DeNA(3対3)巨人 =リーグ戦1回戦(2025.04.08)・横浜スタジアム=
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巨人
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DeNA
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆DeNAは4回裏に山本の適時打で2点を先制すると、7回には牧の適時打で追加点を挙げる。一方の巨人は1-3で迎えた8回、岡本と甲斐の適時打で2点を奪い、同点とした。9回以降は両軍の救援陣が互いに得点を許さず、4時間16分の熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆4番岡本がいきなりの快音を響かせた。球場が夕暮れに染まった開始直後の初回2死1塁、DeNA先発ジャクソンの150キロの外角直球をコンパクトなスイングで中前へ運んだ。悠々と一塁に到達し、開幕戦からの連続安打を「10」に。巨人では10年の松本哲也(現外野守備兼走塁コーチ)以来15年ぶりの2桁試合に乗せた。プロ11年目。従来の自己記録「4」を超えてから、「そこは気にしてないです」と言いながらも好調が続く。6回の第3打席ではジャクソンの変化球、8回の第4打席では伊勢の高めの直球を捉えて、ともに適時二塁打。「打てて良かったです」と3安打猛打賞で2打点を挙げた。二塁走者だった8回には甲斐の適時打で、同点のホームを踏んだ。3連敗中だったチームは、延長12回を戦い抜いて引き分けに。「その日その日でやってるんで。また明日頑張ります」。泰然とした主砲が、打線をけん引し続ける。巨人阿部監督(延長12回引き分け)「投手陣はみんな頑張ってくれたかな。野手陣もよく追いついた。収穫はたくさんあるかなと思います」

◆巨人井上温大投手が6回6安打2失点の粘投も今季初勝利を逃した。DeNA打線に強気に攻め、走者を出しながらも要所を締めた。だが、4回に先頭の筒香から3連打を許して2失点。「先制点を与えてしまったのが反省点です。次回の登板ではその反省を生かして投球します」と話した。

◆先発したDeNAアンドレ・ジャクソン投手(28)が6回1失点と好投し、昨年9月から続くクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以下)の連続試合記録を4試合に更新した。初回2死から満塁のピンチを招くも、打率3割超えの甲斐を153キロ直球で中飛に封じた。要所を抑え勝ち投手の権利を持って降板したが、チームは8回に追いつかれ今季2勝目とはならなかった。

◆DeNAの今季2度目の延長戦は引き分けで終わった。2点リードの8回2死から救援の伊勢が追いつかれた。打線は10安打を放つも好機であと1本が出ず。三浦監督は「なんとか追い越されなかったというところ。(伊勢の)ボール自体は良かった。引き分けは引き分けですから。すべてプラスに変えて明日につなげたい」と前を向いた。▽DeNAジャクソン(6回1失点で昨年9月から4試合連続のクオリティースタート)「調子自体はあまり良くなかったですが、なんとかまとめられました」

◆先発したジャクソンが6回1失点と好投も、今季2勝目とはならなかった。初回いきなり満塁のピンチを招くも、最速153キロの力強い直球を武器に要所を締める投球。昨年9月から4試合連続でクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以下)を続ける。「調子自体はあまり良くなかったですが、なんとかまとめられました。ボールへの風の影響はあまり感じなかったが、集中力を切らさずに投球する事が出来ました」と笑顔で振り返った。勝ち投手の権利を持って降板したが、チームは8回に追いつかれて延長12回の末に引き分けた。

◆チームのピンチを、チャンスに変えるのは誰か―。巨人は昨季、1番打者としてリーグ優勝に大きく貢献した丸が、開幕直前に右脚を負傷し離脱を余儀なくされた。空いた外野の1枠を巡り、その座を狙う選手たちが闘志を燃やしている。ロケットスタートを切ったのは、昨季途中に西武からトレードで加入した若林楽人外野手(26)だ。ヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)に「1番・左翼」で出場すると、延長十回に劇的なサヨナラ打。球団では1972年の王貞治以来53年ぶりとなる、開幕戦での4安打をマークした。それでも、若林は決して表情を緩めることはなかった。「ここがゴールじゃないので。(1番を)任されるのであれば、まだまだシーズンの中で、もっと成長しないといけない」。誓った言葉の通り、その後も奮闘を続けた。少しでも当たりが止まれば、すぐにオコエ、萩尾が代わって起用された。伝統球団の厳しい競争の中でこの日、今季7度目の先発出場をつかんだ。一回の第1打席は二ゴロに倒れた。黙々とリハビリに励んでいる丸も、やがては1軍に復帰する日が訪れる。2軍には春季キャンプを1軍で過ごした浅野、佐々木ら若手も控えている。高いレベルでの競争こそが、リーグ連覇、悲願の日本一を目指すチームの戦力を底上げする。

◆DeNA・山本祐大捕手(26)が「6番・捕手」で先発し、四回無死二、三塁で左前に先制2点打を放った。巨人・井上の低めのスライダーに対応し「筒香さんと宮崎さんがチャンスを作ってくれたので、初球から積極的に行った」と語った。試合前時点で得点圏打率・375、リーグ2位の7打点と勝負強さを発揮している。扇の要としても二回に俊足の中山の盗塁を刺して輝きを放った。

◆巨人・井上温大投手(23)が今季2度目の先発。強力なDeNA打線を相手に6回6安打2失点に「先制点を与えてしまったのが反省点。次回の登板では、その反省を生かして投球します」とコメントした。今季初勝利を目指したマウンド。四回に先頭の筒香から宮崎、山本と3連打を浴びて2点を先取された。それでも、五、六回は2イニング続けて三者凡退に抑える粘りを見せ、味方の同点を呼び込んだ。

◆ソフトバンクからフリーエージェント(FA)権を行使して巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が「6番・捕手」で出場。1点差に迫った八回、右前に同点適時打を放ち、両手をグッと握りしめるガッツポーズで感情を爆発させた。八回2死無走者から1点差に迫り、なお一、二塁の好機。打撃好調の甲斐が、DeNA3番手の伊勢に対してカウント2―2と追い込まれてからの5球目、低めのフォークボールに食らいつき、しぶとく一、二塁間を破った。

◆巨人は3―3の九回、5番手で高梨雄平投手(32)が登板。1回1安打2四球(故意四球1含む)で満塁のピンチを背負ったが、無失点で切り抜け延長戦に持ち込んだ。先頭の森敬に四球を与え、犠打で送られ1死二塁。1番梶原を三振に仕留めたが、続く牧を申告敬遠で歩かせ、佐野はバットを折りながらも二塁への内野安打で満塁のピンチを招いた。4番筒香に対し1球目は大きく外角に外れ、暴投ならサヨナラ負けとなる投球を捕手の甲斐が好捕。最後は内角球で詰まらせ、一ゴロで無失点で切り抜け両手をたたいて喜んだ。

◆巨人のエリエ・ヘルナンデス外野手(30)が「5番・中堅」で出場。3―3の延長十一回、先頭で迎えた第5打席にウィックの151キロ直球が左肩付近を直撃。トレーナーが駆け寄る中、苦もんの表情を浮かべ、そのまま代走に増田大が送られベンチへ下がった。

◆4回 DeNA・山本祐大が先制の左適時打を放つ。2対0=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄)

◆両チームとも10安打、3得点。決定打を欠いて延長十二回で引き分けた。DeNAは七回に牧の適時打で3―1とリードを広げて逃げ切りを図ったが、3番手で八回に投げた伊勢が岡本と甲斐に適時打を許して追いつかれた。

◆巨人・門脇誠内野手(24)が「8番・遊撃」で出場。延長十一回の第5打席に右前打を放ち、自身4月1日の中日戦の第4打席以来、実に21打席ぶりの安打をマークした。3―3の十一回2死一塁。ウィックの154キロに詰まりながらも、しぶとく右前に運んだ。一、二塁と勝ち越しの好機を広げたが、続く坂本が投ゴロに倒れて得点にはつながらなかった。

◆7年目右腕のDeNA・宮城滝太投手(24)が延長十二回に登板して三者凡退。2番・キャベッジからは落差の大きいカーブで空振り三振を奪った。沖縄・嘉手納町の出身で、滋賀学園高から2019年に育成ドラフト1位で入団。昨季は1試合の登板にとどまったが、今季はすでに4試合で無失点と好調をキープ。三浦監督も「しっかりと慌てることなく、堂々とした投球をしていた」と称賛した。

◆主砲の奮闘でドローに持ち込んだ。3連敗中の巨人は八回に2点差を追いつき、今季初の引き分け。4番の岡本和真内野手(28)が3安打2打点で、球団では2010年の松本哲也以来となる開幕戦から10試合連続安打を記録した。「打てて良かったと思います。また明日(9日)、頑張ります」岡本と3番・吉川はともに猛打賞。六、八回と吉川が安打で出塁して岡本が適時二塁打を放って得点した。だが1番・若林&2番・キャベッジがともに6打数無安打。阿部監督は「他の人も必死に打ちにいっているんだろうけど」と、中軸の好調を生かせなかったことを悔やんだ。それでも、劣勢から踏ん張った展開に指揮官は「投手陣はみんな頑張ってくれた。野手陣も完全な負けだったけど、よく追いついた。収穫はある」とうなずいた。打率・405と好調の岡本を中心に連敗阻止に挑む。(谷川直之)阿部監督が苦言を呈したのは中山だ。先発起用した22歳は1安打を放つも、1点を追う七回無死二塁で痛恨の見逃し三振。監督は「追い込まれてから、何の工夫もなしに見逃し三振して帰ってくる。『自己犠牲だ』と俺はしつこく言っているんだし。これから勉強じゃないですかね」と今後に期待した。中山は「考え方を工夫すれば対応できた。絶対に同じミスをしてはいけない」と反省した。

◆DeNAは8日、巨人1回戦(横浜)に延長十二回の末、3―3で引き分けた。連敗を3で止めることはできなかったが、今季初登板だったローワン・ウィック投手(32)ら3投手が九回からの4イニングを無得点に抑える力投。4時間16分に及んだ今季3度目の延長戦で執念を見せた。セ・リーグは首位の2球団から3位で並ぶ3球団まで0・5ゲーム差となった。白星とはならなかったが、意地を見せた。3連敗同士で迎えた巨人との一戦は、4時間16分に及ぶ熱戦。一進一退の攻防の中、延長十二回2死から筒香が遊ゴロに倒れて試合終了。三浦監督は「選手たちは目の前の試合に最後までよく粘っていた」と息をついた。広島に同一カード3連敗を喫して帰ってきた横浜スタジアム。先発ジャクソンが6回1失点、7奪三振と力投すれば、打線も奮起した。昨季4試合で2敗、防御率2・55と抑えられた井上を相手に山本の2点打で先制。2-1の七回には主将の牧が左前適時打を放ってリードを広げた。八回に追いつかれ、九回以降は2安打と決定打に欠いたが、4連敗は阻止。光ったのは救援陣の活躍だ。先の広島3連戦では被安打34、23失点と打ち込まれた。この日は入江が九回を三者凡退に。1軍に昇格して今季初登板を迎えたウィックは最速157キロを計測した直球で押し、十回から2回を無失点。十回は2番キャベッジから始まった打線を3人で封じ、十一回は2死一、二塁のピンチで坂本を投ゴロに仕留めた。150キロ超の球威を誇る右腕は昨季43試合で5勝1敗1セーブ、防御率2・60。救援登板した昨年8月27日の阪神戦(横浜)では制球難からピンチを招いたが、気持ちの強さを前面に出して交代指示を拒否。指揮官から「チェンジ!」と一喝された過去がある。今季はコンディションが整わず出遅れていたが、初登板で勝利への執念を見せた。昨季は8勝16敗1分けと苦しんだセ・リーグ王者に対し、一歩も譲らず。十二回は7年目の宮城が無失点に抑えた。三浦監督は救援陣の奮闘に「1点もやれない場面でよくしのいでくれた。クリーンアップでも逃げずに良さを出せていた」とたたえた。セ・リーグは首位で並ぶ巨人と阪神から、3位で並ぶDeNAなど3球団まで0・5ゲーム差。混戦を抜け出すべく、三浦監督は「全てプラスに変えて明日につなげていく」と前を向いた。(阿部慎)

◆DeNAからすれば、勝ち切りたいゲームだったことは、いうまでもない。伊勢が八回2死無走者から同点に追いつかれて結局、引き分け。その伊勢にしても、先発からリリーフに戻らないことには継投が回らない...という台所事情。クローザーの森原が戻り、リリーフ陣が固まるまでは、チーム全体に落ち着きも出ないだろう。その中で光明も見いだせた。まず登録即登板のウィックだ。十回に2番・キャベッジから三者凡退。十一回は走者を許したとはいえ無失点。イニングまたぎでなければ十分、計算できる。それより目を引いたのが、十二回に登板した宮城だ。こちらも1番・若林からのシビれる打順を、三者凡退で片づけた。ファーム時代に見たときより、格段によくなっている。最大の武器はカーブ。ブレーキがあり、曲がりも大きい。慣れるまでは、打者には厄介なボールだ。しかも度胸がある。表情ひとつ変えず、向かっていく。メンタル面も含めて、現状のクローザー候補として、面白い存在だ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆巨人の「1、2番」問題が深刻化している。2試合続けて1番若林、2番キャベッジの打順で臨むも、一、三回と続けて凡退。好調な3番吉川、4番岡本と続く中軸に2死無走者で打順が回るのは、前日の試合から数えて実に7度目となった。昨季1番打者としてリーグ優勝に貢献した丸が開幕直前に右脚を負傷し離脱。代わって1番に入った若林が開幕戦でサヨナラ打を含む4安打、2番に入ったキャベッジも2試合連発など起用に応えたが、チームの連敗とともに成績も下降線。他に1番で起用されたオコエ、中山、萩尾らも結果を残せておらず、チームの悩みの種となっている。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
541 0.556
(-)
-
(↓0.5)
13338
(+3)
26
(+3)
5
(-)
6
(-)
0.273
(↓0.007)
2.320
(↑0.01)
1
(-)
阪神
541 0.556
(↓0.069)
0
(-)
13328
(-)
28
(+1)
6
(-)
7
(-)
0.201
(↓0.01)
2.740
(↑0.19)
3
(-)
DeNA
442 0.500
(-)
0.5
(↓0.5)
13343
(+3)
37
(+3)
4
(-)
4
(-)
0.238
(↓0.001)
3.030
(↑0.11)
3
(-)
広島
441 0.500
(-)
0.5
(↓0.5)
13432
(+1)
31
(+1)
4
(-)
4
(-)
0.236
(↓0.015)
3.060
(↑0.38)
3
(2↑)
ヤクルト
441 0.500
(↑0.071)
0.5
(↓1)
13422
(+1)
32
(-)
4
(-)
1
(-)
0.195
(↓0.004)
3.120
(↑0.38)
6
(-)
中日
352 0.375
(-)
1.5
(↑0.5)
13316
(+1)
25
(+1)
2
(-)
4
(+1)
0.186
(↓0.014)
2.130
(↑0.2)