巨人(☆1対0★)DeNA =クライマックスシリーズ5回戦(2024.10.20)・東京ドーム=
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DeNA
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巨人
00001000X1301
勝利投手:山﨑 伊織(1勝0敗0S)
(セーブ:大勢(0勝0敗2S))
敗戦投手:山﨑 康晃(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】中山 礼都(1号・5回裏ソロ)

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◆巨人が日本シリーズ進出に逆王手をかけた。巨人は0-0で迎えた5回裏、中山のソロで先制に成功する。投げては、先発・山崎伊が7回途中無失点の好投。その後は高梨、バルドナード、大勢の継投でリードを守り抜いた。敗れたDeNAは、打線が再三の好機を生かせなかった。

◆DeNA三浦大輔監督(50)が前日19日に負傷交代した佐野恵太外野手(29)について言及した。指揮官は「(佐野は)大丈夫だと報告は受けています」と明かした。佐野は巨人とのCSファイナルステージ第4戦、3点を追う9回1死一塁から大勢の155キロ直球が右膝付近を直撃。その場に倒れ込んだ。足を引きずりながらベンチ裏に下がるも、そのまま代走神里が送られた。三浦監督は試合後「今、トレーナーに治療してもらってます」と説明。患部をアイシングした佐野は「今のところは大丈夫です。(明日の出場は)明日の状態を見て」と話し、歩いて帰路についていた。

◆DeNA佐野恵太外野手(29)が、巨人大勢投手(25)から謝罪を受けた。DeNAのウオーミングアップ前、三塁側ベンチで言葉を交わした。前日の第4戦では、3点を追う9回1死一塁、大勢の155キロ直球が佐野の右膝付近を直撃。佐野はその場に倒れ込み、足を引きずりながらベンチ裏に下がるも、そのまま代走神里が送られて負傷交代となった。大勢は試合後、「佐野さんに死球当てたのは申し訳ない。こういう大事な時期なので、真剣勝負の場なんですけど、当たりどころがあまり良くないと思うので、そこは本当に申し訳ない」と話していた。佐野はこの日、通常通り全体練習をこなしており、三浦監督は試合前、「(佐野は)大丈夫だと報告は受けています」と無事を強調していた。2人はともに11月の「ラグザス presents 第3回プレミア12」のメンバーに選出されている。

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◆DeNA三浦大輔監督(50)の積極采配が裏目に出た。両軍無得点の5回1死一塁、好投していた先発浜口に代打フォードを宣告。先制点をもぎ取るために仕掛けたが、フォードは三飛に倒れ、続く梶原も二ゴロで無得点に終わった。浜口は尻上がりに状態を上げ、4回1安打無失点5奪三振と好投していたが、2番手を託された山崎がいきなり捕まった。先頭の巨人中山に2球目の147キロ直球を右翼席に運ばれ、高卒4年目の若武者によるプロ初アーチで先制点を献上した。

◆19日のCSファイナル第4戦で死球を受け、途中交代したDeNA佐野恵太外野手(29)が「3番左翼」でスタメンに名を連ねた。一夜明け、三浦監督が「(佐野は)大丈夫だという報告は受けています」とコメント。佐野は通常通りに全体練習に参加し、ウオーミングアップ、フリー打撃、ノックなどで調整し「大丈夫です」と力を込めた。前夜、死球を受けた直後は周囲がヒヤリとした。3点を追いかける9回1死一塁、巨人大勢の155キロの速球が右膝付近を直撃。その場に倒れ込み、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。足を引きずりながらベンチ裏に下がり、そのまま代走神里が送られた。試合後、指揮官は「今、トレーナーに治療してもらってます」と説明したが、大事には至らなかった。DeNAのウオーミングアップ前には、三塁側ベンチ付近で大勢から謝罪を受けた。前夜、大勢は報道陣の取材に「佐野さんに死球を当てたのは申し訳ないです。真剣勝負の場なんですけど、当たりどころがあまり良くないと思うので、そこは本当に申し訳ないです」と頭を下げたが、直接言葉を交わし、この日の一戦での互いの健闘を誓い合った。振り返れば、昨年の広島とのCSファーストステージは右有鉤(ゆうこう)骨骨折でリハビリ中で、敗退の瞬間を横須賀の球団施設「DOCK」で見届けた。「去年はCSに出られなかったので、その時と比べると野球ができてるんだという喜びだったり、うれしさがある」と勝負の舞台に立てる喜びを胸に、グラウンドに立った。【久保賢吾】

◆DeNA蝦名達夫外野手(27)の痛恨のバント失敗で同点のチャンスを逃した。1点を追いかける8回無死、先頭の戸柱が右前打を放ち、林を代走に起用。代打に蝦名を送ったが、三塁増田大の猛チャージで二塁にボールが送られ、最悪の併殺打に倒れた。1点を追いかける7回には、桑原の三塁打で1死三塁の絶好機を得たが、森敬が遊ゴロで桑原が本塁タッチアウト。森敬は二盗失敗で無得点に終わった。阪神とのCSファーストステージから、巨人とのファイナルステージ第3戦までは5試合連続無失策で5連勝を飾ったが、第4戦でオースティンが適時失策を犯し、ミスが目立ち始めた。

◆DeNAは1発に泣き、対戦成績は3勝3敗(巨人の1勝のアドバンテージを含む)で逆王手をかけられた。早めの継投が裏目に出てしまった。先発の浜口遥大投手(29)は尻上がりに状態を上げ、4回1安打無失点5奪三振と好投していたが、5回は2番手山崎康晃投手(32)がマウンドにあがった。先頭の巨人中山に2球目の147キロ直球を右翼席に運ばれ、先制点を献上。結果的に試合を決める痛い1発となってしまった。打線は苦手とする巨人山崎伊を攻略できなかった。0-0の3回に浜口、梶原昂希外野手(25)の連打でチャンスを作るも1死一、二塁から佐野恵太外野手(29)は併殺打となり無得点に終わった。0-1の7回に桑原将志外野手(31)の左翼への当たりを巨人オコエが後逸し、そのすきに桑原は三塁まで到達(記録は三塁打)。同点の好機だったが森敬斗内野手(22)の当たりは前進守備だった遊撃手の門脇がショートバウンドでさばき、素早く本塁に送球。三塁走者桑原はスタートを切るも、本塁で憤死した。さらに直後に森は盗塁失敗で流れを呼び込めなかった。ファーストステージから無敗で5連勝と勢いに乗っていたが一転、前夜から2連敗で日本シリーズ進出の行方は21日に持ち越しとなった。

◆DeNA佐野恵太外野手(29)が、巨人守護神の大勢から2試合連続で死球を受けた。1点を追いかける9回1死一塁、2ストライクから右足付近へのボールをよけ、ボール判定だったが、三浦監督がリクエストし、リプレー検証の末に防具に当たったことが判明した。代走に神里が送られた。前夜は3点を追いかける9回1死一塁、大勢の155キロの速球が右膝付近を直撃。その場に倒れ込み、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。足を引きずりながらベンチ裏に下がり、代走に神里が送られた。

◆伏兵の千金弾で巨人が逆王手をかけた。DeNAとの「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第5戦の5回、先頭の中山礼都内野手(22)が右翼席へ決勝本塁打を放った。プロ4年目での初アーチが、チームを勝利に導く貴重な1発となった。3連敗からスタートした今シリーズを、アドバンテージ含む3勝3敗のタイとし、リーグ王者が逆転での日本シリーズ進出へあと1勝とした。中山が5回に先制アーチ。プロ4年目で前日まで公式戦に通算160試合、CSに4試合出場して本塁打が0。公式戦で本塁打を打ったことがない選手がプレーオフ、CSで本塁打は初めてになる。日本シリーズで「プロ1号」は、50年第3戦荒巻(毎日)、52年第6戦森下(南海)、87年第6戦清家(西武)がおり、ポストシーズンでは中山が4人目。この1発が決勝点となり、ポストシーズンで打ったプロ1号がVアーチは初めてだ。また、中山は現在22歳6カ月。プレーオフ、CSでは22年ファイナルS第2戦村上(ヤクルト)の22歳8カ月を抜いて最年少Vアーチとなった。

◆巨人中山礼都内野手(22)が最高の"プロ初アーチ"をぶちかました。5回に先頭打者で右翼へ先制&決勝ソロを放った。レギュラーシーズンでも本塁打はない4年目。「7番二塁」でスタメン出場し、チーム唯一の1点を一振りで生み出した。左脇腹痛でベンチから戦況を見守る吉川尚輝内野手(29)の代役として、ヒーローになった。レギュラーシーズンで1本も本塁打はない。その中山が1発で決めた。5回先頭、DeNA山崎の147キロ直球をフルスイング。投手の代わりばなを捉えた。両手に過去にない感触が残る中、打球の行方を見つめた。右翼席に飛び込むと、右腕を高々と突き上げた。お立ち台では「最高で~す!!」と2連発で大絶叫した。左脇腹痛でベンチから戦況を見守る吉川の代役の立場だった。ロッカーも隣で野球論やプライベートな話も交わす先輩。昨季はネックレスをもらい、プレーする時も身に着けた。「(吉川)尚輝さんがいなかったからと言われないように」と臨んだCSファイナル。ベンチに戻ると、吉川から「ナイスバッティング。(喜ぶのは)まだだぞ。頑張れ」と声をかけられた。すぐに気持ちを入れ直した。直球を捉えたのも成長であり、準備のたまものだった。次打者席、イニング間も夏前と違う姿がある。投球動作に合わせ、常にタイミングを取る。「今までは漠然と始動を早くと考えていたのですが、ボールの1個、2個分刺されてファウルになりやすかった」。今季イースタン・リーグは打率3割3分2厘も、8月まで1軍では打率1割5分。一線級の投手の直球に押し込まれる課題と向き合った。1軍再昇格した9月7日以降は24打数11安打の打率4割5分8厘。細かな意識でまるで別人となった。ルーキーイヤーの21年は2軍監督だった阿部監督からは「ずっと1年目から見ているけど、あんな当たりは初めて見た」と最大級の賛辞を贈られた。指揮官から、負傷の吉川の代役に指名された14日に「ヒーローになっちゃうかもしれない」と期待を寄せられ、それを現実とした。イチロー氏、高橋由伸氏ら名外野手にちなんで「礼都(らいと)」と名付けられた4年目。「明日勝たないと意味がない。1打席1打席、本気で覚悟を持って打席に立って。しっかり結果を残せるようにやって」と喜びをかみしめつつ、次に目を向けた。代役が最高のヒーローとなった。【上田悠太】中山が5回に先制アーチ。プロ4年目で前日まで公式戦に通算160試合、CSに4試合出場して本塁打が0。公式戦で本塁打を打ったことがない選手がプレーオフ、CSで本塁打は初めてになる。日本シリーズで「プロ1号」は、50年第3戦荒巻(毎日)、52年第6戦森下(南海)、87年第6戦清家(西武)がおり、ポストシーズンでは中山が4人目。この1発が決勝点となり、ポストシーズンで打ったプロ1号がVアーチは初めてだ。また、中山は現在22歳6カ月。プレーオフ、CSでは22年ファイナルS第2戦村上(ヤクルト)の22歳8カ月を抜いて最年少Vアーチとなった。

◆巨人が逆王手をかけた。DeNAに完封勝ちで1点を守り抜いた。これでアドバンテージを含め3勝3敗となった。1点は中山の一振りだった。5回先頭で右翼席に先制ソロを放った。レギュラーシーズンで1本も本塁打を放ったことのない4年目が最高の場面で"プロ初アーチ"をかました。「7番二塁」でのスタメン。左脇腹痛でベンチで戦況を見守る吉川の代役として最高の仕事を果たした。中山2本、坂本1本の3安打だった巨人が1-0で逃げ切り、3勝3敗のタイに戻した。プレーオフ、CSの1-0勝利は10度目で、3安打は18年ファイナルS第2戦広島以来4度目の最少安打勝利。2人しか安打を打たずに勝ったのは初めてだ。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSの逆王手は14年日本ハム以来9度目で、セ・リーグでは12年巨人に次いで2度目。逆王手から連勝で日本シリーズに出場は77年阪急、10年ロッテ、12年巨人の3度だが、今回は?

◆DeNA佐野恵太外野手(29)が死球の痛みに耐え、グラウンドに立った。19日のCSファイナルステージ第4戦で巨人大勢から右膝付近に死球を受け、途中交代。状態が心配されたが、4打席立ち、9回1死では2試合連続死球で出塁した。チームは敗戦し、勝てば日本シリーズ進出が決まる21日の最終戦に向け「明日やるだけなんで。勝った方がっていうところなんで、その雰囲気をかみしめながら試合に出たいです」と闘志を込めた。

◆巨人の守護神大勢投手(25)が3連投で9回を締めくくった。1点リードの1死から連続四死球で一、二塁とするも、宮崎を空振り三振に仕留め、最後は代打・筒香を中飛に打ち取った。「珍しくマウンドで足が震えた。多少は疲労を感じるところがあるけど、それはみんな(同じ)。それより勝ちたい、勝つんだという気持ち」。第6戦もベンチ入りし、プロ入り初の4連投も辞さない構えだ。

◆巨人が崖っぷちから連勝で逆王手をかけた。「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第5戦は、わずか3安打も、中山礼都内野手(22)の"プロ1号"決勝弾の1点を守り抜いた。DeNAに競り勝ち、3連敗からスタートした今シリーズを、アドバンテージ含む3勝3敗の五分に戻した。阿部慎之助監督(45)は今日21日の最終決戦では菅野、グリフィンをブルペン待機させ、守護神大勢の4連投も辞さない構えを示した。阿部監督が逆風を押し返した。1点リードの9回、守護神大勢を3連投で送り込んだ。1死から連続四死球で一、二塁のピンチを招いた。マスク越しの岸田とサインを交換した。宮崎には2ストライクから4球連続の直球を押し込み、最後はフォークで空振り三振。代打筒香にはストライクゾーンの低めに落としたフォークで中飛。虎の子の1点を守り切った。「ずっとこういう展開でシーズンも勝ってきた。この勝ち方じゃないと勝てないのかなっていうね。本当に最高のゲームだったし、明日に必ずつながると思います」緊迫する展開でピンチの連続をじっと耐えた。7回1死、左翼手オコエが打球を後逸(記録は三塁打)。続く森敬の打球を遊撃手門脇が、抜群のハンドリングと素早い送球で本塁タッチアウト。8回無死一塁では、代打蝦名のバントを途中出場の三塁手増田大が好フィールディングで併殺に仕留めた。「もう素晴らしいプレーをしてくれて、あの2つ(の守備)で勝ったようなもの」と最敬礼でたたえた。CS前に短期決戦の心得を問われ少し考えてから言った。「流れを見逃さずに読むこと。ベンチからはそこだけかな」と備えた。12年のCSファイナルは中日に3連敗からの3連勝(1勝のアドバンテージ)で逆転突破し、日本一まで上り詰めた。当時、3戦目の試合後に気晴らしにと食事に出かけたが首都高で事故渋滞に巻き込まれた。後部座席のモニターに映し出された敗戦を伝えるニュースにもいら立ち、感情のままにシートを蹴り上げた。あれから12年。日本一から遠ざかる間に、現役を引退し、2軍監督、1軍コーチを経て、今季から監督として指揮を執る。鬼軍曹から様変わりし、リーグ優勝時は人目をはばからず涙を流した。「本当に強いチームだと言われるためには明日、勝つことしかないから。それだけです」と阿部監督。ソフトバンクとの日本シリーズ出場権まで、あと1勝だ。【為田聡史】中山2本、坂本1本の3安打だった巨人が1-0で逃げ切り、3勝3敗のタイに戻した。プレーオフ、CSの1-0勝利は10度目で、3安打は18年ファイナルS第2戦広島以来4度目の最少安打勝利。2人しか安打を打たずに勝ったのは初めてだ。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSの逆王手は14年日本ハム以来9度目で、セ・リーグでは12年巨人に次いで2度目。逆王手から連勝で日本シリーズに出場は77年阪急、10年ロッテ、12年巨人の3度だが、今回の結果は?

◆DeNA三浦大輔監督(50)の攻めの積極采配は実らなかった。1点を追う7回1死、桑原の左前への打球を巨人左翼手オコエが後ろにそらし、記録は三塁打で1死三塁と大チャンスが巡ってきた。内野は前進守備。森敬の鋭いゴロに三走の桑原が反応した。バットに当たった直後にスタートを切って本塁にヘッドスライディング。しかし、遊撃手門脇の好捕に阻まれ本塁で憤死した。指揮官も「相手に最高のプレーをされてしまった」と脱帽するしかなかった。2死一塁で続く戸柱の打席で、一走の森敬が二盗失敗。重たいムードを振り払えない。8回にも先頭の戸柱が右前打で出塁した。今度は手堅く代打蝦名がバントで三塁前に転がすも、増田大の猛チャージに阻まれて併殺打。打った策がことごとく裏目に出た。プラン通りの積極策も実らなかった。両軍無得点の5回1死一塁、好投していた浜口の打席で代打フォードを送った。浜口はベンチでヘルメットを装着して待機するも、3回予定の中、4回まで引っ張った上での攻めの交代だった。ポイントに挙げた先制点をもぎ取りに行くも、フォードが三飛に倒れてこの回無得点。その直後の5回、2番手山崎が先頭の中山への2球目、逆球の147キロ直球を右翼席に運ばれた。許した安打はわずか3本だが、この1発が決勝点となった。CSファースト初戦から5連勝の後、2連敗。アドバンテージを含めて3勝3敗で逆王手をかけられた。最終の第6戦、勝てば7年ぶりの日本シリーズ進出、引き分け以下で終戦が決まる。「戦ってる内容自体は悪くないですから。みんなで気持ちを1つにして、DeNAらしく戦っていけるようにしていきます」と三浦監督。シーズン中から一戦必勝の精神を強調し続けてきた。今こそ全員で全てを出し切って、勝つしかない。DeNAの17年CS セ3位でCSファーストステージは阪神と対戦。雨中の"泥試合"となった第2戦(甲子園)で筒香は決勝打を含む4安打2打点。2勝1敗で突破し、CSファイナルステージは広島を4勝2敗で破り、日本シリーズに進出した。

◆巨人門脇誠内野手(23)が堅実な守備と送球で同点を阻止した。1点リードの7回1死三塁の守備で、内野は前進守備で待ち構えると、DeNA森敬の痛烈な打球が遊撃へ。門脇はスライディングしながらワンバウンドで捕球し、1回転しながら本塁送球。捕手の岸田が三走の桑原をタッチして同点を阻止した。お立ち台で「絶対飛んで来るなと思ってました。今日は眠れません」と興奮が冷めなかった。▽巨人川相内野守備コーチ(門脇の守備を称賛)「あの体勢からよく投げたしインサイドに投げられたからアウトになったと思う。紙一重のプレー。よく守ってくれた。素晴らしかったと思います」

◆DeNA浜口遥大投手(28)が闘志むき出しの投球で巨人打線を制圧した。予定していた3回を投げ終えても余力十分。4回先頭、巨人岡本和を外角低めいっぱいの145キロ直球で見逃し三振に仕留め、左拳で胸を思いっきりたたいた。「集中して投げることができたので、良い結果につながったと思います」とうなずいた。17年、日本シリーズ第4戦での"ノーノー未遂"の快投から7年。今CS前にはYouTubeでふと、当時のダイジェスト映像を見返した。「良くも悪くも変わったなと。もちろん良い方に変わってるものもありますし、あの時みたいに怖いもの知らずで思いっきり腕振っていく重要さも感じてます」と新人時代を回想した。8年目の今季は自己ワーストの2勝にとどまったが、大舞台のマウンドで7年前のように無我夢中で腕を振った。白星とはならなかったが、4回1安打無失点5奪三振の快投で1点差ゲームを演出した。▽DeNA松尾(8回の守備からCSファイナル初出場)「緊張感ある中で(マスクを)かぶれたのはこれからの財産にもなりますし、経験を生かしていかなきゃいけないです」

◆巨人先発3本柱が決戦に臨む。戸郷翔征投手(24)が中4日で先発。さらに菅野が中3日、中2日のグリフィンは志願のベンチ入りで中継ぎ待機する。阿部監督が「グリフィンも入ってくれると言ったので。総力戦で行きます」と大号令。展開次第で惜しみなく送り込む方針を示しており、戸郷も「負ければ終わり。そういう面では踏ん切りもつく。やるしかない」と気合十分だった。

◆堂々たるマウンドさばきだった。巨人山崎伊織投手(26)は初回2死一、二塁のピンチを迎えても顔色一つ変えなかった。DeNA宮崎をシュートで芯を外し投ゴロに仕留めて切り抜けた。スコアボードに0を並べ、自身CS初登板は6回1/3を6安打無失点。「シーズンより負けられない試合だったですけど、いい意味で楽に投げられたかなと思います」と強心臓ぶりを発揮した。珍しく感情をあらわにした場面は6回2死で迎えたオースティンの打席だった。スライダーで空振り三振に打ち取ると、マウンド上で感情爆発。力強くガッツポーズを見せ、頭は冷静でも心は熱かった。「ホームランを警戒して窮屈になるよりも、どんどん勝負しにいった」。1発のあるDeNA打線に対しても果敢に攻めて、全97球のうち65球がストライク。ストライク率67%の投球で封じた。守備から攻撃の流れをつくり勝利につなげた。今季レギュラーシーズンは147 1/3回を投げて2年連続2桁となる10勝をマークした。先発陣の柱として「明日、絶対に勝ってくれると信じて、良い調整をしたいと思います」。日本シリーズのマウンドでも輝きを放つ。【水谷京裕】

◆巨人のスーパーサブが途中出場で輝きを放った。増田大輝内野手(31)が7回に内野安打で出塁した坂本の代走で出場。そのまま三塁の守備に就くと、8回無死一塁で、代打蝦名の犠打を猛チャージでさばき、二塁送球。併殺プレーを完成させた。シーズン終盤に亀井外野守備兼走塁コーチから「スーパーサブのレギュラー」といわれ「そのおかげでモチベーション高くできている」と感謝した。

◆巨人が、DeNAに1-0の完封リレーで勝利し、対戦成績を3勝3敗(リーグ優勝した巨人の1勝のアドバンテージを含む)のタイに戻した。今日21日に最終戦となる第6戦が行われるが、勝利チームに隠された「吉兆データ」が判明した。第5戦終了までで決勝点は3試合が本塁打だが、全てがイニングの先頭打者のソロ本塁打だった。第1戦では0-0の4回無死、DeNA佐野のソロが決勝点。第2戦では同点の7回無死、DeNAオースティンのソロが決勝点で、第5戦でも0-0の5回無死、巨人中山のソロで試合が決まった。5試合が終了し、DeNAが4本塁打、巨人は2本塁打で、全てがソロ。第3戦の巨人岡本和、DeNAオースティンのソロもイニングの先頭で、第4戦の戸柱は1死後だった。短期決戦に入り、両チームのバッテリーが集中。積み上げたデータを駆使しながら、投げミスも少なく、継投も早めな上に走者を背負った場面ではギアを上げ、ピンチを脱出する。第6戦は第1戦と同じ巨人戸郷、DeNAケイが先発のマウンドに上がる。戸郷のリベンジか、ケイの連勝か-。イニングの先頭をいかに封じるかが、勝利のカギになりそうだ。

◆DeNA山崎康晃投手(32)が、1点差負けの責任を背負った。4回1安打無失点と好投していた浜口の打席で、5回に代打が送られ、5回から山崎が2番手で登板。先頭の巨人中山への2球目、逆球の147キロ直球を右翼席に運ばれた。チームは巨人打線に3安打しか許さなかったが、伏兵のプロ初アーチによる1点がこの試合唯一の得点となり、巨人のアドバンテージを含め3勝3敗と逆王手をかけられた。山崎は「僕が打たれて負けたので、それに尽きるかなと思います」と言葉を絞りだした。勝てば日本シリーズ進出、負ければ終戦が決まる勝負の第6戦へ「もう今日から準備が始まってますし、勝てるために何ができるのかを集中して、明日良い顔で球場に行きたいなと思います」と前を向いた。

◆巨人船迫大雅投手(28)が好リリーフした。2-2同点の7回2死満塁。打席にはDeNAオースティンとの痺れる場面で出番を託された。オラオラと気迫が前面にあふれ出ながら、プレートの土をならし、主砲をにらみつけた。握る白球を見つめ、ポジティブな言葉をつぶやく。抑えられるように言霊を込めた。スライダー2球で追い込むと、最後も決め球を信じた。136キロスライダーで三ゴロに斬った。右拳を握って吠えた。174センチの小さな体は胆力と野心に満ちあふれる。ただ「もっとスターになって、人気の選手になって、もっとビッグな存在で優勝したいのも本音なんです。まだ何も成し遂げてない」のも本音だった。負けん気の強さは生き様だった。福島・円田中では3番手投手。当時身長165センチ足らず。それでも甲子園常連校の聖光学院(福島)と仙台育英(宮城)しか志望しなかった。周囲から無理だと思われても、最後は聖光学院でエースを背負った。甲子園も8強。結果で周囲を黙らせ、のし上がった。セ・リーグで唯一、救援投手ながらレギュラーシーズンで1試合もベンチを外れず、ブルペン待機した。グラブに刻むのは「小さな巨人」。小さな体で大きくマウンドにそびえった。【上田悠太】

◆巨人菅野が日本ラスト登板を涙でぬらした。大歓声の後押しを受けながら向かった8回のマウンド。CSファイナル第2戦での先発から中3日、18年10月9日阪神戦以来の中継ぎ登板は、捕手の小林とともに「スガコバ」で登場した。初球からエンジン全開。151キロの直球でストライクを取ると、投ゴロに打ち取りその回を3者凡退に抑えた。1球投げるたびに球場のボルテージは上がっていったのは、12年間にわたり巨人を支えてきた大エースだから。しかし回をまたいだ9回に暗転。勝ち越し点を献上した。「最善の準備をしてマウンドに上がったので。結果としては申し訳ない。でも今日投げたすべてのボールに悔いはないです」と目を真っ赤にしながら言い切った。今オフ、海外FA権行使によるメジャー再挑戦を表明。日本ラスト登板の可能性が極めて高い中、ベストを尽くした結果を必死に受け入れた。「人生で味わったことないような悔しさなんで。またそれも糧にできれば。やっぱり悔しいですよね。でも、本当に今日の歓声っていうのは、一生忘れることできない。うれしかったです」。感謝の言葉を残して、次なるステージに挑む。【栗田成芳】菅野が18年以来、ポストシーズンでは自身初の救援登板も黒星を喫し、CS通算5敗目。プレーオフ、CSで通算5敗は斉藤和(ソフトバンク)杉内(ソフトバンク)チェン・ウェイン(中日、ロッテ)の3人に並ぶワーストタイで、セ・リーグでは初めて。

◆DeNA伊勢大夢投手(26)が2イニングを無失点に抑え、勝利につなげた。2-2の7回、5番手で登板。1死から門脇に二塁打を浴びたが、後続を断った。8回も2安打を許したが、ホームだけは死守。9回の勝ち越しで白星を手にした。チームは6投手を小刻みにつなぎ勝利。その中でも、回をまたいで踏ん張ったサイド右腕の存在感が光った。

◆DeNAが3位からの劇的な下克上を決めた。「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージ最終の第6戦、牧秀悟内野手(26)が同点の9回2死三塁、巨人菅野から左前へ決勝の適時打を放った。三浦大輔監督(50)もベンチ内で感情を爆発。CSファーストステージ初戦から5連勝で勢いをつけ、ファイナルステージ突破へ王手をかけてから2連敗したものの、主将の一打で17年以来7年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。26日からソフトバンクと98年以来26年ぶりの日本一をかけて戦う。牧がほえた。バットを右手で持って、思わず地面に投げ付けた。同点の9回2死三塁、巨人菅野の外角143キロカットボールに食らいついた。「気持ちで打つことができたかなと思います」と左前に抜けて感情が爆発した。狂喜乱舞はベンチも。全員が両手を掲げて喜びを爆発させた。主将1年目、不安もあった。負けが続いたとき、どうチームの雰囲気を変えるか。2月の宜野湾キャンプ中、タクシーの車内で前キャプテンの佐野に言われた。「思ったことは全て行動に移して、口にした方がいい。『言わずにしまっておこうかな』というのは全て口にしていい」。迷ったら即行動のススメ。教え通り、シーズン中に動いた。5月、主将自ら幹事として、名古屋で選手全員参加の決起集会を主催。店の予約の電話、席順を決めるくじの作成も請け負った。「野手と投手でいろいろな話もできて、結束は深まったと思います」と大成功だった。シーズン最終盤の8月27日には、チーム全体を集めたミーティングを開催。「勝ち切る覚悟」というスローガンを発表し、ラストスパートの号令になった。就任1年目、ルーキー時代の牧を開幕スタメンに抜てきした三浦監督も気持ちは同じだった。ゲームセットの瞬間、コーチ陣と抱き合い、安堵(あんど)の表情を浮かべた。「ずっと厳しい戦いが続いている中、最後の最後までチーム一丸となって戦えたと思います」とうなずいた。この日試合前のミーティングでは、ベンチ裏で指揮官自ら号令をかけた。「ケガとかは考えなくて良い。持ってるものを全て出し切って、思い切って戦っていこう」。言葉通り、選手も監督コーチもスタッフも、チーム一丸で勝ち取った日本シリーズ進出。横浜でもう1度、熱く戦う。▽DeNA森原(右肩のコンディション不良を抱えながら、1点リードの9回に登板し、3者凡退でセーブ)「最後の瞬間はめちゃくちゃうれしかったです。岡本和真くんを散々敬遠してたんで、しっかり勝負して岡本くんで終われたのは良かったです」▽DeNA筒香(自身も所属した17年以来の日本シリーズ進出に)「チーム全員で勝ち取った勝利だと思います。非常に幸せなことですし、また、横浜スタジアムに帰れるというのが一番だと思いますので、そこでいい戦いを見せられるように頑張ります」

◆DeNA戸柱恭孝捕手(34)がCSのMVPに輝いた。右尺骨を骨折した山本、左ふくらはぎ肉離れの伊藤と捕手2人を欠く中、阪神とのCSファースト第2戦から7試合連続先発出場。全試合で安打を放ち、1本塁打6打点と大活躍し、リードでも投手陣を好投に導いた。「ホッとしたのが一番です。僕だけの力じゃなく、相川コーチ、アナリストも一緒になって戦ってくれたので感謝です」と笑顔で話した。

◆シーズン3位からの下克上を成し遂げて7年ぶりの日本シリーズ進出を決めたDeNA三浦大輔監督(50)が21日、都内ホテルで行われた優勝会見で喜びをあらわにした。ビールかけ前に牧、佐野、戸柱と会見に出席。「もうめちゃくちゃうれしいです。今日は勝ち切れたということで喜びたい」とかみしめた。牧は「リーグ戦で3位に終わってしまった悔しさがあった。2位(阪神)も1位(巨人)も倒すことができて、いい物が得られた。悔しさがある分、強く戦えたのかなと思います」と第6戦、9回の決勝適時打で下克上に導いた。佐野は「接戦の試合が多かったですし、去年ケガでCS出られなかった。まだこうして戦える喜びを感じながらグラウンドに立ちました」とグラウンドに立てる喜びをかみしめた。MVPに輝いた戸柱も「(日本シリーズは)7年前に経験させてもらいましたけど、チームの色も違いますし、残ってる選手も多くない。新しい選手も多いので一丸でまた戦っていきたい」と日本シリーズを見据えた。

◆巨人は19日の第4戦と同じ打順で臨む。宮崎フェニックス・リーグから緊急帰京したエリエ・ヘルナンデス外野手(29)=前レンジャーズ傘下3A=が「5番・中堅」で2戦連続先発。

◆リハビリ中の元気印がチームを勢いづける。左手の骨折で離脱中の巨人・萩尾匡也外野手(23)が2日連続で円陣の声出し役を務めた。「明日(21日)故障班は休みなんですけど、休日返上でドームに来ます。明日もここで試合しましょう!!」3連敗を喫した18日の深夜、就寝中だった萩尾のもとに亀井コーチから〝緊急招集〟の電話が入った。「驚きましたけど、『来たか』っていう感じでしたね」。そうと決まれば早速準備。話す内容をスマホのメモにまとめ、19日は川崎市のジャイアンツ球場から東京ドームへ向かう車中で一人リハーサル。ハンドルを握りながら「言葉の使い方とか流れが飛ばないように」と2、3回声に出して確認した。途中でドンキ・ホーテに寄って小道具も調達。「やっていることがお笑い芸人なんですよ(笑)」といいながらも万全を期して臨んだ。チームが連勝し続ける間は、声出し役は代わらないのが通例。第6戦が行われる21日は自身は休養日だったが、午前中に用事を済ませて夕方は東京ドームに行けるようスケジュール調整した。「呼ばれるなら全力で準備します」と、福岡で開催される日本シリーズも視野に入れる。ユーモアあふれる23歳の声がチームを鼓舞する。(原田優介)

◆DeNA・三浦大輔監督(50)は、勝てば日本シリーズ進出が決まる一戦で、巨人打線を相手に四回まで1安打無失点、5奪三振の好投を見せていた浜口遥大投手(29)を54球で交代した。浜口は三、四回続けて三者凡退の投球。五回の攻撃で1死から8番戸柱が中前打で出塁し、打席が回ってきたところで指揮官は代打フォードを起用した。三飛に倒れ、続く梶原も二ゴロに倒れ得点には結びつかなかった。五回から山崎康晃投手を投入したが、先頭の中山に右翼席へ先制ソロを浴びた。

◆巨人・中山礼都内野手(22)が〝プロ初本塁打〟となる先制ソロを放った。0-0の五回無死。DeNA・山崎の代わりばな、2球目の147キロの直球を捉えた。打球は右翼席に吸い込まれ、球場は大歓声に包まれた。この日テレビ中継の解説には、中京大中京高時代の同級生の中日・高橋宏斗が訪れており、旧友の前で大きな一発を放った。

◆巨人・門脇誠内野手(23)がファインプレーで大ピンチからチームを救った。1点リードの七回。1死から山崎がDeNA・桑原に左前へライナー性の打球を打ち返され、左翼手のオコエが痛恨の後逸。三塁打を許した。ここで先発の山崎伊から高梨に交代。1死三塁、一打同点の大ピンチで森敬が放った二遊間への強烈なゴロを、前進して守っていた遊撃手の門脇が膝をついて滑りながらキャッチ。素早い動きで反転し、本塁へストライク送球。本塁を狙った三塁走者をアウトにした。クールな若武者も普段はあまり出さない激しいガッツポーズを繰り出し、東京ドームのスタンドは大歓声でたたえた。2死一塁で戸柱の打席では初球で二盗を試みた一塁走者・森敬を岸田が好送球で阻止。この回無失点でピンチを切り抜けた。

◆DeNA・浜口遥大投手(29)が先発し、巨人打線を4回1安打無失点、5奪三振に抑える快投を見せた。CSファーストステージからブルペン待機していた左腕。54球で降板したが「今日は長いイニングを投げるよりも一人ずつアウトを積み重ねていくこと、何とか勝っている、もしくは同点の状況で次の投手にバトンを渡すことを考えて、集中して投げることができたので良い結果につながったと思う」とコメントした。

◆負けは許されない。2勝3敗で後がない戦い。覚悟を決めてマウンドに上がった。巨人・山崎伊織投手(26)が大一番で堂々たる投球を披露した。「緊張感をだいぶ高めていけているので、勝つだけ。固くなりすぎず、しっかりと自分の中のMAXを出せたと思う」。プロ4年目の今季は、先発ローテーションの軸として開幕から火曜日の男として登板。シーズン最終戦で2年連続の10勝目を挙げるなど、4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。「チームが優勝できたのは心の底からうれしかったけど、後半はなかなかうまくいかなかった。自分としては全開で喜べたとはいえない」シーズン終盤は苦しんだ分、心残りはあった。優勝争いを繰り広げた9月は0勝1敗、防御率7・71。打ち込まれる試合が多かっただけにクライマックスシリーズ(CS)にかける思いは誰よりも強かった。「終盤は戦力になれなかった。もっと大事な試合に投げさせていただけたら、少しでもチームに貢献したい」今季4戦3勝と相性のいいDeNA打線を巧みな投球術で翻弄。6回?を97球で6安打無失点。背番号19が気迫あふれる投球で先発としての役割を果たした。

◆快音が止まらない。DeNA・戸柱恭孝捕手(34)が五回に山崎伊の浮いた直球を捉え二遊間を破った。CSでは阪神とのファーストステージ第2戦から6試合連続安打。「バットは振れている」との言葉通り、状態の良さを示した。巨人とのファイナルステージでは全5戦で先発マスクをかぶり、浜口とバッテリーを組んだこの日は4回1安打無失点と好投を演出。直球で押しつつ要所でチェンジアップを織り交ぜ、巧みな押し引きで巨人打線を抑えた。ペナントレース終盤から山本、伊藤と相次いで捕手が負傷離脱した中、攻守でチームを支えている。レギュラーシーズンの出場こそ46試合にとどまったが、CSでの存在感は絶大だ。相川ディフェンスチーフ兼バッテリーコーチは「いい準備をしてくれていたことに尽きる」と実感を込めた。八回先頭では右前打を放った。ここで代走を送られた。3打数2安打。チームは3勝3敗のタイに持ち込まれたが、戸柱が攻守で最後の力を振り絞る。

◆巨人は連敗を止めた19日の第4戦から投手以外はメンバーを変更せず、そのままの先発オーダーで臨んだ。一回は2死から丸が四球でしたが、岡本和が中飛に倒れた。続く二回は1死一、二塁と先制のチャンスを作ったが無得点に終わった。しかし五回、第1打席でも右前打を放っていた中山が右越えに〝プロ初本塁打〟となる先制ソロ。「積極的にスイングをかけた結果がホームランになり最高です」。この日、テレビ中継の解説で中京大中京高時代の同級生、高橋宏(中日)が訪れており、旧友の前で大きな一発を放った。CSファイナルステージは第3戦まで計2得点にとどまり、3連敗を喫した。負ければ終わりの第4戦を前に、阿部監督が動いた。17日にみやざきフェニックス・リーグで左手首の骨折から復帰したばかりのヘルナンデスを帰京させ、緊急昇格で「5番・中堅」で即先発起用。左脇腹に骨折の疑いがあり、バットを振っていなかった吉川も「何とか貢献したいとファイティングポーズをとってくれた」とベンチメンバーに入れた。その第4戦は1-1の七回に打線がつながり3得点。セーフティースクイズや一、二塁からの重盗を成功させ、突破口を開いた。この日は中山の一発で先制点を奪い、山崎伊、高梨、バルドナード、大勢の4投手の零封リレーでこの1点を守り切った。ついに3連敗から3勝3敗(アドバンテージ1勝含む)のタイに持ち込んだ。

◆巨人がDeNAに競り勝ち連勝。日本シリーズ進出に王手をかけた。打線は0-0出迎えた五回、先頭の中山礼都内野手(22)が〝プロ初本塁打〟となるソロ弾を右翼席に放ち先制した。先発の山﨑伊織投手(26)が6回?を投げ無失点の好投を見せると、救援陣がリードを最後まで守りきった。お立ち台に立った中川はホームランボールを手に「最高でーす!!」と絶叫。21日の試合に向けて「明日も勝つぞー!」と気合を入れた。

◆巨人が3連敗の崖っぷちから2連勝でアドバンテージを含めて3勝3敗とし、運命の最終戦に持ち込んだ。阿部慎之助監督(45)は「まず明日、野球ができるということを、ありがたいと思っています」とうなずいた。両軍唯一の得点は五回、中山が右翼席へプロ入り後、公式戦初本塁打となるソロを放ってマークした。指揮官は2軍監督時代から指導してきた22歳の一発に「本当素晴らしかったね。ずっと1年目から見ているけど、あんな当たり初めて見た」と笑顔で語った。また、遊撃手の門脇、途中から三塁に入った増田大が好守備を連発し、同点を防いだことには「もう素晴らしいプレーをしてくれて、あの2つで勝ったようなものなので。素晴らしかった」と繰り返した。21日の最終戦は「グリフィンも入ってくれるって言っていたので。総力戦で行きます」と第1戦の先発から中4日で先発する戸郷に続き、第2戦に先発した菅野、第3戦に先発したグリフィンがベンチ入りする可能性にも言及。3連投している守護神の大勢も「明日もいってもらう予定でいます。相手もなかなか簡単には勝たせてくれないと思うので、とにかく総力戦でいきたい」と気合を入れた。

◆DeNAはファイナルステージ2連敗。先発の浜口遥大投手(29)が4回1安打無失点、5奪三振の好投も、2番手の山崎康晃投手(32)が五回に決勝弾を浴びた。打線も流れをつかめず、零封負けを喫した。三浦大輔監督(50)の主な一問一答は以下の通り。ーー0ー1で敗戦「もちろんね、攻めたんですけど、なかなかホームベースを踏ませてもらえなかったですね」ーー浜口は好投「よかったですよ。しっかり投げてくれましたし、予定よりも1イニング多くいってくれました」ーー山崎が被弾「チームでやっていることですから。ヤスだけじゃないです。チームで戦っていることですから」ーー五回の攻撃で走者が出てなければ代打フォードではなく、浜口続投の考えも「たらればの話はできないですけど。とにかく常に準備して、みんなでやってもらいましたし、今日も出し切りましたし、明日もう一回、出し切って勝てるようにやっていきます」ーー七回1死三塁、森敬の遊ゴロで三走桑原が本塁憤死「ちょっと相手に最高のプレーをされてしまったかなと」ーー八回は蝦名がバント失敗で手痛い併殺に「もちろんプレッシャーのかかる場面でしたけど、あそこもまた向こうにいいプレーをされてしまったかなと思います」ーー勝負の一戦「はい、そうです。明日1試合まだ残っていますから。もう一度全員で集中して、切り替えてやるしかないです。戦っている内容自体は悪くないですから。選手たちも気持ちは変えられますから、しっかりと明日全員でやるしかないです」ーー勝つか負けるか。気持ちも入りやすい「そうですよ。こういうプレッシャーのある試合をできるわけですから。みんなで気持ちをひとつにして、DeNAらしく入っていけるようにしていきます」

◆大阪桐蔭高から昨季ドラフト1位で入団したDeNA・松尾汐恩捕手(20)が0―1の八回に捕手で途中出場。CS初マスクを被り、伊勢とのバッテリーで上位打線を三者凡退に打ち取った。13日の阪神とのファーストステージ第2戦では、八回に代打でCS初出場し初球を捉え左前打を放った。この日は6試合フル出場していた戸柱が八回に代走を送られ、しびれる場面でCS初マスクとなった。「ベンチでもできるだけ試合に入り込んで、同じ空気を味わおうと。(イニング間に)レフトにキャッチボールにいったり、できるだけフィールドに立とうと自分の中で心掛けていたこともあったので、そこまで『アッ』てなることもなく、いい緊張感を持ってできた」と振り返った。2年目でも堂々とプレーした。「緊張感ある中で被れたことが自分のこれからの財産にもなりますし、これから生かしていかないといけない経験だったのかなと思います」と語った。

◆いざ、総力戦!! 巨人・阿部慎之助監督(45)は運命の第6戦へ菅野、グリフィンの先発コンビをブルペンに待機させる方針を明かした。「グリフィンも入ってくれると言っていたので。総力戦で行きます」。第1戦から中4日で戸郷が先発のマウンドに上がり、第2戦に先発後に「僕も投げる準備をする」と語っていた菅野、第3戦に先発したグリフィンも救援登板に備える。3人合わせて計33勝(戸郷12、菅野15、グリフィン6)の3投手を動員する。また、この日で3連投となった大勢には「明日もいってもらう予定でいます」とプロ初の4連投を課す可能性も示唆した。DeNAに勝てば26日に日本シリーズが開幕するが、杉内投手チーフコーチは「(先発ローテーションなど)考えていない。今は明日勝つことだけ」と一戦必勝を強調した。(谷川直之)

◆指揮官の表情に落胆の色はなかった。紙一重の攻防で喫した零封負け。DeNA・三浦大輔監督(50)は「なかなかホームベースを踏ませてもらえなかった。相手に最高のプレーをされてしまった」と潔く振り返った。巨人の堅守に阻まれた。1点を追う七回は1死三塁で森敬が痛烈な当たりを放ったが、前進守備を敷いた遊撃の門脇に好捕され、本塁に突入した三塁走者の桑原が憤死した。八回は先頭の戸柱が右前打。続く代打の蝦名はバントを試みたが、猛チャージをかけた三塁の増田大にさばかれ、併殺を奪われた。日本シリーズ進出まで1勝に迫りながら2連敗を喫し、王手をかけられた。牧は「明日の一戦で全員が100%の力を出せるようにやっていきたい。明日勝てばいい」と気合を入れ直し、筒香は「もちろんプレッシャーがかかる場面はあると思う。それをはねのけないと勝てないことは全員が分かっている。全員で勝つ。それだけです」と口元を引き締めた。打線は相手を上回る7安打を放ち、投手陣は最少失点でしのいだ。三浦監督は「内容自体は悪くない」とうなずき「心は変えられる。プレッシャーのある試合ができる。気持ちを一つにしてDeNAらしく入っていけるように」と必勝を誓った。(鈴木智紘)

◆伏兵が決めた!! 「2024 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」はファイナルステージ(6試合制)の第5戦が行われ、リーグ覇者の巨人が3位DeNAに1―0で勝って2連勝し、優勝による1勝のアドバンテージを加えて対戦成績3勝3敗とした。五回、中山礼都(らいと)内野手(22)がプロ初本塁打となる決勝ソロを放った。21日の最終第6戦で巨人は勝つか引き分ければ、4年ぶりの日本シリーズ進出が決定する。心に決めた。「ファーストストライクから積極的に振る」。0-0の五回先頭、プロ4年目の中山が腹をくくって左打席に立った。2番手・山崎の代わりばな、147キロの内角直球を迷わず強振。美しい放物線を描いた白球は、オレンジ色に染まった右翼席へと吸い込まれた。「積極的にスイングした結果が本塁打になって最高。昨日のヒットがあったので、思い切っていけた」レギュラーシーズンを含めて自身初本塁打。クライマックスシリーズでプロ1号を記録するのは史上初だ。一塁ベースを回ると会心のガッツポーズを繰り出した。第3戦まで無安打でチームも3連敗。打席で積極性を失っていた。開き直った第4戦にCS初安打をマークして重圧から解放されると、第5戦は二回の右前打からの本塁打と調子をつかんだ。あの頃の自分は、もういない。愛知・中京大中京高から2021年ドラフト3位で入団。高い身体能力を持つ大型遊撃手と評価され、坂本の後継者として期待された。しかし3年目の昨季、坂本が三塁にコンバートされると、遊撃の座に就いたのは大卒ルーキーの門脇だった。悔しさを胸に秘め、習慣から見直した。練習で疲れているときでも寮に戻ったら必ず就寝前に毎日6分、読書をすることに。書店に足を運んで手にとったのは「男の覚悟 自分を誇れる生き方」(すばる舎)。著者はキックボクサーで、元K-1王者の山崎秀晃さん。世の中には競争をせずに観客席に座っているだけの人がいるが、あなたはそうなるな、リングの上で戦うファイターになれ-。そんな熱いメッセージに心が震えた。今季全143試合に出場した正二塁手の吉川は左肋骨を痛めて先発を外れているが、代役を務める伏兵が大きな1勝をもたらした。入団1年目から見てきた〝愛弟子〟に阿部監督は「あんな当たりは初めて見た」とユーモアを交えてたたえた。3連敗の崖っぷちから2連勝を飾り、3勝3敗(アドバンテージの1勝を含む)とした。2012年、CSファイナルで中日に3連敗しながら3連勝し、日本一まで駆け上がったシーズンを思い起こさせる。21日の最終第6戦で巨人は勝つか引き分ければ、4年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。指揮官は「本当に強いチームと言われるには明日勝つしかない」と最終決戦を見据えた。お立ち台で監督の決めぜりふ「最高でーす!!」を2度叫んだ中山は「明日も〝覚悟〟を持って打席に立って、結果を残せるように」と言い切った。ラッキーボーイになりそうな背番号40、中山礼都(らいと)。その名の通り、ライトへの大きな一発が、日本一へと続く道を照らした。(樋口航)★生まれ 2002(平成14)年4月12日、22歳。愛知県出身。★球歴 幼稚園の頃から野球を始める。愛知・中京大中京高出身。祖父・義治さん、父・慎也さんも同高野球部出身。高校時代は高橋宏斗(現中日)と同期で、2年秋に明治神宮大会を制覇。21年ドラフト3位で巨人入団。★名前の由来 イチローや高橋由伸ら一流は右翼手(ライト)が多いとの考えから慎也さんが名付けた。★珍練習 陸上男子100メートルで日本記録を持つ山県亮太を参考に、中学時代に車と競走して走力を鍛えた。50メートルは5秒9。★趣味 将棋。好きな駒は飛車。「真っすぐ突っ切っていく感じが大好き」。★サイズなど182センチ、82キロ。右投げ左打ち。年俸2260万円。背番号40。