◆中日は、ドラフト2位ルーキーの吉田が5回2安打1失点の投球。対する西武も、7年目右腕・渡邉が5回4安打無失点。開幕ローテーション入りを狙う両先発が、そろって首脳陣へのアピールに成功した。

◆中日ドラフト2位吉田聖弥投手（22＝西濃運輸）が本拠地初マウンドで開幕ローテーション入りを強烈にアピールした。初回に1点を奪われたが、2回から5回まで完全投球。5回2安打1失点の好投に井上一樹監督（53）は「チャンスは十分あるという形のメンバーに入っていくと思う」とローテ候補生き残りを示唆した。初回先頭から打者3人で1点を失ったが、4番セデーニョを武器のチェンジアップで空振り三振。以降、降板する5回まで毎回の5三振を奪い、1人の走者も許さなかった。「初回は（緊張で）フワフワして地に足がついてなかったが、点を取られて気持ちがハッとした。（以後は）本来の力が出せたかなと思う」。ストレートの最速は142キロ。チェンジアップとの緩急が生命線だが、プロで結果を出すために社会人時代は活用しなかったカーブの有効性を再認識。カウント球として効果的に使い、打者を次々と料理した。開幕投手の高橋宏に続く先発ローテは新外国人マラー、メヒア、大野に柳、松葉、涌井らが競う展開。「（入団以来）開幕1軍を掲げてやってきた。そこへの思いを持ちながらしっかりやっていきたい」。残り6試合の1軍オープン戦で登板予定はないが、チームの命運がかかる競争の輪にルーキー左腕が割って入ってきた。

◆中日のドラフト2位新人、吉田（西濃運輸）は5回2安打1失点と好投。カーブを効果的に使って緩急をつけ、二回以降は1人の走者も出さなかった。「点を取られた後は自分の持ち味を出せた」と納得顔だった。3万人超が集まった本拠地初登板で「地に足がついていなかった」。一回は制球が乱れ、2安打を浴びて先制点を許した。井上監督は「先発としてやるなら、立ち上がりをどう乗り切るか考えないと」と注文。先発枠争いで踏みとどまったサウスポーは「いろいろと試しながらやっていく」と修正を誓った。

◆西武の渡辺が5回を4安打無得点に抑え、上々の仕上がりを見せた。調子は良くなかったというが、伸びのある直球を軸に打たせて取る投球が光った。「打者が考える時間がなく、テンポ良く投げられたのがすごく良かった」とうなずいた。オープン戦は2試合で計10回を投げて無失点。先発枠入りへ確実に歩を進めている。開幕までの登板は残り1試合とみられ「あとはもうコンディショニングだけ。状態を上げていければ」と今後を見据えた。