1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 5 | 11 | 0 | 2 |
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 |
勝利投手:ケイ(1勝0敗0S) 敗戦投手:石川 柊太(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆DeNAは4回表、オースティンのソロで先制に成功する。そのまま迎えた7回には、宮崎のソロと桑原の適時二塁打などで一挙4点を奪い、相手を突き放した。投げては、先発・ケイが7回4安打無失点の好投。敗れたソフトバンクは、打線が無得点と振るわなかった。
◆DeNA三浦大輔監督(50)が、右尺骨骨折から復活した山本祐大捕手(26)の日本シリーズ第4戦でベンチ入りを明言した。「今日からベンチ入ります。出番があればいいですけど、試合に出てなくてもベンチで力を発揮することは、他の選手もそうですけどね。試合に出られる可能性があるからこそ、ベンチには入れます」山本は、9月18日に右尺骨観血的整復固定術の手術を受け、日本シリーズでの復帰を目指し、リハビリに努め、28日の練習から1軍に合流した。29日の日本シリーズ第3戦はベンチ入りは見送られたが、第4戦でベンチ入りした。
◆DeNA三浦大輔監督(50)が、東が投球間際の指笛が投球の妨げになることを訴えたことについて、理解を示した。「ちょっとベンチじゃ聞こえなかったんで、何かなっていうところでありましたけども。やっぱり投げてる東は、すごい気になるところで、1球1球魂を込めて投げてますからね。なんか影響があるようであればね、ルールじゃないですけど、マナーの範囲なんでね。あのあたりは真剣勝負を楽しんでもらいたいなと思います」前夜の日本シリーズ第3戦、DeNAが2点リードの6回1死一塁、ソフトバンクの攻撃で今宮への3球目の直前に、東克樹投手(28)が球審に投球前の指笛が投球の妨げになることを訴え、試合が中断。「試合進行の妨げになるような行為はご遠慮願います」とアナウンスが流れた。1度はプレーが再開されかけたが、鳴りやまず、再び、球審がアナウンスをお願いし「投手が投げる間際の口笛はご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます」と行為の詳細を説明し、プレーが再開した。試合後、東は「各社にぜひ書いてもらいたいんですけど、別にペイペイドームが指笛は禁止されてないんで全然問題ないんですけど、ただ投げる瞬間、モーションに入ってからわざと口笛を吹くような感じだったので、ただそれだけはやめてほしいと。ほんとにたったそれだけのことっていうか。たったそれだけで繊細すぎるっていう意見もあるかもわかんないですけど、ただ僕たちはこれが仕事で人生かけてやってるんで、そういった、なんて言うんですかね、悪気はなかったかもしれないですけど、僕にとってはすごく気にしてしまったというか、それだけのことって感じですかね」と報道陣を通じて、リクエストした。
◆日本シリーズ第4戦のスタメンが発表され、DeNAはアンソニー・ケイ投手(29)が日本シリーズ初登板に臨む。また、右尺骨骨折から復帰した山本祐大捕手(26)がベンチ入りした。ケイは巨人とのCSファイナルステージで2試合に先発。2試合ともゲームをつくり、いずれの試合もチームは勝利した。ソフトバンクとは初対戦となるが「1年通して私が取り組んでいたことであるストライク先行が何よりも大事になってくる」と意気込み、先発マウンドに上がる。山本は今季、正捕手として108試合に出場。打率2割9分1厘、5本塁打、37打点の成績を残した。しかし、9月15日の広島戦(マツダスタジアム)で死球を受け、右尺骨を骨折。神奈川・横須賀市内の球団施設DOCKなどでリハビリに励み、28日のみずほペイペイドームでの全体練習から1軍に合流していた。打線は前日から多少組み替えたが、前日の試合で勝ち越しソロを含む2安打の桑原将志外野手(31)は変わらず「1番中堅」で出場。今シリーズ14打数5安打で打率3割5分7厘と好調のリードオフマンが、チームを勝利に導く一打を狙う。
◆ソフトバンク笹川吉康外野手(22)が「9番左翼」でスタメンに抜てきされた。笹川は193センチ、95キロの恵まれた体格で、長打力が持ち味のプロ4年目。今季は6月11日に1軍初昇格し、同14日の阪神との交流戦(みずほペイペイドーム)でプロ初安打となる中前打をマークした。翌15日にはプロ初本塁打を放つなど、入団当初から「柳田2世」の呼び声があった。
◆元「乃木坂46」の山下美月(25)が始球式に登場した。大きく振りかぶり、捕手の甲斐をめがけて1球を投じた。ワンバウンド投球に「もうちょっといけたかなという悔しさはありますが、このような景色が見られてうれしかったです」とコメントした。山下は乃木坂46の人気メンバーとしてセンターも務めた。今年5月に卒業し、現在は俳優、モデルとして活躍を続ける。28日に山下の始球式決定が発表されると、ネット上で「え? えぐすぎる」「山下美月の始球式は激アツ」「現地で見られる人がうらやましい」など歓喜の声が上がっていた。
◆DeNAアンソニー・ケイ投手(29)が、1回を衝撃の3者連続三振でスタートした。先頭の柳田を3球で追い込み、外角低めへの135キロのスライダーで空振り三振、2番周東もカウント1-2から134キロのスライダーで空を切らせた。3番栗原はカウント1-2から、内角低めに食い込む153キロのツーシームで空振り三振に抑えた。3打者ともに3球で追い込み、4球目で空振り三振を奪った。
◆DeNA山本祐大捕手(26)がベンチに戻ってきた。死球で右尺骨骨折してから約1カ月半。打撃練習では患部の右腕を守るアームカバーをつけながら快音を響かせ「まずはベンチに入れることに感謝してます。みんなをサポートしながら出られる状況になったら全力を出したい」と鋭いまなざしで言った。もちろん100%の状態とは程遠い。尺骨神経にも近く、後遺症にもなりやすい箇所。三浦監督も「完璧かと言えば完璧じゃないと思います。けど、試合に出られる状態まで戻したというのは祐大の精神力だと思います」と称賛し、ベンチ入り1枠を託した。山本もこの大舞台での復帰を信じてリハビリしてきた。離脱後、すぐにネットで尺骨骨折した過去の選手を検索。1カ月強で復帰した吉田正尚(現レッドソックス)の記事が出てきた。「希望になりました。計算したら日本シリーズ、そこしかないなと」。愛妻のサポートもあって魚系の食べ物を増やし、カルシウム摂取のために嫌いな牛乳も飲んだ。人望の厚い背番号50が、さらにチームを1つにする。
◆ソフトバンク打線がDeNA先発のケイに翻弄(ほんろう)されている。初回先頭から4者連続三振を食らうなど、3回を完全に抑え込まれた。切れ味鋭い変化球に苦戦し、打者9人で6奪三振と封じられている。ソフトバンクは2勝1敗で4戦目を迎えており、勝てば日本一に王手がかかる。ただ、4回に先発の石川柊太投手(32)がオースティンにソロ本塁打を浴びて先制を許した。
◆DeNAタイラー・オースティン内野手(33)が、先制ソロ本塁打を放った。両チーム無得点で迎えた4回1死。カウント1-2から、ソフトバンク石川柊太投手(32)が投じた外角の146キロ直球を振り抜くと、打球は右翼のホームランテラスに飛び込んだ。「打ったのはストレートです。いつもそうですが常に強い打球を打つことを心がけています。特にこの打席は追い込まれていたので芯に当てるイメージを強く持っていました。先制点を取れてよかったです」と振り返った。オースティンは、日本シリーズ第1戦の6回の第3打席で自打球を左足に受け、左足甲を打撲した。第2戦はベンチ外も前日29日の第3戦でスタメン復帰し、3打数1安打の活躍。ハマの4番が2試合続けて存在感を発揮した。
◆DeNAの牧秀悟内野手(26)が、二塁守備で好プレーを見せた。1点リードの4回1死一塁。ソフトバンク栗原がはじき返した痛烈なライナーに反応。打球に合わせてダイビングキャッチを決めた。抜ければピンチが広がる場面を防ぎ、先発のアンソニー・ケイ投手(29)を援護した。巨人とのCSファイナルステージでも好守を連発した男が、日本シリーズでもその力を存分に発揮している。
◆ソフトバンク先発の石川柊太投手(32)が6回途中1失点で降板した。シリーズは通算7度目の登板で、過去4勝負けなしの右腕。2回は2死一、三塁のピンチを背負うもDeNA8番戸柱を遊飛に打ち取り無失点で切り抜けた。0-0で迎えた4回1死から4番オースティンに右越えソロ本塁打を浴び、先制を許した。5回は3人で抑え、初回、3回と合わせ計3度の3者凡退。6回2死一塁で迎えたオースティンの打席でマウンドを降りた。5回2/3 4安打、無四死球、4奪三振で1失点だった。石川は「最低限の仕事、自分の投球はできたと思います。チームが逆転することを信じて応援します」とコメントした。
◆「ギータ2世」ことソフトバンク笹川吉康外野手(22)が日本シリーズ初出場ではつらつプレーを見せた。「9番左翼」でプロ4年目で日本シリーズ初出場初先発。0-1の6回先頭でDeNA先発ケイから左前に運び、日本シリーズ初安打で出塁。1死から二盗も成功させて好機を拡大させた。その後三塁まで進んだが、得点とはならず。それでも初安打と初盗塁を一気にマークして観客を沸かせた。笹川は横浜商から20年ドラフト2位でソフトバンク入団。背番号44は柳田が背負っていた番号で、「ギータ2世」の異名を持つ。今年6月12日ヤクルト戦(みずほペイペイ)で1軍デビューし、6月15日阪神戦(みずほペイペイ)では初本塁打初打点もマークした。
◆DeNA宮崎敏郎内野手(35)が日本シリーズ通算3号となるアーチをかけた。1ー0の7回先頭。ソフトバンク尾形の153キロの直球を完璧に捉え、DeNAファンが集う左翼席に運んだ。「先頭だったのでまずは出塁することを考えて打席立ちましたが、最高の結果になって良かったです」。試合前時点で今シリーズ10打数1安打だったが、一挙4点を奪う猛攻の口火を切る1発で、復調の兆しを見せた。
◆DeNAが敵地で2連勝を飾り「横浜帰還」を決めた。4回1死、タイラー・オースティン内野手(33)が右翼席に先制ソロを放つなど、3安打2打点の大活躍。左足甲の打撲で第2戦を欠場し、痛みを抱えながらも強行出場を続ける4番が勝利に導いた。三浦大輔監督(50)がソフトバンクに2連敗後に目標に掲げた横浜スタジアムへの帰還を確定させ、26年ぶりの日本一へ突き進む。足が痛ければ、歩いて帰れば良い。オースティンが乾いた打球音を響かせた。4回1死、好投していたソフトバンク石川の146キロ直球を捉えた。逆方向にはじき返す先制ソロ。「いつもそうですが、常に強い打球を打つことを心がけています。特にこの打席は追い込まれていたので、芯に当てるイメージを強く持っていました。先制点を取れてよかったです」と痛めた左足をかばいながら、ゆっくりとダイヤモンドを1周した。"強行出場"でも打席に立てば関係なかった。第1戦、自打球で左足甲の打撲を負った。第2戦を欠場。「自分以上にあの場に出たいと思っている男はいないと思います」と思いは募った。第3戦は当日判断でDHでスタメン入り。「正直、期待したペースでは腫れは引いていないです」と嘆きつつも、強い覚悟でグラウンドに立ち続ける。三浦監督も絶対的4番への信頼感は変わらない。第2戦を欠場となっても「熱い気持ちを持っているのはものすごく感じています」と出場意欲に燃えるオースティンの気持ちを歓迎。第3戦の試合前、フリー打撃後にベンチ裏で出場可能と判断して、すぐにグラウンド中のコーチや選手に伝えて回った。7回には宮崎のソロ、桑原の2点適時打に続き、2死満塁から手負いの4番が左前適時打。この回一挙4得点で試合を決定付けた。2連敗から重たいムードで幕を開けた7年ぶりの日本シリーズも、2勝2敗のタイに戻した。三浦監督が2連敗後に目標に掲げた「横浜帰還」を確定させた。26年ぶりの日本一まであと2つ。下克上物語は横浜の地で完結させる。【小早川宗一郎】
◆DeNA桑原将志外野手(31)が、貴重な追加点をもたらした。2点リードの7回1死満塁。ソフトバンク岩井俊介投手(23)に対して粘った末の8球目だった。低めのスライダーをうまくさばき、左翼フェンス直撃の2点適時二塁打をマークした。前夜の第3戦では1回先頭で二塁打を放って今シリーズ初の先制点を演出。さらに5回にはソフトバンク大津から決勝ソロを放つなど、ここぞの場面を逃さない。一夜明けてもその勝負強さは健在だった。チームは7回に打線が爆発。宮崎のソロで口火を切ると、桑原の2点適時打、さらに先制ソロを放ったオースティンにもタイムリーが飛び出し、打者9人の猛攻で一挙4点を奪取した。
◆DeNAアンソニー・ケイ投手(29)が日本シリーズ初登板で、7回7奪三振無失点の快投を披露した。初回を3者連続三振と抜群の立ち上がりを見せると、3回まで1人の走者も出さない完全投球。序盤はソフトバンク打線を寄せつけなかった。ピンチの場面では一段とギアを上げた。5回2死三塁、甲斐への8球目に、この日最速となる155キロを計測。粘る甲斐を次の9球目スライダーで三ゴロに仕留めると、グラブをたたき喜びを表現した。ケイは巨人とのCSファイナルステージで2試合に先発。計9回1/3を投げ2失点(自責1)で防御率0・96と安定感が光っていた。ポストシーズンに強い助っ人左腕が、日本シリーズの大舞台でも勝負強さを発揮した。
◆ソフトバンクが2連敗を喫し、今シリーズ2勝2敗と並ばれた。引き分けが2試合以上で決着が第9戦以降にもつれ込んだ場合を除き、本拠地での胴上げは事実上消滅した。3回まで両チーム無得点。DeNA先発ケイの前に出塁することができず、3回までの攻撃を9人で終えた。一方、ソフトバンク先発の石川柊太投手(32)は2回に2死一、三塁のピンチを招くも無失点に切り抜けた。ただ、石川は0-0の4回、タイラー・オースティン内野手(33)に右越えソロ本塁打を浴び、1点を先制された。石川は5回以降は無失点で6回途中1失点で降板。試合前時点でシリーズ通算4勝負けなしだった右腕は、粘投を見せながら初黒星となった。打線は4回に先頭柳田悠岐外野手(36)が右前へチーム初安打を放つも得点を奪えず5回1死二塁、6回2死二、三塁のチャンスでも無得点に終わった。好機をモノにできず0-1のまま迎えた7回、尾形崇斗投手(25)が宮崎敏郎内野手(35)に左越えソロを浴びた。さらに1死満塁から登板した岩井俊介投手(23)も踏ん張れず、この回4失点で大勢を決められた。初戦から敵地2連勝で乗り込んだが、本拠地で痛恨2連敗を喫した。
◆DeNAが完全によみがえった。連敗スタートから一転し、投打ががっちりとかみ合い敵地で2連勝。今シリーズの対戦成績を2勝2敗の五分に戻し、本拠地横浜に戻ることが決まった。主砲が復活のアーチを描いた。左足甲の打撲で第2戦を欠場していたタイラー・オースティン内野手(33)が2試合連続「4番DH」で出場。0-0の4回1死、ソフトバンク石川の外角寄り146キロ直球を強振し、右翼ホームランテラス席へ飛び込む先制ソロを決めた。頼れるベテランも大きな1発を放った。1-0の7回無死、宮崎敏郎内野手(35)が尾形の真ん中153キロ直球を捉え、日本シリーズ通算3号となるソロをDeNAファンの待つ左翼席に運んだ。なおも1死満塁から桑原将志外野手(31)が左越え2点適時二塁打、さらにオースティンも左前適時打を放ち、この回一挙4得点を挙げた。投げてはアンソニー・ケイ投手(29)が安定感抜群の投球を披露した。21日の巨人とのCSファイナル第6戦以来、中8日で登板。1回に3者連続三振と完璧な滑り出しを見せ、6回2死二、三塁のピンチでは4番山川を中飛に仕留めた。7回4安打無失点7奪三振とゲームメークし、後を受けたリリーフ陣もリードを守り抜いた。この日の勝利で本拠地・横浜帰還も確定した。31日の第5戦も勝利すれば、26年ぶりの日本一へ一気に王手をかける。
◆DeNAが完全によみがえった。連敗スタートから一転し、投打ががっちりとかみ合い敵地で2連勝。今シリーズの対戦成績を2勝2敗の五分に戻し、本拠地横浜に戻ることが決まった。DeNAが2勝2敗のタイに戻した。引き分けを含め2勝2敗のシリーズは30度目。過去29度のうち追い付いたチームの優勝は14度でV確率48%だが、今回のように●●○○のチームは過去14度のうち7度優勝しており、V確率50%で五分となった。これで今シリーズは第4戦まですべてビジターチームが先制して勝利。第4戦までビジターチームの4連勝は、11年ソフトバンク-中日戦以来6度目。先制チームの4連勝は17年ソフトバンク-DeNA戦以来で、ビジターチームがすべて先制で4連勝は今年が初めてだ。
◆「SMBC日本シリーズ」第4戦で、DeNAタイラー・オースティン外野手(33)がシリーズ第1号を放った。4回1死、ソフトバンク先発の石川から右越えに先制ソロ。左足甲の打撲で第2戦を欠場したが、第3戦から「4番DH」で復帰し、負ければ王手をかけられる一戦で、貴重な1発を放って主導権を引き寄せた。7回2死満塁でも左前適時打と主砲の役目を果たした。チームは5-0で2連勝を飾り、対戦成績を2勝2敗のタイとした。4番のオースティンが決勝点となる先制弾を含む3安打で、1番の桑原も3安打。シリーズでDeNA選手の猛打賞は17年第6戦ロペス以来。1番では98年第5戦石井琢に次ぎ2人目だが、4番では球団初になる。この試合は勝利投手がケイ。シリーズで勝利投手とV打がともに外国人は、15年第5戦のソフトバンク(勝利=スタンリッジ、V打=李大浩)以来12度目。
◆ソフトバンク石川柊太投手(32)が日本シリーズ初黒星を喫した。0-0で迎えた4回1死、オースティンに先制の右越えソロを浴びた。それでも最少失点にとどめ、5回2/3を4安打無四死球4奪三振1失点。「最低限の仕事、自分の投球はできた」と振り返った。ただ、チームは完封負け。日本シリーズで過去4勝負けなしだった右腕が通算8度目の登板で初の負け投手となった。
◆ソフトバンク今宮健太内野手(33)が4試合連続安打をマークした。5回1死、左翼への二塁打で出塁。ケイの内角高め151キロ直球を引っ張った。今シリーズは通算打率3割1分3厘、2打点と好調だ。打順は敵地横浜での2試合は「3番」だったが、本拠地では2試合とも「6番」に座る。「打順は関係ないですね。やることは一緒。しっかり1打席で結果を残すだけ」と話していた通り、自然体でHランプをともし続ける。
◆DeNA桑原将志外野手(31)が猛打賞&2打点の大暴れだ。2点リードの7回1死満塁、8球目のスライダーを左越えに運んだ。リードを広げる2点適時二塁打に「内野も前進守備だったのもありますし、簡単に追い込まれましたけど、詰まってでも内野の頭を越したいなと。結果的にいい形になった」。6、9回にもHランプをともして3安打2打点。決勝弾を含む2安打の前日に続き、打線をけん引した。4番のオースティンが決勝点となる先制弾を含む3安打で、1番の桑原も3安打。シリーズでDeNA選手の猛打賞は17年第6戦ロペス以来。1番では98年第5戦石井琢に次ぎ2人目だが、4番では球団初になる。この試合は勝利投手がケイ。シリーズで勝利投手とV打がともに外国人は、15年第5戦のソフトバンク(勝利=スタンリッジ、V打=李大浩)以来12度目。
◆DeNAが完全によみがえった。連敗スタートから一転し、投打ががっちりとかみ合い敵地で2連勝。今シリーズの対戦成績を2勝2敗の五分に戻し、本拠地横浜に戻ることが決まった。投げてはアンソニー・ケイ投手(29)が安定感抜群の投球を披露。7回4安打無失点7奪三振とゲームメークし、後を受けたリリーフ陣もリードを守り抜いた。ケイが7回無失点で初勝利。DeNAの外国人投手がシリーズで勝つのは球団初になる。初回の1番柳田から2回の4番山川まで4者続けて空振り三振。シリーズで初回先頭からの連続三振は11年<6>戦吉見(中日)まで過去6人の3者連続が最長で、4者連続はケイが初めてだ。また、初回を3者すべて空振り三振に仕留めたのは、54年<1>戦杉下(中日)67年<5>戦堀内(巨人)84年<3>戦佐藤義(阪急)に次ぎ40年ぶり4人目。
◆DeNA三浦大輔監督(50)が、投打がかみ合い2連勝を収めた選手たちの活躍を称賛した。7回4安打無失点と好投した先発アンソニー・ケイ投手(29)について「抜群に良かった。真っすぐも変化球も最高の投球をしてくれた」とした大一番で今年一番のピッチングを見せたと絶賛した。打線についても「みんなが後ろにつなぐ意識で四球もとりながらよくつないでくれた」と粘り強い攻撃を評価。本拠地・横浜で2連敗から始まったシリーズだったが、敵地に乗り込み2連勝。星を五分に戻し、チーム全体の士気にも「その日の試合を全員で出し切ろうという意識でやっている」と一体感が増している。この日の勝利で、本拠地への帰還が確定。「必ず戻るという気持ちでやっていた。戻る前に明日もう1日ある。1日を全力で出し切れるように準備したい」。ファンへの感謝も忘れず「明日もよろしくお願いします」と締めくくった。
◆DeNAアンソニー・ケイ投手(29)が、外国人投手では球団初となる日本シリーズ勝利をつかんだ。1勝2敗で迎えた第4戦に先発し、強力ソフトバンク打線を相手に、7回102球を投げ、4安打無失点の好投で勝利に導いた。チームは2勝2敗の五分に戻し、本拠地・横浜に戻ることも決定。助っ人左腕が、大きな白星を挙げた。衝撃の"奪三振ショー"で主導権を握った。ケイは1回、先頭の柳田を3球で追い込み、外角低めへのスライダーで空振り三振。周東も外角低めのスライダー、栗原は153キロのツーシームで空を切らせ、3者連続三振でスタートした。2回の先頭の山川も空を切らせ、4者連続三振。序盤3回をパーフェクト&6奪三振と完璧な投球でねじ伏せた。最速155キロの速球を軸に、パワーピッチングで制圧。7三振は全て空振りで奪った。「どんな選手でも弱点は必ずあるので、そこを突くのがすごく大事になってくる」と登板前に描いたプランをマウンドで体現した。敗れれば日本一に王手をかけられる一戦で7回無失点に抑え、救援陣につないだ。試合後、敵地でインタビューに応えた三浦監督は、開口一番で助っ人左腕に言及。「先発のケイが抜群のピッチングをしてくれた。真っすぐの切れも変化球のコントロールも非常に良かった」と最大の勝因に挙げた。155キロ超えの左腕は、NPBではまれだが、持ち前のセンスと不断の努力が重なり合って、たどりついた。「神様からもらった体は大きな要因だし、次に肩、肘の強さ、遠投だとか、投げることに関するトレーニングが重要。3つ目にウエート場でどれだけトレーニングを積めるかが大事」と本格派左腕の誕生の理由を語った。ポストシーズンでは、巨人とのCSファイナル初戦を任され、6回無失点の快投でチームに勢いを呼び込んだ。さらに日本シリーズ第4戦では勝敗を2勝2敗のタイに戻した。「大事な試合で自分のピッチングをすることができ、いい結果になって良かったです。相手は左打者を多く並べる作戦でしたが、気迫では負けない姿を見せられた」と胸を張った。アンソニー・ケイ 1995年3月21日、米国ニューヨーク州ストーニーブルック生まれ。コネティカット大から16年ドラフト1巡目(全体31位)でメッツ入団。19年にブルージェイズでメジャーデビュー。メジャー通算44試合、4勝2敗、防御率5・59。今季DeNAに入団し、4月20日ヤクルト戦で来日初勝利。今季推定年俸1億1600万円。183センチ、102キロ。左投げ左打ち。ケイが7回無失点で初勝利。DeNAの外国人投手がシリーズで勝つのは球団初になる。初回の1番柳田から2回の4番山川まで4者続けて空振り三振。シリーズで初回先頭からの連続三振は11年第6戦吉見(中日)まで過去6人の3者連続が最長で、4者連続はケイが初めてだ。また、初回を3者すべて空振り三振に仕留めたのは、54年第1戦杉下(中日)67年第5戦堀内(巨人)84年第3戦佐藤義(阪急)に次ぎ40年ぶり4人目。
◆ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2024」の第4戦で2連敗を喫し、本拠地福岡での胴上げが事実上消滅した。0-1の7回、イニングをまたいだ2番手の尾形崇斗投手(25)が宮崎にソロを献上。さらにピンチで3番手のルーキー岩井俊介投手(23)もDeNA打線を止められなかった。第4戦を終えて2勝2敗。31日の第5戦で勝利し、王手をかけて敵地横浜に乗り込みたい。小久保監督の一問一答は以下の通り。-先発左腕のケイに左打者6人がスタメンだった小久保監督 右(打者)の方が対応が難しいという判断で。-高卒4年目の笹川が日本シリーズ初出場で初安打。敗戦の中で収穫だった小久保監督 おっしゃる通りです。今日のいいところはそこですね。こんな大きな舞台で動じることなく。しかも走りましたしね(盗塁)。楽しみです。-先発石川は6回途中1失点の粘り小久保監督 久しぶりの登板でね。CSも控えてたけど登板なく。独自の調整の中であれだけ投げてくれたら立派なものでしたね。-ここ2試合は安打は出ているが本塁打がない小久保監督 いや、まあまあ。そんなに簡単にホームランは出ないですよ。
◆DeNAアンドレ・ジャクソン投手(28)が日本シリーズ第5戦に先発する。第1戦から中4日での登板となるが「しっかりリカバリーはできているので、明日は万全な体調で迎えられるんじゃないかなと思います」と万全ぶりをアピールした。ソフトバンク打線については「1番から9番まで強力な打線なので、1人1人ケアしていきたい」と警戒しつつも「すごく楽しみにしています」と対戦を心待ちにした。前回の第1戦は4回2/3を投げ、9奪三振2失点。「前回の登板ではロングイニングを投げられなかったので、今回はもうちょっと効率的なピッチングを心がけてやっていきたい」と、先発としての役目を果たすことを誓った。
◆ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2024」の第4戦で2連敗を喫し、本拠地福岡での胴上げが事実上消滅した。0-1の7回、イニングをまたいだ2番手の尾形崇斗投手(25)が宮崎にソロを献上。さらにピンチで3番手のルーキー岩井俊介投手(23)もDeNA打線を止められなかった。第4戦を終えて2勝2敗。31日の第5戦で勝利し、王手をかけて敵地横浜に乗り込みたい。意地を見せたかった最終回。スコアは0-5。本拠地のタカ党は最後の力を振り絞り声援を送った。結果はむなしく3者凡退。左翼席に陣取るDeNAファンが歓喜に沸いた。4年前までは本拠地日本シリーズで破竹の16連勝。大舞台の福岡で強かったソフトバンクが、みずほペイペイドームでまさかの連敗を喫した。この日の敗戦により、地元福岡での胴上げが事実上、消滅した。第4戦を終えて2勝2敗。引き分け数の関係で決着が9戦目以降にもつれない限り、本拠地での日本一決定はなくなった。31日の第5戦が今季のみずほペイペイドーム最後の試合になる。試合後の小久保裕紀監督(53)は「そうね。ちょうど五分」と冷静。シリーズの決着が横浜になることには「もちろん。横浜で決まります」と前を向いた。ファンのため息が漏れたのは0-1の7回だった。イニングまたぎした2番手の尾形が宮崎にソロを献上。6回2死一塁でオースティンを3球三振に仕留めたまでは良かったが、続投が裏目に出てしまった。小久保監督は「オースティンからもう1人(打者が)いったら代えとこうと思ったんですけど。1人で終わったら(いかせる)」と尾形続投の理由を明かした。ヘルナンデス、オスナの助っ人リリーフを除いて最も信頼していたのが尾形だった。指揮官が自信を持って送り出しただけに、右腕を責めることはしない。尾形は22球を費やし、6回1死満塁のピンチを作って降板。3番手のルーキー岩井がマウンドに上がるも桑原に左越え2点打、オースティンに左前適時打を浴びた。1イニング5被安打4失点。5点ビハインドでDeNAに流れを渡した。打線もわずか5安打で完封負け。先発ケイには初回先頭から4連続空振り三振を喫した。最速150キロを超えるストレートに手を焼いた。指揮官は「めちゃめちゃ良かったね。3回までめちゃくちゃ飛ばしてましたけど。あれはなかなか打てん」と前日29日のエース東に続いて脱帽した。頼みの4番山川は本拠地2試合で8打数無安打と快音なし。31日の第5戦は勝利したチームが王手。敵地に乗り込む前に、流れを引き戻したい。【只松憲】▽ソフトバンク王会長(DeNAに連敗。2勝2敗の五分となり)「今日も相手の投手がよかったからね。これで5割だから。ここからの勝負だからね。相手もそう思っているだろうし、4つ勝たないと勝てないわけだから。頑張りましょう」
◆ソフトバンク笹川吉康外野手(22)が「9番左翼」で日本シリーズ初出場を果たし、初安打&初盗塁&好返球で存在感を示した。1点を追う6回先頭の第2打席。DeNAケイから左前打を放った。2ボールから真ん中149キロツーシームを流し打ち。その後、1死から二盗もマークした。「失敗しても『当然』と思われるんだろうなっていう気持ちで。出ることでプラスしかないと思っていた」。自身初の大舞台で打って走って躍動した。左翼守備でも7回、左前適時打で二塁走者の本塁生還を防ぐ返球を決めた。身長193センチ、体重95キロの恵まれた体格だ。小学6年時からすでに168センチもあったという。フルスイングが持ち味で、フリー打撃では豪快な柵越えを連発する。チームメートから「化け物」「規格外」と声が上がり、「ギータ2世」とも称されるロマン砲だ。今季は6月に1軍初昇格。同15日の阪神戦(みずほペイペイドーム)で初本塁打をマークするなど、順調にキャリアを積んできた。次戦に向けて「チームが日本一を目指しているので。自分も日本一に貢献できるように」と決意をにじませた背番号44。セパ頂上決戦で暴れ抜く。【佐藤究】
◆DeNAのJ・B・ウェンデルケン投手(31)が日本シリーズ初登板で、1回を2奪三振無失点に抑えた。5点リードの9回から登板。山川、近藤を連続空振り三振に仕留めると、最後は今宮を遊ゴロに打ち取った。3者凡退で試合を締め「日本シリーズは、お客さんが素晴らしい雰囲気をつくってくれるなと思いますし、投球に関してはすごくいい感じで投げることができました」と振り返った。リリーフ陣は2試合続けて無失点リレー。2連勝したチームの原動力の1つとなっている。「ブルペンっていうのはやっぱり本当特別な存在っていうか。自分たちの仕事を常に変わらずやるっていう考えでいつもいますし、それがこの2試合できているっていうことだと思います」と誇らしげに語った。
◆DeNAの牧秀悟内野手(26)が、好守で勝利に貢献した。1点リードの4回1死一塁、二塁の守備で見せた。ソフトバンク栗原がはじき返した痛烈なライナーに反応。打球に合わせてダイビングキャッチを決めた。抜ければピンチが広がる場面を防ぎ、先発のアンソニー・ケイ投手(29)を援護した。「必死にアウトを取ることだけを考えて、ダイビングキャッチという形になりました。(アウトを)取れて良かったです」と振り返った。巨人とのCSファイナルステージでも好守を連発した男は、日本シリーズでもその力を存分に発揮している。安定感のある守備で2連勝に貢献。2勝2敗と五分に戻し、本拠地・横浜への帰還も確定させた。帰還前の敵地での一戦に向けて「明日の試合がすごく大事になると思う。明日勝つか、負けるかで流れが変わると思うので、明日に向けて準備したい」と引き締めた。
◆DeNA戸柱恭孝捕手(34)が、好リードで完封リレーを演出した。先発アンソニー・ケイ投手(29)を巧みにリードし、7回4安打無失点の好投に導いた。「(ケイは)ストレートとツーシームがものすごい良かった。いい球をどんどん使おうと。打者優先よりは投手主体でいこう」と、ケイの良さを最大限に引き出した。2番手の坂本裕哉投手(27)、3番手のJ・B・ウェンデルケン投手(31)も無失点に抑え、ソフトバンク打線を無得点に封じた。「いい流れで来ているので、明日の入りが大事。また頑張りたいなと思います」と引き締めた。
◆DeNAアンソニー・ケイ投手(29)が、外国人投手では球団初となる日本シリーズ勝利をつかんだ。1勝2敗で迎えた第4戦に先発し、強力ソフトバンク打線を相手に、7回102球を投げ、4安打無失点の好投で勝利に導いた。チームは2勝2敗の五分に戻し、本拠地・横浜に戻ることも決定。助っ人左腕が、大きな白星を挙げた。衝撃の"奪三振ショー"で主導権を握った。ケイは1回、先頭のソフトバンク柳田を2球で追い込むと、4球目の外角低めスライダーで空振り三振。周東も外角低めのスライダー、栗原は153キロのツーシームで空を切らせ、3者連続三振でスタートした。2回先頭の山川もバットが空を切り4者連続三振。序盤3回をパーフェクト&6奪三振と完璧な投球でねじ伏せた。「いつもは序盤の立ち上がりが課題だったんですけど、波に乗れるように序盤から頑張った」強力ソフトバンク打線を相手に、最速155キロの速球を軸にした、パワーピッチングで制圧した。7三振は全て空振り三振で奪った。「トバさんのおかげで、自分らしいピッチングをすることができていますし、感謝しています」。戸柱との通算3度目のバッテリーは息ピッタリで、スライダー、カットボール、チェンジアップを交えながら、的を絞らせなかった。155キロ超えの左腕は、NPBではまれだが、生まれ持った能力の高さと不断の努力が重なり合って、たどりついた。「神様からもらった体は大きな要因だと思いますし、次に肩、肘の強さ、遠投だとか、投げることに関するトレーニングが重要。3つ目にウエート場でどれだけトレーニングを積めるかが大事」と本格派左腕の誕生の理由に3つの条件を挙げた。ポストシーズンに入り、先発陣のキーマンと化した。巨人とのCSファイナルでは初戦を任され、6回無失点で白星。この日は、負ければ日本一に王手をかけられる一戦で7回無失点と好投し、球団の外国人投手ではシリーズ初勝利を飾った。「またハマスタに戻って、プレーできることを楽しみにしてます」。ニューヨーク州出身の左腕が、日本シリーズの流れも変えた。【久保賢吾】アンソニー・ケイ 1995年3月21日、米国ニューヨーク州ストーニーブルック生まれ。コネティカット大から16年ドラフト1巡目(全体31位)でメッツ入団。19年にブルージェイズでメジャーデビュー。メジャー通算44試合、4勝2敗、防御率5・59。今季DeNAに入団し、4月20日ヤクルト戦で来日初勝利。今季推定年俸1億1600万円。183センチ、102キロ。左投げ左打ち。ケイが7回無失点で初勝利。DeNAの外国人投手がシリーズで勝つのは球団初になる。初回の1番柳田から2回の4番山川まで4者続けて空振り三振。シリーズで初回先頭からの連続三振は11年第6戦吉見(中日)まで過去6人の3者連続が最長で、4者連続はケイが初めてだ。また、初回を3者すべて空振り三振に仕留めたのは、54年第1戦杉下(中日)67年第5戦堀内(巨人)84年第3戦佐藤義(阪急)に次ぎ40年ぶり4人目。
◆「SMBC日本シリーズ」第4戦で、DeNAタイラー・オースティン外野手(33)がシリーズ第1号を放った。4回1死、ソフトバンク先発の石川から右越えに先制ソロ。左足甲の打撲で第2戦を欠場したが、第3戦から「4番DH」で復帰し、負ければ王手をかけられる一戦で、貴重な1発を放って主導権を引き寄せた。7回2死満塁でも左前適時打と主砲の役目を果たした。チームは5-0で2連勝を飾り、対戦成績を2勝2敗のタイとした。オースティンはチーム思いと同時に家族思いな男だ。練習用バットにはシーズン開幕からピンクのグリップテープを巻いてきた。明確な意味がある。実母と義母がともに乳がんと闘病中で「母と義理の母を励ますためにピンクにしてます。勇気づけられたらと思ってます」と乳がんの啓発運動として知られるピンクリボン運動にちなんだものだった。現在はピンク色グリップテープが置いてある2軍施設DOCKを訪れる暇がなく、白や緑のグリップを巻くが、2人への思いは変わらない。アメリカにいる母とは毎日電話で近況を聞き、義母も日本シリーズ第2戦までは妻とともに日本で観戦した。「家族と話すと励まされます」と愛情という名のエネルギーをもらって、大舞台での活躍につなげた。【DeNA担当 小早川宗一郎】
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】日本シリーズ第4戦ソフトバンク対DeNAで始球式を務めた元・乃木坂46の山下美月。2チームとも敵地の連勝で勝敗も2勝2敗の大接戦。大舞台でいつもよりカメラマンも多く、ぐるぐるマルチアングルでどうぞ。
◆DeNAが敵地で2連勝を飾り「横浜帰還」を決めた。4回1死、タイラー・オースティン内野手(33)が右翼席に先制ソロを放つなど、3安打2打点の大活躍。左足甲の打撲で第2戦を欠場し、痛みを抱えながらも強行出場を続ける4番が勝利に導いた。三浦大輔監督(50)がソフトバンクに2連敗後に目標に掲げた横浜スタジアムへの帰還を確定させ、26年ぶりの日本一へ突き進む。日本シリーズ・ニッカンMVP査定DeNAは7回無失点のケイ、Vアーチを含む3安打のオースティンが引っ張った。突き放す2点打の桑原は、DeNAの中でMVP最有力候補になっている。
◆4年ぶり日本一へ王手をかけたいソフトバンクは笹川吉康外野手(22)が「9番・左翼」で日本シリーズ初出場する。193センチ、95キロの体格から繰り出すフルスイングで長打を放つロマン砲。今季は6月にプロ初出場し、7試合に出場して6安打。「ギータ2世」と呼ばれるほど将来を嘱望される男が晴れてスタメンで日本シリーズ初出場となった。
◆DeNAの来日1年目左腕、アンソニー・ケイ投手(29)が先発で日本シリーズ初登板。一回にいきなり3者連続三振を奪う圧巻の立ち上がりを見せた。左打者が並んだソフトバンクの上位打線。1番の柳田を2球で追い込むと、最後は外角低めに鋭く曲がるスライダーを2球続けて空振り三振斬り。続く周東は150キロ超の速球で追い込み、再びスライダーで空振り三振に仕留めた。栗原には全て150キロ超の速球で空振り三振。大舞台で力を発揮した。
◆DeNA・タイラー・オースティン内野手(33)が先制本塁打を放った。0-0の四回1死。カウント1-2からソフトバンク石川が投じた146キロの直球を逆方向へ。打球は右翼テラス席に飛び込み、右越えソロとなった。自打球による左足甲の打撲で、日本シリーズ第2戦を欠場。29日の第3戦で先発復帰し、二塁打を放った。患部について「状態は正直よくない」と話していたが、この日は二回の第1打席に中前打も放っていた。
◆主将がまたも守備でチームを救った。DeNA・牧秀悟内野手(26)が「2番・二塁」で出場。五回に鮮やかなビッグキャッチで、ピンチの芽をつんだ。1―0の五回1死一塁。3番栗原が放った、中前へ抜けようかという痛烈なライナーを横っ飛びで好捕した。投手のケイも、マウンドでグラブをたたいて称賛した。一塁走者は俊足の周東。もし抜けていれば一、三塁となり4番山川を迎える可能性もあっただけに、相手の勢いを止めるビッグプレーとなった。レギュラーシーズンではリーグで2番目に多い、自己最悪の18失策に終わった。それでも、ポストシーズンに入って好守備を連発。巨人とのクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦では、1死満塁のピンチで痛烈なゴロを横っ飛び好捕し併殺を完成させ、日本シリーズ第1戦でも八回にダイビングキャッチを見せていた。
◆DeNA・梶原昂希外野手(25)が「6番・右翼」で出場。七回に二盗に成功し、日本シリーズ初盗塁をマークした。七回の第3打席、快足を飛ばして遊撃への内野安打で出塁。続く佐野の2球目にスタートを切った。投球は直球だったが、「甲斐キャノン」の異名をとる甲斐の二塁送球より早く二塁へ滑り込んだ。今季、リーグ2位の16盗塁をマークした韋駄天が、大舞台でも自慢の脚力でチャンスを広げた。
◆DeNA・宮崎敏郎内野手(35)が追加点となる左越えソロを放った。「先頭だったのでまずは出塁することを考えて打席立ちましたが最高の結果になって良かったです」1-0の七回無死。153キロの直球を捉え、DeNAファンで青く染まる左翼席へ突き刺した。今シリーズは試合前時点で10打数1安打と苦しんでいたが、ここぞの場面で貴重な追加点をたたき出した。
◆DeNA・アンソニー・ケイ投手(29)が7回4安打無失点、7奪三振でマウンドを降りた。一回、三者連続空振り三振で立ち上がると、二回の先頭打者・山川も空振り三振に斬って4者連続三振を記録。150キロを超える直球に加え、スライダーなど切れのある変化球も交えて相手打線を翻弄し、三回までパーフェクトピッチングを披露した。四回以降は毎回塁に走者を置いたが、無失点で切り抜けた。CSファイナルで2試合に先発し、この日は中8日で「しっかりリカバリーできたので状態的には万全」と、自身初となる日本シリーズのマウンドへ。警戒していた4番・山川については「ソロまでは許せる範囲」と話していたが、3打数無安打に封じた。
◆ソフトバンクはDeNAに完封負けを喫し、対戦成績は2勝2敗のタイに並ばれた。日本一決定は最短でも横浜での第6戦以降となった。先発の石川柊太投手(32)は四回にオースティンに右越えソロを浴び、5回?を投げて被安打4の1失点。七回に尾形崇斗投手(25)が宮崎に左越えソロを打たれると、1死満塁で登板した岩井俊介投手(23)が2点打を浴びるなど、この回4点を失った。打線はDeNA先発ケイに4安打と抑えられ、八回以降も救援陣に封じ込まれた。
◆七回、DeNA・桑原将志が左適時二塁打を放つ。4対0=みずほペイペイドーム(撮影・荒木孝雄)
◆DeNAが、投打がかみ合い2勝2敗のタイとした。四回にオースティンのソロで先制し、七回は宮崎のソロ、桑原の2点二塁打、オースティンの適時打で計4点を加えた。ケイは球威で押し、7回を4安打無失点の力投。継投も決まった。試合後の三浦大輔監督のインタビューは以下の通り。――ナイスゲーム「ありがとうございます」――投打が噛み合ったいいゲームだった。振り返って「先発のケイがね、本当に抜群によかったと思います。まっすぐも変化球も、最高のピッチングをしてくれました」――ケイは今年一番のピッチング「本当にストレートのキレもそうですけど、変化球のコントロールもね。今日は非常に良かったですね」――打撃陣は七回に集中打「まずオースティンが先制してくれたあと、そのあとの追加点のところで皆がつないで。非常に大きな追加点になりました」――各バッターの集中力、粘り強さが出てきている「皆が後ろにつなぐっていう意識でね。フォアボールも取りながら、よくつないでくれたと思います」――星を五分に戻した「選手たちもそうですけど、チーム全体でその日の試合を全員で、全力を出し切ろうということでやっています」――今日の勝利で横浜に戻れることに「必ず戻るっていう気持ちでやってました。まだ戻る前にもね、明日もう1日ありますから。その1日を全員で、全力で出し切れるように準備していきます」――ファンに一言「今日も本当に、福岡までたくさんのDeNAファンの方が応援に来ていただき、ありがとうございます。明日もよろしくお願いします」
◆DeNAが、投打がかみ合い2勝2敗のタイとした。四回にオースティンのソロで先制し、七回は宮崎のソロ、桑原の2点二塁打、オースティンの適時打で計4点を加えた。ケイは球威で押し、7回を4安打無失点の力投。継投も決まった。?DeNAの先発投手のケイが日本シリーズ史上初となる初回先頭打者から4者連続奪三振(全て空振り)。これまでの最多は3者連続で、1954年第1戦の中日・杉下茂、67年第5戦の巨人・堀内恒夫、84年第3戦の阪急・佐藤義則、91年第1戦の西武・工藤公康、2009年第4戦の巨人・高橋尚成、11年第6戦の中日・吉見一起がマーク。杉下、堀内、佐藤が3者連続空振り三振だった。?DeNA(前身を含む)のシリーズでの無失点勝利は60年第1戦(○1-0大毎、鈴木隆-秋山の継投)、同第4戦(○1-0同、島田源-秋山の継投)、98年第2戦(○4-0西武、斎藤隆の完投)、17年第4戦(○6-0ソフトバンク、浜口-パットン-山崎康の継投)に次いで7年ぶり5度目。?DeNAがシリーズで1イニングに4得点以上を奪ったのは、98年第5戦の九回(7点)以来26年ぶり2度目。?宮崎のシリーズでの本塁打は17年第2戦、同第4戦に次いで7年ぶり通算3本目。DeNAの選手で複数本放ったのは宮崎だけ。
◆DeNAが、投打がかみ合い2勝2敗のタイとした。四回にオースティンのソロで先制し、七回は宮崎のソロ、桑原の2点二塁打、オースティンの適時打で計4点を加えた。ケイは球威で押し、7回を4安打無失点の力投。継投も決まった。試合後のケイのヒーローインタビューは以下の通り。――ナイスピッチング「ありがとうございます」――マウンドに上がって投げている時の感覚「チームが勝てるように、自分のベストピッチングをできるように心がけていました。序盤で皆さんに点を取っていただいて、勝つことができてとても嬉しいです」――今年一番の内容だった「波に乗れるように序盤から頑張っていました。最初は少し緊張しているところもあったんですけど、上手く波に乗れて勝ち星を飾ることができて嬉しいです」――ファンからの声援も飛んでいる「とても遠いところまで横浜のファンの皆さんが来てくださったこと、本当に感謝しています。またハマスタに戻って、皆さんの前でプレーできることを楽しみにしています」――初の日本シリーズに向けての気持ちのつくり方「今日は相手打線に左バッターが並べられていて、とても難しいラインナップだったんですけれども、そこを自分なりのピッチングをして勝つことができたのでとても嬉しく思っています」――バッテリーを組む戸柱選手の存在「トバさんのおかげでいつも自分らしいピッチングをすることができているので、とても感謝しています」――スタンドのファンに一言「遠いところまで皆さん来てくださってありがとうございました。ハマスタでまたお会いしましょう」
◆下位指名からはい上がり、日本シリーズの舞台に立っている選手が多くいる。30日の第4戦のスタメンの10人を見てみると、ソフトバンクは先発の石川をはじめ周東、牧原大、甲斐の4人が育成ドラフト組で「ドラ1」は今宮の1人だけ。チームは3軍制どころか、2023年から12球団唯一となる4軍制を導入しており、育成枠と支配下の選手らがし烈に出番を奪い合って成長してきたことがわかる。対するDeNAは育成枠ではないが、宮崎(ドラフト6位)、桑原(同4位)、梶原(同6位)、佐野(同9位)がいる。今月24日のドラフト会議でも明暗が分かれたが、スタートラインに立てば一緒。入団後にどう成長するかが大事であると、最高峰の舞台に立つ選手たちが証明している。(柏村翔)
◆DeNAが、投打がかみ合い2勝2敗のタイとした。四回にオースティンのソロで先制し、七回は宮崎のソロ、桑原の2点二塁打、オースティンの適時打で計4点を加えた。ケイは球威で押し、7回を4安打無失点の力投。継投も決まった。?DeNAが第4戦に勝利し、対戦成績を2勝2敗のタイとした。日本シリーズで2勝2敗(引き分けを含む)となったのは昨年に続く通算30度目。過去29度のうち、追いついた球団の日本一が14度で、優勝確率は48・3%。今回のように開幕2連敗から2連勝のケースは過去14度のうち、日本一が7度、優勝確率は50%。?4番・オースティンが決勝弾を含む3安打。シリーズで4番打者が決勝弾を含む猛打賞(1試合3安打以上)を記録したのは外国人選手では初で、今シリーズ第2戦のソフトバンク・山川に次いで5人目。同一年に両軍でマークしたのは初。セでは1955年第1戦の巨人・川上哲治、72年第5戦の巨人・長嶋茂雄(他に2度)、82年第4戦の中日・谷沢健一に次いで42年ぶり4人目。
◆ソフトバンクが零封負けで本拠地で2連敗を喫した。四回に石川がオースティンに先制ソロを浴びると、七回には尾形、岩井がつかまり4失点。打線は17イニング連続無得点と元気がない。試合後の小久保監督の一問一答は次の通り。ーーDeNAの先発・ケイに対して7回4安打無得点に抑えられた「めちゃめちゃ良かったよね。三回までめちゃくちゃ飛ばしていたよね。ちょっとへばっていたときにチャンスがありました」ーー左腕のケイ対策にスタメンに左打者を6人並べた「右は対応は難しい」ーー「9番・左翼」に抜てきした笹川が3打数1安打1盗塁と活躍「おっしゃる通り。きょうのいいところはそこですね。こんな大きな舞台で動じることなく走りましたからね。楽しみです」たんん七回に4失点した2番手・尾形は六回2死一塁ではオースティンを三振を奪ったところまで素晴らしい「オースティンからもう1つ終わったから代えようと思っていましたけど、終わったら優先順位的には外国選手が一番上なので、もう1イニング行かそうかとなりました」ーー先発の石川はソロによる失点以外は5回?を4安打1失点でまとめた「CSも控えていたけど独自の調整であれだけ投げてくれたので立派ですね」ーー打線は安打が出てるが本塁打出ていない「いやまあそんな簡単に本塁打でないですよ」ーー2連勝後に2連敗「ちょうど五分です」
◆「SMBC日本シリーズ2024」は第4戦が行われ、セ・リーグ3位のDeNAはパ・リーグ王者のソフトバンクに5-0で快勝し、対戦成績を2勝2敗の五分とした。左足甲の打撲を抱えるタイラー・オースティン内野手(33)が、四回の決勝ソロを含む3安打2打点で勝利の立役者となった。日本シリーズ通算で無傷の4勝を挙げていた石川柊太投手(32)を攻略。チームは第6戦の舞台となる本拠地、横浜スタジアムへの帰還を決めた。痛い、かゆいは二の次だ。全ては頂点に立つため。手負いのオースティンが勝利への道筋をつけるソロを放ち、高々と右手を掲げた。「体の状態は正直よくないけど、チームのため、ファンのために持てる全てを出し切るつもりで試合に臨んでいる」0―0で迎えた四回の第2打席。カウント1―2から内角を狙った石川の直球は逆球となり、右の大砲は逆方向となる右翼ホームランテラス席へ運んだ。巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでも右翼席に2試合連続本塁打を放っており、通算8度目の日本シリーズ登板で過去4勝無敗を誇った右腕も打ち砕いた。打線は1―0で迎えた七回に5安打を集中し、一挙4得点。極めつきは助っ人の1試合3安打目となる左前適時打だった。来日5年目の今季は初めて規定打席に到達し、打率・316で首位打者に輝いた。日本シリーズでも出場3試合で打率・556(9打数5安打)、1本塁打、2打点の活躍で打線を引っ張り、敵地のみずほペイペイドームで2連勝に導いた。満身創痍(そうい)で戦っている。26日の日本シリーズ第1戦で自打球を当てて左足甲の打撲を負い、翌27日の第2戦を欠場。29日の第3戦から再び4番に座り、痛みをおしながらプレーを続ける。この日も一走から三塁に達した走塁で足を引きずるようにして走り「ぶっちゃけ、めっちゃ痛かった」と打ち明けたほどだ。野球への情熱が、体を突き動かす。近年は度重なる故障に泣き、昨季は22試合の出場にとどまった。「自分以上にあの舞台(日本シリーズ)に立ちたいと思っている人はいない」と断言し「野球を愛している。プレーできるなら全試合に出るという強い気持ちでいる」と熱く語る。原動力の一つが日本の夏を彩る高校球児の姿。甲子園を懸けて一球一打に死力を尽くすさまに胸打たれるといい「プロの世界も一緒」と言い切る。全力プレーを目の当たりにしてきた桑原は「オースティンなしでは何もできないといわれるのは腹立たしい」と発奮材料に変え、三浦監督は「オースティンの気持ちが選手、スタッフに伝わっている」とねぎらった。チームは対戦成績を五分に戻し、敵地での第5戦を経て再び横浜スタジアムでプレーする。ベイスターズファンの大声援に思いをはせたオースティンは「彼らの前でまたプレーできるのが楽しみ」と声を弾ませた。三浦監督は「必ず戻るという気持ちでやっていた」と語りつつ「それが目標じゃない」とキッパリ。横浜の熱気を力に変え、頂を極める。(鈴木智紘)
◆眼光鋭い鷹を封じた。DeNAは来日1年目のアンソニー・ケイ投手(29)が、ソフトバンクとの日本シリーズ第4戦に先発。7回4安打無失点、一回先頭から4者連続を含む7奪三振の快投で、球団の外国人投手では初の日本シリーズ勝利投手となった。チームは3投手による継投で、強力ソフトバンク打線を無得点に抑え、2連勝を飾った。超満員の敵地を、左腕が静まり返らせた。日本シリーズ初登板のケイが、強力ソフトバンク打線を7回零封。チームを2連勝に導き「チームが勝てるように、自分のベストピッチングを心掛けた。左打者が並び難しいラインアップだったが、自分なりの投球をして勝つことができた」とうなずいた。大舞台で奪三振ショーを見せた。「いつもは立ち上がりが課題だったが、きょうはうまく波に乗れるように序盤から頑張った」と一回先頭の柳田から周東、栗原、二回先頭の山川まで4者連続三振。伸びのある直球と鋭く横に曲がる変化球のコンビネーションがさえ、五回は好打者の近藤も空振り三振に仕留めるなど、スタメン9選手中7人から三振を奪った。地道な取り組みが実った。回転数2600を超える直球に曲がり幅の大きいスイーパーなど抜群の能力を持つ一方で、シーズン序盤はマウンド上でカッとなり、投球が乱れるシーンが目立った。大原、小杉両投手コーチと感情を管理するアンガーマネジメントについて何度も話し合いを重ね、自分にコントロールできないことへの理解、怒りがこみ上げたときはグラブを噛んでこらえるなど解決策を模索。この大一番で最高の結果を残した。東が力投した第3戦の流れを加速させた。坂本、ウェンデルケンも役割を果たし、完勝に貢献した。ケイの快投を三浦監督は「抜群によかった。直球の切れも変化球のコントロールも、最高の投球をしてくれた」と絶賛した。ソフトバンクが苦手とされてきた〝左腕攻め〟でDeNAがシリーズの流れを変えた。(浜浦日向)
◆本拠地胴上げは夢物語に終わってしまった。ソフトバンクは、DeNA投手陣に散発5安打ゼロ封負け。日本シリーズ14連勝の不敗神話から一転、まかさの連敗だ。「(相手先発ケイは)メチャメチャ良かったやん。あれは、なかなか打てないわ」小久保監督は、表面上はサバサバしていた。敵地で連勝したときと、一番の違いは貧打だ。第3戦の一回に1点を奪ったものの、その後はゼロ行進。この夜は1点も奪えず、17イニング連続無得点。シリーズでの零封負けは2017年第4戦以来7年ぶり。くしくも、やられた相手はDeNAだ。左腕相手に、あえて左打者を6人並べた。「右打者は対応が難しいと思ったので」。指揮官のその予感は、ある意味、的中していた。右打者3人で1安打。主砲・山川は完全に沈黙した。六回2死二、三塁。長打なら一気に逆転のケースだったが、中飛に倒れた。「何年もやってますが、0・何ミリの世界。悔しかったですが、その繰り返しです」第2戦で一発を放って勝負を決めた主砲も、本拠地に戻って8打数無安打。結果に結びつかないもどかしさがある。不動の4番が打つしかないのは、誰の目に明らかだ。ホームチームが1つも勝てない展開で、5戦目へ。--横浜は寒いと思いますが...。そう問われた指揮官は笑った。「どうやって明日、決めるんや。もちろん横浜へ行きます」。決着の舞台がはっきりしただけ。日本一への自信は揺るがない。(上田雅昭)
◆ポイントゲッターのお目覚めが、勢いをさらに加速させる。DeNA・宮崎敏郎内野手(35)が1-0の七回に先頭打者で左越えにソロ。青く染まったスタンドに白球を突き刺し「後ろにつなぐ気持ちで、先頭で塁に出ることを意識した。個人のことよりチームのためにできることを」とうなずいた。クライマックスシリーズ・ファイナルステージは打率1割台に終わり、今シリーズも第3戦を終えて打率・100(10打数1安打)。鳴りを潜めていた右打者が復調の気配を見せた。2017年の日本シリーズでは、6戦2発を放った。打線の中軸を担う35歳は「明日は明日なので。また切り替えて頑張る」と口元を引き締めた。(原田優介)
◆DeNAは投打とも、レギュラーシーズンの野球を貫いている。5得点の打線からいうと、まずホームラン2発。オースティンは石川のストレート、内角要求が外角高めへの逆球となり、球威に欠けたところを右翼へ運んだ。宮崎はスピード自慢の尾形の2球目の速球を左翼へ。こちらはストレート待ちのところへ、1、2、3で投げてきてくれた...との表現が適当か。いずれにしても、狙いがピタリとハマったね。その流れに乗って、なおも集中打で、一気に試合を決める。まさにDeNA打線の特徴だ。先発のケイもいつも通り、速球でガンガン攻め込んでいた。じっくりボールを見極められると、イライラして四球を連発し、自滅しがちなタイプだけど、そうなる前に、速球と低めの変化球のコンビネーションで打ち取っていた。そこで裏を返すよ。いくらなんでもソフトバンク打線は三振の山を築きすぎ。四回まで6個で、すべて空振り三振。右打者も左打者も、インローのボール球にあっさり引っかかり、ケイを助けてしまった。前日も触れたように、いつでも打てるさ...との気持ちが垣間見える。みんな一発狙いか? と聞きたくなるほど振り回している。これだけ打撃が粗いと、レギュラーシーズンで貯金40以上もできるわけがない。要するに、打てる球、甘い球をひたすら待ち、ヒットでつなげるという、自分たちの攻撃を忘れている。そこがDeNAと違うわけだ。短期決戦はあくまで五分の勝負で、モノを言うのは現在の調子。圧倒的なリーグ優勝を遂げたソフトバンクの方がむしろ、後がなくなったと危機感を持つべきだよ。(サンケイスポーツ専属評論家)
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