巨人(★0対1☆)阪神 =リーグ戦3回戦(2025.04.06)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:門別 啓人(1勝1敗0S)
(セーブ:岩崎 優(0勝0敗4S))
敗戦投手:石川 達也(1勝1敗0S)
  DAZN
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◆投手戦を制した阪神が3連勝。阪神は0-0で迎えた4回表、2死満塁の好機で前川が押し出し四球を選び、1点を先制する。投げては、先発・門別が6回途中5安打無失点の投球でプロ初勝利。敗れた巨人は先発・石川が試合をつくるも、打線が6安打無得点と援護できなかった。

◆巨人中川皓太投手(31)が1軍に合流した。試合前練習では、キャッチボールなどで汗を流し「チームに勢いを与えられるような選手になることが、昇格してきた選手は求められていると思うので。自分のピッチングで流れを変えたりとか、そういう存在になれるように」と意気込んだ。中川は通算271試合登板を誇るが、昨季は左膝痛の影響もあり15試合の登板にとどまった。今季は2軍で6試合に登板し0勝1敗、防御率3・00。「(調子は)上向きにはなってきているので、そこはプラスに捉えている。それを1軍の舞台で同じように出せるかは分からないですけど、自分の持っている力を発揮するだけかな」と話した。

◆今季初の同一カード3連勝へ、阪神のスタメンが発表された。先発はプロ初勝利を狙う門別啓人投手(20)。今季初先発となった前回、3月30日広島戦(マツダスタジアム)では粘りながらも、5回途中8安打2失点で降板。高卒3年目で、記念すべき1勝をつかみたいところだ。今季初の伝統の一戦となった4日は7-2で快勝し、前日5日は4-3で競り勝った。勢いに乗り、甲子園開幕となる8日ヤクルト戦に弾みをつけたい。

◆伝統の一戦、3戦目のスタメンが発表された。3割8分7厘で打撃好調の甲斐拓也捕手(32)が今季初の「5番捕手」で名を連ねた。萩尾匡也外野手(24)が5日阪神戦で4打数無安打だった若林に代わって「1番左翼」で起用された。先発マウンドには今季2勝目を狙う左腕石川達也投手(26)が上がる。

◆お笑いコンビ「にぼしいわし」が始球式を行った。「214(にぼし)」「184(いわし)」の背番号が入ったジャイアンツのユニホームを身に包んだ2人が手を振りながらグラウンドに登場。ソフトボール歴6年のにぼしが捕手。バレーボール歴6年のいわしがマウンドに上がり、ワンバウンドの投球を披露した。場内からは「あ~」と落胆の声が上がったが、やりきった表情の2人は笑顔を見せファンを盛り上げた。いわしは「ノーバンでは届かずでしたが、大暴投でなく真っすぐ投げられて良かったです。東京ドームは広すぎて逆に緊張せずに投げられました。いい経験させてもらいましたもう1回やりたいです!!」。にぼしは「ワンバウンドでしたが、真っ正面に投げてくれたので、しっかり捕れました。次は投げる練習をします!!もう1回やりたいです!!」と球団を通じてコメントした。昨年に日本テレビ系列の「女芸人No.1決定戦THE W 2024」で優勝した副賞として同イベントの出演権を獲得した。

◆あなごが無類の強さを発揮している。「江戸前すしレース」が3回終了時に開催された。まぐろ、こはだ、たまご、えび、あなごのコスチュームに身を包んだ小学生以下の子どもたち5人がレースに参加。この日は、あなごがスタート直後から抜け出すも、えびが追いかける構図となった。最終的には、あなごがえびの猛追を振り切りトップでゴールした。3月の開幕戦からの勝者の内訳は、あなご4勝、えび2勝、その他は未勝利となっている。あなごは6戦4勝で勝率6割6分7厘とケタ違いの強さを見せている。

◆阪神が4回にこの日初安打が出て、先制に成功した。4日に13安打7得点、前日5日に3本塁打含む7安打4得点を挙げた打線が、この日は巨人石川を前に3回まで無安打。しかし、4回に打線が粘り強く得点につなげた。1死から中野が四球を選び出塁。佐藤輝は中飛も森下が四球で2死一、二塁とした。ここで5番大山悠輔内野手(30)が、石川の外低めチェンジアップに食らいつき、この日チーム初安打となる遊撃への内野安打をマーク。2死満塁と好機を広げると、前川が押し出し四球を選び先制に成功した。阪神先発の門別啓人投手(20)も3回まで1安打無失点と好投を続け、序盤は投手戦となった。

◆阪神のルーキー工藤泰成投手(23)が、見事な火消しだ。1点リードの6回2死一塁で、先発の門別が岡本に中前打を浴び、2死一、三塁となったところで降板。2番手でマウンドに上がったのは、開幕直前に支配下登録を勝ち取った育成1位の工藤だった。迎えた甲斐に2球ボールとなったが、その後続けて2つのファウルを奪うと、最後は143キロフォークで空振り三振。見事にピンチを切り抜け、雄たけびを上げた。リリーフとして開幕1軍入りを勝ち取った工藤は、プロ初登板だった3月29日広島戦(マツダスタジアム)こそ1失点したが、これで3試合連続無失点となった。

◆プロ初勝利を狙う阪神門別啓人投手(20)が、巨人打線を6回途中5安打無失点に抑えた。4回にもらった1点のリードを守って無失点投球を継続。5回には2死一、二塁のピンチを招いたが、代打坂本を左飛に仕留めた。なおも1点リードの6回、2死一、三塁のピンチを招いた場面でベンチが交代を決断。代わった工藤が甲斐を空振り三振に仕留め、ピンチを脱した。今季2戦目となった登板。プロ初勝利の権利を手にして、後半戦をブルペンに託す。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が打球直撃のアクシデントに見舞われた。1点リードでの、7回の守備だ。1死一塁から、バットをかすめたファウルが自身の左手首付け根を直撃。しばらくうずくまった後、治療のためにベンチへ引き上げた。負傷が心配された中、しばらくすると駆け足でグラウンドに復帰。同イニングを無失点で守り切ったが、直後の攻撃で代打が送られた。

◆阪神石井大智投手(27)が3連投となるマウンドに上がった。1点リードの7回に登板。先頭ヘルナンデスの左翼線への二塁打で出塁を許しながらも、直後に代打増田大の犠打を好フィールディングで処理。三塁タッチアウトに仕留めた。その後も2死二塁のピンチを招いたが、ここでも坂本を遊ゴロ。要所を踏ん張り、リードを守った。石井は4日の巨人戦から3試合連続の登板。及川と並んでリーグトップタイとなる、今季5試合目の登板となった。

◆阪神が巨人相手に、今季初の同一カード3連勝を挙げて首位に躍り出た。シーズン最初の巨人戦で3連勝スタートは、04年以来21年ぶりとなった。今季2度目の先発となった門別啓人投手(20)は、6回途中5安打無失点でうれしい初勝利。5回まで散発3安打に抑え、6回に2死一、三塁となったところで降板となったが、ルーキー工藤泰成投手(23)が5球で火消し。その後は中継ぎリレーで、高卒3年目左腕の記念の白星を守り抜いた。打線は巨人石川を前に、3回まで無安打と完璧に抑え込まれるも、4回に粘り強く決勝点を奪った。中野、森下が四球を選び2死一、二塁で、5番大山悠輔内野手(30)が、石川の外低めチェンジアップに食らいつき、この日チーム初安打となる遊撃への内野安打をマーク。2死満塁と好機を広げると、前川が押し出し四球を選び先制に成功した。阪神は引き分けを挟んで3連敗の後、敵地で今季初の3連勝。甲子園開幕戦となる8日ヤクルト戦へ、大きな弾みを付けた。

◆阪神門別啓人投手(20)が、プロ初勝利を挙げた。巨人打線を6回途中5安打無失点。4回にもらった1点のリードを守って無失点投球を継続した。5回には2死一、二塁のピンチを招いたが、代打坂本を左飛に仕留めて無失点に抑えた。なおも1点リードの6回に2死一、三塁のピンチを招いた場面でベンチが交代を決断。代わった工藤が甲斐を空振り三振に仕留め、ピンチを脱した。その後も中継ぎ陣が1点リードを守り切り、完封勝利。高卒3年目、通算5度目となった先発マウンドで、念願の白星を手にした。阪神が今季初の巨人戦に3連勝。東京ドームでの巨人戦で3連勝スタートは04年以来。東京ドームに限らず、巨人とのシーズン最初の3連戦で3連勝したのも同年以来。▽阪神安藤投手チーフコーチ「初回は緊張していたのか、途中から良くなったと思います。彼の野球人生の中で1勝して、ここからじゃないですかね」▽阪神桐敷(連投で8回を3者凡退に抑え2日連続のホールド)「やっぱり門ちゃん(門別)が初勝利というところですし。やっぱり初勝利は特別なので。自分たちがしっかり守り切るようにやっていました」▽阪神岩崎(9回を3者凡退に抑え2日連続セーブで4セーブ目)「(1点差勝利は)すごく大きいと思います。また来週頑張ります」

◆巨人石川達也投手(26)が5回1安打1失点の粘投も、開幕2連勝とはならなかった。得意のチェンジアップを武器に、3回までは完全投球を見せた。だが、4回に2つの四球と内野安打で2死満塁のピンチを招くと、前川に押し出し四球を与え、先制点を献上。「いい立ち上がりができただけに、4回の投球が悔やまれます」とコメントした。続く5回は3者凡退に抑え5回を投げ切ったが、打線の援護なく2勝目はお預けとなった。石川は3月30日のヤクルト戦(東京ドーム)で移籍後初登板初先発。5回3安打無失点の好投でプロ初勝利を挙げていた。

◆巨人は伝統の一戦で今季初の3連敗を喫し、首位から陥落した。阿部慎之助監督(46)は「3連敗は悔しいけどね。まだまだやり返すチャンスがあるし、前を向いてやります。この悔しさをバネにして、糧にしてやってくれればいいかなと思います」と言った。先発左腕、石川達也投手(26)は5回1失点でゲームメークも、4回2死満塁の押し出し四球が決勝点となり今季初黒星を喫した。小さなミスが重なった。初回にキャベッジが中前打で出塁も、けん制に誘い出されて盗塁失敗。7回には先頭ヘルナンデスが左二塁打で出塁したが、代打増田大が犠打失敗に終わった。後続も倒れた。何度か好機をつくるも、あと1本が出なかった。5回2死一、二塁から代打で登場した坂本が2度凡退。続く6回には2死一、三塁のチャンスをつくるも2番手工藤に甲斐が空振り三振に倒れた。この日1軍昇格した中川皓太投手(30)が2番手で今季初登板。中野を左飛。佐藤輝、森下を連続三振で1回を無失点。最速146キロをマークした。

◆阪神藤川球児監督(44)が、プロ初勝利を挙げた門別啓人投手(20)をねぎらった。今季2度目の先発となった門別は、6回途中5安打無失点でうれしい初勝利。5回まで散発3安打に抑え、6回に2死一、三塁となったところで降板となったが、ルーキー工藤泰成投手(23)が5球で火消しした。「もしかしたら最後まで行けるんじゃないかという思いもあるぐらいの、実は投球内容と、これまでのオープン戦を含めてずっと点数もほとんど取られていませんでしたから、行けるんだろうけど、今日は申し訳ないと言いますかね。でも、勝ちましたね。素晴らしい」。次回も楽しみかと問われると「本当にこのまま昇っていくんじゃないか、と思っています。非常に安定感があって、とにかく安定していますね。素晴らしいです」と絶賛の言葉を並べた。

◆阪神藤川球児監督(44)が、1点を守り抜いたリリーフ陣をねぎらった。先発の門別が6回途中5安打無失点で降板した後、6回に2死一、三塁でルーキー工藤が5球で火消し。開幕前に支配下を勝ち取った育成ドラフト1位右腕に「見事に工藤がハマってくれたと言いますか。一番使いたいところで、今日タイミング良く回ってきましたね。ああいう場面を待っていたところがある。良かったです」とねぎらった。続いて7回にマウンドに上がったのは石井。今カード3連投で、先頭ヘルナンデスに二塁打を浴びながらも1回1安打無失点に抑えた。これがチームとしても初の3連投。「もともと連投に制限は持っていなくてですね。日曜日でどうしても勝ちたいですから、勝てるところはしっかりとというところでは取り切れたので、みんなが報われましたね」と胸をなで下ろした。その後は桐敷、岩崎とつないで見事な無失点リレー。「ブルペンがチームの心臓ですし、本当にそう思い続けていますけど、非常にいいチームワークでこの3戦、きれいにはハマりましたね」。チーム一丸でつかんだ3連勝となった。

◆高卒3年目左腕の阪神門別啓人投手(20)が、プロ初勝利を挙げた。巨人打線を6回途中5安打無失点。通算5度目となった先発マウンドで、念願の白星を手にした。

◆阪神が巨人相手に、今季初の同一カード3連勝を挙げて首位に躍り出た。シーズン最初の巨人戦で3連勝スタートは、04年以来11年ぶりとなった。阪神が巨人相手に2安打で勝利。2安打での勝利は24年5月12日のDeNA戦(横浜)以来だが、巨人戦では74年5月22日(後楽園)に4-2(6回コールド)で勝って以来、51年ぶり。1-0勝利は24年9月22日巨人戦(甲子園)以来。1-0勝利&自軍2安打での勝利は前記DeNA戦以来だが、巨人戦では71年7月15日(後楽園、ダブルヘッダー第2試合)以来、54年ぶり。この試合では阪神伊藤幸が巨人を1安打完封。両軍合計3安打だった。

◆巨人は伝統の一戦で今季初の3連敗を喫し、首位から陥落した。巨人は4回に石川の前川への押し出し四球で0-1負け。巨人が押し出しによる1失点だけで敗れたのは、57年9月4日阪神戦、64年9月4日阪神戦に次ぎ61年ぶり3度目。いずれも甲子園での阪神戦で、3度ともこのカードで記録したことになる。57年は8回に堀内が並木に押し出し四球、64年は延長12回に藤田が浅越にサヨナラの押し出し死球で0-1負けだった。

◆巨人阿部慎之助監督(46)は悲観しなかった。阪神に3連敗を喫し、首位陥落も「3連敗は悔しいけどね。まだまだやり返すチャンスがあるしね。前を向いてやります」と顔を上げた。打順の入れ替えは不発に終わった。「エリちゃんがちょっとだらしないからね」と、前日までの2試合で7打数無安打に倒れていたヘルナンデスを6番で起用。代わりに試合前時点で打率3割8分7厘と絶好調だった甲斐を5番に抜てきした。だが、その甲斐は6回2死一、三塁で空振り三振。チーム全体でも3度の得点圏のチャンスを逃した。それでも指揮官は「みんな打とうと思って行ってるから。この悔しさをバネにしてね、糧にしてやってくれればいいかなと思います」と話した。敗戦の中にも光明はある。今季1軍初昇格の中川が6回から2番手で登板。わずか13球で3者凡退に抑え「左(投手)がもう1枚欲しくて入れたんですけどね。いいピッチングをしてくれた」とたたえた。発熱の影響で開幕ローテーションを外れたグリフィンも、5日の2軍戦で先発復帰し、3回3安打無失点。阿部監督は「ちょっとローテは再考しようかな」。仕切りなおしの1週間が始まる。【水谷京裕】

◆巨人石川達也投手(26)がわずか被安打1の5回1失点も今季初黒星を喫した。3回までは完全投球だったが、0-0の4回2死満塁で前川に押し出し四球。これが手痛い決勝点となった。「5回1安打で1点取られるなんて、ホームランぐらいしかないだろうし。自分から崩れていって失点。4回がすべて」と唇をかんだ。

◆阪神女房役の梅野隆太郎捕手(33)が門別の初勝利を喜んだ。前回30日広島戦でもバッテリーを組み「まずは1勝させてあげたい気持ちもあった。本当に素晴らしいピッチングだった」。5投手でつないでの白星にも「振り返ってみれば、価値のある1勝だなと思う」と胸をなで下ろした。7回の守備でファウルが左手首付け根付近を直撃し、直後の攻撃で代打が送られたが「左手は大丈夫」と大事を取っての交代と説明した。

◆巨人10年目のベテラン中川皓太投手が、今季初の1軍マウンドで貫禄を見せた。1点を追う6回から2番手で登板し1イニングを無失点。落ち球で中軸の佐藤輝、森下から連続三振を奪った。「自分でもあそこで行くとは思ってなかったんですけど、使っていただいて。結果も今日は良かったので続けていけるように」と、すがすがしい表情だった。

◆阪神前川右京外野手(21)が貴重な決勝点をもぎとった。巨人石川を前に3回まで無安打。4回に中野と森下の四球から2死一、二塁とし、5番大山がこの日チーム初安打となる遊撃への内野安打をマーク。2死満塁と好機を広げると、前川が冷静に四球を選び押し出しで先制に成功した。「ボール球だったので。見逃せて良かった」。門別啓人投手(20)の初白星につなげ「ずっと勝ちたいと言っていたので、良かったなと思います」と喜んだ。

◆阪神の盤石なリリーフ陣が、門別の初勝利を守り抜いた。1点リードの6回無死一、三塁のピンチで登板したのはルーキー工藤泰成(23)。甲斐に2球ボールが続くも、最後は5球目のフォークで空振り三振。「(門別が)代わる時に『抑えてくれ』ってあの顔で訴えかけてたんで。重要な場面なので、抑えたい気持ちは強かった」と思いに応えた。7回は今季チーム初の3連投となった石井大智(27)。先頭ヘルナンデスに二塁打を浴びながらも1回1安打無失点に抑えた。「粘り腰で。なんとか門別に初勝利をというところと、本当に工藤もすごい投球で抑えてくれましたし。そういう気持ちでした」。8回は桐敷、9回は岩崎が3者凡退で無失点リレーを完成させた。藤川監督は「ブルペンがチームの心臓」と最大級の賛辞。「もともと連投に制限は持っていなくて。日曜日でどうしても勝ちたいですから。みんなが報われましたね」と胸をなで下ろした。

◆モンちゃん、おめでとう! 阪神門別啓人投手(20)が念願のプロ初勝利をつかんだ。ピンチを防ぎながら、6回途中5安打無失点の粘投。「1-0」の完封リレーで、初白星を手にした。高卒3年目で先発登板は通算5試合目。家族が見守る前で、念願の1勝となった。チームは今季初の「伝統の一戦」で3連戦を飾り、昨年5月27日以来の単独首位に躍り出た。門別の母実保さん(43)も感無量だった。この日は午前7時ごろに北海道の自宅を出発。父竜也さん(42)はテレビ観戦となったが、親族7人ほどで応援にかけつけた。今季初登板となった前回3月30日広島戦も、広島で応援。2週連続で勇姿を見届けた。「『ナイスピッチ』とラインはしました。『初勝利おめでとう。お疲れ』と。(ヒーローインタビューは)号泣で、あまりちゃんと見られなかったです」とほおを緩ませた。

◆モンちゃん、おめでとう! 阪神門別啓人投手(20)が念願のプロ初勝利をつかんだ。ピンチを防ぎながら、6回途中5安打無失点の粘投。「1-0」の完封リレーで、初白星を手にした。高卒3年目で先発登板は通算5試合目。家族が見守る前で、念願の1勝となった。チームは今季初の「伝統の一戦」で3連勝を飾り、昨年5月27日以来の単独首位に躍り出た。ヒーローインタビューを受けた門別は解き放たれたように笑みを見せた。左翼からはファンの祝福の声がやまない。3年目、通算5試合目の先発。第一声から思いがあふれ出た。「本当に初勝利が遠くて。やっと勝てて、うれしい気持ちでいっぱいです」6回途中5安打無失点。5回2死一、二塁では、代打坂本を左飛に打ち取り踏ん張った。マウンドを託した6回2死一、三塁では、2番手工藤が火消し。「先輩方が抑えてくれて、ありがたかった」。仲間にも支えられた「1-0」の完封リレーとなった。念願の勝利球は両親に渡す。地元は遠く離れた北海道日高町だが、いつも球場には家族の応援があった。昨季当初は中継ぎ待機。登板日が分からない中で、甲子園に来てくれたこともあった。この日も、スタンドから送られた応援。「一番寄り添ってくれたというか。一番支えになってくれました」。支えられた20年間、感謝は尽きない。高校2年の冬、新型コロナウイルスを発症した。札幌の寮の中で倒れ、40度の発熱。救急車で運ばれた。約1週間の隔離期間で体重は約10キロ減少し「落ち込みましたね...」。高校最後の1年を目前にした絶望。体重を戻すために両親が送ってくれたのは「餅」だった。愛情のこもった差し入れは心に染みた。ひたすら食べ、夏前には体重も復活。プロ入りもかなえた。父竜也さん、母実保さん。そして、脳腫瘍のため5歳で亡くなった妹、心奈さんがいる。年末年始は毎年、墓前で現状を報告。グラブを一新した今季、唯一残した刺しゅうが「Cocona」だった。「目に入る所に入れています」。ピンチで不思議と力をくれる大切なもの。きっと、この日も力をくれた。今季初の巨人戦で3連勝し、単独首位に浮上。価値ある1勝で第1歩を踏み出した。「早く恩返ししたくて投げていたけど、遅くなったので。勝ちを重ねて、もっともっと恩返ししたいと思います」。孝行息子の恩返しは、始まったばかりだ。【波部俊之介】門別町(もんべつちょう) 北海道の日高支庁(現日高振興局)管内西部にあった町。06年3月1日には旧日高町と飛び地合併して日高町となった。南部は太平洋に面し特産品はシシャモ。サケやホッケ、タコ、日高昆布なども水揚げされる。土地面積の80%以上が森林で占められ、サラブレッドを輩出する牧場も有名。阪神が今季初の巨人戦に3連勝。東京ドームでの巨人戦で3連勝スタートは04年以来。東京ドームに限らず、巨人とのシーズン最初の3連戦で3連勝したのも同年以来。▽阪神安藤投手チーフコーチ「初回は緊張していたのか、途中から良くなったと思います。彼の野球人生の中で1勝して、ここからじゃないですかね」▽阪神桐敷(連投で8回を3者凡退に抑え2日連続のホールド)「やっぱり門ちゃん(門別)が初勝利というところですし。やっぱり初勝利は特別なので。自分たちがしっかり守り切るようにやっていました」▽阪神岩崎(9回を3者凡退に抑え2日連続セーブで4セーブ目)「(1点差勝利は)すごく大きいと思います。また来週頑張ります」▽東海大札幌・大脇英徳元監督(15年センバツ準Vに導いた指導者で門別在学時は監督。現在は同校顧問)「ナイスピッチング。本人がやることは変わらず、マイペースにできたんじゃないですかね。アイツは入団するときに『(元阪神)上田二朗さんのように』と言っていたんですけど。何年経っても語られる、そういう愛される選手になって欲しいですね」

◆モンちゃん、おめでとう! 阪神門別啓人投手(20)が念願のプロ初勝利をつかんだ。ピンチを防ぎながら、6回途中5安打無失点の粘投。「1-0」の完封リレーで、初白星を手にした。高卒3年目で先発登板は通算5試合目。家族が見守る前で、念願の1勝となった。チームは今季初の「伝統の一戦」で3連戦を飾り、昨年5月27日以来の単独首位に躍り出た。1年を経て、門別はたくましくなった。昨季初先発となった5月3日巨人戦は、この日と同じ東京ドームでの登板。しかし坂本の先制打から始まったメッタ打ちで、3回6安打6失点(自責点4)と大崩れだった。試合後、ホテルでは梅野と投球データを見返すなど反省会。「情けないな...」。一瞬浮かんだ感情は、すぐ心にしまった。「初めてあんなに打ち込まれたので、逆に割り切れたというか。その日の夜からちゃんと前を向けた」2軍からの再出発。当初は配球面などに目を向けたが、先輩たちからの言葉で課題が明確になった。「配球も絶対必要。けど、それは真っすぐが通用しなくなって考えることだと言われた」。先発経験のある岩貞からは「怖さを知ったな」とも言われた。「逆に怖さを恐れず、真っすぐでどんどん行けと言われている気がした」。再び直球に意識を向ける日々が始まった。体の開きや力の加え方など、課題に1つずつ着手。今春は力感なく強いボールを投げる「ギャップ」も意識した。技術と経験、両方から来る自信が、初の開幕ローテ入りにつながった。「去年の経験は、すごく生きていると思います」この日は5回2死一、二塁の場面で、あの日打たれ坂本が代打で登場。141キロ直球で左飛に打ち取り、リベンジを果たした。壁を乗り越え、大きくなってつかんだ白星だ。【阪神担当=波部俊之介】

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】マンデードアラです! いよいよ本拠地開幕、オープニングセレモニーの演出・進行に大活躍のドアラさん。対戦相手の巨人選手とも2ショットで交流です!

◆阪神・門別啓人投手(20)が初勝利を目指して先発する。高卒3年目左腕は前回登板の3月30日広島戦(マツダ)で五回途中8安打2失点で敗戦投手に。5日の練習後には「1イニングでも長く投げたい」と登板に向けて意気込んだ。東京ドームの巨人戦は昨年初先発となった5月3日に、3回6失点を喫した因縁がある。「巨人にやられているイメージをなくせるようなピッチングをしたい」。念願の初勝利とともに、苦手意識を払拭する投球を見せる。打線は「3番・三塁」で先発する佐藤輝明内野手(26)に注目。5日には球団通算8500号を含む2本塁打を放ち、8試合を消化した時点で4本塁打、8打点はリーグトップ。主砲のバットで門別の初勝利をアシストする。阪神は今季初の"伝統の一戦"で2連勝してカード勝ち越しを決めた。この日も勝利をつかめば、2023年8月8?10日以来の敵地での3タテとなる。

◆阪神・木浪聖也内野手(30)が美技で先発・門別を救った。0-0の二回1死、巨人の5番・甲斐が放った鋭い打球を、遊撃・木浪が上半身をのけぞらせながらショートバウンドで好捕。ヒット性の当たりをアウトにする華麗な守備に、レフトスタンドからは木浪コールが湧き起こった。

◆阪神が四回に先制した。相手先発左腕・石川に三回まではパーフェクトに抑えられた中、チャンスを作った。1死から中野、2死後には森下がそれぞれ四球を選んで出塁すると、大山はチーム初安打となる遊撃内野安打を放ち、満塁。ここで前川はカウント3―1から高めの変化球を見極め、押し出しの四球で先制点を呼び込んだ。プロ初勝利を狙う阪神先発・門別も三回までは、一回に許した1安打のみでゼロを並べており、念願の1勝への後押しとなった。

◆この日昇格した巨人・中川皓太投手(31)が、六回を三者凡退に抑えた。0-1の六回に今季初登板のマウンドへ。先頭の中野を左飛に打ち取り、前日2発の佐藤輝を見逃し三振。森下も空振り三振で三者凡退。最速は146キロを計測した。1軍での登板は2024年8月1日の阪神戦(甲子園)以来、248日ぶり。10年目の今季はイースタン・リーグで6試合に登板して防御率3.00。「昇格した選手は、チームに勢いを与えることが求められている。自分のピッチングで流れを変えたりできる存在になれるように」と話していた。

◆阪神・門別啓人投手(20)は自己最長の5回2/3を投げ5安打無失点。勝ち投手の権利を持って降板した。五回途中で111球を投じた前回登板の3月30日広島戦(マツダ)から修正。序盤からテンポのいい投球で打たせて取り、要所では変化球で三振を奪って巨人打線を翻弄した。一回1死からキャベッジに安打を許すも、けん制で誘い出して盗塁死に。四回2死から安打を許したが4番・岡本をフォークで空振り三振。五回は先頭に出塁されるも、続くヘルナンデス、中山をともにフォークで空振り三振に斬り、2死一、二塁の場面では代打・坂本を高め直球で左飛に仕留めた。1-0の六回、キャベッジに安打を許すと、2死から岡本に中前打で一、三塁とされたところで、藤川監督が球審に交代を告げてマウンドへ。門別は2番手・工藤とグラブでタッチを交わし、ベンチへ戻ると場内の虎党から大きな拍手が送られた。後を受けた工藤は甲斐を直球で追い込むと、最後はフォークで空振り三振に仕留めた。これがプロ5試合目の先発。いまだプロ未勝利の高卒3年目左腕が、強力巨人打線を相手に好投を見せた。

◆阪神・門別啓人投手(20)は自己最長の5回2/3を投げ5安打無失点。勝ち投手の権利を持って降板した。五回途中で111球を投じた前回登板の3月30日広島戦(マツダ)から修正。序盤からテンポのいい投球で打たせて取り、要所では変化球で三振を奪って巨人打線を翻弄。六回2死一、三塁での降板に球団を通じて「全体的にボールが高くなってしまいましたが、ランナーを出したあとや要所では変化球もボールの高さも頑張れたので粘り強く投げることができたと思います。最後のイニング2アウトで交代となってしまって、あそこを投げ切れるようにレベルアップしたいです」とコメントした。

◆またしても東京ドームが異様な空気に包まれた。1-0で迎えた七回1死一塁。俊足の巨人・増田大が一走の場面で、石井大智投手(27)が6度けん制。それに対して巨人ファンが大ブーイング。三塁側に陣取った阪神ファンは石井に拍手を送って対抗した。5日の試合では両者合わせて3つの死球が生まれて、ブーイング合戦。今季初の伝統の一戦は殺伐とした雰囲気に包まれている。

◆阪神が首位に浮上。2023年8月8ー10日以来の東京ドームでのカード3連勝を飾った。3年目の先発門別啓人投手(20)は自身最長の5回?を投げ、9度目の登板で初勝利を飾った。2番手育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が門別降板時の六回2死一、三塁で甲斐拓也捕手(32)から空振り三振を奪った。七回から石井大智(27)、桐敷拓馬(25)の2投手がつなぎ、九回は岩崎優投手(33)が締め、4セーブ目。打線は四回2死満塁で選んだ前川右京外野手(21)の押し出し四球による1点のみ。チームは2安打で今季初の「1ー0勝利」。開幕4本塁打8打点の佐藤輝明内野手(26)は4打数無安打2三振だった(成績=5勝3敗1分、観衆=4万1871人)。

◆六回2死一、三塁、巨人・甲斐拓也から空振り三振を奪って吠える阪神・工藤泰成=東京ドーム(撮影・松永渉平)

◆巨人は今季初の零封負けで阪神に同一カード3連敗。阿部慎之助監督(46)は中盤に好機であと一本が出なかった打線を「みんな打とうと思って(打席に)行っているから。この悔しさをバネに、糧にしてやってくれればいいかな」と責めなかった。七回にはバントの上手い増田大が〝ピンチバンター〟で起用されてミスする場面もあったが、「タラレバを言っていたら俺の下手なゴルフと一緒なんだよ」とジョークで振り払った。一方、先発した石川は5回1安打も負け投手に。昨季DeNAを戦力外となって加入し、オープン戦で救援として好投を続けて先発ローテ入りし、開幕3戦目ではプロ初勝利も挙げた。この日は四回に押し出しを含む3四球と1安打で失点し、阿部監督は「結局球数が増えちゃうのは四球が多いからね。そこはちょっと、ローテは再考しようかなと思います。頑張ってくれたし」と、もともと救援だったことも考慮し、再転向も視野に入れた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)が阪神・梅野隆太郎捕手(33)を絶賛した。バッテリーでつかんだ1勝といえるだろう。捕手の梅野としては、開幕から先発マスクをかぶった2試合とも勝っていなかった(1敗1分け)。巨人に2連勝で、久しぶりに自分がスタメンで出るとなれば、どれだけゲーム数に出てきた捕手でも緊張するもの。そこでプロ未勝利の門別をうまく導いたのは、また一つ大きな自信になったはずだ。五回2死一、二塁で代打・坂本を迎えた場面では、カウント2-0から思い切ってインコースに突っ込み浅い左飛に打ち取った。もともと内角に強い打者だということは百も承知で、門別のボールの切れが上回ると判断し、あそこへ持って行ったのだろう。六回2死一、三塁で甲斐を迎えた場面で救援した工藤にはストレートを要求し続け、最後はフォークを落とした。あれは振ってしまう。ワンバウンドのストップも梅野らしく見事だった。ファウルチップで手を痛めた点が心配だが、どうか無事であってほしい。坂本との切磋琢磨は続くが、一つ勝って気持ちが楽になり、門別も含めて、さらに乗っていけるはずだ。

◆阪神が単独首位に浮上。2023年8月8ー10日以来の東京ドームでのカード3連勝を飾った。3年目の先発門別啓人投手(20)は自身最長の5回?を投げ、9度目の登板で初勝利を飾った。2番手育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が門別降板時の六回2死一、三塁で甲斐拓也捕手(32)から空振り三振を奪った。七回から石井大智(27)、桐敷拓馬(25)の2投手がつなぎ、九回は岩崎優投手(33)が締め、4セーブ目。打線は四回2死満塁で選んだ前川右京外野手(21)の押し出し四球による1点のみ。チームは2安打で今季初の「1ー0勝利」。

◆阪神が四回に前川の押し出し四球で奪った1点を必死のリレーで守り、同一カード3連戦3連勝。3年目の門別が六回途中まで粘り、工藤の力投にも救われてプロ初勝利を挙げた。?阪神の対巨人開幕3連勝は岡田彰布監督就任1年目の2004年4月2-4日(東京ドーム)以来21年ぶり。同年の最終順位は4位だった。?阪神打線は大山と近本の単打の計2安打。阪神が2安打以下で勝利したのは昨年5月12日のDeNA戦(○1-0、2安打、横浜)以来。巨人相手に勝利した試合で2安打は最少で、1974年5月22日(○4-2、後楽園)以来51年ぶり3度目。この試合は六回表終了コールドゲーム。9イニングでは71年7月15日のダブルヘッダー第2試合(○1-0、後楽園)以来54年ぶり2度目。

◆阪神が首位に浮上。2023年8月8ー10日以来の東京ドームでのカード3連勝を飾った。3年目の先発門別啓人投手(20)は自身最長の5回?を投げ、9度目の登板で初勝利を飾った。2番手育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が門別降板時の六回2死一、三塁で甲斐拓也捕手(32)から空振り三振を奪った。七回から石井大智(27)、桐敷拓馬(25)の2投手がつなぎ、九回は岩崎優投手(33)が締め、4セーブ目。打線は四回2死満塁で選んだ前川右京外野手(21)の押し出し四球による1点のみ。チームは2安打ながら、今季初の「1ー0勝利」。

◆今季最初の伝統の一戦で、巨人がまさかの3連敗を喫した。首位の座を阪神に奪われた阿部慎之助監督(46)は唇を震わせながら、リベンジの炎を燃やした。「悔しいけどね。まだまだやり返すチャンスがある。前を向いてやります」1番に萩尾を起用し、好調の甲斐を5番に上げた打線は6安打で今季初の零封負け。五、六、七回に得点圏に走者を置くも決定打が出ず、1点が遠かった。七回無死二塁では〝ピンチバンター〟の増田大が送りバントを失敗。指揮官は「タラレバを言っていたら俺の下手なゴルフと一緒なんだよ」と責めず、好機で凡退した打者にも「みんな打とうと思っていっているから。この悔しさをバネに、糧にしてやってくれればいい」とかばった。復調が待たれるのが坂本だ。代打で途中出場するも、好機で迎えた2打席とも凡退。今季17打数1安打と苦しむベテランは「情けないです。なんとかします」と巻き返しを誓う。(谷川直之)

◆DeNAから加入した左腕、巨人・石川が、5回1安打1失点で黒星を喫した。三回まで完全投球を披露したが、四回に押し出しを含む3四球と制球を乱した。「四回が全て。ストライクを欲しがって体が突っ込んだ結果、ああなってしまった」と悔やんだ。阿部監督は「頑張ってくれた。ちょっとローテは再考しようかなと思います」とし、発熱で登板を回避していたグリフィンも含め、先発ローテーションを再編する。

◆東海大の後輩の巨人・中川皓太投手(31)が、2試合目の先発でメジャー初勝利を挙げたオリオールズ・菅野智之投手(35)をビデオ通話で祝福したことを明かした。この日1軍に昇格し、試合前のロッカールームで泉ら巨人ナインと菅野で言葉を交わしたという。「おめでとうございますと伝えました。『頑張れよ』と言っていただいた」と中川。自身は阪神戦の六回に今季初登板し、2奪三振で三者凡退に抑えた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)は七回1死一塁の守備で巨人・門脇誠内野手(24)のファウルチップを左手付け根に受け、その場にうずくまり、治療のためにベンチ裏へ引き揚げた。その後、再度守備に就いたが、八回の打席で代打が送られた。試合後は「大丈夫。力が入らなくなって、監督もまだ無理するなって、交代したんですけど、またいい準備して火曜日に向けてやっていきたい」と左手でキャリーケースをひいて球場を後にした。

◆阪神・前川右京外野手(21)が四回2死満塁で押し出し四球を選び、先制点をもぎ取った。「いい打点が付いてよかったかなと思います」。結果的にこれが門別啓人投手(20)を助ける決勝点となった。1学年下の後輩のプロ初勝利に「ずっと『勝ちたい』と言っていたんで良かったなと思います」と喜んだ。

◆阪神・石井大智投手(27)が七回に登板。先頭のヘルナンデスに左翼線二塁打を許したが、代打・増田大の投前バントを処理して三塁で刺した。その後、2死二塁とされたが、坂本を遊ゴロに仕留めて失点を許さなかった。「なんとか門別に初勝利をというところで、工藤もすごい投球で抑えてくれた。(自分も)そういう気持ちでした」。巨人戦は3連投。「また火曜日(8日)にしっかりいい準備ができるように頑張りたい」と頼もしかった。

◆八回に登板した阪神・桐敷拓馬投手(25)は、わずか7球で打者3人を抑えて、勝利のバトンを岩崎優投手(33)につなげた。「門ちゃん(門別)が初勝利というところで、失点はできない場面だったので。しっかり守り切るように(投げた)」。5日も3点リードの八回に登板。死球で走者を許すも3奪三振で無失点に封じ込めて富田の先発初勝利に貢献した。昨季70試合に登板し、最優秀中継ぎのタイトルを獲得した左腕が今年も元気いっぱいだ。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が2本塁打から一夜明け、一転して4打数無安打2三振だった。「向こうも抑えようとして投げてくるので。惜しい当たりもあった。そこは良かったと思う」と、四回1死一塁でジャストミートするも中直だった場面を振り返った。敵地で巨人に3連勝したことに「そこが一番かなと思いますね」と笑顔だった。

◆阪神・岩崎優投手(33)がしびれる1点差ゲームを締めくくった。「まあまあ、投げる側はいつも通りですよ」。5日に2ランを食らった先頭の岡本を右飛に抑えると、甲斐は二飛、ヘルナンデスは遊直に打ち取る10球斬りだった。門別のプロ初勝利を決め、自身はリーグトップの4セーブ目。接戦を勝ち切り、「すごく大きいと思います。また来週、頑張ります」と涼しい表情で帰阪の途に就いた。

◆5度目の正直や!! 阪神は巨人に1-0で勝利し、同一カード3連勝で今季初の単独首位に立った。門別啓人投手(20)が六回途中5安打無失点と好投し、高卒3年目で待望のプロ初勝利をつかんだ。昨年5月3日の対戦では3回6失点(自責4)を喫していたが、同じ東京ドームでリベンジに成功。大きな一歩を記した期待の左腕が、虎のエースに成長していく。九回、守護神・岩崎が最後のアウトを奪うと、門別はベンチで先輩たちから祝福された。通算5度目の先発で待望のプロ初白星。大きな期待をかけられながらようやくつかんだ1勝に、20歳は満面の笑みを浮かべた。「本当に初勝利が遠くて。やっと勝ててうれしいなという気持ちでいっぱい。先輩方に後ろを抑えていただいて、ありがたいなと思っています」走者を背負いながらも、粘り強く投げた。4三振を奪い、5回?を5安打無失点。工藤、石井、桐敷とつなぎ、1―0ゲームの最後を締めた岩崎からウイニングボールを受け取った。「実家の両親に(渡したい)。こんなに遅くなってしまったので、もっと勝ちを重ねて恩返しができれば」。さらなる親孝行を誓った。プロの壁に何度はね返されても負けなかったのは、心の支えがあったから。門別には、早く白星を届けたい人がいた。「(勝利は)やっぱり妹に一番届けたいです。僕は妹の影響が大きかったと思うので」2歳下の妹・心奈(ここな)さんは1歳になる前から脳腫瘍を発症し、闘病生活が続いていた。両親が心奈さんに付き添って病院に泊まり込んでいたため、門別は幼少期を祖父母の家で過ごし、そこからお見舞いに行っていた。「かわいかったです。とても笑う妹だったんですよ」。そう振り返るたびに、優しい兄の顔になる。ずっと妹が元気になることを信じていた。しかし、心奈さんは5歳で帰らぬ人となった。

◆ガッツポーズとともに大きくほえると、真っ白な歯がキラリと光った。阪神・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が一打同点のピンチで火消しに成功。門別のプロ初勝利をアシストし、気持ちを爆発させた。「重要な場面なんで、抑えたい気持ちは強かった。(門別が)代わるときに『抑えてくれ』って顔で訴えかけていたので、抑えられて良かった」1-0の六回2死一、三塁。ここまで無失点と好投していた先発・門別の後を受け、2番手で登板。右腕はグラブでタッチを交わして門別からバトンを受けると、闘志に満ちた表情で巨人の5番・甲斐に立ち向かった。1、2球目は直球が外れたが、「ちょっと力が入りすぎていたので軽くいこうと思って」と3球目から修正した。ファウルで追い込み、カウント2-2からフォークで空振り三振。プロ初ホールドをマークした。「〝助け合いのブルペン〟っていうことをみんなで言っていた。きょうはそれを達成できたんじゃないかなと思います」六回途中まで20歳の左腕が巨人打線を相手にスコアボードにゼロを重ねた。この日初めて走者を三塁に背負った場面で、藤川監督は3月に育成D1位から支配下登録された工藤を起用。「一番使いたいところで、タイミング良く回ってきた」と試合のターニングポイントで迷うことなく送り出した。期待に応えて無失点に切り抜けた右腕は「(期待は)もちろんうれしいですし、これからもそういう場面で投げることがあると思う。また同じように抑えられるように頑張っていきたい」と強力救援陣の一員としての責任を口にした。工藤の口元には純白のマウスピースが輝く。秋田・明桜高時代から愛用するアイテム。歯や歯茎の保護のために使用されることが多いが、工藤は「自分は投球時に力みやすい。クッションがあったら力まない」と、体全体の力み改善のために使用している。使い始めた当時は最速が130キロ程度だったが、無駄な力が入らなくなり球速の上昇も実感。筋力面だけでなく、スポーツサイエンスの観点でも試行錯誤し、夢の舞台にたどり着いた。右腕はこれで3試合連続無失点。V奪還に向け、〝虎の剛腕ジョーカー〟が白星に導く投球を続ける。(萩原翔)

◆野球はいかに面白くないゲームをするか。そしてそれこそが強さの証明であると、両チームが教えてくれた。ホームランがパンパカ飛び出して、得点がガバガバ入る。そんな派手なゲームが面白いと表現されがちだ。その観点に立つとこの日はヒットは出ないし、チャンスがきても打てない。といって、ベンチが手を打たなかったわけではない。さりとて、うならせるような打撃も攻撃もない...と、ないない尽くし。逆にいうと、登板する投手がみな、こともなげに抑えていた、ということ。そもそも、石川VS門別の先発でスタートして1-0のまま終わるとは普通、思えない。若手に勝ち負けがつくかどうかの競った展開でリリーフもバックもベンチも、アタフタしない。少ない得点でどう決着させるか。それが、強いチーム同士の典型的な戦い方。今回の3連戦で一番、いいゲームだった。監督采配など個別の評価はおいおい、やっていくとして、まずは今後も、伝統の一戦は楽しめそうだね。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆弱冠20歳の3年目、門別啓人のプロ初勝利がわが阪神にうれしい、うれしい、対巨人3連勝をもたらしてくれたー!! ヒーローインタビューの後、スタンドの阪神ファンに両手を挙げて喜びを体全体で表す姿が初々しい!! オレ思わずプレス席でわが子の成長でも見たように、目頭をジ~ンと熱くしちまったじゃねーか!!だってさあ、オレはこれほどまでに過酷なプロ初勝利を目にしたことがないのだ!! 奪った得点は、相手がくれた四回の押し出し四球の1点ポッキリ...。てか~、終わってみれば2安打(1本は内野安打だし~)。阪神打線よ! 前日は同じ3年目の富田に先発初勝利をプレゼントする3本塁打を打ってあげたのに門別にはわずか2安打...。えこひいきやんか!! 次回キッチリ援護せーへんかったら、猛虎打線の〝トラハラ〟を広めたるぞー!!そーなると持つべきものは虎の投手陣!! 初勝利のために工藤-石井-桐敷-岩崎が零封リレーのタスキをつないでくれたやないか~!! ウウウ...。アカン! また目頭が熱くなってきたわ~!

◆阪神は巨人に1-0で勝利し、同一カード3連勝で今季初の単独首位に立った。門別啓人投手(20)が六回途中5安打無失点と好投し、高卒3年目で待望のプロ初勝利をつかんだ。阪神・門別啓人投手(20)の母、実保さん(43)がサンケイスポーツへ手記を寄せた。実保さんはこの日朝に北海道から東京入り。スタンドから試合を見守り、プロ初勝利をつかんだ息子の成長した姿に、涙を流した。啓人、プロ初勝利おめでとう。試合が終わってすぐにとりあえず、「ナイスピッチ」ってLINEしました。ヒーローインタビューはもう号泣で見られなかったですね。主人もテレビで見て泣いていたみたいです。先週のマツダと2週連続で来るか悩んだんですけど、来てよかったと思いました。マウンドに立った啓人はとても大きく見えて、自分の子供じゃないみたいに見えます。1年目、2年目、3年目と、顔つきも変わっている。啓人も大人になっているんだなと感じています。小さいころから私たちに弱音を吐くことはなかったです。でも本当に負けず嫌い。人前じゃ泣かないけど、試合で駄目だったら車に乗ってから泣いていたし、家に帰って早く自分の部屋に行った日なんかも、きっとしくしく泣いていたんだろうなと思います。高校生になってからも何も言ってこないから、啓人がしんどい思いをしているというのは、ほかの選手の親御さんから聞いて知りました。相変わらず私たちには何も言わない。でも、そういうときに家に帰ったら黙って走りに行くんです。心配になるくらい帰ってこなかった。私たちも啓人が辛いのを分かっていたから、ちょっと落ち着いて整理がついてから話をするようにしていました。

◆「朝起きてからずーっと、30分くらいホテルの部屋から窓の外を見ていたんや。エエ眺めやなぁと思いながら」巨人戦取材のため東京出張中だった還暦虎番のビヤ樽こと三木建次の声が、電話の向こうで弾んでいた。てっきり外に桜でも咲いていたのかと思ったが、違ったらしい。「東京駅の近くに泊まっていて、新幹線の線路を見下ろせる部屋だったんや。こう見えて電車好きやから、次々列車が来るのが楽しくってなぁ。写真を撮って嫁にも送った。車両の連結が外れるトラブルがあった、あの〝緑と赤の新幹線〟も走ってたで」たしかにニュースでよく見たけども...。「はやぶさ」と「こまち」の名前も言えないのに、簡単に電車好きを名乗っちゃダメだ。世の鉄道ファンの皆さんに怒られるぞ。「それにしても、きょうはすごい試合やった。六回のピンチは誰が出てくるのかと思ったが、工藤が出てきたときはシビれたなぁ」ビヤ樽こそ話の〝連結〟が外れていて唐突に別の話題に移ったが、たしかにシビれる1-0勝利だった。虎番の原稿でもじっくりと楽しんでもらいたいが、初勝利が懸かった門別がマウンドを降りた六回2死一、三塁で、藤川監督は3月に支配下登録された育成D1位ルーキーの工藤をマウンドに送ったのだ。ビヤ樽が力説する。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
阪神
531 0.625
(↑0.054)
-
(↓0.5)
13428
(+1)
27
(-)
6
(-)
7
(-)
0.211
(↓0.015)
2.930
(↑0.35)
2
(1↓)
巨人
540 0.556
(↓0.069)
0.5
(↑0.5)
13435
(-)
23
(+1)
5
(-)
6
(+2)
0.280
(↓0.011)
2.330
(↑0.17)
3
(1↓)
DeNA
441 0.500
(↓0.071)
1
(↓0.5)
13440
(+6)
34
(+7)
4
(-)
4
(-)
0.239
(↑0.005)
3.140
(↓0.38)
3
(2↑)
広島
440 0.500
(↑0.071)
1
(↑0.5)
13531
(+7)
30
(+6)
4
(-)
4
(+3)
0.251
(↑0.018)
3.440
(↓0.36)
5
(1↓)
ヤクルト
341 0.429
(↓0.071)
1.5
(↓0.5)
13521
(+5)
32
(+6)
4
(+2)
1
(-)
0.199
(↑0.011)
3.500
(↓0.35)
6
(-)
中日
351 0.375
(↑0.089)
2
(↑0.5)
13415
(+6)
24
(+5)
2
(+2)
3
(+1)
0.200
(↑0.005)
2.330
(↓0.33)