巨人(★0対2☆)DeNA =クライマックスシリーズ1回戦(2024.10.16)・東京ドーム=
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DeNA
0001001002701
巨人
0000000000400
勝利投手:ケイ(1勝0敗0S)
(セーブ:伊勢 大夢(0勝0敗1S))
敗戦投手:戸郷 翔征(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】佐野 恵太(1号・4回表ソロ)

  DAZN
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◆DeNAが対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。DeNAは0-0で迎えた4回表、佐野のソロで1点を先制する。そのまま迎えた7回には代打・筒香が適時打を放ち、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・ケイが6回1安打無失点の好投。その後は4投手の継投でリードを守り抜いた。敗れた巨人は、打線が沈黙した。

◆DeNAは左ハムストリングの違和感で12日のCS初戦で緊急降板した東克樹投手(28)が「左ハムストリングの肉離れ」と診断されたと発表した。前日15日にチームドクターの診断を受けた。この日も1軍練習に参加し、キャッチボールなどで状態を確認。「痛みもほぼなく、日に日に良くなってるかなと。抹消はされてますけどチームの一員としてチームの応援、僕自身も出来ることをやってチームの士気が下がらないように準備したい」と力を込めた。東は12日の阪神戦に先発するも、4回無死、三塁線を破る安打を放った際、打って三歩目で左足に違和感を感じたという。「打って3歩目で(筋肉が)いっちゃいました。三塁線抜けて、二塁打行けると思って加速したら(筋肉が)いっちゃいました」と回想。約3分間治療を受け、再び一塁ベースに戻り、4回も続投したが、4回無失点で降板していた。三浦監督は13日、「トレーナーに診てもらって治療してもらいながら、帰浜後にチームドクターに診てもらう予定です」と明かしていた。13日に出場選手登録を抹消されており、10日間は再登録できないため、CSファイナルステージでの復帰は不可能な状況となっている。

◆DeNA三浦大輔監督(50)が13日のCSファーストステージ2戦目で負傷交代した宮崎敏郎内野手(35)のスタメン起用を明言した。指揮官は「昨日の練習の動きを見ても、練習後に確認しても、トレーナーから問題ないと報告受けてますし、本人からも大丈夫だと報告受けてるので、今日はスタメンでいきます」と話した。宮崎は13日の阪神戦で7回1死、三ゴロを放った直後に右足がつった模様で、一塁まで走りきれず。歩行も困難で、田中浩康コーチにおんぶされ、オースティンらの手を借りながらベンチに引き揚げていた。試合後には「右下肢のつり」と発表され、自らの足で歩いてバスに乗り込んでいた。

◆DeNAの守護神・森原康平投手(32)が、ベンチを外れた。スタメンが発表されたが、ブルペン陣は伊勢、山崎、坂本、浜口、佐々木、ウェンデルケン、中川颯、堀岡がベンチ入りして森原の名前はなかった。12日のCSファーストステージ初戦の阪神戦(甲子園)の3点リードの9回に登板。1回3安打1失点も白星をがっちり確保していた。同戦後には「リードして9回に上がることができてみんなに感謝」と話していた。森原は今季、シーズン通して1軍に登録され、58試合に登板。防御率2・41、29セーブをマークしていた。この日は東京ドームに姿を見せていた。

◆パリ五輪レスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級金メダリストの日下尚(23=三恵海運)が始球式を行った。力強く投げ込むも、惜しくもワンバウンド投球だった。近所の公園で練習し、中学生からは体が開かないようにアドバイスをもらったという。「最高に楽しい18・44メートルでした。僕はボールではなく、人ばっかり投げてきたので、ボールを投げる練習がもっと必要でした」とかみしめた。大の巨人ファン。金メダル獲得後、やりたいことについて「始球式をしたい」と願っていた。思いが実現し「夢は寝ながら見るものではなく、昼間に見るものだなと思いました」と話した。

◆DeNA佐野恵太外野手(29)が、先制ソロを放ち、本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を東京ドームに響かせた。0-0で迎えた4回無死、2ストライクから巨人戸郷の高めに浮いた134キロのフォークを右翼席にたたき込んだ。佐野は「先頭打者としてまずは塁に出ることを意識していましたが、最高の結果になり良かったデスターシャ」と本塁打パフォーマンスと絡めながらコメントした。一塁ベースを回った後に力強くガッツポーズ。ダイヤモンドを1周し、左翼スタンドのDeNAファンと「デスターシャ」を決めた。

◆/美しい弾道\1stステージから2試合連発#佐野恵太 先制ソロホームラン?プロ野球(2024/10/16)??巨人×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#baystars pic.twitter.com/OPVDQOp8UP

◆ヤクルトの長岡秀樹内野手(23)が、先制ソロを放ったDeNAの佐野を絶賛した。16日、日本テレビ系野球中継「DRAMATIC BASEBALL 2024 セ・リーグクライマックスシリーズ・ファイナルステージ 巨人×DeNA」の第1戦にゲスト出演。KAT-TUN亀梨和也がMCの副音声に登場し、0-0の4回に巨人先発戸郷から均衡を破る1発を放った佐野について「同じ左バッターとしてすごいすね。こうなりたいなって思ってるので、理想像じゃないですけど」とたたえ、「(佐野の)映像をよく見させていただいています」と明かした。

◆DeNA筒香嘉智外野手(32)が、貴重な追加点となる適時打を放ち、東京ドームの左翼スタンドのボルテージが最高潮に盛り上がった。1点リードの7回1死一、三塁から代打で出場。巨人ベンチは先発戸郷から「左キラー」の巨人高梨にスイッチし、カウント2-2と追い込まれながら、低めのスライダーを技ありで左前に運んだ。CSでの安打は、19年10月6日の阪神とのCSファーストステージ第2戦以来で、試合の流れを大きく引き寄せる一打だった。

◆巨人戸郷翔征投手が7回途中、無念の降板を余儀なくされた。4回、先頭の佐野に、ど真ん中に入ったフォークを打たれ先制アーチを許した。さらに7回にも再び先頭の桑原に安打を許し、犠打と安打で1死一、三塁とピンチを拡大させたところで交代した。代わって登板した高梨が、代打・筒香に適時打を許し、戸郷は6回1/3を6安打2失点。ポストシーズン初白星を期して臨んだマウンドから、悔しそうな表情を浮かべて降りた。

◆DeNAが、歴代のキャプテンの一打でCSファイナルステージ初戦で巨人に快勝し、1勝1敗(巨人に1勝のアドバンテージ)のタイに戻した。0-0の4回に佐野恵太外野手(29)が、2試合連続となる先制ソロをマーク。1点リードの7回には代打で起用された筒香嘉智外野手(32)が適時打を放ち、リードを広げた。投手陣は先発ケイが再三走者を背負いながら、要所を締める投球で6回無失点と好投。守護神森原を欠く中、7回からは小刻みな継投でリードを守った。3位からの下克上を目指すDeNAは、阪神とのCSファーストステージから3連勝をマーク。17年以来となる日本シリーズ進出に向け、勢いに乗る。

◆巨人がCSファイナル初戦で完封負けを喫し、アドバンテージを含めて1勝1敗の五分に並ばれた。DeNAの先発ケイを前に4回まで無安打。初回、2つの四球で2死一、二塁としたが大城卓三捕手が三ゴロ、1点を追う5回2死二、三塁のチャンスでは、1番丸がファウルで粘りながらも一ゴロに打ち取られた。2点差とされた7回は2死一、二塁で、代打・中山が真芯でとらえるも三塁正面。終盤も継投策で逃げ切られた。先発した戸郷翔征投手は7回途中に無念の降板となった。レギュラーシーズン最後の試合から、ちょうど2週間。2戦目で4年ぶりリーグ優勝の勢いを取り戻すしかない。

◆「番長マジック」で巨人打線を沈黙させた。DeNA三浦大輔監督(50)が、勝ち切る"覚悟"の継投でリードを死守した。先発ケイが初回に33球を要しながら、粘りの投球で6回を1安打無失点。守護神森原がベンチを外れる中、2点リードの7回は山崎を起用し、2死一、二塁のピンチでは代打中山に左腕の坂本を送った。2点リードの8回のマウンドに送ったのは、堀岡だった。昨オフ、巨人から戦力外通告を受け、今季DeNAに育成で入団。シーズン途中に支配下登録された右腕が、1安打無失点でバトンを渡した。9回は伊勢が3者凡退で締め、見事な無失点リレーを決めた。

◆DeNAが、CSファイナルステージ初戦で巨人に快勝し、1勝1敗(巨人に1勝のアドバンテージ)のタイに戻した。1Sを2連勝で突破したDeNAがファイナルS初戦に勝利。プレーオフ、CSで1S初戦から3連勝は14年に1分けを挟んで5連勝の阪神以来5度目。レギュラーシーズン3位では10年ロッテに次いで2度目だ。1S初戦から3連勝以上した過去4チームはすべて日本シリーズに進出したが、DeNAはどうか。レギュラーシーズンのDeNAは貯金2、勝率5割7厘の3位。3位からシリーズ進出は10年ロッテ、17年DeNAがあり、ロッテは日本一に。また、日本シリーズ出場チームの最低勝率は75年阪急で貯金5の5割2分。DeNAが貯金2からの史上最大の下克上を目指す。

◆巨人阿部慎之助監督(45)がまずはDeNAの勢いを受け止めた。CSファイナルステージ初戦は2失点完封負けでアドバンテージ1勝を含めて五分に戻された。試合後は開口一番に「いや、もう横浜の勢いを感じながらやることができました。今日は」と完敗を認めた。レギュラーシーズン最終戦から2週間が空いた公式戦だったが「もうそれは言い訳になっちゃうからね」と日程的な条件には言及しなかった。スタメンは苦肉の策だった。吉川の不在の穴は「2番二塁」に今季スタメン2試合のみの増田大を起用。オコエをプロ初のクリーンアップとなる「3番中堅」に抜てきした。指揮官は「もうそれしかないんだよね。なんとかね、ナイスプレーもしてくれたし、フォアボールも選んだしね」。増田大が1四球、1盗塁、オコエは無安打も7回に好守でもり立てた。経験よりも状態を重視したオーダーを選択した。相手投手陣に好投され4安打に封じられたが突破口はある。4四球を選んで得点圏に走者も進め「あれだけ打てなくてもチャンスってできるんだなって思ったし、そこで1本打ってればねというゲーム。そこをみんなで打破していくしかない」と次戦を見据えた。待ちくたびれた真剣勝負は、まだ始まったばかりだ。【為田聡史】巨人オコエ(プロ初の3番スタメンで3打数無安打も中堅で好守)「今まで通りの意識でやれればと臨んだ。(試合前まで)勝手に少しプレッシャーを感じていたが、ジャイアンツは普段からお客さんが入っているチームだからか(CSも)やりやすかった」

◆巨人門脇誠内野手が、チーム唯一の2安打で気を吐いた。「最初緊張した。演出とか、ああいうのは緊張するんで」と自身初のポストシーズンに浮足立ったが、すぐにいつもの感覚を取り戻した。2回の第1打席でしっかりとバットでとらえ、左翼正面を突いた。「早く緊張を解きたかった。1打席目は感じは悪くなかったので、いつも通りやれた」。5回には左前打、7回には二遊間を割る中前打で出塁した。チームは完封負けを喫した中で「CS独特な雰囲気もありますし、お互い良いファンの方の声援もたくさんありましたし。1本出なかったっていうところもありますし、ピッチャーとしてはそこを粘っていかないことには勝利はないと思うので、悔しいですけど次また頑張りたい」と、ポストシーズンを肌で感じながら、次は勝利をたぐり寄せる。

◆DeNA佐野恵太外野手(29)が、2試合連発となる先制ソロを放ち、チームを勝利に導いた。0-0で迎えた4回無死、2ストライクから巨人戸郷の高めに浮いたフォークを右翼席にたたき込んだ。「奪三振能力の高いピッチャーでしたし、特にフォークは一級品のボール。失投だと思いますけど、それをとらえられて良かった」とわずかなコントロールミスを一振りで仕留め、試合の主導権を奪った。グラウンドに立てる喜びをバットに乗せる。昨年の広島とのCSファーストステージは、右有鉤(ゆうこう)骨骨折でリハビリ中。敗退の瞬間を横須賀の球団施設「DOCK」で見届けた。「去年はCSに出られなかったので、その時と比べると野球ができてるんだという喜びだったり、うれしさの方が緊張とかプレッシャーよりも上回ってるなと思います」とかみしめた。

◆快進撃が止まらない。DeNAが「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ初戦で巨人に完封勝利。4回に佐野恵太外野手(29)が2戦連発となる先制ソロを放つと、7回1死一、三塁、代打の筒香嘉智外野手(32)が左翼へ適時打。5年ぶりに古巣復帰した背番号25が勝負強い一打で勝利をたぐり寄せた。セ・リーグ3位からの日本一なら史上初。1勝のアドバンテージがあった巨人と1勝1敗とし、17年以来7年ぶりの下克上での日本シリーズ進出に1歩前進した。追い込まれても慌てない。筒香は落ち着いていた。1点リードの7回1死一、三塁、大歓声に迎えられながら代打で打席へ。代わったばかりの巨人変則左腕・高梨に追い込まれてカウント2-2。「いろんな球に対応できるようにと思ってました」と足を上げないノーステップで逃げるスライダーに食らいついた。左前への強烈な適時打。「選手みんながつくってくれたチャンスでしたし、次の1点が大事というのはみんなが分かっていたこと。もう、ランナーをかえすだけでした」と役割を全うする一打に、思わずほえた。ここ一番でも、ジタバタしない。試合後、誰もいない夜の横浜スタジアムの室内練習場。人知れず乾いた打球音がする。後輩の柴田とともにひたすら打撃練習。自らと向き合い続けてきた。休日でも打撃練習のためだけに出向いたり、治療に出向いたり。「自分の準備は全てやってきた」と野球に100%で向き合ってきた確信がある。だからこそ、大舞台のチャンスでもメンタルは動じない。背番号25が打てばチームに勢いがつく。"筒香不敗神話"は偶然じゃない。5年ぶりに古巣復帰1年目の今季、本塁打を放った7試合はいずれも勝利。左肋骨(ろっこつ)疲労骨折による離脱もあったが、この日も桑原、戸柱とベテランがつないでつくったチャンスに応えた。三浦監督も「勝負強さもありますし、打席に立てば球場の雰囲気がグッと上がりますから。出ていなくてもベンチで鼓舞したり、アメリカ時代の経験から外国人とうまくコミュニケーションをとってくれて、非常に大きな存在です」と感謝した。ポストシーズン3連勝と勢いは増すばかり。17年以来の日本シリーズ進出、そして7年前に果たせなかった日本一へ。「(打線は)非常に状態良いと思いますし、僕自身どうこうはあまりない。試合に勝つために全員でやるだけだと思います」と筒香。下克上の物語はまだまだ続く。【小早川宗一郎】

◆DeNAの先発ケイ投手が、6回無失点の粘りの投球で白星をたぐり寄せた。初回に2四球を与えるなど33球を要したが、最速156キロをマークしたボールは威力十分で、追い込んだ後の変化球も要所で決まった。ヒーローインタビューでは「佐野さんがホームランを打った時は、私はトイレで用を足してたんですけど、点を取っていただいて良かったです」と笑わせた。

◆巨人増田大輝内野手(31)が「2番二塁」でスタメン出場した。正二塁手の吉川尚輝内野手(29)が左脇腹痛の回復が間に合わず登録メンバーから外れたため、代役としてスタメンのチャンスが巡ってきた。初回の第1打席で四球を選ぶと、続くオコエの打席で二盗に成功。得点には結びつかなかったが、つなぎ役としてチャンスメークし「出塁の方で多分2番に置いてくれたと思うので、そこはしっかり塁に出ることができて良かった」と、手応えを口にした。守備では、8回にオースティンが放った二塁後方の飛球を背走しながらキャッチする好守を見せた。「また使ってくれるんであれば、守備もバッティングもしっかり。(打撃では)1つでも四球で出て、得点圏に進めたらなと思います」と、来るべき出番に備える。

◆巨人オコエ瑠偉外野手(27)がプロ初の3番抜てきも4打数無安打だった。1回1死一塁はDeNA先発のケイにフルカウントから3球ファウルで粘ったが、空振り三振。4回先頭は二ゴロ、6回1死は遊ゴロ、8回1死一塁は空振り三振に倒れた。「今まで通りの(意識で)やれればなと臨んではいたのですけど、ケイにすごくいいピッチングをされました」と唇をかんだ。レギュラーシーズンで9、10月は打率3割8厘、2本塁打、10打点と調子を上げていた。左脇腹痛で離脱した吉川の代役として、8年目でポストシーズンはもちろん、レギュラーシーズンでも経験のない3番に座ったが、快音を響かすことはできなかった。ただ中堅守備では好プレーで失点を防いだ。7回2死一、二塁で牧の詰まった飛球に猛ダッシュ。スライディングキャッチで追加点を許さなかった。左中間寄りの守備位置から「逆方向きて、(右翼の)丸さんも任せてくれた感じだったんで、自分としては勝負しやすい感じだった。ただあの、ちょっと試合間隔が空いてたんで、ちょっと体がバキバキですね」と振り返った。

◆DeNA三浦監督が、「覚悟」の継投で2点のリードを死守した。守護神森原がベンチから外れる中、2点リードの8回に堀岡隼人投手(26)を起用。昨オフ、巨人から戦力外通告を受けて育成で入団。シーズン途中に支配下登録された右腕が1回を1安打無失点で、9回は伊勢が3者凡退で締めた。古巣相手に好投した堀岡は「こういう場面で投げたい気持ちが強かったので、うれしかった」と笑顔。三浦監督は「状態のいい投手をどんどん投げさせようと思ってましたし、堀岡がよく投げてくれた」と評価した。

◆15日にチームドクターにより「左太もも裏の肉離れ」と診断されたDeNA・東克樹投手(28)はチームに同行。13日に出場選手登録を抹消されておりCSでの登板機会はないが、試合前練習ではキャッチボールも行い「やれることをやっている。自分が投げる番になったらしっかりと投げられる準備をしています」と語った。東は12日の阪神戦の四回、三塁線を破る安打を放った際に左脚を負傷。「打って3歩目で。勝ちたかったので、必死だった」と振り返った。それでも、4日が経過し「痛みももうほとんどなく、キャッチボールもけっこう強い強度で投げられた。日に日に良くなっている」と明かした。チームがファイナルステージを戦う中で「監督が、最後まで一緒に戦おうと言っていただいたので」と1軍に同行。日本シリーズに進出した場合には登板の可能性も残るだけに「抹消はされていますけど、しっかりとチームの一員として、チームの応援や僕自身もできることをやって、チームの士気が下がらないようにしっかり準備したい」と語った。

◆巨人・増田大輝内野手(31)が「2番・二塁」に入った。正二塁手として活躍した吉川尚輝内野手(29)が左脇腹を痛めた影響でメンバーを外れるなか、今季の先発出場は2試合のみだったユーティリティープレーヤーに白羽の矢が立った。

◆DeNAは守護神の森原康平投手(32)がベンチ入りメンバーから外れた。今季は抑えを務め、レギュラーシーズンでリーグ3位タイ、自己最多29セーブをマーク。阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは2試合ともベンチに入り、12日の第1戦では九回に6番手で登板し1回1失点でセーブを挙げていた。

◆今季両リーグ最多の15勝を挙げた巨人・菅野が、17日のCSファイナルステージ第2戦に先発する。プロ12年目の右腕は、ポストシーズンでの登板経験も豊富。「体調は万全ですし、ベストの準備ができたと思っている。シーズン通りのピッチングができれば抑えられる。淡々とアウトを積み重ねたい」と力を込めた。

◆DeNA・大貫が17日のCSファイナルステージ第2戦に先発する。キャッチボールなどで登板に備え「一人一人抑えて、ゼロで後ろにつなぐことがプレーオフでは大事」と口元を引き締めた。レギュラーシーズン最終戦だった6日の中日戦で7回無失点と好投。中10日と登板間隔が空いたが「調整の難しさは感じていない」と淡々と語った。

◆DeNA・佐野恵太外野手(29)が「3番・左翼」で出場。四回に右翼席へ先制ソロを放ち「先頭打者としてまずは塁に出ることを意識していたが、最高の結果になり良かったデスターシャ」とコメントした。13日の阪神とのファーストステージ第2戦(甲子園)で放った3ランに続き、CS2試合連発。巨人先発の戸郷に対し、2ストライクと追い込まれてから甘く入った変化球を完璧に捉えた。好投手の戸郷に対し今季は打率・250、昨季も・182だったが、2022年には打率・389、3本塁打をマークしていた。

◆歓喜のセプテンバーからオクトーバーへ。球場全体でポストシーズンに臨む阿部巨人を後押ししている。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの開幕に合わせて、東京ドームの場内コンコースなどで流されるキービジュアルが10月仕様に変更された。チームとファンの一体感を、円陣を組んだ選手とスタンドの応援風景で表現。「go! OCTOBER!」の文字の背景には、優勝へのマジックナンバーが初点灯した9月18日の試合前円陣で2年目の浅野が休養日に神社で自費購入したお守りをプレゼントしたシーンが採用されている。事業部担当者は「浅野選手が円陣での声出しを行ってからマジック(ナンバー)が消えなかった。日本一に向けて、縁起のいいシーンを使用しました」と説明。新たな〝シンボル〟とともに2012年以来、12年ぶりの頂へと突き進む。(航)

◆DeNAのアンソニー・ケイ投手(29)が先発。CS初登板で巨人打線を6回1安打無失点に封じ込めた。一回は2四球で一、二塁のピンチを招いたが、大城卓を三ゴロに打ち取り無失点。1―0の五回2死二、三塁でも1番丸に156キロを計測した直球などで追い込み、最後は一ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。

◆DeNA・筒香嘉智外野手(32)が1―0の七回1死一、三塁の好機に代打で出場。左前に貴重なタイムリーを放った。代わったばかりの巨人2番手高梨に対しカウント2―2と追い込まれてからの5球目、低めへのスライダーをしぶとく逆方向となる左前にはじき返した。

◆DeNA・三浦大輔監督(50)の采配が次々にハマった。1―0の七回1死一、三塁の好機では、経験豊富な筒香を代打に送った。レギュラーシーズンの代打では21打席に立ち打率・063(16打数1安打)に終わっていた筒香だが、CSの大一番でしっかりと結果を残した。その裏、2番手で投入した山崎は2三振を奪ったが、2死一、二塁となったところで迷わず3番手・坂本にスイッチ。代打中山を三直に抑え、ワンポイント起用に無失点で応えた。

◆昨季巨人から戦力外通告を受けDeNAに移籍した堀岡隼人投手(26)が2―0の八回に4番手で登板。古巣を相手に1イニングを無失点で切り抜けた。先頭の丸に右前打を許したが、増田大を中飛、オコエを空振り三振、岡本和も右飛に仕留めた。レギュラーシーズンでは6試合のみの登板で、1ホールドだけだった右腕。ブルペンでは守護神の森原がベンチを外れる中で、大一番での抜てきに応えた。

◆DeNAが完封勝利。対戦成績を1勝1敗とした。先発のアンソニー・ケイ投手(29)がCS初登板で6回1安打無失点の好投で白星をつかんだ。打線は四回、先頭の佐野恵太外野手が右翼席に先制弾。七回には代打の筒香嘉智外野手が左前適時打で2点目をあげた。ケイの試合後のヒーローインタビューは以下の通り。--ファイナルステージ初戦を任された「きょうは(相手は)戸郷(投手)が先発するということで僅差の試合になることは分かっていたので、なるべく持ちこたえるように頑張りました。その中、佐野選手が一発目を決めてくれたことで勢いがつきました」--打たれたヒットは1本だけ「何人か歩かせてしまいましたけど、自分のピッチングを貫くことができたと思います。積極的な自分らしいピッチングができました」--佐野のホームランと筒香のタイムリーはベンチでどう見ていたか「佐野がホームランを打ったときはトイレで用を足していたんですけど、点を取っていただけてよかったです」--チームの雰囲気「とてもいいです。このままの勢いでやっていきたいです」--ファンに向けて「ベイスターズファンの皆さんが足を運んでくださることで頑張れるので、引き続き応援お願いします」

◆巨人は初戦を落とし、レギュラーシーズン首位のアドバンテージを含めて1勝1敗となった。阿部慎之助監督(45)は「横浜の勢いを感じながらやることができましたね、今日は」とファーストステージを2連勝で突破した相手への完敗を認めた。レギュラーシーズン最終戦の2日のDeNA戦(東京ドーム)以来14日ぶりの実戦。「それは言い訳になっちゃう」と間隔が空いた影響には言及しなかったが、打線は左腕のケイの前に6回1安打無失点に封じられるなど試合を通して4安打無得点。「ケイ投手も手つけらんなかったね」と脱帽だ。シーズン終盤に「3番・二塁」でチームを引っ張った吉川が故障で欠場。代わりに「2番・二塁」に増田大、3番にオコエを起用した。経験よりも状態の良さを買ったか、と問われ「それしかない。ナイスプレーもしてくれたし、フォアボールも選んだし」と語った。先発した戸郷は6回1/3で110球を投げ、6安打2失点と好投したが、援護に泣いた。明日の第2戦へ「あれだけ打てなくてもチャンスってできるんだなって思ったし、そこで1本ポコって打ってば、というゲームだった。そこは短期決戦なんで、みんなで打破していくしかない。明日頑張りたい」と切り替えた。

◆九回、巨人のココ・モンテスの打球を好捕する遊撃手のDeNA・森敬斗=東京ドーム(撮影・佐藤徳昭)

◆DeNAは守護神の森原康平投手(32)がベンチ入りメンバーから外れた。三浦監督は試合後に「肩のコンディションが良くなかった中で、きょうは無理をさせなかった」と説明した。今季は抑えを務め、レギュラーシーズンでリーグ3位タイ、自己最多29セーブをマーク。阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは2試合ともベンチに入り、12日の第1戦では九回に6番手で登板し1回1失点でセーブを挙げていた。

◆「2番・二塁」で先発した巨人・増田大輝内野手(31)は一回の第1打席で四球を選び、すかさず二盗を決め「出塁の方で2番に入れてくれたと思う。しっかり塁に出ることができて、得点圏に進めたのでよかった」と振り返った。二塁は今季、吉川尚輝内野手(29)が全143試合先発していたポジションだが、左脇腹を痛めて登録メンバーから外れた。七回に後方の飛球をジャンピングキャッチした増田大は「尚輝の代わりとして、あそこくらい普通に捕っていたと思う。ああいうところでピッチャーをカバーしてあげられたのでよかった」とうなずいた。

◆DeNAが無失点リレーで接戦を制した。ケイは荒れ球ながらも要所を締めて6回1安打と力投。小刻みに継投し、九回は伊勢が締めた。打線は四回に佐野のソロで先制し、七回は代打筒香が適時打。データBOXは以下の通り。?レギュラーシーズン3位のDeNAが第1戦に勝ち、対戦成績を1勝1敗(巨人にアドバンテージの1勝)のタイとした。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで1勝1敗に追いついたのは2019年のソフトバンク以来5年ぶり15度目。過去14度のうち、追いついた球団が日本シリーズに勝ち上がったのは1975年の阪急、04年の西武、10年のロッテ、14年の阪神、18、19年のソフトバンクの6度で、突破率は42・9%。?ファーストステージ(S)第1戦から3連勝以上したのは05年のロッテ(4連勝)、07年の中日(5連勝)、10年のロッテ(3連勝)、14年の阪神(1分けを挟んで5連勝)に次いで10年ぶり5度目。過去4度は全て日本シリーズに進出。?DeNAがプレーオフ、CSで無失点勝利を挙げたのは、16年ファイナルS第3戦(○3-0広島)、17年同第3戦(○1-0広島)、22年ファーストS第2戦(○1-0阪神)に次いで2年ぶり4度目。

◆巨人・岡本和真内野手(28)は勝負を避けられる場面もあり2四球を選んだが、2打数無安打に終わった。長打が期待された0-2の八回2死一塁では、堀岡のフォークボールを捉え切れず右飛に倒れた。連戦のため、次の試合はすぐにやってくる。「明日もしっかりと切り替えて頑張りたい」と先を見据えた。

◆昨季巨人から戦力外通告を受けDeNAに移籍した堀岡隼人投手(26)が2―0の八回に4番手で登板。古巣を相手に1回無失点で抜てきに応え「ほんとにこういう場面で投げたいとずっと思っていたので、うれしい気持ちが大きかった」と語った。先頭の丸に右前打を許したが、「最初マウンドに立ったときは(独特な緊張感が)あったんですけど、アウトを重ねていくうちに少しずつなくなっていった」と増田大を中飛、オコエを空振り三振、岡本和も右飛に仕留めた。レギュラーシーズンでは6試合のみの登板で、1ホールドだけだった右腕。ブルペンでは守護神の森原がベンチを外れる中で、大一番で大仕事を成し遂げた。1年前は戦力外を受けた古巣を相手に、かつての本拠地での登板に「(特別な感情は)もちろんあったんですけど、あんまり気にしすぎてもいい方向に向かないなと思ったので、とにかく打者を抑えることだけ考えた。(DeNA)に拾っていただいたので、それに尽きる」と明かした。

◆巨人の戸郷は奪三振王らしさが影を潜めた。七回1死の降板まで投手のケイから奪った2三振のみ。立ち上がりから得意のフォークボールが決まらず、四回には佐野に2ストライクから先制ソロを浴び「不安が本塁打につながった。(変化の)いいフォークじゃなかった。悔いが残る1球になった」と反省した。交代時にはマウンドに来た阿部監督に耳打ちされ、第6戦で登板する可能性を示唆されたという。「回ってきたら日本シリーズに向けての戦いになる。次は抑えられるように準備したい」と雪辱を期した。

◆「2024 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」は16日、ファイナルステージが開幕し、レギュラーシーズン3位のDeNAがリーグ王者の巨人に2-0で先勝。対戦成績を五分とした(巨人に1勝のアドバンテージ)。1-0の七回に代打で登場した筒香嘉智外野手(32)が、貴重な左前適時打で勝利に貢献。CSでは19年10月6日の阪神戦(横浜)以来、1837日ぶりの安打で勢いを加速させた。日米通算230本塁打を誇るスラッガーが、強打を捨てた。1―0の七回1死一、三塁。代打で登場した筒香は、軽打で勝利に徹した。打球が左前で弾むのを確信すると、力強く雄たけびを上げた。「いろんな球に対応できる形で待っていた。次の1点が大事なことは分かっていたので、ランナーをかえすことだけだった」先発の戸郷から高梨への代わりばなだった。変則左腕の左右の揺さぶりに翻弄され、3球で追い込まれた。外角のスライダーを続けられ、迎えた5球目。早めに右足を踏み出し、やや曲がりが甘かったスライダーをノーステップに近い形で捉えた。レギュラーシーズンの打率こそ・188にとどまったが、ここぞで勝負強さを発揮。三浦監督は「ああいう場面で、雰囲気がぐっと上がる。難しい球だったと思うけど、食らいついてくれた。大きな追加点になった」と賛辞を惜しまなかった。4月に米球界から5年ぶりにDeNAへ舞い戻った。日本球界復帰に際し、巨人入りも取り沙汰された中、決断の決め手となったのは古巣への愛着だ。「やっぱりベイスターズで優勝したい」。ファンを前にした入団会見で日本一を誓い、再び背番号25のユニホームに袖を通した。主将として先頭に立った2017年は3位からCSを勝ち上がり、日本シリーズまで進んだ。当時は甲子園を舞台にした阪神とのファーストステージ第2戦で豪雨に見舞われ、泥まみれになりながら勝利。もちろん、当時のチームも勝ちに貪欲だったが、その姿勢はより強くなった。筒香は繰り返し口にする。「本気で勝ちたいと思っている選手が、以前いたときより多くなった」。自身は左脇腹の疲労骨折もあり、定位置は奪えなかったが、背中や言葉でナインを鼓舞してきた。台風の影響で8月末から3試合が中止となった際には「大事な1カ月が始まる。心の準備をしよう」とミーティングで訴えた。シーズン終盤に目の色を変えるメジャーリーガーの話を例に出し、経験に基づいてチームメートの気を引き締めた。シーズンでは8つの負け越しを喫した巨人に先勝。これで阪神とのファーストステージ初戦から3連勝となった。「これで1勝1敗になった。非常に大きなゲームだった」と筒香。7年前の下克上を知る32歳が、さらなる勢いをもたらした。(鈴木智紘)

◆レギュラーシーズンで4年ぶりの優勝を果たした巨人は、4安打の零封負けで初戦を落とした。阿部慎之助監督(45)は感情を表に出さず、「横浜の勢いを感じながらやることができた。ケイ投手は手がつけられなかった」と淡々と振り返った。「3番・二塁」でリーグ優勝の原動力となった吉川を左脇腹のけがで欠いた中、「2番・二塁」に増田大、9月以降に好調だったオコエを3番と、レギュラー格ではない2人を上位打線に起用。指揮官は「状態の良さで? それしかないと思った」と理由を明かしたが、ともに無安打で起爆剤とはなれなかった。レギュラーシーズンで8度対戦して5度黒星をつけたケイに6回1安打に封じられた。2日のDeNA戦以来14日ぶりと試合間隔が空いた影響には「それは言い訳」と言及しなかったが、阪神とのファーストステージを2連勝で突破した相手に先手を取られた。ただ、五回まで4四球を選び、好機はあった。阿部監督は「あれだけ打てなくてもチャンスってできるんだなと。そこで1本ポコって打っていれば。みんなで打破していくしかない」と前を向く。アドバンテージを含め、1勝1敗。勝負はここからだ。(谷川直之)

◆「うまい!」。思わず声が出た。筒香の代打タイムリー。七回1死一、三塁。左腕・高梨の外角低めへ逃げるスライダー。見逃せばボールかという際どい球を、図ったように左翼へ運んだ。初球(ファウル)、2球目(ボール)と内角をシュートで攻められ、決め球にはスライダーの比重を高めて待っていたはず。そこでほぼノーステップ気味に、早めに右足を地面につけてから球を呼び込むだけ呼び込んだ。もちろん、狙う方向は左翼一本。三塁走者さえかえせば、勝利に大きく近づくからだ。読み方、考え方、構え方、打ち方と、チャンスに必要な条件がそろった一打。大舞台での欲を捨てた、割り切った打撃。さすがベテランというしかない。四回の佐野の本塁打も豪快な弾道とは裏腹に、軽く振ったように映る。戸郷にカウント0-2と追い込まれていたため、こちらも決め球のフォークボールを意識していたはず。そこへ、落ち切らずに真ん中へフォーク。スパッとシャープに振り抜く、きれいなスイングだった。阪神に連勝して勢いがある...というより、DeNAは欲しいところで効果的に点を取れていた。逆に巨人は、ここ一番でタイムリーが出なかった。それでも、アドバンテージの1勝分は大きい。2戦目の先発も菅野。慌てることはないだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)