巨人(★1対2☆)DeNA =クライマックスシリーズ2回戦(2024.10.17)・東京ドーム=
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DeNA
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巨人
0000010001500
勝利投手:大貫 晋一(1勝0敗0S)
(セーブ:森原 康平(0勝0敗1S))
敗戦投手:菅野 智之(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(1号・7回表ソロ)

  DAZN
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◆DeNAが連勝で対戦成績を2勝1敗とした。DeNAは0-0で迎えた5回表、森敬の適時打で1点を先制する。その後同点とされるも、7回にオースティンのソロで勝ち越しに成功した。投げては、先発・大貫が7回途中1失点7奪三振の好投。敗れた巨人は、打線が5安打1得点と振るわなかった。

◆巨人秋広優人内野手(22)が1軍に合流した。東京ドームでの試合前練習に参加。今季は26試合に出場し、打率2割6分1厘、0本塁打、1打点だった。

◆巨人がCSファイナル第2戦に臨む。二塁のスタメンには今季最後の3試合で10打数6安打と好調の中山礼都内野手(22)が起用された。また、右翼には8月中旬から右翼のスタメンに定着した浅野翔吾外野手(19)が入り、CS自身初スタメンとなった。先発は今季、15勝と勝率8割3分3厘で最多勝と勝率1位の2冠に輝いた菅野智之投手(35)が務める。

◆巨人中山礼都内野手(22)が吉川尚輝内野手(29)の登場曲を背に打席に入った。二塁スタメンで、プロ初の3番に起用された。1回2死で巡ってきた第1打席。出ばやしは、普段の「Mela!」ではなく「konomama」が流れた。左脇腹痛で欠場となった吉川の曲だった。第1打席は空振り三振に倒れたが、東京ドームがどよめいた。ロッカーも隣同士。CSファイナル初戦16日の試合前には「頑張れよ」と思いを託されていた。

◆パリ・パラリンピック競泳女子100メートル自由形(視覚障害S12)銅メダリストの辻内彩野(28)が始球式を行った。やや緊張した面持ちから放たれたボールは、惜しくも捕手の手前でバウンドした。それでも「なんとか(捕手が)キャッチできるところでまで届いたので安心してます」と笑顔を見せた。巨人ファンで、中でも阿部慎之助監督(45)のファン。「阿部監督の現役時代の背番号と、今日が10月っていうのと、私の誕生日が10月だったので」と、3つの意味を込めて背番号「10」のユニホーム姿で始球式に臨んだ。そんな阿部監督とは試合前に会話を交わし「東京パラの前に阿部監督からメッセージをいただいたのがすごく力になって。その時の映像をパリの前にも見たりしてたので、結果が出せたことも、しっかり伝えることができてとてもうれしかったです」と語った。

◆DeNA牧秀悟内野手(26)が、ファインプレーで先発の大貫を救った。1点リードの6回無死、二遊間への打球に追いつき、ジャンピングスロー。丸が一塁にヘッドスライディングし、1度はセーフ判定だったが、三浦大輔監督(50)がリクエストし、アウトに覆った。

◆DeNA森敬斗内野手(22)が、執念の先制打で先発の大貫を援護した。0-0で迎えた5回1死三塁、巨人菅野の初球のフォークに食らいつき、二遊間を破った。「先制することができてうれしいです。気持ちで打ちにいき、いいところに飛んでくれました。大貫さんをもっと援護できるように次の打席も頑張ります」巨人菅野の好投が続く中、先頭の宮崎が二塁打を放ち、桑原が犠打で三塁に進めた後、積極的にスイングし、主導権を握った。-【

◆巨人岡本和真内野手(28)が一時同点とする適時打を放った。1点を追う6回2死二塁、DeNA大貫の初球137キロカットボールを捉え、中前適時打とした。一塁ベースをオーバーランすると、両手をたたき、雄たけびをあげた。前夜は完封負けを喫していた。2戦目も5回まで大貫の前に無得点に封じられたが、4番がCSファイナル15イニング目で初得点をもたらした。

◆/歴史を刻む\蒼き彗星がライトスタンドへ#オースティン 勝ち越しホームラン?プロ野球(2024/10/17)?? 巨人×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#baystars pic.twitter.com/mxGEJdQM9h

◆DeNAが、巨人に連勝し、対戦成績を2勝1敗(巨人の1勝のアドバンテージを含む)とした。同点に追いつかれた直後の7回無死、タイラー・オースティン内野手(33)が「高めのボールに対して、力負けせずにいい感触で捉えることができました」と右中間席へ勝ち越しソロを放ち、試合を決めた。先発大貫晋一投手(30)は、巨人菅野と息詰まる投手戦を展開しながら、7回途中1失点と好投。7回2死一塁からは継投に入って、リードを死守した。DeNAは阪神とのCSファーストステージから、4連勝をマーク。投打ががっちりとかみ合って、17年以来となる日本シリーズ進出にまた1歩前進した。

◆巨人がDeNAの勢いに押され競り負けた。先発した巨人菅野智之投手(35)が4回まで無失点投球を披露。しかし5回に森のボテボテの当たりで先制適時打を許すと、同点に追い付いた直後の7回先頭のタイラー・オースティン外野手に勝ち越し本塁打を打たれた。打線はDeNA大貫を前に足踏みした。3回2死三塁ではオコエ瑠偉外野手が見逃し三振。1点を追う6回2死二塁で4番岡本和真内野手が、初球を中前へ運び同点適時打を放つものの、その1点にとどまった。前夜の完封負けに続き、打線を封じられての惜敗。アドバンテージの1勝を含めても2連敗で1勝2敗と黒星先行を強いられた。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手(33)が、一振りで豪快アーチを決めた。6回に好投を続けてきた大貫が巨人岡本和に同点適時打を浴びた直後だった。7回先頭、菅野の外角高めの150キロツーシームを捉えた。柵越えを確信する右中間への勝ち越しソロとした。オースティンは「高めのボールに対して力負けせず良い感触で捉えることができました。勝ち越すことができうれしいです!」と喜んだ。阪神とのCSファーストステージからポストシーズン3連勝と勢いに乗る打線の4番が勢いを見せつける豪快アーチ。前の打席まで2打席連続三振に打ち取られていた菅野から一振りで結果を示し、セ・リーグ首位打者の貫禄を見せつけた。

◆セ・パのCSファイナルステージ第2戦で、ほぼ同時に豪快なアーチがかかる珍しいシーンあった。東京ドームでは1-1の同点で迎えた7回に、DeNAタイラー・オースティン内野手(33)が巨人菅野から勝ち越しの右越えソロ。一方その頃、福岡のみずほペイペイドームではソフトバンク山川穂高内野手(32)が、2点リードの5回2死で日本ハム宮西から左越えソロを放った。山川は2夜連発となった。オースティンは筒香とハグ。山川は「どすこい」と、それぞれの"ホームランパフォーマンス"もほぼほぼ同時に披露。SNS上では「2画面で見てたら同時にホームラン打ってえぐい」、「目が忙しい」、「どっち見たらいいか迷う」など、遠く離れた東京と博多の"アベックホームラン"に興奮する声が上がった。

◆DeNAが、5併殺を奪われながら、巨人に1点差で競り勝った。4回無死一塁で佐野が二ゴロ併殺、5回1死一、二塁では大貫が捕ゴロ併殺、6回1死一塁では佐野が二ゴロ併殺に倒れ、3イニング連続で併殺打を記録した。8回1死一塁では梶原が二ゴロ併殺、9回1死一、二塁では宮崎が三ゴロ併殺に凡退した。再三、好機を逃しながら、0-0で迎えた5回1死三塁で森敬斗内野手(22)が先制打を放ち、同点に追いつかれた直後の7回にはタイラー・オースティン内野手(33)が決勝のソロを放った。先発大貫が7回途中1失点と好投し、7回2死一塁からは継投で逃げ切り、チームは阪神とのCSファーストステージ初戦から4連勝を飾った。

◆巨人阿部慎之助監督(45)が2試合でわずか1得点の打線に奮起を促した。1点を追う6回にオコエの二塁打、岡本和の適時打で一時は同点に追いつくも「あれしかないっていう点の取り方だったんだけど。何言ってもねしょうがないんで、明日まず1個、勝てるように」と淡々と話した。2試合で9安打1得点と打線に迫力を欠き、2連敗。アドバンテージの1勝を含め、1勝2敗と劣勢に立たされた。第1戦は佐野に先制ソロ、この日の第2戦はオースティンに決勝ソロを許すなど、相手の中軸にはことごとく決定打を浴びた。「うちは中軸になってないからね。なんとかみんなで打破しないといけない。俺が代打でいきたいぐらいだけど」と嘆き節だった。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手(33)が決勝ソロを放った。1-1の同点で迎えた7回、先頭で巨人菅野の外角高め150キロを捉えた。柵越え確信の右中間ソロでチームを2連勝に導いた。ヒーローインタビューで「菅野投手は日本を代表する投手で、今季もなかなか打つことができなかったんですけど、いい球が来たらしっかり1球で仕留めようと思って打席に入りました」と話した。6回に同点に追い付かれた直後の値千金の1発。CSはこの打席の前まで、12打数1安と当たっていなかった。「なかなか自分の思うようなバッティングができなかったんですけど、あの打席は何とか自分のバッティングをしようと強い気持ちで入って、それができたかなと思います」。これで巨人のアドバンテージを含めても2勝1敗とリード。「簡単に勝たせてくれるチームじゃないことはみんな知っている。また明日、我々の野球をしたい」と引き締めた。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手が、観戦に訪れた愛妻に決勝のアーチを届けた。同点に追いつかれた直後の7回先頭、巨人菅野の外角高めの150キロを豪快に右中間席に運んだ。「本当にいい気分です。昨日、奥さんと話してる時に『私が行ったら打てないんじゃないか』と心配してたので『そんなことないよ』って言ったので、打てて良かったです」と笑顔で話した。

◆DeNAが、巨人に連勝し、対戦成績を2勝1敗(巨人の1勝のアドバンテージを含む)とした。DeNAが巨人に連勝し、1S<1>戦から4連勝。同一年のCSで4連勝以上は19年ソフトバンクが1S<2>戦~ファイナルS<4>戦で6連勝して以来8度目で、DeNAは17年ファイナルS<2>~<5>戦に次いで2度目。今回のように1S<1>戦から4連勝以上は05年ロッテ、07年中日、14年阪神に次いで4度目となり、過去3チームはすべて日本シリーズへ進出している。DeNAは4、5、6、8、9回に併殺打を放ち、プレーオフ、CSの1試合5併殺打は新記録。日本シリーズでも82年<3>戦西武が記録しているだけで、ポストシーズンタイ記録。82年西武は併殺が響いて敗れたが、DeNAは投手陣の頑張りで併殺打を5本も打ちながら勝利した。

◆右肩のコンディション不良で第1戦はベンチを外れたDeNA森原康平投手が、復帰即3者凡退で試合を締めた。1点リードの9回に登板。先頭の岡本和をフォークで空を切らせるなど、2三振を奪った。「流れがずっと良かったので、先頭を取ればいけると思った。万全ではないですけど、みんな頑張ってるので、年齢が上の方の僕もやらないと」と覚悟を示した。

◆巨人浅野翔吾外野手(19)が、菅野の声に押されながら好守を見せた。「6番右翼」でCS初先発出場し、2回にDeNA森敬の打球に対し、猛ダッシュで前進。スライディングキャッチで好捕した。試合前には先発した菅野智之投手(35)から「積極的にいけ」と言われ、その言葉通り好守でバックアップ。試合は敗れ、チームはアドバンテージ含め1勝2敗と黒星先行した中で「(守備で)結果が出てよかった。もし出番があれば、しっかりと準備したい」と前を向いた。

◆巨人の4番岡本和真内野手(28)が唯一の適時打を放った。1点を追う6回2死二塁で、大貫の初球を中前へ運び一時同点。2回の中前打含め2安打をマークするも、打線全体でその1点にとどまった。前夜の完封負けに続き、打線を封じられての惜敗を喫し「負けたんで、意味ないですけど。もちろん明日は勝てるように頑張りたい。こういう試合で(気持ち)入っていない人はいない」と悔しさをにじませながら気持ちを切り替えた。

◆巨人菅野智之投手(35)が1球の選択を悔やんだ。同点に追い付いた直後の7回先頭、DeNAオースティンへの4球目だった。カウント2-1から内角を狙った150キロツーシームは外角高めの逆球となった。右中間への決勝ソロを献上。「フォアボールになるよりはと、てんびんにかけたのだけど、悔しい1球になりました」と唇をかんだ。際どいコースでカウントを悪くするよりも、強気にストライクゾーンを攻めた結果だった。勝利には導けなかったが、7回6安打2失点と役目は果たした。短期決戦だからと特別なことはしない。意図的に気持ちを作ろうとすると、完璧な準備を求め過ぎ、不安が先行する。大事な試合こそ気持ちは自然と高まる。緊迫する試合を何度も投げる中で、たどり着いた意識だった。4回無死一塁、佐野を二ゴロの併殺に仕留め、雄たけびを上げた。平常心を心がける中で、闘争心がみなぎった。DeNAに連敗し、アドバンテージを含めて1勝2敗と黒星が先行。CSファイナルが6戦目までもつれた場合、ブルペン待機する。今季は15勝をマークし、オフに海外FAでのメジャー挑戦を表明している。「最後までしっかり準備して。気持ちだけは切らさないようにやっていきます」。いつも通り次なる戦いを信じた。【上田悠太】

◆勢いが止まらない。DeNAが「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第2戦で巨人を下した。大貫晋一投手(30)が気迫の投球で6回2/3を5安打1失点と好投。今季最多の7三振を奪い、ロースコアゲームをもぎ取った。背中の違和感で9月に約1カ月、戦線離脱した右腕が復帰早々に大舞台で躍動。ファーストステージから破竹の4連勝に導いた。CSファイナルは巨人のアドバンテージの1勝を加えても2勝1敗とリード。17年以来の日本シリーズ進出まであと2勝、止まらずに突き進む。温厚な大貫が感情を爆発させた。1回、3者連続三振とこれ以上ない順調な立ち上がり。捕手の戸柱から「どうした? 出来過ぎちゃう?(笑い)」とイジられながらも、巨人打線を封じた。2回2死二塁では門脇を内角144キロ直球で見逃し三振。「一発勝負の戦いなので感情も出ますし、チームもすごく良い雰囲気なので、勢いがあるんじゃないかなと思ってます」。先制を許さず、チームの上向きの流れをつないだ。理論派右腕の真価を見せた。データや数字の活用を推進するチームのスタイルの中でも随一の「データリテラシー」の高さ。ただ単に表向きの数字を真に受けるのではなく、自らの感覚と照らし合わせた上で、データの本質的な意味まで理解する。アナリスト出身の大原チーフ投手コーチも「今いる選手の中では一番データを読み解くのが上手」と評するほどだった。実際に今季はキャンプ中からアナリストのデータを参考にツーシームを改良。「ピッチトンネル(打者がボールを振るか振らないか最終判断するホームベースの手前7メートル前後)を見て、アナリストの方やアドバイザーみたいな人に聞きながら、どういうボールが良いかを考えて取り組みたい」とキャンプ中から試行錯誤を重ねてきた。この日も巨人打線の狙いを巧みに読み解いた。改良したツーシームにカットボール、スプリットを駆使して7回途中5安打1失点で今季最多の7奪三振。「新しくしたツーシームもすごく手応え感じますし、カットボールの使い方も今シーズンで成長したなと思います」と手応えを口にした。エース東に加え、何度もバッテリーを組んできた伊藤も負傷離脱。台所事情が苦しく、重圧のかかる短期決戦の先発マウンドも「緊張感はありましたけど、こういう舞台で投げるために野球をやってる。幸せだなという思いが大きかったです」とかみしめた。日本シリーズ進出まであと2勝。大貫が渾身(こんしん)の投球でバトンをつないだ。【小早川宗一郎】▽DeNA三浦監督(5安打1失点で1点差を守り切って巨人相手に2連勝)「全体で見ればよく守り切ったと思います」

◆巨人・秋広優人内野手(22)が出場選手登録された。参加中だったフェニックスリーグが行われている宮崎から今朝、帰京。「朝、早かったです」と笑みを浮かべ、「呼んでもらったので、何とかチームに貢献できれば」と決意を示した。同リーグでは、視察に訪れた阿部監督の前で豪快な一発を放つなど、2試合連続本塁打を記録。「強く振ることはフェニックスを通してできたので、いい方向にいっていると思う」と自信をのぞかせた。試合前の全体練習で行ったフリー打撃では柵越えを連発。前日16日は零封負けを喫した打線の起爆剤として期待がかかる背番号55が万全を期して出番を待つ。

◆巨人・中山礼都内野手(22)がシーズンも含めてプロ初の3番で名を連ねた。シーズン終盤に代打で存在感を示し、みやざきフェニックス・リーグでも本塁打を放つなど好調をアピール。左脇腹の故障で欠場している正二塁手・吉川の代役として抜擢された。2年目の浅野翔吾外野手(19)は「6番・右翼」でCS初先発となる。

◆前日の第1戦を肩のコンディション不良で欠場したDeNAの守護神、森原康平投手(32)がベンチ入りメンバーに復帰した。三浦監督はこの日の全体練習開始前に森原について「きょうの練習を見て。動きを確認していけるかどうかっていうところ。これからキャッチボールを見ます」と語っており、右腕もキャッチボールなどで試合前調整をしていた。森原は今季、抑えを務めレギュラーシーズンでリーグ3位タイ、自己最多29セーブをマーク。阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは2試合ともベンチに入り、12日の第1戦では九回に6番手で登板し1回1失点でセーブを挙げていた。

◆DeNAは五回に森敬斗内野手(22)が先制の中前適時打を放った。これでCSはファーストステージから4戦中3戦で先取点を奪った。0―0の五回。好投を許していた菅野に対し、先頭の宮崎が二塁打で出塁。続く桑原が1球で犠打を決め、1死三塁の好機で内野が前進守備を敷く中で、森敬も1球目から仕掛け、低めの変化球に食らいつき、しぶとく二遊間を破った。

◆ベンチに入れずともチームの一員として戦い続ける。左脇腹を痛め、CSのメンバーから外れた巨人・吉川尚輝内野手(29)は第1戦を試合終了まで見届けてから東京ドームを後にした。「出られないのは仕方ない。応援するしかないし、それくらいしかできない」出場メンバーと別メニューだが、試合前はグラウンドでキャッチボールやノックをこなす。治療を受けて食事をとり、試合中はベンチ裏のモニターで戦況を見守った。練習後は帰宅することもできるが、副キャプテンとして「みんな頑張っているので応援したい」とナインに近い場所を選んだ。今季は全143試合に二塁手で先発出場し、リーグ優勝の立役者となった。一日でも早い復帰を目指しながら、チームの勝利を願っている。(優)

◆巨人・岡本和真内野手(28)が同点打を放った。0ー1の六回2死二塁、初球の137キロのカットボールを中前へはじき返し、同点適時打を放った。二走のオコエが本塁に生還するのを確認すると塁上で吠え、ガッツポーズを見せた。

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(33)が同点に追いつかれた直後の七回、右中間へ勝ち越しソロを放った。六回に岡本和の適時打で1―1に追いつかれた直後だった。七回先頭で打席に立ったオースティンは、菅野の高めに浮いた速球を逃さず捉えた。前日の第1戦は3打数無安打、この日も2打席連続三振に倒れていた主砲が、ここ一番で目覚めた。

◆DeNA・大貫晋一投手(30)が先発。七回途中5安打1失点、今季最多7奪三振の力投を見せた。冷静沈着な右腕が、序盤から気迫を前面に押し出した。一回は3者連続三振の立ち上がり。二、三回と得点圏に走者を背負いながらも本塁は踏ませなかった。六回に岡本和に同点打を浴びたが、オースティンの勝ち越し弾が出た直後の七回も2死を取り、四球後に代わった坂本が代打秋広を空振り三振に仕留めた。レギュラーシーズンでは6勝7敗に終わった右腕が、CS登板で意地を見せた。

◆DeNAが2連勝。対戦成績を2勝1敗とした(巨人に1勝のアドバンテージ)。DeNAは五回、「7番・遊撃」で出場した森敬が先制の中前適時打を放った。これで、今季のクライマックスシリーズ(CS)は2位阪神とのファーストステージ(甲子園)から4試合中3試合で先取点を奪った。0―0の緊迫した投手戦が続いた五回だった。好投していた菅野に対し、先頭の宮崎が左翼線への二塁打を放ち出塁。続く桑原が1球で犠打を決め、1死三塁と好機が広がった。巨人の内野陣が前進守備を敷く中で、森敬も1球目から積極的にスイング。低めの変化球に食らいつき、しぶとく二遊間を破り「気持ちで打ちにいき、いいところに飛んでくれた。先制することができてうれしい」と拳を握った。追いつかれた直後の七回にはオースティンが右中間へソロを放って勝ち越しに成功。カウント2―1から菅野の高めに浮いた速球を逃さず振り抜き「高めの球に対して力負けせず、良い感触で捉えることができた」と拳を握った。前日の第1戦は3打数無安打、この日も2打席連続三振に倒れていた主砲が、ここ一番で力を発揮した。

◆セ・リーグ3位のDeNAは投手戦を制し、巨人に2連勝。阪神とのファーストステージ(甲子園)から破竹のCS4連勝を飾った。前日の第1戦を肩のコンディション不良で欠場した守護神、森原康平投手(32)が2―1の九回に4番手で登板。クローザーとして戻ってきた右腕は先頭の岡本和を空振り三振に打ち取るなど、三者凡退で1点差を守り切り復活セーブを挙げた。

◆DeNAは1-1で迎えた七回、オースティンが右中間に勝ち越しソロを放ちチームを連勝に導いた。先発の大貫晋一投手が6回2/3を投げ1失点と好投し、救援陣が巨人打線に点を与えなかった。以下、オースティンのヒーローインタビュー。--同点に追いつかれた直後の打席「ここまで自分の思うようなバッティングができなかったんですけれども、あの打席はなんとか自分のバッティングをしようと強い気持ちで打席に入りました」--打席を振り返って「菅野投手は日本を代表する好投手で、今シーズンもなかなか打つことができなかったんですけれども、その中でもよい球が来たらしっかり1球で仕留めようと思っていた」--打った感触は「とてもよかった」--チームは連勝「本当にチーム全員一丸となっていい野球ができてる。ジャイアンツは非常に素晴らしいチームなので、また明日も同じような熱量を持って臨みたい」--チームの雰囲気は「非常にいい雰囲気なんですけども(巨人は)簡単に勝たせてくれるチームじゃないことはみんな知っていると思うんで、また明日、我々の野球をしたい」--ファンに向けて「応援ありがとうございます。皆さんの応援が力になっています。また明日も球場に来てください」

◆【プロ野球CS2巨人対DeNA】7回 DeNA・オースティンが勝ち越しの右越え本塁打を放つ。2対1=東京ドーム(撮影・荒木孝雄)

◆巨人は惜敗で2連敗。阿部慎之助監督(45)は岡本和の適時打での1点に終わり、2試合で計1得点の打線を「うちは中軸になってないからね。なんとかみんなで打破しないといけないし、 俺がここで文句言ったってやるの選手だしね。俺が代打行きたいぐらい」と嘆いた。相手は4番・オースティンが本塁打、宮崎が先制の口火を切る二塁打を放つなど中軸が機能したが、巨人は4番の岡本和が2安打したのみで、3番に起用された中山礼都、5番の坂本がともに4打数無安打に終わった。1点を追う六回にオコエの二塁打で好機を作り、岡本和が同点打。指揮官は「あれしかないっていうね、点の取り方だった」と振り返り、7回2失点だった菅野は「 いっぱいいっぱいでしょ。精いっぱい頑張ってくれた。なんとか最小失点でやってくれたから攻めらんない」とねぎらった。

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(33)が同点に追いつかれた直後の七回、右中間へ決勝のソロを放った。菅野の高めに浮いた速球を逃さず捉え「狙っていたわけではないが、前の2打席も全然自分の打撃ができず凡退したので、いい球が高めにきたら反応しようと思って、それが良い結果につながった」と胸を張った。前日の第1戦は3打数無安打、この日も2打席連続三振に倒れていた主砲。夫人でモデルのステファニー・ダナさんが観戦に訪れていたことを明かし「昨日、奥さんと話しているときに、私が行ったら打てないんじゃないかというのを危惧していたので、いや、そんなことはないよと言ってきょうも来てもらったので、打ててよかった。本当にいい気分です」と相好を崩した。

◆前日の第1戦を肩のコンディション不良で欠場したDeNAの守護神・森原康平投手(32)が2―1の九回に4番手で登板。先頭の岡本和を三振に仕留めるなど、三者凡退で1点差を守りセーブを挙げ「気持ちいいです。ブルペンで見ていても流れは良かったので、先頭を取ればいけると思っていた」と語った。ベンチ入りメンバーを外れた前日は球場に残り勝利の瞬間を見届け「僅差をものにしたゲームを見て、勝ったあとの雰囲気とかを見て、勝ちたいなという思いで。勝ち上がっていきたいので、何とか最後は気持ちです」と明かした。首脳陣、トレーナーらの慎重な最終チェックを受けてベンチ入り。誰もが疲労のたまっている最終盤での登板に「具合はまあ、ベストではないです。(マウンドに)上がったときは絶対、言い訳はできない。トバさん(戸柱捕手)は打者をどう抑えるかを考えていると思うので、僕もしっかり意図を組みながら投げるだけ」と語った。

◆打球が右翼席に吸い込まれると、巨人・菅野智之投手(35)は顔をしかめた。1―1と追い付いた直後の七回、先頭のオースティンにカウント2-1から150キロの速球を捉えられた。「調子が良かっただけに...。あそこはフォアボールとかと、てんびんにかけたけど、悔しい1球になりました」リーグ最多の15勝を挙げて復活を果たした今季、首位打者のオースティンに対して6打数1安打。来日から一本も許していなかった本塁打を、短期決戦で浴びた。四回から3イニング続けて併殺打を打たせるなど7回2失点と先発の役割は果たしたが、手痛い黒星を喫した。4年ぶりの優勝の立役者となったシーズン終了後、海外フリーエージェント権を行使して米大リーグに挑戦する意向を表明。CS前は「今はチームが日本一になることしか考えていない」と気合を入れていた。第6戦が行われる場合に登板の可能性がある。「最後までもつれたら投げる準備をしていく。気持ちは切らさないように」と表情を引き締めた。(原田優介)

◆DeNAは1-1で迎えた七回、オースティンが右中間に勝ち越しソロを放ちチームを連勝に導いた。先発の大貫晋一投手が6回2/3を投げ1失点と好投し、救援陣が巨人打線に点を与えなかった。データBOXは以下の通り。?DeNAが第2戦に勝利し、対戦成績を2勝1敗(巨人にアドバンテージの1勝)と勝ち越した。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで1勝1敗から先に2勝目を挙げたケースは過去14度うち、日本シリーズに勝ち上がったのは9度、突破率は64・3%。セでは過去5度のうち日本シリーズ進出が4度で突破率は80%。逃したのは2012年の中日。?DeNAのように●○○のケースは過去7度のうち4度進出、突破率は57・1%。?プレーオフ、CSのファーストステージ(S)第1戦から4連勝以上したのは05年のロッテ(4連勝)、07年の中日(5連勝)、14年の阪神(1分けを挟んで5連勝)に次いで10年ぶり4度目。過去3度はいずれも日本シリーズ進出。?DeNAがCSで4連勝したのは球団最多タイで、17年ファイナルS第2-5戦(対広島)以来7年ぶり2度目。?DeNAの1試合5併殺打は日本シリーズを含めたポストシーズンで最多タイ。82年日本シリーズ第3戦の西武に次いで42年ぶり2度目で、試合に勝利したのは初。プレーオフ、CSでは12年ファイナルS第4戦の巨人の4併殺打を上回る新記録。

◆DeNA・大貫と今季2度目のバッテリーを組んだ戸柱は「どの球種もまんべんなく投げられるので、そこを生かすも殺すも捕手。安心して投げられるようにするのが一番だと思った。特にカットボールと落ちる球が良かった」と好投へ導いた。今季正捕手に成長した山本や伊藤が相次いで離脱する中、日本シリーズまで進んだ2017年の下克上を知る経験豊かな34歳は「(山本)祐大や光さんがいるときも、同じふうに考えて戦っていこうと続けてきた」と、CSで見せる好リードの要因を明かした。(東京ドーム)

◆「2024 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」はファイナルステージ第2戦が行われ、レギュラーシーズン3位のDeNAがリーグ王者の巨人に2-1で競り勝ち、2連勝を飾った。巨人の1勝のアドバンテージを含め、2勝1敗とした。五回に森敬斗内野手(22)が菅野智之投手(35)から先制打。打者3人、わずか4球の先制劇で主導権を握り、最多勝右腕を攻略した。先行は勝利の鉄則-。短期決戦、それも投手力に優れる巨人が相手となれば、なおさらだ。DeNA打線は流れるような先制劇で主導権を握り、三浦監督は「積極的にいった中での先制点。先に1点を取れたことが大きかった」と勝因を語った。均衡を破ったのは五回。先頭の宮崎が菅野の2球目を捉え、三塁線を破る二塁打で好機を演出すると、続く桑原が1球で犠打を決めた。1死三塁で打席を迎えた森敬は、初球打ちで外角のフォークボールに食らいつき、前進守備の二遊間を破った。4球で挙げた先制点。森敬は「まずは1点が大事になると思っていた。気持ちで打ちにいき、いいところに飛んでくれた」と納得の表情を浮かべた。1-0から追いつかれた直後の七回には、オースティンが右中間席へ決勝ソロ。レギュラーシーズンで15勝を挙げた最多勝右腕を攻略した。今季の巨人は先取点を挙げた78試合で60勝。勝率は8割を誇った。DeNAの攻撃面で作戦立案を支える靍岡オフェンスチーフコーチは「巨人の投手陣は勝ちパターンが強いのはもちろん、1、2点ビハインドでもしっかり投げられる」と分析。「先制点が欲しい。1点を勝ち越すぐらいの状態で試合を運ばないと」と思い描いていた。エースの東ら故障者が相次ぐ中、22歳で今季レギュラーシーズンの出場が71試合だった森敬が、ベテランの戸柱や筒香らに負けじと攻守で存在感を発揮。CSは打率・385(13打数5安打)。2020年に神奈川・桐蔭学園高からドラフト1位で入団した遊撃の有望株は「何とか残りのメンバーでやらないと。みんなそういう気持ちだから一体感が生まれている」と気を引き締めた。シナリオ通りの展開で巨人に2連勝を飾り、ポストシーズンの連勝を4に伸ばした。セ・リーグのファイナルステージ第2戦で勝利したチームは、13年から10年連続で日本シリーズに進出している(20年はコロナ禍で実施せず)。〝運命の第2戦〟を制し、巨人のアドバンテージを含めても1勝差でリード。三浦監督は「5併殺打もあって流れが向こうにいきかけた中でも、よく守りきった。今日はもう終わった。明日に向けてやるだけ」と勝ってかぶとの緒を締めた。(鈴木智紘)

◆レギュラーシーズンを制した巨人の打線に火がつかない。零封負けの第1戦に続き5安打1得点に終わり、2連敗。阿部慎之助監督(45)は苦笑いで嘆いた。「うちは中軸になっていないからね。何とかみんなで打破しないといけない。ここ(会見)で文句を言ったって、やるのは選手だしね。俺が代打で行きたいくらい」1点を追う六回に4番・岡本和が中前適時打でチームの今クライマックスシリーズ初得点を刻んだ。「あれしかないっていう点の取り方」と指揮官が表したようにプロ初の3番に起用された中山、5番の坂本がともに4打数無安打に終わり、畳みかける攻撃ができない。DeNAの4番オースティン、5番宮崎が長打で得点に絡んだのとは対照的に、打つべき打者に快音がない。1番丸、初出場となった6番浅野も無安打。強打の捕手だった阿部監督は〝代打・俺〟とコールしたいほど頭を抱えている。シーズン終盤に3番として打線を引っ張った吉川を左脇腹痛で欠く。第1戦は2番に増田大、3番にオコエ、この日は3番に中山。好調の控え選手を上位に起用したが、打線は2試合を通じて連打が一度もない。アドバンテージを含めて1勝2敗となり「何を言ってもしようがない。明日まず1個勝てるように」と指揮官。流れを変える役者の登場が待たれる。(谷川直之)

◆「ハマの豆苗」は大舞台で輝く。DeNA・大貫晋一投手(30)が七回途中1失点で2連勝に導き、拳を握った。「レギュラーシーズンはなかなかチームの力になれなかった悔しさもあった。1つ勝つことができてすごくうれしいし、まだまだチームのために腕を振りたい」短期決戦のマウンド。「5、6回投げるというふうには最初から考えていなかった。初回から全力で投げた」と一回は3者連続奪三振の立ち上がり。冷静な右腕が感情をむき出しに。伊藤が離脱し、今季2度目のバッテリーとなった戸柱との呼吸もバッチリで、今季最多7奪三振で巨人打線を封じた。今永、バウアーが退団した今季、軸として期待されながら6勝7敗。9月上旬には背中を痛めての離脱もあった。3位が決まっていた10月6日の中日戦で復帰し、7回無失点。CSでの先発の座を確保した。2022年に負ければ敗退のファーストステージ第2戦(対阪神)に先発でCS初登板し、七回途中無失点で勝利した右腕が、またしても大一番で好投した。エースの東が故障離脱する中で「けがをしてしまった選手の分も背負って。そういう思いはチームみんなが感じている」と自覚十分にチームを支えた。(浜浦日向)

◆大貫は一回からインパクト十分なピッチングだった。丸、オコエ、中山を3者連続で空振り三振。第1戦で無得点に終わり、さあ今日から! いや今日こそは!! と意気込む巨人の空気を、逆に重苦しくさせた。豊富な球種で内外角の投げ分けはもちろん、高めでファウルや見逃しを取り、フォークボールなどの低めの球で仕留める。左右と上下を駆使して、自由にスイングさせなかった。第1戦のケイに続き、「ゲームをつくる」というレベルを超え、戸郷と菅野にしっかり勝ち切った。しかも、レギュラーシーズンではカード勝ち越しすらおぼつかなかった上位2チームに対し、CSでは一転、連勝、連勝とは。さらにいえば、ロー・スコアの試合で5併殺を喫しながら勝てることなど、ほとんどない。勝負事は本当に分からないし、これが短期決戦の面白さともいえる。その裏では、三浦監督が選手に「ミスはすぐ忘れろ」と伝えたことも効いているのではないか。あくまでチャレンジャー精神で開き直り、思い切ってぶつかる。上位チームが身構えているように映るのも、DeNAがより生き生きと戦っているからだろう。三浦監督はまた、レギュラーシーズンと違い、中盤以降は送りバントをさせている。前日が2つで、この日も2つ(1度は失敗で併殺)。そのうち得点につながったのが2度。着々と短期決戦用の作戦も準備していた、ということだ。第3戦も先取点を取れるようなら、巨人もバタバタすると思う。(サンケイスポーツ専属評論家)