1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ハム | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 7 | 0 | 1 |
ソフトバンク | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | X | 5 | 11 | 0 | 3 |
勝利投手:有原 航平(1勝0敗0S) (セーブ:オスナ(0勝0敗1S)) 敗戦投手:伊藤 大海(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆ソフトバンクがファイナルステージ初戦を制した。ソフトバンクは2回裏、正木の適時打で先制する。直後に同点とされるも、3回に山川の適時二塁打で勝ち越すと、続く4回には今宮のソロでリードを広げた。投げては、先発・有原が7回2失点8奪三振の粘投。敗れた日本ハムは、先発・伊藤が試合をつくれなかった。
◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が試合前に母校早実の大先輩、ソフトバンク王貞治球団会長(84)にあいさつした。右手を差し出してくれた王会長に、清宮は両手でがっちりと握手。王会長から「絶好調だね」と声をかけられて、照れくさそうに笑みを浮かべた。清宮はロッテとのCSファーストステージ3試合で12打数4安打2打点、打率3割3分3厘をマーク。12日の第1戦こそ無安打だったが、13日の第2戦から2試合連続で2安打。14日の第3戦では2点を追う3回に同点に追いつく2点右前適時打を放つなど、レギュラーシーズン中の好調さを継続して福岡入りした。
◆ソフトバンク近藤健介外野手(31)がスタメン復帰した。「5番DH」。出場は右足首を捻挫した9月16日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来、ちょうど1カ月ぶり。ファームの試合を含めても実戦復帰はなく、ぶっつけ本番でファイナルステージの舞台に戻ってきた。右太もも裏の負傷から再起した柳田悠岐外野手(36)は「1番右翼」で出場する。
◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(36)が6年ぶりに1番起用された。「1番右翼」。ポストシーズンを含めても18年7月10日の日本ハム戦(東京ドーム)以来。レギュラーシーズンでは過去9試合で打率3割8分9厘、1本塁打、4打点だった。ポストシーズンでは17年の楽天とのCSファイナルステージ第5戦で1番起用があった。右脇腹痛から緊急昇格し、「1番中堅」で電撃復帰。初回の第1打席で遊撃内野安打を放って一挙3得点。日本シリーズ進出に貢献していた。今回も1番打者として勝利に導けるか。柳田は5月31日の広島戦で右太もも裏を負傷し、4カ月後の9月30日オリックス戦で1軍復帰していた。
◆パリ五輪の柔道男子66キロ級で金メダルの阿部一二三(27)が始球式に登場した。名前にちなみ「123」の背番号がついたホークスのユニホーム姿で登板した。「思い切り投げようと思って」と投じた1球は見事なストライク投球だった。「100点ですね。すごくいいコースに投げられたので満足しています」と笑顔だった。始球式は人生で2度目。21年の巨人-中日戦以来だという。「前回は置きにいってしまったので、今回は思い切って投げられた」と振り返った。ただ、球速は87キロで「(球速)123キロ出そうって言って練習してたんですけど」と悔しさをにじませていた。
◆ソフトバンク近藤健介外野手(31)がいきなり復活を印象づける一打を放った。「5番DH」でスタメン出場。0-0の2回1死の1打席目だ。日本ハム伊藤から中越え二塁打をマークした。カウント1-2からの5球目、真ん中低め146キロスプリットを仕留めた。続く今宮、正木の2連打で先制のホームを踏んだ。近藤は9月16日の敵地オリックス戦で右足首を捻挫していた。この日が1カ月ぶりの実戦復帰。ぶっつけ本番でポストシーズンの舞台に戻ってきた。試合前は「シーズン最後は出られなかったので。短期決戦で出場したい思いはあった」と決意をにじませていた。
◆14日のCSファーストステージ・ロッテ戦の試合前練習でノックの打球が顔面直撃し鼻骨骨折した伏見寅威捕手(34)が「8番・捕手」でスタメン出場し、第1打席で、いきなりヒットを放った。右目下には痛々しいあざが残る中、3回無死一塁で登場。ソフトバンク先発有原の初球、外角へのカットボールを左前へ運んだ。一塁上では3回手をたたき喜んだ。SNS上では「すごい、ヒット打ってる ちゃんと見えてるんだっ(そりゃそうだ)」「鼻痛いのにヒット ありがとう」「魂の安打に涙が止まらない」などと、驚きと歓喜のコメントが相次いだ。日本ハムは、この一打で無死一、二塁とし、中島の送りバントで1死二、三塁とチャンスを広げ、1番矢沢の三塁内野安打で同点に追い付いた。
◆ソフトバンク川瀬晃内野手(27)がスーパープレーを見せた。1-1の3回1死一、三塁の場面。中堅へ抜けそうな日本ハム松本剛の打球を、二塁手の川瀬が横っ飛びした。捕球と同時に、遊撃手の今宮健太内野手(33)へ素早くトス。今宮が一塁へ送球し、4-6-3の"スーパーゲッツー"でこの回のピンチをしのいだ。本拠地のファンからは大きな歓声が上がった。
◆ソフトバンク川瀬晃内野手(27)が"伊藤キラー"ぶりを発揮した。「2番二塁」でスタメン出場。日本ハム伊藤大海投手(27)には今季19打数7安打、通算でも30打数12安打で打率4割の好成績を誇っていた。1回の第1打席で中前打を放つと、1-1の3回1死でも中前打。2死一塁で4番山川穂高内野手(32)の中越え勝ち越し二塁打を呼んだ。CSに限っても22年は7打数4安打、23年は13打数4安打で通算20打数8安打、打率4割。3回の守備では松本剛の中前に抜けそうな打球をダイビングキャッチし、併殺を完成させた。伊藤キラー&CS男が早速マルチ安打に好守備と結果を出した。
◆日本ハムはフランミル・レイエス外野手(29)が反撃ののろしを上げるCS初アーチを放った。3点を追う7回先頭。ソフトバンク有原のスライダーを捉えて、左中間のホームランテラスへ放り込んだ。試合中のホームラン談話は「ノーコメント。チームが勝つまでコメントはありません」。闘志むき出しの助っ人大砲の1発は今後の戦いへ向けても好材料となりそうだ。
◆/打球音を置き去りに\レフトスタンド一直線#山川穂高 ロケット弾を"ぶっぱなす"?プロ野球(2024/10/16)?? ソフトバンク×日本ハム??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#sbhawks pic.twitter.com/cSLOWt8CSI
◆パ・リーグ王者のソフトバンクが第1戦に勝利し、アドバンテージを含む2勝を挙げた。20年以来4年ぶりの日本シリーズ進出まであと2勝。ファーストステージを逆転連勝で勝ち上がってきた日本ハムを止めた。2回に右足首の捻挫から復活した5番、近藤健介外野手(31)の中越え二塁打から先制。同点に追いつかれた3回には山川穂高内野手(32)が勝ち越しの中越え二塁打を放った。4回は今宮健太内野手(33)、5回には栗原陵矢内野手(28)のソロも飛び出した。投げては先発の有原航平投手(32)が7回6安打2失点の力投。今季の最多勝右腕が重要な1戦目で奮闘した。
◆王者ソフトバンクが勝利し、アドバンテージを含む2勝を挙げた。20年以来4年ぶりの日本シリーズ進出まであと2勝。試合後の小久保裕紀監督(53)の一問一答は以下の通り。-日本ハム伊藤から11安打で快勝小久保監督 先制した後に効果的なホームランが随所に出たんでね。全体的には試合を有利に運べました。-3本塁打が出た小久保監督 うーんまぁ、もちろんホームランはすごいんですけど、今日はもう何と言っても川瀬晃じゃないですかね。あのイニング(2回の守備)。あのゲッツー。(1-1の1死一、三塁で)あそこ逆転されてたらああいう風にすんなり追加点は奪えなかった展開になっていたかもしれない。今日は川瀬に尽きると思います。-有原は7回2失点小久保監督 エースらしい堂々としたピッチングだった。レイエスのホームランはありましたけど、ランナーためるよりは全然問題ない1発だった。7回で切りましたけど、8回ヘルナンデス、9回オスナとプラン通りに起用しました。-近藤は右足首の捻挫から復帰し、1打席目で安打小久保監督 バッティングは全然心配してないですけど、足がどうかなって思ったら、思ったより走ってたので。ちょっと明日の反動をしっかり確認しないといけないかなという風に思います。-アドバンテージを含めて2勝0敗。初戦で白星小久保監督 めちゃくちゃ大きいなという風に思います。柳田にはヒットは出なかったですけど、他の打撃陣もみんなコンスタントにヒットが出た。全体的にはいいスタートが切れた試合だったと思います。
◆日本ハムCS初出場の矢沢宏太が一時同点となる適時内野安打を放った。「1番左翼」でスタメン出場。1点を追う3回1死二、三塁で三塁前へボテボテのゴロを放ち、快足を飛ばしてセーフにした。「(中島)卓さんが1発バントを決めてくれたので入りやすかった」。起用した新庄監督は「あのヒット打ってくれると思って。足あるから。めっちゃうれしかった」と喜んだ。
◆パ・リーグ王者のソフトバンクが第1戦に勝利し、アドバンテージを含む2勝を挙げた。ソフトバンクがアドバンテージの1勝を含め2勝。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗は過去30度あり、17年広島を除く29度が進出。突破率は97%と高く、パ・リーグでは19度中19度進出の100%だ。みずほペイペイドームでのCSはこれで19年ファーストS2戦から7連勝。プレーオフ、CSでの本拠地7連勝は、12~13年巨人と14~16年ソフトバンクの各6連勝を上回り、最長記録を更新した。
◆ファーストステージ初戦で7回途中2失点で敗れた日本ハム加藤貴之投手が、中4日でファイナルS第2戦の先発マウンドに上がる。「大事な試合になりますが、やるだけなので初回から全力で投げたいです」。今季、ソフトバンク戦は4試合に投げて3敗、防御率4・79と相性は悪いが「レギュラーシーズンとは違う気持ちで、チームが勝てるようにしっかりと腕を振っていきたいです」と意気込んだ。
◆日本ハムが初戦を落とした。CSファーストステージで温存した先発伊藤大海投手(27)が6回途中、97球を投げて4失点。打線は3回に1番スタメンで抜てきされた矢沢宏太投手(24)が3回に適時内野安打、7回にフランミル・レイエス外野手(29)がCS1号となるソロ本塁打を放ったが、ソフトバンク先発の有原を打ち崩せなかった。4戦先勝のCSファイナルステージ。アドバンテージを含めて0勝2敗からのスタートとなった新庄剛志監督(52)の一問一答は以下の通り。新庄監督 まだまだまだぁ(笑い)。明日、明日~。ロッテ戦もね、最初負けてから勝ったんで、全然。4勝されるまでは、もうみんな間違いなくあきらめないんで。しかし、あんだけね、相手、あの速い真っすぐを打ち返すんですから、大したもんですよね。感心しました。さすがやなって(笑い)。(CSまでの調整は)バッティングしか、してないでしょ...っはあ~。-先発伊藤の出来は新庄監督 見たまま。もう、ああだこうだ言わない。見たままです。また次もあるから。-矢沢を1番スタメンで抜てき新庄監督 いや、今日あのヒット(3回の適時内野安打を)打ってくれると思って。-ボテボテの新庄監督 足あるから。それか、カポ~ンともう1、2、3で。どっちかかな。めっちゃうれしかったです。それ、それそれって。-9番二塁でスタメン起用した中島も犠打を決めた新庄監督 ちょっとピッチャー返しがはじかれましたけど。経験のある選手なんで、なんかやってくれたらなって。バントもしっかり決めてくれたし。-CSファーストステージとはちょっと違うメンバーをスタメンにしたのは監督が決めた新庄監督 もちろん。もちろん、もちろん。そんな苦手意識なかったんで。でもね、伊藤君の打たれたボールが変化球っていうところと、もう~2個くらい低かったらよかったかな。まあ、まだあるからね。-鼻骨骨折の伏見は、伊藤との相性も考えてスタメンバッテリーを組ませた新庄監督 うん。でも、ああだこうだ言う試合じゃないし、もう自信を持って送り出した選手がね、何か起こしてくれっていう。-伊藤は次も先発で準備新庄監督 もちろん。本人が一番悔しいでしょう。ここまで(他のチームメートのおかげで)自分にもう1回投げさせてもらえる場面をつくってくれてね。今日ね、ちょっと4失点してしまってね。次は今年の最後の意地っていうのをね、見せてもらいたいと思いますよね。-伊藤は間隔を詰めて投げることもまあまあ、来たら分かります、そういうのは。オッケー?-出場選手登録が抹消された池田の状態は新庄監督 ダメ、ダメ。抹消。-どこを痛めた?新庄監督 内緒。
◆ソフトバンク守護神オスナがきっちり9回を3人で仕留めた。1発のあるレイエス、万波をカットボールで連続空振り三振。最後は郡司を直球で遊ゴロに打ち取った。「感じは良かった。勝ったことが一番うれしい。結果が出てよかった」と笑顔を見せた。腰部のコンディション不良でシーズン途中に離脱。リーグV決定後も3軍戦に登板するなど復調へ調整を続けてきた。「大事な試合が続くし、相手も素晴らしいチーム。1試合1試合が大事。今日のことは忘れて、明日に向けてまた準備します」と信頼に応えるつもりだ。
◆短期決戦でも鷹のエースは頼りになる! ソフトバンク有原航平投手(32)がCS初陣マウンドで古巣から初勝利を挙げた。7回81球を投じ、6安打2失点で8奪三振。移籍後は2年間で日本ハム戦に通算5試合先発も、0勝2敗とパで唯一勝ち星がなかった。「今日は内容よりも、勝ちだと思っていたので」。ポストシーズンで借りを返す快投だった。最後は気持ちで押し込んだ。2点差に迫られ、なおも7回2死二、三塁。ここで代打の浅間を打席に迎えた。「三振を狙っていた」。わずか2球で追い込んだ。最後は外角低めへチェンジアップを投じ、バットに空を切らせた。「イメージ通りに投げられた」。勝負の局面を抑え、クールな右腕も思わず雄たけびだ。エース同士の投げ合いを制した。相手の先発は伊藤。今季ともにリーグトップの14勝をマークした最多勝右腕同士の対決だった。有原は「意識はしていない」と目の前の打者に集中。3回に先制点を与え、7回はレイエスにソロ被弾を許したが、要所はきっちり締めた。試合後は「今日は川瀬の守備だったり、本当に守備に助けられた試合でした。めちゃくちゃ助かりました」と感謝しきりだった。小久保監督は「エースらしい堂々としたピッチングだった」と称賛。有原は「いい形で勝てたので本当に良かった」と胸を張った。アドバンテージ1勝を加え、日本シリーズ進出まであと2勝。背番号17がきっちりチームに流れを呼び込んだ。【佐藤究】
◆2番二塁のソフトバンク川瀬晃内野手が攻守で大奮闘した。3回1死一、三塁の守備。中堅へ抜けそうな打球に横っ跳び。素早く二塁にトスし、併殺でこの回のピンチを断った。「自分の中でも自信になるプレーだった。こういう舞台で出せたので良かった」。打っても初回1死、3回1死から中前打。対戦した日本ハム伊藤とは通算打率4割の好相性だったが、短期決戦でも2安打と"伊藤キラー"ぶりを発揮した。
◆戦いは始まったばかりだ。「2024パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージが開幕し、日本ハムは初戦を落とし、アドバンテージを含め2敗となった。だが14日の練習中に打球が顔面を直撃し鼻骨を骨折した伏見寅威捕手(34)が、強行スタメンでフル出場し1安打1犠打。精神的支柱の魂あふれるプレーが、逆転突破へチームを再加速させる。日本ハム新庄剛志監督(52)は明るく言った。「まだまだまだぁ(笑い)。明日、明日~。(CSファーストの)ロッテ戦もね、最初負けてから勝ったんで、全然」。目標とする日本シリーズ進出へ向けて肝と位置付け、ロッテ戦で温存した投手2冠の伊藤を先発させたCSファイナル初戦は黒星。アドバンテージを含めて0勝2敗スタートとなったが、「4勝されるまではみんな間違いなく、あきらめないんで」。前向きな言葉を並べた。素直に柳田、近藤が戻ったソフトバンク打線に感心した。「あの速い真っすぐを打ち返すんですから、さすがやなって(笑い)。(CSまでの調整は主に)バッティングしかしてないでしょ...」。プロ入り後の最速154キロもマークした伊藤に対応した相手打線をほめるしかなかった。伊藤の出来については「見たまま。もう、ああだこうだ言わない。見たままです」。多くは語らなかったが、残り最大5試合の中で「また次もあるから」と中3日の第5戦か中4日の第6戦での先発を示唆。「本人が一番悔しいでしょう。次は『今年の最後の意地』を見せてもらいたい。(先発する日は)来たら分かります」と不敵な笑み。伊藤も「そのつもりで、しっかり準備したい」と言った。日本ハムは、このままでは終わらない。【木下大輔】
◆CS男のソフトバンク今宮健太内野手が1発を含む3安打1打点の大活躍だった。4回先頭の第2打席。日本ハム伊藤の直球を仕留め、左翼ホームランテラス席へ突き刺した。「初球から思い切ってスイングをしようと」と狙い通りの一打だった。2回1死二塁は左前打、6回先頭は内野安打と猛打賞をマーク。19年は西武とのCSファイナル第4戦で1試合3発を放った。24年もお得意の短期決戦で存在感を示した。
◆戦いは始まったばかりだ。パ・リーグのCSファイナルステージが開幕し、日本ハムは初戦を落とし、アドバンテージを含め2敗となった。だが14日の練習中に打球が顔面を直撃し鼻骨を骨折した伏見寅威捕手(34)が、強行スタメンでフル出場し1安打1犠打。精神的支柱の魂あふれるプレーが、逆転突破へチームを再加速させる。右目の下にマスク越しにでもはっきりと分かる大きなあざを付けながら、伏見は戦い抜いた。「痛みとかそういう話はしないと監督と決めていた。出る以上は関係なく」。試合後のボクサーのように腫れ上がったまぶた。視界についても「出る以上は、何があっても言うつもりはない。普通の選手として出ました」と、強い口調で話した。そんな状況で迎えた3回無死一塁での第1打席。いきなり打った。「展開的にも一気にバッといきたいっていう流れで。初球からいきました」。有原のカットボールを捉え左前に運び、一塁上で3度手をたたいて喜んだ。続く中島の犠打で1死二、三塁と好機が広がり、矢沢の適時内野安打で得点につながった。再度負傷する危険性もある中、出場は伏見自身の判断に託されていた。「昨日(15日)の状態次第ってところだった」。体を張って出ることを決断し、プレーできると伝えると、新庄監督からインスタグラムのDMで「じゃあ行くぞ」と返事が来た。決まったからには言い訳はなし。スタメン起用の期待に応え最初の打席で安打を放つと、7回1死一、二塁では恐怖心など一切見せず、一塁線へ送りバントも決めた。アドバンテージを含め2勝分リードされた格好になったが、追い込まれてこそパワーを発揮するのが今季の日本ハム。伏見は「チームのスローガンじゃないですけど、みんなで"行くだけ行くだけ"って言ってますけど、本当その感じ。何とか明日勝って、とにかく4つ勝つことしか考えてないです」。終わったことは終わったこと。シンプルに勝つことだけ考えて、6年ぶりポストシーズンをまだまだ愉しむ。【永野高輔】
◆ソフトバンク3番栗原陵矢内野手が豪快な中押し弾を放った。2点リードの5回1死走者なし。2球で追い込まれたが、149キロの内角直球を右翼ポール際のスタンド中段に運び去った。「インコースの真っすぐにうまく反応することができました。大きい追加点となるホームランになって良かった」。柳田、近藤が復帰した後も3番に座る。存在を示す大きなアーチを描いた。
◆パ・リーグのCSファイナルステージが開幕し、王者ソフトバンクが快勝発進だ。右足首を捻挫していた近藤健介外野手(31)が「5番DH」でスタメン復帰。ぶっつけ本番の第1打席で中越え二塁打を放ち、先制点を呼んだ。左膝の違和感を訴えていた周東佑京内野手(28)もCS盗塁を記録。4番に山川穂高内野手(32)を据えた最強打線が復活し、アドバンテージを含め2勝0敗とした。ソフトバンクの最強打線がよみがえった。柳田、山川、近藤の大砲トリオにスピードスター周東もいる。レギュラーシーズン前半戦以来のベストオーダーだ。3本塁打を含む11安打。ファーストステージを逆転連勝で突破してきた新庄ハムの勢いを止めた。9月16日のオリックス戦で右足首を捻挫した近藤は1カ月ぶりの実戦復帰だった。ファームの試合を挟まない、まさにぶっつけ本番で鉄人ぶりを見せた。0-0で迎えた2回1死の第1打席だ。伊藤のスプリットを中越えに運び、二塁まで全力疾走。続く今宮、正木の3連打を呼んで先制のホームを踏み「意外といけました。今のところ大丈夫です」。一時は松葉づえ生活を強いられ、リーグ優勝決定時には左足を頼りに胴上げに参加した。懸命なリハビリを経てファイナルステージで完全復活を印象づけた。最大の懸念点だった近藤の復帰が実現し、小久保監督も「思ったより走ってた」とホッと一息。ただ、指揮官に慢心はなく「反動をしっかり確認しないといけない」と第2戦以降も慎重に患部の状態を見定める。シーズン最終盤に左膝の違和感で離脱した周東も4回に中前打、二盗成功。意外にも? CS初盗塁で「てっきりしてるもんだと。全然いけました」と笑顔だった。5月に右太もも裏を負傷した柳田は6年ぶりの1番起用でフルスイング連発。4打数無安打も絶大な存在感を放った。帰ってきた主力に負けじと、不動の4番山川は8回に特大ソロ。3回2死一塁での決勝二塁打を含む2安打2打点で「ギーさん(柳田)1番はビックリ。近ちゃん(近藤)も久しぶりに後ろにいてくれた。流れの中で助かりますし、ギーさんは立ってるだけで華がある。やっていて、見ていて、すごく面白かった」と役者そろいぶみに満足げだ。これでアドバンテージを含めて2勝0敗。17日に勝てば、早くも日本シリーズ進出に王手がかかる。小久保監督は「全体的にはいいスタート」とうなずいた。【只松憲】ソフトバンク山川(3回2死一塁で決勝の中越え二塁打。8回先頭では左翼に特大ソロ)「ギーさん(柳田)1番はビックリしました。近ちゃん(近藤)も久しぶりに後ろにいてくれた。流れの中で助かりますし、ギーさんがあそこに立ってるだけで華がある。やっていて、見ていてもすごく面白かった」ソフトバンク正木(2回1死一、三塁から先制適時打)「最初のチャンスを絶対に生かそうと打席に入りました。最低でも犠牲フライの気持ちでしたが、先制となるタイムリーになって良かったです」
◆満を持してCSファイナル初戦に先発した日本ハム伊藤大海投手(27)が、6回途中4失点で黒星を喫した。「真っすぐに合っていないところで変化球を痛打されるケースが多かった。行くぞ、行くぞっていう気持ちが出過ぎちゃった内容。シンプルに悔しい」。直球は走っていたが、変化球の精度を欠いたことを反省。今後は2度目の先発登板があることを信じて「しっかり準備したい」と話した。
◆両チームのスターティングメンバ―が発表され、パ・リーグを制したソフトバンクはレギュラーシーズン終盤に右足首を痛めて離脱していた近藤健介外野手(32)が「5番・DH」で先発出場する。出場は9月16日のオリックス戦(京セラD)以来で、丸1カ月ぶりのぶっつけ本番となるが「きょうからスタメンでいけるつもりできた。昨日スライディングして何も(影響が)出なかったんでよかった。打撃は問題ない。あとは試合の出力でどうなるのか不安はありますけど」と、まずは出場にこぎつけた。有原航平投手(32)が先発する。今季は5度の対戦で0勝2敗、防御率4.11と唯一苦手としてきたが、右腕は「自分のできることをしっかりやりたい。とにかく全力でいけたらという気持ち。つながりもありますし、長打が打てる打者が多いと思うで、無駄な四球を出さないように一人ひとりに向かっていきたい」と平常心で大事なシリーズ初戦に臨む。
◆日本ハム・清宮が試合前に母校・早実高の大先輩、ソフトバンクの王球団会長にあいさつした。ソフトバンク側のベンチに出向き、談笑。握手を交わし、深々と頭を下げた。ロッテとのCSファーストステージ第3戦では試合を振り出しに戻す2点右前打をマーク。お立ち台では「大好きなファンの皆さんとチームのみんなとまだ野球ができると思うと本当に幸せ」と男泣きし、幸せをかみしめていた。
◆福岡決戦の裏で、日本ハムはこの日、東京都内でスカウト会議を開催。24日のドラフト会議に向け、約100人(高校生50人、大学生30人、社会人、独立リーグ20人)を最終リストアップした。木田優夫GM代行、栗山英樹CBOらは試合開始直前に福岡入り。他球団同様に宗山(明大)、金丸(関大)らが当然の1位候補となる中、栗山CBOは「それで本当にいいのか、ファイターズらしいというのは何か。プロ野球全体として新たなスター、二刀流選手を含めて作らないといけないというのはある。だから、『違う勝負をできないか?』という話をした」と明かした。具体的な選手名に言及しなかったが、福岡大大濠高の190センチ右腕・柴田獅子(れお)が急浮上。甲子園出場歴はないが、最速149キロに加えて高校通算19本塁打で、栗山CBOは「何で俺が福岡にいるのかということも含めて」と含み笑いをした。(貴)
◆みやざきフェニックスリーグに参加していた日本ハム・柳川が16日、1軍に昇格した。プロ3年目の今季は5月に支配下登録され、一時は抑えを務めるなど21試合の登板で1勝3敗、8セーブ、防御率4・09をマーク。2軍では自慢の直球に加え、変化球の制球力を強化してきたといい「どの球でもカウントが取れるようになった」。21歳の長身右腕は「先輩たちの負担を減らせるような活躍をしたい」と力を込めた。
◆右足首に痛みを抱えるソフトバンクの近藤が「5番・指名打者」で先発し、二回に中越えへ二塁打を放った。日本ハムの伊藤の変化球を捉え、痛烈な打球を飛ばした。力強い足取りで二塁へ到達し「プレーしてみて意外といけた。打てて良かった」と一息ついた。近藤はレギュラーシーズンの9月16日のオリックス戦で右足首を捻挫。一時は歩行に松葉づえを使うほどだったが、懸命なリハビリを続けて復帰を果たした。小久保監督に出場を直訴したといい「ここ5日くらいで走る方が上がってきた。ある程度のところまでできた」と話した。
◆ソフトバンクの山川が1―1とされた直後の三回2死一塁で天敵の伊藤から適時二塁打を放った。最多勝と勝率第1位の2冠を獲得した相手エースの初球の速球を「甘い球をしっかり捉えることができた」と中越えへ運んだ。レギュラーシーズンでは16打数2安打と封じ込まれており「今年はランクが一つ上がって、トップクラスの投手」と認めた上で打ち砕いた。4―2の八回には杉浦から貴重な追加点となるソロをたたき込んだ。移籍1年目の今季は両リーグ最多の34本塁打、99打点をマークした不動の4番打者。日本ハムがファーストステージを2試合連続の逆転勝ちで上がってきても「僕たちがやりづらいと思ったことはない」と泰然とし、打棒を発揮した。
◆日本ハムの「4番・DH」で先発出場したフランミル・レイエス外野手(29)が1-4の七回、追撃の1号ソロを放った。「ノーコメント」1ボールからソフトバンク先発右腕、有原のスライダーを一閃。左中間のホームランテラス席へ運び「チームが勝つまでコメントはありません」と振り返った。
◆パ・リーグ王者のソフトバンクが、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージから勝ち上がってきた日本ハムを下し、1勝のアドバンテージを含めて対戦成績を2勝0敗とした。二回に正木の適時打で先制すると、1─1に追いつかれた直後の三回には山川の中越え適時二塁打で再び勝ち越した。四回に今宮、五回には栗原がそれぞれソロ本塁打を放ってリードを広げると、八回に山川が左翼席へソロを叩き込んでトドメを刺した。投げては今季14勝で最多勝のタイトルに輝いた有原が7回6安打2失点で〝開幕投手〟の責務を果たし、ヘルナンデス、オスナのリレーで逃げ切った。過去にパで2勝0敗としたチームは100%の確率で日本シリーズへ進出しており、2020年以来4年ぶりの日本一に向けて視界は良好だ。
◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は16日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)が開幕し、パは4年ぶり優勝のソフトバンクがみずほペイペイドームで2位日本ハムに5―2で勝ち、1勝のアドバンテージを含め2勝とした。ソフトバンク・小久保監督 「効果的な本塁打で試合を優位に運べた。きょうは何と言っても川瀬に尽きる。(三回に好守で併殺打とし)めちゃくちゃ大きいプレー」
◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は16日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)が開幕し、パは4年ぶり優勝のソフトバンクがみずほペイペイドームで2位日本ハムに5―2で勝ち、1勝のアドバンテージを含め2勝とした。日本ハム・新庄監督 「ああだこうだ言う試合じゃない。自信を持って選手を送り出したので。(アドバンテージを含め)4勝されるまで、みんなは間違いなく諦めない」
◆ソフトバンクのエース有原が、今季レギュラーシーズンで一度も勝てなかった日本ハムを7回2失点に封じ、勝利を飾った。5度対戦して2敗に防御率4・11と、苦手とした古巣。雪辱を果たし「(攻撃の)援護、守備でも助けてくれた野手に、本当に感謝です」と殊勝に話した。三回に追い付かれ、なおも1死一、三塁のピンチ。松本剛の中前へ抜けそうな鋭い当たりを二塁手の川瀬が飛びついて好捕し、併殺として脱した。4―2の七回は2死二、三塁で代打浅間を沈む球で空振り三振。雄たけびを上げ「リズム良くまとめられた」と汗を拭った。
◆14日に打球が直撃し、鼻を骨折した日本ハムの伏見寅威捕手(34)が「8番・捕手」でスタメン出場。三回に好機を広げる左前打、七回には犠打を放ち「試合に出る以上は関係ない。痛みとかそういう話はしない」とキッパリ。2021年にはオリックスで日本一を経験。34歳のベテランは「短期決戦なので引きずっていても始まらない。今日の情報を処理して明日以降につなげたい」と次戦を見据えた。
◆0―1の三回1死二、三塁で日本ハムの1番・矢沢が三塁へ適時内野安打を放った。ボテボテのゴロだったが、50メートル走5秒8の俊足を飛ばして一塁はセーフ。一時同点に追いつき「バットに当てて、全力疾走。ただそれだけです」と振り返った。投打二刀流の左打者は「ここからまた勝てるように頑張るだけ」と気持ちを切り替えた。
◆6試合制で開幕し、4年ぶりパ優勝のソフトバンクが2位日本ハムに5―2で勝ち、1勝のアドバンテージを含め2勝とした。ソフトバンクのデータは以下のとおり。?レギュラーシーズン1位のソフトバンクが第1戦に勝利し、アドバンテージの1勝を含めて対戦成績を2勝0敗とした。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗となったケースは過去30度のうち、日本シリーズに進出したのが29度、突破率は96・7%。敗退したのは2017年の広島だけ。?パ・リーグで2勝0敗のケースは過去19度全て日本シリーズに進出、突破率は100%。?有原がプレーオフ、CSで白星を挙げたのは、昨年ファーストステージ第2戦以来、通算4勝目(1敗)。プレーオフCSで通算4勝以上マークしたのは、6勝の中田賢一(ソフトバンクなど)、5勝のダルビッシュ有(日本ハム)と吉見一起(中日)、4勝の千賀滉大(ソフトバンク)とバンデンハーク(同)と石川柊太(同)に次いで7人目。
◆日本ハム先発の伊藤大海投手(27)は5回?を投げて10安打4失点。チームを勝利に導くことはできなかった。「シンプルに悔しいです」本来の力強い投球は影を潜めた。二回1死一、三塁で7番・正木に先制の左前適時打、続く三回は2死一塁で4番・山川に中越え適二塁打を浴びた。四回は今宮、五回は栗原のいずれもソロ本塁打を被弾。「本塁打2本は余計だった。(ストライク)ゾーンに(球が)集まり過ぎた」と唇をかんだ。新庄監督は「本人が一番悔しいでしょう。次は今年最後の意地っていうのを見せてもらいたい」と奮起を期待。今季最多勝(14勝)に輝いた道産子右腕は「しっかり準備したい」と前を向いた。
◆初戦黒星を喫した日本ハムの新庄監督はエース伊藤を攻略した相手打線をたたえた。「あの速い球を打ち返す。感心しました。さすがやなと」と驚いた様子だった。伊藤で初戦を取り、五分に持ち込む青写真は崩れた。ただ、俊足を買って1番で起用した矢沢が適時内野安打を放つなど狙いがはまった采配もあった。ロッテとのファーストステージを初戦黒星から逆転で突破しただけに「4勝されるまでは間違いなく諦めない」と落ち込むそぶりは一切見せなかった。
◆相手の勢いをきっちり止め、みずほペイペイドームに詰めかけたホークスファンの歓声がとどろいた。ソフトバンクが4日の今季最終戦以来、12日ぶりの試合となったCSファイナルステージ初戦を強い勝ち方でものにした。攻撃を引っ張ったのは、本塁打を含む2安打2打点の4番・山川だ。「大事な1戦目というところで、いい野球ができたのではないかと思う」今季34本塁打、99打点で2冠に輝いた主砲がポストシーズンでも期待通りに快音を響かせ、自身初の日本シリーズ進出を手繰り寄せた。1-1に追いつかれた直後の二回、2死一塁で今季打率・125(16打数2安打)、8三振と相性の悪かった伊藤から勝ち越しの適時二塁打。4-2の八回には杉浦から左翼席中段に飛び込む特大のソロを放って貴重な追加点を奪った。「短期決戦って、数字は結構、どうでもいい。相性うんぬんよりは、とにかく全員で勝つこと」西武時代にCSは4度経験。打率・304、4本塁打、6打点と大舞台でも力を発揮してきたが、日本シリーズにはあと一歩、届かなかった。それだけにCS突破という悲願成就への思いは強い。周りを打つ仲間が戻ってきたのも心強い。この日は6月以降に長期離脱した柳田が1番を打ち、今季終盤に右足首を捻挫して離脱していた近藤も短期決戦に間に合わせてきた。「コンちゃん(近藤)がずっと後ろにいてくれたのが、流れの中で助かる。ギータさん(柳田)があそこに立っているだけで華がある」山川は、スラッガーがそろい踏みして、一丸ムードが強まったことを喜んだ。勢いをさらに加速させ、5度目の正直でCS突破をかなえる。(上阪正人)
◆努めて明るく振る舞った。日本ハム・新庄剛志監督(52)は「まだ、まだ、まだぁ。明日、明日。4勝されるまではみんな間違いなく諦めないんでね」と、問わず語りしながら報道陣の前に現れた。シナリオが崩れた。日本シリーズ進出のウルトラCとして、プロ4年目の今季に14勝5敗で最多勝と勝率第1位の2冠を獲得した伊藤をファイナル初戦まで温存してきたが、その絶対エースが6回途中97球、4失点で降板。ソフトバンクのアドバンテージの1勝を消してタイに持ち込む算段は絵に描いた餅で終わった。10被安打中7本が変化球を打たれたもので、伊藤は「悔しいし、申し訳ない。球は走っていたが、変化球の精度が甘かった。もったいない」と肩を落とした。ただ、指揮官は「もう、ああだこうだは言わない。見たまんま。しかし、(10月4日のレギュラーシーズン最終戦から)あんだけ(間隔が)空いて、打ち返すんだから大したもん。感心しました、さすがやねって」と、ソフトバンク打線に脱帽した。〝脚本〟の手直しもすでに頭にある。当初は伊藤で第1戦を勝利すれば、中4日で第6戦先発のプランだったが、建山投手コーチも「いよいよ後がなくなったら、行くかもしれない」と言及。第4戦で2勝3敗(アドバンテージ含む)となった場合に第5戦に中3日の前倒し投入案で、新庄監督は「次は今年の最後の意地っていうのを見せてもらいたい。まあ、(その日が)来たら分かります」と暗に示した。(東山貴実)
◆勝敗を分けたポイントは、ソフトバンクの川瀬と今宮の二遊間コンビが三回の守りでみせたスーパープレー。今季のベストプレーと言っていいかもしれない。二回に先制したものの直後に追いつかれ、なお1死一、三塁のピンチ。松本剛の二遊間を襲った打球を川瀬がダイビングキャッチで止めて二塁のベースカバーに入った今宮にトスし、今宮も一塁への正確な送球で併殺に仕留めた。中前に抜けていれば勝ち越されただけでなく、さらに一、三塁のピンチが続いていただろう。有原が踏ん張れたかどうかわからない。その裏の攻撃で山川が中越え二塁打を放ち、再び勝ち越し。四回以降も打つべき人が打って加点し、日本ハムに一度も主導権を握らせないまま逃げ切った。ソフトバンクの強さは選手各自が何をすればいいかをわかっていて、冷静に練習通りのプレーができていること。だから隙がない。捕手・甲斐、中堅・周東を含め、守りで最も大事なセンターラインのすごさをまざまざと見せつけた。レギュラーシーズンでの直接対決は12勝12敗1分けの五分だったとはいえ、日本ハムは13・5ゲームの大差をつけられての2位。勝機があるとすればファーストステージ(対ロッテ)で敗退寸前から勝ち上がってきた勢いと、試合間隔があいた相手のミスだった。ソフトバンクはたった一つのプレーで、その勢いを断ち切ってしまった。(サンケイスポーツ専属評論家)
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