巨人(★2対7☆)阪神 =リーグ戦1回戦(2025.04.04)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:村上 頌樹(2勝0敗0S)
敗戦投手:戸郷 翔征(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は同点で迎えた3回表、大山と坂本の適時打で2点を奪い、勝ち越しに成功する。そのまま迎えた7回には、木浪に走者一掃の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・村上が7回5安打1失点の好投で今季2勝目。敗れた巨人は、投打ともに振るわなかった。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(29)が出場選手登録を抹消される見込みとなった。この日の試合前練習で続々と選手が球場入りする中、姿を見せず。代わって渡辺諒内野手(29)が1軍に合流した。ゲラは2日、3日のDeNA戦(京セラドーム大阪)で登板し、2戦連続で3失点を喫していた。

◆阪神は4日、ハビー・ゲラ投手(29)の出場選手登録を抹消した。ゲラは2日と前日3日のDeNA戦(京セラドーム大阪)で2戦連続3失点。この日の試合前練習にも姿を現すことはなかった。代わって渡辺諒内野手(29)が今季初の1軍昇格。ここまでウエスタン・リーグでは10試合に出場して2割2分2厘、3打点。「結果を出して。(試合に)出たらアピールできるように。いいところでしっかりチームに貢献できるように、頑張りたいと思います」と力を込めた。

◆今季初の伝統の一戦に向かう、阪神のスタメンが発表された。先発は村上頌樹投手(26)。前回3月28日の広島戦(マツダスタジアム)では、9回途中無失点の快投で開幕戦勝利を導いた。相手先発戸郷との投げ合いで、2連勝をつかみたいところだ。バッテリーを組むのは、坂本誠志郎捕手(31)。1日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来、3試合ぶりのスタメンマスクとなった。

◆今季初となる伝統の一戦のスタメンが発表された。巨人は戸郷翔征投手(25)がバースデー勝利を狙う。開幕投手を務めた前回登板ヤクルト戦は5回4失点(自責2)に終わり「前回いいピッチングができなかったですし。何か次の試合でいいものを出せるようにと思って練習しました」。この日は25歳の誕生日で、登板前日には「誕生日ぐらいはいいピッチングを。自分にいいプレゼントだと思っていければ一番」と意気込んでいた。また、中山礼都内野手(22)が「7番三塁」で起用された。

◆今季初の伝統の一戦で、阪神が開始8分の速攻を決めた。プレーボール間も無い2球目で1番近本光司外野手(30)が中前打。2番中野の打席でヒットエンドランを仕かけると、中前打でチャンスを拡大した。その後1死二、三塁として4番森下翔太外野手(24)が鋭いライナーで右中間へ。中堅手ヘルナンデスの好捕に遭いながらも、きっちり犠飛で先制した。相手先発戸郷を立ち上がりから攻め立てた攻撃。試合開始約8分での先制劇となった。

◆阪神が今季最初の伝統の一戦で、先手を取った。初回、先頭の近本が巨人戸郷から中前打を放つと、中野も中前打で続き無死一、二塁。続く佐藤輝は三邪飛に倒れたが、中野が二盗を決めて1死二、三塁と好機を広げ、4番森下翔太外野手(24)が先制の中犠飛を放った。阪神は前夜3日DeNA戦(京セラドーム大阪)に敗れて、引き分けを挟んで3連敗中。連敗脱出へ先制に成功した。

◆巨人戸郷翔征投手(25)が、3回7安打3失点で降板した。1回、先頭の近本、中野に連打を浴び、いきなりピンチを招いた。その後1死二、三塁とし森下の中犠飛で先制を許した。2回は無失点で切り抜けたものの、3回は2死二塁から大山の中前適時打、なお2死満塁としてから坂本の左前適時打で2失点。直後の攻撃で萩尾匡也外野手(24)が代打に送られ、交代となった。戸郷が3回以内で降板したのは、22年6月26日ヤクルト戦(神宮)以来、約3年ぶり。この日は25歳の誕生日だったが、バースデー勝利を飾ることはできなかった。

◆3回終了時に東京ドーム名物イベント「すしレース」が開催された。まぐろ、こはだ、たまご、えび、あなごのコスチュームに身を包んだ"江戸前スーシーズ"こと小学生以下の子どもたち5人がレースに参加。スタートから中盤までは横一線もえびとこはだ抜け出した。デッドヒートを繰り広げ、最後はえびが1着でゴールテープに飛び込んだ。2戦連続でえびとこはだの接戦でえびは2連勝。3月の開幕戦から勝者はあなご、あなご、えび、えびとなっている。

◆今年も満塁男だ! 阪神木浪聖也内野手(30)が、走者一掃の適時二塁打を放った。3-1で迎えた7回2死満塁、木浪が巨人堀田の直球を振り抜いた。鋭い打球は左翼線へ飛び、走者全員が生還。ベンチの藤川球児監督(44)は立ち上がって激しくガッツポーズし、感情をあらわにした。木浪は昨季のリーグ戦で、満塁時に打率4割7分1厘と無類の勝負強さを誇った満塁男。2日のDeNA戦(京セラドーム大阪)では、6回2死満塁で押し出し四球を選んでいた。

◆巨人戸郷翔征投手が、25歳の誕生日を自身の今季初勝利で飾れなかった。「伝統の一戦」の今季初戦となった阪神戦に先発し、3回7安打3失点でKOされた。開幕投手を務めた3月28日のヤクルト戦(東京ドーム)は、チームは延長10回サヨナラ勝ちしたものの、戸郷は5回4失点(自責2)で降板。2試合連続で本来のピッチングを披露することはできなかった。戸郷がいら立ちを隠せなかった。登板最終回の3回。2死を奪ってから大山、坂本に適時打を浴び2点を失った。3回を投げ終えてベンチに戻ると、阿部監督から肩をたたかれてねぎらわれたが、ぶぜんとした表情のまま。3回以内のノックアウトは、2回2/3で降板した22年6月26日ヤクルト戦(神宮)以来、約3年ぶり。帽子をたたきつけ、ダッグアウトに姿を消した。立ち上がりから異変を感じながら投げた。先頭の近本、中野に連打を浴び、いきなりのピンチを招いた。その後1死二、三塁とし森下の中犠飛で先制点を献上。首をかしげながらマウンドを降りた。続く2回は無失点で切り抜けたものの、さえない表情を浮かべながらベンチで杉内投手チーフコーチと話し込んだ。苦しいシーズンの船出となっている。前回登板のヤクルトとの開幕戦は5回4失点(自責2)に沈み「仕事ができなかった」と責任を痛感。3日後の同31日にジャイアンツ球場で行われた投手練習の合間には約15分間、田中将と話し込んだ。「年間やっていけばそういうピンチになって考えがうまくいかない時もあると思うけど、っていう話をされました。それへの対処法だったりを将大さんなりに考えていることを言ってくれたので、すごい僕としては助かりました」と日米通算198勝のレジェンドの助言に感謝し、この日の登板に備えた。自身2度目のバースデー登板は勝利で飾ることができなかった。「25歳になって1発目の試合ですし、順調にいかないことも年々多くなっていきますけど、その誕生日ぐらいはいいピッチングを自分にいいプレゼントだと思っていければ一番ですし。それ以上にチームに前回助けてもらっているのでいいお返しができたら」。エースの復調が待たれる。【水谷京裕】

◆阪神村上頌樹投手(26)が7回5安打1失点の好投で、今季2勝目の権利を手にした。先制直後の初回、先頭若林の右翼越えの二塁打などで1死二塁。3番吉川尚に三塁線を破られ、失点した。しかし2回以降は完全に修正。淡々とアウトを積み重ね、5回まで1人の走者も出さない快投だった。最終イニングとなった7回には1死一、三塁のピンチを招いたが、中山を空振り三振、代打大城を二ゴロに仕留めて3アウト。力強く吼えながら、マウンドを降りた。直後の7回に打席が回り、代打を出されて交代。先発としての役割をしっかりと果たした。

◆阪神が首位に立っていた巨人に勝利し、4連敗を阻止した。初回に先制。先頭近本光司外野手(30)と2番中野拓夢内野手(28)の連打で好機をつくると、4番森下翔太外野手(24)の犠飛で幸先良く得点を奪った。その裏に同点とされたが、3回には5番大山悠輔内野手(30)の勝ち越し打などで2点を追加。巨人開幕投手の戸郷をこの回限りでマウンドから降ろした。先発の村上頌樹投手(26)は2回以降、巨人打線を封じ込んだ。7回には1死一、三塁から粘り、本塁を踏ませなかった。7回を投げて5安打1失点。開幕戦に続き、好投を見せた。7回には2死満塁から木浪聖也内野手(30)が走者一掃の二塁打で3点を奪い突き放した。今季2度目の2桁安打で村上を援護した。前カードのDeNA戦では2敗1分けと白星をつかめず。広島との開幕3戦目から1分けをはさみ3連敗中だったが、今季初の「伝統の一戦」で快勝。連敗をストップさせた。

◆阪神が今季初の「伝統の一戦」で快勝し、連敗を止めた。初回、4番森下翔太外野手(24)の犠飛で先制。その裏、巨人に追いつかれたが、3回、5番大山悠輔内野手(30)の勝ち越し打などで2点を追加。7回、2死満塁から木浪聖也内野手(30)が走者一掃の適時二塁打。8回には3番佐藤輝明内野手(26)のタイムリーで突き放した。先発の村上頌樹投手(26)が7回5安打1失点で今季2勝目を挙げた。

◆開幕から6試合連続安打中だった巨人トレイ・キャベッジ外野手(27)が小休止した。この日、安打を放てば新外国人の球団記録更新だったが4打数無安打。チームも6安打、2得点にとどまり阪神に完敗した。阿部監督は「こういうゲームの中でも、もしかしたらいけるんじゃないかっていう流れも作ってくれたし、素晴らしいピッチングだったかなと思います」と2番手で登板し、3回無失点と好リリーフした横川を評価した。

◆阪神の2番中野拓夢内野手(28)が足でかき回した。初回中前打で出塁すると、戸郷-甲斐のバッテリーから二盗を決めて好機を拡大。左前打を放った3回にも再び二盗を成功させ、大山の適時打で勝ち越し決勝のホームを踏んだ。強肩の甲斐から2盗塁。「積極的に行こうと思っていたので思い切っていけた。試合で決めれるのが一番自信にもなりますし、どんどん積極的にトライしていければ」と自信を深めた。

◆阪神の4番森下翔太外野手(24)が先制点をたたき出した。初回1死二、三塁。巨人戸郷の低め148キロをとらえ、飛距離十分の中犠飛を運んだ。「チカ(近本)さんと(中野)拓夢さんでいい形をつくってくれたのでとにかく先制したかった。ヒットでかえしたかったけど、最低限犠牲フライになってよかった」。7回には一塁後方へのポテン安打でつなぎ、追加点をお膳立て。虎の主砲が開幕から好調キープだ。

◆エースの白星が遠い。この日、25歳の誕生日を迎えた巨人戸郷翔征投手が3回7安打3失点で今季初黒星。今季初の「伝統の一戦」の先発マウンドを託されたが、早々にマウンドから消えた。2回2/3で降板した22年6月26日ヤクルト戦(神宮)以来、約3年ぶりの3回以内のノックアウトに「難しいゲームでしたが、頭の中もあまり整理できていない中でピンチを迎えて...」とバースデー勝利とはいかず、声を絞り出した。立ち上がりから不安定さを露呈した。先頭の近本、続く中野に連打を浴びてピンチを背負った。1死二、三塁から森下の中犠飛で先制点を献上し「1、2番を出してしまうと、ああいう攻撃になってしまう」と猛省。3回は2死から大山、坂本に適時打を浴びて、この回限りで降板した。3年連続で12勝を挙げるも、プロの世界で結果を出し続けることの難しさに直面している。阿部監督は「相手の研究も大事だけど、自分の研究もしてほしい。いい勉強になったと思う」と指摘。戸郷自身も「本当に一筋縄ではいかない」と痛感させられた。開幕から2試合で8回7失点(自責5)、防御率5・63。「1試合終えるごとに何か良かったと思えるものが増えれば」。エースの苦悩はエースしか打ち破れない。【水谷京裕】

◆これが虎の必殺仕事人だ。阪神の新5番、大山悠輔内野手(30)が、今季初の伝統の一戦で決勝打を放った。同点の3回2死二塁、巨人のエース戸郷から中前に勝ち越し適時打を運んだ。昨オフ国内FA権を行使し、巨人から6年24億円超の大型契約を提示されながら残留の道を選んだ。4番から5番に打順を移し、藤川球児監督(44)から打点増を期待される主砲が、引き分けをはさんだチームの連敗を3で止め、一夜で5割復帰を導いた。大山は大はしゃぎするわけでもなく、淡々と打撃用手袋を外した。勝ち越し打を放った直後の一塁ベース上。まるで相手チームへのリスペクトを示すように、静かに喜びをかみしめた。「もう、とにかく走者を返すだけでした。チャンスになればしっかり走者をかえすのが仕事なので」1-1の同点で迎えた3回表。少しだけ重苦しい雰囲気が漂っていた。2番中野の左前打と二盗で無死二塁としながら、3番佐藤輝が空振り三振、4番森下は三邪飛。巨人に流れが傾きかねない展開で、ドラ1クリーンアップ最年長が弟分2人を助けた。2死二塁、1ボール2ストライク。巨人戸郷の真ん中高め144キロ直球をセンター返し。ライナーで中前に弾ませ、決勝点をたたき出した昨オフは国内FA権を行使。宿敵巨人から超大型契約を提示されながら残留した。決め手は金額ではなく愛着、感謝だった。ファン感謝デーで掲げられた無数のレッド大山タオル、選手会納会で裏方からかけられた言葉...。縦じまを脱ぐわけにはいかなかった。今も忘れられない記憶がある。リーグ優勝、日本一を達成した直後、23年冬の優勝旅行。空港や祝賀会で打撃投手やブルペン捕手ら球団関係者の家族から「ありがとうございました」と次々に声をかけられた。「僕たちは裏方さんがいてこそ練習できる。裏方さんどころか初対面のご家族からもそんな言葉をかけてもらえて、頑張って良かったと本当に思いました。勝つことに、また違った意味を持てるようになりました」5年契約の1年目。藤川新監督から直々に「打点にこだわってほしい」と熱く思いを伝えられ、喜んで新たな役割を受け入れた。「僕が若かった時は、後ろを打っていた福留さんに何度も助けられた。『最後は俺がなんとかするから』みたいな雰囲気があった。次は自分がそういう役割を目指す番なのかなと...」今季初の巨人戦は3番佐藤輝、4番森下の凡打を帳消しにした。チームの連敗も3で止めて「それが1番です」と力を込めた。くしくも福留孝介氏もテレビ解説席から見守った一戦。阪神大山悠輔としての生きざまを、敵地のままとなった東京ドームで堂々と示した。【佐井陽介】

◆阪神藤川球児監督(44)が感情むき出しで、就任後初めて臨んだ伝統の一戦を取った。「やはり相手はジャイアンツさんですから。非常に力を入れて戦わなければならない相手。いい初戦だったと思います」。勝利への執念が全身からほと走った象徴が、2点リードの7回だった。佐藤輝の四球からつないでつくった2死満塁の好機。7番木浪聖也内野手(30)が、巨人堀田の直球を鋭く振り抜いた。打球は左翼線ギリギリに落ち、走者一掃の3点適時二塁打。その瞬間、藤川監督がほえた。「相手チームからすれば苦しい、こちらからすればジワジワと時間がかかる攻撃ですけど、いい攻撃だった」。打球の行方を見届けた指揮官は、ベンチで立ち上がり、あらん限りの力で激しくこぶしを振り下ろした。何度も雄たけびを上げる表情は、まさに闘将だった。指揮官の闘志に束になって応えた打線。二塁ベース上で仲間の生還を喜んだ木浪も、両手のこぶしを掲げた。「みんながつないでくれた、その思いが自分を打たせてくれていると思っている」。昨季は満塁時に打率4割7分1厘と打ちまくり、2日のDeNA戦でも6回2死満塁で押し出し四球を選んだ「満塁男」は今季も健在。プロ入7年間の通算満塁打率は3割8分3厘の勝負強さだ。今季初の巨人戦を敵地で快勝し、連敗も3でストップ。猛虎を率いる指揮官として、藤川監督も永遠のライバルへの思いを受け継ぐ。「やはり先人たちの思いがありますから、監督をしている以上はこれはもう当然のこと」。昨季は12勝12敗1分けと五分。だがリーグ優勝は譲った。今季も首位をいく巨人をたたかないと、上にはいけない。指揮官は感情を表に出すことも大切にしている。「自分が表現するというのは、チームに勢いをもたらす部分でもありますから」。勝利への執念をむき出しにして、きょう5日にカード勝ち越しを決めにいく。【磯綾乃】

◆阪神の3番佐藤輝明内野手(26)が3試合連続打点で勝利を決定づけた。6-1の8回2死二塁。巨人3番手の堀田が投じた低め変化球を引っ張った。二走近本が快足を飛ばして生還し、6点差に広げた。「チカ(近本)さんがよく走ってくれたと思います。(点差を広げる意味でも)大きいんじゃないかと思います」と胸を張った。2日DeNA戦での一時同点の適時二塁打、3日DeNA戦での一時同点の2ランに続き、ここぞの一撃が光る。今季6打点で木浪、巨人キャベッジ、DeNA牧と並びリーグトップ。三塁守備でも軽快な動きで投手陣をもり立て、「いい動きはできてるんで。これは継続してやっていきたい」と納得の表情を見せた。それまで4打席無安打2三振だっただけに、意義ある3試合連続安打。「勢いを持ってまた明日も臨みたい」。3番に座る背番号8が上昇気流に乗っている。

◆阪神ドラフト1位の伊原陵人投手(24)がプロ初の伝統の一戦で無失点デビューを果たした。先発村上の後を受け、6点リードの8回に登板。まずは先頭の代打オコエを空振り三振に仕留めた。続いて、この日2安打の1番若林は三ゴロ。2番キャベッジも投ゴロに斬り、難なく3者凡退にまとめた。今季登板4試合で無失点投球を継続し、防御率はいまだ0・00だ。「いい球場で、モチベーションは上がった。もちろん、チームが勝つことが一番なので。自分のベストを尽くせたかなと思います」と笑顔で振り返った。

◆これが虎の必殺仕事人だ。阪神の新5番、大山悠輔内野手(30)が、今季初の伝統の一戦で決勝打を放った。同点の3回2死二塁、巨人のエース戸郷から中前に勝ち越し適時打を運んだ。昨オフ国内FA権を行使し、巨人から6年24億円超の大型契約を提示されながら残留の道を選んだ。4番から5番に打順を移し、藤川球児監督(44)から打点増を期待される主砲が、引き分けをはさんだチームの連敗を3で止め、一夜で5割復帰を導いた。春が来て思い出した。1年前の今頃、大山は明らかに苦しんでいた。「本当に何をしてもうまくいかなかった。どうしたもんかなと...」。開幕直後から不振が長引き、打率が1割台まで落ち込んでいた6月5日からは約2週間の2軍再調整も経験。「ベランダに出て、嫁さんがキャンプ用に買ってきた長椅子に寝転んで、何十分間もボーッと夜空を眺めていたぐらいで」。不振による2軍降格は6年ぶりの屈辱だったが、実は早い段階から要因には気づいていた。オープン戦期間から下半身のコンディション不良に苦しみ、特に開幕直後はランニングメニューに時間を割けずにいた。その結果、「ベストは92キロぐらい」という体重が一時期は100キロ超まで増加。体のキレを失っていたのだ。「それで再調整中は鳴尾浜で走り込んで体を絞りました。練習開始の3時間前からエアロバイクをこいだり」。あれから1年。今季もまだ自分の役割について「思ったよりもできていない」と自戒するが、チーム2位の5打点が光る。コンディションに不安がない25年。いずれ打点量産期間に入ると予想している。【野球デスク=佐井陽介】

◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が攻守に存在感を見せた。2回の第1打席で左前打を放つと、3回には1点を勝ち越してなおも2死満塁から先発戸郷の変化球を捉えて左前に適時打。「バットでももちろん貢献したいので。1打席1打席集中してやりたいと思ってます。追加点を取れたことがよかったと思います」。出場5試合で打率3割8分5厘と打撃好調。マスクをかぶっても村上を7回1失点と好リードした。

◆阪神が首位に立っていた巨人に勝利し、4連敗を阻止した。

◆冷静沈着に、阪神先発の村上頌樹投手(26)が開幕2連勝を飾った。1点を先制した直後の初回1死二塁。いきなり3番吉川尚に三塁線を破る同点左二塁打を浴び、試合を振り出しに戻された。ただ、そこからが23年MVP右腕の本領発揮だ。「(初回に)1点を取ってもらって気持ち楽に投げられましたし、1点取られても同点という形で切り替えて投げられました」2回からは完全に修正。5回までは1人の走者も許さない圧巻の投球を見せた。淡々とアウトを重ねた7回5安打1失点の快投。3月28日の開幕広島戦から2連勝で、先発陣に白星がつくのもその日以来6試合ぶりだ。昨季7勝11敗と負け越した経験が、快投の原動力となっている。「昨年は悔しい思いをしたので。今年はやり返す気持ちでやっているので。そこを見てくれたらなと思います」。前夜2戦連続の3失点を喫したゲラが出場選手登録を抹消されたこの日。先発への比重がより高くなった一戦で、役割を十分に果たした。藤川監督も「完璧ですね」と絶賛。「非常に安定していて、もう2勝目ですか。次の登板もまた楽しみに見たいですね」と目を細めた。東京ドームは23年シーズンの初先発で7回完全投球で沸かせ、大ブレークにつなげた思い出の地。同球場の巨人戦は先発3試合で2勝0敗、防御率0・90の好相性だ。今季初の伝統の一戦で、首位相手にチームの連敗も止めた白星。背番号41も手応えを口にした。「金曜で勝ちがつくのは、自信になると思う。しっかり自信を持って、来週も投げていこうと思います」頼もしい「金曜日の男」が、白星量産体勢に入った。【波部俊之介】

◆阪神・渡辺諒内野手(29)が1軍に合流した。今季はウエスタン・リーグで10試合に出場し、打率・222(36打数8安打)、3打点。3月30日に行われたウエスタン・リーグ、くふうハヤテ戦(SGL)で4打数2安打1打点と結果を残していた。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(29)が登録を抹消された。今季は3試合に救援登板するも防御率23・14。2日のDeNA戦(京セラ)で1回3失点、3日の同戦では1アウトしか取れず3失点で敗戦投手となっていた。ゲラの抹消に伴い、渡辺諒内野手(29)が登録された。ウエスタン・リーグで10試合に出場し、打率・222(36打数8安打)、3打点。

◆5日の2回戦には阪神・富田蓮投手(23)が先発する。今季初先発となった3月29日の広島戦(マツダ)で4回5安打1失点。先発初勝利に向けてキャッチボールなどで調整した。対巨人はプロ入り後5試合に救援登板し、4回2/3を投げて2失点(自責0)。東京ドームは3試合の登板で無失点と好相性。ここまで6試合で計30得点を挙げる巨人打線については「どのバッターも調子いい」と警戒した。「自分のピッチングをしていけば味方も打ってくれると思いますし、前回は4イニングで終わってしまいましたけど、今回は先発の役割を果たして、しっかり後ろにつなげられたらと思います」と意気込んだ。

◆阪神は引き分け挟んで3連敗で迎える伝統の一戦。先発の村上頌樹投手(26)は開幕戦の3月28日広島戦(マツダ)で九回途中無失点で勝利投手。巨人戦登板は昨年4月16日以来。東京ドームでは2023年8月25日以来のマウンド。

◆中日から巨人に新加入の守護神、ライデル・マルティネス投手(28)が今季初めてベンチ入りメンバーから外れた。3連投を回避するための措置で、試合前の練習には参加した。マルティネスは2、3日の古巣中日戦(バンテリンドーム)でいずれも九回に登板し、2日連続でセーブを挙げた。2軍から昨季セットアッパーとして活躍したケラーが昇格。阿部監督は開幕前からマルティネスの連投が続いた試合はベンチ入りメンバーから外し、今季は主に八回で登板する大勢に抑えを任せる構想を語っている。

◆阪神・嶌村聡球団本部長(57)が4日、巨人戦前に東京ドームで取材に応じ、3日のDeNA戦(京セラ)の九回に下されたファウル判定を受けて、NPBに意見書を提出することを明かした。同点の九回1死一塁、佐野がゲラの投球に対し、カウント2―2から外角低めへの変化球にバットを出した場面で、空振りに見せたものの、真鍋球審が下した判定はファウルだった。藤川球児監督(44)もベンチを出て確認を行ったが、4氏審判の協議の結果も変わらず。その後、佐野を四球で出塁させてピンチを招き、3失点を喫して敗れた。嶌村本部長は審判が下したジャッジメントについては尊重されるべきという前提のもと「試合の映像を見たときに、空振りだったという認識はある。ということは、そのときの(審判員の)判断と、結果として出たものに乖離があるということ」と説明。すでにNPB側にも提出する考えを伝えている意見書では「人がやること(判定)でそういうことがあることも分かっているし、誰を責めたりということは全くない。ただ、それをどう埋めていくか。できるだけそういうところを埋めていきたいという考えのもとで意見書を出したい」と話し、今後に同様のプレーが起こった際を見すえた問題提起の意味合いが強いと説明した。

◆5日の阪神戦に先発する巨人・赤星優志投手はキャッチボールなどで調整した。昨季は開幕7連敗を喫したが、今季は体調不良で登板を回避したグリフィンに代わり、3月29日の開幕第2戦(対ヤクルト)に先発し5回1安打無失点で白星発進。「立ち上がりはやっぱり大事になると思うので、初回は全力で、そこから一回ずつ投げていきたい」と2度目の登板を見据えた。

◆阪神が先制に成功した。一回、近本光司外野手(30)と中野拓夢内野手(28)の連打で無死一、三塁。その後、1死二、三塁から森下翔太外野手(24)の中犠飛で先制した。その裏、村上頌樹投手(26)が適時二塁打を浴び、試合は振り出しに戻った。

◆阪神が先制に成功した。一回、近本光司外野手(30)と中野拓夢内野手(28)の連打で無死一、三塁。その後、1死二、三塁から森下翔太外野手(24)の中犠飛で先制した。「「打ったのはストレート。チカさん(近本)と(中野)拓夢さんでいい形を作ってくれたので、とにかく先制したかったです。ヒットでかえしたかったけど最低限、犠牲フライになってよかったです」とコメントした。

◆巨人・戸郷翔征投手が25歳の誕生日に先発したが、3回7安打3失点で降板した。三回に2点を勝ち越されたその裏、先頭で打席が回ってくる中で代打が送られ63球で無念の降板。ベンチでは悔しさをあらわにした。戸郷は一回、先頭の近本、中野に連打を許し、森下の中犠飛で先取点を献上。その裏に味方が同点に追いついたが、三回は4安打を集中され、2点を勝ち越された。2年連続2度目の開幕投手を務めた前回、3月28日のヤクルト戦でも5回4失点で降板していた。

◆阪神・大山悠輔内野手(30)が「4番・一塁」で出場。三回に勝ち越し打を放った。巨人・戸郷を相手に先頭の2番・中野が左前打で出塁すると、一回に続いて二盗に成功。3年ぶりとなる1試合2盗塁は巨人の新たな武器となった〝甲斐キャノン〟をかいくぐって決め、チャンスメークをした。3番・佐藤輝、4番・森下が打ち取られたが、ここで打席には頼りになる大山。144キロ直球を中前に運び、中野を勝ち越しのホームへと迎え入れた。さらにここから前川の左翼線二塁打、木浪が四球を選んで満塁のチャンスを作ると、坂本が2打席連続安打となる左前適時打で3ー1。本調子と言えないと戸郷の序盤をしっかりと攻め、再び主導権を握った。大山は「打ったのはストレート。(村上)頌樹が頑張って投げてくれていたので、なんとか早い段階で援護をしてあげたいと思っていました。何があるか分からない球場ですし、次の打席もチームに貢献できるように頑張ります」とコメント。坂本は「「打ったのはスライダー。みんなが作ってくれた良い流れに自分も乗ることができてよかったです。『絶対に勝つ!』という強い気持ちを持って、最後まで気を引き締めていきたいと思います」と話した。

◆間違いなく、巨人スタートダッシュ成功のキーマンとなった。新外国人、キャベッジ(前パイレーツ)が開幕戦から「2番・右翼」で出場を続け、チームの開幕2カード連続勝ち越しに大きく貢献した。開幕前は、不安視するファンの声も上がった。2023年には米マイナーでトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成。4番岡本の後を打つ大砲として期待されたが、オープン戦では14試合で打率・214、3打点。本塁打は出ず、14三振と日本の野球への順応に苦しんだ。それでも、開幕直前まで2軍戦に出場し、打席数を重ね、開幕戦の試合前も早出で打撃練習を行った助っ人砲。阿部監督も開幕を前に「キャベッジ君じゃない? そこが一番(のポイント)」と名前を挙げる中、開幕戦で逆転サヨナラ劇の口火を切る初本塁打をたたきこんだ。翌日の第2戦でも一発を放ち、球団の外国選手史上初となる開幕から2試合連続本塁打をマークし不安の声を一掃した。多くの新外国人選手が苦しんできたように、今後対戦機会が増えるほどに相手のマーク、研究も進み、結果を残し続けることは容易ではない。大きな壁をも乗り越え、キャベッジがリーグ連覇、日本一のキーマンとなる。(浜浦日向)

◆阪神・木浪聖也内野手(30)が「7番・遊撃」で出場。2点リードの七回にひと振りで3点を追加した。この回から登板した3番手・堀田を相手に安打と2四球で2死満塁の好機を作り、打席には木浪。2球目の146キロ直球を振り抜くと、打球は左翼線のフェアゾーンで弾んだ。3人の走者が次から次へとホームへ返り、6―1。到達した二塁上で木浪が両手を挙げてガッツポーズを作ると、ベンチ内の藤川監督もこぶしを何度も力強く握った。木浪は昨季に満塁打率・471を残した〝満塁男〟。2日のDeNA戦(京セラ)の六回に巡った満塁での打席でも冷静に押し出し四球を選んでおり、それに続いて今季初となる伝統の一戦でも得意の状況で結果を残した。

◆巨人・岡本和真内野手(28)が「4番・一塁」で出場。七回先頭の第3打席で左越え二塁打を放ち、開幕から7試合連続安打をマークした。好投を続ける阪神先発の村上に対し、カウント2―2と追い込まれて迎えた5球目、直前の直球と球速差35キロ、112キロのカーブに泳がされながらも運び、あと少しで本塁打となる左翼フェンス上部を直撃する二塁打とした。

◆阪神・村上頌樹投手(26)が巨人打線相手に7回5安打1失点。勝ち投手の権利を持ったままマウンドを降りた。先制した一回に先頭の若林に右越え二塁打、吉川に左翼線適時二塁打を打たれ、同点とされたが、以降は安定した投球を披露。七回に先頭の岡本に左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、甲斐にも左前打を打たれ、1死一、三塁のピンチを招いたが、後続を打ち取り、役目を終えた。村上は開幕星を挙げた3月28日広島戦(マツダ)では九回途中無失点、135球を投げていたが、この日は試合前まで1~7番まで3割以上、チーム打率・322の強力打線を88球で料理した。

◆巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が「2番・右翼」で出場。4打数無安打に封じ込まれ、開幕7戦目で初めて安打なしに終わった。球団の外国選手史上初となる開幕から2試合連続本塁打を放つなど、2014年のアンダーソンが残した球団の外国人記録に並ぶ開幕6試合連続安打をマークしたが、記録更新とはならなかった。それでも、打率・379と依然ハイアベレージを記録している。

◆阪神が今季初めての伝統の一戦を制し、引き分け挟む連敗を3でストップした。一回、森下翔太外野手(24)の犠飛で先制すると、同点となった三回には大山悠輔内野手(30)と坂本誠志郎捕手(31)の適時打で勝ち越しに成功する。七回にも木浪聖也内野手(30)の走者一掃の二塁打が飛び出し、八回には佐藤輝明内野手(26)の適時打で勝負あり。今季初の先発野手全員安打をマークする13安打7得点の猛攻で巨人を圧倒した。投げては先発した村上頌樹投手(26)が7回1失点で2連勝。一回に適時打で東京ドーム初となる自責点を喫したが、二回以降は好調の巨人打線をシャットアウト。昨季の覇者との大事な初戦で6三振を奪う好投でチームの連敗を止めた。

◆七回、阪神・木浪聖也の3点二塁打に身を乗り出し、拳を握る藤川球児監督=東京ドーム(撮影・今野顕)

◆阪神が今季初の伝統の一戦を制し、引き分けを挟む連敗を「3」で止めた。7得点&13安打は、いずれも今季最多。村上頌樹投手(26)は7回1失点で開幕2連勝。

◆巨人は3連勝ならず。エースの戸郷翔征投手(25)が3回7安打3失点で負け投手になり、阿部慎之助監督(46)は「ちょっと、いろんな...。勉強させてもらいました。多分、(相手が)クセが全部分かっていたから。あれじゃあ、バッピ(打撃投手)になっちゃうから。スチールもそう」と危惧した。25歳の誕生日に先発した戸郷だったが毎回得点圏に走者を背負い、同点の三回は4安打と1四球に盗塁も絡められて2失点。反撃態勢に切り替えた指揮官に三回先頭の打席で代打を送られた。戸郷は2年連続の開幕投手を務めた前回3月28日のヤクルト戦(東京ドーム)での5回4失点に続く乱調。投球に対しても「打たれている球は甘いっちゃ、甘いけどね、初回から(球速が)142、3じゃあ、相手も『きょう全然よくないんじゃないか』と思うはず。そういう綻びが出たかな」と悩ましい表情だった。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)は一回無死一塁への阪神・中野拓夢内野手(28)のエンドラン成功に言及した。リーグ屈指の投手である戸郷だが、開幕戦も中盤から崩れた。この日は立ち上がりから明らかに調子が良くなかった。そこを早い段階で見極めて、足を絡ませた攻撃を見せた阪神ベンチは見事だった。一回無死一塁から中野の打席でエンドランのサイン。これが決まって一、三塁となり、先制点に結びつけた。戸郷の球は、真っすぐもフォークボールも甘いコースに入ってくる。ベンチとしては一番エンドランをかけやすくなる。荒れ球で制球が乱れる投手なら、仕掛けにくいのだが、好投手ゆえにストライクゾーンにくるところを、うまく利用した。エンドランは調子の良くない選手の打席で出す方が効果的。調子が悪い打者はバットが出にくい。サインで強引にバットを出す状況を作ると、積極性を取り戻せるのだ。中野の打席を見ていると、どんどん内容が良くなってきている。もう心配はいらない。クリーンアップ3人がそろって打点を挙げたことも明るい材料。特に三回は3番、4番が倒れても大山が返した点を評価したい。理想的な点の取り方だった。

◆阪神が今季初の伝統の一戦を制し、引き分けを挟む連敗を「3」で止めた。戸郷翔征投手(25)を攻め、一回に森下翔太外野手(24)の中犠飛で先制。三回には大山悠輔内野手(30)、坂本誠志郎捕手(31)の適時打で2点を追加。七回は「満塁男」木浪聖也内野手(30)の走者一掃二塁打で3点を加え、八回の佐藤輝明内野手(26)の右前適時打がダメ押しとなった。7得点&13安打は、いずれも今季最多。村上頌樹投手(26)は7回1失点で開幕2連勝。八回に登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は三者凡退に抑え、6点差の九回は石井大智投手(27)が締めた。2戦連続3失点で防御率23・14のハビー・ゲラ投手(29)が登録抹消となり、渡辺諒内野手(29)が昇格した。

◆阪神が今季初の伝統の一戦を制し、引き分けを挟む連敗を「3」で止めた。戸郷翔征投手(25)を攻め、一回に森下翔太外野手(24)の中犠飛で先制。三回には大山悠輔内野手(30)、坂本誠志郎捕手(31)の適時打で2点を追加。七回は「満塁男」木浪聖也内野手(30)の走者一掃二塁打で3点を加え、八回の佐藤輝明内野手(26)の右前適時打がダメ押しとなった。7得点&13安打は、いずれも今季最多。村上頌樹投手(26)は7回1失点で開幕2連勝。八回に登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は三者凡退に抑え、6点差の九回は石井大智投手(27)が締めた。2戦連続3失点で防御率23・14のハビー・ゲラ投手(29)が登録抹消となり、渡辺諒内野手(29)が昇格した。

◆巨人・岡本和真内野手が七回に左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、開幕から7試合連続安打とした。奈良・智弁学園高の後輩、阪神先発の村上が投じた112キロのカーブに泳がされながらもミート。打率・375と好調な4番は「(安打は)出ないよりは出た方がいい」とチームが敗れただけに言葉少なだった。

◆エースへのマークは厳しさを増す。巨人は戸郷翔征投手が25歳の誕生日に先発したが、3回7安打3失点で降板し、今季初黒星。2年連続2度目の開幕投手を務めた3月28日のヤクルト戦(東京ドーム)の5回4失点に続く乱調で、もどかしさを口にした。「自分の理想の球とかけ離れていた。(3回で)代えられるような出来。2試合投げて、まだ収穫がないのは懸念点」三回先頭での打席で代打を送られると、いらだちを募らせたのかタオルを乱暴に置くなど、珍しく悔しさをあらわにした。昨季は150キロ前後を計測した直球は140キロ台前半が多く、この日は146キロが最速だった。阿部監督は「多分(相手は)癖が全部分かっていた。あれじゃあ打撃投手だよね。スチールもそう。相手のも大事だけど自分の研究もしてほしい」と、球種やけん制の癖を見抜かれた可能性を指摘。3年連続で12勝を挙げ、若くしてエースの重責を担う戸郷は「プロ野球の難しさを毎年感じます」と、試練と向き合っている。(谷川直之)

◆七回に阪神・木浪聖也内野手(30)の鋭い打球が左翼線で弾むと、何度も何度もガッツポーズをつくり、ほえた。あふれ出た藤川球児監督(44)の感情。全員野球でつかんだ、指揮官としての伝統の一戦初勝利だ。「ジャイアンツさんとの初戦。きょうが始まりなので、どういったチームかを示さなければいけないという意味では、みんな素晴らしい活躍だったと思います」三回までに相手エースの戸郷を攻略。3―1から渇望した次の得点で勝負を決定づけると、胸に秘めていた闘志が噴出した。球団創設は阪神が90年目で、巨人は91年目とライバルとして歩み続けてきた。オレンジ色の戦闘服を前にすれば、自然と体に力が入る。「先人たちの思いがありますから。そこは監督をしている以上は当然のこと」。使命感の湧く初戦ではエースも4番も結果を残し、今季最多の13安打7得点で圧倒した。「ジャイアンツさんも強力な打線と投手陣ですから、どちらが上回るかということは、その日を迎えてみなければ、分からないですけど、しっかりと立ち向かいたい」目の前の相手とも、伝統とも向き合い、タクトを振る。(須藤佳裕)

◆阪神・森下翔太外野手(24)のバットが快勝への口火を切った。一回1死二、三塁で先制中犠飛。「チカ(近本)さんと(中野)拓夢さんでいい形を作ってくれたのでとにかく先制したかった。ヒットでかえしたかったけど、最低限犠牲フライになって良かった」。七回には詰まりながらも安打を放ち、打率・321。新4番が上々の滑り出しだ。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)が2安打2盗塁と大暴れ。相手捕手は〝甲斐キャノン〟と称される新戦力だったが一、三回に二盗を決め「あれだけ捕ってから速くて正確性もある捕手から盗塁を2つ決められたことは、もっともっと自信にして、さらに積極的にいけるようにしたい」と向上心を示した。2021年の盗塁王にとって、1試合2盗塁は22年6月26日の中日戦(甲子園)以来。「(積極的な)イメージを与えるだけでも今後の戦いに効いてくる」と本来の姿を見せつけた一戦から、さらに加速する。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)阪神・佐藤輝明内野手(26)が攻守で勝利に貢献した。5点リードの八回2死二塁で右前に運んで、二走の近本光司外野手(30)が生還。「チカ(近本)さんがよく走ってくれたと思います」。6打点は木浪、牧(DeNA)、キャベッジ(巨人)と並んでリーグトップだ。五回には甲斐の三塁線へのライナーを好捕。「(守備は)いい動きが出てているんで。継続してやっていきたい」と声を弾ませた。

◆阪神D1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は智弁学園の先輩、村上頌樹投手(26)からバトンを受け、八回から2番手でG戦初登板。「村上さんの後だったというのもありますし。もちろんチームが勝つことが一番なので、そのために自分のベストを尽くせたかなと思います」と三者凡退に抑え、今季4試合で5回?を投げ、無失点を継続。「とにかく一人一人抑えることしか考えていない。結果的にそれが3人で終わっているだけで、それがランナーがいる状況であろうが変わらない」と涼しい顔だった。

◆頼れるアニキ打!! 阪神は巨人に7―2で快勝し、引き分けを挟んだ連敗を3で止めた。三回に大山悠輔内野手(30)が決勝打を放ち、今季初めての伝統の一戦で勝利に導いた。3番・佐藤輝、4番・森下が凡退した後に勝負強さを発揮し、昨オフにFA宣言時にラブコールを受けた宿敵に力を示した。打線のド真ん中でにらみを利かせる仕事人が、藤川虎を高みへと押し上げる。生涯阪神を決断した意味を東京ドームで示した。虎のクリーンアップの最後には大山がいる。自身の価値を示す一打で今季初の伝統の一戦を制し、チームの連敗を3で止めた。「とにかくランナーをかえすだけですね。ここまで思ったバッティングができてないんですけど、チャンスになればしっかりランナーをかえすっていうのが仕事なので」1-1の三回。先頭の中野が左前打で出塁し、この日2つ目の盗塁を成功させる。だが、3番・佐藤輝が空振り三振、4番・森下は三邪飛と続けて凡退。嫌なムードが漂う中、打席には背番号3。カウント1―2から戸郷の直球を中前にはじき返し、勝ち越し点をたたき出した。試合の流れをグッと引き寄せ、左翼スタンドのファンを沸かせた。岡田阪神では4番を担ったが、藤川監督の就任早々から「5番」を言い渡された。春季キャンプ中には前を打つ若い2人に対して「いい意味で好きなようにやってもらいたい。自分のことだけを考えてやれるように、僕はその後ろに座るっていうことだと思うので、そのためにはもちろん成績を残さないといけない」と思いを語った。その宣言通りの一打で後輩2人を救ってみせた。30歳の大山だが、上から数えた方が圧倒的に早いほどチームは若い。「いつどこで見られているかわからないっていうような緊張感を持って常に過ごしたいなと思っています」と自覚は十分。新外国人のヘルナンデス(前メキシカンリーグ)らがなじめるようにコミュニケーションを取るなど、周りに目を光らせている。

◆衝撃の投球を披露し、日本球界にその名を知らしめたマウンドでチームの連敗を止めてみせた。阪神・村上頌樹投手(26)が強力巨人打線を相手に7回5安打1失点。わずか88球の省エネ投球で先発としての役目を果たし、指揮官とがっちり握手を交わした。「1点取ってもらっていたので、楽に投げられた。1点取られても同点っていう形で切り替えて投げられたので良かった」2023年4月12日に当時未勝利だった村上が7回完全投球を披露した舞台。同年8月25日でも6回無得点に抑えて以来、588日ぶりのマウンドだった。1-0の一回。先頭の若林に二塁打で出塁されると、1死から吉川に左翼線への適時二塁打で同点に追い付かれた。東京ドームでは通算14イニング目での初失点。それでも続く岡本を遊ゴロ、ヘルナンデスを三直に仕留めて最少失点でピンチを脱出。七回には1死一、三塁を無失点に切り抜け「球場が狭い中でしっかりインサイドに投げ切れた」とうなずいた。これで巨人戦は通算4試合登板で2勝0敗、防御率0・67だ。前回登板の3月28日、広島との開幕戦(マツダ)で九回途中無失点、自己最多135球の熱投を見せた右腕。エースとしての活躍が期待される男が苦境のチームを救った。前カードのDeNAとの3連戦(京セラ)で、先発した3投手が六回までに降板。週の前半から中継ぎ陣の負担が大きくなっている中、テンポのいい投球で7回を投げ切った。「今はリリーフの方々に迷惑がかかっているけど、2巡目からは先発陣が頑張って、少しでも休めればいい」

◆虎の満塁男は今季も健在だ。3-1の七回2死満塁。木浪が左翼線へ走者一掃の二塁打。藤川監督が珍しくガッツポーズがするほどの一打だった。「全員で回してくれたので。なんとか打って点数を取ろうと思った。しっかり結果が残ってよかった」三回に奪った2点リードのまま迎えた七回だ。2死一、三塁から前川が四球を選び、満塁男が登場。3番手・堀田の146キロ直球をはじき返すと、打球は左翼線へ。「もう打った瞬間でした」。手応え十分の一打で駄目押しの3点を刻んだ。今季6打点はリーグトップタイだ。近年は満塁機でめっぽう強い。リーグ制覇&日本一になった2023年は打率・444(18打数8安打)、1本塁打、19打点。昨季は打率・471(17打数8安打)、16打点をマーク。今季は2日のDeNA戦(京セラ)の同点の六回に一時勝ち越しとなる押し出しの四球を選んだ。この日の3点二塁打を合わせて2打席で打率10割、4打点だ。

◆「2025伝統の一戦」第1ラウンドは、文句のつけようのない快勝だった。やっぱり阪神vs巨人、TG決戦は勝つと気分が違う。他のカードより何倍もうれしい。まだ、伝統の一戦の意味もよく分かっていないピヨピヨ記者時代のこと。「どうや、ことし最初の巨人戦の雰囲気は? 違うやろ?」と怖そうな(イヤ、ホントに怖かった)先輩記者から尋ねられた。「はい、違います」そう答えないと、殴られそうな雰囲気が漂っていた。強制的に「特別なもの」と思い込まされて、ウン十年。嫌というほど伝統の一戦を見て、気が付けば、後輩記者に強要している自分がいる...。--どうや、東京ドームの雰囲気は? 他のカードとは違う何かを感じるやろ?トラ番キャップ・須藤佳裕に上から目線(?)で尋ねてみたが、満足な回答は返ってこない。「どうなんでしょうね。まだ、始まったばかりですし」--きのう(3日)までと、何も変わってないとは言わせないぞ?「変化といえば、残念ながらゲラの姿がありません」こちらが求めているのは、そういう答えではないのだが。--開幕直後の東京ドーム決戦は、桜の季節。気分を高めてくれるやろう。キレイだったか?「エッ? どうだったかなぁ。見てないです」--移動の新幹線の車中から見えただろ? 桜は日本人の心やぞ。「実はボクは新幹線は自由席派でして。ところが、のぞみ号は最近、自由席が3両から2両に減って、超満員で。仕方なく満員のデッキで、自分のスーツケースに座って過ごしていたので、外の景色を見てないです。自由席愛用者は、自由席車両の減少が不満で...」全然、関係ない話になってしまった。そういう時代なんだろうか?巨人戦といえば、相手の監督が長嶋茂雄さんだったり、王貞治さんだったり。超有名な評論家が大挙詰めかけて、というのが巨人戦の記憶だ。

◆ありがたやー!! ありがたやー!! 皆の衆、猛虎村90周年を祝いに村神様(村上)が再来してくださったぞ~!! 早速、その御利益で先発野手全員安打の13安打7得点、ありがたやー!!七回、うさぎ村(巨人)を蹴散らす、満塁男木浪に走者一掃のタイムリーツーベース、ありがたやー!!一昨年にMVPの村上が、昨年はちょっと一休み(7勝)だったけど、今季は開幕の広島戦で完封寸前の0点ピッチング。そして本日、強い強いという巨人相手に7回1失点! 勝ち星もうれしいけど、巨人だってきちんと投げればガハハ...。こんなもんや!!と証明してくれたのが、他5球団にはデカイのだ。と、言いつつ...。実はオレ、八回に佐藤輝のタイムリーで6点差に広がるまで内心ハラハラドキドキでした~。だって、巨人はヤクルトとの開幕戦の八、九回で5点ビハインドを追いつき、延長でサヨナラ勝ちしたんじゃないの(怖~)さ、巨人との第2戦。プレッシャーをかけるようだけど先発の富田、この試合で勝利投手になったら、この先のプロ野球人生ガラリと変わるでェ!!

◆開幕前の順位予想で1位(阪神)、2位(巨人)と推した両チーム。しかもエース対決。どんな展開になるかと思ったら...。なんといっても、戸郷が悪すぎたね。原因はズバリ、セットポジションから投げるタイミングがすべて、一緒になっているからだ。グラブをベルトの前で構え、顔のあたりまで上げて、すぐに投げてしまう。もともと肩に力があり、ただでさえ手投げ気味になるタイプ。気負って、投げ急ぐから余計、手投げになって、真っすぐがシュート回転し、抜け球も増える。メジャーリーグのように「ピッチクロック」があるわけではない。そんなに焦って投げる必要などないだろう。村上も立ち上がりに失点したけど、タイミングをうまくズラして、二回以降は打者を寄せ付けなかった。その差だよ。エモトが知る限り、走者がいようがいまいが、同じタイミングで投げていたのは、江夏豊だけ。戸郷が江夏になるにはまだ、早い。まあ、原因は明らかで、ビデオを見ればわかるので、すぐに修正できるはず。フォームにひとタメ、ふたタメ、入れてみよう。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
520 0.714
(↓0.119)
-
(-)
13632
(+2)
18
(+7)
4
(-)
4
(-)
0.303
(↓0.019)
2.290
(↓0.79)
2
(-)
DeNA
421 0.667
(↓0.133)
0.5
(-)
13627
(+2)
19
(+8)
4
(+1)
4
(-)
0.229
(↓0.011)
2.630
(↓0.89)
3
(-)
阪神
331 0.500
(↑0.1)
1.5
(↑1)
13623
(+7)
24
(+2)
3
(-)
6
(+2)
0.228
(↑0.023
3.320
(↑0.22)
4
(1↓)
ヤクルト
231 0.400
(-)
2
(↑0.5)
13714
(+1)
26
(+1)
1
(-)
1
(+1)
0.190
(↓0.021)
3.650
(↑0.78)
5
(1↑)
広島
240 0.333
(↑0.133)
2.5
(↑1)
13716
(+8)
17
(+2)
2
(-)
0
(-)
0.234
(↑0.024)
2.530
(↑0.52)
5
(-)
中日
241 0.333
(-)
2.5
(↑0.5)
1369
(+1)
17
(+1)
0
(-)
2
(-)
0.207
(↓0.008)
1.970
(↑0.45)