1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 | 8 | 1 | 1 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 |
勝利投手:村上 頌樹(1勝0敗0S) (セーブ:岩崎 優(0勝0敗1S)) 敗戦投手:森下 暢仁(0勝1敗0S) 本塁打 |

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◆阪神は初回、佐藤輝の2ランで先制する。そのまま迎えた8回表には、大山と前川の連続適時打で2点を奪い、リードを広げた。投げては、先発・村上が9回途中4安打無失点の熱投で今季初勝利。敗れた広島は、先発・森下が力投するも、打線が散発の4安打と振るわなかった。
◆昨年まで阪神の監督を務めた阪神岡田彰布オーナー付顧問(67)が読売テレビで解説を務めた。初回にいきなり佐藤輝明内野手(26)に先制2ランが飛び出した。在任中の2年間、キーマンに指名していた大砲に「変化球を前でさばきましたね。本塁打は大きいですよ。出るにこしたことないけど、最初の開幕戦の1打席目でああいう形で出ると、ものすごくうれしいですよ」とした。初めて4番として開幕する3年目の森下翔太外野手(24)は「性格というか、思い切りですよね。振れるというのが一番の魅力。変化球も当てにいかない。タイミングをとって振れる。そこです。ものすごく印象がいいんですよね。いいところで打っているイメージがあるでしょ」と、打者としての特長を解説した。在任中の2年間は4番に固定し、今季は5番に座る大山悠輔内野手(30)については「引っ張っていくタイプというより、黙々とやる。ヒット打とうが凡退しようがあまり変わらないですね」とどっしりとした存在感を評価していた。
◆阪神が大山悠輔内野手(30)、前川右京外野手(21)の連続適時打でリードを4点に広げた。8回2死一、二塁のチャンスで5番大山が広島の2番手左腕、塹江の154キロ直球をとらえ、今季初安打となる中前適時打を放った。続く6番前川はスライダーを右前に運び、この回2得点。先発の村上頌樹投手(26)を援護する貴重な追加点となった。
◆今季就任した阪神藤川球児監督(44)が鮮やかに初陣を飾った。初回、佐藤輝明内野手(26)が今季の12球団最速アーチとなる2ランで主導権を握った。1死一塁から広島森下暢仁(27)の甘いチェンジアップを右翼スタンドに運んだ。「一番良いスタートがきれて最高です」と5年目で初の開幕戦アーチを喜んだ。前日28日の共同記者会見で藤川監督は「佐藤ですね」と自軍のイチオシ選手に挙げていた。期待に見事に応えた。初めて開幕マウンドに上がった村上頌樹(26)は、これ以上ない仕事だった。初回から3者凡退で幸先のいいスタートを切ると、2回は3者連続の空振り三振。中盤からは走者を背負い出しながらも、危なげなく後続を切った。2-0のまま試合は終盤へ。追加点がほしい8回、近本光司外野手(30)の左越え二塁打でチャンスを作った。大山悠輔内野手(30)が中前へ、前川右京外野手(21)右前へと連続適時打を放って点差を4点に広げ、試合を決めた。その裏を抑えた村上は9回も続投。完封まであと1アウトだったが、2死一、三塁で岩崎優(33)にバトンタッチ。抑え左腕が最後を締め、無失点リレーを歓声させた。投打ががっちりとかみ合い、敵地で広島を退けた。藤川監督は現役時代にクローザーとして大活躍。コーチ経験のないまま監督に就任した。「今年のタイガースがどんな野球をするか楽しみにしていてください」と宣言していた44歳の監督が、理想の展開で1勝を手にした。
◆阪神のクローザー岩崎優投手(33)が最後を締め、無失点リレーを完成させた。4-0の9回2死一、三塁、完封目前の先発村上を救援。この回途中からの準備だったが、秋山を見逃し三振に仕留めた。「もう、つながったら1発で同点という状況になってしまうので」とホッと一息。就任直後から抑えに指名してくれた監督への1勝に「思い描いていたことの1つ。明日からも頑張りたい」と引き締めた。
◆お掃除役は任せて! 阪神大山悠輔内野手(30)、前川右京外野手(21)の新5、6番コンビが開幕戦から機能した。まずは2点リードの8回2死一、二塁、5番大山が広島左腕塹江の154キロ直球をとらえ、今季初安打となる中前適時打をライナーで決めた。「村上が頑張って投げてくれていたので、チームにとっても自分にとっても大きな1打だった」と胸をなで下ろした。続く6番前川も塹江から今季初安打となる右前適時打。スライダーを強烈なゴロで右前に運び「ヒットが出てだいぶホッとした」。連続適時打で2得点。先発の村上を一気に楽にさせる貴重な追加点となった。そろってオープン戦の好調を継続させた。大山は打率3割6分、得点圏打率は驚異の7割1分4厘。抜群の勝負強さはシーズンでも継続されそうだ。前川は打率3割1分6厘、3本塁打6打点。巨人岡本らと並びオープン戦本塁打王の実力はフロックではない。藤川阪神の新5、6番コンビ。打点を荒稼ぎしそうな気配がプンプン漂う。
◆阪神近本光司外野手(30)が開幕から固め打ちを演じた。3回、中前に今季初安打。8回先頭で左越え二塁打を放ち、貴重な追加点のホームを踏むと、9回にも左前にはじき返した。藤川監督は村上の開幕投手公言の際に、1番近本も一緒に指名。「淡路島コンビで」とけん引役に期待されていた。反省も交えながら「勝ったので良かったです。なんとか出塁しようという気持ちはありました」と語った。
◆今季就任した阪神藤川球児監督(44)が鮮やかに初陣を飾った。初回、佐藤輝明内野手(26)が今季の12球団最速アーチとなる2ランで主導権を握り、村上頌樹(26)が9回途中まで無失点とこれ以上ない仕事。投打ががっちりとかみ合い、理想の形で1勝をつかんだ。藤川監督は「すごくいいゲームができたと思います。本当に選手たちが立派だなと。選手に聞いてあげてください。選手たちが素晴らしかったので。僕個人は特に何もやっていないので」と、ほめたたえた。初陣を飾ったことには「全然、なんともないです。本当に何もない感じですね。自然でいられたし、特になんか変化があったっていうわけではない」と淡々としていた。就任早々、開幕投手に指名していた村上には賛辞を惜しまなかった。「やっぱり開幕戦ですから、最後の1アウト、2アウトがものすごい難しい。130球超えて、最後までボールが上ずることがなかった。本人の表情も良かった」と力投を称賛した。さらに、村上が降板する際の光景を紹介した。「みんなから『ゆっくり休んで』と言われていて。僕の代わりに選手たちがそういう声掛けしてくれるので、非常にいいチームになってきたなと思います」と、目を細めた。
◆広島は阪神との開幕戦で4安打無得点に終わり、2年ぶりとなるゼロ封負け発進となった。先発森下は1回、佐藤輝に腕を伸ばしたコースに入ったチェンジアップを右翼席に運ばれ、2点を先制された。2回以降は追加点を許さなかったものの、自身初の開幕投手でチームを勝利に導くことはできなかった。広島新井貴浩監督(48)の試合後の主な談話は以下の通り。-先発森下投手について新井監督 初めての開幕でよく投げたと思う。ナイスピッチングだったと思う。-五回終了時点で球数90球も続投新井監督 そうやね。やっぱり初めてだけど、彼に開幕を任せたので行ってもらいました。-打線は無得点新井監督 得点圏になってからコントロールミスが少なかったと思う。また明日。というところかな。-新人の岡本投手が9回に登板して無失点新井監督 大したものだね。「ちょっと緊張しました」と言っていたけど、あそこでストライクゾーンに投げ込めるわけだから。初登板で。開幕戦の大観衆の中で。大したものだなと思って見ていました。-開幕黒星発進となった新井監督 うん。143分の1です。はい。-得点力不足が課題の中でゼロ封発進となった新井監督 1試合だけだから。受け止めるというよりは始まったばかり。徐々につながって点が取れるようになっていくと思います。1試合だけでどうこうとは言えない。プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆広島は阪神先発村上らの前に4安打無得点に終わり、2年ぶりの開幕ゼロ封負け発進となった。2点を追う3回1死三塁では会沢が遊ゴロ、二俣が空振り三振。4回2死二塁もモノにできず、森下を援護できなかった。4点ビハインドの9回1死一、三塁もモンテロが二飛。秋山は代わった岩崎の前に見逃し三振に倒れた。新井監督は「143分の1です。始まったばかり。徐々につながって、点が取れるようになっていくと思います」と切り替えた。
◆今季就任した阪神藤川球児監督(44)が鮮やかに初陣を飾った。初回、佐藤輝明内野手(26)が今季の12球団最速アーチとなる2ランで主導権を握り、村上頌樹(26)が9回途中まで無失点とこれ以上ない仕事。投打ががっちりとかみ合い、理想の形で1勝をつかんだ。藤川監督は初采配にも「自然でいられた」と振り返ったが、佐藤輝の一撃にはやはり興奮を抑えられなかった。ベンチで思い切り右こぶしを握り、感情をあらわにした。「(先攻で)先に攻撃が始まるので、受け身になってしまうと必ずマツダスタジアムのカープファンの熱い声援に押されてしまうと思った。そういう意味では素晴らしい1本。(ガッツポーズは)チームを鼓舞する意味もありますから。自分が表現するというのは、チームに勢いをもたらす部分でもありますから。本音かどうかは別にして。素晴らしい1発でしたね」と、効果絶大の一振りを振り返った。
◆阪神先発の村上頌樹投手(26)が、自身初の開幕投手として、9回途中無失点の快投を披露した。開幕戦の初回から3者凡退で幸先のいいスタートを切ると、2回は3者連続空振り三振。3回は菊池に三塁線を破る二塁打を浴び、1死三塁のピンチを背負ったが、会沢を遊ゴロ、二俣を空振り三振で切り抜けた。村上は「周り見たら前進だったので、自分も1点やるつもりなく三振取るつもりでいって木浪さんがうまくさばいてくれて無失点で抑えられたんで良かったと思います」と振り返った。4回は守備のミスも絡み、2死二塁のピンチを背負うも無失点。5、6、8回は3者凡退。9回は1死一、三塁のピンチを招くも、4番モンテロを146キロの直球で二飛に打ち取り、2死から守護神の岩崎優投手(33)にマウンドを譲った。岩崎が5番秋山を見逃し三振で締め完封リレー。村上は開幕投手の役割を十分に果たす快投だった。「最後まで投げ切りたかったんで、そこはまだ詰めが甘いってことなんで、そこは来週以降しっかり果たせるようにやっていきたい」。試合終了直後から次戦を見据えていた。
◆阪神佐藤輝明内野手(26)が豪快な1発を振り返った。初回1死一塁の場面で、広島森下から右翼への先制2ラン。豪快な今季第1号は、12球団の25年最速弾となった。「開幕戦で打ちたいなと思っていたところがあったので良かったです」と笑みを浮かべながら振り返った。また、9回2死まで投げ抜き1勝目を手にした村上頌樹投手(26)はドラフト同期で同学年でもある存在だった。この日は大きな援護点で白星をアシスト。「本当に粘り強く投げていた。本当にすごかったです」とたたえた。
◆今季就任した阪神藤川球児監督(44)が鮮やかに初陣を飾った。初回、佐藤輝明内野手(26)が今季の12球団最速アーチとなる2ランで主導権を握り、村上頌樹(26)が9回途中まで無失点とこれ以上ない仕事。投打ががっちりとかみ合い、理想の形で1勝をつかんだ。藤川監督は「すごくいいゲームができたと思います。本当に選手たちが立派だなと。選手に聞いてあげてください。選手たちが素晴らしかったので。僕個人は特に何もやっていないので」と、ほめたたえた。初陣を飾ったことには「全然、なんともないです。本当に何もない感じですね。自然でいられたし、特になんか変化があったっていうわけではない」と淡々としていた。就任早々、開幕投手に指名していた村上には賛辞を惜しまなかった。「やっぱり開幕戦ですから、最後の1アウト、2アウトがものすごい難しい。130球超えて、最後までボールが上ずることがなかった。本人の表情も良かった」と力投を称賛した。さらに、村上が降板する際の光景を紹介した。「みんなから『ゆっくり休んで』と言われていて。僕の代わりに選手たちがそういう声掛けしてくれるので、非常にいいチームになってきたなと思います」と、目を細めた。
◆阪神藤川球児監督(44)は決断を迷わなかった。「最後に素晴らしいアウトを取ってくれたので、岩崎につなげた。チームにとっても非常に大きな1勝。結束力がまた高まったと思います」。4-0の9回1死一、三塁、先発村上がモンテロを二飛に打ち取ったところで守護神岩崎へ継投。「みんなが明るく今日1日を終われたことで、非常にホッとしています。すごくいいゲームができた」。指揮官として初めて手にした白星よりも、戦う選手の姿がうれしかった。経験すべてが、監督としての生き方に通じている。「メジャーに行ってから、何も気にしなくなりました。だって自分のことを誰も知らない。狭い世界にいたんだと思いました」。13年に海を渡り知った広い世界。周囲の声は気にならなくなった。故障者リスト入りしていた時間は、首脳陣の姿を目に焼き付けた。「選手よりさらに早く来て、自分のコンディショニングを整えて。その時間で選手と会話をしたり、異変に気づけるようにしていた」。春季キャンプでは早出練習を見て、時には選手と並んでストレッチをしながら会話。休日には助っ人陣を鉄板焼きに招待し、歓迎の意を示して距離を縮めた。「僕が4人人兄妹だからですかね、よく話し合いをする環境が多かったということかもしれない」。コミュニケーションの秘訣(ひけつ)について軽やかに笑う。1つ1つの行動に迷いがないのは、信条とする「準備」に徹してきたから。就任直後の昨秋キャンプでは、各チーム担当のスコアラーを日替わりで呼び、コーチ陣とともにライバルを日々研究。「捕手と内野手」など部門に分けた細かなミーティングも行ってきた。「まだまだ始まったばかりですけど、チームをさらに大きな1つのチームにして、進んでいきたい」。自分が決めた道を信じて、最後まで猛虎を率いて行く。【磯綾乃】プロ野球開幕!スコア速報はこちら
◆初の開幕投手を務めた広島森下暢仁投手(27)が1球に泣いた。1回1死一塁から佐藤輝に投じたチェンジアップが腕を伸ばしたコースに入り、右翼席に運ばれた。序盤に主導権を譲る被弾に「結果がすべて。あそこに行ってしまったところと打たれてしまったことがすべてだと思います」と猛省。それでも2回以降は追加点を許さず、7回まで114球を投げ抜いた。新井監督も「初めての開幕でよく投げたと思う。ナイスピッチングだった」とねぎらった。▽広島ドラフト3岡本(9回にプロ初登板で1回1安打無失点デビュー)「真っすぐの走りは良かったけど、緊張して変化球が抜けてしまうところがあった。技術的な部分はもうちょっと直さないといけない」
◆阪神新4番の森下翔太外野手(24)がきっちりと仕事をした。4回に今季初安打。追加点がほしい8回2死二塁から四球でつなぎ、2点を呼び込んだ。「1本出て、チームも勝ったのでよかった。(3番の佐藤)輝さんは警戒されるから出塁も多くなる。自分が今日みたいに追い込まれてからでも四球を取れれば、大山さんが返してくれる。継続したいです」と4番で働くイメージも具体化させていた。
◆阪神藤川球児監督(44)が、かつてのチームメートだった新井貴浩監督(48)率いる広島に快勝し、開幕戦白星を挙げた。開幕投手を託した村上が、8回2/3を無失点と好投し、岩崎が2死一、三塁のピンチを脱した。打線は佐藤輝が先制2ランを放ち、大山、前川が追加点となる適時打をマークし、投打ががっちりとかみ合った。新監督対決だったオリックス-楽天戦は、オリックス宮城大弥投手(23)が、7回までパーフェクト投球。8回無死から楽天辰己の初安打から1点を許し、9回にマチャドが同点に追いつかれたが、9回に若月がサヨナラ打を放ち、岸田護監督(43)が初勝利を挙げた。中日の井上一樹監督(53)は、高橋宏斗投手(22)に開幕投手を任せたが、DeNA打線に6回途中5失点でKOされ、打線も無得点で完敗した。西武の西口文也監督(52)は、打線が日本ハム金村に完封を喫し、開幕投手の今井達也投手(26)は、清宮、レイエスのソロ2発に沈んだ。
◆指揮官として記念の1勝目を挙げた阪神藤川球児監督(44)の姿を、阪神元投手コーチの山口高志氏(74=関大アドバイザリースタッフ)も喜んだ。阪神の投手コーチとして飛躍のきっかけを作った恩師が、愛弟子へのエールと思い出を語った。昨年10月、山口氏の携帯が鳴った。「監督することに決めました」。迷いない言葉の主は、もちろん藤川監督。「早かったな」。そう答えた山口氏の脳裏には、愛弟子がいつも口にしていた言葉が浮かんだ。「僕は、失うものはないんですから」。希代のクローザーとして一時代を築いた、功績はすべて置いていく。挑戦を続ける強さが一言ににじみ出ていた。歴代の名だたる投手の中で、藤川監督しか持っていないもの。「ドラフト1位で入って、7年間もくすぶっていた経験でしょう」と山口氏は言う。98年ドラフト1位で入団も故障がち。03年から2軍投手コーチを務めた山口氏は、ノックを打つたびに「はよ内野手なれよ」と冗談交じりの声を飛ばしていた。ある事実を知っていたからだ。「オリックスは野手としてドラフト指名しようとしてたんです」。当時オリックスのコーチだった山口氏は、球団スカウトから遊撃手として指名を検討していることを聞いていた。若き右腕は静かに笑うだけだったが、運命の岐路があった。毎年キャンプ中にケガでリタイア。その度、地道に痛めた箇所を鍛え上げた。「7年目でやっと完成したんです」。右膝を折って沈み込むフォームを目にした山口氏は、右膝を伸ばすように助言。「右膝ちゃうか」。そう耳元でつぶやきつづけた。「僕だけじゃない。僕がスカウトになった後は、同い年のバッテリーコーチの加藤安雄もずっと言ってくれていた」。恩師との出会いも巡り合わせも、これまでの道のりに1つも欠かすことはできない。「球児はいろんなステージでいろんな人と接してきたから、いろんな見方ができると思う。ずっと応援しますよ。阪神ファンですから」。プロ野球、大リーグ、独立リーグを知る経験は唯一無二。球児だけの歩き方を、これからも見守っていく。【磯綾乃】
◆あかん! 強すぎる! 阪神佐藤輝明内野手(26)が開幕・広島戦(マツダスタジアム)の初回、いきなり25年12球団最速アーチとなる先制&決勝2ランを右翼席に運び、就任1年目の藤川球児監督(44)に初陣ウイニングボールをプレゼントした。前日27日に指揮官からイチ押し選手に指名され、さっそくプロ5年目で初の開幕弾を決めた。初の開幕投手を任された村上頌樹(26)も虎35年ぶり開幕戦完封まであと1人の快投。藤川阪神が盤石の完勝スタートを切った。入り交じる歓声とため息を全身に浴びながら、佐藤輝はゆっくりと一塁へ走り出した。試合前セレモニーなど、敵地ムードが充満したマツダスタジアム。赤く染まる右翼席への1発は、試合開始早々に球場の雰囲気を変えた。「開幕戦で打ちたいなと思っていたところがあったので。良かったです」初回1死一塁。広島先発森下に対して、カウント1-1からの3球目だ。甘く入った129キロチェンジアップを逃さずフルスイング。角度良く右翼席へ先制2ランだ。12球団で今季最速となったアーチ。プロ5年目で自身初の開幕戦本塁打を鮮やかに決め、藤川阪神の初得点ももたらした。約1年前、昨季の開幕直後は苦しんでいた。4月の月間打率は2割2厘。夏場にかけて調子を上げた一方で、調整の難しさを実感していた。「そこが難しいところ。絶対に波はあるけど、その波を少なくすることが課題」。一年を通じて状態を維持するため、最も大切だと語るのは自分の打撃への「理解」。不調などに陥った際、自分で修正できる力を追い求めている。シーズン中も毎打席欠かさず打撃映像をチェックするのは日課。分析と修正を日々繰り返し、状態を整えている。「感覚だけじゃ、どうしても無理。客観的に調子が悪い時はこうなっているというのが分かるように」この日だけにとどまらず、目指すのはシーズンを通した活躍。だからこそ、良い1年になりそうかと問われても「それを目指してやっているので。初戦としては良かった」とキッパリ。気を引き締めて次戦を見据えた。藤川監督は前日27日にキーマンとして名前を挙げていた男の"一発回答"に「カープファンの熱い声援に押されてしまうと思いましたので。そういう意味では佐藤が素晴らしい1本を打ってくれましたね」と〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)を緩めた。本人も今季から座る3番の打順に「スムーズにいける感じはする」と納得顔だ。今季のさらなる飛躍を予感させた1発。豪快な幕開け弾で、V奪還への号砲を鳴らした。【波部俊之介】
◆あかん! 強すぎる! 阪神佐藤輝明内野手(26)が開幕・広島戦(マツダスタジアム)の初回、いきなり25年12球団最速アーチとなる先制&決勝2ランを右翼席に運び、就任1年目の藤川球児監督(44)に初陣ウイニングボールをプレゼントした。前日27日に指揮官からイチ押し選手に指名され、さっそくプロ5年目で初の開幕弾を決めた。初の開幕投手を任された村上頌樹(26)も虎35年ぶり開幕戦完封まであと1人の快投。藤川阪神が盤石の完勝スタートを切った。豪快な打撃の裏で、佐藤輝にはイメージしていた存在があった。今オフ、YouTubeを通して研究していたのがドジャース大谷の打撃だ。特に見ていたのは、力の入れ方や練習に臨む意識などの部分。画面上の映像からイメージを膨らまし、自分に落とし込んで練習を重ねてきた。「『こういう風に意識しているんじゃないかな』と考えながら、自分なりにやってみたりしていました」16日のプレシーズンゲーム・ドジャース戦では、グラウンド上から直接打撃を見届けた。足を上げる佐藤輝に対して、上げない大谷。フォーム的にも異なる存在だが「体も違いますけど、基本は一緒」。アーチストとしての根本的な部分を参考にしてきた。将来的なメジャー挑戦も志す26歳。この日は大谷もメジャー本拠地開幕戦で1発を披露した。憧れの背中を追いかけるような開幕弾にも映った。【阪神担当=波部俊之介】
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神が開幕戦勝利! いろいろな人に渡った記念のウイニングボールは最終的に藤川球児監督のもとへ届けられました。
◆阪神村上頌樹投手(26)が自身初の開幕投手で虎35年ぶりの快挙まで目前に迫った。8回2/3で自己最多135球を投じ、4安打1四球7奪三振で無失点。5度も3者凡退に抑え、藤川監督に初勝利を贈った。阪神では90年中西清起以来の開幕戦完封まであと1人だった9回2死一、三塁で降板。「真っすぐの走りもよかったので、いい投球になった。投げきりたかった。詰めが甘い」。試合後は顔色を変えずに反省も口にしたが、誰もが納得する快投に違いなかった。昨年の悔しさも胸にマウンドに上がった。昨季初先発の4月2日DeNA戦は3回5失点(自責1)で黒星。翌日の練習には、うつむき加減で参加。知らず知らずのうちに表情が暗くなっていた。「見られる立場になっているぞ」。青柳や西勇からの指摘でハッとした。7勝11敗で悔しさが残ったまま昨季は終了。「何か変えようと」。今年は必要以上に気負いすぎないと心に決めた。参考にした1つが23、24年開幕投手の青柳の姿だった。「ヤギさんも開幕戦だから特別に変えようという姿はなかった。自分もそれはない」。開幕戦でも「143の中の普通の1試合」と特別視しなかった。3年連続で自主トレを共にした師匠から受け継いだ開幕投手のバトン。「教えてもらったことは大きい。ずっと生かしていけたら」。大役の務めを果たした。マツダスタジアムでは昨年9月27日、救援登板でサヨナラ打を浴びて涙した。苦悩の記憶を今季初登板で振り払い、「去年はスタートが悪かったが、今年はいいスタートが切れた」と納得顔だ。V奪回へ。23年MVP右腕が堂々と胸を張ってマウンドに立ち続ける。【塚本光】▽阪神安藤投手チーフコーチ(先発村上が9回途中無失点の好投)「もう十分、十二分の投球でした」▽阪神富田(29日敵地広島戦で先発)「やっぱり勝ちたいという気持ちが強い。そこはしっかりぶつけて、いい結果になるように頑張りたいと思います」
◆両軍のスターティングメンバーが発表された。今季就任した阪神・藤川球児監督(44)が初陣に挑む。先発は初めての開幕投手となった村上頌樹投手(26)。昨季負け越した悔しさを晴らすべく、虎投の先陣を切る。打線は2年連続の国産&生え抜きオーダー。「3番・三塁」に21年ドラフト1位の佐藤輝明内野手(26)、「4番・右翼」は23年1位の森下翔太外野手(24)、「5番・一塁」には17年1位の大山悠輔内野手(30)の新生ドライチクリーンアップで、新監督初勝利を狙う。
◆阪神が一回、佐藤輝明内野手(26)の1号2ランで先制した。藤川球児監督(44)の初陣となった一戦で、一回から見事に得点を奪った。1死から中野が四球で出塁すると、今季は3番に入った佐藤輝の第1打席。カウント1-1からの3球目を完璧にとらえ、打った瞬間確信するように歩き出した。打球は右翼スタンドへ一直線に吸い込まれた。午後6時6分に放った一本は、今季12球団最速アーチに。2022年3月25日のヤクルト戦(京セラ)で糸井が放って以来となる3年ぶりのチーム開幕戦アーチで、幸先よく先制に成功した。
◆広島の本拠地開幕のセレモニーでは歌手、塩見大治郎さん(77)が国歌独唱を行った。塩見さんは1975年に新たな応援歌として発表された「それ行けカープ~若き鯉たち~」の歌唱を担当。同年に広島は悲願の初優勝を果たし、同応援歌は現在もファンに愛されている。また松井一實広島市長(72)が始球式を行った。
◆広島の投手・森下が打順8番で開幕戦に先発。開幕戦で投手が9番以外の打順で先発出場したのは、2020年のDeNA・今永昇太(8番)以来5年ぶり。広島では1954年の長谷川良平(8番)以来71年ぶり2人目。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)が二回に3者連続三振を奪った。佐藤輝の2ランで援護をもらうと、一回は二俣、矢野、小園を3人で片づけた。続く二回は、先頭の新外国人・モンテロからまず変化球で空振り三振を奪うと、秋山も直球で空振り三振。さらにファビアンからも空振り三振を奪う完璧な投球を見せた。味方の援護に応えるように、虎の開幕投手が快調に飛ばしている。
◆阪神・佐藤輝明内野手(26)が一回に先制2ラン。阪神の選手が開幕戦本塁打を放ったのは、2022年の糸井嘉男(対ヤクルト、6番先発、四回に2ラン、京セラ)以来3年ぶり。一回に打ったのは、11年のマートン(対広島、1番先発、初回先頭打者弾、甲子園)以来14年ぶり。日本選手では1977年の掛布雅之(対ヤクルト、6番先発、満塁弾、神宮)以来48年ぶり。
◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)が、三回のピンチを無失点でしのいだ。先頭の菊池に左翼線への二塁打を浴びてこの日初めての走者を背負うと、犠打で1死三塁のピンチを迎えた。それでも会沢を遊ゴロに打ち取り、トップにかえって初めての開幕スタメンをつかんだ二俣。粘られながらも最後は直球で空振り三振を奪い、マウンド上で大きく吠えた。この日4つ目の三振を奪い、三回までわずかに1安打の投球を見せている。
◆今季から阪神の4番を務める森下翔太外野手(24)が二回、今季初安打を放った。第1打席は粘って最後に強い打球を放ったが、遊ゴロに倒れていた。第2打席は先頭で打席へ。この打席も粘って7球目を力強く振り抜くと、バットを折られながらも白球を中前に弾ませた。昨季の初安打は開幕3戦目、12打席目と時間がかかっていただけに、新4番として挑む今季は幸先よくHランプを灯した。
◆阪神は八回、大山悠輔内野手(30)と前川右京外野手(21)の連続適時打でリードを4点に広げた。一回に佐藤輝の2ランで先制するも追加点が奪えずにいた八回、代わった塹江を攻め立てた。先頭の近本が二塁打で出塁すると、2死から森下が四球を選び、一、二塁で大山が打席へ。粘って7球目をしぶとく中前にはじき返し、近本が生還した。さらに前川も続く。2球目を捉えて一塁左を鋭く破る右前適時打でこの回2点目。互いに今季初安打で適時打を記録し、持ち前の勝負強さを見せつけた。
◆阪神は今季の開幕戦を快勝。白星で藤川球児新監督(44)の一年がスタートを切った。一回に今季から3番に座る佐藤輝明内野手(26)の12球団最速アーチとなる2ラン本塁打で先制に成功。藤川阪神の初安打、初本塁打、初打点を叩き出した。八回には大山悠輔内野手(30)、前川右京外野手(21)の連続適時打でダメ押しに成功した。投げては開幕投手の村上頌樹投手(26)が圧巻の投球。二回に三者三振を奪うなど快調に飛ばした。三回には1死三塁のピンチを背負うが、内野ゴロと三振で抑えて無失点。完封をかけて九回のマウンドにも上がったが、1死一、三塁でモンテロを二飛に打ち取ったところで藤川監督がベンチから出て交代となった。村上は自己最多の135球で9回4安打と力投。1990年の中西清起以来となる開幕戦完封勝利とはならなかったが、最後は岩崎優投手(33)が秋山を三振に仕留め、藤川監督に初勝利をプレゼントした。
◆広島が阪神に完封負けを喫した。開幕戦は3年連続で黒星スタートとなった。自身初の開幕投手を務めた広島・森下暢仁投手(27)は7回を4安打2失点。一回に1死一塁から阪神・佐藤輝に右翼席へ1号2ランを浴び、先取点を奪われた。その後は要所を締める投球で追加点は与えず。打席でも犠打を決めるなど役割を果たした。八回に登板した2番手の塹江がつかまり、2失点。リードを広げられた。九回にはD3位・岡本(甲南大)がプロ初登板を果たした。打線は三回に先頭の菊池が左翼線へ二塁打を放ち、続く森下が犠打を決めて1死三塁の好機を作ったが、後続が倒れ無得点。九回の好機でもあと一打が出ず、阪神の開幕投手、村上らを打ち崩せなかった。
◆広島の開幕戦は3年連続で黒星スタートとなった。初の開幕投手を務めた森下暢仁投手(27)は7回を投げ、2失点。九回にはD3位・岡本駿(22)=甲南大=がプロ初登板を果たし、1回を無失点だった。試合後の新井貴浩監督(48)の主な一問一答は次の通り。――森下投手はあの1球の失投だけ「初めての開幕でよく投げたと思うし、ナイスピッチングだった」――七回まで続投は流れをなんとかという思い「そうやね。初めてだけど彼に開幕を任せたので、いってもらいました」――打線は好機もあった「(阪神・村上は)得点圏になってからのコントロールミスが本当に少なかったので。またあした、かな」――ルーキーの岡本投手も起用した「たいしたもんだよね。『ちょっと緊張しました』とは言っていたけど、あそこね、ストライクゾーンに投げ込めるわけだから。初登板で開幕戦の大観衆の中で。たいしたもんだなというふうに見ていました」――開幕戦は黒星「143分の1です」――得点力不足解消が今季のテーマ。まだ1戦目だが結果の受け止めは「受け止めるって1試合だけだから。受け止めるって始まったばかりだから。徐々にね、つながって点が取れるようになってくると思いますよ。1試合だけでどうこうとは言えない」
◆阪神が1990年(4月7日の敵地での広島戦)以来の開幕ゼロ封発進。一回、四球の中野拓夢内野手(28)を一塁に置いて、佐藤輝明内野手(26)の12球団最速本塁打で2点を先取。八回は大山悠輔内野手(30)、前川右京外野手(21)の連打で2点を追加した。村上頌樹投手(26)は8回?を投げて無失点勝利。九回2死一、三塁を締めた岩崎優投手(33)がセーブを挙げた。チームの開幕アーチは2022年3月25日ヤクルト戦(京セラ)の糸井嘉男以来。白星スタートの藤川球児監督(44)の主な一問一答は以下の通り(観衆=3万2098人)。★テレビインタビュー編ーー就任1年目の開幕戦を白星スタート「みんなが明るく今日一日を終われたことで、ホッとしていますね。すいいゲームができたと思います」ーー村上は135球の熱投「最後は球数が少し多くなってしまって、何とか、というところで、最後に素晴らしいアウトを取ってくれたので、岩崎につなげたというところでは、チームにとっても大きな1勝で、結束力がまた高まったと思います」ーー最後まで村上に投げてもらおうと思ったのか「ウチの攻撃陣も信用しているし、『まだこのままでは』と。ゲーム展開的にはどちらかに...今日は最後にウチの方に、相手からグッとくる攻撃もありました。心強いリリーバーもいてくれて、一つのチームかな、という感じがします」ーー開幕戦の無失点勝利は1990年の広島戦以来「選手たちが立派だなと思うところですけど。カープの攻撃もフォアボール出るだけで、いろんなことが起こりますから。また明日、気持ち入れ替えて頑張っていきたい」ーー第2戦先発の富田への期待は「彼らしい投球スタイルで、また今日とはひと味違うゲームになることを想像しながら明日を迎えたい」★囲み編ーー村上が試合を作った「降板の時に、みんなから『ゆっくり休んで』と言われてる表情を見て、僕の代わりに選手たちが声掛けしてくれるんで良いチームだなと思いながら。岩崎が来て、みんなが心強くなってる表情を見て、良いチームになってきた」ーーモンテロまで「球数も多いし、後ろのピッチャーたくさんいますから。良い打ち取り方(九回1死一、三塁でモンテロを二飛)をしてくれましたね」ーー決断は迷いなく「リリーフですか? 全然ないです。点入ってましたからね。追加点の2点、入れてくれてましたから、いい継投をピッチングコーチがやってくれた」ーー早めに開幕投手を伝えたことが、結果につながった「シーズン始まってますから、これからは、昨日まで、その話はありますけど、もう始まってますから、明日明日と、次に次に進むだけなんで、振り返ることはないですね」ーー監督として初陣勝利「全然、何ともないです。本当に何もない感じですね。自然でいれたし、特に変化があったわけではないですね」ーー佐藤輝が本塁打を打った時にガッツポーズを「チームを鼓舞する意味もありますからね。自分が表現するのは、チームに勢いをもたらす部分でもあります。本音かどうかは別にして素晴らしい一発でしたね」ーー三回1死三塁で前進守備を敷いた「ある程度なモノを持った状態で、そういうふうにしましたけど」ーー好投手相手だからか「言えないですね」ーー90周年で節目の勝利「毎日、一日一日です。選手に聞いてあげてください。選手たちが素晴らしかったので。僕個人は特に何もやっていない」
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(77)が、初の開幕投手を務めた村上頌樹投手(2)に言及した。阪神は開幕戦で最高の勝ち方ができた。最大の功労者は村上だ。低めに切れのある球が集まるのが特長の投手だが、それを平常心を保つのが難しい開幕戦で発揮できる精神力をまずホメたい。相手の新外国人を完璧に抑えたことも大きい。私も経験があるが、新外国人には非常に気を使う。傾向が分からないから攻め方が難しい。いきなり打たせて乗せたくない。モンテロ、ファビアン(ともに右打者)に対し、外角を中心の配球でうまく散らしながら攻めた。結果、2人はタイミングが合わないまま、試合が終わった感じだ。全体的にみても右打者の外、左打者の外をうまく攻めていた。2戦目以降に登板する投手陣の参考になる投球だろう。三回1死三塁のピンチでは、1点も与えない前進守備をベンチが指示した。後ろに守って、大量失点を防ぐ守備隊形も考えられるケース。ここでも、持ち味の抜群の低めへの制球で会沢を遊ゴロに打ち取った。ベンチの意図と、バッテリーの思いがかみ合ったシーン。これ以上ないスタートだ。
◆初の開幕投手を務めた広島・森下は、7回を4安打2失点で黒星を喫した。一回1死一塁から佐藤輝に1号2ランを浴びたが、追加点は与えなかった。今後もエース級との対戦が予想されるが「粘り強く初回からゲームをつくっていかないといけない。チームが勝てるようにリズムをつくっていきたい」と気合を込めた。新井監督は「初めての開幕でよく投げたと思う。ナイスピッチングだった」と評価した。
◆元阪神2軍投手コーチで藤川監督の〝火の玉ストレート〟を作った山口高志氏(74)=現関大硬式野球部アドバイザリースタッフ=が指揮官の初勝利を祝福した。(取材・構成=三木建次)楽しみができたね。球児、いや、藤川監督、初勝利おめでとう。しんどいときもあるかもしれないけど、勝っても負けても応援しているからな。昨年10月初旬、あるところで会った。「新聞などで報道されているけどホンマに監督やるんか」と聞いたら「そうなると思います」と。正直驚いた。「コーチ経験がない」とかいろいろ言われているが、彼ほど野球をいっぱい経験した選手はいないと思っている。阪神では野村監督、星野監督、岡田監督と名将のもとでプレー。大リーグにも挑戦した。強みは(2016年に)独立リーグ(四国IL高知)でもプレーしたことだ。いろいろな人と出会い、いろいろな話を聞いただろう。それが一番の経験であり、藤川監督の財産でもあると思う。阪神の戦力をみると12球団でも上位だろうが、勝負事だから-。阪神は人気球団。負けが込めば周囲から批判を受ける。当然、わかっているが芯の強い子。鳴尾浜で黙々と練習して、どん底からはい上がって、解雇寸前の選手から日米通算245セーブを記録した大投手となり、阪神の監督となった。絶対にへこたれはしないよ。彼のことだから若い子には「プロの世界に来たんだから大きい家を建てて、ご両親を喜ばせなさい」と言っているんじゃないかな、叱咤激励の意味で。「実績だけのベテランはいらない」と言ったことが話題となったが、これも選手を奮い立たせるため。私にはわかるんだよ。どんな采配をするか-と聞かれたら、オーソドックスな采配をするんじゃないか。私が言えるのはそれだけ。阪神タイガースの監督に失礼ですよ(笑)。もちろん優勝してほしい。神戸の板宿で、彼にごちそうしてもらったふぐのコースと、どろソースのお好み焼きがおいしすぎて忘れられないんだよ。あのときは、おごってもらったけど、優勝したら私が招待するから。もちろん、おごりでね。(元阪神投手コーチ)■山口 高志(やまぐち・たかし) 1950(昭和25)年5月15日生まれ、74歳。神戸市出身。神港高では3年春夏と甲子園出場。関大、松下電器を経て75年D1位で阪急入団。剛速球を武器に1年目から先発、抑えでフル回転し、黄金時代の一翼を担った。82年限りで現役引退。通算195試合登板で50勝43敗44セーブ、防御率3・18。新人王、最優秀救援1度。引退後は阪急、オリックス、阪神でコーチなどを歴任。2016年から関大硬式野球部アドバイザリースタッフ。山口氏が阪神の2軍投手コーチに就任した2003年、藤川は入団5年目だった。2軍暮らしが多く、1軍登板は17試合でトレード候補に...。04年、山口氏は投球時に右膝が折れてしまう癖を矯正するため、膝関節をロックするギプスを装着させ、多いときは一日300球の投げ込みをさせた。140キロ台の直球は150キロ台へ-。日米通算285セーブを記録する投手への礎となった。
◆阪神・藤川監督の高知商高時代の1学年先輩、森本英輔さん(45)が監督初勝利を祝福した。高校時代を思い返して印象に残っているのは大舞台での強さ。新たな立場でこれからの野球人生を歩む後輩にエールを送った。(取材・構成=須藤佳裕)藤川球児監督、初勝利おめでとうございます!! 1997年の甲子園。僕は記録員としてベンチに入っていましたが、球児監督は平安(現龍谷大平安)戦で公式戦で初先発しました。満員御礼の中でやっぱり度胸はすごかったし、大舞台に強いんだな、と思いますね。ドラフト1位でプロ入りするとは思いませんでしたが、あれだけ活躍をして、メジャーにも行き、名球会にも入り、すごいとしか言いようがない。素直にうれしいし、素直に素晴らしいと思います。もちろん、今回の監督就任もうれしく思っています。ただ、体を壊して休養をするとかではなく、いい成績を収めて、最後までやり切ってほしいとは思います。それを祈っていますし、願っています。陰ながら応援しております。(元高知商高野球部)
◆阪神の開幕投手を務めた村上頌樹投手(26)に、中学時代のアイランドホークス(現ヤング淡路)時代の恩師、庄田隆弘監督(45)が特別手記を寄せた。智弁学園高、阪神の先輩としても成長を見てきた庄田氏は、幼いころから変わらない村上のハートの強さに太鼓判。『現状に満足するな』という信条をずっと伝えてきたことを明かし、教え子が虎のエースとして活躍していくことを祈った。(取材・構成=中屋友那)開幕投手が決まったことは新聞で見て、連絡を入れました。本人からは「しっかり頑張ります」というようなことが返ってきました。一年で12人しか選ばれないような素晴らしい機会。本当に大役だと思いました。開幕戦という特別な舞台も、村上にとっては追い風というか、結果を残せる場なんじゃないかと思っていました。中学校のときから大舞台を意気に感じて投げられるタイプ。『よし、やってやろう!』というのがとても強かったことを覚えています。ジャイアンツカップでもエースとして投げさせましたが、とにかく物おじしなかった。体の動かし方だったり、技術だったり、投げるボールももちろんよかったですが、なによりもハートの強さを感じていました。「現状に満足するな」ということを言い聞かせてきました。どうしてもあれくらいの年頃は、自己満足というか、その場に留まってしまう子が多い。だからこそ彼にも、今の実力に満足してほしくないと思っていました。ここまで成長したらもう応援しかできないですが、本人に響いてくれているとうれしいです。彼は中学時代、感情が良くも悪くも表に出る選手でした。自分から投げたい、という思いも強くて、だからこそ負けてしまってその感情があふれることもあった。昨年のマツダでの涙もそうだったのでしょうね。昨年はなかなか勝ち星に恵まれなかったからこそ、今年は彼にとって勝負の一年になるのじゃないかな。年末に会えたときには「けがをしないように、去年の反省を生かして頑張れ」と伝えました。何も言わなくても頑張れる子。期待しているのは間違いないです。自分としても誇らしいし、淡路島で野球をしている子供たちも村上に続いて頑張ろうとなる。開幕投手として、いい成績を収めてチームの優勝に貢献できるような活躍を願っています。(ヤング淡路監督)■庄田 隆弘(しょうだ・たかひろ) 1979(昭和54)年11月9日生まれ、45歳。奈良・桜井市出身。智弁学園では1年夏と3年夏に甲子園出場。明大、シダックスを経て、2003年ドラフト6巡目で阪神に指名され、主に外野手としてプレー。07年6月16日のロッテ戦でプロ初本塁打。10年に現役引退。通算41試合出場、打率・286、1本塁打、5打点。現在は中学硬式野球クラブ・ヤング淡路で監督を務める。
◆身長175センチの右腕が大きく見えた。プロ5年目で初の開幕投手を務めた阪神・村上頌樹投手(26)が、8回?を投げて4安打無失点。自己最多135球の熱投で開幕戦勝利に貢献した。「(最後まで)投げ切りたかったけど。詰めが甘いですね。岩崎さんに助けてもらって感謝しています」4-0の九回2死一、三塁。あと一人で、球団では1990年の中西清起以来35年ぶりの開幕戦完封勝利だったが、最後は岩崎に助けを求める形となった。マウンドにきた藤川監督に納得した表情でボールを渡した。二回はメジャー通算21発のモンテロ、秋山、ファビアンを3者連続で空振り三振に仕留めるなど序盤から圧巻の投球だった。「きょうは(今年のテーマだった)真っすぐの走りがよく、空振りが取れたのは大きかった」2-0の三回1死三塁のピンチでは会沢を遊ゴロに仕留めるなどホームを許さず、マウンド上でウォーと叫んだ。佐藤輝の2ランには「本当に心強い同期だなと」と打のヒーローに頭を下げた。
◆佐藤輝の一発にガッツポーズを作り、勝利の瞬間は雄たけびを上げた。2020年の現役引退の日から1599日。監督としてグラウンドに帰ってきた。阪神・藤川球児監督(44)の表情には笑顔が満ちていた。「結束力がまた高まった。一人一人が役割をしっかり果たしてくれた、そんな一日でしたね」キーマンに指名した佐藤輝はいきなりの一発。昨年11月に開幕投手に指名した村上の、完封まであと一人の状況での降板も迷いなく決断し、「最後に素晴らしいアウトを取ってくれた。岩崎につなげたというところではチームにとっても非常に大きな一勝」と喜んだ。プレーボールがかかれば「グラウンドでは私の代わり、監督の代わりになる」と送り出すのが扇の要、捕手。自らの〝化身〟に傾ける重要度は言葉からも高く感じられる。2月の春季キャンプ中、相手捕手がワンバウンドの投球を逸らしたことを想定し、一塁と二塁の走者が次の塁を狙うという練習を行ったときのことだ。この練習が終わって指揮官がすかさず向かったのは一塁ベンチの方向。そこにいたのは野村バッテリーコーチと片山ブルペンコーチだ。「捕手の方も、この逆を考えて(進塁を許さない)対応ができるようにしっかりと指導をしてください」
◆Vへの号砲や! プロ野球は28日、レギュラーシーズンが開幕した。阪神は敵地で広島と対戦し、4-0の零封勝ち。一回1死一塁で3番・佐藤輝明内野手(26)が12球団最速弾となる先制2ランを右越えに放った。藤川監督からキーマンに指名されていた中で一発回答。球団創設90周年。2年ぶりのリーグ優勝&日本一に向けたドラマがいよいよ始まった!開始わずか5分だった。広島の空に、日本で最初に大歓声がこだました。新3番・佐藤輝が、打球の行方を見つめてゆっくりと歩き出す。今年の1打席目で見せた覚悟。藤川阪神が頂点に挑む一年が始まった。「開幕戦で打ちたいなと思っていたところがあった。一番いい形で、いい結果になってよかった。うれしかったです」新監督の初陣を決めたのは27日にキーマンに指名された男だった。一回1死一塁。先発・森下のチェンジアップを、完璧に仕留め、打った瞬間に確信する大飛球を右翼スタンドへ放り込んだ。12球団最速の一発。開幕戦でのアーチは自身5年目で初となり、阪神では2022年の糸井嘉男以来。一回、日本選手に限定すれば1977年の掛布雅之の満塁弾以来48年ぶりとなった。球団創設90周年。背番号8が虎道に名を刻んでみせた。
◆阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問が、読売テレビの中継で解説を務めた。一回に佐藤輝の先制2ランが飛び出すと「これは大きい。チェンジアップかな。前の中野にも真っすぐはボールばかりやったから」と分析。零封勝利を見届けると「143試合の一つだけど、勝ったのは、ものすごく大きい。普通にやったら強い。どれだけ普通にやれるか見ているだけ」と白い歯がこぼれた。
◆リードオフマンの阪神・近本は3安打猛打賞。「勝ったんで、すごく良かったなと思います」。四球を含む4打数3安打4出塁で八回には先頭で左越え二塁打と長打をマーク。「その後、進塁できなかったので、そこはしっかり反省しながら、その後、最終的に(大山)悠輔がやってくれたんでね」と大山の適時打をほめたたえた。
◆九回2死一、三塁から2番手で登板した阪神・岩崎は秋山を見逃し三振に斬り、ゲームセット。今季初セーブを記録した。「つながったら一発で同点の状況になってしまうので、なんとか秋山さんで勝負していきたかったのでよかったです」とホッとしたようす。藤川監督から就任早々に守護神に指名され、初勝利をプレゼント。「思い描いていたことの一つなので。明日からも頑張りたい」と前を見据えた。
◆阪神・前川は八回にダメ押し打で今季初打点を挙げた。「それまで全然ダメだった。割り切って真っすぐのタイミングでいこうと。打ったのは多分スライダーだったんですが、ヒットになってよかった」。2死一、三塁で今季初安打が適時打となった。それでも「きょうはヒットを打てましたが、明日からもう一回ちゃんと見直していかないといけないなと思います」と気の緩みはなかった。
◆阪神・大山は八回2死一、二塁で中前適時打。今季初安打初打点でリードを3点に広げた。「次の1点をなかなか取れなかった。村上が頑張ってくれていたので、チームにとっても自分にとってもすごく大きな一打だった」と振り返った。昨季までは主に4番を務めたが、佐藤輝、森下を支えるために5番に入る。「あそこで何とか1点取るのが仕事。役割は分かっている」と頼もしかった。
◆何と景気のいい2025シーズンのスタートか。サトテルが12球団最速の1号2ラン。1等賞は、絶対に変わることはない。セ・リーグを制して、日本一になったら、おいしいビールを飲みながら「今シーズンはサトテルのあの一発から始まったよなぁ」と語り合える。完封を逃したけれど、村上の投球もスカッとした。開幕戦完封なら、1990年の中西清起以来。惜しかった! このときは4番・岡田彰布が2本塁打。新監督・中村勝広に会心の開幕星をプレゼントした。懐かしい。藤川新監督へ白星をプレゼントした投打のヒーロー、お見事だ。紙面づくりの準備に余念のない当番デスク・阿部祐亮に電話を入れたのは昼下がりのこと。--いよいよ開幕やなぁ。ワクワクしているか?そういう感情をすっかり失った虎ソナだが、ドキドキしている初々しい後輩たちの話を聞くのは楽しいもの。当然、景気のいい話題が返ってくると思っていた。ところが、「開幕と言えば、1安打完封負けですよね」と、実に不吉な話をしてきた。暗黒時代と呼ばれた1990年代からの生粋の虎党である阿部にとって、開幕にいい思い出はあまりない。98年の開幕で川村丈夫(横浜、現DeNA)に一回表の和田豊の1安打のみで敗れた試合は、今もトラウマのように残っているという。だが、暗黒時代というのは想像を絶する、恐ろしい闇の世界だ。地獄よりも悲惨な魔界が存在する。阿部デスクの記憶に鮮明な、地獄の1安打完封負けの、わずか2年前の開幕も、斎藤雅樹(巨人)に1安打完封負けを喫しているのだ。3年間で、2度1安打完封負けをしてしまうチームがあるなんて...。実際にあったのだ。あぁ阪神タイガース-。
◆藤川球児、猛虎新監督サイコーでーす!! わが阪神タイガース球団設立90周年、まさにその幕開けの開幕戦に投打をともに輝かせる名采配、お見事!! よっしゃ! こーなったら90周年にV奪還の夢を乗せて、藤川キュウジ改め藤川キュウジュウにしたれー!!てか、何? かつての阪神の名将、吉田義男、野村克也、星野仙一、岡田彰布らの良いとこ取りのような名采配は? 新3番の佐藤輝が一回に先制2ラン!! そして、八回に新5番の大山が貴重な追加点となるタイムリー!! これって開幕前に全て藤川新監督が言葉にしていたことじゃない!!投手の方はといえば村上が8回?を4安打無失点!! いや、そこまでいったら、あとアウト1つ投げさせて開幕戦完封にかけたれやー!!という意見も当然あるだろうけど、村上自身最多の135球を投げた上での交代だから決して悔いはないだろう(むしろ次に燃えるはず)。さらには、開幕戦で今季もいけるでェ!!と言わんばかりに岩崎が打者1人のセーブ!!藤川阪神スゴ過ぎ!? まぁ、MLBのカブス、ドジャースに快勝した世界一のチームだから当たり前かー!!(笑)

<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 巨人 |
1 | 0 | 0 | 1.000 | - | 142 | 6 | 5 | 1 | 0 | 0.395 | 2.700 |
1 | 阪神 |
1 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | 142 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0.235 | 0.000 |
1 | DeNA |
1 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | 142 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0.321 | 0.000 |
4 | 広島 |
0 | 1 | 0 | 0.000 | 1 | 142 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0.133 | 4.000 |
4 | ヤクルト |
0 | 1 | 0 | 0.000 | 1 | 142 | 5 | 6 | 1 | 0 | 0.216 | 5.590 |
4 | 中日 |
0 | 1 | 0 | 0.000 | 1 | 142 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0.129 | 5.630 |
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