楽天(★4対7☆)西武 =オープン戦2回戦(2025.03.09)・静岡草薙球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
西武
40000010271420
楽天
0000002114710
勝利投手:髙橋 光成(1勝0敗0S)
敗戦投手:古謝 樹(0勝1敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 楽天戦チケット予約 西武戦チケット予約
◆楽天は2番手・辛島が3回無失点の投球。開幕ローテーション入りを狙うベテランが、アピールに成功した。一方の西武は、ルーキーの渡部聖が2安打3打点の活躍。バットで結果を残し、定位置獲得へ前進した。

◆西武が初回から打者9人が6安打を集中する猛攻で4得点を挙げた。楽天の先発古謝に対し、1番長谷川は投ゴロに倒れたものの2番西川が右前打、3番ネビンが四球で得点圏を作り、4番村田が詰まりながらも右前への適時打を放った。「初球に大振りして空振りをしてしまったので、コンパクトなスイングをすることに意識を変えました」と振り返った。さらに5番平沢が「球種を絞って打席に入りました。しっかりと振り抜くことができたので打球の角度も飛んだところもよかったと思います」と右中間へ2点適時三塁打を放ち、6番渡部聖、7番外崎、8番古賀悠まで詰まった当たりもありながら5連打。9番源田は一塁へのライナーで併殺になったものの、しっかり捉えた当たりだった。西武は昨季、借金42での最下位。特にチーム打率2割1分2厘の低打率が大きく響いていただけに、オープン戦とはいえ開幕が近づいた時期での猛攻は好材料になる。

◆西武の高橋光成投手(28)が花粉症に負けずに予定の3回を投げきり、楽天打線を1安打に封じ込めた。初回から150キロ台中盤が出るなど直球は力強く、2種類のスライダーなど変化球も出し入れ。危なげなく無失点で投げきった。「今日はゾーン内で勝負できましたし、思い描いていた軌道で投球ができました」と振り返った。今年は3月1日の練習試合ソフトバンク戦(アイビースタジアム)から発症したという花粉症は、報道対応でもマスク3枚を装着するほどしんどそうだ。集中力が必要なマウンドでも「いろいろなところに弊害が出るので」と大変そう。「マスクしたり鼻うがいしたり。薬はもうあんまり効かないので、できることはやってます」。春はこれから。本人のいう「とんでもないスタートダッシュ」のために万全で備える。【金子真仁】

◆現役ドラフトで加入した西武平沢大河内野手(27)が振れている。初回、楽天古謝が相手の左対左。走者を2人置いた場面で、右中間への2点適時三塁打を放った。ちゅうちょなく二塁を回れるほどの当たりに「しっかりと振り抜くことができたので、打球の角度も飛んだところも良かったと思います」と満足そう。第2打席もしっかり振り切っての右飛。期待を持たせた。ちょっと懐かしむ。「あっ、打ったっすね」。4年前、ロッテ時代の21年も、同じ3月9日の同じ楽天戦で、同じここ静岡で右翼席に1発を放り込んでいる。「ここが得意とかは別にないですけどね」。ドラフト1位遊撃手として入団も、21年も右肘手術からの回復過程にあり、守備位置は今と同じ二塁だった。なかなか結果を出せないままロッテを去り「申し訳ない気持ちです」と振り返る。ただ新天地では、今も二塁手争いの候補の1人としてアピール中。「1打席目で出たのは良かったですし、チャンスに出たのも」とこの日もしっかり価値ある仕事をしてみせた。【金子真仁】

◆西武の育成ドラフト2位ルーキー、佐藤太陽内野手(22=神奈川大)の2日間の"1軍研修"が終わった。スポット参戦だったため、11日から予定通り再びファームに合流する。試合を終え「もっとレベルアップしないと勝負はできないと実感しました」と振り返った。この日の最終打席で強い当たりをライト前に運び、西武ベンチの誰もが両手を高く突き上げた。前日は2つの見逃し三振。「しっかりバットを出していくことは修正できました。振ってみてもっと経験値を増やしたいです」と、まずは1本目を喜んだ。落ち着いての打球処理もあった一方で、この日は二塁ゴロをはじく場面も。「一塁走者の方にうまく隠された感じで...そういうところも刺激になりました」。1軍のレベルを肌で感じ「1つ1つのプレーの質と確実性がやっぱりすごいです」と話す。フットワークをはじめとした守備力の高さは、1軍首脳陣にも早くから知られていた。「チームが勝つために必要な選手になれればと思います」とさらなる成長を誓う。一方で「育成なので、時間はないので」と濃厚な経験を終えてひと息つくつもりは、全くない。【金子真仁】

◆西武の背番号136、黒木優太投手(30)には大事な約束がある。4回から2番手で登板。先頭のドラフト1位宗山塁内野手(22=明大)にカーブでボール球2つ。そこから直球を4球続け、4球ともファウルだった。「初対戦の打者でもあるので、まっすぐを続けてもどれくらいの対応してくるのかも見たかったので」。とはいえ。「試したいこともあるんですけど、それよりも先に結果出さなきゃいけないので。しっかり3人で抑えることを意識しました」宗山を最後は得意のカーブで空振り三振にし、3番辰己、4番浅村も最速153キロで押し込みレフトフライ2つ。スコアボードに「0」を入れた。オリックス、日本ハムを経て3球団目。30歳にして育成選手として西武に縁があった。20歳前後の育成選手とは立場が違う。出し惜しみの余裕はない。攻める中で時にミスもある。5日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。古巣相手のマウンドでレイエスの胸元を突き、右手首への死球に。レイエスはそのままベンチへ下がった。翌日、謝罪に。「いや、まじ、殴られてもいいやくらいの覚悟で行ったんですけど...」それが。「笑顔で迎えてくれて。『全然気にすんな、次の対戦も楽しみにしてるよ』って言ってくれて」レイエスは自身のSNSに黒木との2ショットを即座にアップ。「彼はとてもナイスガイ」などと仲むつまじい様子と、大事に至らなかったことを報告した。黒木はそれについても「本当に感謝です」としみじみ。次の対戦も楽しみにしてるよ-。公式戦で約束を果たす。【金子真仁】

◆西武の高橋光成投手(28)がマスクを3枚重ねた。9日、楽天戦(静岡)で先発し3回無失点。昨季は屈辱の0勝11敗で、白星はオープン戦を含めても23年9月10日以来。それでも「あ~」に濁点を付けたようにうなり、笑顔はなく報道陣に姿を見せた。鼻頭に指を重ねた。「今日はゾーンの中で勝負できましたし、思い描いてたボールの軌道だったので良かったと思います」。答えきってはなをすする。群馬・沼田の木々が重なる山あいで育った。少年時代も少しは花粉症っぽさはあった。「でもこんなにきつくはなかったですよ」。今年は3月1日、宮崎市内で発症。重ねた3枚のマスクを微妙にずらして鼻からあごを覆い、メガネも装着。投手は集中力が命だ。「いろんなところに弊害が出るので」。マスク、鼻うがい。対策に対策を重ねる。マウンドじゃ言い訳にできない。全集中でマイワールドへ。「テンポも良かったと思うので、リズムに乗りやすい投球ができたのかなと思います」。初回から150キロ台を重ねた。「思い描いていたボールの軌道で」。想像と現実が重なれば背番号13は強い。「今年は本当に野球人生の分岐点なので」と事あるごとに言葉を重ねる。左肘の使い方を変え、プレートも三塁側を踏み...工夫に工夫を重ね、冬を過ごした。花粉症には勝てずとも、白星を順調に重ねるだけの素地はつけた。だから「開幕からとんでもないスタートダッシュを」と言える。苦しんだからこそ重層的になれる。1年前と比べて「全部、変わりましたね」と言う。9回の若手野手たちが躍動しての追加点も、マスク3枚重ねでベンチ最前線で喜んだ。帰り際には「三重(さんじゅう)ですよ」と重ねがさねの主張。そこに記者(マスクは1枚)のくしゃみが2つ重なった。【金子真仁】

◆西武の高橋は最速155キロを計測するなど球威が光り、3回を1安打無失点。制球はまとまり、変化球の切れも良く「思い描いていた球の軌道。テンポも良かった」と笑顔で自賛した。昨季、勝ち星なしで11敗を喫し、巻き返しを期す。昨季から体重を約10キロ落とし、投球フォームはコンパクトに改良したことで「全部が変わった」。取り組みの成果を出しつつあり、開幕に向け「今年は野球人生の分岐点。とんでもないスタートダッシュを決めたい」と並々ならぬ意気込みを口にした。

◆楽天・古謝樹(たつき)投手(23)が先発し、3回6安打4失点、1奪三振と結果を残せなかった。「スライダーの精度があまり良くなくて、ツーストライクに追い込んだ後も、真ん中高めに浮いた球を連打された」一回に6長短打を浴びるなど4失点。3四球を与え67球を費やした。「力んだ」という直球は最速150キロを計測し「3イニング目は結構、指にかかるいい球もあった」と振り返った。沖縄・金武キャンプの序盤に背中の張りのため別メニューで調整をした。「他の投手と比べて出遅れたので、試合を積んで取り戻さないといけない」と前を向いた。三木監督は「狙ったコースにあまり行っていないし、ボールも高い。しっかり調整してもらいたい」と注文をつけた。2年目左腕は開幕ローテーション入りに向けて〝追試〟を受ける。(広岡浩二)

◆楽天の正三塁手を狙うプロ7年目の伊藤裕季也内野手(28)が2安打2打点で1四球。七回に3試合連続適時打となる左越え2点打、九回に中前打を放った。打率・467と好調だが「悪いときもあるが、一番大切なのは打ち続けることが必要になる」と気を引き締めた。三木監督は「少ないチャンスで結果を残してきた。期待している」と語った。

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
411 0.800
(↑0.05)
-
(-)
16
(+1)
12
(-)
3
(-)
5
(+1)
0.215
(↓0.026)
1.700
(↑0.35)
2
(-)
ソフトバンク
421 0.667
(-)
0.5
(↑0.5)
28
(+5)
25
(+5)
4
(+1)
8
(+1)
0.257
(↑0.012)
3.190
(↓0.3)
3
(1↑)
ヤクルト
530 0.625
(↑0.054)
0.5
(-)
22
(+4)
20
(-)
4
(-)
8
(-)
0.218
(↑0.005)
2.060
(↑0.3)
3
(1↑)
巨人
530 0.625
(↑0.054)
0.5
(-)
33
(+8)
26
(+2)
5
(-)
0
(-)
0.254
(↑0.013)
2.630
(↑0.23)
5
(3↓)
中日
431 0.571
(↓0.096)
1
(↓1)
30
(-)
28
(+1)
3
(-)
10
(+1)
0.231
(↓0.012)
3.550
(↑0.31)
6
(5↑)
西武
220 0.500
(↑0.167)
1.5
(-)
14
(+7)
12
(+4)
1
(-)
3
(+2)
0.257
(↑0.038
2.650
(↓0.13)
6
(-)
ロッテ
331 0.500
(-)
1.5
(↓0.5)
24
(+5)
21
(+5)
5
(+1)
6
(+1)
0.204
(↑0.005)
2.030
(↓0.16)
8
(-)
DeNA
342 0.429
(-)
2
(↓0.5)
25
(+2)
28
(+2)
0
(-)
7
(-)
0.216
(↓0.007)
2.650
(↑0.35)
9
(3↓)
阪神
231 0.400
(↓0.1)
2
(↓1)
32
(+2)
33
(+8)
6
(-)
4
(-)
0.338
(↓0.019)
4.670
(↓0.47)
10
(1↓)
楽天
242 0.333
(↓0.067)
2.5
(↓1)
32
(+4)
26
(+7)
3
(-)
10
(+2)
0.233
(↓0.005)
3.170
(↓0.56)
10
(1↓)
広島
242 0.333
(↓0.067)
2.5
(↓1)
16
(-)
21
(+4)
2
(-)
1
(-)
0.201
(-)
2.440
(↓0.23)
12
(-)
ORIX
151 0.167
(-)
3.5
(↓0.5)
17
(+2)
37
(+2)
0
(-)
1
(-)
0.230
(↓0.001)
4.940
(↑0.49)