広島(☆2対0★)阪神 =リーグ戦3回戦(2025.03.30)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:森 翔平(1勝0敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝0敗1S))
敗戦投手:門別 啓人(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆広島は両軍無得点で迎えた4回裏、菊池の犠飛で1点を先制する。そのまま迎えた5回には、1死一二塁から田村の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・森が8回途中2安打無失点の力投で今季1勝目。敗れた阪神は、打線が2安打無得点と沈黙した。

◆阪神は3連勝がかかった開幕3戦目。高卒3年目左腕の門別啓人投手(20)が、プロ初勝利を目指し、先発マウンドに上がる。打線は梅野隆太郎捕手(33)が、今季初のスタメンマスクで、7番に入った。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が、今季初の「梅ちゃんバズーカ」を披露した。3回無死一、二塁の1ボールから、先発門別啓人投手(20)が投じた2球目の判定はボール。飛び出していた二塁走者の広島森を梅野がけん制でアウトにした。

◆開幕から3戦連続安打を記録した広島秋山翔吾外野手(36)が5回表の守備から交代となった。開幕から3戦連続で「5番中堅」で先発出場した秋山は2回に左前打を放ち、開幕から3試合連続安打とした。さらに4回は再び先頭打者として12球投げさせて四球。続くファビアンの中前打で三塁を陥れると、菊池の左飛でタッチアップして先制のホームを踏んだ。広島は正捕手の坂倉が離脱している。

◆阪神門別啓人投手(20)が、5回途中8安打2失点でプロ初勝利とはならなかった。3回までに63球を要するなど、粘られながらの投球。4回に無死一、三塁のピンチを背負うと、7番菊池の左犠飛で先制点を献上した。続く5回は3番小園、4番モンテロに連打を浴びて1死一、二塁。球数が111球に到達し、マウンドを降りた。2番手の石黒佑弥投手(23)が、途中出場の広島田村に左前適時打を浴び、二塁走者が生還。追加点を許した。門別は直球をファウルで粘られる場面も多く、3回の1番二俣には11球、4回の5番秋山には12球を投じ、四球を与えた。球数は自己最多となった。門別は「慎重になりすぎた部分もあって、カウントの浅いうちの変化球をいいところに投げてしまい、追い込んでから決めきれず球数が増えてしまいました。毎回ランナーを出してしまいましたが、ストレートで押せたり、粘り強く投げていけたところはよかったと思います。今日出た課題をしっかり修正して次回頑張ります」とコメントした。

◆不運なヒットでピンチを招いた。7回2死から、3番手で2イニング目の伊原陵人投手(24)が投じた9球目。広島の3番小園の打球は左翼への飛球となったが、風の影響か、前川右京外野手(21)が捕球できず、小園は二塁に到達した。一時は失策と判定されたが、訂正され、左翼への二塁打となった。不運な形でピンチを背負ったドラフト1位左腕だったが、動じずに、4番モンテロを空振り三振でピンチ脱出。プロ初登板を2回無失点で飾った。

◆阪神ドラフト1位伊原陵人投手(24=NTT西日本)がプロ初登板を安堵(あんど)の表情で振り返った。「ずっと1戦目から準備はしていましたし、気持ちも、プレー的にも整えてた部分があった。ポッと『行け』と言われたタイミングで行ける準備をしていたのが、いい感じで出たかなと思います」。2点ビハインドの6回に登板し、2イニングを1安打無失点。7回には2死から、風に戻された飛球が左翼手前にポトリ。不運な二塁打で2死二塁を招いたが、直後の4番モンテロをキッチリと空振り三振に仕留めた。デビュー戦で堂々の2回1安打無失点。「素直にホッとしている部分もありますし、まだまだだった部分もあったり。良かった点も反省する点もあるので、その反省点を次に生かすというところもある。いいところは引き続き次の登板に生かしていくのも大事。そういう登板になったかなと思います」と振り返った。

◆阪神が完封負けを喫し、開幕カード3連勝はならなかった。勝てば23年以来だったが、敵地では21年以来だったが、それでも敵地で開幕カード勝ち越し。藤川球児監督(44)は「まだ始まったばっかりなので。本拠地に戻って、またたくさんのタイガースファンの前で火曜日からゲームできるので、選手たちも心強くまたスタートしていきます」と前向きに話した。次は4月1日のホーム開幕戦、DeNA戦(京セラドーム大阪)に臨む。先発の高卒3年目左腕、門別啓人投手(20)が、5回途中8安打2失点とでプロ初勝利とはならなかった。4回に無死一、三塁のピンチを背負うと、7番菊池の左犠飛で先制点を献上。続く5回1死一、二塁で、球数が111球に到達したところで降板。2番手石黒も田村に初球を捉えられ、左前適時打を浴び追加点を許した。打線は広島先発の森を前に沈黙。5回までに出塁したのは、3回1死から左前打を放った木浪のみ。6回2死から近本が四球、7回先頭で佐藤輝が四球を選ぶも、好機を広げることはできなかった。それでも6回にデビューとなった、ドラフト1位ルーキー伊原陵人投手(24=NTT西日本)が、2回1安打無失点2奪三振の好投と明るい材料もあった。門別について指揮官は「粘られながらでしたけど、しのぎながらいったんじゃないかなと思います」と話し、伊原については「彼がまずはきれいに立ち上がってくれたので、これでまたシーズン戦っていけるなという感じがします」と評価した。

◆阪神及川雅貴投手(23)が、母校横浜のセンバツ高校野球優勝に刺激を受けた。高校時代は3年間で3度甲子園に出場した左腕。大会期間中に休日があり、直接甲子園へ観戦にも訪れた。「右と左の2枚看板が一番の強みだと思いますし、打線も線になっているというか、1人1人の能力が高い。守備も、自分が見に行った試合も、サードが前にチャージをかけて、ランニングスローですごい安定して送球もできていた。本当に全部がすごい」と感激した様子だった。母校に負けじと「すごく刺激をもらっている。たまたま(優勝が決まった)今日も登板して、いいピッチングができたし、そこは継続して今シーズンやっていけたらいい」と力を込めた。この日は、8回に4番手として登板。今季初の連投で、先頭の広島田村にバットを折りながらの左前打で出塁を許すも後続を打ち取り、1回無失点で抑えた。「キャンプから先発調整をしていて、連投の機会もあまりなかったが、支障はなかった。開幕と同時にいいパフォーマンスになってきている。最後サードゴロになった球は、本当はもっときっちり投げなきゃいけない。結果的に抑えられたので、次に反省として、失投がないようにやっていけたらいい」と語った。

◆広島の秋山翔吾外野手(36)とエレフリス・モンテロ内野手(26=ロッキーズ)が阪神3回戦(マツダスタジアム)で負傷交代した。秋山は4回の走塁時に右足首を痛め、5回の守備から退いた。モンテロは7回の打席で左脇腹付近を痛めたとみられ、8回の守備から交代した。2選手とも31日に広島市内の病院で検査を受ける予定。新井監督は「トレーナーと話し合って経過を見たい」と話した。

◆4年目で初めて開幕ローテ入りした広島左腕の森が、8回途中無失点の好投でチームに今季初勝利をもたらした。4回まで1安打、わずか32球。先頭に四球を許した7回も、前日決勝2ランの森下を三ゴロ併殺に斬るなど無失点で切り抜けた。8回に死球と右前打で無死一、三塁のピンチを招いたところでお役御免。球数92球と余力を残して、勝ちパターンに託した。1回、先頭近本の左翼線への飛球をファビアンがダイビングキャッチした好守で乗った。力強い真っすぐでファウルを打たせながら変化球を効果的に織り交ぜた。試合前、オフに自主トレをともにしたカブス今永の初勝利を確認。「自分も続きたいなと思って投げた」と臨んだ。師匠に負けないパフォーマンスで25年の"同日初勝利"を手にした。新井監督も「どんどん腕を振ってゾーンで勝負できている。素晴らしい投球だった」とたたえた。

◆阪神3番佐藤輝明内野手が2戦連続無安打に抑えられ、くちびるをかんだ。広島先発森に初回は遊飛。4回の2打席目は空振り三振を喫した。7回には四球を選んだが、9回の最終打席は守護神栗林に見逃し三振を奪われた。開幕戦の1打席目で先制決勝2ランを放って以降は、11打席無安打7三振で打率は1割を切って9分1厘まで低下。「3連戦ともそうですけど、なかなか打てるところにはこない。何とか打ちたいなと思います」と切り替えていた。

◆阪神梅野隆太郎捕手が悔しさをにじませた。7番捕手で今季初出場。2点を追う8回無死一塁では広島先発森から右前打を放ち、無死一、三塁の好機をつくった。「2連勝のいい形できて、やるべきことを全うしようと臨んだ。負けたことが悔しい。チームの軌道に乗っていけるように、個人としても頑張りたい」。門別について「粘り強く投げてくれた。1勝させてあげたい」と話し、伊原には「落ち着いてやってくれた。ナイスピッチング」とたたえた。

◆広島は新外国人2選手に来日初安打が生まれるなど、打線が2桁11安打とつながった。3回まで毎回安打を記録しながら得点を奪えなかったが、4回無死一、三塁から菊池の左犠飛で先制。5回無死一、二塁では、途中出場の田村俊介の左前適時打で加点した。今季チーム初タイムリーの田村は「ここは打つしかないと思って。冷静になるところは冷静になって行けたのでよかった」と勝利貢献を喜んだ。

◆阪神の2番中野拓夢(28)が4打数無安打でスタメンでただ1人、開幕3連戦で無安打に終わった。2点を追う9回の先頭で、広島栗林の前に遊ゴロで倒れるなど11打数無安打。オープン戦では12球団2位の打率3割4分2厘と好調だったが、突然のブレーキとなった。切り替えるしかないか、と問われると「それしかないでしょう」と前を向いた。藤川監督も「それは結果ですからね。1つ1つリスタートというか、1日1日と言ってますから」と責めなかった。

◆広島は先発森の好投もあり、今季初勝利を手にした。4回に菊池の犠飛で先制すると、5回には途中出場の田村が今季チーム初となる適時打で加点。8回無死一、三塁から登板したハーン、栗林の継投で2点のリードを守り抜いた。初勝利の裏で秋山とモンテロが負傷交代した。

◆阪神は2年ぶりの開幕3連勝はならなかったが、藤川球児監督(44)が悲観することはなかった。先発の高卒3年目左腕、門別啓人投手(20)が5回途中8安打2失点でプロ初勝利はまたもお預け。打線も広島先発森らに2安打に抑え込まれて完封されたが指揮官は前を向いた。敵地でのカード勝ち越しというポジティブ要素を持って、ホーム開幕となる4月1日からのDeNA3連戦(京セラドーム大阪)で出直しを期す。初の完封負けでチーム2年ぶりの開幕3連勝はならなかった。虎の新人指揮官では、04年岡田監督以来の敵地開幕3連勝もついえた。それでも藤川監督は悲観することなく、プラスの要素を見いだした。「負けは負けですけど、形的にはチャンスはあったんじゃないかなと思います」。後ろを向くことはなかった。0-2で迎えた8回。先頭の前川が死球で出塁し、梅野の右前打で無死一、三塁の絶好機をつくった。「8回のいいところでハーン投手が出てきて、うまくやられたなというところがありましたけど。あそこのチャンスまで待っていた。2-0でゲームが生きた状態できていましたから」。ハーンの力投と相手の好守備に阻まれたが、最後まで諦めずに逆転の好機をつくったことに手応えがあった。先発はキャンプからの実戦7試合で、防御率0・00を誇った高卒3年目左腕の門別に託した。0-0の4回無死一、三塁。菊池の左犠飛で25年8戦目にして初自責の先制点を与えると、ファウルで粘られる場面も続き、球数は自己最多111球に到達した。5回途中8安打2失点。援護なく黒星を喫し、プロ4度目の先発でも初勝利をつかめなかった。背番号30は「変化球を低めにいきすぎてしまったり、自分から苦しくなっている感じだった。そういうところをしっかり反省しないといけないと思います」と猛省した。それでも指揮官は試合の流れを完全には渡さなかったことを評価。「粘られながらでしたけど、しのぎながらいったんじゃないかな」とねぎらった。負けを悔やんでばかりいても仕方ない。この日もドラフト1位ルーキー伊原の好投などポジティブな要素もあり、何より敵地で開幕連勝し、カード勝ち越しは決めている。藤川監督も前だけを見つめた。「始まったばかりですからね。また京セラからですね。本拠地に戻って、またたくさんのタイガースファンの前で火曜日からゲームできるので、選手たちも心強くまたスタートしていきます」。月も替わる4月1日から、DeNAを迎えてホーム開幕3連戦。満員のファンを味方に、昨季の日本一軍団を倒して再び勢いに乗る。【磯綾乃】

◆阪神は2年ぶりの開幕3連勝はならなかったが、藤川球児監督(44)が悲観することはなかった。先発の高卒3年目左腕、門別啓人投手(20)が5回途中8安打2失点でプロ初勝利はまたもお預け。打線も広島先発森らに2安打に抑え込まれて完封されたが指揮官は前を向いた。敵地でのカード勝ち越しというポジティブ要素を持って、ホーム開幕となる4月1日からのDeNA3連戦(京セラドーム大阪)に臨む。阪神藤川監督の主な一問一答は以下の通り-門別はなかなか決めきれない部分もあった「粘られながらでしたけど、しのぎながらいったんじゃないかなと思いますね」-伊原は初登板で持ち味を出せた。「そうですね。シーズン長いですから、しっかりといい結果でまた次を迎えると思います」-テンポのいい投球はビハインドで投げる投手に求められる要素か「あんまり関係ないです。ビハインドとか、勝ってる負けてる状態とか気にせずに、彼がまずはきれいに立ち上がってくれたので、これでまたシーズン戦っていけるなという感じがしますね」-広島先発森がいいピッチングで絞りづらさも「始まったばかりですからね。また京セラからですね」-積極的に仕掛けてる印象を受けたが、結果はともわなくても、やりたいようにできているか「まあ全部がね、そういうふうにはいかないです。8回のいいところでね、またハーン投手が出てきてね、うまくやられたなというところがありましたけど。あそこのチャンスまで待っていたというね、2ー0で来られてましたので、そのあたりも含めてゲームが生きた状態で来てましたからね。負けは負けですけどね、形的にはチャンスはあったんじゃないかなと思いますから。また京セラ戻ってですね」-始まったばかりだが、中野のバッティングの現状は「それは結果ですからね。また火曜日から、何度も言いますけど、1つ1つリスタートというかね、1日1日と言ってますから、また火曜日からですね」

◆前日逆転2ランを放った阪神4番森下翔太外野手(24)も4打数無安打に抑え込まれた。左腕森に対しては、3球目、初球、3球目と積極的に勝負を仕掛けた。「コントロールよく投げるので、早めのカウントから狙っていました」。今季初黒星に落ち込むことはなかった。「始まったばかりなので、2連勝したことが大きいと思う。2連勝すれば心の余裕ができるので、そういう形でやりたい」と切り替えていた。

◆小さな巨人が大きな1歩を踏み出した。阪神ドラフト1位左腕の伊原陵人投手(24)が、プロ初登板で2回を1安打無失点。上々の1軍公式戦デビューを飾り、敗戦の中で光り輝いた。威風堂々、マウンドに立った身長170センチの背中が大きく見えた。「自分は自信を持って投げないといけないタイプ。そのための準備をしてきました」。終始、プロ初登板とは思えない落ち着いた表情で、テンポよく両コーナーを突いた。0-2の6回からの3番手。菊池、石原を内野ゴロに抑え、森は143キロの外角直球で見逃し三振に斬った。7回も簡単に2死を奪い、小園も左飛で完全デビューかと思いきや、前川が目測を誤って二塁打に。それでも動じず、続く4番モンテロをフォークで空振り三振に仕留め得点を与えなかった。「必要なところで絶対出番がくると思っていた。良い緊張感の中で投げられた」と納得の表情だ。伊原はドラフト指名直後から「ゼロへのこだわり」を口にしてきた。「勝ち星や防御率を残したい思いはもちろんある。でもとにかくゼロに抑えることを大事にしていきたい」。原点は高校時代の苦い記憶だ。母校智弁学園(奈良)の恩師、小坂将商監督(47)は当時の伊原を「勝負弱い投手」と表現する。「僕からしたら勝ち運がない。3年のセンバツは行きましたけど、2年夏も3年夏も県大会で天理に負けましたからね」。伊原も「精神的にしんどい3年間」と振り返る。0で抑えれば負けない。勝負強い投手を目指し大商大、NTT西日本ではチームを全国大会へ導いた。あの夏の悔しさを糧に1軍初登板でも躍動した。「良かった点もあったけど、反省点を次に生かしていきたい」と早くも前を向いた。藤川監督も「しっかりといい結果でまた次を迎えると思います」と左腕への信頼を深めた。「阪神のドラ1」という重責に負けず、プロ初登板という節目のマウンドで勝負強さを発揮。背番号18への期待がますます高まる。【山崎健太】伊原陵人(いはら・たかと)2000年(平12)8月7日生まれ、奈良県出身。智弁学園3年春の甲子園に出場し、初戦(2回戦の)の日大山形戦は5回2失点で勝利投手。3回戦の創成館(長崎)戦は9回途中1失点と好投したが敗れた。2学年上に阪神村上頌樹らがいる。大商大ではリーグ戦15勝1敗、防御率0・91でドラフト候補に上がったが指名漏れ。NTT西日本を経て、24年ドラフト1位で阪神入団。契約金1億円、今季年俸1600万円(推定)。170センチ、77キロ。左投げ左打ち。座右の銘は「負けられません、勝つまでは」「初志貫徹」。▽伊原の恩師、智弁学園・小坂将商監督 練習中だったので結果だけ見ましたが2回27球、良かったと思います。高校時代からマイペース。一見何も考えていないように見えますが、そこが良いところでもあります。(同校OBで開幕投手の)村上も良かったですね。前川も含めて、教え子がそろって頑張ってくれているのはうれしいです。伊原はまず任されたところで、頑張っていってほしいです。

◆阪神石黒佑弥投手(23)が、今季初登板で悔しさをにじませた。5回1死一、二塁から、先発の門別啓人投手(20)にかわって登板。初球から、広島田村に左前打を浴び、二塁走者が生還。一塁走者は走塁死で、続くファビアンは空振り三振に抑えた。「ああいう場面で投げさせてもらって、走者がいてもゼロ点で抑えないといけない場面で、ああいう形で点をとられてしまったので、とても悔いが残る場面だった」と反省一色だった。プロ2年目で、初の開幕1軍入りをつかんだ右腕。「戦力として見られるような選手にならないといけないなと改めて感じました。監督の期待に応えられるような投球をしないと、生き残れないと思う。しっかり意図をくみ取って、自分の投球につなげられるようにしたい」と力を込めた。

◆7回2死から、3番手で2イニング目のドラフト1位伊原陵人投手(24)が投じた9球目。広島の3番小園の打球は左翼への飛球となったが、前川右京外野手(21)が捕球できず、小園は二塁に到達し、二塁打となった。風が強く吹き付ける中だったが、前川は「とらなくちゃいけないので、ちゃんととれるように練習します」と反省した。この日は8回先頭で、背中付近に当たる死球も合ったが、「大丈夫です」と答えた。開幕カードの3連戦では10打数3安打の打率3割で1打点。「バッティングに関しては、よくないなりにまだできていると思う。ここから落ちたら上がるしかないと思うので、キッチリ調整して、上げていけるように頑張ります」と力を込めた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。開幕2連勝を収めた阪神は、高卒3年目の門別啓人投手(20)がプロ初勝利をかけて先発する。今春の実戦では米カブスを相手に5回完全投球を披露するなど、防御率0.00の成績を残した左腕。プロ初登板を果たした広島のマウンドで、初白星をつかむ。打線は28日に佐藤輝明内野手(26)、29日に森下翔太外野手(24)がそれぞれ決勝2ラン。中軸のバットで2023年以来の開幕3連勝を狙う。

◆阪神の先発・門別啓人投手(20)が立ち上がりを無失点で切り抜けた。自身初の開幕ローテをつかみ、チームの3連勝をかけて臨んだマウンド。一回から粘り強さを見せた。1死から安打と四球で一、二塁のピンチを背負うも、4番・モンテロを簡単に追い込み、最後は低めへの変化球。ひっかけた遊ゴロ併殺に打ち取った。プロ3年目、4度目の先発での初白星に向け、上々の立ち上がりを見せた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)が門別啓人投手(20)を救った。両軍無得点の三回。門別は先頭の投手・森に中前打、二俣に四球で無死一、二塁のピンチとなる。続く矢野への2球目。低めの変化球をバントの構えから投球を見送った際、二塁走者の森が飛び出す。これを梅野がすかさず矢のような送球でタッチアウトにした。この後再び安打などで2死一、三塁となるも、ここは門別が踏ん張ってモンテロを右飛に。バッテリーの粘りで、失点を許さなかった。

◆広島の新外国人、サンドロ・ファビアン外野手(27)=前レンジャーズ傘下=に待望の来日初安打が飛び出した。四回無死一塁で阪神先発・門別が投じた外角141キロ直球をとらえ、中堅右へ。9打席目でHランプを灯し、マツダスタジアムの広島ファンからも大歓声が起こった。左翼守備でもファインプレーを披露。一回に先頭打者、近本が放ったライナー性の打球をダイビングキャッチ。期待の新助っ人が攻守に輝きを見せた。

◆阪神の先発・門別啓人投手(20)が四回に1点を失った。毎回走者を背負いながらもしのいできたが、四回先頭の秋山に粘られ、12球目で四球を出す。続くファビアンにも中前打でつながれ、無死一、三塁となり、菊池に犠飛を打たれて1点を失った。門別は今春30イニング目で初失点となった。この後も安打と犠打で2死二、三塁とされたが、二俣を三ゴロに打ち取り、最少失点で切り抜けた。広島の粘り強い攻撃の前に、4回まで90球を投げさせられている。

◆阪神の先発・門別啓人投手(20)は五回途中2失点。待望の初勝利とはならなかった。自身初の開幕ローテをつかみ、初白星をかけてプロ4度目の先発に臨んだ左腕。毎回走者を背負いながら、粘りの投球を強いられた。三回には2死一、三塁のピンチも、モンテロを右飛に。四回には四球と安打で無死一、三塁とされ、菊池の犠飛で先制点を失った。それでもそこから追加点は許さず。1軍で自己最多の111球を投げ、五回に連打で一、二塁とされたところで藤川球児監督(44)がベンチを出て交代となり、プロ初勝利は持ち越しに。その後2番手・石黒が適時打を浴び、門別は4回?を8安打2失点となった。

◆阪神のドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=がプロ初登板を果たした。0-2の六回に3番手としてマウンドに上がると、菊池を遊ゴロ、石原を二ゴロ、最後は森からプロ初の三振となる見逃し三振を奪って3者凡退に。ルーキーらしからぬ落ち着いたマウンドさばきで、広島打線を完璧に抑えた。

◆阪神の先発・門別啓人投手(20)は五回途中2失点。待望の初勝利とはならなかった。自身初の開幕ローテをつかみ、初白星をかけてプロ4度目の先発に臨んだ左腕。毎回走者を背負いながら、粘りの投球を強いられた。三回には2死一、三塁のピンチも、モンテロを右飛に。四回には四球と安打で無死一、三塁とされ、菊池の犠飛で先制点を失った。それでもそこから追加点は許さず。1軍で自己最多の111球を投げ、五回に連打で一、二塁とされたところで藤川球児監督(44)がベンチを出て交代となり、プロ初勝利は持ち越しに。その後2番手・石黒が適時打を浴び、門別は4回?を8安打2失点となった。「慎重になりすぎた部分もあってカウントの浅いうちの変化球をいいところに投げてしまい、追い込んでから決めきれず球数が増えてしまいました。毎回ランナーを出してしまいましたが、ストレートで押せたり粘り強く投げていけたところはよかったと思います。今日出た課題をしっかり修正して次回頑張ります」とコメントした。

◆広島は先発の森翔平投手(26)が八回途中まで投げ、2安打無失点で今季初勝利を挙げ、チームを今季初白星に導いた。一回から阪神打線を力強い直球と変化球で次々と打ち取り、ゲームを作った。打線は四回には先頭の秋山が四球で出塁し、新外国人のファビアン(前レンジャーズ傘下)が中前へ来日初安打。一、三塁と好機を拡大し、菊池の左犠飛で先制した。1点リードの五回には1死一塁から新助っ人の4番・モンテロ(前ロッキーズ)が左前へ来日初安打を放ち、両新助っ人に待望の一打が飛び出した。さらに1死一、二塁から田村が左前適時打。今季のチーム初適時打もマークした。リリーフ陣もハーン、栗林と盤石のリレーを披露した。

◆阪神は広島投手陣の前に抑え込まれ、今季初黒星。開幕3連勝とはならなかった。先発の門別啓人投手(20)は毎回走者を背負いながら粘りの投球を見せるも、四回に犠飛で先制を許す。五回にも1死一、二塁のピンチを招いたところで降板。あとを受けた石黒佑弥投手(23)が適時打を浴び、門別は五回途中2失点で初勝利とはならなかった。六回からはドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=がプロ初登板。デビュー戦でまずは六回に初三振を奪うなど三者凡退で走り出すと、七回は2死二塁を背負うも4番・モンテロを空振り三振で2回無失点。ドライチの力を見せつける初登板となった。打線は広島先発・森の前に八回途中までわずかに2安打。ハーン、栗林とつながれて零封負けを喫した。開幕カード3連勝とはならなかったが、4月1日からはDeNA3連戦。京セラで日本一チームを迎え撃つ。

◆九回1死、見逃し三振に倒れた阪神・佐藤輝明=マツダスタジアム(撮影・根本成)

◆阪神が2安打零敗で開幕3連勝を逃した。プロ初勝利を目指した門別啓人投手(20)が四回に犠飛で先制を許し、五回1死一、二の場面で降板した。4回?を投げて111球を要し、8安打1三振3四球。2番手石黒佑弥投手(23)が適時打を浴びたため、2失点だった。六回に登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は2回1安打2三振無失点。打線は28日の一回の開幕弾以来、出塁がなかった佐藤輝明内野手(26)が七回に四球で歩いたが森下翔太外野手(24)が三ゴロ併殺に倒れた。八回には無死一、三塁の好機を作ったものの、代打原口文仁内野手(33)が空振り三振に倒れた。中野拓夢内野手(28)は3戦無安打だった。藤川球児監督(44)の主な一問一答は以下の通り(観衆=3万1965人)。ーー門別は五回途中で交代「よく粘られながらでしたけど、しのぎながら行ったのではないかな、と思いますね」ーーある程度ゲームを作ることができた「もちろん。はい」ーー課題は次に生かしてもらえたら「そうですね、まだ始まったばかりなので。本拠地に戻って、また、たくさんタイガースファンの前で火曜日からゲームができるので、選手たちも心強く、またスタートをしていきます」ーー伊原はプロ初登板で持ち味を出せた「そうですね。シーズンは長いですから、しっかりと、良い結果で、また次を迎えると思います」ーーテンポのいい投球はビハインドで投げる投手に求められる要素「あまり関係ないです。ビハインドとか、勝っている、負けている状態とかは気にせずに。まずは彼がきれいに立ち上がってくれたので、またシーズンを戦っていけるなあ、という感じがします」ーー広島・森が好投した「始まったばかりですからね。また京セラからですね」ーー積極的な仕掛けはに結果は伴わずとも、やりたいようにできたか「まあ全部がね、そういうふうにはいかないです。八回のいいところでね、またハーン投手が出てきてね、うまくやられたな、というところがありましたけど。あそこのチャンスまで待っていたというね。0-2で来られていましたので、その辺りも含めてゲームが生きた状態で来てましたからね。負けは負けですけどね、形的にはチャンスはあったのではないかなと思いますから。また京セラに戻ってですね」ーーまだ始まったばかりだが、中野の打撃の現状は「それは結果ですからね。また火曜日から、何度も言いますけど、一つ一つリスタートというかね、一日一日と言っていますから。また火曜日からですね」

◆広島が今季初勝利を挙げた。先発の森翔平投手(26)が八回途中まで投げ2安打無失点で今季初白星。打線は新外国人、サンドロ・ファビアン外野手(27)=前レンジャーズ傘下=、エレフリス・モンテロ内野手(26)=前ロッキーズ=がともに来日初安打をマークした。

◆阪神の連勝が「2」で止まり、2安打零敗で初黒星を喫した。プロ初勝利を目指した門別啓人投手(20)が四回に犠飛で先制を許し、五回1死一、二の場面で降板した。4回?を投げて111球を要し、8安打1三振3四球。2番手石黒佑弥投手(23)が適時打を浴びたため、2失点だった。六回に登板したD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=は2回1安打2三振無失点。打線は八回、無死一、三塁の好機を作ったが代打原口文仁内野手(33)が空振り三振に倒れるなど無得点。佐藤輝明内野手(26)は開幕弾後、10打数無安打1四球で打率・091。主な選手のコメントは以下の通り(観衆=3万1965人)。3連戦を終えて前川右京 「バッティングに関しては、良くないなりに、まだできていると思うので、調整して上げていきたい」母校横浜高のセンバツ優勝に及川雅貴 「本当に、よくある言葉ですけど、本当にすごい刺激もらっている」11打数1安打に佐藤輝明 「3連戦ともそうですけど、なかなか打てる所に来ないなっていうのはありますけど、何とか打ちたいなと思います」登板を振り返って門別啓人 「真っすぐで空振りを取りたかったんですけど、入り球で低め変化球いって、真っすぐでファウル取って、その後がどうしても自分の中でイメージがわかなかった」門別について梅野隆太郎 「自分自身も1勝をさせてあげたい。まずは、いい反省をしながら次にむけて...」門別降板後の五回1死一、二塁で適時打を許した石黒佑弥 「ああいう形で点を取られて、悔いが残る場面だった」初登板で2回無失点のD1位・伊原陵人 「緊張感はもちろんありました。悪い緊張じゃなく、非常にいい緊張感だったかなと思います」

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(81)は開幕戦アーチ後、無安打の阪神・佐藤輝明内野手(26)と3戦ノーヒットの中野拓夢内野手(28)に言及した。個々の打者で気になるのは、やはり佐藤輝だ。28日のシーズン第1打席の本塁打は見事すぎるぐらいに見事だった。前でさばいて、軽くスイングしての一発。これを身に付けたのなら、今シーズンはすごいことになると期待した。ところが、そこからパタッと音無し。しかも、内容が悪い。強引にボール球に手を出して三振を重ねる姿は、去年の一番状態が悪い時期より悪く映る。九回の見逃し三振も、ヤマを張って手が出なかった。何が何でも当てるという執念が必要だ。理想の本塁打を打っても好調が続かないのは、彼の中では理想ではなく、納得していないのではないか。本塁打は、力いっぱいのスイングではるか遠くへ飛ばすほうが理想だと思っているのかもしれない。打撃にも「腹八分目」という言葉が当てはまる。食べすぎが良くないように、打撃も力任せでは上達しない。今季は3番を任された以上、毎試合、最低1打席は結果を残す必要がある。それが優勝を争うチームのクリーンアップの使命だ。オープン戦絶好調だった中野も開幕からノーヒットが続くが、こちらは心配する必要はない。確かにタイミングがずれている。が、大崩れしているわけではなく、調子の周期が下降線の中で開幕を迎えたのが原因。すぐ上がってくる。今の阪神打線が苦労するとすれば広島・森のように左腕から制球よく、多くの球種を散らして投げてくる投手。調子もよく、完全に抑え込まれた。以前、床田に痛い目に遭わされたが、似たタイプだ。大事なのは苦手投手にしないこと。打席に入る際に「困ったときは逆方向」を意識して、2度目の対戦では攻略してもらいたい。

◆今春実戦25回?で防御率0・00をマークし、開幕ローテを勝ち取った阪神・門別啓人投手(20)は4回?、2失点で負け投手。プロ初勝利はお預けとなった。「ずっとランナーが出ていましたけど、粘れたっていうのは良かったところ。変化球が低めにいきすぎてしまい、自ら苦しくなっているという感じだったので、そういうところは反省しないといけない」毎回ランナーを出し、0-1の五回に小園とモンテロに連打され、1死一、二塁とされた場面でマウンドを降り、2番手石黒が田村に適時打を浴びた。被安打8で球数は自己最多の111球。「(広島は)ファウルですごい付いてくるなと思っていて、改めていい打線だなと思いました。逆にそこを突けなかったっていうのが、今後自分がもっと頑張らないといけないというところ」と反省を口にした。(渡辺洋次)

◆逆転2ランから一夜明け、阪神・森下翔太外野手(24)は4打数無安打。広島・森に対し「コントロール良く投げるので、早めのカウントから狙っていきました」と仕掛けたが、七回無死一塁で三ゴロ併殺。九回は栗林のカットボールに右飛となり最後の打者となった。「2連勝したことが大きいと思う。心の余裕ができるので、そういう形でやりたいなと思います」と前を向いた。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)は開幕から13打席連続無安打。レギュラー陣で唯一、3連戦でノーヒットだった。オープン戦は12試合で打率・342(38打数13安打)。規定打席到達者で2位だったが、現在の打撃の状態について「わからない」とポツリ。ホーム開幕となる4月1日のDeNA戦(京セラ)に向けて気持ちを切り替えるか問われ「それしかないでしょう」と話した。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)が「7番」で今季初出場。0-2の八回無死一塁では右前に初安打を放った。バットで存在感を示し、守りでは先発した門別啓人投手(20)、プロ初登板のD1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=らをリード。「(伊原は)ナイスピッチングだったと思う。チームが負けたことが悔しいけどシーズンが長い。まずはチームが軌道にのっていけるように個人としても頑張りたい」と力を込めた。

◆初の開幕1軍入りした阪神・石黒佑弥投手(23)は五回途中から2番手で今季初登板した。「走者がいても0点で抑えないといけない場面で、点を取られてしまったことが、とても悔いが残ります」。門別啓人投手(20)の降板後、1死一、二塁でリリーフしたが、田村に初球を左前にはじき返され、二走が生還。「戦力として見られるような選手にならないといけないということは改めて感じました」と成長の糧にする。

◆第2戦で救援で打者1人を抑えて今季初勝利をマークした阪神・及川雅貴投手(23)が0-2の八回に登板。1回を1安打無失点に抑えた。この日は母校の横浜高が選抜大会で優勝。「ほんとに、すごい刺激をもらっている。たまたま、きょうも登板して、いいピッチングできた。継続して今シーズンをやっていけたら」と後輩に負けない活躍を誓った。

◆阪神・前川右京外野手(21)は七回、小園の左飛の目測を誤り、二塁打を献上。風の影響もあったが「いや、でも捕らなくちゃいけない」と反省を口にした。八回の攻撃では死球を受け、3試合連続出塁で打率・300。「バッティングに関しては、良くないなりに、まだできていると思う。落ちたら上がるしかないと思うので、きっちり調整して上げていけるように頑張ります」と誓った。

◆阪神・佐藤輝明内野手(26)は3打数無安打2三振1四球で快音はなし。28日の開幕戦の一回に放った先制2ラン後は11打席連続無安打、7三振となった。「3連戦ともなかなか打てるところに(球が)来なかった」。それでも敵地での開幕3連戦を2勝1敗と勝ち越したことに「まず2つ勝てたんで。チームとして最低限でいけたんじゃないですかね」と振り返った。

◆広島の田村が途中出場から2安打1打点と活躍した。秋山の負傷により訪れた出番で、最初の打席は1―0の五回1死一、二塁。代わった石黒の初球の変化球を左前に運び、今季チーム初の適時打とした。「追い込まれるまでは球種関係なく振っていこうと思った結果がヒットになって良かった」と喜んだ。ブレークが待たれる21歳の左打者。「落ち着いて入れた。しっかり準備していけたので良かった」と話した。

◆広島の秋山とモンテロが負傷交代した。開幕から5番を務めてきた秋山は四回の走塁中に右足首を痛め、五回の守備から退いた。足をつくと痛みがあるといい、「検査をしていないので何とも言えない」と話した。新加入で4番を任されているモンテロは七回にスイングした際に左脇腹を痛め、八回守備から代わった。

◆広島・森翔平投手(27)は最高気温11度と寒の戻りの中「投げやすい」と半袖で左腕を振り続けた。プロ4年目で初の開幕ローテーション入り。7回0/3を2安打無失点でチームに今季初勝利をもたらし、マツダスタジアムを熱くさせた。「連敗していたので、なんとか止められるように、と思ってマウンドに上がった。ゾーンでテンポよくと意識していたので、それができたかな」立ち上がりから圧巻の投球を披露した。八回に死球と安打で無死一、三塁としたところで2番手のハーンに後を託したが、球数は92球とプロ初完封を狙える内容だった。降板後、左腕に「やるじゃないか。ナイスピッチング」と声をかけた新井監督は「腕を振ってゾーンで勝負できている。素晴らしい投球」と絶賛した。森は昨季は8月9日の初登板で挙げた阪神戦の1勝どまりに終わった。雪辱を期し、オフは2年連続でカブス・今永と自主トレをともにし、脱力の重要性を学んだ。マウンド上でも実践し、結果にも結び付けた。「開幕(ローテ)に入ったこともなかったですし、チームも連敗していたので、ここで勝てたのはチームとしても、僕自身としてもすごく大きい」森下、大瀬良、床田に続く柱の一人として成長していく。(西垣戸理大)

◆広島の新外国人コンビが来日初安打。まずは四回無死一塁からサンドロ・ファビアン外野手'27)が中前打。先制点につながる好機拡大の一打を放ち、1-0の五回1死一塁ではエレフリス・モンテロ内野手(26)が左前打。ファビアンは「初ヒットはすごく大事。すごくうれしい」と声を弾ませ、モンテロは「打ったことはうれしいけど、チームが勝つことが一番」と力を込めた。

◆阪神は開幕3連勝を逃した。ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が2点ビハインドの六回から3番手で公式戦初登板し、2回1安打無失点、2奪三振と好投。七回に不運な当たりで二塁打を許す場面もあったが、落ち着いたマウンドさばきを披露し、期待の左腕が光る投球をみせた。V奪回へ、ドライチが球児虎の大きな戦力となる。真っ赤に染まった広島で、虎のドライチが堂々のデビューを飾った。鮮やかな緑のグラブを携え、伊原がマウンドに駆け上がる。チームは開幕3連勝を逃したが、左腕が示した実力が大きな収穫だった。「必要としてもらえるところで絶対出番が来ると思って1試合目(開幕戦)からずっと準備していた。いい緊張感を持って投げることができてよかったと思います」2点ビハインドの六回、期待の新戦力に出番がめぐってきた。「いつも通りの感じで温かく送り出していただいたことは大きかった」と、ブルペンの先輩たちからもらった激励の言葉が力になった。まずは菊池を遊ゴロ、石原を二ゴロと打ち取り、森からは直球でプロ1個目の三振を奪う。回をまたいで上位との対戦となった七回は簡単に2死とするも、続く小園の打球は風に流され、左翼・前川の前に落ちる二塁打。不運な形で初めての得点圏のピンチとなったが、動じなかった。「(感情の動きは)全くなかった」と、メジャー通算21発を誇るモンテロ(前ロッキーズ)を空振り三振に斬り、2回無失点。零封負けの中、さすがドライチという投球をみせた。自らの力を、確信する登板になった。「もともと自信を持って投げないといけないタイプ。そのための準備をしてきたし、段階を踏んでここまで来たと思っている」。春からマイペースで調整してきたのは、この日のため。積み上げてきたものをしっかりと体現した。

◆森下の打ち上げた打球が広島の右翼・二俣のグラブに収まる。阪神は開幕3連勝ならず。それでも、就任後初黒星を喫した藤川球児監督(44)は前向きに言葉を発した。「始まったばかりですからね」開幕カード第3ラウンドは先発・森を相手に、四回までは各回10球未満と強気の投球に押され、八回以降もコイの救援陣を打ち崩せなかった。2安打零封負けとなったが、指揮官は「負けは負けですけど、形的にはチャンスはあったのではないかなと思いますから」と気丈に振る舞った。先発・門別が五回途中2失点も救援陣が追加点を与えず。2点を追う八回は死球と梅野の右翼への安打で無死一、三塁とし、反撃ムードをつくった。「あそこのチャンスまで待っていたというね。0-2で来られていましたので、その辺りも含めてゲームが生きた状態で来てましたからね」。木浪の打球が好守に阻まれるなど、最後の最後までホームを踏むことはできなかったが、僅差のゲームに持ち込み、あきらめない姿勢を示した。1日空いて、4月1日は京セラドームでの本拠地開幕(DeNA戦)を迎える。「また京セラからですね。本拠地に戻って、火曜日からまたたくさんのタイガースファンの前でゲームができるので、選手たちも心強く、またスタートをしていきます」。マツダスタジアムにも大勢の虎党が駆けつけたが、次はさらに多くの声援がナインの背中を押してくれる。佐藤輝の一回V弾と村上の熱投でシーズンの幕が開け、第2戦も4番・森下の逆転弾とリリーフ陣の頼もしいリレーで白星をつかんだ。この日喫した1敗を嘆く必要がないほどに、個々が役割を全うすることに努め、結束力の強まりも感じられる3連戦だった。開幕戦での勝利後、指揮官が「次に次に、と進むだけ。もう振り返ることはない」と話したように、今季のラストゲームまで一直線に突き進んでいく覚悟がある。大歓声に包まれ、リスタートだ。(須藤佳裕)

◆本日の虎の先発、プロ初勝利を狙う門別だったけど桜咲かず...。ガックリ。一言で片付けるならば「球数が多過ぎ!!」。4回?で111球、三回は二俣に11球、四回は秋山に12球、結果はともに四球ときたもんだ!例えば、例えばですよ! これが2人に初球をヒットされたとしたら、21球も減らせるじゃないのさ...。てか、ヒットは嫌だけど考え方を変えたら、タラタラ四球を与えるより、守る方のリズムもいいんじゃないの?てかー! 3月15日のメジャーのカブス相手に5回無安打の快投を演じたときの「打てるもんなら打ってみろやー!!」。あの君はどこへ行っちまったんやー!!次回登板は省エネ初勝利初完封やったらんかい!! と門別に苦言を呈するより、わずか2安打で零封を食らった打撃陣を責めるべきか? いや、2点を追う八回無死一、三塁の場面、木浪にスクイズさせて1死二塁で一打同点を狙う采配も、藤川監督あったのでは? いやいや、一気に逆転の火の玉采配に懸けたのだから、あれで良かったのだ!! と信じてついていこーぜ!!

◆野球は甘くない。開幕3連勝は難しい。2月下旬並みの寒さに震えた日本列島。凍えそうになりながら声援を送ったマツダスタジアムの阪神ファンも「2勝1敗だから十分」と慰め合ったが、やっぱり悔しい。テレビやトークショーで「新監督は絶対に3連勝しなればいけない」と激しく主張していたのが前監督であり、現在は球団オーナー付顧問としてマツダスタジアムの戦いを見守った岡田彰布氏。「俺は阪神の最初の監督1年目(2004年)も、オリックスの監督1年目(10年)も、日本一になった年(23年)も、すべて開幕3連勝してるからなぁ。新監督は絶対に3連勝して、こんな野球をするんや!とライバル球団に見せつけないとアカンからなぁ」後継の指揮官・藤川新監督になぜか、プレッシャーをかけ続けてきた。新監督には3連勝して「どうです、岡田さん、3連勝しましたよ!」とドヤ顔を見せてもらいたかったが、残念!まあ、岡田顧問が開幕3連勝した3シーズンも、最終的に優勝したのは2年前の日本一シーズンだけ。別に〝必勝データ〟ではないので、気にする必要もない。当番デスク席の周辺でも「ことしは相性がいい」とか「インケツなデスクにはなりたくない」という、生産性のない、根拠もない、極めて無意味な会話が始まっていた。恒例のサンスポデスクの「当番の日に勝ったか負けたかレース」だ。30日の当番デスクは白石大地。黒星発進に悲しげな表情を浮かべていた。1戦1敗、勝率・000。このまま勝てないのではないか...。ノーヒット中野の気持ちが一番よく分かる男かもしれない。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
300 1.000
(-)
-
(-)
14021
(+3)
5
(-)
3
(-)
1
(-)
0.342
(↓0.033)
0.960
(↑0.46)
2
(1↓)
阪神
210 0.667
(↓0.333)
1
(↓1)
1407
(-)
4
(+2)
2
(-)
0
(-)
0.202
(↓0.052)
1.380
(↓0.38)
2
(1↑)
DeNA
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1407
(+2)
2
(+1)
2
(+2)
1
(-)
0.186
(↓0.007)
0.670
(↓0.17)
4
(1↑)
広島
120 0.333
(↑0.333)
2
(-)
1404
(+2)
7
(-)
0
(-)
0
(-)
0.258
(↑0.052
2.330
(↑1.17)
4
(1↓)
中日
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1402
(+1)
7
(+2)
0
(-)
1
(-)
0.200
(↓0.009)
2.520
(↑0.13)
6
(1↓)
ヤクルト
030 0.000
(-)
3
(↓1)
1405
(-)
21
(+3)
1
(-)
0
(-)
0.182
(↑0.015)
6.310
(↑1.33)