日本ハム(☆5対2★)ロッテ =クライマックスシリーズ3回戦(2024.10.14)・エスコンフィールド北海道=
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ロッテ
0200000002620
日本ハム
00200021X5700
勝利投手:河野 竜生(1勝0敗0S)
(セーブ:宮西 尚生(0勝0敗1S))
敗戦投手:種市 篤暉(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆日本ハムがファイナルステージ進出を決めた。日本ハムは0-2の3回裏、2死二三塁から清宮が2点適時打を放ち同点とする。そのまま迎えた7回に水野の適時三塁打で勝ち越しに成功すると、続く8回には万波の適時打でリードを広げた。敗れたロッテは、打線が3回以降は2安打と振るわなかった。

◆日本ハム伏見寅威捕手(34)が試合前練習中にノックの打球が顔面に直撃するアクシデントに襲われ、検査を受けるため、札幌市内の病院へ向かった。三塁付近でノックを受けていた際に、ボールが鼻付近に当たり、その場で顔を押さえてうずくまった。トレーナーや山田バッテリーコーチも駆けつけた後、伏見はタオルで顔を押さえながら自ら歩いてベンチ裏へ引き揚げた。伏見のアクシデントに伴い、主に一塁を守るアリエル・マルティネス捕手(28)が捕手の防具を装着して練習を行った。

◆試合前練習中にノックの打球が顔面を直撃し、検査を受けるため札幌市内の病院に向かった日本ハム伏見寅威捕手(34)が、ベンチ入りした。打球が当たった直後は地面に倒れ込んだが、タオルで鼻と口付近を抑えながら起き上がり、自分で歩いてベンチ裏に引き揚げていた。スタメンは田宮裕涼捕手(24)だが、欠場の可能性もあった精神的支柱でもあるベテラン捕手のベンチ入りは、逆転突破への、大きなパワーになりそうだ。

◆ロッテが、セーフティースクイズで先制した。2回1死一、三塁、8番友杉篤輝が投手前にセーフティースクイズを決めた。1球目にも構えだけ見せ、見逃してボール。2球目の外角低めカットボールだった。投手北山の一塁送球がそれ、打者走者の友杉もセーフとなった。記録は内野安打だった。ロッテは、ここまで2試合の合計4得点が、すべてソロ本塁打によるもので、本塁打以外の得点は今シリーズ初だった。さらに9番藤原が左前打で続き、満塁とした後に、1番荻野の中犠飛で1点を追加した。ロッテが2点をリードした。3回に先発の種市が、清宮に2点適時打を浴び、2-2の同点となった。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が、試合を振り出しに戻す一打を放った。0-2の3回2死二、三塁でロッテ種市の初球、137キロのスライダーを右前にはじき返した。三走水野に続いて、二走松本剛も本塁へヘッドスライディングで生還。先発北山が2回に2点の先制を許したが、清宮のバットで早くも試合を振り出しに戻した。貴重な一打に清宮は一塁ベース上で絶叫。温厚な清宮の雄たけびに本拠地エスコンフィールドは騒然となった。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/空気を変えた\積極的なスイングから鋭い打球#清宮幸太郎 同?点タイムリーヒット?プロ野球(2024/10/14)??日本ハム×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#lovefighters pic.twitter.com/RNgHMyEpuh

◆日本ハムの田中正義投手(30)が、5回途中からリリーフ登板した。今季は53試合に登板し4勝4敗。2年連続20セーブを挙げている守護神が、5回2死一塁の場面で"火消し役"として登場。プロ入り後初のCS登板で、ロッテ4番ソトに2ストライクから火の出るような156キロのストレートを振らせ、3球三振に切って取った。気迫のこもった投球を、テレビ中継で解説していた元日本ハム監督の梨田昌孝氏(71)も絶賛。伸びのある初球の155キロを見て「マウンドが近いんじゃないか、って感じるぐらいですね」と話していた。

◆日本ハム田中正義投手(30)の投球にXが盛り上がった。今季クローザーとして20セーブを挙げた右腕は、2-2の5回2死一塁から登板。ロッテの4番ソトを3球三振に仕留めた。田中正は6回のマウンドにも上がり、ポランコ、佐藤、中村奨を3者凡退と好投した。7回もマウンドに上がり、先頭の友杉を三ゴロに仕留め河野と交代した。Xでは「田中正義」「正義執行」「3球三振」など田中正のピッチングが大注目。1回2/3を無安打2三振の完璧な投球に「エグすぎ」「新庄采配もすごい」「行くだけー」など、ファンを中心に話題となった。

◆ロッテファンのブーイングを日本ハムファンが拍手でかき消した。2-2の7回1死一塁、日本ハム3番手河野が一走藤原に対してけん制球を送ると、左翼上部の席へ詰めかけたロッテファンからはブーイング。2度目のけん制球で再びブーイングが発生すると、本拠地エスコンフィールドの日本ハムファンが、ブーイングをかき消すように大きな拍手を送った。さらに日本ハムファンは河野が荻野を追い込むと、再び大きな拍手。日本ハムファンの間では、3ボールになると投手に拍手を送るのが慣例だが、大一番でより一層強い団結を見せた。

◆5回2死一塁から登板した日本ハム守護神の田中正義投手(30)が魂の20球でロッテ打線の勢いを封じ込めた。5回は4番ソトを3球三振に切って締めると、6回先頭の5番ポランコを三邪飛と、長打力のある助っ人2人を、力でねじ伏せた。さらに6番佐藤都を遊ゴロ、中村奨を空振り三振。7回先頭の友杉を三ゴロと、先発北山が2回に連打を許した下位打線をしっかり抑え1死を取った時点で、3番手の河野にリリーフした。SNSでは「ソトへの3球エグすぎる」「カッコよすぎ」などとコメントが相次いだ。レギュラーシーズンでは河野→田中正の継投が多く「田中正義→河野を見ることになるとは」「田中正義の使い方うまいよなぁ」と、新庄采配に意表を突かれたファンもいた。

◆日本ハムがチャンステーマに乗って勝ち越しに成功した。2-2の7回、日本ハムの攻撃が始まると、走者なしにも関わらずチャンステーマが響いた。ロッテ種市から先頭の万波が四球、続く郡司の犠打を種市が二塁へ悪送球。無死一、二塁から上川畑が犠打を試みるも併殺となり、2死二塁となった。好機がついえたかと思われたが、田宮が四球を選ぶと、9番水野が種市の153キロ直球を右中間への三塁打とし、終盤に2点を勝ち越した。8回からは4番手池田が送られた。

◆パ・リーグ2位の日本ハムが2勝1敗で勝ち越し、初戦黒星から逆転でファイナルステージ進出を決めた。ファーストステージ突破は、3位でCSに進んだ14年以来10年ぶりとなった。先発の北山が2回に2点を先制されるも、3回に清宮の2点適時打で同点。2-2のまま終盤に突入し、7回2死一、二塁から水野が種市の153キロ直球を右中間へ運ぶ2点適時三塁打で勝負を決めた。投手陣は5回2死一塁、4番ソトを迎えたところでクローザーの田中正を投入。7回1死まで完全投球を見せるなど、新庄監督の大胆な投手起用も功を奏した。9回を無失点で締めた宮西尚生投手(39)は「やりました~、福岡に行きたいか~、あとは行くだけ~」と雄たけびを上げ、一丁締めした。日本ハムは16日から敵地みずほペイペイドームで、リーグ優勝を果たしたソフトバンクとのCSファイナルステージに臨む。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/北のミスター3ベース\今季12球団2位の8三塁打#水野達稀 勝ち越しタイムリー3ベース?プロ野球(2024/10/14)??日本ハム×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#lovefighters pic.twitter.com/5h0B2GVdC3

◆日本ハムが崖っぷちからCSファイナルステージへ逆転進出を決め、ファンがSNS上で拡散していたドジャース大谷翔平投手(30)の言葉が実現した。この日はロッテに2点を先制されるも、清宮の同点適時打、水野の勝ち越し打などで勝利。12日に1敗した状況から2連勝で逆転進出を果たした。初戦で完封負けを喫すると、Xではファンがポストシーズンを戦っている日本ハムOBで現ドジャース大谷の言葉を大拡散。大谷は8日(同9日)の地区シリーズで、パドレスに王手をかけられると「後がないとかっていう感覚自体が今の僕には特にない。2連勝すればオッケーっていう、そういうゲームだと思ってます」と話し、そこから2連勝でナ・リーグ優勝決定シリーズへ逆転進出を果たした。連日本拠地エスコンフィールドを埋め尽くしたファンは大歓声で逆転進出をアシスト。Xでは「本当に実現した」「震えてる」「涙止まらん」など大興奮だった。

◆ロッテが逆転を食らい、通算1勝2敗でファーストステージ(S)敗退が決まった。ファーストSでの敗退は、1ステージしかなかった20年を除くと、16年以来8年ぶり。2回に8番友杉の投前セーフティースクイズで先制。荻野の中犠飛もあり、2点をリードした。3回に先発の種市が、清宮に2点適時打を浴び、2-2の同点に追い付かれた。種市は6回まで踏ん張ったが、7回2死一、二塁、9番水野に右中間を割る2点三塁打を浴びた。109球目の153キロ直球だった。8回には2番手横山が万波に適時打を浴び、リードを広げられた。吉井監督は種市の交代時期について「ランナーがいる場面で出すリリーバーが今日はちょっと。へばりかけた種市とブルペンと、間が空いている子がたくさんいたので、種市の方がいいと判断したんですけども。最後ちょっと力んでいましたね」と振り返った。前日の第2戦は6回まで82球だった先発の小島が7回に与えた2四球から失点し、吉井監督は「小島の代え時をちょっと間違えたかなと思ってて。7回の頭から代えるべきだった。毎回ランナー出てたので。普通のゲームだったらいけるんですけど、こういうゲームはいつも以上に力が入ってるので、体力がどれくらい残っているかを見誤ったかな」と話していた。この日の種市は6回まで88球だった。7回は2四球から失点。チームとしては、第2戦と同じような失点パターンとなってしまった。ベンチを外れた救援左腕の鈴木に関して、吉井監督は「(故障などは)何にもないです。先のある選手なんで3連投させて故障させるわけにはいかないし。今日はベンチにいても出番はなかったんで。それなら違う選手を入れた方がいいと思って外しました」と説明した。鈴木は第1戦で1/3回、第2戦で1回を投げていた。【

◆戦いを終えた日本ハム新庄剛志監督(52)とロッテ吉井理人監督(59)が握手を交わした。ロッテが先勝した今シリーズは、日本ハムが2連勝で逆転進出。戦いを終えると、マウンド上で新庄監督と吉井監督がガッチリ握手した。日本ハムは16日からパ・リーグ首位のソフトバンクと、敵地みずほペイペイドームでCSファイナルステージを戦う。

◆日本ハム松本剛外野手(31)の気迫にSNSが盛り上がった。「1番中堅」でスタメン出場すると、0-2の3回1死一塁から四球で出塁。捕逸で二進し、2死二、三塁から3番清宮の右前打で本塁へ突入。ヘッドスライディングでホームへ飛び込み、同点のホームをもぎとった。松本剛は13日の第1打席でも、遊撃内野安打を放った際に一塁へヘッドスライディング。選手会長の気迫にファンも大盛り上がりだった。SNSでは「まつごーのヘッスラ胸アツ」「会長ナイスラン!」などの声があがった。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/さぁ福岡へ\初戦を落としてからの2連勝日本ハムがファイナルステージ進出?プロ野球(2024/10/14)??日本ハム×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#lovefighters pic.twitter.com/FPn45JEOYK

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/後は行くだけ\福岡でも愉しむ#宮西尚生 大ベテランの一丁締め?プロ野球(2024/10/14)??日本ハム×ロッテ??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #ここがMAX#lovefighters pic.twitter.com/hoyE4wMVDI

◆CSファーストステージ突破を決め、日本ハム清宮幸太郎内野手(25)らが涙した。この日、清宮は0-2の3回にロッテ種市から同点適時打。9回にも安打を放ち、盗塁を決めるなど躍動した。チームはロッテに先勝を許してからの2連勝で逆転進出。試合が終わると、清宮は目に涙を浮かべた。ヒーローインタビューでも清宮は涙で声を詰まらせ「この大好きなファンの皆さんと、チームのみんなとまだ野球ができるって思うと、本当に幸せだなと思います」と話した。清宮の他にも、先発した北山も涙を流していた。試合を締めた宮西らベテランに加え、新庄監督が手塩に育ててきた若手が力を発揮した。

◆ロッテ高坂俊介球団社長が試合後に取材に応じ、「監督として率いていただくには吉井さんが適任だというように考えていまして、球団の方から試合後に正式に来季続投のオファーを出させていただいた。監督とはお話をさせていただき、承諾いただいてる」と就任2年目の吉井理人監督(59)が来季も続投することを明言した。吉井監督は「この2シーズンやらせてもらって、CSには行ってますが、優勝を逃してるので、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、来年もと言われたので頑張ってやっていきたいです。昨日や今日みたいなゲームを勝ちきれるチームにしていきたい」と話した。今季はソフトバンクにリーグ優勝を許したものの、球団は23年の就任から2年連続でチームをAクラス入りさせた手腕を高く評価した形だ。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、これ以上ない演出でCSファーストステージ突破を決めた。5-2とリードした9回、マウンドにはプロ17年目のベテラン宮西尚生投手(39)を送った。日本ハム一筋の功労者の登場に、本拠地エスコンフィールドは大歓声に包まれた。宮西はロッテ打線を3者凡退に封じ、長いプロ生活でCS初セーブをマークした。お立ち台に上がると「今日9回行くって言われてなかったので。いきなり言われてびっくりしたんで、(新庄監督に)ありがとうございますと言いたいです」と明かした。新庄監督就任後は若手投手陣が経験を積んだ。2年連続最下位と苦しみながら、自身もブルペンを支え続けた。チームの躍進については「本当にみんな一生懸命だし、絶対成長するっていう風に思ってたので。本当にここまで成長したのは、本当に監督のおかげだと思います」と指揮官への感謝を口にした。

◆パ・リーグ2位の日本ハムが2勝1敗で勝ち越し、初戦黒星から逆転でファイナルステージ進出を決めた。ファーストステージ突破は、3位でCSに進んだ14年以来10年ぶりとなった。日本ハムが2試合連続逆転勝ちで1Sを突破。日本ハムのファイナルS出場は8度目。レギュラーシーズン1位で出場が5度あり、1Sを勝ち抜いたのはともに3位で出場した08、14年に次いで3度目。08、14年はフィナルSで敗退したが、今年はどうか。日本ハムは2試合続けてスコア0-2から逆転。2戦先勝のプレーオフ、CSの1Sで2度の逆転勝ちは19年ソフトバンク以来10度目(セ2度、パ8度)。2試合とも2点差以上を逆転したのは<1>戦4点差、<2>戦3点差の10年ロッテに次いで2度目だ。今季の公式戦で逆転勝ちが両リーグ最多の32度、2点差以上の逆転も両リーグ最多の16度あった日本ハムが、CSでも得意の逆転劇を見せた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)がCSファーストステージ突破に涙。Xでは「清宮の涙」がトレンド入りした。この日の清宮は0-2の3回に種市から同点適時打を放ち、8回にも安打で出塁。盗塁を決めると、万波の適時打でダメ押しのホームを踏んだ。試合が終了し、チームメートと喜びを分かち合う清宮の目には涙が浮かんだ。 ヒーローインタビューでも涙は止まらず、声を詰まらせ「この大好きなファンの皆さんと、チームのみんなとまだ野球ができるって思うと、本当に幸せだなと思います。これからも一生僕たちについてきてください」と話した。清宮は早実から高校通算111本塁打を引っさげ、17年ドラフト1位で入団。プロでは周囲の期待値ほどの結果を残せずに苦しんでいたが、新庄剛志監督(52)の元で才能が開花。今季は規定打席に未達ながら自身初の打率3割でレギュラーシーズンを終えていた。Xでは「清宮の涙」がトレンド入り。「あのスーパーエリートがこんなに人間臭いヒーローになるなんて涙が止まらない」「清宮の涙にもらい泣き」「グッとくるものがある」などの投稿が相次いだ。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、CSファーストステージ突破に涙した清宮幸太郎内野手(25)をついに一瞬? 褒めた。清宮は0-2の3回にロッテ種市から同点適時打。8回にも安打を放ち、盗塁を決めるなど躍動した。チームはロッテに先勝を許してからの2連勝で逆転進出。試合が終わると、清宮は目に涙を浮かべた。ヒーローインタビューでも清宮は涙で声を詰まらせ「この大好きなファンの皆さんと、チームのみんなとまだ野球ができるって思うと、本当に幸せだなと思います」と話した。清宮に対して日頃から愛あるイジりをしている新庄監督は「一発で仕留めましたね。盗塁もよかったですね。でも、泣きべそやね。まだ早い。でも悔し泣きじゃないから。うれし泣きなんで、許したろうかなと」笑みを交えて一瞬? 褒めたたえた。

◆ソフトバンク倉野信次1軍投手チーフコーチ(50)が、13日のシート打撃で左脚の付け根を負傷した和田毅投手(43)について言及した。「1回こっち(みずほペイペイドーム)に来て、最終的に状態を確認して今後の動きを決める」と話した。ベテラン左腕は先発から中継ぎに転向し、CSに向けて調整を進めていたが、ポストシーズンは絶望的となった。代役の中継ぎに「いろいろ」とし、松本晴、田浦、又吉らが候補に挙がるとみられる。

◆ソフトバンク倉野1軍投手チーフコーチがオスナに太鼓判を押した。「いい状態になったと、僕は思いますね」と語った。助っ人右腕は8月に腰部の検査と治療で渡米。9月に帰国し、再び守護神のポジションに戻るために調整してきた。11日、13日の2度、本拠地で行われた実戦形式の打撃練習に登板。短期決戦に向け、順調な仕上がりを見せていた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が、CSファーストステージ突破で歓喜の涙を流した。「この大好きなファンの皆さんと、チームのみんなと、まだ野球ができるって思うと本当、幸せだなと思います」。あふれる思いは、お立ち台で不思議と"プロポーズ風"になった。「これからも一生僕たちについてきてください。お願いします!」。大歓声で後押ししてくれたファンに"永遠の愛"を誓った。打って走って、流れを引き寄せた。0-2の3回2死二、三塁でロッテ種市から同点の2点適時打。「1打席目、得点圏でいい当たりが打てなかったんで。ここで打たなきゃ男じゃないなと、腹くくって行きました」。8回1死では右前打を放ち二盗に成功。相手の送球が乱れる間に三塁を陥れ、万波の適時打で5点目のホームを踏んだ。ルーキーイヤーに出場した18年のCSは、ソフトバンクとのファーストステージ第1戦に代打で1打席立ち、二ゴロに倒れて終わった。今回は2試合連続のマルチ安打に、CS初打点を含む2打点で勝利に導いた。「前に出た時とは全く心境も違いますしプレーに対する自信もかなりある。全然違う」。成長し、ひと皮むけた"大人の幸太郎"が、福岡でもファンに「幸せ」を届ける。【永野高輔】

◆ロッテ先発の種市篤暉投手(26)が7回に力尽きた。四球と自らの悪送球で無死一、二塁を招くも、上川畑はバント失敗で併殺を奪った。だが、続く田宮に再び四球を与え2死一、二塁。水野に109球目の直球を打たれ、決勝の2点適時三塁打を浴びた。疲労感はなかったとしたが「2ストライクに追い込んで決めにいきすぎた。力んだ時に球が浮いてくるというのを頭に入れていれば、もう少しいいボールがいったと思う」と反省した。

◆ロッテは2試合続けて逆転負けを喫し、2ステージ制では8年ぶりのCSファーストステージ敗退が決まった。同点の7回に先発種市が2四球と自らの悪送球もあり、2死一、二塁とし、水野に決勝の2点適時三塁打を浴びた。吉井監督は続投の決断に「走者がいる場面で出すリリーバーが今日はちょっと。へばりかけた種市とブルペンに間が空いている子がたくさんいたので、種市の方がいいと判断した。最後ちょっと力んでいましたね」と振り返った。救援左腕鈴木は、3連投を避けるためにベンチを外れていた。試合後に高坂球団社長と会談し、3年目となる来季の続投が決まった。「2シーズンやらせてもらい、どちらもCSは出ていますが、優勝を逃している。申し訳ない気持ちはいっぱいですが、来年もと言われたので頑張っていきたい」と抱負を語った。2位→3位ときているが「昨日や今日みたいなゲームを勝ち切れるチームにしていきたい」と、接戦での勝負強さを来季への改善点に挙げた。

◆ロッテは3試合連続で2得点と、得点力不足で通算1勝2敗となり、ファーストステージ(S)敗退が決まった。ファーストSでの敗退は、1ステージしかなかった20年を除くと、16年以来8年ぶり。吉井理人監督(59)は「上位にちょっと調子の悪い人がいたので、うまくつながらなかった。こちらがうまく打順を組んでいたら、また違う形になっていたかもしれない」と反省を口にした。3試合のスコアは2-0、2-3、2-5だった。1戦目と2戦目は、ソロ本塁打が2本ずつ。これは狙い通りだった。村田修一打撃コーチ(43)は「第1戦は、ヒットは出るけど点が入らないという、いつもその展開なので、ヒットを長打にしようと。打撃陣の狙いとしては勝ちです」と話した。2戦目は、2点を先制しながら逆転負け。3戦目もセーフティースクイズと中犠飛で2点を先制したが、3点目を取り切れなかった。「もう1点取らなきゃいけないのは確かでした。これからの課題になってくる。いい展開にはなりましたが、追い付かれた後。もう少しピッチャーを後押しできればよかったかなという反省はあります」と話した。エンドランを仕掛けた場面もあったが、本塁打以外にも膠着(こうちゃく)した状態を打破する攻撃方法が課題となる。村田コーチは「選手たちは、ミーティングした通りに打撃をしてくれた。まだまだ上積みが必要な選手がいっぱいいるのは確かなので、そこは今年の最終的な反省として。もう1点を来年は取れる打線にしていきたい」と個々の底上げを来季のテーマに掲げた。

◆ロッテ松本尚樹球団本部長は14日の試合後、佐々木朗希投手(22)のメジャー挑戦について「入団当初から毎年毎年朗希と話してますので、当然変わらずそういう話をすることになると思います。去年も言ったように彼は夢を持っています。ただ、そこもひとつひとつ話をしながら進めていきたい」と、意見を尊重しながら話し合いを進めていく方針を明かした。今オフに移籍するなら、球団の承認を得てポスティングシステムを利用するしかない。ただ、25歳未満の移籍は、現行の大リーグの労使協定によりマイナー契約のみ。年俸も低く抑えられる。佐々木は今季、コンディション不良などで5月と6月に2度の離脱があった。本調子ではないシーズンだったものの、自身初の2桁勝利。日本ハムとのCSファーストステージ第1戦では、8回5安打無失点と圧巻の投球で勝利に導いた。松本球団本部長は「Aクラスを決める楽天戦であったり、今回のCSであったり、本当に素晴らしいピッチングだった。途中離脱もしましたけど、10勝、2桁ってなかなかプロ野球で勝つのは難しい。十分活躍してくれたとぼくは思ってます」と右腕を評価した。

◆3連投で日本ハムのファーストSの逆転突破を支えた。3番手の河野竜生投手が7回1死から登板し、2/3回を1安打無失点でCS初勝利。第1戦は8回2死一、二塁のピンチで火消しに成功するなど、2/3回を無安打無失点。2戦目もイニング途中から無失点救援し逆転勝ちを呼んだ。「(田中)正義さんが2回も(イニングを)またいで...。魂のピッチングに僕も乗っかりたいというのがありました」と振り返った。

◆日本ハムが新庄剛志監督(52)の勝負をかけた"感動采配"で、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを突破した。同点の5回2死一塁で守護神の田中正を投入。回またぎで7回1死まで引っ張ってロッテ打線の勢いを止めると、7回に水野の決勝2点適時三塁打が生まれた。9回は大ベテラン宮西で締めくくる、超満員の日本ハムファンにはたまらないスペシャル継投で完勝。エース伊藤を温存してCSファイナルステージ進出を決めた。新庄監督は落ち着きを取り戻した試合後、静かに語った。「こういう試合の継投や采配は誰をも喜ばせる、感動させる采配をするのも監督の仕事だし」。2-2の5回2死一塁。先発北山が四球を与えたところでベンチを飛び出した。球審に投手交代を告げ、場内に流れたアナウンスは「北山に代わりまして、田中正義」。超満員のエスコンフィールドが、どよめきで揺れた。試合中盤に登場した今季20セーブの守護神は、ソトを156キロ直球で3球三振。胸熱な展開に球場のボルテージが高まった。誰もが想像していない、勝利へ向かう熱きストーリーを"感動采配"で描き続けた。「田中君が僕の期待に応えてくれて『もう1回、行くぞ』『もう1回、行くぞ』ってアイコンタクトをして」と田中正は6回も続投で3者凡退。7回もマウンドへ上がって友杉を三ゴロに打ち取った。試合前は9回に起用するつもりだったが、試合展開を見て方向転換した。「昨日(13日)、小島君が(7回に)四球を出してああいう流れになった。北山君が四球を出す前に代えようって思って田中君に用意してもらった」。サヨナラ勝利した第2戦から学んだ短期決戦の流れ、怖さから、大胆な決断を下した。指揮官の覚悟はチーム全体にも伝わった。7回に水野の決勝打が生まれてムードは最高潮。9回は「スタンドの盛り上がりがグワーっと高まる」と、日本ハム一筋17年の宮西を投入。今季、前人未到の400ホールドを達成したフランチャイズプレーヤーがCS初セーブで締めくくって本拠地は狂喜乱舞の大歓声だ。新庄監督は「北海道のファンのみんなはおとなしい印象が強かったけど、その北海道民の殻を破ったというか、破らせた。それは選手たちがそうさせた」と笑顔。さらに投手2冠の伊藤もCSファイナル初戦の先発として温存できた。「福岡で伊藤君の投げる姿を見たいというチーム一丸の思いがあっての今日の勝利」とシナリオ通りの最高な勝ち上がり。勢い十分で、福岡へ乗り込む。【木下大輔】日本ハムが2試合連続逆転勝ちで1Sを突破。日本ハムのファイナルS出場は8度目。レギュラーシーズン1位で出場が5度あり、1Sを勝ち抜いたのはともに3位で出場した08、14年に次いで3度目。08、14年はフィナルSで敗退したが、今年はどうか。日本ハムは2試合続けてスコア0-2から逆転。2戦先勝のプレーオフ、CSの1Sで2度の逆転勝ちは19年ソフトバンク以来10度目(セ2度、パ8度)。2試合とも2点差以上を逆転したのは<1>戦4点差、<2>戦3点差の10年ロッテに次いで2度目だ。今季の公式戦で逆転勝ちが両リーグ最多の32度、2点差以上の逆転も両リーグ最多の16度あった日本ハムが、CSでも得意の逆転劇を見せた。

◆9番打者が決めた。日本ハムはCSファーストステージ第3戦でロッテに逆転勝ちし、2勝1敗で10年ぶりに同ステージを突破した。同点の7回2死一、二塁から、水野達稀内野手(24)が右中間を破る勝ち越しの適時三塁打を放った。今春のキャンプ中に、新庄剛志監督(52)からレギュラーを確約された"チルドレン"の1人が、勝負どころで会心の一打を放った。「だ」いこうふんの一打だった。同点の7回2死一、二塁、水野は胸に誓った。「絶対ここで点を取るしかない」。7番上川畑が送りバント失敗で併殺に倒れた直後だった。フルカウントからロッテ先発種市の直球を振り抜き、右中間を深々と破った。「ミスをカバーするのが短期決戦。本当にいい仕事ができた」。殊勲の勝ち越し打。失いかけた流れを、引き戻した。「い」きおいを感じていた。2点先行されたが、3回に清宮の適時打で振り出しに戻し、本拠地のファンは大熱狂。「逆転しているイメージが今年はあった。負ける気はあんまりしなかったです」。勝利を信じる気持ちが相手を上回った。「こ」だわりの逸材だ。新庄監督は今季開幕前に、万波と水野のレギュラーを確約した。根拠について指揮官は「渡辺スコアラーとキャンプ中に話をして『逆方向にも、すごい飛ばす力ありますよね』って。『水野は天才よ。彼はやりますよ』って」と説明。ベンチプレスを140キロ上げるという情報を耳にした直後に、長打を連発した姿を見て、ピンときたという。「う」んきをもたらす9番打者だ。シーズン中は下位打線ながら緊迫した場面で貴重な一打を重ねてきた。「終盤に行けば行くほど自分の中でどこか燃えるところがある」と勝負強い。指揮官同様、生まれながらにピンチを楽しむメンタルが備わっている。「か」ってかぶとの緒を締める。「1年前はインフルエンザになっていた。クビのプレッシャーもある中で今年のキャンプだった。覚悟って人間大事。ここで負けるわけにはいかない。ボスを日本一にしないといけない」と、パ王者ソフトバンクとのファイナルステージを見据えた。「い」くだけ、が合言葉。余計なことは気にしない。前だけを向いて"新庄丸"の「だいこうかい」は、まだまだ続く。【永野高輔】

◆ロッテのネフタリ・ソト内野手(35)の来季残留が決定的であることが14日、分かった。早期に契約合意するとみられる。DeNAから加入した今季は、主に「4番一塁」でレギュラーシーズン132試合に出場した。夏場に調子を落としたものの、88打点はソフトバンク山川に次ぐリーグ2位。大事な終盤戦の9月は打率3割3分8厘、4試合連続本塁打も放つなど、勝負強い打撃でチームのCS進出に大きく貢献した。

◆クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ突破に逆王手をかけた日本ハムにアクシデントが襲った。第3戦の試合前練習で伏見寅威捕手(34)が守備練習を行なっている際に打球が顔面を直撃。そのままタオルで顔を覆い、トレーナーに付き添われながらベンチに下がった。山田バッテリーコーチは「鼻が腫れていました。今治療中です。まだ時間が経っていないからわらからない」と説明。伏見はその後、札幌市内の病院に直行した。

◆ロッテ・友杉篤輝内野手(23)が「8番・遊撃」で出場し、二回1死一、三塁でセーフティースクイズを決めて貴重な先制点を挙げた。二回は1死から佐藤が二塁打で出塁し、中村奨も安打で一、三塁のチャンス。友杉が2球目を先発・北山の前にうまくバントでゴロを転がして三塁走者が生還。自身も北山の送球が少しそれる間に一塁ベースを駆け抜けセーフをもぎ取った。後続もつながって1死満塁から荻野は中犠飛を放ち、2点を先行した。勝てば2年連続のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ進出が決まる大事な一戦。CSは2試合連続で2本塁打の2点のみだった打線が幸先よく点を奪った。

◆「3番・三塁」で先発出場の日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)が0-2の三回2死二、三塁で試合を振り出しに戻す2点打を放った。「1打席目はチャンスで凡退していたので、ここは絶対に何が何でも打つという気持ちで打席に入りました」ロッテ先発、種市の初球、137キロのスライダーを捉えた。ライナーで右前へはじき返し「(松本)剛さんと水野が作ってくれたチャンスを生かすことができてよかったです」と振り返った。

◆日本ハムが逆転勝ちした。0―2の三回に清宮の2点適時打で追い付き、七回2死一、二塁で水野が勝ち越しの2点三塁打。八回は万波の適時打で加点した。五回途中からの早めの継投が決まった。ロッテは種市が七回に力尽きた。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は14日、エスコンフィールド北海道でパ・リーグの第3戦が行われ、レギュラーシーズン2位の日本ハムが3位のロッテに5―2で逆転勝ちして対戦成績を2勝1敗とし、8年ぶりのファイナルステージ進出を決めた。ファイナルステージはセ、パ両リーグともに16日に始まり、セは巨人とDeNAが東京ドームで、パはソフトバンクと日本ハムがみずほペイペイドームで対戦する。リーグ優勝の巨人、ソフトバンクが1勝のアドバンテージを持ち、6試合制で日本シリーズ進出を争う。

◆?レギュラーシーズン2位の日本ハムが対戦成績を2勝1敗とし、ファイナルステージ(S)進出を決めた。ファイナルS進出は2016年(リーグ優勝)以来8年ぶり8度目。ファーストSから勝ち上がったのは08、14年(いずれも3位)に次いで10年ぶり3度目。2位からの突破は初。?プレーオフ、CSの第1Sで初戦黒星から連勝で突破したケースは06年のソフトバンク(3位)、09年の中日(2位)、17年のDeNAと楽天(ともに3位)、19年のソフトバンク(2位)に次いで5年ぶり6度目。そのうち2試合続けて逆転勝ちで突破したのは06年のソフトバンク(2試合ともに1点差)、09年の中日(同)、19年のソフトバンク(同)に次いで4度目で、2試合ともに2点差を逆転したのは日本ハムが初。?パで2位球団のファーストS突破はファーストSの開催がなかった20年を除くと、18年から6開催連続で通算11度目。

◆ロッテは14日、日本ハムとのCSファーストステージ第3戦(エスコン)に2ー5で敗れ、今季を終えた。高坂俊介球団社長が取材対応し、吉井理人監督(59)の来季の続投を発表した。試合後に正式オファーして承諾を得た。リーグ優勝こそ逃したものの2年連続のAクラス入りを評価。球団が「2025年に常勝軍団」をつくることを理念に掲げる中、来季も指揮をとることが決まった。

◆日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)が、お立ち台で男泣きした。「大好きなファンの皆さん、チームのみんなとまだ野球ができると思うと、本当に幸せだなと思います」0―2の三回は試合を振り出しに戻す2点タイムリー。種市が投じた初球のスライダーを捉え、ライナーで右前にはじき返した。一回は走者二塁で二ゴロ。「ここで打たなきゃ男じゃない。腹をくくっていきました」と汗を拭った。右前打で出た八回は二盗。送球がそれる間に三塁へ進み、渾身のガッツポーズ。万波の左前打で貴重な5点目のホームを踏んだ。「チームを引っ張れるように」と意気込んで迎えたプロ7年目は苦難からのスタートだった。2月のキャンプイン直前に左足首を負傷。新庄監督から「(2軍に)置いていくしかない」と一度は突き放された。腐ることなくリハビリと鍛錬を重ね、夏場以降は自慢の打撃でチームをけん引。規定打席到達未満ながら打率・300、15本塁打をマークし、CSでは3試合で計4安打。「諦めない気持ちが今、ここまで連れてきてくれているのかな」と感慨深げに語った。殊勲の背番号21は「日本一まで行くだけ!」と声を張った。大航海は、まだまだ終わらない。(加藤次郎)

◆日本ハムの捕手の伏見が試合前練習で負傷し、病院で鼻骨骨折と診断された。球団によると運動制限はなく、ソフトバンクとのファイナルステージが行われる福岡に同行する。顔を腫らした伏見は試合後に「大丈夫です」と説明。新庄監督は「腫れが邪魔して(視界で)ボールがかすれるようであれば、入れ替えも考える。あしたの様子を見てから」と話した。

◆チーム一丸でアクシデントを乗り越えた。試合前に守備練習を行っていた伏見寅威捕手(34)の顔面に打球が直撃。札幌市内の病院に直行し、鼻骨骨折が判明した。それでも直後の試合でベンチ入り。試合後には「福岡には行きます。僕は大丈夫です」とファイティングポーズを崩さなかった。緊急事態に捕手登録ながら今季は捕手としての出場がなかったマルティネスは急きょ、捕手で練習。プロテクターを装着し「小さい頃から捕手をやっていたので体に染みついている、準備はできていた」とうなずいた。この日、試合でマスクを被ったのは伏見と併用されながらホームを守ってきた田宮。緩急を付けたリードでロッテ打線を2点に抑え「寅威さんが出られない分、全部僕がいこうという気持ちだった」と振り返った。(加藤次郎)

◆日本ハム・新庄剛志監督(52)が五回に2番手として2年連続で20セーブを挙げた守護神・田中正義投手(30)を投入する大胆采配で、ロッテに5―2で逆転勝ち。2勝1敗として、16日に開幕するリーグ覇者・ソフトバンクとのファイナルステージ(みずほペイペイドーム)に駒を進めた。投手交代がアナウンスされた瞬間、球場が大きくどよめいた。同点の五回2死から北山が角中に四球を与えると、新庄監督は迷うことなく球審に、今季も主に守護神を務めてきた田中正の名を告げた。「こういう試合で誰もを喜ばせる、感動させる采配っていうのも監督の仕事。今日の継投で失敗したとしたら、新庄アンチはお祭り騒ぎ(笑)。それも嫌いじゃないけどね。勝てば正解。負ければ、僕がボロクソに言われればいいだけのこと」田中正はソトを156キロの直球で空振り三振に仕留めてピンチを断つと、今季初の回またぎで七回先頭の友杉まで打者5人を完璧に抑え込んだ。「言われたところで自分の力を出すだけなので、無心で目の前の打者一人一人に腕を振った。回またぎでの起用? そこは選手冥利に尽きます」と、振り返った右腕の表情は充実感にあふれた。CS開幕前から「ロッテさんに負けようが、ソフトバンクさんに負けようが、日本シリーズにいけなかったら一緒。そういう戦い方をする」と宣言していた通り、中盤で早くも勝負どころと読んだ指揮官の短期決戦を意識した大胆なタクト。それはプロ4年目の今季に14勝5敗で最多勝と勝率第1位の2冠を獲得した伊藤をファーストステージでベンチ入りさせなかったことも同様だ。9月下旬に、エースを監督室に呼び、CSに投げないで終わる可能性があることも承知の上で、ソフトバンクとのファイナルステージ第1戦(16日)に先発することで意見が一致した。伊藤は今季ソフトバンクに4勝1敗。特にみずほペイペイドームでは完封を含む2勝0敗、防御率1・57と〝無双〟状態だ。「そりゃ、勇気がいりましたけどね。でも、選手全員の伊藤君が投げる姿をもう一回福岡で見たい、という気持ちがチーム一丸となっての今日の勝利。(勝利の瞬間)みんな泣いていた」。ここまでは指揮官のシナリオ通り。日本一を目指しての今季のチームスローガン「大航海」はまだまだ終わらない。(東山貴実)新庄監督は清宮の三回の同点打に「一発で仕留めましたね。(八回の)盗塁もよかった」とたたえた。ただ、試合後に男泣きしていた姿には「泣きべそやね。まだ早い(笑)。でも、悔し泣きじゃなくて、うれし泣きだから、許してやろうかな」と笑っていた。