日本ハム(☆7対4★)ヤクルト =オープン戦4回戦(2025.03.23)・エスコンフィールド北海道=
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ヤクルト
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日本ハム
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勝利投手:松岡 洸希(1勝0敗1S)
(セーブ:河野 竜生(0勝0敗1S))
敗戦投手:山本 大貴(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】赤羽 由紘(1号・6回表ソロ),長岡 秀樹(1号・6回表ソロ)
【日本ハム】石井 一成(1号・8回裏3ラン)

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◆日本ハムは先発・伊藤が6回2失点9奪三振の好投。シーズン開幕に向け、順調な調整ぶりを示した。一方のヤクルトは、センターでスタメン出場した赤羽がソロを記録。ユーティリティー性が売りの内野手が、パンチ力のある打撃を披露した。

◆日本ハム水谷瞬外野手(24)が左脇腹の違和感のため、オープン戦最終戦のベンチ入りメンバーから外れた。新庄剛志監督(53)は試合前に「水谷君が昨日か一昨日のバッティングで、ちょっと違和感が出たんですよ。脇腹って、めんどくさいじゃないですか。だから無理はさせられない。ちょっと様子見ながら」と説明した。水谷はここまでオープン戦に9試合出場で打率1割5分8厘、1本塁打、2打点。打率こそ1割台だが、長打率は3割6分8厘。6四球を選んでいて、出塁率も3割6分。5、6日に参加した侍ジャパンでは先頭打者本塁打も放った。開幕スタメン候補の今後の見通しについて、新庄監督は「たぶん本人はシーズン中なら行けますっていうけど、開幕はちょっと厳しいかなっていう感じではあります。無理させないために。違和感があったまま(開幕戦で)1打席目の1球目のスイングで(もっと悪く)痛めたら(完治まで)1カ月半かかるかもしれない。そっちのほうが嫌なので」と話した。

◆日本ハム五十幡亮汰外野手(26)が"天秤(てんびん)打法"でオープン戦出場11試合目で初打点を挙げた。「1番中堅」でスタメン出場。1-0の2回2死一、二塁でヤクルト先発ランバートから一、二塁間を渋くゴロで抜く右前適時打を放った。22日ヤクルト戦まで23打数3安打、打率1割3分と低迷し、この日の1打席目も左飛に倒れていた。追い込まれてからは左手を右手から離し、バットの中央付近を持つ、かつて元大洋の近藤和彦氏が得意としていた"天秤打法"をほうふつとさせる構えに変更。開幕前最後のオープン戦で貴重な一打を放ち「最近打ててなくて、試行錯誤している中での打席でした。結果を出すしかない立場。追い込まれてから構えを変えたりいろいろトライした中で、ヒットを打ててよかったです」とコメントした。この日の試合前、新庄剛志監督(53)が、外野の開幕スタメン候補だった水谷瞬(24)が左脇腹の違和感を抱えていると発言。同じ外野手で、初の開幕スタメンを争う五十幡にとっては、大きなアピールとなる打席になった。

◆日本ハム伏見寅威捕手(34)が、後輩の活躍を力に、貴重な先制打を放った。0-0の2回1死満塁で左犠飛を放った。この日は母校の東海大札幌(北海道)が日本航空石川とセンバツ初戦で対戦。8回に勝ち越されるも、9回2死から逆転し、10年ぶり勝利を挙げた。伏見は「東海大札幌打法!」とコメントした。

◆ヤクルト新外国人のピーター・ランバート投手(27=ロッキーズ)が来日初の1軍登板で4回3安打2失点(自責0)だった。失策が絡んだ2回に1死満塁から日本ハム伏見の左犠飛と五十幡の右前適時打で2点を失った。しかし、3、4回は150キロ台の直球、カーブ、スライダーなどを駆使し、2イニング連続の3者凡退に封じた。キャンプでは下半身を痛め、別メニュー調整となったが、少しずつ調子を上げてきた。球数65で、5回から2番手のドラフト3位荘司宏太投手(24=セガサミー)にマウンドを譲った。

◆ヤクルト長岡秀樹内野手(23)がオープン戦1号アーチを放った。1点を追う6回1死、日本ハム伊藤の146キロ直球を角度よく捉えた。右翼に運ぶ同点本塁打とした。前打者赤羽に続く2者連続本塁打となった。

◆日本ハムがオープン戦最終戦に勝ち、単独での1位を決めた。ヤクルトに敗れると同率1位の可能性があったが、新庄剛志監督(53)としての"初タイトル"は、単独ゲットとなった。8回表に勝ち越されるも、直後の8回裏1死一、三塁、矢沢宏太投手(24)が右翼への適時打を放ち同点。さらに2死二、三塁から石井一成内野手(30)が勝ち越しの右越え3ランを放ち、逆転に成功した。指揮官自身、オープン戦での1位について試合前「もうええって、その情報、興味ないから。(西武との)開幕3連戦のことしか考えてない」と話していたが、結果的に10勝3敗3分け、勝率7割6分9厘。最後もしっかり白星で締め、勝ち癖をつけてシーズンに臨むことになる。

◆4月1日のソフトバンクとの本拠開幕戦に登板する日本ハム伊藤大海投手(27)が、6回4安打2失点とまとめた。5回まで1安打無失点も6回に2者連続で被弾。「5回を終わって裏でシャドー(ピッチング)してる時に今川さんが『ヒロ、オープン戦まだ1点も取られてないね』と言って来たんですよ。『そういうこと言っちゃ』って...案の定1点取られて(笑い)。2本目は自分が甘かったです」とジョークも交え、反省した。

◆ヤクルト長岡秀樹内野手(23)が自覚の1発を放った。6回1死、日本ハム伊藤の146キロ直球を引っ張った。前打者赤羽に続く2者連続アーチは、一時同点のオープン戦1号ソロ。「最高の結果なので良かった」とうなずいた。昨季は初の最多安打のタイトルを獲得し、初の侍ジャパンにも選出された23歳は「誰がいるか、いないかで、やることは変わらない」とした上で「僕含め若い選手は、まだまだガツガツしていかないといけないと思う。その先頭に立てれば」。言葉からはチームを引っ張る自覚がにじむ。前日22日には塩見が離脱し、チームは開幕前に山田、村上と主力に故障者が続く。8回1死三塁では臀部(でんぶ)付近の死球で途中交代したが、試合後は「大丈夫です」と問題なしを強調した。28日の巨人との開幕戦に向けて「体を整えて、やれることは全部やって」と仕上げていく。

◆ヤクルト新外国人のピーター・ランバート投手(27=ロッキーズ)が1軍で初登板。オープン戦最終戦の日本ハム戦で先発し、4回3安打2失点(自責0)。最速152キロ直球にチェンジアップ、スライダーなどの変化球を織り交ぜた。「3回以降、立て直すことができた。修正できてよかった」と振り返った。次回はファームで調整登板後、4月上旬の1軍登板が見込まれる。

◆「2番中堅」でスタメン出場したヤクルト赤羽由紘内野手(24)がオープン戦1号を放った。6回1死、日本ハム伊藤の132キロスライダーを左翼ポール際の最前列に運んだ。オープン戦は主に内野で出場していたが、塩見の離脱を受けて中堅を託された。ユーティリティーぶりに加え、バットでも結果を残し「主力の方が離脱してしまったが、だからチームが負けたと思われたくない」と穴を補っていく。

◆今年は強い。日本ハム新庄剛志監督(53)が就任4年目シーズンへの自信をみなぎらせた。ヤクルト戦(エスコンフィールド)に逆転勝利し、オープン戦は10勝3敗3分けの単独1位で終了。過去3年間で競争意識を持たせて成長させてきた選手たちは、誰がスタメンで出ても変わらない高レベルなチーム力を発揮する集団に変貌した。確かな手応えを持って28日から日本一への大航海へ出港する。新庄監督の試合後の第一声は、笑顔で「よろちくび~」だった。勝利でオープン戦を締めくくり、感心しながら言った。「強いねぇ。逆転されても『どっちみち同点に追いついて逆転するんだろうな』って」。この日も8回に逆転を許したが、その裏に再逆転した。「誰もが分かるでしょ。強いもん。こんなにレギュラー争いが激しいチームって他に見当たります?」と、笑みは絶えなかった。投打で充実する選手層は「選手全員の競争意識」と強調した。過去3年間で実績が少なかった選手たちに経験を積ませた。虚を突くような采配から野球も学ばせた。調子を見極めて起用し、結果を出させて自信も植え付けた。そして、チャンスは一瞬でつかむものだと言い続けた。その中で自然と生まれた競争意識が、どんどん成長を促して「選手がすごすぎて」と指揮官に言わせるまでになった。だから誰が出ても、強い。開幕1番候補だった水谷が22日に左脇腹の違和感を訴えたため、開幕は間に合わない見通しとなった。「でも、代わりに今日も活躍したメンバーがたくさんいる」。1番に入った五十幡が2安打1打点と存在感を示した。途中出場の吉田や矢沢、決勝3ランの石井に若林らも結果を出した。開幕メンバーは「まだまだ」とギリギリまで熟考するほど、いい意味で悩ましい状況だ。さらに"新戦力"の台頭も手応えを感じる一因だ。中継ぎの松岡は初の開幕1軍入りが濃厚だ。春季キャンプから猛アピールを続けて3月に育成から支配下昇格を果たした右腕に、指揮官も「こういう選手は心から大事にしたい。松岡君が活躍することによって、2軍にいる選手たちも『俺たちもチャンスがある』ってわかると思う」と長いシーズンを見据えてチーム全体への刺激策も忘れない。さあ準備は万全だ。他球団もしっかり研究して臨んでくるだろうが、新庄監督は「そこを覆すのが僕じゃないですか。もう、よかろうもん」。自信を持って、優勝しか目指さないシーズンへ向かう。【木下大輔】

◆ヤクルトの新外国人、ピーター・ランバート投手(27)=前ロッキーズ=が初先発し、4回3安打2失点(自責点0)だった。一回は1死から四球を与えたが、後続を切り無失点。二回に4安打と犠牲フライで2失点したが、自己最速に4キロと迫る152キロ直球と切れ味鋭いスライダーを駆使して、三回以降は一人も走者を許さなかった。「いつも通り攻めの投球で、たくさんのアウトを取りたい」と意気込んでいた助っ人は4回65球でマウンドを降りた。

◆ヤクルト・赤羽由紘内野手(24)と長岡秀樹内野手(23)が2者連続アーチを放った。1点を追う六回1死。まず見せたのが、プロ5年目の赤羽だ。前日22日に負傷離脱した塩見に代わって「2番・中堅」で先発出場。ここまでわずか1安打に封じ込まれて日本ハム・伊藤が投じたスライダーを一閃。左翼席に流れを引き寄せるオープン戦1号ソロをたたきこんだ。次打者の「3番・遊撃」で出場した長岡も伊藤が投じた初球の146キロの直球を振り抜き、右翼席までかっ飛ばした。主将の山田、主砲の村上、さらに中堅手の塩見が離脱する苦しい台所事情を抱える中、若き2人がアーチで共演でチームを鼓舞した。

◆6回 本塁打を放ったヤクルト・長岡秀樹=エスコンフィールド北海道(撮影・三浦幸太郎)

◆日本ハムが3―4の八回に4点を奪って逆転勝ちし、オープン戦を10勝3敗3分けの1位で終えた。本拠地エスコンフィールド北海道では無敗の7勝2分け。新庄監督も「強いねしかし。負ける雰囲気が感じられない」と上機嫌だった。春季キャンプから続く熾烈なレギュラー争いが、戦力の底上げにつながっている。監督は「成長のスピードが今年また一気に上がった気がする」と目を細めた。

◆日本ハムの水谷が左脇腹の違和感のため欠場した。22日の打撃練習中に異変を感じたようで、新庄監督は「開幕はちょっと厳しい感じではある。無理はさせない」と語った。水谷自身は重いけがではないと説明し「しっかり治しつつレベルアップもしていきたい」と話した。

◆燕の〝三刀流〟がきらりと光った。ヤクルト・赤羽由紘内野手(24)が23日、日本ハムとのオープン戦(エスコン)に「2番・中堅」で先発出場し、六回に1号ソロを放った。主力に離脱者が相次ぐ中、内外野を幅広くこなすユーティリティー性を武器に、オープン戦でチームトップの7打点を記録。28日の巨人戦(東京ドーム)での開幕スタメン入りへ赤丸急上昇中だ。目の前のチャンスを逃さなかった。0-2の六回、5年目の赤羽が反撃の1号ソロ。持ち味の長打力を発揮し、「良いタイミングで打てた」と胸を張った。五回まで1安打に封じられていた日本ハム・伊藤のスライダーが甘く入り、迷わず強振。打球は左翼ポール際のフェンスをぎりぎり越えた。オープン戦でチームトップの7打点目を挙げ、最高の形で最終戦を終えた。28日の巨人との開幕戦(東京ドーム)を前に主力が相次いで故障に見舞われた。主将の二塁手・山田、4番に座る三塁手・村上に続き、22日の日本ハム戦では中堅手・塩見が左膝を痛めて離脱。泣きどころの多いチームにとって、内外野を幅広く守れる赤羽の存在は心強い。今春の対外試合では投手、捕手を除く7つのポジションで起用され、ユーティリティー性の高さを発揮した。

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
1033 0.769
(↑0.019)
-
(-)
60
(+7)
43
(+4)
15
(+1)
12
(+1)
0.249
(↑0.007
2.490
(↓0.1)
2
(1↑)
西武
842 0.667
(↑0.031)
1.5
(-)
53
(+4)
29
(+2)
4
(-)
8
(-)
0.269
(↑0.006)
1.960
(-)
3
(1↓)
ヤクルト
852 0.615
(↓0.052)
2
(↓1)
51
(+4)
47
(+7)
9
(+2)
12
(+2)
0.223
(↓0.003)
2.510
(↓0.2)
4
(-)
ソフトバンク
963 0.600
(↑0.029)
2
(-)
64
(+3)
51
(+1)
9
(-)
23
(-)
0.246
(-)
2.460
(↑0.09)
5
(2↑)
ロッテ
872 0.533
(↑0.033)
3
(-)
56
(+2)
50
(+1)
10
(-)
7
(-)
0.227
(↑0.003)
2.480
(↑0.09)
6
(-)
DeNA
882 0.500
(↓0.033)
3.5
(↓1)
49
(+2)
51
(+4)
4
(+1)
11
(+1)
0.210
(↓0.001)
2.580
(↓0.1)
6
(1↓)
巨人
772 0.500
(↓0.038)
3.5
(↓1)
56
(+1)
56
(+2)
9
(-)
4
(-)
0.246
(↑0.002)
3.130
(↑0.07)
8
(-)
中日
684 0.429
(↓0.033)
4.5
(↓1)
49
(+1)
59
(+3)
7
(-)
14
(+1)
0.221
(↑0.008)
3.150
(↑0.01)
9
(2↑)
楽天
583 0.385
(↑0.052)
5
(-)
50
(+3)
48
(+1)
3
(-)
21
(+3)
0.213
(↓0.002)
2.800
(↑0.13)
10
(1↓)
阪神
354 0.375
(↓0.054)
4.5
(↓1)
45
(+1)
47
(+2)
6
(-)
6
(-)
0.273
(↓0.005)
3.400
(↑0.27)
10
(-)
広島
6102 0.375
(↓0.025)
5.5
(↓1)
34
(+1)
54
(+3)
9
(-)
4
(-)
0.218
(↑0.003)
3.000
(-)
12
(-)
ORIX
3103 0.231
(↑0.064)
7
(-)
37
(+2)
69
(+1)
3
(-)
5
(-)
0.229
(↑0.003)
4.020
(↑0.21)