
◆阪神が今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げた。1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム大阪)を含め、ホーム5戦は引き分けを挟んで4連敗中だったが、先発全員安打と打線が奮起。今季初の勝利の「六甲おろし」となった。今年初の甲子園でのお立ち台に立ったのは3人。初回に同点の2点適時打を放った森下翔太外野手(24)、勝ち越しの2点適時打を決めた前川右京外野手(21)、猛打賞の活躍を見せた中野拓夢内野手(28)が並んだ。
◆中日が阪神に完敗し借金3となった。初回に上林誠知外野手(29)の1号2ランで先制も先発高橋宏斗投手(22)がその裏に5連打で4点を奪われ逆転された。高橋宏は4回88球9安打5失点KOで開幕から3戦勝ちなしの2敗目。5番には今季初出場の新外国人ジェイソン・ボスラー外野手(31)を入れたが無安打。3番から6番までの中軸が計10三振。井上一樹監督(53)は試合後、12日からのてこ入れを示唆した。
◆中日が昨季0勝10敗1分けで苦手にする甲子園で完敗し、11連敗となった。初回に上林誠知外野手(29)の1号2ランで先制も、その裏にエース高橋宏斗投手(22)が5連打で4点を奪われ逆転された。高橋宏は今季最短4回9安打5失点KOで開幕から3戦勝ち星なし。3回には木浪の邪飛を遊撃村松開人遊撃手(24)と三塁石川昂弥内野手(23)がお見合いして捕れず。井上一樹監督(53)は「そんなことやってたら弱いチームの典型」と怒りを隠さなかった。最下位のチームは借金3に。「3~6番で10三振。オレももう、我慢をしてきたけど、てこ入れをしようかなと思います」と、打順や選手起用の変更を示唆した。
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が攻守で粘り強さを発揮した。ブルペンから調子が悪かったという村上を懸命にリード。打っても5回に先発全員安打を完成させる右前打。あとから9人目の安打だったと知らされ「知っていたら力んで打てなかった」と笑った。「村上は最初に打たれたけどそのあと粘ってくれた。みんなでカバ-して勝てた。意味のある1勝だと思う」と振り返った。
◆阪神岩崎優投手(33)が3点差の9回を締め、5セーブ目を挙げた。1死から左前打で走者を出したが、落ち着き払ったマウンドさばきで、後続を抑えた。アウトはすべて外野への凡飛だった。これが通算509試合目の登板。レジェンド村山実に肩を並べる球団5位となった。「明日からも頑張ります。また(数字を)積み重ねていければと思います」と穏やかに笑った。
◆やっぱり六甲おろしはええなぁ~。阪神が今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げた。先発全員安打の今季最多14安打と打線が爆発。2点ビハインドの初回に上位打線が怒濤(どとう)の5連打だ。6番前川右京外野手(21)が左翼線へ決勝の適時二塁打を放ち試合をひっくり返した。
◆やっぱり六甲おろしはええなぁ~。阪神が今季ホーム6試合目で待望の白星を挙げた。先発全員安打の今季最多14安打と打線が爆発。2点ビハインドの初回に上位打線が怒濤(どとう)の5連打だ。6番前川右京外野手(21)が左翼線へ決勝の適時二塁打を放ち試合をひっくり返した。試合前には主軸がそろって話題の「魚雷バット」を試し打ちしたが、猛打の虎には新バットも必要なし!?虎のレギュラー最年少が決めた。前川の打球が三塁線を抜けた瞬間、グラウンドに割れんばかりの拍手と歓声が降り注いだ。表の守備から一変、聖地がホーム初勝利への希望に満ちた。「お願いします、抜けてくれ! と思って見ていた。抜けてよかった」2点を追う1回裏。1死から中野が右前打、佐藤輝が二塁打で好機演出。森下が同点2点適時打で大山もつないだ。1死一、二塁で前川が三塁線を破る勝ち越し2点適時二塁打。主軸の5連打でひっくり返した。決勝打の裏には、レジェンドからの金言があった。8日の甲子園初戦前。セレモニー出演のOB金本知憲氏と左翼で言葉を交わした。忘れられない助言。「真っすぐに強くなってくれ。真っすぐに強いのはいいバッターの最低条件」-。憧れの鉄人の金言を生かした。第1打席、外角151キロ直球を捉えた。広島との3月28日開幕戦以来の適時打。値千金の一打だ。7回の第4打席は150キロ直球を右前打にした。1月下旬、鳴尾浜で汗を流した前川。高校の先輩2人に食らいつこうと、闘志をメラメラ燃やしていた。「3人でやれたらいいが、僕にそんな余裕はない。まずは自分がちゃんとやらないと。プロは甘くない。ワイワイ野球じゃない」。ドラフト1位入団の伊原、この日先発で開幕から3連勝の村上。智弁学園(奈良)出身選手で自身は最年少。強い気持ちで練習し、先輩右腕に3勝目を届けた。「お世話になっている。いい形になってよかった」チームはホーム6戦目で初勝利。先発全員安打は24年9月13日広島戦以来、5連打は24年9月10日DeNA戦(ともに甲子園)の6回以来で、いずれも今季初だった。4万2600人の「あと1人」などの声に藤川監督は「少し思い出しました。みんな心強かったんじゃないですかね」と笑った。昼間は少し暑さも感じ始めた甲子園。14安打6得点の虎祭りで夜はさらに熱気に包まれた。【塚本光】
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が試合前フリー打撃で「魚雷(トルピード)バット」を使用した。「まだ分かんないですね。すぐ使うかって言われたらそこはちょっと微妙ですけど、試してみる価値はあるんじゃないかなと思います」通常のバットでは23スイングで柵越え0本だったのに対し、魚雷バットでは12スイングで柵越え3本。プロ野球の規則委員会は11日から「魚雷(トルピード)バット」の使用可能を発表しており、さっそく試した形だ。今季のMLBを席巻している「魚雷バット」は芯付近が最も太く、ヘッドに向かって細くなっいる形状で、打者にとってはミートがしやすくなり、飛距離が出るといわれている。ただまだ試作段階ということもあり、すぐに試合で使用する予定はない。クラフトマンと調整しながら、実戦導入を検討する。
◆NPBの公示が発表され、阪神・伊藤将司投手(28)が抹消された。開幕2軍スタート後から3日に昇格し、3日のDeNA戦(京セラ)で中継ぎで登板し、2/3回を無失点だった。西勇輝投手(34)が12日の2回戦で登録即先発する見込み。
◆中日は新外国人ジェイソン・ボスラー外野手(31)=前マリナーズ=を出場選手登録した。3月に上肢のコンディション不良で別メニュー調整となり、開幕は2軍スタート。ウエスタン・リーグで2試合に出場し、6日の阪神戦(SGL)で一回に先制の左前適時打を打つなど2安打を放っていた。代わって、広島との3連戦でベンチ外だった大島洋平外野手(39)、10日に先発登板した大野雄大投手(36)が出場選手登録を抹消された。
◆試合前練習で阪神の森下翔太外野手(24)が、初めて「魚雷(トルピード)バット」を使用して屋外での打撃練習を行った。「試作なので、ここからすり合わせという感じ。それをメインで使うかは分からないですけど、試す可能性はあるかなと思います」プロ野球の規則委員会は11日からの「魚雷バット」の使用許可を発表したことに合わせ、森下からメーカーに発注したバットを打撃練習で使用した。この日は「重心が違う」という2種類の型のバットを試した。今季MLBから使用され始めた芯が手元方向に太く、先にかけて細くなっている独特な形状のバット。メリットについて「芯の位置が単純に下に降りているので、詰まってもいいという気持ちが違うんじゃないですか。バットは人それぞれですけど、気持ち的な面で言えばやっぱり余裕はできるんじゃないですか」と語った。この日の試合では使わない旨を明かしたが、今後の相棒の選択肢の一つとなりそうだ。
◆12日の2回戦に先発予定の阪神・西勇輝投手(34)がキャッチボールなどで調整した。15年ぶりに開幕ローテ入りを逃した右腕が今季初先発する。中日の先発・松葉とは2013ー18年までオリックスでともにプレー。「いい時も悪い時も長い付き合い。色んな感情があるが、松葉も1000イニングに到達したんで。それだけ長い月日が経ったんだなっていう実感がありますね」と対戦を心待ちにした。
◆今季まだホームで勝利のない阪神は、開幕投手も務め、2連勝で防御率0・57の村上頌樹投手(26)が先発。昨季甲子園での中日戦では11戦10勝1分を記録した不敗神話に乗って、チームに甲子園初勝利をもたらす。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)が立ち上がりにいきなり失点した。先頭の岡林に中前打を浴びると、1死から上林に4球目を痛打。136キロカットボールを右翼ポール際に運ばれた。先制の1号2ランにマウンドで?然の表情。甲子園もどよめきに包まれた。
◆中日・上林誠知外野手(29)が一回に先制の2ラン本塁打を放った。中前打で出塁した岡林を走者に置いた1死一塁で、2-1から村上の4球目、内角カットボールをたたいた打球は右翼ポール際に飛び込んだ。右手を挙げてダイヤモンドを一周。今季初本塁打に「良くて一、三塁(へチャンス拡大)という思いで打席に入りましたが、最高の形で先制点につながってよかったです」とうなずいた。チームは5試合連続の先制。さらに村上を攻めて中押し点を狙う。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回1死一塁の第1打席で右翼線に弾む二塁打を放った。カウント2-2から中日・高橋宏の143キロ変化球を捉えた。体調不良からスタメン復帰した10日のヤクルト戦(甲子園)でも一回に右前打を放った大砲だが、試合は降雨ノーゲームとなって幻に。2日連続の〝今季甲子園初安打〟でチャンスメークすると、森下の2点右前打で同点のホームを踏んだ。
◆阪神が一回に4点を奪い、逆転に成功した。村上が上林に先制2ランを浴びて迎えた一回。1死から中野が右前打で出塁すると、続く佐藤輝が右翼戦へ二塁打を放ちチャンス拡大。1死二、三塁で4番・森下翔太外野手(24)が中日先発・高橋宏の低め変化球を捉えて、二塁の頭を越える2点適時打。4日・巨人戦(東京D)の八回、佐藤輝の適時打以来、38イニングぶりの適時打が生まれた。息を吹き返した打線の勢いは止まらない。1死一塁から大山が中前打で続くと、6番・前川右京外野手(21)が外角高めの変化球をはじき返して三塁線を破る二塁打。一気に走者2人が生還し、逆転に成功した。森下は「打ったのはスプリット。追い込まれていたので、コンパクトに打つことを意識しました。みんなが繋いでくれたチャンスだったので、同点にできてよかったです」とコメントした。
◆阪神が一回に4点を奪い、逆転に成功した。2点を追う一回1死二、三塁で4番・森下翔太外野手(24)が同点打。6番・前川右京外野手(21)の2点二塁打で勝ち越し。前川は「打ったのはストレート。翔太さんが同点にしてくれて、大山さんが繋いでくれて、思い切って打つだけでした。得点につながって良かったです」とコメントした。
◆4-2の三回、中日の攻撃中に珍事が起こった。無死一塁の場面で阪神先発・村上頌樹投手(26)が投じたボールがワンバウンドし、坂本誠志郎捕手(31)の防具の中に挟まり一塁走者が二塁に進塁。球審の水口は「村上選手の投球がキャッチャーの防具に挟まりました。規則により一塁ランナーを二塁に進めます」と場内アナウンスで説明。村上の暴投として試合が再開された。村上は無死二塁のピンチを背負うも、岡林を中飛、山本を三邪飛、上林を空振り三振に斬って無失点に切り抜けた。3月30日のソフトバンク-ロッテ戦(みずほペイペイ)でも同様の事象が発生。4-4の八回1死三塁で杉山が投じたボールが捕手・海野の防具に入り、ロッテが決勝点を挙げていた。
◆阪神・中野拓夢内野手(28)が止まらない。4‐2で迎えた四回2死一塁の第3打席。中日・高橋宏の外角152キロ直球にバットを合わせた。打球は左翼線で弾む適時二塁打。中野は一回に右前打、二回の第2打席は今季初長打となる二塁打を放っており、3打数3安打で今季初の猛打賞をマークした。この適時打で今季初打点も記録。状態を上げてきた選手会長が猛虎打線を引っ張っている。
◆阪神・中野拓夢内野手(28)が止まらない。4‐2で迎えた四回2死一塁の第3打席。中日・高橋宏の外角152キロ直球にバットを合わせた。打球は左翼線で弾む適時二塁打。中野は一回に右前打、二回の第2打席は今季初長打となる二塁打を放っており、3打数3安打で今季初の猛打賞をマークした。この適時打で今季初打点も記録。「打ったのはストレート。(村上)頌樹が頑張って投げてくれているので、早く援護してあげたいと思っていました。(近本)チカさんもよく走ってくれて、重要な追加点がとれて良かったです」とコメントした。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)は5回4安打3失点で降板した。一回1死一塁から上林に先制の1号2ランを浴びたが、味方が直後に4点を奪い逆転してからは落ち着きを取り戻した。二回、四回と三者凡退。五回、代打・カリステに適時二塁打を許して失点し、悔しさをにじませたが先発の役割を果たした。五回の攻撃で代打を送られて降板。打線が援護し、今季3勝目の権利を持ってマウンドを譲った。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)の適時打で追加点をもぎ取った。5-3で迎えた五回。先頭の森下が死球で出塁すると、2死から木浪が左前打。一、二塁とし、ここまで2三振に終わっていた坂本が、勝野の外角154キロ直球を右前にはじき返した。外野前進の守備隊形も、三塁コーチャーの田中内野守備走塁コーチは右腕を回し、二走・前川が本塁突入。中日の捕手・加藤匠が送球を捕球できず、阪神が6点目をスコアボードに刻んだ。これで今季初の先発全員安打。猛虎打線が爆発した。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)の適時打で追加点をもぎ取った。5-3で迎えた五回。先頭の森下が死球で出塁すると、2死から木浪が左前打。一、二塁とし、ここまで2三振に終わっていた坂本が、勝野の外角154キロ直球を右前にはじき返した。外野前進の守備隊形も、三塁コーチャーの田中内野守備走塁コーチは右腕を回し、二走・前川が本塁突入。中日の捕手・加藤匠が送球を捕球できず、阪神が6点目をスコアボードに刻んだ。これで今季初の先発全員安打。猛虎打線が爆発した。坂本は「打ったのはストレート。取られた点をすぐに取り返せてよかった。(前川)右京が本当によく走ってくれました。ナイスラン!」とコメントした。
◆2番手で登板した阪神・及川雅貴投手(24)が完璧なリリーフを見せた。6-3の六回に登板。先頭の4番・石川昂をカットボールで、続くボスラー(前マリナーズ)をスライダーで空振り三振。最後は細川を全球ツーシームで空振り三振に斬り、中日打線の中軸を3者連続空振り三振に仕留めた。これで開幕から7試合連続無失点。リリーフ陣の中で存在感が増している。
◆阪神打線が今季最多の14安打を放った。6-3の七回、無死一塁で前川が右前打を放つと、1死一、二塁から坂本が左前打を記録し、これがチーム14安打目。代打・原口、1番・近本が内野ゴロに倒れて無得点に終わったが、前カード、ヤクルトとの2試合で、計3得点に抑え込まれた打線が爆発した。
◆6-3の八回に4番手で登板した阪神・石井大智投手(27)が中日のクリーンアップを3者連続三振に斬った。先頭の3番上林を直球2球で追い込むと、外角へ逃げるシンカーで空振り三振。続く石川昂を152キロ直球で、5番・ボスラーは151キロ直球で空振り三振を奪った。石井はこれで3試合連続無失点。ここまで6試合に登板し防御率1・29と安定した投球を見せている。
◆阪神が中日に快勝し、今季初めてホームで白星をつかんだ。眠っていた猛虎打線が目を覚まし、今季最多14安打と爆発した。0-2の一回1死二、三塁で4番森下が38イニングぶりの適時打を放ち同点に追いつくと、再び1死一、二塁とチャンスを作り、前川が勝ち越しの2点適時打二塁打。四回に中野が猛打賞となる左翼線への適時二塁打で追加点を挙げると、5-3の五回には坂本の適時打で今季初の先発全員安打とした。先発した村上は5回4安打3失点。一回に上林に先制2ランを浴びたが、その後は修正。毎回の6奪三振で粘りの投球を見せ、先発としての役割を果たした。2番手の及川、4番手の石井がともに3者連続三振で1回無失点。岩崎が今季5セーブ目を挙げた。昨季10勝0敗1分けと得意とした甲子園での中日戦で、今季甲子園初勝利。これで村上は開幕から3連勝。開幕投手が順調に白星を積み重ねている。
◆中日は阪神に逆転負けを喫して2連敗。一回に上林誠知外野手(29)の右越え2ランで先制したが、先発高橋宏斗投手(22)が立ち上がりの一回から打ち込まれて逆転を許すなど4回5失点。打線は五回に代打オルランド・カリステ内野手(31)が適時打を放って反撃したがそこまでだった。中日は昨季甲子園で10敗1分けだった。最後に勝利した2023年9月27日以来遠ざかる勝利を挙げられず、これで甲子園11連敗となった。
◆阪神が昨季甲子園11戦10敗1分の中日相手にホーム6戦目で初勝利を挙げた。2点を追う一回、中野拓夢内野手(28)からの5連打で4点を奪った。四回は中野の適時二塁打で加点した。中野は今季初打点。五回には坂本誠志郎捕手(31)の右前打で突き放した。今季最多14安打の打線は初の先発全員安打。一回に上林誠知外野手(29)に2ランを許した村上頌樹投手(26)は5回3失点で開幕3連勝。
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)は八回を三者連続三振で終えた阪神・石井大智投手(27)を絶賛した。この試合のように、先発投手が5回で交代したケースで、ゲラを欠く救援陣の継投をどうするのかが、阪神の課題の1つだった。その視点で振り返ると、大収穫は及川だ。六回に2番手で登板して、4番からの3人を三者三振。スライダーのキレが抜群だった。今季の及川の素晴らしさは抜け球が減って、ベースの上で勝負できるようになったことだ。キャンプ序盤は先発挑戦を感じさせる調整をしていた。これも、今となってはプラスに作用している。長いイニングを意識して、フォームを見直したことにより、安定した投球ができるようになった。「六回」の投手として工藤、伊原との争いではあるが、経験値がある分、及川が一歩も二歩もリードしているのでは。桐敷、石井、岩崎の3人は改めて盤石だと感じたが、特に凄みを増しているのは石井。直球のキレで勝負する姿は、JFKの初期、七回を完ぺきに抑えていた藤川現監督を思い起こす。相手の反撃意欲を削ぐ投球ができるから、今季の阪神投手陣のキーマンといっていい。
◆阪神が昨季甲子園11戦10敗1分の中日相手にホーム6戦目で初勝利を挙げた。2点を追う一回、中野拓夢内野手(28)からの5連打で4点を奪った。四回は中野の適時二塁打で加点した。中野は今季初打点。五回には坂本誠志郎捕手(31)の右前打で突き放した。今季最多14安打の打線は初の先発全員安打。一回に上林誠知外野手(29)に2ランを許した村上頌樹投手(26)は5回3失点で開幕3連勝。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は2点を追う一回、集中打を呼び込む二塁打を放った。1死一塁で高橋宏斗投手(22)のスプリットを捉え、二、三塁とチャンスを広げると、森下翔太外野手(24)の安打で二塁から一気に生還。好走塁に「取られた後だったので返そうと。ミーティング通り。(走塁は)いい判断ができたのでよかった」と息をついた。
◆九回に登板した阪神・岩崎優投手(33)は1死から安打を許したが、後続を断って試合を締めくくり、今季5セーブ目を挙げた。これで村山実に並び球団歴代5位の通算509試合登板。「明日からも頑張ります」。球団最多は藤川球児監督(44)の777試合。さらに好リリーフを重ね、大先輩の後を追いかける。
◆阪神・大山悠輔内野手(30)は一回、同点とした直後の1死一塁で追い込まれながら高橋宏斗投手(22)のスプリットを中前にはじき返す安打でつなぎ、続く前川右京外野手(21)の2点打を呼び込んだ。甲子園今季初勝利に「一番は勝つことなので、また明日に向けてしっかり準備します」と前を向いた。
◆阪神・坂本誠志郎捕手(31)が五回に貴重なダメ押しとなる右前適時打を放ち、今季初の先発全員安打を達成。「言われるまで(自分だけ打っていないと)知らなかったので、言われてたらもっと力んでいた。言われなかったから打てた」と笑った。マスクをかぶっては先発の村上頌樹投手(26)が2点を失いながらも、強力救援陣とともにリードを守り切って連敗ストップに貢献。「みんなで助け合って勝ったというのは、すごく意味のある一勝だと思う」と胸を張った。
◆阪神・及川雅貴投手(23)が圧巻の投球で中日打線を斬った。六回に登板すると、石川昂、ボスラー、細川を3者連続三振。「頌樹さんも五回まで粘り強く頑張ってくれてたんで、もう一度流れを戻す意味で最高のピッチングができてよかった」と胸を張った。開幕から7試合連続無失点の左腕を藤川球児監督(44)は「きょうも素晴らしい投球。これを本物にしていかないといけないというのは、投手コーチとみんなが思っているところ」と評価した。
◆八回に登板した阪神・石井大智投手(27)は上林、石川昂、ボスラーと3者連続三振に斬った。「3人でテンポよくというところを意識し、いい結果となった」。前半のリードを救援投手陣がしっかりつないで勝利。「先発も頑張ってくれるときがあるし、中継ぎも試合をつなぐときもある。野手も打ってくれたんで、いつもよりは楽にマウンドに立てた」と振り返った。
◆憧れる師の言葉を胸にバットを振り抜いた。前川が直球を仕留めて勝ち越し打を含む2安打。智弁学園高の先輩・村上に開幕3戦連続勝利を届けた。「抜けてくれと思って見ていたので、抜けてくれて良かったです」2-2の一回1死一、二塁。カウント2-1から、中日先発・高橋宏が投じた外角高め151キロ直球を逆方向にはじき返した。打球は三塁線を抜け、勝ち越しの2点二塁打。2020年の甲子園交流試合で対戦経験があり、「高校時代からえげつないピッチャー」と口にする右腕からクリーンヒットを放った。七回にも左腕・橋本の高め150キロ直球を捉えて安打を記録。「打ってもずっと1本だったので、あの安打の方がでかい」と3月29日の広島戦(マツダ)以来のマルチ安打にうなずいた。球団OBの金本知憲氏からの「真っすぐに強くなれ」という言葉に応えた。8日のヤクルト戦で行われた甲子園開幕セレモニーで、レジェンドOBとして金本氏が左翼守備に就いた。前川は、高校3年時にテレビ企画で指導を受けて以来の再会を果たし、そこで鉄人から金言を授かった。「真っすぐを打たないと話にならない。ピッチャーは150キロを当たり前に投げられる。そこを打ち返せるように」前川は誓う。入団会見では金本氏が現役時代に着用した〝背番号6〟を将来的に背負いたいと宣言。高校時代は練習中に金本モデルのバットを使用していた若きスラッガーが、記憶に残るイベントを経て、進化の時を迎えようとしている。「(甲子園の雰囲気は)良かったときと駄目だったときのプラスマイナスが非常に大きい。いいように活用してやっていきたい」甲子園に詰めかけた虎党に、バットで今季ホーム初勝利を届けた。背番号58が鉄人ロードを歩む。(萩原翔)
◆及川が圧巻の投球で中日打線を斬った。六回に登板すると、石川昂、ボスラー、細川を3者連続三振。「(村上)頌樹さんも五回まで粘り強く頑張ってくれてたんで、もう一度流れを戻す意味で最高のピッチングができてよかった」と胸を張った。開幕から7試合連続無失点の左腕を藤川監督は「きょうも素晴らしい投球。これを本物にしていかないといけないというのは、投手コーチとみんなが思っているところ」と評価した。
◆九回に登板した岩崎は1死から村松に安打を許したが、後続を断って試合を締めくくり、今季5セーブ目を挙げた。これで村山実に並び球団歴代5位の通算509試合登板。「明日からも頑張ります」。球団最多は藤川監督の782試合。さらに好リリーフを重ね、大先輩の後を追いかけていく。
◆大山は一回、同点とした直後の1死一塁で追い込まれながら高橋宏のスプリットを中前にはじき返す安打でつなぎ、続く前川の2点打を呼び込んだ。甲子園今季初勝利に「一番は勝つことなので、また明日に向けてしっかり準備します」と連勝を目指して前を向いた。
◆阪神は今季ホーム6試合目で初勝利を挙げた。2点を先制された直後の一回、森下翔太外野手(24)がチーム38イニングぶりの適時打を放つなど、5連打で一気に逆転。今季最多の14安打と打線が爆発し、甲子園の虎党を沸かせた。連敗を2で止め、ここから再び勢いに乗っていく。ホームで勝てない虎の呪縛を解いたのは、4番のバットだった。意地でもつなぐ―。必死に食らいついた打球が、ポトリと落ちる。不格好にも刻んだ2点から、せきを切ったようにHランプがともる。森下が逆転勝利の主役となり、待望の甲子園初勝利をもたらした。「まずホームで1勝できたというところにすごくホッとしています。何とかまず1点でもという思いで打席に立った結果が、先っぽだったんですけどいいところに落ちてくれたと思います」2連敗中の悪い流れも吹き飛ばし、昨季の最優秀防御率右腕・高橋宏を攻略した。一回に2点を先行されるも、裏の攻撃ですぐさま1死から中野が右前打でチャンスメーク。佐藤輝も右翼線への二塁打で続き、1死二、三塁で森下が打席に立った。追い込まれながらも、外角低めのスプリットについていく。膝をつきそうになりながらはじき返し、二塁手後方に落ちる2点打。「内容は全然良くなかったですけど、結果が全て。本当は自分の打撃で打ちたいですけど、泥臭くもいきたい」。4日の巨人戦の八回以来、チーム38イニングぶりとなる適時打で試合を振り出しに戻した。ここから大山も中前打で続き、前川が三塁線を抜く決勝の2点二塁打。怒濤(どとう)の5連打で逆転した。終わってみれば今季初の先発全員安打をマークし、今季最多の14安打で6得点。ホーム6戦目、甲子園では3戦目で初白星をゲットした藤川監督は「中野の出塁によってまた佐藤(輝)が出て、打線が非常に長くなったというところでは、いい攻撃ができた」とうなずいた。
◆佐藤輝は2点を追う一回、集中打を呼び込む二塁打を放った。1死一塁で追い込まれながら高橋宏のスプリットを捉えて右中間へ。二、三塁とチャンスを広げると、森下の二塁手の頭上を越える安打で二塁から一気に生還。好走塁に「取られた後だったので返そうと。ミーティングどおり。(走塁は)いい判断ができたのでよかった」と息をついた。
◆〝歴史的勝利〟を素直に喜べなかった。阪神・村上頌樹投手(26)は5回4安打3失点で降板。それでも、打線の強力アシストで開幕から3戦3勝とした。「自分に勝ちがつくよりは、チームに勝ちがついたのが一番大きい。なんとか(試合を)落とさず投げられてよかった」一回、先頭の岡林に中前打を許し、1死一塁から上林に内角低めのカットボールを右翼ポール際に先制2ランを運ばれると、甲子園は大きなため息に包まれた。「相手(高橋宏)はいい投手だったので、2点取られて、ちょっと厳しいかなと」直後の一回、打線が5連打で4点を奪い、村上を立ち直らせた。二回は三者凡退。三回は無死二塁のピンチを無失点に抑え、四回も中軸を3人で打ち取ると「野手のみなさんのおかげ」と最敬礼だ。五回、先頭の村松に死球。代打カリステに左翼線へ適時二塁打を浴びたが、なおも2死一、二塁のピンチをしのぎ、今季3勝目をゲットした。阪神の開幕投手では2004年の井川慶以来、21年ぶりのシーズン初登板から3戦3勝。右投手では1977年の江本孟紀以来、48年ぶりの快挙だ。村上は「勝ちたい思いもありますし、野手の皆さんが打ってくれているおかげなので」と再び感謝の言葉を並べた。2021年に初の2桁となる10勝を挙げ、リーグMVP&新人王をW受賞。昨季も防御率2・58と結果を残したが、7勝11敗と負けが先行。エース級との対戦で最後に力尽きるパターンが多かった。「メンタルも鍛え直さないと」。1軍昇格を目指して無我夢中で結果だけを追い求める時期は終わった。「0-1で負けるよりも5点取られてもチームに勝ちがつき、自分の勝ち星がつくのがいい」が答えだ。3月28日の広島との開幕戦(マツダ)の相手先発は森下。4日の巨人戦(東京ドーム)は戸郷、そして高橋宏...。他球団のエースに投げ勝った。「自信になりますし、今回、いいピッチングじゃなかったけど、勝ちがつくのは気持ち的に楽になるかな」。調子が悪いなりに踏ん張った。チームの本拠地&甲子園初勝利に貢献できたことに、納得の表情。勝たせるエースに成長していく。(三木建次)
◆選手会長が止まらない。偶然見つけた〝ラッキーアイテム〟を駆使し、中野が今季初打点&猛打賞と暴れまわった。「チャンスメークできてしっかりと得点につながったことがよかった。近本さんが(塁に)出られなかったら自分が出るという流れもすごくいいかなと思う」一回1死、高橋宏の151キロを引っ張って、右前打。5連打の起点となると、二回も再び直球を捉えて、左中間を破る二塁打を放った。今季初長打で波に乗ると、四回2死一塁は左翼線に運ぶ適時二塁打で好投手を完全攻略だ。「ちょうど下のロッカーに井上広大のバットがあって、そのバットを練習で使ってみたら感覚がよかった」試合前練習から、通常より20グラム以上も重い後輩のバットを使用。「短く持ってきちんと打つ感覚がよかった」とそのまま試合に臨んだ。「いままですごくチームに迷惑をかけていたので、しっかりと状態を上げてチームに少しでも貢献できるように頑張りたいと思います!」〝幸運バット〟で5試合ぶりの複数安打ときっかけをつかんだ。このままヒットも白星も積み重ねていく。(原田遼太郎)
◆坂本が五回に貴重な駄目押しとなる右前適時打を放ち、今季初の先発全員安打を達成。「言われるまで(自分だけ打っていないと)知らなかったので、言われてたらもっと力んでいた。言われなかったから打てた」と笑った。マスクをかぶっては先発の村上が先制点を失いながらも、強力救援陣とともにリードを守り切って連敗ストップに貢献。「みんなで助け合って勝ったというのは、すごく意味のある一勝だと思う」と胸を張った。
◆八回に登板した石井は上林、石川昂、ボスラーと3者連続三振に斬った。「『3人でテンポよく(抑える)』というところを意識し、いい結果となった」。前半のリードを救援投手陣がしっかりつないで勝利。「先発も頑張ってくれるときがあるし、中継ぎも試合をつなぐときもある。野手も打ってくれたんで、いつもよりは楽にマウンドに立てた」と振り返った。
◆11日付のサンスポ1面の本文の書き出しはこうだった。「昭和からの馬券オヤジは桜花賞の声を聞くと、春競馬も本番を迎えた印象がある」筆者は、夕刊フジで絶大な支持を得ていた水谷圭助大先輩。昔から馬券でもお世話になった。夕刊フジ休刊に伴いサンスポにやってきて、ますますその力を見せつけてくれることだろう。書き出しが気に入ったのでパクることにした。「昭和からのプロ野球担当記者は、桜花賞の声を聞くとシーズンが開幕する印象がある」いつの頃からか、3月に開幕するのが当たり前になったプロ野球だが、昔は桜満開の桜花賞の時期というのが相場。長いペナントの始まりを告げるレースでもあった。「桜花賞では、開幕投手の背番号の目を、桜花賞で買うのが当たり前」先輩記者に教えられた。幸運の女神が付いているから、と。1994年。阪神は神宮球場でヤクルトとの開幕戦。開幕投手の湯舟敏郎の背番号から馬連①-⑤を買った。まだ馬単も3連単もない時代。見事にハズレた。「アホやな、阪神は負けたやないか。勝ったチームの投手の背番号を買うに決まっとるやろ」勝利投手は川崎憲次郎だった。背番号は「17」。その年の桜花賞は1着オグリローマン、2着ツィンクルブライド。馬連①-⑦の配当は何と1万8140円。周囲には、10人以上の万馬券を当てた先輩トラ番が狂喜乱舞していた。実に簡単だったのに...。マヌケな話だ。
◆ウギャ~! 一回、いきなり開幕から2連勝のムラ神様(村上)が中日の3番・上林に2ランを浴びた~! そんなんあり? は~あ、本日はもうアカンやん! なんせ、相手投手は昨年12勝(4敗)、防御率は1・38の高橋宏やでェ~。2点は与えないってことよ...。そしたら虎の黒星は決まりやんかー!!いや、神様は村上だけじゃないでェ! そーよ、昨年、中日に1勝もさせなかった(虎の10勝1分け)甲子園の神に手を合わせましょう。トラトラ、ウテウテ、ギャクテン、ギャクテン、なかばヤケクソに手を合わせていたら...。その裏にう、うそやろ~!?中野のヒットを皮切りに森下の曲芸「ボール球打ち同点打」に、前川の勝ち越し2点タイムリーツーベースなど、5連打で難攻不落の高橋宏を打ち込んだのだ。『信じるものは救われる』? いや、オレはそこまで真剣に信じなかったんだけど...。猛虎打線、スミマセ~ン。スタメン全員安打で6点を奪った猛虎打線も見事だったけど六回の及川、八回の石井と、ともに3者三振に斬ったマウンドが、今季の本拠地初勝利に大興奮の花を添えてくれたのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
ヤクルト |
5 | 4 | 1 | 0.556 (-) | - (↓0.5) |
133 | 27 (-) | 35 (-) | 4 (-) | 1 (-) |
0.195 (-) | 2.910 (-) |
2 (1↓) |
巨人 |
6 | 5 | 1 | 0.545 (↓0.055) | 0 (-) |
131 | 47 (+3) | 41 (+12) | 9 (-) | 7 (+1) |
0.266 (↓0.012) | 3.110 (↓0.73) |
2 (1↑) |
阪神 |
6 | 5 | 1 | 0.545 (↑0.045) | 0 (↓1) |
131 | 37 (+6) | 36 (+3) | 6 (-) | 8 (-) |
0.217 (↑0.016) | 2.780 (↓0.02) |
2 (1↑) |
広島 |
6 | 5 | 1 | 0.545 (↑0.045) | 0 (↓1) |
131 | 47 (+12) | 38 (+3) | 4 (-) | 4 (-) |
0.246 (↑0.015) | 2.780 (↑0.07) |
5 (-) |
DeNA |
4 | 5 | 2 | 0.444 (-) | 1 (↑0.5) |
132 | 46 (-) | 43 (-) | 5 (-) | 4 (-) |
0.233 (-) | 3.200 (-) |
6 (-) |
中日 |
4 | 7 | 2 | 0.364 (↓0.036) | 2 (-) |
130 | 23 (+3) | 34 (+6) | 3 (+1) | 6 (-) |
0.191 (↑0.001) | 2.310 (↓0.32) |
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