1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | 5 | 10 | 1 | 0 |
阪神 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 8 | 2 | 0 |
勝利投手:堀岡 隼人(1勝0敗0S) (セーブ:颯(0勝0敗1S)) 敗戦投手:島本 浩也(0勝1敗0S) |

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◆阪神は、先発・門別が4回無失点5奪三振の好投。開幕ローテーション入りを狙う若手左腕が、アピールに成功した。一方のDeNAは、梶原が適時打を含む2安打を記録。昨季ブレークした4年目外野手が、持ち前のバットコントロールを披露した。
◆体調不良で7日に自宅で静養していた阪神森下翔太外野手(24)が、別メニューで練習に復帰した。室内練習場で打撃練習を行い、グラウンドではライトでノックを受けるなどして体を動かした。「大丈夫です。元気です。頑張ります」と元気な姿を見せていた。
◆阪神は8日、2月3日の逝去された元阪神監督・吉田義男さんの追悼試合を4月27日・巨人戦(甲子園)で行うことを発表した。【開催概要】開催日 4月27日巨人戦(甲子園)=開門12時(試合開始午後2時)※ともに予定、雨天中止の場合は5月21日の巨人戦(甲子園=午後6時開始)に順延一般献花 4月23日~24日(午前10時~午後3時)甲子園球場外周2号門付近※献花は会場にて用意し供花、供物、香典は辞退追悼セレモニー 試合前に、場内ビジョンで追悼映像を放映し、黙とう。両球団の球団旗は半旗を掲げ、阪神の監督、コーチ、選手は喪章を着用し、試合に出場特別ユニホームの着用 阪神の監督、コーチ、選手は背番号、胸番号「23」のユニホームを着用。デザインは、吉田さんが現役時代に着用していた1964年シーズンのもの場外装飾 阪神甲子園球場外周ミズノスクエアにおいて吉田さんの肖像バナーを掲出追悼クリアファイルの配布 試合開始2時間後までの入場者にクリアファイルを配布。※3歳以下の子どもも受け取りには入場券が必要。代理受け取りは不可追悼特別展示 甲子園歴史館で4月8日~7月27日まで、吉田さんのゆかりある品を追悼特別展示(歴史観入館料必)
◆DeNAとの一戦、スタメンが発表された。阪神の先発を務めるのは期待の高卒3年目左腕の門別啓人投手(20)。キャンプ紅白戦からここまで4試合11イニング無失点と好投を続けている。6日まで侍ジャパンとしてオランダ戦を戦っていた大山悠輔内野手(30)、佐藤輝明内野手(25)は前日7日の同戦はともに途中出場。この日そろってスタメンに復帰した。
◆阪神小幡竜平内野手(24)が、試合開始早々のビッグプレーをみせた。「8番遊撃」で出場。初回、遊撃の守備に就いていた小幡は、1番梶原の二遊間へ抜けそうな打球に懸命に飛びついて捕球し、すかさず一塁へ送球して見事にアウトを奪った。プレーボール直後のファインプレーに、甲子園にかけつけたファンもドッと沸き立った。ベンチスタートで遊撃の定位置を争う木浪聖也内野手(30)も拍手を送りたたえた。
◆阪神藤川球児監督(44)が2日連続でのリクエストを要求した。3回1死一、二塁の場面で中野がピッチャー前に送りバント。DeNA先発大貫が三塁刺殺の構えを見せたことで一塁送球が遅れ、アウト判定も微妙なタイミングになった。すぐにベンチを出て、リクエストを要求したが、判定は覆らなかった。藤川監督は7日の同カードで8回の糸原の一ゴロでのアウト判定で就任後、初めてリクエストを行使。前日も判定は変わらなかった。
◆開幕ローテ入りへ猛アピールを続けている高卒3年目左腕の阪神門別啓人投手(20)が、またしても好投した。4回を2安打5奪三振、無失点で今春実戦では計15イニング無失点と得点を与えていない。初回からどんどん真っすぐで押した。1死から蝦名に左前打を許したが、続く井上、宮崎を直球で外野フライに打ち取った。2回1死からは5者連続で三振。追い込んでから力強い直球を高めに投げこみ、次々とバットが空を切った。4回には2四球と安打で無死満塁とピンチを作ったが、山本を内角直球で三邪飛。加藤を一ゴロ併殺に打ち取って無失点で切り抜けた。崩れかけた4回を0で抑え、詰めかけたファンから大きな拍手が送られた。キャンプ紅白戦から続けてきた連続無失点イニングを5試合で計15イニングと伸ばした。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が技ありの一打を放った。1点リードの5回1死満塁からの第3打席。カウント3-1からマン振りで空振りをしてフルカウントからの6球目、外角144キロ直球にコンタクトを重視したようなスイングで逆方向に流し打ち、左翼線へ抜ける適時二塁打で2点を追加した。これでオープン戦は4試合連続安打をマークと好調をキープしている。なおも2死二、三塁から大山悠輔内野手(30)もオープン戦3試合連続タイムリーとなる左前適時打を放ち、4点目を奪った。侍ジャパンの強化試合から帰ってきた主砲コンビが、聖地を盛り上げた。
◆7日に支配下選手登録を果たした阪神の工藤泰成投手(23)が登録後初めてオープン戦に登板。150キロ台を連発して観客をどよめかせた。4-1の8回2死三塁から登板。工藤の名前がコールされると観客からは大きな拍手が送られた。山本への初球に153キロを計測し観客をどよめかせると、150キロ台を連発。右前に適時打を許したが、続く代打知野をフォークで空振り三振に仕留めた。この日は新背番号24ではなく、育成時に着用していた127でマウンドに上がった。「本日は背番号127を着用しております」とアナウンスもあった。支配下昇格後初マウンドは大きな拍手とどよめきをもたらした。
◆2年前の日本一の阪神が昨季日本一のDeNAに甲子園で逆転負けを喫した。先発の門別は流れを作った。力強い直球で圧倒。5者連続三振を奪うなど、4回2安打5奪三振無失点。今春に登板した実戦では5試合で計15イニングを0に抑えて、開幕ローテ入りへ猛アピールだ。打線も侍ジャパン帰りの佐藤輝明内野手(25)と大山悠輔内野手(30)の2人がスタメン復帰。1-0の5回には無死満塁から佐藤輝が左翼線へはじき返す2点適時二塁打を放つと、大山にも適時打が生まれて3点を追加した。2番手のハビー・ゲラ投手(29)や侍ジャパンでも好投した石井大智投手(27)がそれぞれ1回無失点。8回途中からは前日7日に支配下登録された工藤泰成投手(23)が支配下昇格後初のマウンドに上がり大歓声が起こった。ただ、試合は4点リードから8、9回で計5失点して逆転負け。寒さが続く甲子園に3万7525人が詰めかけた一戦で白星を届けられなかった。
◆DeNA大貫晋一投手(31)が安定感のある投球で開幕ローテーション入りをたぐり寄せた。3回に自身の野選から先制を許すも、フォークやツーシーム、カーブなど多彩な変化球をちりばめ、4回3安打1失点(自責0)。「先発がかなり多くてみんな良い投手。約束された立場ではないので、(開幕ローテを)勝ち取れるようにしていきたい」と力を込めた。
◆侍ジャパン帰りのDeNA梶原昂希外野手(25)が"新フォルム"の片りんを見せた。8回先頭、投手は代わったばかりの阪神左腕川原。2ボールからでもスイングはかけない。2つストライクを見送り、平行カウントとなるも2球ボールが続いて四球で出塁。追い上げの1点目のホームを踏んだ。「自分でどんどん行っていいところとなるべく絞るところと、メリハリが去年よりだいぶつけられていると思います」とうなずいた。昨季は俊足を生かして91試合出場で打率2割9分2厘、16盗塁とブレーク。一方で早打ち傾向とボール球スイング率の高さから四球の少なさが課題だった。しかし「出塁率アップ」を目標の1つに掲げた今季は侍ジャパンでの強化試合2試合を合わせた対外試合44打席で7四球と約6打席に1つのペースで選んでおり、昨季の約50打席で1つ(351打席打席で7四球)から飛躍的に増加している。出塁さえできれば50メートル5秒8の俊足が武器になる。あとは持ち味の積極打法とどう両立するか。「積極性とボールを見ていくことの境界線が難しいですけど、良いバランスを探りながら今のところはできているかなと思います」。昨年以上にダイヤモンドを駆け回る。【小早川宗一郎】
◆2年前の日本一の阪神が昨季日本一のDeNAに甲子園で逆転負けを喫した。阪神藤川監督の一問一答は以下の通り。-先発門別が4回無失点「ツーナッシングとかがあったのでね。課題はあったのではないかな」-全体的な投球は「ボールは良かったと思います」-無死満塁のピンチも切り抜けた「味方にうまく流れがないときにポンッと先頭で四球が出て。本当なら難しい流れにのみ込まれていると思うので、良き経験として、次にまた生かすところかな」-開幕ローテ入りは「まだ分からないですね、もちろんね」-小幡も守備からのリズムで打撃につなげた「そうですね。4人ぐらいは捉えられてるところを、小幡もよく飛びついていい流れになったと思います。最後は前の打球(8回蝦名の遊ゴロ失策)がありますけど、課題はつぶしていかないといけない」-支配下昇格公表の工藤がイニング途中から登板「経験させたくて。非常にいい練習にはなったんじゃないかな。精度も高く、良かったなと思っています」-栄枝をフル出場させた「最後(9回)にあの1点の取られ方ですか。栄枝は学ぶことが多い。1試合マスクをかぶる難しさを痛感したんじゃないですかね」-3、5回は足もうまく絡ませた「そうですね」-原口を左翼で初起用「甲子園は広いですし、守備から打撃というところをやってみようと。いろんなところを今しか試せないので」
◆プロ未勝利左腕が3・29先発の座をグイッと引き寄せた。阪神門別啓人投手(20)がDeNAとのオープン戦(甲子園)に先発し、4回2安打無失点の好投で初の開幕ローテ入りへ大前進した。5者連続三振を奪い、4回無死満塁の大ピンチも無失点で耐えた。今春の実戦は15イニング連続無失点。開幕2戦目の29日広島戦(マツダスタジアム)での先発が有力視される中、安藤優也投手チーフコーチ(47)も好評価。成長著しい左腕の期待値がグングン上がっている。ポーカーフェースの門別が静かに燃えた。4回無死満塁の大ピンチ。思わず熱くなった。「絶対に点数をあげたくなかったので、気持ちが入りました」5番山本はこん身の内角直球で詰まらせ三邪飛。続く加藤も直球で詰まらせ、注文通りの一ゴロ併殺打に仕留めた。何事もなかったようにグラブをポンとたたき、淡々とベンチへ。その一挙手一投足からローテ投手の風格が漂った。「真っすぐで押していくのを貫き通せたのが結果につながった。もし点を取られた時でも、このスタイルを崩さないでやっていくのが大事だと思います」ピンチにも動じない強心臓こそ、昨季から成長したポイントだ。「4回の最初の投球は昨年のフラッシュバックじゃないですけど...そんな感じがありました」。4回、先頭蝦名への四球を反省した。昨季は勝負どころで踏ん張れず、プロ初勝利を逃した。「打たれてもいいから強気に。どんどん攻めの投球をしていきたい」。素質は誰もが認めるところ。高卒3年目となる今季は頑丈になったメンタルを引っさげ、初の開幕ローテ入りへ前進している。技術的な手応えも感じている。昨季日本一のDeNA打線を相手に2回1死から5者連続三振を奪うなど、この日最速146キロの直球と変化球を巧みに使い分けた。主に決め球に選んだのは高めの直球。5者連続三振のうち4つが高めのつり球を振らせたものだ。「(高めの)ボールも使えることが今日分かった」。直球を生かすためのスライダーが良いアクセントになった。「三振も取れたし、カウントを取れたのが大きかった。昨年に比べて(打者が)振ってくれたので、しっかり成長してる証拠かな」と手応え十分だ。若武者の快投に首脳陣も目を細める。安藤投手チーフコーチは「粘りながら結果を出してくれている」と評価。有力視される開幕2戦目・広島戦の先発こそ明言しなかったが、昨季まで2年連続2ケタ勝利の大竹が下肢の張りで離脱する中、存在感は高まっている。これで今春実戦は15回無失点。「もう少し状態を上げていければ、もっと体のキレも出てくる」。今季の大ブレークを予感させる左腕。ブレずにスタイルを確立していく。【山崎健太】門別啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道門別町(現日高町)出身。富川小1年時に富川野球スポーツ少年団で野球を始め、6年時に投手で日本ハムファイターズジュニア選出。富川中では軟式野球部に所属。東海大札幌ではエースとして3年夏の南北海道大会4強に貢献。22年ドラフト2位で阪神入団。1軍は登板7試合(うち先発3試合)で0勝2敗、防御率4・05。今季推定年俸は870万円。183センチ、88キロ。左投げ左打ち。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)が今度は技ありの一打を決めた。DeNA戦に「3番三塁」で出場。1点リードの5回1死満塁、フルカウントから左腕庄司の外角144キロ直球に逆らわず、逆方向へ華麗に流し打った。打球は左翼線の内側で弾み、リードを拡大する2点二塁打。二塁上では激しく手をたたき、最後は両手を広げて「カモメポーズ」で締めくくった。「最後、打てるところに(ボールが)来たので良かったです」対応力の高さを見せつけた。カウント3-1からの5球目、高めの真っすぐをフルスイングして空振り。追い込まれてからの6球目はほぼノーステップでコンタクトを意識した。強振せず、ボールに合わせる形でスイング。「タイミングの修正というか、そういうのができたかなと思います」と胸を張った。藤川監督も打席での工夫、成長に目を細めた。「打ちにいっている姿がありますから」と攻めの姿勢を評価した上で「打ちにいきながらボールを見極めるとか、それが重要なんじゃないかと。打ちにいきながら打つ。打ちにいきながら見送る。見送りにいきながら打つというのはすごく難しい。そういう部分での押し引きですね」と分析した。5、6日の侍ジャパン強化試合から帰還し、代打出場した前日7日のDeNA戦の中前打を含め、オープン戦に出場した全4試合連続で安打を記録。9打数6安打の打率6割6分7厘と春季キャンプからの好調を維持している。キャンプ中にも手応えをつかんでいた90度を目いっぱい使った全方位打法で、オープン戦安打の打球方向は右翼2本、中堅2本、左翼2本とバランスもいい。開幕まで残り約3週間。新3番の本番突入が待ち遠しい。【古財稜明】
◆阪神小幡竜平内野手(24)は悲喜こもごもの1日となった。まずは守備で魅せた。DeNA先頭梶原の二遊間へのゴロへ横っ跳び。素早く起き上がりアウトにした。「1発目でああいうプレーが出たのは大きいですし、門別も気持ちよくいけたと思うので大きかった。常に準備は言われているので良かった」と自信を深める好プレーだ。バットでは3回に大貫の初球を引っ張り右翼線へ二塁打。「思い切っていこうという中でいい結果が出た」。その後、一、三塁では盗塁を刺すための捕手の二塁送球がそれるのを見て本塁に突入。好判断で先制点をもたらした。6、8回には内野安打を放ち3安打とすると、6回には二盗も成功させアピールを続けた。ただ、8回にはゴロを後逸。失点につながる痛い失策を「練習するだけ」と猛省した。チーム唯一の3安打に加え走塁でも持ち味を出しただけに、もったいないプレーとなった。
◆阪神育成ドラフト1位の工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が、7日に支配下選手契約を発表されてから初のマウンドに上がった。まだ背番号は127番のままで「火消しテスト」として3点リードの8回2死三塁のピンチで登場。マウンド上で藤川監督から「体重を下に乗せて思い切り投げろ」と背中を押され、山本に最速155キロを計測した直球を連発して追い込むも、最後は甘い直球を右前に運ばれた。「インハイの真っすぐのサインが出て投げきれなかったのがすごく悔しい」。それでも代打知野はフォークで空振り三振に斬った。指揮官は「経験させたくて。非常にいい練習にはなったんじゃないかなと。精度も高くてね、良かったと思っています」と評価した。
◆侍ジャパンに参加していた阪神石井大智投手(27)が、タテジマ復帰戦で1回を0封した。6回に3番手で登板。梶原と戸柱にヒット2本を許したが、蝦名と井上を連続三振に斬るなど、走者を得点圏に進めてもしっかり踏ん張った。5日のオランダ戦は1回2奪三振でピシャリ。「今日は2つの三振とか、いいところも悪いところもあった。そこは反省というか次の試合に生かしていきたい」と引き締めた。
◆阪神栄枝裕貴捕手(26)の1軍でプロ初のフル出場はホロ苦いものになった。先発門別ら4投手を7回無失点に導いたが、残りの2回は川原、工藤、島本で5失点。逆転負けを喫し「終盤になるにつれシビアな展開になる。自分の経験のなさで投手に申し訳なかった。まだまだ足りないなと思いました」と単調になったリードを反省。藤川監督も「栄枝は学ぶことが多いというか。1試合、マスクをかぶる難しさを痛感したんじゃないですか」と厳しく指摘した。
◆阪神の代打の切り札、原口文仁内野手(33)がプロ16年目にして1軍初の左翼に就いた。4番で出場。バットは見せ場なく4三振に終わったが、2回には山本の左飛を処理するなど無難に対応した。複数ポジションを提唱する藤川監督は「守備から打撃というところをやってみようと。今しか試せないというところでしたね」と説明。原口は「(練習の外野ノックと比べ)お客さんが入ってボールの見え方が違った」と収穫を強調していた。
◆7年目のDeNA勝又温史外野手(24)が覚悟をにじませた。2軍から1軍昇格ではなく、ゲーム参加という立場で4日のロッテとのオープン戦(横浜)から1軍に合流。4試合目となったこの日は同点の9回2死一、三塁の場面で代打で登場し、阪神島本の2球目フォークを右前にはじき返した。決勝適時打となる一打に一塁ベース上で満面の笑みを浮かべた勝又は「ゲーム参加で来ているので、他の選手より結果残したり、アピールしないといけない立場。結果を残すしかないので、必死にという気持ちだけでした」と食らいついた。B班の鹿児島・奄美キャンプでは、とにかく練習量にこだわった。1日、1000スイングを最低限の目標に設定し、足りなかった場合はホテルに帰ってから振り込んだ。「自分のできる限りの体力の練習量を、ずっと毎日妥協せずにやろうという、それだけでした」とやり通した。外野手は筒香、桑原、佐野、神里、関根、蝦名、梶原、度会ら12球団でも屈指の激烈なポジション争いの様相を呈す。投手としてプロ入りも21年に戦力外通告を受けて野手転向した勝又にとって、今季にかける思いも危機感も人一倍感じている。「今年ダメだったら多分クビ。終わった時に1ミリも後悔が残らない野球人生にしたいので、全力で毎日やるしかないです。僕は信じて練習するだけなので。不安になったらその分練習して自信を持てるように。それでも不安ですけど、やるしかないので、そこは自分との戦いだと思います」。信じて戦い続ける。
◆阪神大山悠輔内野手(30)のバットがすこぶる好調だ。侍ジャパン戦を含めて3試合連続の長打に加えて、2死からの適時打も放つなど2安打1打点。新5番が状態を上げてきている。日本代表での2試合を終えて前日7日にチームに再合流し、この日が復帰後初スタメン。定位置の「5番一塁」で名を連ねた。2回1死からの第1打席。DeNA先発大貫の高めカットボールを振り抜くと、ライナーで左翼手の頭を越える二塁打。6日オランダ戦の侍ジャパン1号、7日DeNA戦での代打二塁打に続き、3試合連続となる長打で甲子園を盛り上げた。これだけでは終わらない。5回、2点を追加してなおも2死二、三塁からは変化球を左前に運び、打点を挙げた。4番が倒れた後での一打に「2アウトからの打点は大事だと思うので、ああいうところで打てて良かった。しっかり続けていきたいです」と充実感を漂わせた。昨季は主に4番に座ったが、今季からは5番に役割を移す。2死からの打点に藤川監督も「どういう打撃をしたいか考えながら臨んでいるので、いい形にはなってきている。順調かなと思います」と納得顔だ。出場したオープン戦では全3試合で適時打をマークし、打率も5割7分1厘。長打力が求められた日本代表でも1発を放った。勝負強い虎の5番が開幕へ、スキのない準備を進めている。【林亮佑】
◆プロ未勝利左腕が3・29先発の座をグイッと引き寄せた。阪神門別啓人投手(20)がDeNAとのオープン戦(甲子園)に先発し、4回2安打無失点の好投で初の開幕ローテ入りへ大前進した。5者連続三振を奪い、4回無死満塁の大ピンチも無失点で耐えた。今春の実戦は15イニング連続無失点。開幕2戦目の29日広島戦(マツダスタジアム)での先発が有力視される中、安藤優也投手チーフコーチ(47)も好評価。成長著しい左腕の期待値がグングン上がっている。
◆阪神は高卒3年目の門別啓人投手(20)が先発する。今春の実戦ではここまで4試合11イニングを無失点と好投を続ける左腕。昨季日本一の強力DeNA打線を相手に初先発となるが、「めっちゃ(打線が)いいなと思うので、その相手に真っすぐがどう通用するか。打たれる打たれないよりは、キャッチャーと相談をして、やりたいことできれば」と意気込み、目標とする開幕ローテを決定づける投球を見せる。体調不良から練習に復帰したばかりの森下翔太外野手(24)はベンチを外れ、4番には原口文仁内野手(33)が座った。
◆先制点を好走塁、好判断でもぎ取った。先頭の8番・小幡竜平内野手(24)が初球の高め変化球を捉えて右翼線への二塁打とすると、続く島田海吏外野手(29)の投ゴロが相手のフィルダースチョイスを呼び無死一、三塁。1番・近本への2球目に島田が二盗を仕掛けると、捕手・山本の送球は一塁方向へ逸れて三走・小幡が生還した。
◆先発した門別啓人投手(20)は4回2安打無失点。5奪三振と圧巻の奪三振ショーで甲子園を沸かせた。一回1死から蝦名に安打を許したが、二、三回に6番・加藤から1番・梶原まで直球とスライダーで5者連続空振り三振に斬るなど強力DeNA打線を圧倒した。四回に先頭の蝦名に四球を与えると、続く井上に右前打、宮崎に四球を許して無死満塁とピンチを招く。それでも山本を三邪飛、加藤を一ゴロ併殺に打ち取って無失点に切り抜けた。開幕ローテ入りが有力な高卒3年目左腕は、これで今春実戦15イニング連続無失点。この日はピンチでも崩れない投球を披露して指揮官に猛アピールした。
◆阪神が1―0の五回に追加点を挙げた。DeNA育成左腕・庄司に対し、まず先頭の小幡が四球で出塁をすると、続く島田はランエンドヒットを決める左前打でチャンスメーク。1死後の四球で満塁とさらに好機が広がると、3番・佐藤輝はフルカウントからの直球を鮮やかに左翼線へとはじき返し、走者2人をホームへ迎え入れた。到達した二塁ベース上では、両手を力強くたたき、ベンチに向かってカモメポーズ。オープン戦ではこれで出場全4試合で安打と、またも結果を残した。さらに、その後の2死二、三塁では5番・大山が三遊間を破る適時打を放ち、日本代表として出場して左翼2ランを放った6日の「侍ジャパンシリーズ」オランダ戦(京セラ)、チームに戻ってきて代打出場した7日のオープン戦・DeNA戦(甲子園)と実戦3試合連続打点と勝負強さを発揮。昨季の日本一軍団を相手に、〝侍コンビ〟の躍動でリードを広げた。
◆阪神の育成ドラフト1位・工藤泰成投手(23)が八回2死三塁でマウンドへ。7日に支配下契約を結んで初登板に臨んだ。八回先頭から登板した川原が味方の失策も絡んで1点を失うも2死三塁となったところで藤川球児監督(44)がマウンドへ。工藤の名前がコールされると、観客からは大歓声。ライトスタンドからは「頑張れ工藤」コールで背中を押された。「本日は背番号127を着用しております」とアナウンスがあったように、新番号の「24」ではなく育成時代のユニホームでマウンドへ。投球練習から剛速球で球場を沸かせた。この後山本に右前適時打を浴びたが、続く知野は変化球で三振を奪った。
◆阪神は終盤に5失点し、逆転負けを喫した。ローテ定着を狙う先発の門別啓人投手(20)は4回無失点の好投。二回、三回は5者連続三振を奪うなど力を見せると、四回無死満塁のピンチも三邪飛と併殺打で得点を与えず、今春の無失点を15イニングに伸ばした。打線は三回に先制すると、五回には佐藤輝明内野手(25)の2点二塁打、大山悠輔内野手(30)の2日連続となる適時打で4点を奪った。しかし終盤に守備から崩れる。八回、川原が小幡の失策も絡んで2失点を喫すると、九回は島本が2点を失って同点とされ、さらに植田の失策から勝ち越し適時打を許して4-5に。オープン戦ながら、後味の悪い試合となった。
◆一回、安打を放つDeNA・蝦名達夫(撮影・根本成)
◆阪神が4点リードから八、九回に5点を奪われ逆転負け。三回に敵失で先制し、五回1死満塁から佐藤輝明内野手(25)の2点二塁打と大山悠輔内野手(30)の左前打で加点した。先発門別啓人投手(20)は4回を投げ、5者連続空振り三振を奪って無失点。四回に安打と2四球で招いた無死満塁の窮地を三邪飛と一ゴロ併殺で切り抜け、15イニング連続無失点とした。支配下契約を勝ち取った育成D1位・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=は八回2死三塁で登板し、山本祐大捕手(26)に右前打を浴び、?回を投げ、1安打1奪三振。島本浩也投手(32)は九回にバックの失策が重なり、3点を失った。藤川球児監督(44)の主な一問一答は以下の通り(OP戦成績=2勝2敗1分、観衆=3万7525人)。ーー門別は「2ナッシングとかがあったのでね。栄枝も途中から1試合をかぶらせてみようという形でしたけど。門別は、課題はあったのではないかな」ーー全体的な投球は「ボールはよかったと思いますね。コンビネーション、バッテリー間の使い方ががね」ーーピンチでのマウンドさばきは「どう言うかな、(四回は)味方に流れがない時に先頭打者への四球を考えなければ。あれは本当なら難しい流れに飲み込まれていると思う。その辺りは良き経験として次に生かすというところですね」ーー開幕ローテに近づいているか「まだ分からないですね、もちろんね」ーー工藤はイニング途中からの起用「経験させたくて。非常に良い練習にはなった。この後ピッチングコーチと話しますけど、どれくらいで肩ができたとかはありましたけど。精度も高くて良かったなと思っています」ーー適時打の後、次打者を三振「栄枝のやり方はもう少しあるというか。あれが最後、ああいう展開になったと思うのでね、あの1点がね。あの1点の取られ方ですか、栄枝には学ぶことが多い。1試合、マスクを被る難しさを痛感したんじゃないですかね」ーーキャッチャーは途中交代が多かったが、栄枝には学んでほしかった「そうですね、門別が満塁をしのいだところで、最後まで行かせますということをバッテリーコーチに伝えて。やっぱり難しいですよね、最後はね」ーー攻撃うまくいっている感じ「ぶつ切りにはなりますけどね。オープン戦なんでね。いい流れで佐藤(五回の左翼線2点二塁打)もよく返してくれた」ーー打席内容は「本人に聞いてもらったら、考えてることもまたわかるかなと思いますけどね」ーー佐藤輝の良さが徐々に伸びてきているか「打ちに行きながらボールを見極めるのが重要なんじゃないかなと。打ちに行きながら打つ。見送る。見送りに行きながら打つのはすごく難しいので。そういう部分での押し引きですね」ーー大山は5番であと1点ほしいところで一本「課題というか、ゲームに臨むにあたってどういう打撃がしたいかと考えながら臨んでいるので、いい形にはなってきていると思いますけど、順調かなと思います」ーー原口を左翼起用「甲子園は広いですし、守備から打撃をやってみようと。いろんなところを今しか試せないというところでしたね」
◆近鉄などで通算465本塁打を放ち、西武コーチ時代には清原和博らを育てた土井正博氏(81)=サンケイスポーツ専属評論家=は、阪神が3点を奪った五回の攻撃を高く評価した。下位打線が起点となって上位につなぎ、クリーンアップがかえす形は、セ・リーグ優勝、日本一を成し遂げた2023年と同じいい得点パターンだとうなずいた。強かった一昨年を思い起こすような攻撃だった。8番・小幡の四球を起点にした1死満塁で3番・佐藤輝が左翼線への2点打を放つと、2死後に5番・大山が左前適時打でさらに1点を追加した。下位打線がチャンスをつくって、クリーンアップがきっちりと仕事をする。理想的な形だ。1点リードで迎えた中盤で、中押し点を取り切ったところもいい。この日のように4─0としてしまえば、シーズン中なら以降は二線級の投手がでてくる展開になる。相手の力が落ちるぶん、打者としては楽だ。個人の数字を上げるチャンスで、さらに点差が開けば投手陣への負担も軽くなる。チームとしても余力を残した戦い方ができる。長いシーズンを考えれば、1試合でも多くそんな試合をつくりたい。一方で1点差のままだったら、相手も諦めずに一線級の救援陣をつぎこんでくる。リードしていても苦しい戦いをしいられてしまう。だからこそ、ここで決めればという場面できっちりと走者をかえした中軸を評価したい。佐藤輝に関しては、打席での状況判断がしっかりとできていた。カウント3─1からボール気味の球を空振りして追い込まれたが、そこで変化球待ちに切り替えた。遅い球にタイミングを合わせた打ち方だったから、左翼方向にコンパクトなスイングではじき返せた。状態がいい時にはそういう対応ができて、振る力があるからゴロアウトではなくヒットにできる。いまの状態を維持できれば、近本、中野を塁上に置いた打席が増える「3番」で打点は増えるだろう。クリーンアップなのだから、100打点近くは挙げないといけない。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆走攻守で躍動し、甲子園を熱くした。目立ったのは、久々に遊撃スタメンを任された阪神・小幡竜平内野手(24)だ。「一発目であれができたことは大きい。門別も気持ちよくいけたと思う」まずはプレーボール直後、1番・梶原が初球をたたいて二遊間に転がした鋭い打球をダイビングキャッチして遊ゴロとし、後輩左腕を助けた。勢いを身にまとった三回の打席では右翼線二塁打から先制のホームを踏み、そこから先は四球に2打席連続の遊撃内野安打と4打席全出塁。六回には二盗も決め、存在感を示した。シーズン開幕に向け、遊撃では木浪の出場機会が多くなっているが、まだまだあきらめない。「しっかりと自分と向き合って、しっかりとやれたら」。己の技術を磨くことに集中し、この争いに食らいつく。(須藤佳裕)
◆今季の〝定位置〟である「5番・一塁」で先発した阪神・大山悠輔内野手(30)は五回、3番・佐藤輝の2点打で3-0とした後、2死二、三塁で三遊間を破る左前適時打を放った。「2アウトからの打点が大事だと思うのでしっかりそこは続けていきたいです」昨季はリーグ2位の得点圏打率・354をマークし、藤川監督から「大山で待ち構えたい」とクリーンアップのトリとして、5番に指名されている。この日も絶好の場面でしっかりとランナーを返す役割を果たし、二回の第1打席では1死走者なしから左越え二塁打でチャンスメークした。これで侍ジャパンの一員として出場した6日のオランダ戦(京セラ)で本塁打を放って以降、3試合連続打点。オープン戦は打率・571と絶好調で、開幕に向けて勝負強さを見せつけていく。
◆育成ドラフト位から7日に支配下契約を結んだ阪神・工藤泰成投手(23)=四国IL徳島=が、昇格後初登板した。「お客さんがたくさん入って、リリーフカーに乗ったときからすごい声援で、マウンドに行くときも声をかけてくださったのでうれしかったです」八回先頭から登板した川原が1点を失い2死三塁となったところで新番号の「24」ではなく、育成時代の「127」のまま登場。藤川監督から「体重を下に乗せて思い切り投げろ」のアドバイスとともにボールを受け取った。山本に150キロの真っすぐで押したが、右前適時打を浴び、「インハイ真っすぐのサインが出て投げきれなかったのがすごく悔しい。僕の技術不足で打たれてしまったのでこれから練習します」。それでも、次の代打・知野をフォークで空振り三振に仕留めた。(渡辺洋次)
◆阪神・原口文仁内野手(33)が練習で積極的に取り組む左翼でスタメン出場をした。「お客さんも入っていて見え方が練習とは別物だったけど、練習通りにできたと思う」。二回に山本が放った飛球を難なく処理するなど、これまで1軍で出場機会がなかったポジションながら軽快にこなした。「次にチャンスがあればまたしっかりとやっていきたい」と、今後に向けて踏み出した大きな一歩だった。
◆開幕ローテーション入りを狙うDeNA・大貫が先発し、4回3安打1失点(自責点0)だった。最少失点でしのぎ「ある程度、意図したところにボールが集まっていた」と手応えを口にした。二回に4番の原口からツーシームで見逃し三振を奪うなど4奪三振。「(ツーシームは)左右問わず動いていた。他の変化球も同じようなコースにしっかりと投げることができた」と振り返った。
◆阪神のハビー・ゲラ投手(29)は五回から2番手で登板。先頭に安打を許したが、後続を併殺と空振り三振の10球で料理した。最速は155キロを計測したが、「普通通りです」と涼しい表情。開幕までは「何をやるかは教えられないけど、それまでしっかりいろいろやります」とけむに巻いた。
◆大きなカモメが二塁塁上で高く飛んだ。レフト線に弾んだ打球が砂を巻き上げると、360度黄色で染め上げられた甲子園から、地鳴りのような歓声が上がった。佐藤輝明内野手(25)自身も納得の一打に、ナインもカモメポーズで祝福した。「最後打てるところに来たので良かった。(直前の空振りから)タイミングの修正ができた。打球がフェアになって良かったです」1-0で迎えた五回。1死満塁の好機で佐藤輝に打席が回った。カウント3-1からの4球目、高め直球をフルスイング。惜しくもボールはバットの上を通ったが、一発を期待するファンからはどよめきの声が上がった。フルカウントとなり、続く5球目。育成左腕・庄司の外角直球をきれいにはじき返した打球は、レフト線で弾む2点二塁打。アルプス席が開放された土曜日の甲子園は祭りのような雰囲気に包まれた。出場したオープン戦全4試合で安打を記録。右に左に長打を放ち、打率は・667(9打数6安打)。OPS(長打率+出塁率)は1・949と、相手投手からすれば手が付けられない無双状態となっている。7日のDeNA戦(甲子園)は、前日まで行われていた日本代表戦からの合流ということもあり途中出場。代わりに3番で先発した前川が2試合連発となる本塁打を記録していた。この日、佐藤輝は定位置に座るといきなり2打点の活躍。〝ここは俺の場所だ〟と結果で語った。虎の主砲が、打線の潤滑油を担う。オープン戦で記録した6安打。その全てが直接得点に結びついている。「やること自体はどこの打順でも変わらない」と口にするが、3番・佐藤輝、4番・森下、5番・大山の新クリーンアップは活気に満ちている。構想する新打順が結果を残すなか、藤川監督は「打ちにいきながらボールを見極めるのが重要。打ちにいっている姿がある」と佐藤輝の打撃にうなずいた。いくつもの記録を塗り替えてきた虎のスラッガーが、さらなる覚醒の時を迎えようとしている。(萩原翔)
◆捕手でフル出場した栄枝裕貴捕手(26)は終盤2イニングでの5失点を猛省した。「終盤になるにつれてシビアな展開になる。まだまだ足りないと思った」。4―1の八回2死三塁で工藤が登板した場面では、山本が直球に合っていないと感じ5球連続で直球を要求するも、右前にはじき返された。悔しいリードが続き、藤川監督は「栄枝には学ぶことが多いというか、1試合(を通して)マスクを被る難しさを痛感したのではないですかね」と厳しく評価した。
◆侍ジャパンから帰ってきた阪神・石井大智投手(27)は六回に3番手で登板し、1回無失点。2三振で安定感のある投球を見せたが「いい所も悪いところもあったので、そこは反省もあります」と謙虚に話した。日の丸で得たこともたくさんあるが「生かしたかったですけど、ちょっと生かしきれなかったところがあったんで。そこはまた練習しながらですね」と悔しさをにじませた。
◆DeNA・勝又温史外野手(24)が九回に代打で登場し、決勝の右前適時打を放った。同点の2死一、三塁で島本の浮いたフォークボールを引っ張り、一、二塁間を破った。満面の笑みを浮かべて拳を握り「結果を残すしかない。必死にという気持ちだけ」と興奮気味に振り返った。2019年に東京・日大鶴ケ丘高からドラフト4位で投手として入団。22年に野手に転向した。2軍から試合参加で遠征のメンバーに名を連ねており「アピールしないといけない立場。今年駄目だったら多分クビ。終わったときに1ミリも後悔が残らない野球人生にしたい」と覚悟を口にした。春季キャンプでは一日1000スイングを自らに課し、ひたむきに鍛錬を積んできた。外野手争いはし烈。それでも「信じて練習するだけ。不安になったら練習して自信を持てるように。もう、やるしかない。自分との戦い」と闘志を燃やした。三浦監督は「公式戦と同じような気持ちで(打席に)入っていると思う。よかったよね。本当にね」と評価した。
◆DeNA・梶原昂希外野手(25)が「1番・右翼」で先発出場し、2安打1打点、1盗塁と見せ場を作った。機動力で存在感を放った野球日本代表「侍ジャパン」の活動を終え、この日からチームに復帰。初めて背負った日の丸の経験を糧に、リードオフマンとしてさらなる飛躍を期す。抜群の潜在能力を持つ梶原が、打撃で新たな領域に足を踏み入れようとしている。持ち前の積極性を生かしつつ、状況を見極めて球を選ぶ。1番打者として必要な素養に磨きをかけており、自身の取り組みに手応えを示した。「メリハリが去年よりだいぶつけられている。バランスを探りながらだけど、できているかな」初球から果敢にバットを振ったのは、2点を追う九回1死一、二塁。外角低めに逃げる島本のスライダーを拾い、右前適時打を放った。直前の森敬が7球目に四球を選んでおり、制球力が売りの左腕がストライクを取りにきたところを逃さず、一挙3点を奪う逆転劇を演出した。六回には内角低めに沈む石井のフォークボールを巧みに左前へ運び、すかさず二盗に成功。八回には四球を得点に結びつけた。ともに回の先頭で打席に立っており、リードオフマンとして攻撃を牽引(けんいん)した。
◆阪神・門別啓人投手(20)が先発し、4回無失点と好投。5者連続三振を奪う力強さと、無死満塁から点を与えない粘り強さを見せつけ、今春実戦の連続無失点を15イニングに伸ばした。開幕2戦目となる29日の広島戦(マツダ)での先発が決定的。期待の高卒3年目左腕が初の開幕ローテに向け、このままゼロを並べていく。この日もスコアボードにゼロを並べていった。球春が到来して、一度もホームを踏ませていない。今季初めて甲子園のマウンドに上がった門別が4回無失点5奪三振。初の開幕ローテ入りを手繰り寄せる好投を披露した。「三振を取れたというのは自分としても収穫。真っすぐで押していくというのは変わらず、カウントを有利に進めていくことを頭の中に置きながら投げていました」昨年日本一の強力DeNA打線にも臆せず、持ち味を出し切った。一回、初球を二遊間に痛打されるも、遊撃・小幡のファインプレーで勢いに乗った。圧巻は二回1死からだ。加藤、東妻から直球で三振を奪うと、三回の石上、森敬にも真っすぐ勝負。最後はこの日最も手応えを感じたというスライダーで梶原も仕留め、5者連続三振。全て空振りで奪ってみせた。「しっかり追い込んだ後の変化球の区別をつけるというところを意識して、その結果が三振になってよかったです」一転、四回は先頭を四球で歩かせると、安打と四球で無死満塁の大ピンチを迎えた。「準備不足。先頭の入りが甘かった」と反省したが、「絶対、点をあげたくなかった。気持ちが入った」とスイッチオン。山本を三邪飛、加藤を併殺打に仕留めて粘り強さを発揮し、今春の実戦での連続無失点を5試合15イニングに伸ばした。

<オープン戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
日本ハム |
3 | 1 | 1 | 0.750 (-) | - (-) |
15 (+6) | 12 (+6) | 3 (+1) | 4 (-) |
0.241 (↑0.009) | 2.050 (↓0.51) |
2 (-) |
中日 |
4 | 2 | 1 | 0.667 (-) | 0 (-) |
30 (+6) | 27 (+6) | 3 (-) | 9 (-) |
0.243 (↑0.002) | 3.860 (↓0.36) |
2 (2↑) |
ソフトバンク |
4 | 2 | 0 | 0.667 (↑0.067) | 0 (↓0.5) |
23 (+6) | 20 (+4) | 3 (+1) | 7 (+1) |
0.245 (↑0.004) | 2.890 (↓0.23) |
4 (2↑) |
ヤクルト |
4 | 3 | 0 | 0.571 (↑0.071) | 0.5 (↓0.5) |
18 (+1) | 20 (-) | 4 (-) | 8 (+2) |
0.213 (↓0.009) | 2.360 (↑0.41) |
4 (2↑) |
巨人 |
4 | 3 | 0 | 0.571 (↑0.071) | 0.5 (↓0.5) |
25 (+4) | 24 (+1) | 5 (+2) | 0 (-) |
0.241 (↑0.007) | 2.860 (↑0.47) |
6 (2↓) |
ロッテ |
3 | 3 | 0 | 0.500 (↓0.1) | 1 (↓0.5) |
19 (+4) | 16 (+6) | 4 (-) | 5 (+2) |
0.199 (↑0.021) | 1.870 (↓0.64) |
6 (4↓) |
阪神 |
2 | 2 | 1 | 0.500 (↓0.167) | 1 (↓0.5) |
30 (+4) | 25 (+5) | 6 (-) | 4 (+3) |
0.357 (↓0.025) | 4.200 (↑0.55) |
8 (2↑) |
DeNA |
3 | 4 | 1 | 0.429 (↑0.096) | 1.5 (↑0.5) |
23 (+5) | 26 (+4) | 0 (-) | 7 (+1) |
0.223 (↑0.009) | 3.000 (-) |
9 (3↓) |
楽天 |
2 | 3 | 2 | 0.400 (↓0.1) | 1.5 (↓0.5) |
28 (+2) | 19 (+3) | 3 (-) | 8 (-) |
0.238 (↓0.005) | 2.610 (↑0.11) |
9 (3↓) |
広島 |
2 | 3 | 2 | 0.400 (↓0.1) | 1.5 (↓0.5) |
16 (-) | 17 (+1) | 2 (-) | 1 (-) |
0.201 (↑0.002) | 2.210 (↑0.21) |
11 (1↑) |
西武 |
1 | 2 | 0 | 0.333 (↑0.333) | 1.5 (↑0.5) |
7 (+3) | 8 (+2) | 1 (-) | 1 (+1) |
0.219 (↓0.003) | 2.520 (↑0.29) |
12 (1↓) |
ORIX |
1 | 5 | 0 | 0.167 (↓0.033) | 3 (↓0.5) |
15 (+1) | 35 (+4) | 0 (-) | 1 (-) |
0.231 (↑0.001) | 5.430 (↑0.5) |
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