巨人(☆12対0★)ヤクルト =リーグ戦2回戦(2025.03.29)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
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勝利投手:赤星 優志(1勝0敗0S)
敗戦投手:吉村 貢司郎(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】キャベッジ(2号・3回裏3ラン),甲斐 拓也(1号・4回裏2ラン)

  DAZN
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◆巨人は1-0で迎えた2回裏、門脇とヘルナンデスの適時二塁打などで一挙6点を追加する。続く3回にはキャベッジの3ランが飛び出すなど、終わってみれば13安打で12得点を挙げた。投げては、先発・赤星が5回1安打無失点で今季初勝利。敗れたヤクルトは、投打ともに精彩を欠いた。

◆ヤクルト田口麗斗投手(29)が、巨人戦の試合前練習前に開幕戦で死球を与えた巨人のトレイ・キャベッジ外野手(27)に直接謝罪した。田口はグラウンドに現れると、打撃ケージに向かおうとするキャベッジに歩み寄り、頭を下げた。通訳も交えながら会話をかわし、キャベッジがハグで応じた。田口は死球を与えた直後に帽子を取り、謝罪の意思を伝えたが、一夜明け、直接言葉を交わし、謝罪の思いを伝えたようだ。キャベッジは、28日の開幕戦で2点を追いかける9回1死一、三塁から田口の抜けたボールが右手甲付近に直撃し、顔を真っ赤にしながら声を張り上げた。試合後は「ぶつけられたから怒ったっていうよりは、打ちたかったのに打たせてもらえなかったから、ちょっとイライラしたりしてしまった」と理由を話したが、当人同士で和解した。

◆巨人が開幕2戦目のスタメンを発表した。坂本勇人内野手(36)がスタメンを外れ、中山礼都内野手(22)が「6番三塁」で起用された。また、前日の試合でサヨナラ打を含む4安打の活躍を見せた若林楽人外野手(26)が「1番左翼」、来日初本塁打含む猛打賞のトレイ・キャベッジ外野手(27)が「2番右翼」で出場。絶好調の2人が2戦続けて1、2番に入った。先発マウンドには赤星優志投手(25)が上がる。当初、先発予定だったフォスター・グリフィン投手(29)が発熱のため登板を回避。急きょチャンスが巡ってきたチャンスを生かしたい。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(32)が痛恨の適時失策で、巨人に序盤から大量点を奪われた。3点ビハインドの2回1死二、三塁、巨人キャベッジの一ゴロを後逸。2者が生還し、リードを5点に広げられた。ベンチの高津臣吾監督(56)は厳しい表情で戦況を見つめた。前夜の開幕戦では、巨人の一塁手の岡本がオスナの打球を失策。ピンチを広げ、巨人先発の戸郷は一挙4点を失った。ヤクルト先発の吉村貢司郎投手(27)は1回に岡本に先制打を浴び、2回に門脇の2点適時二塁打、オスナの適時失策などで6点を追加され、2回途中7失点でKOされた。開幕戦では、先発の奥川が6回無失点と好投しながら、最大5点差を逆転され、悪夢のサヨナラ負け。この日は前夜の悪い流れを変えられず、序盤から巨人に大量リードを許した

◆巨人中山礼都内野手(22)が、今季初スタメン出場し、初打席で初安打をマークした。1点リードの2回、先頭でヤクルト吉村から左前打で出塁。ベンチスタートの坂本勇人内野手(36)も手をたたき、ベンチの長野久義外野手(40)からの「丸ポーズ」に塁上で「丸ポーズ」で応えた。オープン戦では打率3割4厘をマークし、阿部慎之助監督(46)から高評価を受けたが、28日の開幕戦は「スイッチの入れどころを知ってる選手だから」と坂本を開幕スタメンに起用し、出場機会はなく、チームはサヨナラ勝利した。坂本は2併殺を含む5打数無安打で、スタメンで唯一の無安打に終わり、この日は中山が「6番三塁」でスタメンに名を連ね、初打席で結果を出した。中山の一打をきっかけに得点を重ね、ヤクルト先発の吉村をKOした。

◆ヤクルト吉村貢司郎投手(27)が2回を持たずにKOされた。1回1/3を6安打7失点(自責4)と先発の役目を果たせなかった。1回は2死三塁から岡本に左前適時打を浴び、先手を取られた。2回は3連打で2点を失うと、さらに自身の野選と味方の失策が絡んで2失点。点差が5点に広がると、吉川にも右前打を許して1死一、三塁とピンチを広げた場面で交代を告げられた。マウンドで視線を落とし、唇をかんだ。「流れを止めることができず申し訳なく思います」と肩を落とした。2番手の金久保も吉村が背負った2人の走者の生還を許し、流れを止めきれなかった。前夜は悪夢のサヨナラ負けを喫し、この日も2回までに7点を追う劣勢となった。

◆3回終了時の名物コーナー「江戸前すしレース」は2戦連続で、あなごが制した。この日も、まぐろ、こはだ、たまご、えび、あなごのコスチュームに身を包んだ子どもたち5人がレースに参加した。スタート直後は横一線だったものの、徐々にあなごが抜けだしてゴールテープを切った。前日の開幕戦で行われたレースでも、あなごがぶっちぎりのトップでゴールしていた。

◆ヤクルト中村悠平捕手(34)が4回裏の守備から途中交代した。3回1死、1ボールからの2球目が自打球となり、左足首付近を直撃。顔をゆがめ、倒れ込んでいた。そのまま打席に立ち、遊ゴロだった。3回裏はマスクをかぶったが、すでに10点を追う展開だったこともあり、4回から松本直に交代した。試合後、高津監督は「また明日というところです」と大事を取っての交代と説明。中村悠は自打球が直撃した左足首付近について「僕は大丈夫です」と問題なしを強調した。

◆ヤクルトのドラフト3位荘司宏太投手(24=セガサミー)が無失点デビューを果たした。1回を1安打2奪三振の無失点だった。12点を追う6回に4番手で登板。先頭中山は高め132キロスライダーで空振りの3球三振とした。甲斐に一塁後方の飛球となる内野安打こそ許すも、後続の門脇を左飛、岸田を空振り三振に仕留めた。オープン戦は6試合に救援登板し、6回無安打無失点と好投を続けた。球団のルーキーでは唯一の開幕1軍を勝ち取った即戦力左腕。劣勢の中で、まずは1軍の経験を積んだ。

◆ヤクルトが、投手陣が12失点とめった打ちされ、開幕2連敗を喫した。高津監督は「フィルダースチョイスあり、エラーありね。守備は大量失点につながる大きなミスがいくつかありました」と苦言を呈した。1回、先発の吉村が岡本に先制打を浴び、2回に門脇の2点適時二塁打、オスナの適時失策などで6点を追加され、2回途中7失点でKOされた。3回にキャベッジの2号3ラン、4回には甲斐の移籍後初アーチとなる2ランで追加点を奪われ、高津監督も厳しい表情でグラウンドを見つめた。吉村について、高津監督は「あまりオープン戦の終盤から状態が良くなくて、まずボールがうまくコントロールができないというか、抜け、引っかけのボールが多かったかなと思います」と指摘した。開幕戦の17安打と合わせ、2試合で計30安打、18失点の投手陣ついては「ちょっと今は我慢の時ですね。故障者が戻ってくるまでは何とかと思っていますけど。いるメンバーで頑張りますよ」と話した。開幕戦で巨人戸郷を相手に4得点を奪った打線は、赤星、船迫、高梨、田中瑛、横川のリレーの前に無得点に終わった。開幕戦では、先発の奥川が6回無失点と好投しながら、最大5点差を逆転され、悪夢のサヨナラ負け。この日は前夜の悪い流れを変えられず、巨人に完敗した。

◆巨人が、大量12得点でヤクルトに大勝し、開幕連勝スタートを切った。1回、岡本が先制の適時打を放ち、2回には門脇の2点適時二塁打、オスナの適時失策などで6点を追加し、ヤクルト吉村を2回途中7失点でKOした。3回にキャベッジの2号3ラン、4回には甲斐の移籍後初アーチとなる2ランで得点を重ねた。阿部慎之助監督(46)は「初回の岡本のタイムリーが大きかったと思いますし、ああやって、先取点を取るといいつながりが出てくるので、素晴らしい攻撃だったんじゃないかなと思います」と評価した。先発で5回無失点と好投した赤星については「今年、マイナーチェンジして、すごく状態も良かった。急きょだったんですけど、とても素晴らしいピッチングをしてくれたので、今のところ、来週もいってもらおうかなと思います」と先発ローテ継続を明言した。

◆巨人阿部慎之助監督(46)が、今季初スタメンで初打席初安打をマークした中山礼都内野手(22)について、さらなる成長を期待した。1点リードの2回、先頭でヤクルト吉村から左前打で出塁。門脇の2点適時二塁打でホームを踏み、一挙6得点の流れを作った。中山の起用について、阿部監督は「坂本の昨日の結果もそうですし、中山の状態がずっといいんで、使ってみようっていうのでいってみましたけど」と理由を説明。1打席目で安打を放ち「その後が内容良くなかったけど、いい当たりもしたんでね。そう簡単には打てないでしょうけど、こちらが我慢して使っていければいいかなとは思ってますね」と今後もスタメン起用することを明言した。中山はオープン戦では打率3割4厘と好調を維持。阿部監督は坂本勇人内野手(36)を開幕スタメンに起用し、開幕戦の出場機会はなかったが、開幕2戦目でスタメン起用され、結果で応えた。

◆巨人石川達也投手(26)がヤクルトの両助っ人を警戒した。30日の開幕3戦目に先発予定。移籍後初登板にして、プロ2度目の先発に臨む左腕は「今のところは別に普段と変わらない感じですけど。明日になったら多分緊張もするだろうし」と心境を明かした。警戒する打者にはサンタナ、オスナの名を挙げ「主力がいなくても、あれだけ点取ってくる打線ですし。要注意はあの2人だと思います」と話した。

◆巨人グリフィンの代役として先発した赤星優志投手(26)が期待に応えた。力強い直球を軸に5回1安打無失点で今季初勝利。「しっかり5回を投げられたのでよかった」と振り返った。登板2日前に急きょ指名され「中継ぎで開幕を迎えると思っていたので驚きはした」と言いつつ、阿部監督から助言されたセットポジションをクローズドスタンスにする新フォームで好投。同監督は「とても素晴らしいピッチングをしてくれた。今のところ来週も(先発で)いってもらおうかと思います」との意向を示した。

◆巨人甲斐拓也捕手(32)が移籍後初アーチを含む2試合連続猛打賞をマークした。4回1死一塁、ヤクルト金久保の直球を左翼席へ。開幕2試合で9打数6安打と攻守で連勝に貢献した。福岡から観戦に訪れた家族の前での初お立ち台に「ジャイアンツでヒーローインタビューに立ってグラウンドを1周できるっていうのはちょっと震えましたね」と感激した様子。阿部監督は「もともと力はありますし、15本、20本くらい打てると思っているんで」と称賛した。甲斐が移籍1号を含む3安打。同選手は開幕戦でも3安打しており、巨人で開幕1、2戦連続猛打賞は76年河埜(3本→3本)85年クロマティ(3本→5本)14年ロペス(3本→4本)に次いで4人目。甲斐のように移籍1年目の選手が記録するのは南海から日本ハムへ移籍した78年柏原以来で、巨人では初めて。

◆ヤクルトのドラフト3位ルーキー荘司宏太投手(24)が無失点デビューした。12点ビハインドの6回から4番手で登板し、1回を1安打2奪三振に抑えた。先頭中山を132キロスライダーでタイミングを外し、空振り三振に仕留めるなど役目を果たした。即戦力左腕は「いざマウンドに立っても、落ち着いて、周りを見ながら投球できた。自分のピッチングをできた。これからも任されたところをしっかりゼロで帰ってこられるように」と話した。

◆巨人トレイ・キャベッジ外野手(27)が球団の新外国人では初となる開幕戦からの2試合連続本塁打を決めた。3回2死二、三塁で、2桁得点に乗せる2号3ラン。「2日連続で本塁打を打てたのはチームにも自分にも大きなこと」とうなずいた。オープン戦はノーアーチ。「今はリラックスして毎日プレーすることだけにフォーカスしている」と、来日した妻と東京観光や桜見物で散歩するなど私生活の充実も大きい。試合前には前日に死球を受けたヤクルト田口と「『けがはないか』と確認しに来てくれた」と和解した。

◆巨人が速攻を仕掛けた。初回に岡本の適時打で先制すると、2回には打者一巡の猛攻で一挙6得点を挙げ、3回までに2ケタ安打&2ケタ得点を記録。前日28日の開幕戦では全試合で最長の3時間26分の激闘の末に延長10回サヨナラ勝利を収めたが、この日は一転して、試合開始から1時間余りで勝負を決めた。猛攻は中山礼都内野手(22)のバットから始まった。2回先頭、外角直球を逆らわずにはじき返した。ここから4本の長短打を絡めてヤクルト吉村をノックアウト。その起点となった今季初安打に、「ホッとした」と率直な思いを口にした。オープン戦で好調を維持したが、開幕スタメンは坂本だった。「1年間長いシーズンですし、別にそこが全てっていうわけではないので。またチャンスは来るなっていう風に思って準備してました」。この日は「6番三塁」でスタメン出場。来たるべき出番に備え、好結果につなげた。阿部監督も「こちらが我慢して使っていければいいかなとは思ってますね」と評価し、今後のスタメン起用を示唆した。"新風"の活躍が目立つ。3回にキャベッジが新外国人では球団史上初となる開幕戦から2戦連続弾を放てば、4回には甲斐が移籍後初アーチを描いた。開幕直前に丸が右脚の負傷で離脱。大きな痛手かと思われたが、開幕戦は代役の若林がサヨナラ打。日替わりでヒーローが誕生する好循環に「みんな今、いい状態の選手が多いので継続できるようにしてもらいたいです」と指揮官。球団初となる開幕戦での最大5点差からの逆転勝ちから一夜明け、この日は12得点を挙げた。投手陣も無失点リレーで大勝し、開幕2連勝。歓喜のオクトーバーへ、絶好のスタートを切った。【水谷京裕】

◆ヤクルト・田口麗斗投手(29)が試合前に、前日28日の開幕戦で死球を与えた巨人のトレイ・キャベッジ外野手(27)の元を訪れ、直接謝罪した。田口はグラウンド入りすると、すぐに打撃練習中のキャベッジの元へ。通訳を交えながら言葉を交わし、最後はハグで締めた。

◆巨人打線が絶好調だ。一回に4番・岡本の左前適時打で先制すると、二回は打者一巡の猛攻を浴びせた。先頭の中山、甲斐の連打から門脇が左翼線へ2点二塁打。さらに1死二、三塁でキャベッジの放ったゴロをヤクルトの一塁手、オスナが後逸。2点を追加し、3番・吉川が右前打でつないだ場面でヤクルトの先発、吉村をKO。2死一、三塁でヘルナンデスがヤクルト2番手の金久保から左翼線へ2点二塁打。この回一挙6得点で7-0と大量リードを奪った。開幕戦だった28日の第1戦で0-5のビハインドを終盤に逆転し、若林のサヨナラ打で勝利をもぎ取った勢いを持続させている。

◆先発したヤクルト・吉村貢司郎投手(27)が二回途中6安打7失点(自責4)で降板した。一回は2死三塁から岡本の左前適時打を浴び、先取点を献上。二回は、先頭の中山に左前打を許すと、続く甲斐、門脇に連続安打を浴びて2失点。味方の失策なども絡み得点圏に走者を背負うなど、悪い流れを断ち切ることはできなかった。昨季チームトップタイの9勝を挙げた右腕が強力巨人打線にKOされた。

◆巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が2号3ランを放った。7-0で迎えた三回の第3打席。カウント2-2から浮いたフォークボールを捉え、打球は右中間スタンドへ吸い込まれた。前夜に来日1号を放っていた助っ人が、2試合連続で存在感を示した。

◆ソフトバンクからFAで加入した巨人・甲斐拓也捕手(32)が移籍1号となる2ランを放った。四回1死一塁。144キロの直球を捉え、左翼席へ放り込んだ。前夜3安打で新天地デビューを果たしており、この日の第3打席終了時点で打率・625(8打数5安打)となった。

◆巨人が大勝し、13年連続の開幕カード勝ち越し。一回に岡本の適時打で先制し、二回は門脇の2点二塁打など打者一巡で6点。四回は甲斐に1号2ランが出た。赤星は球威があり5回無失点で白星。ヤクルトは投打ともに精彩を欠いた。

◆二回途中で降板するヤクルト・吉村貢司郎(中央)=東京ドーム(撮影・長尾みなみ)

◆?巨人が昨年に続く開幕2連勝。チーム開幕2試合目までに12得点をマークしたのは、2014年(開幕戦=○12-4阪神、東京ドーム)以来11年ぶりで、無失点勝利した試合で12点を奪ったのは、1リーグ時代の1946年(開幕戦=○12-0セネタース、後楽園)以来79年ぶり。?新外国人・キャベッジが開幕戦から2試合連続本塁打。巨人の選手が開幕戦から2試合連続でマークしたのは、23年の中田翔以来2年ぶり。外国人選手が開幕戦から2戦合計2本塁打は80年のホワイト(開幕戦に2本)がいるが、開幕戦から2戦連発は初めて。?FAで加入した甲斐が移籍後初本塁打を含む3安打で開幕戦から2試合連続猛打賞(1試合3安打以上)。巨人で開幕1、2戦で猛打賞をマークしたのは、76年の河埜和正(3→3)、85年のクロマティ(3→5)、14年のロペス(3→4)に次いで11年ぶり4人目。日本選手では76年の河埜以来49年ぶり2人目。甲斐はソフトバンクで猛打賞を昨季6度(自身最多)、通算22度マーク。?巨人にFAで加入した選手が開幕2戦目までに本塁打を打ったのは、94年の落合博満(開幕戦)、14年の片岡治大(開幕戦)、21年の梶谷隆幸(2戦目)に次いで4年ぶり4人目。

◆巨人の新外国人、トレイ・キャベッジ外野手(27)=前パイレーツ=が三回、右中間席へ2号3ラン。球団の助っ人史上初となる開幕から2試合連続本塁打を記録した。「オープン戦は自分に重圧をかけすぎてしまっていた」。金久保のフォークボールを豪快にたたくと、確信してバットをほうり投げた。28日の開幕戦で0-5の八回に放った、大逆転の口火を切る右越え2ランに続く一発。オープン戦44打席で本塁打がなかった不安を一掃した。試合前には28日の九回に右手に死球を当てられた田口が謝罪に訪れた。激高した助っ人だったが、この日は笑顔でハグを交わし「わざとぶつけたわけではないと分かっている。仲直りできた」とナイスガイな一面も見せた。最近来日した夫人のケンジーさんと桜を見ながらの散歩や和食屋巡りを満喫し、公私ともに充実。「チームのエネルギーが素晴らしい。いい仲間と一緒にプレーできてうれしい」と語る左の大砲が〝大当たり〟の予感を漂わせている。(谷川直之)

◆緊急先発だった巨人・赤星優志投手(25)が5回1安打無失点、無四球の好投で今季初勝利を挙げた。「初回から全力でいった。コントロールはなかなか制御しきれない部分もあったので、改善していかないといけない」当初、先発予定だったグリフィンが27日朝に発熱を訴え、ロングリリーフ要員から緊急起用。2軍戦で1回を投げた26日から中2日でのマウンドだったが、高めに投げ込む150キロ前後の直球に威力があり、相手打者を押し込んだ。昨季は開幕7連敗を味わうなど1勝どまり。春季キャンプで阿部監督から「オーソドックスすぎるから何か特徴がないと」と構えや足を上げるタイミングなどの助言を受け、新しいフォームに変えて一皮むけた。グリフィンは練習に部分的に復帰したが、回復には時間を要す見込み。阿部監督は「今のところは来週もいってもらおうか」と赤星に4月5日の阪神戦(東京ドーム)を託すと明言した。

◆ヤクルト・高津臣吾監督(56)が、自打球で途中交代した中村悠平捕手(34)について言及。「(大事をとっての交代)そうですね。また明日というところ」と説明した。中村悠は、三回の第1打席で左足首付近に自打球が当たり、顔をゆがめ座り込んでいた。その裏の守備でもマスクをかぶったが、四回から松本直に交代し、ベンチに下がっていた。試合後、中村悠は「大丈夫です」と言い残して球場を後にした。

◆ソフトバンクからフリーエージェント(FA)で加入した巨人・甲斐拓也捕手(32)が移籍後初本塁打を含む3安打を放ち、2試合連続で猛打賞をマーク。福岡から観戦に訪れた家族の前で大活躍した。チームは12-0で大勝し、開幕2連勝。13年連続で開幕カード勝ち越しを決めた。左翼手は一歩も追わずに見上げるだけの美しい放物線が、レフトスタンドに突き刺さった。甲斐が新天地で初本塁打となる1号2ラン。悠々とダイヤモンドを一周し、チームメートから祝福を受けた。「完璧でした。お立ち台はしびれました」二回に右前打を放ち、迎えた四回。金久保との対決で、真ん中付近に甘く入った直球を左翼席中段まで運んだ。六回に再び右前打。開幕から2戦連続猛打賞は、巨人の日本選手では1976年の河埜(こうの)和正以来49年ぶりとなった。福岡で生活している夫人と3人の子供たちが開幕戦から応援に駆けつけている。離れて過ごす時間が長く、開幕前日に験担ぎを問われ「開幕前の夕飯では、今までは赤飯と鯛、お吸い物が必ず食卓にありました。奥さんが作ってくれて。でも(今年は)僕一人なので...」と少し寂しそうな様子もあった。グラウンドに飛び出せば元気はつらつ。愛する家族の前で連日活躍し「見に来てくれて、そういう姿を見せられてよかった」と胸を張った。パパとして、もう一つのミッションを果たした。開幕戦の試合後、2体のジャビット人形を抱き抱えて帰途に就く際、「子供が3人だから、もう一つ...」と笑顔でつぶやいていた。この日、自らのバットで本塁打を放って念願の3体目をゲット。「(前夜は子供が)寝室までわざわざ持っていって、一緒に寝ていました。今日で3つそろいました」とニッコリ笑った。昨季まで4度シーズン2桁本塁打をマークし、自己最多は12本。甲斐キャノンと称される強肩など守備面が高く評価されている中、阿部監督は「もともと力はある。15本、20本くらい打てると思っている」と期待を寄せた。開幕戦は球団最大差となる5点差をひっくり返して逆転勝利。開幕2連勝を飾り、13年連続の開幕カード勝ち越しを決めた。攻守で勝利に導いた甲斐は「シーズンの中でうまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。一喜一憂せず、143試合、戦い抜くために準備をしていきたい」と口元を引き締めた。(原田優介)

◆?プロ野球は29日、パ・リーグ3試合全てが延長試合となった。同一リーグの3試合全て延長試合だったのは、2023年9月18日のセ(巨人4-3ヤクルト=十二回、中日8-7広島=十一回、DeNA3-2阪神=十回)以来2年ぶり。パでは19年4月25日(日本ハム6-5楽天=十二回、西武9-8ロッテ=十回、ソフトバンク3-0オリックス=十回)以来6年ぶり。?この日は日本ハム、楽天、ロッテといずれもビジター球団が延長戦を制した。同一リーグで3試合が延長戦となり、いずれもビジター球団が勝利した例は1952年8月31日のパがある。このときは全4試合が行われ、ビジターの南海が東急とのダブルヘッダー(スコア○5-3=十二回→○5-3=十一回)、西鉄が阪急(○6-5=十三回)に延長で勝利している。

◆ヤクルト打線は巨人投手陣の前に散発3安打と沈黙。今季初の零封負けに高津監督は「打つのも簡単じゃない」と序盤の大量失点が響き、リズムに乗り切れなったことを嘆いた。主将の山田、主砲の村上、中堅手の塩見らを欠く厳しい事情の中、打線の奮起が求めれる。

◆ヤクルトのドラフト3位・荘司宏太投手(24)=セガサミー=が六回に4番手でプロ初登板。1回を1安打無失点2奪三振に抑えた。「いつもの5倍くらい緊張したけど、自分の投球ができた。課題だった左打者に対し、追い込むことができた」と胸を張った。オープン戦は6試合で無失点。好投を続ける左腕に高津監督は「変化球もストライクが入るし、良かったと思う」と目を細めた。

◆巨人の「6番・三塁」で今季初先発した中山礼都内野手(22)が二回先頭で左前打を放ち、一挙6得点の猛攻の口火を切った。オープン戦で打率・304の好成績を残し「やってやるぞという気持ち。舞い上がりすぎず、頭は冷静に」と臨んだ初打席で結果を残した。坂本との三塁のレギュラー争いへ「与えられた役割で結果を残すことしか考えていない」と力を込めた。

◆前夜の嫌な流れを断ち切ることができなかった。ヤクルトは2桁失点を喫し、巨人に2連敗。高津臣吾監督(56)は「今は我慢の時。故障者が戻ってくるまでは何とかと思っていますけど」と言葉を絞り出した。先発した吉村が誤算だった。昨季チームトップタイの9勝を挙げた右腕は、一回から岡本に先制の左前適時打を許すなど、失投を捉えられた。二回も3連打と味方の失策などが絡み6失点し、マウンドを降りた。7失点(自責点4)して自己最短の1回?でKOされ「流れを止めることができず申し訳ない。連打が続いてしまったのが反省」と振り返った。救援陣も巨人打線の勢いを止めることができず、終わってみれば13安打12失点。17安打を浴び、最大5点差をひっくり返されてサヨナラ負けを喫した28日の開幕戦に続き、投壊が目立った。30日の第3戦は昨季8勝の左腕、高橋が先発する。指揮官は「(開幕カードに投げる投手は)今年ぐるぐる回ってほしい3人。期待は大きくしています」と奮起を促した。主将の山田、主砲の村上らを欠くチーム状況だが、チーム一丸で苦境を乗り越えたい。(樋口航)

◆グリフィンの発熱で先発が巡ってきた赤星が、大量援護も受けて白星。考えてみれば、菅野が抜けたことで既に、先発候補のチャンスは拡大していた。それをモノにする。いい傾向だよ。ただし、だ。他の先発にとって今季、ローテーション定着への心得とは何か、整理してみよう。新ストッパーのマルティネスが九回、従来の抑えの大勢が八回にまわることで、リリーフ陣は強力になった。だからといって先発は、5~6回程度でいいか...と安心していないだろうね。そのレベルで落ち着いていては1年間、ローテなど守れやしない。継投を考えるのは、あくまでベンチ。先発した以上、マウンドは譲らない。その気構えを忘れたらいけない。本来なら赤星も、最後までいってほしかった。こんな大量リード、イコール完投チャンスはめったにない。ゲームこそが最大最良の鍛錬の場。自分を高めるには、うってつけの展開だった。それに何より、打線が当たり続けることなどない。ということで、遠回しに警告しておくよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
200 1.000
(-)
-
(-)
14118
(+12)
5
(-)
3
(+2)
1
(+1)
0.375
(↓0.02)
1.420
(↑1.28)
1
(-)
阪神
200 1.000
(-)
0
(-)
1417
(+3)
2
(+2)
2
(+1)
0
(-)
0.254
(↑0.019)
1.000
(↓1)
3
(2↓)
DeNA
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
1415
(-)
1
(+1)
0
(-)
1
(-)
0.193
(↓0.128)
0.500
(↓0.5)
3
(1↑)
中日
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
1411
(+1)
5
(-)
0
(-)
1
(+1)
0.209
(↑0.08)
2.650
(↑2.98)
5
(1↓)
広島
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1412
(+2)
7
(+3)
0
(-)
0
(-)
0.206
(↑0.073)
3.500
(↑0.5)
5
(1↓)
ヤクルト
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1415
(-)
18
(+12)
1
(-)
0
(-)
0.167
(↓0.049)
7.640
(↓2.05)