1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 9 | 0 | 1 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 | 0 | 0 |
勝利投手:及川 雅貴(1勝0敗0S) (セーブ:岩崎 優(0勝0敗2S)) 敗戦投手:床田 寛樹(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆阪神が接戦を制した。阪神は1点を追う5回表、木浪の適時打で同点とする。その後勝ち越しを許すも、6回には森下の2ランが飛び出し、逆転に成功した。投げては、3番手・及川が今季初勝利。敗れた広島は先発・床田が好投を見せるも、打線が好機を生かせなかった。
◆阪神が2連勝を狙う開幕2戦目。初の開幕ローテーション入りを果たした富田蓮投手(23)が先発マウンドに上がる。打線は1番から8番まで変更なし。28日の開幕戦で25年12球団最速弾となる先制2ランを放った佐藤輝明内野手(26)も、引き続き「3番三塁」で先発出場する。
◆阪神木浪聖也内野手(30)が今季初安打初タイムリーですぐさま試合を振り出しに戻した。1点を先制された直後の5回表。1死から前川右京外野手(21)が右翼線への二塁打を放ち、チャンスを作った。2死二塁となり、木浪が左腕床田が投じた外角低めの144キロ直球を中前へ。二塁走者の前川が一気に本塁へ生還した。広島新井監督はホームベースのタッチプレーにリクエストを要求したが、判定は覆らず同点適時打となった。
◆自身初の開幕ローテーション入りを果たした阪神富田蓮投手(23)が4回5安打1失点で降板し、今季初勝利とはならなかった。4回、先頭小園を中前打で出塁を許すなどで1死一塁。5番秋山が左前打でランエンドヒットを決め、一、三塁にピンチが広がった。直後のファビアンの二ゴロ併殺崩れの間に先制点を献上した。直後の攻撃で同点に追いつくも、自身の打席で代打が投入。勝ち負けつかずのまま、リリーフ陣にマウンドを託した。
◆阪神の4番森下翔太外野手(24)が強烈な逆転弾を放った。5回裏に勝ち越しを許し、1点を追いかける6回2死二塁。森下は広島先発床田の内角への145キロ直球を鋭いスイングで捉えた。打球は左翼スタンド2階席下の中国電力の看板に直撃。今季第1号の逆転2点本塁打となった。4番の逆転2ランに阪神ファンは大盛り上がり。歓声を背に、森下はダイヤモンドを一周し、本塁を踏むと、小さくガッツポーズした。森下は「チャンスで回ってくることをイメージして準備していました。しっかり自分のスイングで捉えることができてよかったです」とコメントした。
◆阪神育成ドラフト1位から球団史上初となる育成新人での開幕1軍入りを果たした工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が、プロ初登板で2/3回を1失点とほろ苦デビューとなった。1-1同点の5回、先発の富田蓮投手(23)からバトンを受け取り2番手で登板。先頭の8番石原をこの日最速の156キロ直球で一ゴロに打ち取るも、続く9番床田にフォークを合わせられ中前打を許す。1番二俣は140キロのフォークで空振り三振を奪うも、2番矢野、3番小園に連続四球を与え2死満塁とピンチを招いた。迎えた4番モンテロに対してもカウント3-1で投じた152キロの直球が惜しくも外れ、押し出しで勝ち越しの1点を献上。ここで3番手の及川雅貴投手(23)へマウンドを託した。工藤は春季キャンプから実戦9試合に登板し自責点ゼロと猛アピール。6日に行われた球団激励会で藤川監督が異例の公開公表で支配下登録となった。
◆阪神及川雅貴投手(23)が、同学年右腕のピンチを打者1人で火消しした。1点ビハインドの5回2死満塁、5番秋山を迎えた場面で登板。直球2球で追い込むと、カウント2-2からの6球目。最後は149キロ直球が外角に決まり、見逃し三振に仕留めた。この回に登板した新人右腕の工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が、押し出し四球で勝ち越し点を与えた直後のマウンドだった。直後の攻撃では、森下が左翼への再度勝ち越し2ラン。ピンチをしのぎ、流れを引き寄せた。
◆阪神石井大智投手(27)が回またぎの好投で、1点リードを守った。今季初登板となったマウンド。1点リードの6回に登板し、まずは3者凡退で無失点。直後の攻撃で打順が回ったが代打は出されず、22年以来となる打席に入った。点差は変わらず、7回もマウンドへ。2死一、二塁のピンチを招いたが、4番モンテロを空振り三振に仕留め、ここも無失点に封じた。計26球を投げ、2回1安打無失点。昨季6月18日日本ハム戦(甲子園)以来となる、回またぎ登板となった。
◆開幕戦で白星スタートした阪神が、敵地で逆転勝ちを決め連勝を飾った。開幕カード勝ち越しとなり、今季から指揮を執る藤川球児監督(44)にとっても最高のスタートだ。4回から点の奪い合いとなり、1点を追う6回2死二塁。今季から4番を任される森下翔太外野手(24)が、床田の内角直球を捉えて左翼スタンドへ今季1号。主軸の仕事を果たす逆転決勝アーチとなった。先発マウンドに上がった富田蓮投手(23)は、4回5安打1失点と粘投も勝ち星はつかず。4回1死一、三塁で、ファビアンの二ゴロ併殺崩れの間に三塁走者が生還し、先制点を献上した。それでもすぐさま直後の5回表の攻撃で、2死二塁から木浪聖也内野手(30)が中前適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。5回裏から登板したのは、開幕直前に支配下登録を勝ち取った育成ドラフト1位の工藤泰成投手(23=四国IL徳島)。2死一塁までこぎつけるも、そこから3連続四球を出して、押し出しにより一時勝ち越し。ほろ苦いプロデビューとなった。6回は4番手の石井大智投手(27)がイニングをまたぎ、2回1安打無失点の力投。そこから盤石の継投リレーを見せた。佐藤輝の12球団最速アーチから勝利した28日の開幕戦に続き、この日は4番の一振りからチーム一丸で勝利。敵地でカード勝ち越しと、藤川阪神が幸先のいいスタートを切った。
◆阪神藤川球児監督(44)の継投勝負が敵地での開幕連勝につながった。初の開幕ローテ入りとなった富田が4回5安打1失点と粘投すると、5回から早くも動き、リリーフ陣を投入した。開幕直前に支配下登録を勝ち取った育成ドラフト1位の工藤泰成投手(23=四国IL徳島)は3連続四球で押し出し1点を失うも、3番手及川が火消し。さらに6回から登板した4番手の石井大智投手(27)がイニングをまたいで2回1安打無失点の力投。「それもしっかり自分の中で想定しながらというか。そういう戦い方もすごく勉強になりましたし、今後、そういうことも増えていくと思うので。次の糧にしたい」と振り返った。投手陣でつないで競り勝った大きな白星。試合後の指揮官も「開幕2日目でブルペン陣がつないで勝利を取ってきた。チームとして強くなっていくという部分では、今日は大切に大切にゲームを送った上で、ゲームを取れたというのは非常に大きい」と納得顔だった。
◆広島は阪神に惜敗し、3年連続で開幕連敗スタートとなった。先発床田寛樹投手(30)が勝ち越した直後の6回に阪神森下に2ランを浴びて逆転負け。1点を追う終盤は7回、8回と1死一塁から犠打で得点圏に走者を進めるも、あと1本が出なかった。
◆阪神富田蓮投手(23)が約1年半ぶりの先発で粘った。4回1死一、三塁、ファビアンの二ゴロ併殺崩れの間に1点を献上。それでも追加点は許さず、4回5安打1失点で降板した。1軍戦先発は23年9月27日の中日戦以来。今季初勝利は逃したが、最少失点でつないだ。「4回で降板したのはすごく悔しいですけど。野手もピッチャーもつないでくれてゲームに勝てたので。次の登板に向けてしっかり準備したい」と次戦につなげる。
◆広島は開幕から2戦連続適時打なく、3年連続連敗発進となった。4回にファビアンの併殺崩れの間に先制し、同点の5回はモンテロの押し出し四球で勝ち越した。新助っ人がともに来日初打点を記録するも、そろって2戦連続無安打。7回2死一、二塁で空振り三振のモンテロは「甘いところに来た球は打ちたい気持ちがあったが、できなかった」と悔やんだ。
◆広島 前日の森下暢仁投手(27)に続き、床田寛樹投手(30)も1発に泣いた。1点を勝ち越した直後の6回。2死二塁から4番森下に1ボールから選択した内角直球がやや甘く入り、左翼席に運ばれた。「点を取ってもらった次の回に両方やられている。それじゃ勝てないなと思います」。5回も先制してもらった直後、2死から8番木浪に同点打を浴びた。新井監督は「(捕手の)石原もまた勉強して次につなげてもらいたい」とバッテリーでの反省を促した。
◆阪神藤川球児監督(44)が開幕2戦目から動いた。「取りたいゲームを取れましたね」。試合後も光る鋭いまなざしで、大胆な継投勝負を鮮やかに決めた。先発富田が4回1失点と粘投。「役割的には十分果たしてくれた」と迷わず5回から手を打った。2番手の育成ドラフト1位工藤は3連続四球で一時勝ち越されるも、3番手及川が見事に火消し。6回から登板したのは、昨季レギュラーシーズン56試合に登板した石井大智投手(27)だった。11球で3者凡退に抑えると、直後の攻撃で打席へ。そのまま7回のマウンドに上がり、1安打無失点の熱投を見せた。点差が開いた展開や延長戦などをのぞけば、開幕直後からの回またぎは異例。「それもしっかり自分の中で想定しながらというか。そういう戦い方もすごく勉強になりましたし、今後、そういうことも増えていくと思うので。次の糧にしたい」。シーズンでは23年5月3日中日戦以来、約2年ぶりの2イニングにも右腕は冷静だった。昨季は自己最多の登板数をこなしたが、若手主体の秋季キャンプに参加。村上、桐敷とともに一足先に打ち上げる際、藤川監督と芝生の上で膝をつき合わせた。「来年の春にはいいコンディションで、もしそうじゃなかったとしたら、コーチたちとしっかり話し合いながら自分たちのペースで進めてほしい」。晴天の下でかけられた信頼の言葉を、意気に感じていた。前日28日は先発村上が9回途中135球の力投。そして、屈指のリリーフ層を誇るからこそできる継投策に、藤川監督も納得顔だ。「開幕2日目でブルペン陣がつないで勝利を取ってきた。チームとして強くなっていくという部分では、今日は大切に大切にゲームを送った上で、取れたというのは非常に大きい」。敵地で決めた開幕カード勝ち越し。現役時代は守護神として君臨した指揮官のタクトが光った。【磯綾乃】阪神が、優勝した23年以来の開幕2連勝。阪神の引き分けをはさまない開幕2連勝は50年の2リーグ分立後23回あるが、そのシーズンの最終順位を見ると優勝3回(62、64、23年)、2位8回、3位7回、4位以下5回。開幕連勝スタートだとAクラスが18回と高確率でシーズンも好成績を残している。ちなみに85、03、05年の優勝時は●○発進だった。▽阪神金村投手コーチ(継投に)「他のピッチャーでもみんなね。伊原でも誰でも、もう勝っている展開で出せるピッチャーなので。ただ、順番がどうだったかという話」
◆阪神坂本誠志郎捕手(31)が攻守にわたる活躍で粘りの勝利に導いた。床田から3回に左前打、7回にも遊撃への内野安打を放ち、今季初のマルチ安打。捕手としても6投手でつないだリレーをリードし、1点差を勝ち切った。「シーズンに入れば、こういう試合もいっぱいある。こういう試合をいかに勝ち切れるかでシーズンの1勝、2勝が大きく変わる。今日みたいな試合がいつでもできるように」と勝利の味をかみしめた。▽阪神及川(5回2死満塁から登板し無失点)「もう開き直るしかなかった。直球3つでカウントが取れたのがすべてだった」▽阪神ゲラ(8回に今季初登板。1回1安打無失点)「寒い中で、感覚も良い悪いはちょっと分からないけど。その中で最後はしっかり終われた。自分の投球も全てできたので良かったよ」▽阪神岩崎(9回1イニングを1安打無失点で今季2セーブ目)「(中継ぎが)みんなよく頑張りましたね。(開幕戦からの連投は)先にできて良かったです」
◆開幕前に支配下登録された阪神育成ドラフト1位工藤泰成投手(23=四国IL徳島)は、ほろ苦のプロ初登板となった。同点の5回に登板。投手床田に中前打を許すなど2死一塁を招くと、制球を乱して3連続四球。押し出しで一時勝ち越しとなる失点を喫し、交代を告げられた。「落ち込んでいる暇はないので。明日も試合があるし、シーズンはこれから。切り替えて明日から、気持ちを入れ直します」と前を向いた。
◆阪神前川右京外野手(21)が連日の快音を響かせた。1点を先制された直後の5回1死から右翼線へ二塁打を放ち、チャンスを演出。2死二塁から木浪の中前打で一気に本塁生還した。8回の第4打席でも右前打を放ち、マルチ安打を記録。開幕戦でも1安打をマークしており、2試合連続安打となった。「開幕戦より良かった。徐々に良くしていけるように」。次戦以降は待望の今季初アーチにも期待がかかる。
◆ミスを挽回する快打だ。阪神木浪聖也内野手(30)が今季初安打となる同点打を放ち、ゲームの流れをグッと引き寄せた。1点を先制された直後の5回表2死二塁。左腕床田の外角低め144キロ直球を強烈なゴロで中前へ運んだ。二塁走者の前川が一気に本塁生還し、試合は振り出しに。「しっかり準備して臨んだ。チャンスで1本打てたのはデカかった」と冷静に喜びをかみしめた。前日28日の開幕戦では4打数無安打で悪送球による失策も記録。この日も3回の第1打席、無死一塁で試みた犠打が捕邪飛となり、走者を送れなかった。それでも「昨日ダメだからどうとかはないけど、ミスを取り返す気持ちがないとダメなので」とメンタルを保った。23年に2割6分7厘だった打率は昨年2割1分4厘まで低下。打撃復調のため、オフは体の姿勢改善に取り組んだ。野球の動きだけでなく私生活から姿勢を見直し「少し骨盤を立てる意識でだいぶ変わった」。この日の試合前練習でもストレッチで骨盤を立てる意識を入念に確認していた。完全復調を期す25年。失敗しても取り返す。強い精神力でチームに貢献する。【山崎健太】
◆阪神岩崎優投手(33)が指揮官以来の開幕2戦連続セーブを挙げた。投手6人による継投の大トリとして9回に登板。1安打無失点で今季2セーブ目を挙げた。28日の開幕戦でも9回2死から登板し、1セーブ目をゲット。球団の開幕2戦連続セーブは11年の藤川球児以来、14年ぶりとなった。「(中継ぎが)みんなよく頑張りましたね。(開幕戦からの連投は)先にできて良かったです」と振り返った。▽阪神金村投手コーチ(継投に)「他のピッチャーでもみんなね。伊原でも誰でも、もう勝っている展開で出せるピッチャーなので。ただ、順番がどうだったかという話」
◆さすが侍ジャパンの4番やで! 阪神の新4番、森下翔太外野手(24)が開幕2戦目の敵地広島戦で逆転&決勝2ランをぶちかました。1点を追う6回2死二塁、左腕床田から左翼席へ今季1号2ラン。新生藤川阪神を開幕2連勝に導いた。前日28日同戦の3番佐藤輝先制&決勝2ランに続き、連日の主砲アーチ。あっさりカード勝ち越しを決め、30日は開幕3連勝のロケットスタートを狙う。森下は昨年よりも強く、開幕から躍動する自分の姿を思い描いた。春季キャンプ中の2月中旬に腰痛を発症。周囲のざわつきを見聞きしても、順調に実戦を積む仲間たちを見ても、心が揺れることはなかった。「全然焦りはなかったです。むしろ、自主トレの期間はかなり追い込んだんで、ちょっと休憩じゃないですけど、プラスに捉えられました」室内などで1人で過ごす時間はさらなるレベルアップの好機と捉えた。「ケガしたということは、やっぱりちょっと弱っていたり、疲労だったり、いろいろな要因があると思う」。体の硬さがケガにつながると分析し、柔軟性を上げるトレーニングに着手。腰や体幹も重点的に鍛えた。「キャンプ中のケガとか不安なところも含めて、すごく順調な形でシーズンにもっていけている」足踏みだって進化のきっかけ。もっともっと大きく育つ。【阪神担当=塚本光】
◆さすが侍ジャパンの4番やで! 阪神の新4番、森下翔太外野手(24)が開幕2戦目の敵地広島戦で逆転&決勝2ランをぶちかました。1点を追う6回2死二塁、左腕床田から左翼席へ今季1号2ラン。新生藤川阪神を開幕2連勝に導いた。前日28日同戦の3番佐藤輝先制&決勝2ランに続き、連日の主砲アーチ。あっさりカード勝ち越しを決め、30日は開幕3連勝のロケットスタートを狙う。森下は一塁を回ると手をたたき、ほとんど表情を変えずに、ダイヤモンドを1周した。広島ファンは勝ち越しの盛り上がりから急転直下。虎の新4番が一振りで空気を一変させた。「チャンスで回ってきた時のことを思って練習している。ああいう場面で打つのが仕事だと思っているので、継続的にやりたい」1点を追う6回2死二塁。1ボールから広島床田の内角145キロ直球をかち上げた。力強い飛球は左翼2階席の下、中国電力の看板に直撃。「角度がすごくよかった。入ってくれてよかった」。好感触の逆転2ランは決勝アーチとなった。忘れられないグラブの感触がある。15日のカブスとのプレシーズンゲーム。2回1死、5番ショウの矢のように鋭いライナーが左翼森下に襲いかかった。グラブを差し出し難なく捕球した瞬間、自信が芽生えた。「打球は強いですけど、自分とそこまで変わらないと思う。劣っているとか、負けている気はしない。逆にこのぐらいっていうことが肌で分かった」実際に森下は同戦の初回、両軍最速となる打球速度約186・2キロを遊ゴロで計測している。開幕直前のメジャーリーガーとの対決が、虎の主砲としての自覚に拍車をかけたようだ。昨年11月のプレミア12では侍ジャパンの4番を任された。そして今季、新生藤川阪神でも4番の重責を託され、昨季までの自分からさらにパワーアップした姿を披露し続けるつもりだ。「新戦力じゃないですけど、そういう立場でもある。思い切ってやりたい」本塁打の第3打席はファーストストライクを捉えたもの。重要な打順を担うからこそ、萎縮した姿は見せない。持ち味の積極性を今まで以上に加速させ、打線をけん引していく。新打順の中心を託した藤川監督は試合後、4番の存在感に納得した。「打つべき選手が打った試合は取らないといけない、という思いがすごく強い。4番が打っていますから、それは大切にしないといけない」。前夜は3番佐藤輝、この日は4番森下が決勝弾。チームも自身も好発進に違いないが、若き主軸は地に足がついている。「まだ始まったばかり。明日に向けて頑張ります」。根拠に基づいた自信が、森下の存在感を高めている。【塚本光】阪神が、優勝した23年以来の開幕2連勝。阪神の引き分けをはさまない開幕2連勝は50年の2リーグ分立後23回あるが、そのシーズンの最終順位を見ると優勝3回(62、64、23年)、2位8回、3位7回、4位以下5回。開幕連勝スタートだとAクラスが18回と高確率でシーズンも好成績を残している。ちなみに85、03、05年の優勝時は●○発進だった。
◆両軍のスターティングメンバーが発表。開幕戦に勝利した阪神は富田蓮投手(23)が先発初星を狙う。打線では28日に12球団最速の第1号を打った佐藤輝明内野手(26)は2戦連発なるか。捕手は坂本誠志郎捕手(31)、遊撃手は木浪聖也内野手(30)が2戦連続スタメン。
◆阪神の先発・富田蓮投手(23)が無失点の立ち上がりを見せた。社会人卒プロ3年目の左腕は、これが3度目の先発のマウンド。ルーキーイヤーの2023年に2度先発したがいずれも黒星で、9月27日の中日戦(甲子園)以来549日ぶりの1軍先発となった。一回、先頭の二俣を中飛に打ち取ると、矢野からは直球で空振り三振を奪う。2死から小園に安打を許したものの、4番・モンテロを右飛に抑え、無失点でスタートを切った。阪神は前夜の開幕戦で先発の村上が8回?3、最後は岩崎が締めて完封リレーを記録。2戦目を任された左腕も、順調に走り出した。
◆阪神が四回に先制を許した。先発の富田蓮投手(23)は三回まで無失点に抑えていたが、両者無得点の四回。先頭の小園に2打席連続の安打となる中前打を許すと、1死から秋山にエンドランで左前打とされて1死一、三塁とピンチを背負う。続くファビアンには追い込みながらも、食らいつかれて打球は一、二塁間へ。中野がスライディングしながらさばき、併殺を選択。二塁に転送して一塁走者はアウトにしたものの、打者走者はセーフとなり、この間に三塁走者の小園が生還し、先制点を与えてしまった。阪神は前日村上―岩崎のリレーで完封勝利をしており、今季13イニング目で初の失点となった。
◆阪神が木浪聖也内野手(30)の適時打で同点に追いついた。1点を先制された直後の五回。1死から前川が右翼線への二塁打を放つと、2死二塁となって木浪が打席へ。1ボールからの直球を、投手の足元に鋭くはじき返した。打球は中前に転がり、二塁走者の前川がヘッドスライディングでホームイン。広島・新井監督からリクエストの要求があるも、判定は覆らず。木浪の今季6打席目で初めての安打で、すぐさま試合を振り出しに戻した。
◆阪神・富田蓮投手(23)が先発し、4回5安打1失点で降板した。一回は2死から小園に右前打を許すも4番・モンテロ(前ロッキーズ)を右飛に打ち取り無失点発進。二回は三者凡退とゼロを並べると、先頭の石原を安打で出塁させた三回は投手・床田のバントゴロを自ら素早く二塁へ送球して併殺とし、チャンスメークを許さなかった。四回は2安打で1死一、三塁のピンチを背負い、併殺崩れの二ゴロの間に先制の1点を許したが、後続を断って最少失点。五回に打順がまわったところで代打を送られた。今春の実戦では22日のオープン戦・オリックス戦(京セラ)の一回に失点するまで、初登板から16イニング無失点と結果を残し、この開幕2戦目の先発を勝ち取った。先発登板は2023年9月27日の中日戦(甲子園)以来549日ぶり。勝てば同年4月1日のDeNA戦(京セラ)以来728日ぶりで、先発では初となる勝利を目指したが、お預けとなった。
◆今月支配下登録された阪神育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が1-1の五回に2番手でプロ初登板した。先頭の石原をこの日のMAX156キロの直球で一ゴロに打ち取ったが、9番・床田に中前打、2番・矢野、3番・小園に連続四球を与え2死満塁塁のピンチを招いた。打席には新外国人のモンテロ。押し出し四球で勝ち越しを許したところで降板。後を受けた及川が後続を抑え、この回を終えた。
◆阪神が六回、森下翔太外野手(24)の今季1号2ランで逆転に成功した。1点を勝ち越されて1-2となった直後の六回、先頭の近本が安打で出塁し、中野の犠打で二塁に進む。2死となって4番・森下が、直球を振り抜いた。大きな飛球は左翼スタンドへ一直線。今季から4番に座る主砲が、ひと振りで試合をひっくり返した。7打席目での本塁打は自身最速。ベンチ前では「アイブラック兄弟」の佐藤輝とジャンプをしながら腕を合わせるパフォーマンスを披露した。「打ったのはストレート。チャンスで回ってくることをイメージして準備していました。しっかり自分のスイングで捉えることができてよかったです」と声を弾ませた。
◆阪神が逆転で連勝を収めた。549日ぶりの1軍先発となった富田蓮投手(23)は4回1失点で降板となったが、五回に木浪聖也内野手(30)の適時打で同点に追いつく。その後勝ち越されて1-2となった六回、2死二塁から森下翔太外野手(24)が逆転2ラン。新4番のひと振りで試合をひっくり返した。1点のリードを盤石のブルペン陣が守り切る。六、七回は石井大智投手(27)が回跨ぎで無失点。八回はハビー・ゲラ投手(29)がつなぎ、九回は岩崎優投手(33)が抑えて2戦連続のセーブを記録した。前夜の佐藤輝明に続いてこの日は森下と、主軸の一発で2連勝とした。
◆広島は阪神に逆転負けを喫し、開幕カードは3年連続で負け越しとなった。先発した床田寛樹投手(30)は7回を7安打3失点で、今季初黒星。1点リードの五回に2死二塁から木浪の中前適時打で同点とされ、2|1の六回には2死二塁から森下に左翼席へ逆転の2ランを浴びた。打線は四回に1死一、三塁の好機で新外国人、ファビアン(前レンジャーズ傘下)の二ゴロの間に1点を先取。同点とされた直後の五回には2死満塁から新助っ人、モンテロ(前ロッキーズ)が押し出し四球を選び勝ち越したが、その後は無得点に終わった。
◆阪神が2年ぶりの開幕2連勝。六回2死二塁、森下翔太外野手(24)の逆転1号2ランが決勝弾となった。先発富田蓮投手(23)は4回1失点。五回に2番手で登板した育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=は2死一塁から3連続四球を与えて、降板した。その後は及川雅貴(23)、石井大智(27)、ハビー・ゲラ(29)、岩崎優(33)の4投手がゼロを並べた。藤川球児監督(44)の主な一問一答は以下の通り(観衆=3万1726人)。ーーリリーフ陣がしっかり投げた「取りたいゲームを取れましたね」ーーまずは富田が粘った「役割的には十分に果たしてくれたと思います」ーー工藤はプロ初登板だった「そこまでは全然、問題ないと思って。及川がよく抑えてくれた(工藤降板後の2死満塁で秋山から見逃し三振)というか、ある意味で言うと、そういう展開もあると思いましたけど、何もない状況で降板させることはできないので、いい形で後ろがつながったのでね。結局はそのあとのゲームがしっかりとできた、というところです」ーー工藤は力みがあったのか「それは別に、そういう展開もあるでしょうけど、押し出し一つでゲームが決まるとは、なかなか思えないので。そういう日もあります。まだまだ十分にイニングが残っていますから、自分たちの攻撃陣を信用しているところはあります」ーー石井は2イニングを投げた「そうですね。打つべき選手が打った試合は取らないといけない、という思いが、すごく強いので。そういう部分では、4番が打っていますから、大切にしないといけない。チームを波に乗せるという部分では、石井もよく頑張ってくれました」ーー石井は打席が回ってきたが、交代に迷いはなかったか「その辺は...はい」ーー石井はフレッシュな状態だから2イニングを投げさせることができたか「うーん、それは細かく言えないですけどね」ーー頼もしいリリーフ陣がいることで早めに動ける「状況は日々、変わりますけど、開幕2日目でブルペン陣がつないで勝利を取ってきたことは、チームとして強くなっていくという部分では、今日は本当に大切に、大切に、大切にゲームを送った上でゲームを取れたことは、非常に大きいと思います」ーー若い投手をみんなでカバーしたように見えた「まだまだ安定はしてこないと思います。安定しているブルペン陣がよく頑張ってくれたし、富田もよく粘りながら、坂本もよく支えながら。まあ、チームですよね」ーー開幕戦は3番・佐藤輝、2戦目は4番・森下にホームランが出た「打線ですから」
◆六回、逆転2点本塁打を放ち拳を握り雄たけびをあげる阪神・森下翔太=マツダスタジアム(撮影・水島啓輔)
◆広島は先発した床田寛樹投手(30)が7回を7安打3失点で今季初黒星。打線は新外国人、サンドロ・ファビアン外野手(27)=前レンジャーズ傘下=が内野ゴロの間に、エレフリス・モンテロ内野手(26)=前ロッキーズ=が押し出し四球でともに来日初打点をマークした。
◆阪神が2年ぶりの開幕2連勝。六回2死二塁、森下翔太外野手(24)の逆転1号2ランが決勝弾となった。リードした後は石井大智(27)、ハビー・ゲラ(29)、岩崎優(33)のリレーで逃げ切った。現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)が阪神の投手リレーに言及した。藤川監督にとっては、想定通りの継投だったのではないか。経験の浅い富田が先発の日は、長いイニングを投げてくれれば、それに越したことはないが、「どうかな?」と思ったときは、早め早めの継投に踏み切る準備をしていたはず。言ってみればブルペンデーだ。今の阪神には、この継投に耐えうる救援陣がそろっている。だから新監督も開幕2戦目から思い切れるのだ。同時に、延長を見据えた継投も必要。勝ちパターンを出し切って、追い付かれると延長は苦しくなる。そこでこの日の石井のようなイニングまたぎも球数によってはあり得る。桐敷にこの役目が回る試合もあるだろう。さらにいえば、2戦目に富田を先発させた深謀遠慮も感じる。開幕してどんな投手も、まず一度はマウンドを踏みたい。落ち着けるからだ。早い段階でブルペンデーを設定したことで、数多くの投手に出番が巡ってきた。救援が働き場所だった藤川監督だからこその采配だ。新戦力の工藤は押し出しもあったが、球が暴れての失点ではなかったので、心配はいらない。藤川監督もそのあたりは理解していると思う。強力救援陣のワンピースとして、次回登板を期待したい。(本紙専属評論家)
◆挽回の思いを乗せてはじき返した。犠打失敗を取り返すタイムリーを放った阪神・木浪聖也内野手(30)は、一塁上で拳を握った。「とにかくつなぐ意識が強かった。(前川)右京も走ってくれたんで良かったです。しっかり準備して臨んだんで、チャンスで一本打てたのはでかかったです」0-1の五回二死二塁で床田の直球を振りぬくと、打球は二遊間を抜けた。二走の前川がホームへ頭から突っ込んで判定はセーフ。リプレー検証でも覆らず、今季初安打、初打点で同点に追い付いた。三回無死一塁で犠打を試みたが、捕邪飛となった。「しっかり一発でできないと駄目」と反省したが、7年目を迎えた30歳は引きずらない。「(失敗を取り返す)もちろんそういう気持ちがないと駄目」。次打席でめぐってきたチャンスで求められる結果を残し、七回無死一塁ではきっちりと投前に犠打も決めた。2023年は『恐怖の8番』として打率・267、41打点をマークし、リーグ優勝、日本一に貢献。昨年は負傷離脱期間もあり、同・214と不完全燃焼に終わった。巻き返しを期す今季。開幕戦は4打数無安打だったが「全然悪くなかったし、感覚はいい方だと思っていた」。下位打線ながら攻撃の口火を切ることができ、この日のようにチャンスでは打点を稼げるのが木浪の強みだ。「全員で守って勝てていると思うんで、集中して守っていきたい」勢いに乗るチームを支える背番号0が〝定位置〟からにらみを利かせ、相手に恐怖を与えていく。(渡辺洋次)
◆3月に支配下登録をされた育成D1位・工藤泰成投手(23、四国IL徳島)はホロ苦いプロデビューとなった。「ちょっと四隅を狙い過ぎた。もっと自信を持ってゾーンの中で勝負をすればよかった」。同点直後の五回に登板も、投手の床田に安打を許し、2死一塁から3連続四球でプロ初失点。?回で降板となったが「落ち込んでいる暇はない。シーズンはこれから。切り替えて明日から気持ちを入れ直します」と前を向いた。
◆阪神・岩崎優投手(33)が開幕から2試合連続でセーブを記録した。3-2の九回に登板。1死から二俣に右前打を許したが、最後は小園を空振り三振に仕留めた。1点リードの六回から石井が2回、ゲラが1回を無得点に抑えた。勝利のリレーを締めくくった左腕は「みんなが本当によく頑張りました。よかったです」と仲間をたたえた。
◆1点をリードされた直後の五回2死満塁で登板した阪神・及川雅貴投手(23)が鮮やかな火消しだ。秋山を見逃し三振に仕留めてピンチをしのぐと、直後に森下が逆転2ラン。3年連続となる白星が転がり込んだ。「絶対に追加点を与えないつもりで投げた。それ(勝ち星)は運。森下さんが見事なバッティングをしてくれたから。抑えられてよかった」と喜びをかみしめた。
◆五回に右翼線二塁打でチャンスメークした阪神・前川右京外野手(21)は、木浪の中前打で頭から滑り込んでホームイン。「セーフになってよかったです」と喜んだ。八回二死一塁でも右前へ運んで今季初マルチ安打。「昨日(28日)は前にも後ろにも出されていた。きょうは一定のリズムで振れたらなと思って、ちょっとはできたときもあったので明日頑張ります」と気を引き締めた。
◆30日の広島戦に先発する阪神・門別啓人投手(20)はキャッチボールなどで調整した。「しっかり自分の強みの真っすぐで押していけるように、自分らしいピッチングができるように頑張りたい」。高卒3年目左腕は今春の実戦7試合で25回?を投げ、防御率0・00をマークして開幕ローテ入り。通算4度目となる先発マウンドでプロ初勝利を狙う。
◆3年目左腕の阪神・富田蓮投手(23)は、2年ぶりの先発で4回5安打1失点で勝ち負けつかず。「すごく悔しいけど、最少失点で粘れたのはよかった」とチームの逆転勝利を喜んだ。四回1死一、三塁で、ファビアン(前レンジャーズ3A)の二ゴロ併殺崩れの間に先制されたが、追加点は許さなかった。昨年は中継ぎながら、キャンプから結果を残して開幕ローテを勝ち取った23歳は「次の登板に向けてしっかり準備したい」と雪辱に燃えていた。
◆八回から今季初登板した阪神・ハビー・ゲラ投手(29)は無失点でつないでホールドをマーク。先頭の秋山の左前打から2死二塁とされたが、代打・野間を遊ゴロに斬った。「最後しっかり終われたので良かった。みんな優勝に向かってやっている中でしっかり準備できてきていると思うので、自分も一員になってブルペンのみんなで勝ち続けたいなと思っています」と力を込めた。
◆主砲の一振りで奪った主導権を渡すわけにはいかない。開幕2戦目で光った球児流采配。どよめきも呼ぶ継投策で開幕連勝を決め、阪神・藤川球児監督(44)はナインとハイタッチを交わした。「『打つべき選手が打った試合は取らないといけない』という思いがすごく強い。4番が打っていますから。それは大切にしないといけない。チームを波に乗せるという部分では、石井もよく頑張ってくれましたね」1―2と勝ち越された直後の六回に森下が逆転2ランを放ち、この日初めてリードを奪った。主砲がもたらした勢いに乗るべく、マウンドに石井を送り込んだ。右腕は託された六回をわずか11球で3人斬り。だが、これで終わらない。「1イニング目を投げ終わって『次もいくぞ』ということだった」。七回1死二塁で2022年以来、3年ぶり2度目となる打席に立ってから再びマウンドへ。2死一、二塁のピンチを招いたが、4番・モンテロ(前ロッキーズ)を空振り三振に仕留めた。藤川監督は岩崎のクローザー起用こそ明言しているが、勝ち試合の終盤を任せる投手については開幕前に「天気、季節と一緒で、いろんなものがありますから」と固定化をしない方針を示した。試合の流れ、相手の出方、選手の状態を見極め、臨機応変にふるう采配こそ、球児流。23年5月3日の中日戦(甲子園)以来、2年ぶりに2回を投げた石井は「そういう戦い方もすごく勉強になったし、今後はそういうことも増えていくと思う。次の糧にしたい」と力を込めた。その後は八回をゲラ、九回は岩崎を送り出して逃げ切りに成功。ブルペン陣の働きも目立った勝利には、開幕戦勝利とはまた違う格別の意味がある。「開幕2日目でブルペン陣がつないで勝利を取ってきた。チームとして強くなっていくという部分では、きょうは本当に大切に、大切に、大切にゲームを送ったうえで取れたのは非常に大きい」新4番の一発で奪った1点のリードを、リリーフ陣の奮投で守り切った。藤川虎2勝目は、投打ががっちりとかみ合った一丸野球でつかみ取った。(須藤佳裕)
◆また一発に泣いた。広島は逆転負けを喫し、開幕カードは3年連続で連敗スタート。先発の床田は7回3失点で黒星を喫し、新井貴浩監督(48)は森下に逆転2ランを浴びたバッテリーに成長を求めた。「内角、真っすぐが甘く入ったのかな。1ボールから一発のある打者にね。甘く入ったとはいえ、トコ(床田)だけじゃなしに(捕手の)石原もまた勉強して次につなげてもらいたい」2-1の六回だ。2死二塁から左腕が森下の投じた2球目。145キロ直球を左翼席まで運ばれた。前日28日の開幕戦では佐藤輝に先制2ランを浴び、この日は虎の4番に被弾した。床田は「次、やり返したい」と奮起を誓った。打線は9安打でわずか2得点。適時打は出なかったが、ファビアン(前レンジャーズ傘下)が内野ゴロの間に、モンテロ(前ロッキーズ)が押し出し四球と、新外国人がともに来日初打点をマーク。開幕3戦目白星へのきっかけとしたい。(西垣戸理大)
◆ホンマ頼もしいやっちゃで!! 阪神は広島に3―2で逆転勝利し、リーグ優勝、日本一を果たした2023年以来、2年ぶりの開幕連勝を飾った。1点を追う六回に今季から4番を務める森下翔太外野手(24)が、今季1号となる逆転2ランを放った。新たな役割で背負う重圧と向き合いながら進化を期す若虎は、さらにV奪還を狙う藤川虎を勢いづけていく。虎の新4番の力を、マツダスタジアムに詰めかけた3万1726人が目の当たりにした。森下が打った瞬間、試合が決まったような空気になった。青空を横切った白球は左翼スタンドへ。主砲が一振りで勝利をもたらした。「チャンスだったので自分の持ち味は消さないように、タイミングだけ合わせていった。(バットの)先の方で確信まではいかなかったですけど、角度がすごくよかった。入ってくれてよかったなと思います」1点を勝ち越された直後の六回2死二塁で、床田の内角直球に反応。左翼スタンドに突き刺し、自身最速となる開幕から2試合、7打席目での1号2ランで逆転に成功した。一塁付近で大きくほえてダイヤモンドを一周。ベンチでは佐藤輝とハイタッチで喜び合った。今季から4番を任された。打てばヒーロー、打てなければ戦犯―。中心打者の宿命を感じている。「チャンスで打席に立つことは、実はめちゃくちゃ疲れる。体だけじゃなくて、脳も。オープン戦でもそうだった。試合後の疲弊度が全然違う」昨季は得点圏打率・351とチャンスで結果を残し続けてきたが、それは重圧に打ち勝ってきたから。今季からよりプレッシャーが大きくなることは自覚している。この日はここぞの一打で勝利を手繰り寄せ「クリーンアップにいるからこそ、ああいう場面で打つのが仕事。継続的にやりたい」とうなずいた。2024年11月24日。4番の力を痛感した日だ。プレミア12で全試合、日本代表の4番として戦ったが、決勝では4打数無安打で敗戦。頂点にはあと一歩で届かなかった。
◆三塁側のビジター応援席が真っ黄色に染まっていた。カープの本拠地だが、阪神戦に限っては黄色の面積が一気に広がる。すごいぞ、虎党!熱狂的な虎党のお姉さま(虎ソナの親友)も、大阪から広島へ遠征して、マツダスタジアム名物のバーベキューを食べながら応援できる外野席に陣取った。みんな、開幕を待っていた。ナマで虎を見たかった。だから遠征先でも行ってしまうのだ。ところが、虎党には不思議なタイプもいる。29日午後3時半から、ちょうど阪神がマツダで戦っている時間帯に、同時進行で開催されたのがサンスポ開幕版「プロ野球ここだけの話! ついでに順位予想もやっちゃえ~~」。産経新聞開発(株)サンケイツアーズが主催したイベントだ。阪神が試合をしているのに、舞台の大阪市中央公会堂に阪神ファンなんて来るの?と思ったアナタ。甘いです。阪神ファンは集まってくださったんですよ。それも大盛況になるぐらい。3人のサンケイスポーツ専属評論家も集結。田尾安志氏が「今年の阪神は打線がレベルアップしている」と絶賛すれば、藪恵壹氏も「投手が良くても意外に優勝できていない。やはり打たないと。ことしは攻撃が頑張ってくれそう」と期待MAX。星野伸之氏は「伊原は見た目以上にベース板で強い球を投げられるという。楽しみ」とドライチルーキーを評価。もちろん3人の順位予想は1位で、阪神ファンは大喜びだ。藪さんが時折スマホで試合をチェックし「いま森下が逆転ホームランを打ったみたいですよ」と報告すると、会場は大歓声。森ちゃんことフリーアナウンサーの森たけしさんも軽妙なトークを繰り広げて、ここでは書けない!?裏話もどんどん引き出してくださった。そして、午後5時過ぎのエンディング。森アナが「いま、九回裏みたいですが、阪神、どうなってるんでしょうね?」と問い掛けると、ファンの1人が「勝ったで~」と教えてくださる、まさかの展開。これに会場全体が拍手、拍手...。
◆メラメラメラメラ~! 開幕2連勝!! 藤川球児監督の火の玉采配が本日もうなりを上げたー!!年明け早々に藤川監督が虎の新4番に指名した森下が六回、カキーンと一振りで試合を決める逆転2ランと大当たり!! 前日も新3番、佐藤輝の一回2ランにこれまた新5番の大山が八回に駄目押しのタイムリー!! 『藤川型クリーンアップ』当たり過ぎてコワ~!!もちろん、阪神自慢の投手陣もみんないい仕事したねェ。先発で4回1失点の富田の粘投(次は白星や!!)をはじめ及川、石井、ゲラ、岩崎とまさにマウンドの職人、お見事!!そんな中、育成ドラフト1位の工藤は3四球の押し出しなど苦いデビューだったけど、開幕2戦目同点の五回に登板を与えられるってことはそれだけ期待大ってことや!! 次はその剛腕を見せてくれー!!そーだ、工藤は新人で開幕1軍(D1位の伊原も)だし、石破総理が新人議員に10万の商品券を渡したみたいに、藤川監督も出したって~!! こちらのポケットマネーは国民もホッコリだよねェ。

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
2 | 0 | 0 | 1.000 (-) | - (-) |
141 | 18 (+12) | 5 (-) | 3 (+2) | 1 (+1) |
0.375 (↓0.02) | 1.420 (↑1.28) |
1 (-) |
阪神 |
2 | 0 | 0 | 1.000 (-) | 0 (-) |
141 | 7 (+3) | 2 (+2) | 2 (+1) | 0 (-) |
0.254 (↑0.019) | 1.000 (↓1) |
3 (2↓) |
DeNA |
1 | 1 | 0 | 0.500 (↓0.5) | 1 (↓1) |
141 | 5 (-) | 1 (+1) | 0 (-) | 1 (-) |
0.193 (↓0.128) | 0.500 (↓0.5) |
3 (1↑) |
中日 |
1 | 1 | 0 | 0.500 (↑0.5) | 1 (-) |
141 | 1 (+1) | 5 (-) | 0 (-) | 1 (+1) |
0.209 (↑0.08) | 2.650 (↑2.98) |
5 (1↓) |
広島 |
0 | 2 | 0 | 0.000 (-) | 2 (↓1) |
141 | 2 (+2) | 7 (+3) | 0 (-) | 0 (-) |
0.206 (↑0.073) | 3.500 (↑0.5) |
5 (1↓) |
ヤクルト |
0 | 2 | 0 | 0.000 (-) | 2 (↓1) |
141 | 5 (-) | 18 (+12) | 1 (-) | 0 (-) |
0.167 (↓0.049) | 7.640 (↓2.05) |
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