◆中日は、2番手で登板した三浦が4回無失点の好投を披露。支配下昇格に向けて力強いアピールを見せた。対するロッテは、8回に山口が同点ソロ、続く9回には山本が勝ち越しグランドスラムを放つなど、若手スラッガーが躍動した。

◆中日の今季初オープン戦にキャンプ地のマスコットたちも応援に駆けつけた。1軍キャンプ地北谷町のマスコット「ちーたん」と2軍キャンプ地読谷の「よみとん」。愛らしい姿でファンたちと記念撮影を行うなどふれあい、大人気だった。

◆中日の球団マスコット「ドアラ」が、オープン戦初陣を前にグラウンドへ元気な姿を現した。中日沖縄キャンプ限定ユニホームを身にまとい、キャンプ地のマスコットたちと一緒に登場した。1軍キャンプ地北谷町のマスコットでオレンジ色の「ちーたん」と2軍キャンプ地読谷でピンク色の「よみとん」とダンスしたり、子どもたちの「ドアラ～」の歓声を受けながら中堅近くで寝そべるなどして、観客を癒やした。その後はお決まりの"営業活動"を忘れなかった。場内をぐるっと周って、沖縄キャンプ地限定デザインのドアラが描かれた「ビールください」タオルを掲げるなど、営業コアラ？っぷりも発揮していた。

◆中日の主軸を期待される左の大砲候補、新外国人ジェイソン・ボスラー外野手（31＝マリナーズ）がロッテとのオープン戦初戦で3打数2安打の好発進だ。4回に種市から中前安打。7回には変則左腕坂本の外角直球を中前へしぶとく落とした。紅白戦、練習試合を合わせた6試合は16打数8安打で打率5割。二塁打2本と長打はまだまだだが「日本の投手にも慣れてきた。状態はいい。打席を重ねていきたい」と調子も打球も上げていく。▽中日松葉（2軍読谷キャンプから合流。先発で2回無安打無失点）「久しぶりに打たれたくない、抑えたいとか、いろいろな感情が出てきた。結果を出していかないといけない自覚が出た登板でした」

◆ロッテ山本大斗外野手（22）が、元チームメートにお祝い満塁弾を放った。中日とのオープン戦に8回守備から途中出場。同点の9回2死満塁で、「1軍の舞台想定して、ここで1本自分が打とうっていう気持ちで」と気持ちを高め、打席に入った。カウント2－1から低めの直球を捉えると、逆方向への打球は風にも乗った。「今まで試合で、思うようなアピールができてなかったので、こうやってどんな形でもしっかり自分のバッティングをアピールできたのが少しほっとしてる」と、安堵（あんど）の表情を浮かべた。この日、ドジャース佐々木が結婚を発表した。山本は昨年末、選手5人で実施した「朗希頑張ってこい会」と称した送迎会に参加した仲。1学年上の右腕のサプライズ発表に「朝起きてびっくりしました。全然知らなかったです」。そんなおめでたい日に、アピール弾で花を添えて「自分がホームラン打ったから（メッセージ）送ろうかな」と笑顔で話した。外野の定位置争いはライバルが多い。「（西川）史礁も打ってるし、山口さんもホームランも2本目だし、自分アピールできてなかったんで、こういったところからアピールしていきたい」。プロ4年間で1軍出場は9試合。激しい競争を勝ち抜き、今度は自分が驚かせてみせる。【星夏穂】山本大斗（やまもと・だいと）2002年（平14）8月9日、鳥取県生まれ。中学時代は米子ボーイズ所属。開星では高校通算21本塁打。甲子園出場なし。20年育成ドラフト3位でロッテ入団。21年2軍開幕戦で初打席初本塁打。22年7月に支配下選手登録。同年9月30日オリックス戦でプロ初出場。24年は2軍で本塁打と打点の2冠。180センチ、88キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸500万円。

◆ルーキーコンビがオープン戦初安打をマークした。ドラフト1位西川史礁外野手（21＝青学大）は練習試合含め4試合連続での「3番左翼」で先発出場。9回1死から中前打を放った。「あらくならずに常にセンター返しを心がけてその結果うまく弾き返せた」と振り返った。オープン戦となりファンの応援も解禁。左翼スタンドからの応援に西川は「打席に立ったときにロッテの応援というのを、初めて感じたので、すごく奮い立つものはありました」と語った。ドラフト2位の宮崎竜成内野手（24＝ヤマハ）は7回の守備から途中出場。9回1死一塁で右前打を放った。「打席重ねるごとにいい感じになってきてるんで、ようやくスタートしたなっていう感じです」と振り返った。初の三塁の守備にもつき「最初初球飛んできた時はびっくりしましたけど、なんとなく右バッター来るよっていうのは言われてたので準備してましたし、サードも試合で初めて守ったわりには動けてると思います」と手応えを語った。

◆ロッテの開幕投手候補、小島和哉投手（28）と種市篤暉投手（26）がオープン戦に初登板した。先発小島は2回2安打1失点に「ゲームも初めてだったので、それなりにはしっかり真っすぐも投げられてたし、ゾーンでストライクを取ることができていた」。2番手の種市は2回無失点。「中継ぎをやってた時期もあったので、特に変な感じはなく投げられた。指のかかりが良くて、打者の反応も良かった」と順調な仕上がりをアピールした。

◆種市篤暉投手（26）が2番手で登板し2回1安打無失点と好投した。「ある程度ゾーンの中で強いボールを投げられたのは良かったんじゃないかなと思います」と振り返った。次回登板に向けては「もっと実戦的に変化球をもうちょっと増やしていこうかなと思ってます」とシーズンに向けて仕上げていく。元同僚の佐々木朗希投手（23）の結婚については「ニュースで知って僕から連絡しました。『おめでとう、言ってくれよ』って（笑い）」と話した。

◆中日に新加入した育成左腕、三浦瑞樹投手（25）が支配下登録＆開幕1軍を猛アピールした。ロッテ戦に3回から登板し、4回を2安打無失点。オープンスタンスから右足をクロス気味に踏み出し、上から投げ込むスタイルで、最速145キロの直球にスライダー、チェンジアップを交えて凡打の山を築いた。井上監督は絶賛した。「評価は高い。先発のコマが足らない時、中継ぎのロングとユーティリティーにできるタイプ。ここでオレはやってやるんだという気持ちがすごく伝わる」。15日練習試合DeNA戦は先発で3回2失点。周囲の高い評価とは裏腹に、三浦は「1試合1試合抑えていかないと」と慢心はない。21年育成ドラフト4位でソフトバンク入りし、昨年7月に支配下登録されたが、5試合登板でオフに戦力外通告を受けた。拾ってもらった恩返しは新天地で働き場所を見つけることだ。【石橋隆雄】

◆ロッテは八回に山口の中越えソロで1―1に追いつき、九回には山本の右越え満塁本塁打で突き放した。?ロッテ・山本が満塁本塁打。オープン戦のチーム初戦で満塁本塁打を放ったのは、2014年2月22日のソフトバンク・柳田悠岐（対西武）以来11年ぶり。ロッテでは06年2月25日の橋本将（対楽天）19年ぶり。?初戦に限らず、オープン戦での満塁本塁打は23年3月11日の楽天・伊藤裕季也（対ロッテ、チーム9試合目）以来2年ぶり。ロッテでは22年3月21日の藤原恭大（対中日、同16試合目）以来3年ぶり。

◆朗希先輩に、ド派手な祝砲だ！！　ロッテ・山本大斗外野手（21）が22日、中日とのオープン戦（北谷）の九回に勝ち越しの満塁本塁打を放った。ドジャース・佐々木朗希投手（23）の結婚のニュースに花を添えた。1－1で迎えた九回2死満塁。八回の右翼守備から途中出場していた山本は燃えた。「回ってくるなら満塁の場面。開幕1軍は絶対に取りたい。アピールしたいし、打席に立ちたかった」と少ない打席のイメージを膨らませ、最高の結果を勝ち取った。昨年末にロッテのチームメート6人で佐々木の送別会を開催。佐々木の結婚に「朝、起きてびっくりしました。全然知らなかった」と驚きを隠さなかったが、「ホームランを打ったし、メッセージを送ろうかな。祝福弾ってことで」と笑顔で先輩をお祝いした。昨季イースタン・リーグで19本塁打、66打点をマークし2冠に輝いたスラッガー候補は、熾烈な競争の真っただ中だ。八回には山口がバックスクリーンに飛び込むオープン戦チーム1号。ドラフト1位の西川（青学大）も好結果を続けており、吉井監督は「競争してみんなでうまくなってほしい」と大きくうなずいた。指揮官のうれしい悩みをさらに深めたい。（片岡将）

◆中日の新外国人ボスラーが2安打を放った。四回に好投手、種市の直球をコンパクトなスイングで中前に運ぶと、七回にもサウスポー坂本から中前打。キャンプ中の練習試合から好調を維持しており「日本の投手にも慣れてきた。これからもっと適応できればいい」と頼もしかった。昨季は米大リーグ、マリナーズ傘下の3Aで31本塁打を放った左打ちの中軸候補。外野手登録ながら、この日は一塁で好プレーを披露し「どこでも守れることを証明して、チームに貢献したい」と意気盛んだった。