阪神(★3対5☆)ヤクルト =リーグ戦2回戦(2025.04.09)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:石川 雅規(1勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(0勝0敗3S))
敗戦投手:工藤 泰成(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトは3点を追う6回表、相手の暴投や代打・増田の適時二塁打などで5点を挙げ、試合をひっくり返す。投げては、先発・石川が5回5安打3失点の投球。今季初勝利を挙げ、NPB史上初となる24年連続勝利をマークした。敗れた阪神は、守備の乱れから痛い敗戦を喫した。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)は、この日もグラウンドでの試合前練習に姿を見せなかった。前日8日のヤクルト戦(甲子園)は体調不良のため今季初のベンチスタート。全体の試合前練習に参加することなく、代打1打席の出場となっていた。試合直後には「体調がちょっと良くなくて。少し良くなったので最後は出たという感じです。明日もしっかり準備していけるようにしたいと思います」と明かしていた。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神は前日8日に体調不良でスタメンを外れて代打起用だった佐藤輝明内野手(26)は、2試合連続でスタメンを外れてベンチスタートとなった。クリーンアップは開幕から4番だった森下翔太外野手(24)が3番、大山悠輔内野手(30)が今季初めて4番に座り、5番には前川右京外野手(21)が入った。さらに木浪聖也内野手(30)がプロ7年目で初めて三塁で先発出場となった。

◆4月9日はヤクルトの球団マスコット「つば九郎」のデビュー記念日となる。今からちょうど31年前の94年4月9日阪神戦(神宮)。担当者の死去に伴い、現在は活動休止中の「つば九郎」は初試合を迎えていた。この日は舞台こそ甲子園と敵地の戦いだが、同じ虎が相手。先発は石川雅規投手(45)が務める。担当者から「かつおくん」と呼ばれ、親交が深かったベテラン左腕は訃報時、「感謝とありがとうしかないです」と話していた。つば九郎がデビューした4・9。石川も勝てば、プロ野球史上初の24年連続勝利となる。「かつおくん」にとっても記念日となるか。

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が体調不良のため、2日連続のベンチスタートとなった。体調不良で、前日8日ヤクルト戦(甲子園)でも代打1打席のみの出場にとどまっていた。この日の試合前練習でもグラウンドには姿を見せていなかった。代わって、「6番三塁」で木浪聖也内野手(30)が出場する。

◆日刊スポーツ評論家で阪神OBの桧山進次郎氏(55)が異例の2日連続となる試合前セレモニーに登場した。「春の交通安全運動」とタッグを組んで警察の制服でファーストピッチに登場。打席に入り鋭いスイングを披露すると、球場から拍手が送られた。前日8日は阪神タイガース球団創設90周年での甲子園開幕イベントに、レジェンドOBとしてユニホーム姿で登場していた。2日連続で、試合前の球場を沸かせた。

◆阪神近本光司外野手(30)の盗塁がリクエストで取り消しになった。初回、敵失で出塁。中野拓夢内野手(28)の2球目にスタートを切った。ストライク送球が来て、タイミングはアウト。近本自身もアウトと思ってベースを離れたが、二塁塁審はセーフのジェスチャー。近本はあわてて塁に戻った。ヤクルト側のリクエストがあり、判定はアウトに変更。塁審の立ち位置からは見えづらかったが、場内に流れた映像はタッチのシーンがはっきり映っていた。虎党の不満の声も少なかった。今季1盗塁の近本は、初の盗塁死となった。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)の「バズーカ」が発動した。2回1死一塁でスタートを切った赤羽由紘外野手(24)に対し、梅野は二塁に素早く送球。少しそれていればセーフのタイミングだったが、完璧なストライクでアウトにした。昨季は盗塁阻止率2割1分6厘にとどまっただけに、「梅ちゃんの強肩が完全に復活してる」「簡単に走られないのはでかい」とSNSでファンも喜んだ。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)が、見事なセーフティースクイズで自身を援護した。2点リードを奪った直後の2回1死一、三塁。打席に入ると、いったん三塁コーチャーのもとにいったん確認へ。その直後の初球だった。構えたバットを持ち替えると、ヤクルト先発石川の直球をキッチリとバント。三塁線へ華麗にゴロを転がした。第2リードを取っていた三塁走者木浪も迷いなく本塁へ突入し、難なく生還した。ビーズリーはこれが来日3年目で初打点。ベンチでは藤川監督も笑みを浮かべ、球場は大歓声に包まれた。

◆阪神大山悠輔内野手(30)が2シーズンぶりの盗塁を決めた。3回2死から左前打で出塁。続く前川右京外野手(21)の4球目にスタートを切り、余裕をもって二塁セーフになった。これが23年10月1日以来の盗塁。捕手の中村悠平(34)は虚をつかれたか、送球が中途半端なバウンドになって外野に抜けた。大山はその間に三塁に進んだ。今年の阪神は前日8日時点でチーム盗塁数が7。リーグ単独トップと積極的に走っている。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)が再三のスクイズチャレンジで場内を沸かせた。2回1死一、三塁で三塁線に完璧なセーフティースクイズを決めた。来日3年目で初打点だった。4回にも全く同じ状況で打席が回ってきた。最もセーフティースクイズを狙いやすい状況とされる1死一、三塁。三塁コーチのサインをじっくり見る姿から、セーフティースクイズは見え見えだった。1球目はファウル。2球目も空振りしてしまい2ストライクに追い込まれたが、ビーズリーはそれでもバントの構え。甲子園のファンがドッと沸いた。結局、低めに制球された石川のシンカーの前に三たび失敗。2打席連続のスクイズ成功とはならなかった。

◆阪神のルーキー工藤泰成投手(23)が公式戦初の甲子園マウンドに立った。2暴投2四球でほろ苦い登板となった。3-0の6回無死二、三塁、先発ジェレミー・ビーズリー投手(29)からバトンを受けて登板。フォークが暴投となり1点を失うと、3番サンタナには四球。4番オスナを遊飛に仕留めたが、1死一、三塁から再び直球が暴投となり2点目を失った。5番山田に四球を与えたところで降板した。2暴投2四球で1死しか奪えず、初の甲子園公式戦は乱調となった。ベンチに下がると、悔しさをかみしめるようにじっとグラウンドを見つめた。

◆阪神がまさかの形で勝ち越し点を許した。3-0の6回。ジェレミー・ビーズリー投手(29)が2走者を残してルーキー工藤泰成投手(23)に交代。工藤は制球が定まらず2つの暴投で2点を失った。さらに2人の走者を残して及川雅貴投手(23)が救援した。好調の左腕は適時打で同点とされ、さらに1死二、三塁から強い一塁ゴロ。一塁の大山悠輔内野手(30)が好捕し、難しい体勢から本塁に送球。これが大きくそれて、2者を生還させてしまった。甲子園のファンの悲鳴とともに、ヤクルトのスコアボードには無情の「5」がともされた。阪神は今季ホーム5試合のうち、6回に失点したのが4度目。またしても「魔の6回」となってしまった。

◆ヤクルト石川雅規投手(45)が勝利投手の権利を得た。このまま勝ち星が付けば、プロ野球史上初の新人から24年連続勝利の達成となる。5回5安打3失点(自責1)。援護を信じて粘投すると、3点を追う6回に打線が一挙5点で逆転した。粘って試合をつくった。3回2死三塁は前川を空振り三振。4回1死一、三塁ではビーズリーのスリーバント失敗を誘い、近本は遊ゴロでしのいだ。先発予定だった1日広島戦が雨天中止となり、仕切りなおしの一戦。「どんな試合も緊張感の中でやる。緊張感の中で結果を残したい」とマウンドに向かった。2回には悔やまれるミスもあった。無死満塁、外角低め121キロのシンカーで梅野のバットの芯を外した。打球を処理し、本塁封殺を狙った。タイミングはアウトだったが、うまくボールを握れず悪送球で先制点を献上。犠飛とセーフティースクイズで3点を失っていた。02年のルーキーイヤーから昨季まで23年連続で白星を重ねてきた。勝って24年となれば、工藤公康、山本昌、三浦大輔の23年を抜き、プロ野球史上初の金字塔となる。

◆阪神ドラフト1位の伊原陵人投手(24)が、甲子園初登板で1回無安打1四球無失点に抑えた。2点ビハインドの7回に4番手として、公式戦初の聖地のマウンドに上がった。先頭の1番西川にプロ初の四球を与え、出塁を許すも、2番長岡を遊ゴロ併殺。3番サンタナは1球で三ゴロに抑えた。公式戦初登板から、5試合連続無失点。計6回1/3を投げ、1安打、1四球と出塁もほとんど許していない。

◆阪神小幡竜平内野手(24)が、スーパープレーでもり立てた。2点ビハインドの8回、先頭オスナが放った、二遊間へのゴロだった。中前に抜けると思われた打球を、遊撃小幡がダイビングキャッチ。即座に送球に移り、正確なスローでアウトに仕留めた。小幡はこの試合が今季2度目のスタメン出場。劣勢ムードの中、ここぞの集中力を発揮した。

◆ヤクルト石川雅規投手(45)がプロ野球史上初となる24年連続勝利を達成した。通算187勝目。通算200勝の節目まで、残り13勝となった。5回5安打3失点(自責1)。援護を信じて粘投すると、3点を追う6回に打線が5得点で逆転に成功した。45歳2カ月での今季初勝利。プロ1年目の02年から24年連続勝利。24年連続勝利は、85~07年工藤(横浜)88~10年山本昌(中日)93~15年三浦(DeNA)の各23年を抜いた。45歳以上で白星は14年9月5日山本昌(49歳0カ月)以来4人目で、先発勝利は浜崎(阪急)山本昌に次いで3人目。石川は通算187勝目で、そのうち救援勝利が1度だけあり、先発では186勝。先発通算勝利は鈴木啓(近鉄)の287勝が最多だが、大卒投手では村山(阪神)の185勝を抜く新記録となった。ちなみに、先発だけで200勝以上の投手は11人おり、石川の先発186勝は歴代13位。ヒーローインタビューでは「1人でできる数字ではない。家族、監督、コーチ、裏方さん、そしてファンの皆さんのおかげです。年齢を重ねましたけど、必死に毎日やっています。ボールはそんなに速くないですけど、何とか自分の良さを出してやっていける。また次の登板に向けて、しっかり準備していきたい」としみじみ語った。▽ヤクルト高津監督(石川について)「誰もがやったことのない記録なので、誰もコメントできないぐらい、すごいと思います。入った時から知ってますが、向上心と謙虚さと負けん気。それがいっぱい詰まった大きな投手です」▽DeNA三浦監督(ヤクルト石川の24年連続勝利に)「45歳でね、しんどいこともいっぱいあったと思うし。本当に偉大な記録だと思います」▽ヤクルト石山(今季3セーブ目を挙げ、同郷秋田出身の石川の記録に貢献)「石川さんの1勝というのはすごく重いので、勝ててよかったです。リスぺクトしかない偉大な先輩。試合後は握手とハグをして『おめでとうございます』と伝えました」

◆阪神佐藤輝明内野手(26)が今季初めて欠場した。体調不良のため、2日連続で試合前はグラウンドに姿を見せず、ベンチスタート。前日8日のヤクルト戦(甲子園)は代打で登場したが、この日は出番がなかった。5年目の佐藤輝はケガや体調不良が少ないことで知られ、不振以外が理由の欠場はほとんど例がない。

◆ヤクルト石川雅規投手(45)が、プロ野球史上初となる金字塔を打ち立てた。5回5安打3失点(自責1)で今季初勝利。これで工藤公康、山本昌、三浦大輔の23年を抜き、単独最多となる24年連続勝利となった。45歳以上の勝利も、浜崎真二、工藤、山本に次ぐ4人目の偉業だった。通算では187勝目。頼れるベテランが粘投し、チームに昨年4月2日以来、約1年ぶりの貯金をもたらした。45歳2カ月の石川が今季初勝利を挙げ、プロ1年目の02年から24年連続勝利。24年連続勝利は、85~07年工藤(横浜)88~10年山本昌(中日)93~15年三浦(DeNA)の各23年を抜いてプロ野球新記録だ。45歳以上で白星は14年9月5日山本昌(49歳0カ月)以来4人目で、先発勝利は浜崎(阪急)山本昌に次いで3人目。石川は通算187勝目で、そのうち救援勝利が1度だけあり、先発では186勝。先発通算勝利は鈴木啓(近鉄)の287勝が最多だが、大卒投手では村山(阪神)の185勝を抜く新記録となった。ちなみに、先発だけで200勝以上の投手は11人おり、石川の先発186勝は歴代13位。

◆阪神小幡竜平内野手(24)が攻守でもり立てた。「8番遊撃」で今季2度目の先発出場。1点を先制した直後の2回無死満塁、ヤクルト石川から中堅へ犠飛だ。今季初打点に「1点入った状況で回ってきたので気も楽でしたし、その中で最低限の仕事はできて良かった」。遊撃守備では終盤に好プレーを連発。「少しでもチームが勢いづければいいなと思って。あそこは良かった」と自信を深めた。

◆阪神の木浪聖也内野手(30)がプロ7年目で初めて三塁で先発した。3回に長岡の三塁後方への飛球を難なく捕球すると、その後もゴロを危なげなく処理。3度の守備機会を無失策で終えた。「行けと言われたところで行くしかないので。練習でしっかり準備したので、大丈夫です」。2回の第1打席では四球を選び3得点につなげた。「3連敗が一番ダメなので、また明日頑張ります」と切り替えた。

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◆また「魔の6回」...。阪神が6回一挙5失点で3点リードを守り切れず、藤川阪神の甲子園初勝利を逃した。3-0の6回、育成ドラフト1位から支配下を勝ち取った2番手・工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が2暴投で2点を献上。さらに同点から堅守で知られる一塁手・大山悠輔内野手(30)がまさかの本塁悪送球で勝ち越しの2点を奪われた。チームは今季ホーム5戦で4度目の6回失点。開幕からホーム5戦白星なしは球団史上初の屈辱となり、勝率5割に戻った。阪神が甲子園でヤクルトに連敗。今季は京セラドーム大阪のDeNA戦(1~3日)に1分け2敗で、開幕から5試合続けてホームゲームに勝てていない(●△●●●)。開幕5戦ホーム未勝利は、52年のフランチャイズ制後では球団初。また、10日も敗れると、球団ワーストのホーム開幕5連敗となってしまう。4連敗は91、95、99年と3度あり、いずれも5戦目は勝っているが、今回も止めることができるか?

◆阪神藤川球児監督(44)が、佐藤輝明内野手(26)の状態について言及した。佐藤輝は体調不良のため、2日連続で試合前はグラウンドに姿を見せずにベンチスタート。前日8日のヤクルト戦(甲子園)は代打登場したが、この日は出番が無く今季初欠場となった。藤川監督は「本人のコンディションですからね。本人が行ける状態になればというところですけど、そこはもう。出ろとは言えないですからね。なかなかそこはね」と語った。続けて「責任があることを本人も分かっていますからね。自分が責任ある役割だということは分かっていますけど、それにしても他の選手も『自分たちでやる』という思いがありますから」と他選手の奮起にも期待を込めた。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)がまたしても白星を逃した。5回まで無失点だったが、6回に無死二、三塁のピンチを招いて降板した。後続が逆転を許し、6回途中4安打2失点。「自分から始まったイニングだったので、しっかり終わらせて攻撃につなげたかった。責任感は感じています」。4回にはトレーナーがマウンドに来る場面もあったが、「足をくじいただけ。大丈夫」と話した。

◆阪神が魔の6回に捕まった。5回まで無失点の先発ジェレミー・ビーズリー投手(29)が突如乱れ無死二、三塁で降板。2番手ルーキー工藤泰成投手(23)が2暴投で2点を失うと、3番手及川雅貴投手(23)が同点適時打を被弾した。さらに1死二、三塁でのヤクルト赤羽の一ゴロを大山悠輔内野手(30)が痛恨の悪送球で勝ち越しの2点を献上。ヤクルト継投を打ち崩せず本拠地甲子園で連敗を喫した。1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム)を含め、ホーム5戦は引き分けを挟んで4連敗。DeNA3連戦とこの日を含め3敗1分けの4戦は全て6回に失点した。勝率も5割に戻った。

◆ヤクルト石川雅規投手(45)が、プロ野球史上初となる金字塔を打ち立てた。5回5安打3失点(自責1)で今季初勝利。これで工藤公康、山本昌、三浦大輔の23年を抜き、単独最多となる24年連続勝利となった。45歳以上の勝利も、浜崎真二、工藤、山本に次ぐ4人目の偉業だった。通算では187勝目。頼れるベテランが粘投し、チームに昨年4月2日以来、約1年ぶりの貯金をもたらした。安堵(あんど)感と高揚感が入り交じった。不思議な感覚だった。歴史的1勝を手にして帰りのバスに乗り込む前、石川は言った。「自分が自分なのか。信じられないところもある。1年1年、1試合1試合の積み重ねで今がある。そういう意味ではあっという間だった」。勝利までの道のりは厳しかった。2回は無死満塁から自身の悪送球も絡み3失点。ただ、そこから真骨頂を見せた。3回は2死三塁、4回1死一、三塁を無失点。何とか粘った。5回は中野、森下、大山の上位打線を3者凡退し、試合の流れを動かした。打線から6回に5得点の援護を受け、勝ち投手となった。究極の"平凡力"で、生きる道を探し続けてきた。この日の直球の最速は131キロ。伝家の宝刀と称されるような、圧倒的な変化球を持つわけでもない。「変な話、僕っていろんな意味で平均以下だと思うんです。でも結局、野球ってトータルじゃないですか。だから面白い」。石川の野球道だ。1年目のキャンプは鮮明に脳裏に残る。当時、絶対的な守護神だった高津監督の直球の制球力に目を奪われた。内角低め、外角低めとブルペン捕手が構えるミットは、ほとんど動かず、球が吸い込まれていく。「これが一流のプロか」。驚きとともに自らが生きる道しるべとなった。球界最年長となった今、石川はキャッチボールもマウンドのように足場を固め、セットで構えて投げる。実戦をイメージし、常に制球力を磨く。変化球は同じシンカーでもスピード、変化量に差を生み、何種類も投げ分ける。精密なコントロールを軸に、自称「平均以下」の引き出しをたくさん作った。その小さな武器の結晶が、高い総合力となった。4月9日。この日はちょうど94年4月9日阪神戦(神宮)で、活動休止中の「つば九郎」がデビューした記念日でもあった。「つば九郎と常に、今も戦っているつもり。大きな、大きな声援を送っていると思う。つば九郎がデビューした日に勝てたのは、本当に勝たしてくれたのかなと思いますね」不思議な縁が重なって、自らにとっても大事な記念日になった。これで通算187勝。次なる節目を見据える。まだまだ通過点だ。【上田悠太】

◆無失点継続だ! 阪神ドラフト1位の伊原陵人投手(24)が甲子園初登板で1回を無安打1四球で無失点と好投した。2点ビハインドの7回、4番手でプロ初の聖地のマウンドへ。観衆4万2580人の前でルーキーらしからぬ堂々たる姿を見せつけた。公式戦デビューから5試合連続無失点だ。「ゼロで抑えることがチームの勝利につながるし、自分にとってもプラスになることなので継続したい」5試合目で初めて先頭打者に出塁を許したが、動じなかった。1番西川にこちらも初の四球を与えて無死一塁。少し苦笑いしつつも、野手方向を振り返るほど落ち着いていた。2番長岡はスライダーで遊ゴロ併殺打。3番サンタナは1球で三ゴロ。結果的に3人で終えた。「1人1人と対戦することがメインなので、ランナーが出たからといって、変わることもない。先頭の入り方は悪かったので、次はしっかり」。早くも次戦を見すえる姿勢が頼もしい。本拠地甲子園ではオープン戦でも登板がなかった。公式戦では18年春のセンバツ以来、2567日ぶりの聖地マウンド。「高校生ぶりになると思う。久しぶり。いつ来てもいい球場だなと思います。ここがホームなので、ここでもいいピッチングをすることが自分にとってもプラスになる。毎試合毎試合、一生懸命頑張りたい」と燃えた。今季の公式戦は計6回1/3を1安打1四球で無失点。出塁もほとんど許していない。いきなりブルペンを支えているドラフト1位左腕。今後はますます貴重なピースとなりそうだ。【塚本光】

◆また「魔の6回」...。阪神が6回一挙5失点で3点リードを守り切れず、藤川阪神の甲子園初勝利を逃した。3-0の6回、育成ドラフト1位から支配下登録を勝ち取った2番手・工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が2暴投で2点を献上。さらに同点から堅守の一塁手・大山悠輔内野手(30)がまさかの本塁悪送球で2点を勝ち越された。チームは今季ホーム5戦で4度目の6回失点。開幕からホーム5戦白星なしは球団史上初の屈辱となり、2連敗で勝率5割に戻った。阪神がまたも負のジンクスに捕まった。「魔の6回」だ。つかみかけたホーム初勝利が遠のいた瞬間、大観衆4万2580人が埋め尽くした聖地全体から大きな悲鳴が上がった。3点リードを追いつかれた直後の1死二、三塁。3番手及川が赤羽を一ゴロに打ち取った。強烈な打球を好捕した大山は難しい体勢から本塁送球。これが三塁側にそれ、走者2人がホームに生還した。「僕のミスなので。申し訳ないです。ただ、それだけです」。欠場する佐藤輝の代わって今季初の4番を託された主砲は試合後、全責任を背負うように肩を落とした。5回まで無失点の先発ビーズリーが突如乱調。3-0の無死二、三塁で送られたのは3試合連続無失点中の工藤だ。だが、6日巨人戦では初ホールドもマークしたルーキー右腕が落とし穴にはまった。カウント2-2からサンタナへの5球目フォークが暴投になり1失点。オスナは遊飛に打ち取ったが、山田に2つ目の暴投で2点目を失った。さらに四球を与えた時点で降板。「工藤に関しては成功体験も必要になるし、作っていくという意味では行かなければいけないところだから」。藤川監督は育成ドラフト1位から支配下に引き上げた新人右腕をかばった。とはいえ、1度明け渡した流れは簡単には引き戻せなかった。3番手の及川が同点打を浴び、さらに大山の適時失策で勝ち越しの2点を許した。痛恨の逆転負けで2連敗だ。これで1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム大阪)を含め、ホーム5戦は引き分けを挟んで4連敗。DeNA3連戦とこの日を含め、5戦で4度も6回に失点している。1日DeNA戦は1失点とゲームメークしていた才木が1死から四球を挟んで4連打を浴びた。2日はビーズリー、3日はデュプランティエが捕まった。「あの6回が確かにヤマ場でしたけどね」。開幕からホーム5戦白星なし。球団史上初の屈辱に、藤川監督は唇をかんだ。今日10日以降も甲子園ゲームが4試合が続く。指揮官は「また明日、しっかりといいゲームを何とかしたい」と力を込めた。負のデータを吹き飛ばす出直しを、静かに誓った。【伊東大介】

◆阪神前川右京外野手が今季初の5番起用で結果を出した。2回無死一塁の初打席で、ヤクルト石川の128キロシュートをミート。一、二塁間を破る右前打で好機を拡大させた。昨季7月13日中日戦(バンテリンドーム)以来となった5番出場での安打。それでも「ラッキーヒットみたいな感じなので。(5番出場も)特に何もないですね。6番とあまり変わらないと思います」と表情は緩めなかった。

◆阪神の工藤泰成投手(23)が甲子園初登板で結果を残せなかった。3-0の6回無死二、三塁から2番手で登板。2暴投と2四球で1死しか奪えず。降板後に逆転を許し、2失点でプロ初黒星を喫した。「3アウトを取れずに情けない。僕の至らなさです。ダメなところが出た」と唇をかんだ。本拠地初登板はホロ苦いものとなり、「僕のせいで負けてしまった。また信頼を取り戻せるようにしたい」と前を向いた。▽阪神梅野(2暴投で敗戦投手の工藤について)「球が強い投手。ああいう難しい場面は気持ち的な部分で抑えにいくんだけど、最少失点で抑えることが大事だと思う。バッテリーでしっかりやっていきたい」

◆阪神藤川監督は打順大改造で打線を活性化させた。前夜は「0-1」の完封負け。この日もチームトップ4本塁打、8打点を挙げる不動の3番佐藤輝が体調不良で2戦連続スタメン外だった。「なかなか佐藤もいないというところで、みんなも『自分たちで』というところはあると思うんだけど...」。開幕から4番を任せていた森下を3番に配置。今季初めて4番に大山、5番に前川を起用した。"即席打線"は特に試合序盤、機能した。0-0の2回、まずは先頭大山が中前打。昨季10月14日のCSファーストステージDeNA戦以来の4番で快音だ。続く前川も右前打で無死一、二塁。プロ初の三塁スタメンとなった6番木浪も四球で続いた。無死満塁となり、相手の適時失策、小幡の中犠飛、ビーズリーのセーフティースクイズで一挙3点を先制した。大山は2安打に23年10月以来の盗塁成功と気を吐いた。だが、打線全体で見れば2回以降は1点が遠かった。5回からは1安打のみと封じ込められ、指揮官も「つながりが出なかった。もう1本というところで最後、押し切れなかった」と悔やんだ試合展開。試行錯誤を続けながら、ベストな形を模索する。【波部俊之介】

◆ヤクルト石川雅規投手(45)が、プロ野球史上初となる金字塔を打ち立てた。5回5安打3失点(自責1)で今季初勝利。これで工藤公康、山本昌、三浦大輔の23年を抜き、単独最多となる24年連続勝利となった。45歳以上の勝利も、浜崎真二、工藤、山本に次ぐ4人目の偉業だった。通算では187勝目。頼れるベテランが粘投し、チームに昨年4月2日以来、約1年ぶりの貯金をもたらした。以下、 石川の一問一答。-24年連続勝利はプロ野球新記録本当に1人でできる数字ではない。支えてくれた家族、使い続けてくれた監督、コーチ、裏方さん、ファンの皆さんのおかげ。何とかまたこの1軍のマウンドに立てたことが本当にうれしい。プロ野球選手である以上は1試合でも多く1軍のマウンドに立ちたい。1つでも多く勝ちたい。年齢は重ねましたが、必死に必死に毎日やっています。-記念球はまずは家族にしっかりと渡したいと思ってます。-6回の打線の援護熱かった。心強かったです。絶対逆転してくれると信じてました。自分のミスもありながらの3失点がありましたが、そこから何とか粘って。自分のピッチングをできました。-若手にどんな姿を見せていきたいかボールは速くないですけど、考え方だったり、取り組み次第で、自分の良さを出して、1軍でも何とか勝負できる。自分自身も、そう(思って)24年間やってきた。若手と切磋琢磨(せっさたくま)し、今後もやっていきたい。-後輩からの言葉はみんなが『石川さんを勝たせよう』と言ってくれていた。本当にうれしくて、それに僕自身も応えないといけない。勝利、自分自身に勝ちがついたのはホッとしてますしうれしいです。-通算200勝へ個人的な目標であれですけど。200勝という目標があるので、しんどい時も頑張れる自分の原動力になっている。結果を出して、1軍のマウンドに数多く立つチャンスをもらえるように頑張るしかない。今日は今日で喜んで、また明日から必死にアピールし、コンディションを整えて、やっていきたい。

◆ヤクルト石川雅規投手(45)が、プロ野球史上初となる金字塔を打ち立てた。5回5安打3失点(自責1)で今季初勝利。これで工藤公康、山本昌、三浦大輔の23年を抜き、単独最多となる24年連続勝利となった。45歳以上の勝利も、浜崎真二、工藤、山本に次ぐ4人目の偉業だった。通算では187勝目。頼れるベテランが粘投し、チームに昨年4月2日以来、約1年ぶりの貯金をもたらした。練習の細かな部分にも、流儀が垣間見える。キャッチボールではロジンを使用しない人が多い中、石川は左尻のポケットに必ずロジンを入れている。「ピッチングとできるだけ同じ状態にしたいと常に思っているんです。ブルペンでも試合でも、ロジンは使うじゃないですか」。常に試合を意識して練習に取り組むのが、石川のプロ意識だ。もともとロジンはたっぷり使う派。味方が攻撃中のベンチでも常に触れ、手になじませる。プロ入り当初はキャッチボール中に使っていなかったが、30歳頃から試合と同じ感覚をより追い求め、キャッチボールでも導入するようになった。「物事はやりようとか考えようとかで、何とかなる。それは信じてるかな」。球界最年長となった今でも、167センチの体で勝てる理由は、細部に宿っている。【ヤクルト担当=上田悠太】

◆阪神藤川球児監督(44)が、プロ野球史上初の24年連続勝利を達成した1学年上にあたるヤクルト石川雅規投手(45)の投球を"教材"として薦めた。阪神は2回に石川の悪送球も絡み3点を先制するも、3、4回は出塁しながら無得点。5回は3者凡退で、6回に逆転され、勝利を献上した。藤川監督は「佐藤(輝)もいないというところで、みんなも自分たちでというところではあると思うんだけど、その後、なかなかつながりが出なかった。もう1本というところで最後、押し切れなかった」と打線について言及。その上で、粘りきって勝利投手となった先輩左腕について「やっぱり粘り強さは見習うべきところがたくさんあると思いますね。途中で苦しい状況にもかかわらず、粘り強く投げきろうとするところは、やっぱりこれだけ長くできている証しだなと思いますし。うちの選手も含めて、12球団の選手がまた勉強になるんじゃないですかね。打席においてもね」と語った。

◆雨天により試合が一時中断となり、左翼スタンドのヤクルト応援団が"懐メロ"応援歌メドレーを奏でた。まずは最強助っ人からスタートした。「勝利の女神がほほ笑む スタンド揺るがす一振り アーチを描け GOバレンティン」。13年にシーズン60発の日本記録を樹立したバレンティンの応援歌が1曲目に流れた。以降は相川、ガイエル、土橋、青木、雄平、飯田ら歴代OBの曲が続いた。懐かしの応援曲が雨の甲子園に響いた。

◆ヤクルト高津臣吾監督(56)がファーム調整中の村上宗隆内野手(25)の復帰プロセスに言及した。3回表2死降雨ノーゲームとなった阪神戦後、主砲について「明日から新潟のゲーム(イースタン・リーグ、オイシックス戦)に出て、毎日いろいろ報告とか、状態を確認しながら今後、進めていきたい。今日、明日とかいう感じではないので。もうちょっとゲームを重ねてからになると思います」と語った。慎重に1軍復帰時期を見極めていく。村上は3月中旬に上半身のコンディション不良となり、別メニュー調整を続けていた。8日のイースタン・リーグ西武戦で1カ月ぶり実戦復帰し、2打数1安打。9日の同戦も出場し、1打数1安打と復帰のステップを踏んでいる。

◆ヤクルト高津臣吾監督(56)は3回表2死で降雨のためノーゲームとなり「チーム自体はすごくいい勢いがあった。でもしょうがないですね」と受け止めた。先発は山野だった。オープン戦では2試合の天候不良による中止があっただけに、指揮官は「持ってないのか、持ってるのか...。持ってないんだな」と苦笑いだった。阪神に2連勝で迎えた一戦だった。18年8月28日から30日以来、7年ぶりの甲子園での同一カード3連勝を狙ったが、雨で試合が流れた。とはいえ、昨季は2勝8敗と鬼門だった甲子園で2勝0敗と勝ち越した。「去年は2勝しかしていなかった。ただシーズンはトータル。今、2勝したから、いいか悪いかじゃなくて、トータルで勝っていかないといけない。苦手にしている球場がいくつかあるので、そういうところで、去年よりも1つでも2つでも多く勝ち、勝率を上げていくことが重要」と気を引き締め直した。11日からは敵地でのDeNA3連戦に臨む。高津監督は「今は本当に我慢して、しがみついていく姿勢というか、全力で感じでやっている。本当に目の前の試合を何とかという思いで、毎日戦っていきますよ」と力を込めた。

◆10日の3回戦は阪神の新外国人のジョン・デュプランティエ投手(30)=前ドジャース3A=が先発予定。キャッチボールなどで登板に備えた。前回登板の3日DeNA戦(京セラ)では6回3安打1失点、8奪三振の快投を見せるも勝敗つかず。来日初勝利に向けて「しっかりゾーンに自分の球を投げて、しっかりとゲームを作る。あとは味方を信じて、皆さんにしっかりと守っていただいて、いい試合がしたいなと思います」と力を込めた。初対戦となるヤクルト打線の印象については「積極的に来るところは来るし、ピッチャーに球数を投げさせようとしてくる嫌なバッターもいる。プロの一流のバッターが並んでいる感じ」と警戒。相手を徹底的に研究し、本拠地甲子園で初勝利をつかみ取る。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が2日連続で試合前の全体練習を欠席した。体調不良のため、8日の1回戦はベンチスタート。0-1の八回無死一塁で代打で空振り三振に倒れた。試合後「体調がちょっと良くなかった。(練習できない中での出場は)いい経験にもなりましたけど、あしたしっかり準備して行けるようにしたい」とコメントしていた。一夜明け、午後2時からの練習でグラウンドに姿を見せなかった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が2試合連続でスタメンを外れた。体調不良のため8日のヤクルト戦では0-1の八回無死一塁で代打で途中出場し、空振り三振に倒れた。一夜明け試合前の全体練習にも姿を現さず、ベンチスタートとなった。打線は3番・森下、4番・大山、5番・前川のクリーンアップ。木浪が三塁、小幡が遊撃で出場する。先発はジェレミー・ビーズリー投手(29)。昨季は甲子園で6試合に登板して5勝0敗、防御率1・18と好成績。最多の4勝を挙げたヤクルトを相手に、今季初勝利を目指す。

◆阪神・大山悠輔内野手(30)が2年ぶりの盗塁を決めた。今季初めて4番に座り、三回に2死から、この日2本目のヒットで出塁すると、前川右京外野手(21)の打席の4球目に二盗成功。中村悠平捕手(34)の悪送球も誘って三塁に進んだ。大山の盗塁は2023年10月1日の広島戦(マツダ)以来。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)は六回途中2失点で降板した。初回に2死一、二塁のピンチを招いたが、山田哲人内野手(32)を二邪飛に打ち取り、切り抜けると、それ以降は危なげない投球を披露。二回の攻撃では1死一、三塁からスクイズを決め、追加点も挙げた。しかし、五回、先頭の西川遥輝外野手(32)が四球、長岡秀樹内野手(23)が右翼線二塁打を放ち、無死二、三塁となった場面で降板した。2番手でマウンドに上がったのは育成D1位の工藤泰成(23)=四国IL徳島=だったが、暴投2つで2点を献上。四球も2つ与え、1死一、二塁でマウンドを降りた。しかし3番手・及川雅貴投手(23)がタイムリーを打たれ同点、大山悠輔内野手(30)のタイムリーエラーなどで、この回5失点で逆転を許した。

◆球界最年長の45歳で、左腕の石川雅規投手がプロ野球記録となる24年連続勝利を懸けてマウンドに上がり、5回5安打3失点(自責点1)、2奪三振で降板した。0-3の六回にチームが5得点して逆転。この回の打席で代打が送られ、勝ち投手の権利を持ってリリーフに後を託した。二回に先頭の4番・大山、5番・前川の連打と木浪への四球で無死満塁とし、続く梅野はボテボテの投ゴロ。打ち取ったかに思えたが本塁に悪送球し、先制を許した。その後、小幡の中犠飛、投手のビーズリーによるセーフティースクイズで加点され、この回に3失点した。三回以降は粘りの投球でスコアボードに0を並べた。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(29)は六回途中2失点で降板した。初回に2死一、二塁のピンチを招いたが、山田哲人内野手(32)を二邪飛に打ち取り、切り抜けると、それ以降は危なげない投球を披露。二回の攻撃では1死一、三塁からスクイズを決め、追加点も挙げた。しかし、五回、先頭の西川遥輝外野手(32)が四球、長岡秀樹内野手(23)が右翼線二塁打を放ち、無死二、三塁となった場面で降板した。2番手でマウンドに上がったのは育成D1位の工藤泰成(23)=四国IL徳島=だったが、暴投2つで2点を献上。四球も2つ与え、1死一、二塁でマウンドを降りた。しかし3番手・及川雅貴投手(23)がタイムリーを打たれ同点、大山悠輔内野手(30)のタイムリーエラーなどで、この回5失点で逆転を許した。「粘られてしまってカウントも深くなってしまったけど根気強く投げていくことができたと思うよ。ただ6回の先頭にフォアボールを出してしまって、結果的にそれが逆転までつながるきっかけになってしまった。投げ切ることができずにフォアボールにしてしまった自分に苛立つし悔しいね」とコメントした。

◆阪神がヤクルトに3-5で逆転負けを喫した。ホーム開幕5試合連続で勝利なし。4万2580人が来場した甲子園はため息に包まれた。二回に幸先よく先制した。大山、前川の連打と木浪の四球で無死満塁でチャンスを作ると、続く梅野が投ゴロも、ヤクルト先発・石川が本塁へ悪送球し走者が生還。小幡の犠飛、ビーズリーのセーフティースクイズで2点を追加して3点を奪った。先発のビーズリーは五回まで好投を見せるも六回に捕まり2失点。工藤、及川が救援登板したが、一挙5点を失い逆転を許した。打線は二回の3得点のみで、4日の巨人戦(東京D)の八回、佐藤輝の右前打を最後に、37イニング連続で適時打なし(本塁打を除く)。あと一本が出ないもどかしい状況が続いている。

◆六回、2暴投で2点を失って、降板した阪神・工藤泰成 =甲子園球場(撮影・甘利慈)

◆球界最年長の45歳で、左腕の石川雅規投手が5回5安打3失点(自責点1)、2奪三振でプロ野球記録となる24年連続勝利を達成。チームは3点を追う六回に5点を奪って逆転し、左腕の今季初勝利をアシストした。以下、石川のヒーローインタビュー。--プロ野球記録となる24年連続勝利「一人で出来る数字ではないですし、支えてくれた家族だったり、使い続けてくれた監督さん、コーチ、裏方さん、そしてファンの皆さんのおかげだと思ってる。なんとかまたこの1軍のマウンドに立てたことが本当に嬉しいです」--積み重ねた数字への思いは「プロ野球選手でやらせてもらってる以上は、1試合でも多く自分のマウンドに立ちたいですし、1つでも多く勝ちたいという思いがあるので、年齢を重ねましたけど、必死に必死に毎日やっています」--記念ボールは「家族にしっかり渡したい」--若い選手にはどんな姿を見せたい「ボールはそんな速くないですけども、考え方だったり取り組み次第では、自分の良さを出して、1軍のゲームでなんとか勝負できるというところを自分自身も24年間やってきた。そういうところを若手と一緒に切磋琢磨して今後もやっていきたい」--シーズンは個人的な目標「1試合でも多くマウンドに立って、またチームに勝利を持ってこられるように毎年毎年のことなので、24年目ですけども、また次の登板に向けて、しっかりと準備していきたい」--最後にファンに向けて「今日もレフトスタンドから大きなご声援どうもありがとうございました。ここ2年は、悔しいシーズンが続いてるので、まだまだ試合は続きますけども、チーム一丸となって、1勝1勝積み重ねて、自分自身もまた1つ1つ積み重ねられるように必死に必死に頑張りたい」

◆阪神が3ー0から守備の乱れで逆転負けを喫して首位から陥落した。六回無死二、三塁でジェレミー・ビーズリー投手(29)の後を継いだ育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が2つの暴投で2点を献上。3番手及川雅貴投手(23)が同点二塁打を浴び、1死二、三塁かでゴロを処理した大山悠輔内野手(30)の本塁悪送球でさらに2点を失った。工藤はプロ初黒星。4番大山悠輔内野手(30)、5番前川右京外野手(21)、初の「スタメン三塁」木浪聖也内野手(30)が6番に入った打線は二回に3点を奪ったが、その後は無得点。体調不良の佐藤輝明内野手(26)は連日のスタメン落ちで出番はなかった。チームは球団ワーストのホーム開幕5戦未勝利で勝率5割に戻った。

◆阪神が3ー0から守備の乱れで逆転負けを喫して首位から陥落した。六回無死二、三塁でジェレミー・ビーズリー投手(29)の後を継いだ育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が2つの暴投で2点を献上。3番手及川雅貴投手(23)が同点二塁打を浴び、1死二、三塁かでゴロを処理した大山悠輔内野手(30)の本塁悪送球でさらに2点を失った。工藤はプロ初黒星。4番大山悠輔内野手(30)、5番前川右京外野手(21)、初の「スタメン三塁」木浪聖也内野手(30)が6番に入った打線は二回に3点を奪ったが、その後は無得点。体調不良の佐藤輝明内野手(26)は連日のスタメン落ちで出番はなかった。チームは球団ワーストのホーム開幕5戦未勝利で勝率5割に戻った。

◆24年連続勝利となり、ヒーローインタビューでポーズをとる石川雅規=甲子園球場(撮影・甘利慈)

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)は本塁打は飛び出しているものの、4日の巨人戦(東京D)の八回の佐藤輝明内野手(26)の右前打を最後に、37イニング連続適時打から遠ざかる阪神打線に言及した。二回に敵失や鮮やかすぎるビーズリーのスクイズで先制点を奪った。8日に完封されていたから大事な得点ではあった。前のカードでは効果的な一発が飛び出して巨人を粉砕した。ただ4試合もタイムリーが出ていないという現実がある。長く打撃コーチをしてきた立場から言わせてもらえれば「阪神打線は重症」と見る。タイムリーなしで点を取っている状況を、阪神は特に深刻に受け止める必要がある。それは本拠地が狭い球場ではなく、広い甲子園だから。甲子園で多くの試合をする阪神に必要なのは打線のつながり。自分が打って、次の打者、その次の打者という気持ちが効果的な攻撃になり、相手にプレッシャーを与えていく。それが顕著に表れたのが2年前の日本一。思い出してもらいたい。1番から8番までがつながる、歴史的に見ても素晴らしい打線だった。ホームランが要らないとは言わないが、打てる打者は限られている。まして甲子園では...。しかも、毎度毎度ホームランを打てる打者など聞いたことがない。ホームラン確率が高い佐藤輝が不在の中、ますますつなぎの意識を重視する必要がある。自分だけで決める必要などないのだ。次打者を信じて、「困ったら逆方向」の基本を徹底してもらいたい。甲子園に戻っての2試合を見ると、気になったのは近本。森下や、佐藤輝や、大山や、と言うけれど、やっぱりこのチームは近本のチーム。1番打者が塁に出て、相手にプレッシャーを掛けるところから勝負を始めなければいけない。その近本はやや強引に引っ張り気味。「バットを内から外」を意識してもらいたい。非常にレベルの高い打者。不振が長引くとは思えないが、近本が打たないと阪神は乗っていけない。近本が打って、2番以下がつなぐ。甲子園を本拠にする阪神の必勝法だ。

◆?ヤクルト・石川が今季初勝利。プロ1年目の2002年から24年連続勝利を挙げて、自身の持つプロ1年目からの連続シーズン勝利のプロ野球記録を更新。プロ1年目に限らず、24年連続勝利はプロ野球新記録で、1985-2007年の工藤公康(横浜など)、1988-2010年の山本昌(中日)、1993-2015年の三浦大輔(DeNA)の23年連続を抜いた。?45歳2カ月での白星は自身の持つ球団最年長記録を更新。球界全体で45歳以上になって勝利投手になったのは、14年9月5日の中日・山本昌(先発、対阪神、49歳0カ月=プロ野球記録、45歳以上で計13勝)以来11年ぶり4人目。他に阪急・浜崎真二(最高齢勝利は50年5月7日の48歳4カ月、45歳以上で計5勝)、横浜・工藤公康(同09年7月1日の46歳1カ月、同計2勝)。

◆D3位・荘司宏太(セガサミー)がプロ初ホールドを挙げた。七回に3番手で登板。3者連続で三振を奪い「いいところで投げさせてもらえるチャンスがあれば、たくさん投げてホールドをつけていきたい」と胸を張った。これで5試合連続無失点。高津監督は「彼がいることでブルペンの幅も広がった。非常にいい存在」と目を細めた。(甲子園)

◆ヤクルトの中継ぎ陣と守護神が束となって、兄貴分・石川雅規の24年連続勝利をアシストした。試合前の投手ミーティングで「石川さんを勝たせよう」を合言葉として試合に臨んだ。九回を締めて3セーブ目を挙げた石山は「みんな気合が入っていた。石川さんの1勝は重すぎるので勝ててよかった」と息をついた。田口、荘司、清水と4投手のリレーでリードを守り抜き、石川の今季初勝利を喜んだ。

◆阪神の先発ビーズリーは六回途中2失点。無死二、三塁のピンチでマウンドを降りた。「自分があのシチュエーションを作らなければ交代する必要もなかった。責任は感じている」と唇をかんだ。四回にはトレーナーが駆け寄る場面があったが「少し足をくじいただけ。大丈夫」と無事をアピール。2戦連続で六回途中で降板し「状態はいいが、うまくいっていない。次の登板に生かしていきたい」と修正を誓った。

◆阪神・木浪がプロ7年目で初めて「三塁」で先発出場した。佐藤輝が体調不良で欠場したためで、三遊間のゴロも無難にさばくなど、軽快な動きをみせた。「行けと言われたところでやるだけ。練習でしっかり準備したので大丈夫です」。二回無死一、二塁からは四球を選び、先制の3得点にからんだ。甲子園で連敗スタートに「3連敗が一番ダメなんで。また明日、頑張ります」と気持ちを切り替えていた。

◆工藤よ、ここからだ! 阪神は3点リードを守れず、ヤクルトに3-5で逆転負け。球団ワーストのホーム開幕5戦未勝利で首位から3位に転落し、勝率5割に戻った。3月に支配下登録された育成ドラフト1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=は2つの暴投で2失点しプロ初黒星を喫したが、藤川球児監督(44)は「どんな選手も失敗を重ねながら強くなっていく」と強く背中を押した。バックネット方向に転がっていくボールに、スタンドからため息が漏れる。大ピンチでマウンドに上がった育成D1位・工藤(四国IL徳島)は2暴投と悔しいマウンドになった。だが、藤川監督は責めない。味わった屈辱を力に変えてくれると信じ、未来に向かうために背中を押した。「まだまだ4月ですから。そういうところを経験しながら強くなっていくのが選手だし、もう本当に、どんな選手も失敗を重ねながら強くなっていくので」二回に一挙に3点を先制したが、暗転したのは六回だ。先発・ビーズリーが先頭の西川を四球で歩かせると、長岡には右翼線二塁打を浴びて無死二、三塁。ここからサンタナ、オスナ、山田と続く場面で指揮官がマウンドに送ったのが工藤だった。しかし、サンタナに投じたフォークが暴投となり、まず3―1。結局、四球で歩かせると、オスナを遊飛に打ち取ったあと、山田に投じた渾身の156キロも、左打席内でワンバウンドするほど引っかけてしまい、また一人、生還を許した。山田も四球で歩かせたところで降板...。悪い流れを止めることはできなかった。

◆燕の勢いを止めるべく、ホームを刺しに行ったが、大きく逸れた。勝負の分かれ目で、阪神・大山の痛すぎるエラーで逆転を許した。「僕のミスなんで申し訳ないです。それだけです」前日8日の同カードで完封負けを喫している虎は二回、先頭の大山がセンター前にはじき返し、相手エラーで先制のホームを踏んだ。適時打は出なかったがこの回3点を挙げ、幸先のいいスタートを切ったはずだった。悪夢は六回に訪れる。ビーズリーが無死二、三塁とピンチを招いて降板し、代わった工藤が2暴投&2四球で自滅。1点差に詰め寄られると、続いてマウンドに上がった及川もタイムリーを浴びて同点。なおも1死二、三塁で赤羽が放った一塁線の打球を、大山が体が流れたまま捕球し、反転しながら本塁へ送球。簡単ではないプレーだったが、投じた白球は大きく三塁方向へ逸れ、バックネット方向へ転がる間に2者が生還。名手の今季初のエラーで決勝点を献上してしまった。この日は佐藤輝が体調不良で2日連続のスタメン落ち。代わって森下が3番に入り、大山が今季初めて4番に座った。三回の2打席目では左前打で今季2度目のマルチを記録。さらに石川にけん制で警戒される中、2023年10月1日の広島戦(マツダ)以来の盗塁を決め、中村の悪送球も誘って三塁まで進んでチャンスメークした。久々の4番でハッスルしていただけに、たった一瞬の悪送球が悔やまれる。チームはここまで1失策だったが、痛い形で2つ目が出た。藤川監督は「まあ、そういうときもあるしね。けれども、またあした、何とかしっかりといいゲームをしたいですね」と責めなかった。佐藤輝がいない今こそ、大山が走攻守で虎を救う。(渡辺洋次)

◆同世代の星―。ソフトボール女子日本代表の最年長選手として昨年のワールドカップでMVPに輝き、優勝に貢献した上野由岐子投手(42)=ビックカメラ高崎=が、ヤクルト・石川雅規投手(45)へ祝福のメッセージを寄せ「同世代の人たちに刺激を、勇気を与えてくれる存在でいてほしい」とエールを送った。石川選手、24年連続勝利おめでとうございます。長く第一線でプレーできるというのは簡単なことではありません。その中で結果を残し続けることは、すごいという言葉では表しきれないものです。毎年、ミズノのアンバサダー会議でお会いしますが、石川選手の感性や考え方がすごく長けている、秀でている証拠なのだと感じています。「野球が好き」という根本的なものが原動力になっているのだと思います。私もソフトボールが好きで、もっとプレーしたいという思いが根底にあります。ただ、プロの世界なので、好き、やりたいという気持ちだけでは活躍できないところだということも分かります。私も長く現役を続けてきて、共感できる感覚も多いんだろうなと感じています。私は年長選手だから何かを背負って頑張るというよりは、選手としての背中を見せることでいろいろな人に何かを感じてもらえればと思っています。年齢を重ねているから評価されるわけでもないし、評価してもらおうとも思っていません。この年齢でもプレーさせてもらえる環境に感謝しています。ベテラン選手という頼れる存在がチームにいると、いざというときに心強さや安心感があります。石川選手もヤクルトの中ではそういう存在だと思いますし、私には、若い選手の背中を押しながら自分自身も一緒に戦っている優しさのある選手に見えています。年を重ねれば重ねるほど、見ている側はベテラン選手が活躍した方が「頑張れ!!」という思いが強くなる。これからも野球選手だけでなく、同世代の人たちに刺激を、勇気を与えてくれる存在でいてほしいです。(ビックカメラ高崎投手)

◆球史に名を刻んだ。球界最年長選手のヤクルト・石川雅規投手(45)が9日、阪神2回戦(甲子園)で今季初登板先発し、5回5安打3失点(自責点1)で勝利投手となり、プロ野球新記録となる24年連続勝利を達成。工藤公康(西武など)、山本昌(中日)、三浦大輔(DeNA)の23年連続を抜いた。二回に3点を先制されたが、追加点を許さずに味方の逆転を呼んだ。試合は5―3だった。諦めなかった〝45歳の野球小僧〟に、勝利の女神が振り向いた。球界最年長の石川が、プロ野球記録となる24年連続勝利を達成。スタンド一面が黄色く染まった敵地の甲子園で、前人未到の領域に足を踏み入れた。「プロ野球選手である以上、1試合でも多く1軍のマウンドに立ちたいし、一つでも多く勝ちたい。年齢を重ねたけど、必死に、必死に、毎日やっている」先発予定だった本拠地開幕戦となる1日の広島戦が雨天中止となり、遅れて訪れた今季初マウンド。必死に、必死に-。石川のプロ野球人生を映し出すかのような、投打で諦めない姿勢が逆転勝利をたぐり寄せた。二回、大山、前川の連打と四球で無死満塁のピンチ。梅野に投ゴロを打たせたが、本塁へまさかの悪送球で先制点を与えるなど3失点した。高津監督が「これ、どうなるのかなと思った」と話すように、一気に崩れてもおかしくない状態から立て直した。プロで身につけた130キロ前後の直球を軸に緩急を駆使する投球術で、追加点を与えず、5回を5安打3失点(自責点1)にまとめた。マウンドに立つことへの強い思いが表れたシーンがあった。3点ビハインドの状況でも代打を送られることなく、五回2死走者なしで第2打席へ。打つ気配を見せずに次のイニングへ備える選択肢もある中、石川は敢然と打ちにいった。ファウルを4球打つなど、粘りに粘って阪神・ビーズリーに8球を投げさせ野手の士気を高めた。

◆「8番・遊撃」で5試合ぶりに先発した阪神・小幡が存在感を見せた。1-0の二回、1死満塁で追加点となる犠飛を放つと、四回には今季初安打となる中前打を記録。「最低限の仕事ができて良かった」。八回には先頭オスナの二遊間への打球をダイビングキャッチ、2死から増田の三遊間への深いゴロを逆シングルで処理し、強肩でアウトにした。好守を連発し「少しでもチームに勢いがつけばいいと思っていた」とうなずいた。

◆「2番・二塁」で先発した阪神・中野が、3-5の八回先頭でヤクルトの4番手・清水から三塁線を破る左前打。得点にはつながらなかったが、19打席ぶりにスコアボードに「H」のランプをともした。「自分ではめちゃくちゃ悪いとは思っていなかった。やっとらしいヒットが打てたので、いい形で明日に行けるかなと思います」。チームは連敗も、選手会長は次戦を見据えて前を向いた。

◆球界最年長選手のヤクルト・石川雅規投手(45)が9日、阪神2回戦(甲子園)で今季初登板先発し、5回5安打3失点(自責点1)で勝利投手となり、プロ野球新記録となる24年連続勝利を達成。工藤公康(西武など)、山本昌(中日)、三浦大輔(DeNA)の23年連続を抜いた。2022年7月。暑さが増してきた神宮で、1人と1羽の対談が実現した。スワローズのレジェンド・石川と、前人未〝鳥〟の主催2000試合出場を目前に控えたつば九郎だった。つば九郎曰く、石川が青学大時代から「ぴっちんぐをとりごやからみていたよ~」という。かれこれ20数年来の仲。話題は登板日のベンチ裏での様子や、2015年のリーグ優勝時につば九郎にビールかけを指南してもらったこと、21年の日本シリーズ裏話、パトロール秘話など多岐に及んだ。その中で石川は「つば九郎なくしてヤクルトスワローズは語れないので、つば九郎あってのスワローズ。良いときも悪いときも常に一緒に戦ってきた同志なので、チームスワローズには欠かせない存在です」と明かしていた。同年代の選手がユニホームを脱いでいく中、ずっとそばで応援し、グラウンドに立ち続けてくれた大切な存在。言葉に偽りはなかった。そして、つば九郎が、ある約束を立てた。「ともにあゆんできたかつおくんがなんども『200しょうしたい』というのをきいて、200しょうをたっせいしたときに、はなをわたしにいくまではがんばろうっておもうようになったんだよね。きねんのぼーどはだれかがわたしにいくとおもうから、はなたばはつばくろうがわたしたいな」。通算200勝達成時の花束贈呈係。それが次なる目標だった。当面の活動休止となっている今、石川に聞いた。冗談っぽく、何とも言えぬ表情で「約束、破りましたね...」とポツリ。悔しさ、寂しさ、多くの感情が胸にはある。シーズンが開幕した3月28日に自身のインスタグラムでつば九郎のことに触れたが、ずっと「なかなか投稿できないんだよ」と言っていた。2025年の第一歩。約束した200勝へまた一歩。これからもつば九郎とともに進んでいく。(ヤクルト担当・赤尾裕希)

◆阪神・近本は4打数無安打で2試合連続無安打となった。一回先頭で一ゴロもオスナが後逸し出塁。続く中野への2球目にスタートを切ったが盗塁失敗に終わった。二回2死二塁での第2打席で左飛、四回2死一、三塁の第3打席では遊ゴロ。昨季打率・321を記録した得点圏で、結果を残すことができなかった。

◆球界最年長選手のヤクルト・石川雅規投手(45)が9日、阪神2回戦(甲子園)で今季初登板先発し、5回5安打3失点(自責点1)で勝利投手となり、プロ野球新記録となる24年連続勝利を達成。工藤公康(西武など)、山本昌(中日)、三浦大輔(DeNA)の23年連続を抜いた。秋田の星よ、おめでとう―。大相撲・押尾川親方(45)=元関脇豪風(たけかぜ)=が、同じ秋田県出身で同学年のヤクルト・石川雅規投手(45)が達成したプロ野球新記録の24年連続勝利を祝福した。「24年連続勝利、誠におめでとうございます。立ち向かって挑戦するその姿に、勇気や感動をいただきました。同い年で、同じ秋田県出身ということで、特別で格別です。『頑張れ』というありきたりな言葉では言い表せませんが、またその姿をぜひ見せてください。頑張れ、雅規!」石川がシーズンオフに押尾川部屋を訪れるなど親交が深い2人。押尾川親方も現役時代に身長172センチと小柄ながら39歳まで土俵に立ち続けただけに、球界最年長の〝小さな大投手〟の偉業達成に喜びを隠せなかった。

◆3-5の七回に登板した阪神D1位・伊原(NTT西日本)が、智弁学園高3年だった2018年の選抜大会以来の甲子園で1回を無安打無失点。先頭の西川に四球を与えたが、続く長岡を二ゴロ併殺に仕留めた。「やっぱりいい球場だなあと思いますし、毎試合、一生懸命頑張ります」。これで開幕から救援で5試合に登板して防御率0・00。左腕は「継続していきたい」と力を込めた。

◆プロ野球新記録の24年連続勝利を達成したヤクルト・石川雅規投手(45)が、サンケイスポーツに独占手記を寄せた。今も変わらぬ野球への愛、家族や周囲への感謝、当面の活動休止を発表している球団公式マスコット、つば九郎への思いを明かした。24年連続勝利は、本当に一人で達成できる数字ではありません。プロ野球選手である以上は1試合でも多く1軍のマウンドに立ちたいですし、1つでも多く勝ちたい。多くの人のおかげで、また1軍のマウンドに立てたことがうれしいです。本当に毎日、毎年必死にやってきたので、あっという間に24年目になったなと感じます。好きなことに夢中になると、気付けば時間が過ぎている。プロの世界に入ってから、それがずっと続いている感じです。だから、今がめちゃくちゃ幸せ。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、しんどいことも、苦しいこともあるけど、それよりも野球が好きという思いが強い。何度も自分に裏切られてきたし、うまくいかないことの方が多いかもしれないけど、野球が大好きだし、まだまだやりたい。年々こんな大好きなことを仕事にできている幸せを痛感します。いつか野球人生を終える日が来ますが、自分はユニホームを脱ぐという決断は簡単にはできません。

◆参りました! 終わってみれば、プロ24年目と1年目の差をまざまざと見せつけられた試合でした。燕の先発、24年目の石川は二回、自らのエラーも含め3点を先制されたのに、その後も粛々と自分の投球を続け五回までほうった。一方、六回無死二、三塁でマウンドに立ったルーキー工藤は若さゆえか? 「1点も与えたるかァ!!」と見える、力みに力んでの暴投2つやら2四球の独り相撲で、敗戦につながるピンチを残しマウンドに沈んだのだ...。改めてプロ野球の怖さを見せつけられた夜だったのだ。悔しいけど、石川雅規投手、入団から24年連続白星のプロ野球記録達成オメデトウ超えの『尊敬』の言葉を贈らせていただきます。さて、問題は工藤と同じ1年目の監督、藤川はんやー! みんな言いづらいだろうから、虎党60年、老害だろうがオレは言うわ!!新監督だから自分の色を出したい欲はかつてどの監督もしてきたことなれど、六回のあの場面「2点までは許してええで」に応えられる経験のある岡留が長いペナントを考えたら、正解だったと考えるのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
641 0.600
(↑0.044)
-
(-)
13244
(+6)
29
(+3)
9
(+4)
6
(-)
0.278
(↑0.005)
2.380
(↓0.06)
2
(1↑)
ヤクルト
541 0.556
(↑0.056)
0.5
(-)
13327
(+5)
35
(+3)
4
(-)
1
(-)
0.195
(-)
2.910
(↑0.21)
3
(2↓)
阪神
551 0.500
(↓0.056)
1
(↓1)
13231
(+3)
33
(+5)
6
(-)
8
(+1)
0.201
(-)
2.760
(↓0.02)
4
(1↓)
DeNA
452 0.444
(↓0.056)
1.5
(↓1)
13246
(+3)
43
(+6)
5
(+1)
4
(-)
0.233
(↓0.005)
3.200
(↓0.17)
4
(1↓)
広島
451 0.444
(↓0.056)
1.5
(↓1)
13333
(+1)
34
(+3)
4
(-)
4
(-)
0.234
(↓0.002)
3.090
(↓0.03)
4
(2↑)
中日
452 0.444
(↑0.069)
1.5
(-)
13219
(+3)
26
(+1)
2
(-)
5
(+1)
0.190
(↑0.004)
2.030
(↑0.1)