広島(★0対4☆)ヤクルト =オープン戦2回戦(2025.03.09)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:吉村 貢司郎(1勝0敗0S)
敗戦投手:玉村 昇悟(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆広島は、山足が二塁打を含む2安打の活躍。現役ドラフトで加入した新戦力が、首脳陣へのアピールに成功した。対するヤクルトは、先発・吉村が5回無失点の好投。ローテーションの一員として期待される右腕が、順調な仕上がりを見せた。

◆開幕投手の有力候補であるヤクルト吉村貢司郎投手(27)が、調整の順調さを示した。先発して、5回4安打3奪三振無失点。4回には2死一、三塁のピンチを招いたが、菊池をフォークで空振り三振に仕留めた。「今日はランナーを出してからのピッチングとストレートと変化球のコンビネーション組み立てを意識して投げました。カーブをうまく使うことができてストレートも有効になったと思います。今後はもう少しストレートの球威を出していきたいので次の登板に向けて調整していきたいです」と振り返った。

◆広島秋山翔吾外野手(36)が右膝に死球を受け、途中交代した。1番・中堅で先発出場。3回2死二塁で迎えた第2打席で、ヤクルト吉村の147キロ速球を右膝に受けた。死球の直後は顔をしかめ、その場でジャンプも、なんとか一塁へ歩き出した。だが代走の中村奨が送られ、秋山はベンチに下がった。チームは坂倉やドラフト1位の佐々木泰内野手(22=青学大)ら期待の戦力に故障が続くだけに、ひやりとする死球だった。

◆現役ドラフトで新戦力となった広島山足達也内野手(31)が、オープン戦初安打を含むマルチ安打をマークした。9番遊撃で先発し、3回2死の初打席でヤクルト吉村の変化球を引っ張って二塁打。8回は先頭で一、二塁間を破ったが、試合後は守備を悔やんで笑顔はなし。二塁に回った6回にヤクルト村上の打球に捕球のタイミングが合わず、右前打にしたことを猛省。「(投手の)大道君に申し訳ないことをしました。僕は守備を頑張らないと」と繰り返した。

◆広島新井貴浩監督(48)が、期待の若手、田村俊介外野手(21)に"愛情交代"を命じた。ヤクルト戦の初回守備で、先頭・塩見が右翼線際に打ち上げた打球を右翼・田村はグラブに当てて落球。ファウルゾーンながら失策がついた。田村は2回に打席に立ったが、3回の守備から二俣と交代しベンチへ。新井監督は「厳しさ? 愛情ですよ」と言いきった。打球が風に戻された不運も、田村の必死さもわかっていた。それでも「よーいどんであんなプレーされたら、投手はたまらないでしょう」と断じた。怒りに任せたわけではない。好結果を出したなら使い続けようと打席に立たせた。「野球にエラー、ミスはつきもの。そこで代えるのではなしにチャンスを与える。ミスのあった次に」。だが無死一塁で一直併殺。当たりそのものはよかったが「そこは結果」と交代を決めた。監督の真意は田村に伝わっていた。「自分に厳しく、もっともっと練習して、2度とああいうことにならないようにしたいと思います」と受け止めた。打撃内容に手応えがある。「右足の使い方を今、すり足にしてすごくはまってて」。懸命な試行錯誤は監督に伝わっている。11日からのDeNA2連戦(横浜)にも同行。結果を出し、30イニング続くチームの無得点を止めてみせる。【堀まどか】

◆5回無失点と好投したヤクルト・吉村貢司郎=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

◆広島の玉村がアピールを続ける。直球の切れ、変化球の制球がともに良く、5回を1失点とした。一回にサンタナから見逃しで、二回は村上から空振りで三振を奪うなど計5奪三振。「追い込んでから狙ったところに投げられた」と手応えを口にした。昨季4勝のサウスポー。4年目の森、ドラフト2位新人の佐藤柳(富士大)らと先発枠を争っている。「走者を背負ってからの直球は課題。またしっかり結果を求めていきたい」と次回登板へ意気込んだ。

◆オリックスの九里が広島から移籍後初めて本拠地で登板し、5回無失点。さまざまな変化球を生かした投球で相手を翻弄し「チームの一員になれたかな」と、ファンの期待に応える好投となった。先発の新たな軸と見込まれる中、シーズンに向けて安定した投球を続けている。二回までに与えた3四球を課題に挙げ「フォームで微妙なずれがあるかも。修正したい」と、さらなる向上心をのぞかせた。

◆1万9150人が詰めかけたマツダスタジアムにため息が充満した。広島は3試合連続の零封負け。5日のDeNA戦(横浜)の七回から30イニング連続無得点と打線が湿りっぱなしだが、新井貴浩監督(48)は問題なしの姿勢を示した。「ちょっとゼロが続いているけど、そこはオープン戦なので特に気にはしていない」あと一本が出ない。先制された直後の三回に2死から一、二塁の好機を作るが、新助っ人のファビアン(前レンジャーズ傘下)が左飛。得点圏に走者を置いた四回も堂林が右飛、菊池は空振り三振に終わった。ただ、安打と紙一重の打球もあり「そんなに悲観するような内容じゃない」と前を向いた。頼りになるリードオフマン、秋山にもアクシデントがあった。三回の第2打席で右膝付近に死球を受けて負傷交代。新井監督は「大丈夫」と説明し、秋山も「あした(10日)どうなっているか。いまのところ、大丈夫じゃないですか」と軽傷を強調して球場を後にした。正捕手の坂倉が右手中指骨折で離脱しているだけに、ヒヤリとする場面だった。28日の開幕戦(対阪神、マツダ)まで3週間を切った。やきもきする試合が続いているが、新井監督や選手たちを信じるしかない。(西垣戸理大)

◆広島・玉村昇悟投手(23)は5回を1失点。オープン戦3試合の登板で計10回を1失点と猛アピール。「しっかり結果を求めながら、もっとよくなると思うので、無駄球などを減らしていきたい」。昨季4勝の23歳左腕。開幕ローテーション入りに期待が懸かるが、新井貴浩監督(48)は「もう少し見させてもらう。でも、すごくいいものを見させてもらった」と評するにとどめた。

◆楽天からFAでヤクルトに加入した茂木栄五郎内野手(31)が2安打1打点と存在感を示した。二回は投手内野安打、六回は右前適時打を放ち、オープン戦8試合目で初の複数安打をマーク。正二塁手の山田が左手の指の腱を脱臼して戦線を離脱している中、バットでアピールし「与えられた場所で結果を残せるように準備していきたい」と意気込んだ。

◆ヤクルトのドラフト3位・荘司宏太投手(24)=セガサミー=が九回に登板し、1回を無安打無失点。3試合連続で無失点とし「まずは1回をゼロで抑えることが重要。継続できているのはいい」と胸を張った。右腕を高々と上げるダイナミックな投球フォームが魅力の本格派左腕。先頭打者に四球を与えたが、後続から2三振を奪うなど役割を全うした。実戦登板を重ね、落ち着きを見せつつあるが「(左打者への)四球が続いているので、考えて修正していきたい」と反省も忘れなかった。即戦力として期待する左腕に高津監督は「結果は良かったけど、もっと内容を突き詰めていく時期。高いところを目指してやってほしい」と求めた。

◆ヤクルト・吉村貢司郎投手(27)が広島とのオープン戦に先発し、5回4安打無失点と好投した。12球団で唯一公表されていない開幕投手の最有力候補と目される3年目右腕が、自身初の大役に向けて万全な仕上がりをアピールした。オープン戦は2試合で8イニング連続無失点。高津臣吾監督(56)は「今年は彼が一本立ちする一年。(先発陣の)柱となってほしい」と期待を寄せた。ピンチでも動じない。飄々(ひょうひょう)と打者を手玉に取り、勝ち頭としての貫禄を見せた。吉村が5回4安打無失点。開幕投手の最有力候補の名に恥じない投球を披露した。「直球と変化球のコンビネーションを意識して投げた。ランナーが出てから粘ることができたのは良かった」要所での集中力が光った。制球が定まらず、三回2死から安打と死球で一、二塁とされたが、新外国人のファビアンをスライダーで左飛。四回2死一、三塁では、菊池をフォークボールで空振り三振に斬った。5回72球。球数こそ要したが「まだまだこれから。映像で打者の反応を見ながら良くしていければ」と前を向いた。押して駄目なら引く。〝大人〟の投球術が垣間見えた。最速153キロを誇る剛球で打者を封じる投球スタイルだが、この日の最速は147キロ止まり。自身の調子を見極め、110キロ台のカーブなど変化球中心の組み立てに変更。「ゾーン内で勝負できて、投げ分けができた」と多彩な球種を駆使して直球を引き立たせる柔軟性を発揮して試合をつくった。

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
日本ハム
411 0.800
(↑0.05)
-
(-)
16
(+1)
12
(-)
3
(-)
5
(+1)
0.215
(↓0.026)
1.700
(↑0.35)
2
(-)
ソフトバンク
421 0.667
(-)
0.5
(↑0.5)
28
(+5)
25
(+5)
4
(+1)
8
(+1)
0.257
(↑0.012)
3.190
(↓0.3)
3
(1↑)
ヤクルト
530 0.625
(↑0.054)
0.5
(-)
22
(+4)
20
(-)
4
(-)
8
(-)
0.218
(↑0.005
2.060
(↑0.3)
3
(1↑)
巨人
530 0.625
(↑0.054)
0.5
(-)
33
(+8)
26
(+2)
5
(-)
0
(-)
0.254
(↑0.013)
2.630
(↑0.23)
5
(3↓)
中日
431 0.571
(↓0.096)
1
(↓1)
30
(-)
28
(+1)
3
(-)
10
(+1)
0.231
(↓0.012)
3.550
(↑0.31)
6
(5↑)
西武
220 0.500
(↑0.167)
1.5
(-)
14
(+7)
12
(+4)
1
(-)
3
(+2)
0.257
(↑0.038)
2.650
(↓0.13)
6
(-)
ロッテ
331 0.500
(-)
1.5
(↓0.5)
24
(+5)
21
(+5)
5
(+1)
6
(+1)
0.204
(↑0.005)
2.030
(↓0.16)
8
(-)
DeNA
342 0.429
(-)
2
(↓0.5)
25
(+2)
28
(+2)
0
(-)
7
(-)
0.216
(↓0.007)
2.650
(↑0.35)
9
(3↓)
阪神
231 0.400
(↓0.1)
2
(↓1)
32
(+2)
33
(+8)
6
(-)
4
(-)
0.338
(↓0.019)
4.670
(↓0.47)
10
(1↓)
楽天
242 0.333
(↓0.067)
2.5
(↓1)
32
(+4)
26
(+7)
3
(-)
10
(+2)
0.233
(↓0.005)
3.170
(↓0.56)
10
(1↓)
広島
242 0.333
(↓0.067)
2.5
(↓1)
16
(-)
21
(+4)
2
(-)
1
(-)
0.201
(-)
2.440
(↓0.23)
12
(-)
ORIX
151 0.167
(-)
3.5
(↓0.5)
17
(+2)
37
(+2)
0
(-)
1
(-)
0.230
(↓0.001)
4.940
(↑0.49)