西武(★2対3☆)日本ハム =リーグ戦2回戦(2025.03.29)・ベルーナドーム=
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日本ハム
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西武
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勝利投手:福谷 浩司(1勝0敗0S)
(セーブ:田中 正義(0勝0敗1S))
敗戦投手:ウィンゲンター(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆日本ハムが接戦を制した。日本ハムは1-0で迎えた4回表、郡司の適時打で追加点を挙げる。その後は同点を許すも、延長10回に上川畑の適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、5番手・福谷が移籍後初勝利。敗れた西武は、4番手・ウィンゲンターが踏ん張りきれなかった。

◆西武の中村剛也内野手(41)が開幕第2戦に「4番DH」でスタメン出場する。プロ24年目の中村剛は昨季までプロ通算478本塁打を放ち、NPB現役選手では最多となっている。28日の開幕戦では8回に代打出場し、四球を選んでいた。この日の日本ハムの先発加藤貴とは62打席の対決があり、4本塁打している。また25日に支配下登録されたばかりの仲田慶介内野手(25)も「9番二塁」でスタメン出場する。ソフトバンク時代の昨季には1軍で3安打しているものの長打や打点、盗塁はまだ記録していない。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)が開幕2連勝を目指して「超重量打線」を組んだ。上位打線には1番万波中正外野手(24)、2番清宮幸太郎内野手(25)、3番フランミル・レイエス外野手(29)を並べた。前夜の開幕戦は「スピード&パワー」打線で快勝した新庄監督は試合後に「明日(開幕2戦目)は今日の逆でいくか。ちょっとスピード(のある選手)を挟みたいかなと思うんですけど、もう全てがいいんで、ようわからん」と話していたが、初回から長距離砲を並べて西武の先発渡辺攻略を目指す。さらに5番捕手で郡司裕也捕手(27)、6番一塁でアリエル・マルティネス捕手(28)、8番中堅で松本剛外野手(31)が今季初スタメンとなった。

◆大の西武ファンで知られる女優の新川優愛(31)が試合前にセレモニアルピッチを務めた。背番号1をつけた新川は手をこすり合わせ、息を吹きかけながら温め、マウンドの少し前から投球。長谷川のミットにノーバウンドで収まった。試合前には「(開幕が)待ち遠しかったですけど、この3連戦でやらせていただけるとは思っていなかったのですごく緊張しています」と話していた。この日は試合後にグラウンド上で、新川のトークショーも行われる予定。

◆日本ハムがわずか4球で先制した。万波中正外野手(24)が「1番右翼」でスタメン出場。西武渡辺からプレーボール直後の初球をフェンス直撃の二塁打で今季初安打をマーク。続く清宮幸太郎内野手(25)の打席で暴投の間に三塁へ進塁した。清宮幸の一ゴロ間に三塁走者が生還。あっという間に先制した。清宮幸は前日の先制ソロに続き、開幕戦から2戦連続で先制点を挙げた。新庄剛志監督(53)は、開幕2連勝を目指して「超重量打線」を組んだ。上位打線には1番万波、2番清宮幸、3番フランミル・レイエス外野手(29)を並べた。前夜の開幕戦は「スピード&パワー」打線で快勝した新庄監督は試合後に「明日(開幕2戦目)は今日の逆でいくか。ちょっとスピード(のある選手)を挟みたいかなと思うんですけど、もう全てがいいんで、ようわからん」と話していた。

◆西武中村剛也内野手(41)が開幕2戦目で今季初安打を放った。4番DHでスタメン出場。4回1死の第2打席、カウント3-1から日本ハム加藤貴の外角球に手が出た感じになってしまい、ハーフスイング。そこにうまい具合に投球が当たり、ライト前へふわっと飛んで、落ちた。今季でプロ24年目。これで23年連続安打となった。

◆花粉症の日本ハム郡司裕也捕手(27)が今季初安打で貴重な追加点を挙げた。「5番捕手」で今季初のスタメン出場。1点リードの4回1死からレイエスと野村の連打で1死二、三塁とチャンスメーク。続く郡司が、遊撃手源田が構えたグラブ下を抜ける左前打を放ち、2点目を挙げた。内外野も守れるユーティリティープレーヤーが早速存在感を示した。球団を通じて「(花粉症で)鼻は詰まっても、打撃は詰まらないぞという意識で打席に入りました」とコメントした。

◆西武が今季2試合目、15イニング目にして初得点を挙げた。6回、1死からタイラー・ネビン外野手(27=アスレチックス)がこの日2本目の安打で出塁。敵失などもあり2死一、三塁となり、6番の外崎修汰内野手(31)が追い込まれてからの5球目をセンター前へ転がした。西武は昨季12球団ワーストとなるチーム打率2割1分2厘が響き、借金42の最下位に。今季もこの日の5回まで14イニング中10イニングで走者を出していたものの、得点には至っていなかった。

◆ナインを和ませた新庄マジックが功を奏した!?同点に追いつかれた8回1死一、二塁のピンチ。日本ハム新庄剛志監督(53)が、自らマウンドに駆け寄った。途中降板となった杉浦稔大投手(33)をねぎらうと、三塁手清宮幸太郎内野手(25)にカイロを手渡し。清宮幸は一瞬驚いた表情を見せるも、うれしそうにポケットへしまいこんだ。指揮官はマウンドに集まった内野陣に笑顔で話しかけ、自然と選手たちの表情もリラックス。4番手の救援左腕河野竜生投手(26)も合流し、明るく締めてナインを送り出した。河野は一打勝ち越しのピンチで7番源田を投ゴロに抑えて火消しに成功。自らマウンドに駆け寄った新庄監督の声かけと、3月に侍ジャパンに選出された頼もしきリリーバーが、嫌な流れを断ち切った。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)が就任4年目で初の開幕カード2連勝を飾った。序盤にリードを奪うも、8回に同点に追いつかれて迎えた今季初の延長戦。10回2死から郡司が左翼へのエンタイトルツーベースで出塁。続く代打矢沢が投手強襲の内野安打で2死一、三塁に。さらに矢沢が二盗を決めて2死二、三塁とすると、8番上川畑の二遊間を抜ける中前適時打で勝ち越した。先発加藤貴が6回1失点と好投し、杉浦が一時同点を許すも、4番手河野が火消しに成功。中日からFA移籍の福谷が同点の9回を3者凡退で封じ、移籍後初登板&初勝利をマークした。

◆就任1年目の西口文也監督(52)率いる西武は、開幕連敗スタートになった。中盤まで2点をリードされ、8回にルーキー渡部聖弥外野手(22=大商大)の適時打で同点に。延長戦に持ち込んだものの、10回に4番手のトレイ・ウィンゲンター投手(30=カブス)が2死後、3連打で決勝点を奪われた。開幕連敗し、西口監督は試合後「やっぱり、もう1本ってとこですかね。そこが出てくれれば、ってところだとは思います」と勝負どころでの1本を求めていた。この日はレアンドロ・セデーニョ内野手(26=オリックス)がスタメンを外れ、中村剛也内野手(41)が4番DHで入った。セデーニョが左足負傷から復帰間もないこともあり、西口監督は「そこは開幕前から、最初から決めていたので」と説明。中村剛の2安打も「ラッキーボーイだったけどもね、中村選手が」と話しつつ、流れをつかみきれずの敗退。「あぁ、悔しいな」と口にして、会見場を後にした。【金子真仁】

◆新庄剛志監督(53)が、清宮幸太郎内野手(25)の"ギリギリプレー"にもの申した。10回2死、西武セデーニョの打球は高々と上がった。捕手の伏見もボールを追ったが、最後は三塁から出てきた清宮幸がマウンド付近まで猛ダッシュして捕球し、試合が終わった。指揮官は「やっぱりプロ野球はエンターテインメントなんですけど、最後の焦らすね、取り方。うわあ、あそこまでみせなくていいかなって」と突っ込んだ。とは言うものの、ベルーナドームのデーゲーム特有の打球の見え方にも言及しながら、フォローすることも忘れない。「ここのデーゲーム、難しいんですよ。屋根が。ほら、渡部君も最後(エンタイトルツーベースになった郡司の打球を見失い)あれね。すごく気持ちわかりますよ。今年入って来たばっかりで難しい難しい」と話していた。

◆新庄剛志監督(53)が、カイロとともに、選手を勇気づける"温かい"メッセージを贈っていた。同点に追いつかれた8回1死一、二塁のピンチ。指揮官自らマウンドに駆け寄った。途中降板となった杉浦稔大投手(33)をねぎらい、三塁手清宮幸太郎内野手(25)にカイロを手渡した。清宮幸は一瞬驚いた表情を見せるも、うれしそうにポケットへしまいこんだ。指揮官はマウンドに集まった内野陣に笑顔で話しかけ、自然と選手たちの表情もリラックス。4番手の救援左腕河野竜生投手(26)も合流し、明るく締めてナインを送り出した。試合後、新庄監督は、このシーンについて振り返った。「いや、こういう僅差の時ほど『自分のところにボールが飛んでくる、ボール飛んでこい』という意識を持ちなさい、と。『俺も試合出てえよ』って(言ったら)笑ってました。いや、ほんとにああいうね、こういう緊迫した試合で、あそこのグラウンドに立ててる幸せっていうのはね、グラウンドに立ってる選手しか味わえないんで。そんな固くなる必要ない。ああいう場面でいいプレーをしたらね、すごい自信にもなるし、みんなからもね、こう褒められるというか、喜ばれると。そこを楽しみなさいっていう感じで」。タイミング抜群の声かけが、就任初の開幕2連勝につながった。

◆日本ハム新庄剛志監督(53)が就任4年目で初の開幕カード2連勝を飾った。序盤にリードを奪うも、8回に同点に追いつかれて迎えた今季初の延長戦。10回2死から郡司が左翼へのエンタイトルツーベースで出塁。続く代打矢沢が投手強襲の内野安打で2死一、三塁に。さらに矢沢が二盗を決めて2死二、三塁とすると、8番上川畑の二遊間を抜ける中前適時打で勝ち越した。日本ハムが開幕2連勝。30日にも勝てば、引き分けを挟まない開幕3連勝は東映時代の62年以来、球団63年ぶりとなる。水原茂監督の62年は毒島章一、張本勲、吉田勝豊らが中軸を打ち、投手では尾崎行雄が20勝、土橋正幸が17勝を挙げ球団初の日本一になった年。開幕からは大毎、南海に各3連勝で球団最長の開幕6連勝を記録するスタートダッシュだった。

◆前西武GMで日刊スポーツ客員評論家の渡辺久信氏(59)が28日、西武-日本ハム2回戦が行われたベルーナドームを訪れました。結果は古巣の開幕2連敗。2試合で感じたことを「ナベQ論」として、あえていつものしゃべり口調でお届けします。【聞き手・構成=金子真仁】ふぅ...西武ね。あれが欲しいよね。明日は行けるぞ、みたいな何かが欲しいよね。この2試合はなかったね。オープン戦ではいいところもあったのに、この2試合、いいところが全く出てない。全然。きついよね。勝負にはなるんだけど、勝負どころでやられるのが今のチーム力。結局、普通にやれることができない。変なミスが多いよね。1発目、初回の万波君の打球のクッションボールね。レフトの渡部聖弥君が普通に捕っていれば、万波君もそんなに走ってなかったし、セカンドでいい勝負になったと思う。外崎の暴投もだし、いい守備もあったけど仲田君の一塁への引っかけ送球。最悪なのは、最後のレフトがボールを見失ったやつ。変な走者を出すから、いいリズムで攻撃に入れない。試合が落ち着かないよね。だから去年みたいな感じの流れになる。打線は5回まで音なしで、そこから2点くらい取って...。投手は頑張ってるけど辛抱しきれなくなる。巨人みたいに打線が良ければ5点ビハインドでもいけるけど、そうじゃないから、やっぱり先行逃げ切りしかないよね。2試合、序盤の攻撃が本当にしょっぱい。1、2番の出塁にかかるよね。ベンチも何もできないじゃん。采配も作戦もできない。日本ハムの上川畑君とか最後、絶対に打ちそうな気がしたよね。直球に強いし、振りも打球も強い。ハムはみんなそう。西武は迷いがあるよね。そうなると相手からしたら怖くない。ハムもああいう編成になるまで3年はかかってる。西武も時間はかかるよ。そうだね...3年は必要だろうね。今年はせめて足掛かりを作ってほしいけれど。俺が現役の頃の、黄金時代といわれた時の野手たちはなれ合いになってないのが良かった。ミスすればチーム内で叱咤(しった)激励がすごい。そういうのって、監督とかコーチの部分じゃないよね。選手が気付かないと。西口監督もしんどいことは多いと思うよ。でも自分が思ってること、やりたいこと、信念は曲げないでほしいな。育てながら勝つ宿命はあるけど曲げないでほしい。ただ、こういうチーム状況なら今は調子のいいのを使ったほうがいい。聖域とかなしに。競争させて見極める。(佐藤)龍世、いろいろあって2軍にいるのは仕方ないけど、もったいないよね。あいつ打つから。こういう時、打つから。ほんと、もったいない。明日は高橋光成が頑張ってくれるよ。何とか巻き返してほしいね。

◆中日からFAで新加入の日本ハム福谷浩司投手(34)が、移籍後初登板で初勝利を挙げた。同点の9回から登板しわずか9球で3者凡退。8回に追い上げてきた西武打線の嫌な流れをあっさり断ち切った。延長10回にチームは勝ち越して初白星が舞い込んだ。ロッカー室から試合を見届けたのち、同僚の杉浦と河野から伝えられて初勝利に気づいた。「ここで終わりではないのでおごることなく、謙虚にやっていきたい」と気を引き締めた。

◆「5番捕手」で今季初出場の日本ハム郡司裕也捕手(27)が攻守で躍動した。延長10回2死、ワンバウンドで左翼席に入るエンタイトル二塁打を放ち、決勝点をお膳立てした。薄暮のベルーナドームは打球が見えにくくなることがあり、西武の外野手が打球を見失ったようなしぐさを見せた。「必殺、消える打球ですね。僕の狙った通りに消えました」。"てじなし郡司"が、しゃれたマジックを披露した。1点リードの4回1死二、三塁で左前適時打を放った際には、「(花粉症で)鼻は詰まっても、打撃は詰まらないぞという意識で打席に入りました」とコメント。屋根はあるが外気が流れ込む同球場に、「隙間があるにしろ(花粉は)入って来ないかなと思ったんですが、めちゃめちゃ入って来て。想定外でした」。鼻腔(びくう)と投手陣を鼓舞しながら9回まで好リードし、本職でも存在感を示した。

◆西武の中村剛也内野手(41)が4番DHでスタメン出場し、4打席で3度出塁した。セデーニョが左足故障の復帰から間もないこともあり、この日は通算478本塁打のスラッガーが4番に。初回は平凡な左飛に終わったものの、ここからがおかわり君の見せ場。第2打席はハーフスイングにうまく投球が当たり、右翼前へのポテンヒットに。6回はあわや三塁ゴロ併殺の流れが、三塁手の失策に。8回は詰まって少し変な回転がかかりながらも、打球は広めの一二塁間を抜けた。西口監督も「ラッキーボーイだったけどもね」と連敗だからこそか、ベテランの星の強さに触れた。中村剛は相手の加藤貴について「いつもとちょっと直球と変化球の(配分の)感じが違ったかな」と振り返りつつ、これでプロ23年連続安打。さすがの存在感を見せた。通算1809安打の打者だけに、こういう形でのHランプはなかなか満足できないのだろうか-。そんな趣旨を問いかけると、少し笑顔。「ヒットはヒット? まぁ、はい」とニヤリ。大ベテランでも新人選手でも、誰もがほしいのが"今季初ヒット"。中村剛也、ライオンズひと筋24度目のペナントレースが始まった。【金子真仁】

◆西武のドラフト2位ルーキー、渡部聖弥外野手(22=大商大)がプロ初打点となる同点適時打を放った。開幕2戦続けて「5番左翼」でスタメン起用され、迎えた8回1死一、三塁の第4打席。日本ハム杉浦からバットを折りながらしぶとく三遊間に転がした。「一度(6回に)チャンスをものにできていなかったので、絶対に同点に追いつくという強い気持ちで入りました」と振り返った。プロ初打点の一方、延長10回には高いフライを見失い、結果的に決勝点につながってしまう苦い経験も。「途中で消えちゃって、ずっと探しても見つからなくて。次はやらないようにしっかり対策していきたいなと思います」と反省も忘れなかった。

◆頼りになる"神川畑"様が降臨した。日本ハム上川畑大悟内野手(28)が攻守で躍動し、チームを開幕2連勝に導いた。西武戦の延長10回2死二、三塁で決勝の中前適時打。二塁守備でも再三の好守で投手陣を盛り立てた。勝負強い守備職人が今季初の1点差勝利に大貢献した。延長10回2死二、三塁。それまで4打席凡退していた上川畑は、そのまま打席へ向かった。「代打を出さずに送ってくれた。期待に応えたい」。気合を再注入すると、ベルーナドームに勝負強い"神川畑"様が降臨した。ウィンゲンターの153キロ直球を強振、二遊間の真ん中を抜いた。決勝の中前適時打。「振り負けないように思い切っていきました」。値千金の一打となった。守備でもチームを救い続けた。1点差に迫られた6回2死一、二塁。西武源田の一、二塁間へのゴロに追いつき、難しい体勢から一塁へジャンピングスローで二ゴロに仕留めた。「(一塁手の)グワチョ(マルティネス)が行くもんだと思って油断していた」と苦笑いも、失点を阻止するビッグプレーだった。同点の9回にも先頭の古賀悠が放った痛烈な打球に一塁への送球に移りやすい捕球体勢でショートバウンドキャッチ。難なく二ゴロにして、移籍後初登板の福谷を楽にさせた。「守れなかったら、もう僕は存在意義がないと思うので」。周囲は"神業"と思っても、上川畑にとっては普通の守備レベル。「今年は本当にゴールデングラブ賞も目指してやっている。そこはぶらさずにやっていきたい」と力強く言った。新庄監督も上川畑の好守については「守備でもいいプレーしてくれたし」と言うにとどめるほど、求めるものが高い。一方で、打撃については「ああいう場面では期待が持てる。よくタイムリーを詰まりながら打ってくれる印象が強いからね」と"神川畑"様の降臨を信じていた。守り勝つ野球に欠かせない攻守のキーマンが、開幕2連勝の立役者となった。【木下大輔】

◆日本ハムが延長戦を制し、新庄政権初の開幕2連勝を飾った。終盤に追いつかれる展開となったが、8回のピンチでは投手交代時に自らマウンドへ。清宮幸にカイロを渡し、内野陣全体には"魔法の言葉"をかけて相手に傾きかけた流れを断ち切った。延長10回に上川畑が決勝打を放ち、球団では13年ぶりに開幕から引き分けなしの連勝。30日は東映時代の62年以来、63年ぶりとなる"開幕ストレート3連勝"に挑む。新庄剛志監督はユーモアたっぷりに振り返った。「やっぱプロ野球はエンターテインメントなんですけど、最後の焦らせる捕り方...あそこまで魅せなくていいかな(笑い)」。1点リードの延長10回2死。セデーニョが放ったマウンド付近の飛球を、三塁の清宮幸がギリギリのタイミングでキャッチ。「デーゲームは難しいんすよ、屋根が」と打球が見えづらいこともフォローとして加えたが、とにかく接戦を制して就任4年目で初の開幕2連勝。笑顔だ。勝負どころで動いた。同点とされた直後の8回2死一、二塁。新庄監督は何かを手に持ってベンチを飛び出した。球審に投手交代を告げ、そのままマウンドへ。まずは右手に持った何かを清宮幸へ差し出した。「ホッカイロを渡しに行った」。気温5度前後と寒かった試合。6回に悪送球で失策を記録し、盛んに右手を息で温めていた清宮幸にホットアイテムを手渡した。ナインの心を、ホッとさせていた。「僅差の時ほど自分のところにボールが飛んで来いっていう意識を持ちなさい」。内野陣に攻めの姿勢を持たせると同時に「俺も試合に出てえよ」と語りかけると、選手たちは笑みを浮かべた。今季は審判団からの強い要望もあり、投手交代時に監督が自らマウンドに行くことになった。そんな義務的な部分も大事なポイントに変えてしまうのが"新庄トリック"。選手たちが踏ん張って8回のピンチを乗り越えると、最後は勝利の女神もほほえんでくれた。球団にとっても開幕2連勝は引き分けを挟んでいた19年以来6年ぶり。ストレートの2連勝は12年以来だ。さらに開幕3連勝は引き分けを挟んでいた80年以来45年ぶり。引き分けを挟まない"開幕ストレート3連勝"は前身の東映時代となる62年を最後に遠ざかる。開幕戦勝利後に「あと2つ、取りに行きます」と話していた新庄監督は、あと1つどころか「もちろん、それは143勝したいですよね...このペースなら、まだあり得るから」とニヤリ。開幕3戦目も難敵右腕、高橋が先発だ。「ちょっと部屋に帰ってメロンパン食べながら(スタメンなどを)考えます」。最適な布陣を整え、63年ぶりのスタートダッシュを決める。【木下大輔】日本ハムが開幕2連勝。30日にも勝てば、引き分けを挟まない開幕3連勝は東映時代の62年以来、球団63年ぶりとなる。水原茂監督の62年は毒島章一、張本勲、吉田勝豊らが中軸を打ち、投手では尾崎行雄が20勝、土橋正幸が17勝を挙げ球団初の日本一になった年。開幕からは大毎、南海に各3連勝で球団最長の開幕6連勝を記録するスタートダッシュだった。

◆日本ハム打線が西武の先発右腕、渡辺の立ち上がりを攻めた。一回、わずか4球で先制点をもぎ取った。1番・万波が初球の直球をたたき、左越え二塁打でチャンスメーク。暴投で三塁へ進塁すると清宮の一ゴロの間に先制のホームを踏んだ。

◆日本ハムが開幕2連勝。2―2の延長十回2死から二、三塁の好機をつくり、上川畑が中前に勝ち越し打を放った。5番手の福谷が移籍後初勝利、田中が今季初セーブ。西武は八回に追いついたが、なお1死一、二塁で攻めきれなかった。

◆西武のドラフト2位・渡部聖弥外野手(22)=大商大=が初打点をマークした。1点を追う八回1死一、三塁から高めのカットボールを捉えて左前に運んだ。「絶対に同点に追い付くという強い気持ちで(打席に)入った」。だが、左翼の守備では延長十回2死で郡司の飛球を見失って二塁打とし、勝ち越されるきっかけとなってしまった。開幕2連敗に西口監督は「(打線が)もう1本というところですね。そこが出てくれれば」と天を仰いだ。

◆日本ハムの開幕2連勝は2019年(1分けを挟む、対オリックス、札幌ドーム)以来6年ぶりで、開幕2戦2勝は12年(対西武、札幌ドーム)以来13年ぶり。敵地で開幕2戦2勝となると1991年(対近鉄、藤井寺)以来34年ぶり。

◆もつれた試合で最後に勝負強さを発揮した。日本ハムは、新庄剛志監督(53)が就任して4年目で初の開幕2連勝。2010年以来15年ぶりに勝率1位だったオープン戦の勢いを持続させ、上々の滑り出しを見せた。「2連勝で順調じゃなかったら、やばいっしょ(笑)」八回に試合を振り出しに戻されたが、2-2の延長十回に上川畑が勝ち越し打を放った。開幕2戦2勝は2012年以来13年ぶりで、敵地では1991年以来34年ぶり。新庄監督はナインの躍動に「選手は(接戦に)慣れている。焦っている感じはしない」と目を細めた。前年まで2年連続最下位から2位に躍進した昨季は、小技などを絡める「セコセコ野球」を掲げたが、今年のオープン戦では両リーグ唯一、2桁本塁打と2桁盗塁をマーク。「今年はドカンといける打線を組めるし、スピードのある野球もできる。(選手は)勝ち方も分かってきている」と、これまで以上に手応えを感じている。「もちろん、143勝したいですよ。このペースなら、まだあり得る」。連日の好ゲームに口調もなめらかだ。30日の第3戦の相手先発は高橋。「部屋に帰ってメロンパンを食べながら(作戦を)考えます」と雄弁に〝新庄節〟を残して球場を後にした。(加藤次郎)

◆国内フリーエージェント(FA)権を行使し、中日から新加入した日本ハム・福谷浩司投手(34)が移籍後、初登板で初勝利をマークした。九回から5番手としてマウンドに上がると1イニングを三者凡退に抑え「自分の勝ちはびっくりしましたけど、チームが勝てて良かった」と喜んだ。二塁手・上川畑の好守にも助けられ「感謝してもしきれないくらいのプレーだった」と最敬礼した。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
200 1.000
(-)
-
(-)
1415
(+3)
2
(+2)
2
(-)
1
(+1)
0.225
(↑0.031
0.470
(↓0.47)
1
(-)
ロッテ
200 1.000
(-)
0
(-)
14113
(+5)
6
(+4)
3
(+2)
3
(+1)
0.267
(↓0.049)
2.370
(↓1.37)
3
(1↑)
楽天
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
1417
(+5)
7
(+4)
0
(-)
2
(+2)
0.235
(↑0.074)
3.380
(↓0.26)
3
(2↓)
ORIX
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
1417
(+4)
7
(+5)
2
(+1)
1
(-)
0.260
(↓0.013)
3.320
(↓1.32)
5
(1↓)
ソフトバンク
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1416
(+4)
13
(+5)
1
(+1)
2
(+1)
0.232
(↑0.02)
6.160
(↑1.84)
5
(1↓)
西武
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1412
(+2)
5
(+3)
0
(-)
2
(+1)
0.209
(↑0.002
2.370
(↓0.37)