日本ハム(☆3対2★)ロッテ =クライマックスシリーズ2回戦(2024.10.13)・エスコンフィールド北海道=
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ロッテ
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日本ハム
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勝利投手:山﨑 福也(1勝0敗0S)
敗戦投手:澤村 拓一(0勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】安田 尚憲(1号・5回表ソロ),角中 勝也(1号・7回表ソロ)
【日本ハム】万波 中正(1号・9回裏ソロ)

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◆日本ハムが劇的なサヨナラ勝利でファイナルステージ進出に逆王手をかけた。日本ハムは1点ビハインドの9回裏、万波のソロで同点とする。続く延長10回には、2死一三塁から淺間の適時打が飛び出し、試合を決めた。敗れたロッテは、守護神・益田が痛恨の一発を浴びた。

◆日本ハム山崎福也投手(32)が出場選手登録された。新庄剛志監督(52)は第1戦終了後「明日、山崎福也君を中に入れる。(先発金村が)良かろうが悪かろうが、スイッチするタイミングは打者によって」と話していたが、実際にブルペン待機させ、中継ぎ投入する可能性が出てきた。山崎はFA移籍初年度の今季、先発で10勝をマーク。レギュラーシーズン最終戦となった9月30日西武戦後は、疲労回復とコンディションを上げるために一度、登録を抹消していた。対ロッテは今季防御率0・59と対パ・リーグでは最も良く、崖っぷちに立たされたチームを立て直す切り札になるかもしれない。

◆清宮幸太郎内野手(25)が「2番・三塁」、とフランミル・レイエス外野手(29)が「4番・DH」でスタメン出場する。8月後半から2位が確定するまで、消化試合を除き清宮、レイエスの打順は常に隣同士だったが、負ければ終戦という崖っぷちで、新庄剛志監督(52)は清宮とレイエスの"スプリット"作戦に来た。

◆日本ハム松本剛外野手(31)が魂のヘッドスライディングで、崖っぷちのチームを鼓舞した。「1番・中堅」でスタメン出場。1回、ロッテ先発小島の初球を、思い切りよくスイング。打球は三遊間の深いエリアに飛び、ロッテ遊撃の友杉がキャッチも、送球はできなかった。松本剛は最後まで全力疾走。両手を伸ばし頭から一塁ベースへ飛び込み、右手を地面にたたきつけて喜んだ。これが13年目でCS初安打となった。12日の第1戦は「7番・中堅」でスタメン出場。5回無死一塁のチャンスで送りバントを失敗し、カウント1-2と追い込まれた後、三塁併殺打に倒れるなど、3打数無安打に終わっていた。チームリーダーながら足を引っ張ってしまった前日の負けを取り返そうと、必死のプレーで、もり立てていた。

◆今季0本塁打だったロッテ安田尚憲内野手が、CSで貴重な先制アーチを放った。0-0の5回2死、初球の真ん中低め、120キロカーブに体勢を崩しながらすくい上げると、打球は右翼ブルペンへ飛び込んだ。チームメートと満面の笑みでハイタッチをかわし「打ったのはカーブです。チャンスをもらえたので、なんとか結果をと思っていました。いい形で先制点を取れて良かったです! 次も頑張ります」と話した。安田は履正社高校時代に「東の清宮、西の安田」と呼ばれたスラッガーで、高校通算65本塁打を放ち、17年ドラフト1位でロッテ入団。今季は55試合に出場し、158打数36安打0本塁打15打点、打率2割2分8厘だった。プロ1年目から本塁打は1→6→8→9→9だったが、今季は初めてノーアーチに終わっていた。第1戦は相手先発が左投手の加藤貴之で、左打者の安田はスタメンを外れ、右打者の中村奨吾が三塁に入っていた。中村も先制アーチを放っており、2試合連続で「7番三塁」が先制弾をマークした。吉井監督は前日「ランナーがいない時は長打を狙おう」という作戦だったと明かした。ここまで2試合の3得点はすべてソロアーチ。狙いがぴたりとはまっている。

◆日本ハム金村尚真投手(24)がCS初先発で痛恨のソロ2発を食らった。負ければ敗退の第2戦に先発したが、5回にレギュラーシーズンでは0本塁打だったロッテ安田に先制ソロ、さらに7回はロッテ角中にもソロ本塁打を浴びた。立ち上がりから球威ある直球とフォークを軸に4回まで無失点と好投していたが、打線の援護もなく、6回2/3を4安打2失点で降板した。球団を通じて「良い緊張感で試合に入ることができましたが、先に失点してしまい悔しいです。実力不足です」とコメント。山崎福也投手(32)もブルペン待機する中で7回途中まで73球としっかり試合をつくったが、無念の交代となった。2番手は河野竜生投手(26)がマウンドに上がり、後続を抑えた。

◆日本ハム山崎福也投手(32)が、1点を追う8回から3番手で、移籍後初めて中継ぎ登板した。新庄剛志監督(52)は第1戦終了後「明日、山崎福也君を中に入れる。(先発金村が)良かろうが悪かろうが、スイッチするタイミングは打者によって」と話しており、この日、出場選手登録。5回からブルペンで投球練習し、準備を整えていた。山崎はCS初登板。捕手は、オリックス時代からコンビを組む伏見寅威(34)が途中出場し、土壇場での"さちとら"結成にスタンドがわいた。

◆日本ハム万波中正外野手(24)が1点を追う9回、起死回生の同点ソロを放った。ロッテの守護神、益田の初球、152キロ直球を完璧に捉えた。打った瞬間に確信して打席で仁王立ち。打球は左中間スタンドへ吸い込まれた。日本ハムファンは大歓声。球場内が騒然となる、ミラクルアーチに新庄剛志監督(52)も"昇竜拳"のようなガッツポーズでベンチを飛び出して喜んだ。

◆ロッテが、サヨナラ負けでシリーズ通算1勝1敗となった。5回、今季55試合で0本塁打だったロッテ安田尚憲内野手が先制アーチ。7回には今季84試合で3本塁打だった角中勝也のソロで追加点を挙げた。しかし、2-1で迎えた9回、守護神益田直也が万波に同点本塁打を浴びた。延長10回、5番手の沢村拓一投手が、力尽きた。2死から1番松本剛を歩かせ、2番清宮に中前打で一、三塁。3番の途中出場の浅間に右翼線へサヨナラ安打を浴びた。沢村は今季、39試合に登板し1勝2敗1セーブ15ホールド、防御率3・34だった。ロッテは第1戦、佐々木-鈴木-益田とつなぎ、3投手のリレーで完封勝利していた。

◆/まさしく起死回生大航海はまだ終わらない\#万波中正 土壇場9回に同点ホームランエスコンのファイターズファンは大歓声???プロ野球(2024/10/13)??日本ハム×ロッテ??Live on DAZN #DAZNプロ野球 #ここがMAX#lovefighters pic.twitter.com/AVxKQJuoAj

◆日本ハムが負ければ敗退の崖っぷちからはい上がり、1勝1敗のタイに持ち込んだ。1点を追う9回1死、万波中正外野手(24)の左越えソロで同点に追い付き、延長10回、劇的なサヨナラ勝ちをおさめた。10回は2死一、三塁から浅間大基外野手(28)がロッテ沢村から右翼線にサヨナラ打を放った。殊勲の浅間は「やりましたー。さいこうでーす。この勢いで明日もかちましょー」とスタンドに呼びかけた。1勝1敗となり、14日の第3戦で勝った方が、ソフトバンクとのファイナルステージに進出する。

◆ロッテが、サヨナラ負けでファーストステージ通算成績は1勝1敗となった。安田と角中のソロ本塁打で2点を先制したが、7回に遊ゴロで1点を返され、9回に守護神の益田が万波に同点アーチを浴びた。10回には5番手の沢村が2死から四球で走者を出し、一、三塁から浅間に右翼へサヨナラ打を浴びた。吉井監督が敗因として挙げたのは、先発小島からの継投のタイミングだった。「小島の替え時をちょっと間違えたかなと思ってて。7回の頭から代えるべきだった。毎回ランナーが出てたので。普通のゲームだったらいけるんですけど、こういうゲームはいつも以上に力が入ってるので、体力どれくらい残っているかを見誤ったかな」と振り返った。小島は6回まで82球だった。1回から5回まで5安打を浴びた。6回は1番からの好打順を3者凡退に抑えていた。しかし、7回は、先頭のレイエスに四球を与えた。万波は右飛に打ち取ったが、代打郡司にも四球を与えた。6回までは無四球。勝てばシリーズ突破が決まる、大事な試合。疲労が一気に噴出した形となった。ベンチは2番手に横山を送り出したが、暴投と遊ゴロで、無安打ながら1点を奪われた。これがチームにとって、今シリーズ初失点。試合の流れが、変わった。4番手の益田、5番手の沢村も失点したが、吉井監督が責めることはなかった。「沢村はいつも通りだったと思う。しょうがないです」。益田が浴びた1発には「真っすぐだったんですかね。横から見ていたので高さしか分からなかったけれども、打った方がすごいんじゃないですか」と話した。ロッテは第1戦、佐々木-鈴木-益田とつなぎ、3投手のリレーで完封勝利していた。

◆CS男のロッテ安田尚憲内野手が先制ソロを放った。5回2死、日本ハム金村の初球の真ん中低めカーブを右翼へすくい上げた。「狙ってなかったけど、うまく反応できた」。今季はプロ7年目で初めて0本塁打。投手の左右で中村奨と併用が続くが「今日はチャンスをもらえたので、期待して使ってもらった監督の期待に応えられてよかった」。昨年のCSは7試合で打率3割2分、6打点だった男が目覚めた。

◆ロッテが、サヨナラ負けでファーストステージ通算成績は1勝1敗となった。安田尚憲と角中勝也のソロ本塁打で2点を先制したが、7回に遊ゴロで1点をかえされ、9回に守護神の益田直也が万波に同点アーチを浴びた。10回には5番手の沢村拓一が2死から四球で走者を出した。清宮に中前打でつながれ、一、三塁から浅間に右翼線へサヨナラ打を浴びた。小野投手コーチは、益田、沢村への変わらぬ信頼を口にした。沢村の2死から四球には「攻めた中での四球だったと思う。そこは責めるところではないと思う」と話した。走者を背負ってからは苦しい投球となったが「清宮は低めのフォークをうまくすくわれた。それまで(日本)ハム戦は沢村は絶対的な数字を残していた。そこは信頼して送り出した。結果的にああいう形になってしまったが、切り替えてやってくれると思う」と期待した。今季の沢村は日本ハム戦で、カード別最多の12試合に登板し、失点0で7ホールド1セーブを挙げていた。11回3分の1を投げ、6四球はあったが、被安打は0、13三振を奪っていた。同点に追い付かれたクローザーの益田には「不用意な球は1球もなかったと思う。抑えにいった中での球だった。しっかり切り替えて、やり返してほしい」と話した。万波に打たれたのは、真ん中高めの152キロの直球だった。益田は「高いですね。低く投げようと思ったんですけど。1発は駄目なところで1発を打たれた。スライダーから慎重に入っても良かったかなというのもありながら、真っすぐを(捕手の佐藤)都志也と選択した。今までにないぐらい完璧に打たれて悔しいなと思います」と振り返っていた。

◆日本ハム山崎福也投手(32)が1点を追う8回から3番手で移籍後初めてリリーフ登板し、3イニング無安打2四球無失点の快投で劇的な勝利を呼び込んだ。オリックス時代に日本シリーズでの登板や、中継ぎの経験はあるが、CSは初登板。「日本シリーズだったりは前日で(投げることが)決まったりとかもしていたので。ほんとにいい経験させてもらった。新庄監督すごいなっていうのは、改めて今日思いました」と指揮官に感謝した。絶妙な"プチ合わせ"が、結果的に功を奏した。ブルペン待機は事前に伝えられていたため、この日は先発マスクの田宮と打ち合わせしていたが、実際に受けたのは、自身と同時に途中出場した伏見だった。「(田宮)裕凉と話してたら、そこに伏見さんがいて。(伏見は)"そうだよね"みたいな感じで」。シーズン中から何度もコンビを組む"さちとら"だけに、これで十分。いつもの2人でロッテ打線をねじ伏せた。日本一を知る左腕は今何が必要か分かっている。レギュラーシーズン最終登板の9月30日西武戦後、疲労もあり落ちていた調子を上げるため一度、登録抹消。「ここまで来たら調整というか気持ち。キャッチボールぐらいで、いい感覚を出すイメージでやってました」。経験豊富な18番が、てっぺんへの道を切り開く。【永野高輔】

◆日本ハムが劇的なサヨナラ勝利でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ突破に逆王手をかけた。1点を追う9回1死で万波中正外野手(24)が同点ソロを放ち、延長10回に途中出場の浅間大基外野手(28)がサヨナラ打を放った。手塩にかけて成長させてきた選手たちが土壇場で底力を発揮して、新庄剛志監督(52)も感動。ドラマチックなポストシーズン初勝利の勢いに乗って14日の第3戦も勝って、ソフトバンクが待つCSファイナルステージ行きを決める。新庄監督も胸を熱くした。9回1死で万波が起死回生の同点ソロ。延長10回は2死無走者から松本剛の四球、清宮が中前打でつなぎ、最後は浅間が決めた。今季何度も見せた終盤の粘りが大舞台でも発揮された。新庄監督 なんですか、このチームは。感動させすぎでしょ。いや、びっくりした。今年を象徴する勝ち方。すごい。ほんと選手すごい。くぅ~~~。負ければ終わりの試合で、新庄監督は"チーム一丸"で勝つことを目指した。新庄監督 実は今年4回、岸(チーフ)マネジャーに(スタメン)オーダーを組んでもらって4勝していたんですよ。で、今日最後かもしれないっていう(試合の)オーダーを頼んだ。試合中の代打や代走、継投なども各担当コーチと相談して全て決めた。そして、選手たちの力を信じてグラウンドへ送り出した。新庄監督 (オーダーを任せるのは)めちゃくちゃ勇気いったけどね(笑い)。これがチーム1つになるっていうところ。裏方さんも選手もスタッフもフロントも全員でチーム1つになって戦おうと思った。試合前から仕掛けた悔いなき采配。先発金村、第2先発で山崎という策も、確かな狙いがあった。新庄監督 ロッテさんがちょっと(試合の)間が空いた分、速い球にちょっとだけ差し込まれるかなって(先発は)金村君で行ったんすよ。ゲームつくってくれて、そこからの山崎君。もう引っ張って、引っ張って...当たりましたね。(延長)13回まで行こうと思って...信じました...へへッ。もちろん延長は12回まで。思わずジョークも飛び出すほど興奮した指揮官は、7回からシーズン終盤から手元で投げ続けると不思議と得点が入る「幸運球」も手にして験も担いでいたが、きっぱりと言った。新庄監督 これ(幸運球)のおかげじゃない。選手のおかげ。明日(14日)ね...どっちかが勝つんですから。どっちかが負けるんですから。超満員だと思う。悔いのない"愉しい"ゲームを見せられたら十分です。ムードは最高潮。チーム一丸で次のステージをつかみ取る。【木下大輔】「楽しむ」ではなく「愉しむ」 ともに読みは「たのしむ」だが、「愉しむ」と発信を始めたのは伊藤だった。自身のSNSで、こだわりを持って「愉」という文字を使用。「ワーワーやっていると思われるのは嫌なんで」と説明した。ただ「楽しむ」ではなく、1勝の重みを感じながら戦うことに心から喜びを持って臨んでいることを表現するための手段だった。新庄監督も自身のSNSで「愉しむ」と表現。チームの合言葉になっている。○...新庄監督は試合後、自身のインスタグラムで大声援でチームを後押ししてくれたファンに感謝した。浅間がサヨナラ打を放った場面の映像とともに「凄い 凄い 凄まじい 何が凄いかって、この声援 割れんばかりのこの音量に感謝 感動して震え上がりました!! 全員が1つになり勝てる事が出来ました 有難う御座います 希望という名の種をまき まさに今 咲き始めました」(原文のまま)と投稿した。○...先発の金村がCS初登板で、6回2/3 4安打2失点と粘った。5回にロッテ安田、7回に角中と2被弾も、失点につながったのは、ソロ2本のみ。「まっすぐも走ってましたし、変化球も低めにコントロールできていた。内容自体は悪くないかなと思うんですけど、先に点をとられてしまうのは短期決戦ではダメ。失敗を次に生かしたい」と振り返った。

◆日本ハムが劇的なサヨナラ勝利でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ突破に逆王手をかけた。1点を追う9回1死で万波中正外野手(24)が同点ソロを放ち、延長10回に途中出場の浅間大基外野手(28)がサヨナラ打を放った。日本ハムが1勝1敗に追い付いた。3試合制のプレーオフ、CSで1勝1敗は過去20度で、逆王手をかけたチームが<3>戦も勝ったのは5度あり、突破確率は25%。日本ハムの逆王手は04、15、18年に次いで4度目。過去はいずれも連勝できずに敗退したが、今年はどうか。

◆日本ハム北山亘基投手(25)が14日のCSファーストステージ第3戦に先発する。チーム一丸で劣勢をはね返して、巡ってきた大一番の先発マウンド。今季は4月20日にエスコンフィールドでロッテ相手にプロ初完投初完封勝利を挙げた右腕は「いつも通り自分の投球をするために、しっかり準備をして臨みます。日本一に向けて、チームメートと試合を愉しみたいと思います」と話した。

◆日本ハムが劇的なサヨナラ勝利でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ突破に逆王手をかけた。1点を追う9回1死で万波中正外野手(24)が同点ソロを放ち、延長10回に途中出場の浅間大基外野手(28)がサヨナラ打を放った。日本ハムが9回に万波の本塁打で追い付き、延長10回に浅間の適時打でサヨナラ勝ち。プレーオフ、CSのサヨナラ試合は17度目で、日本ハムでは06年2S<2>戦で二安の稲葉、09年2S<1>戦で逆転満塁弾のスレッジに次いで15年ぶり3度目。9回に同点に追い付いて延長でサヨナラ勝ちしたのは05年2S<3>戦のソフトバンク以来2度目。ソフトバンクは9回に4点差を追い付き、延長10回に川崎の右安でサヨナラ勝ちした。

◆日本ハムが劇的なサヨナラ勝利で1勝1敗のタイに持ち込んだ。1点を追う9回1死、万波中正外野手(24)の左越えソロで同点に追い付き、延長10回2死一、三塁から浅間大基外野手(28)がロッテ沢村から右翼線にサヨナラ打を放った。先発した金村尚真投手(24)は7回途中2失点と好投。2番手で河野竜生投手(26)が好リリーフし、8回からは山崎福也投手(32)がオリックス時代も通じてCS初登板。延長10回まで3回無安打無失点でCS初勝利を挙げた。この日は試合前にも報道陣の前で話していた新庄剛志監督(52)の一問一答は以下の通り。■試合前「オリジナル。エスコンフィールド。かっこいいっしょ」(試合前練習で着用していたパーカーの説明)-八木コーチ、森本コーチと新庄監督でデザインが違う。色違い?「そうそうそう。なんかこう、かっこいいパーカーないかなって、いつも探しているから」-今日に合わせたんですか「昨日に合わせたんだけど、間に合わなくて。いつも俺、急だから(笑い)」-八木さんが来ていて、選手に指を差されていた「ちょっと俺、顔隠したいから(フードは)デカめがいいんです(笑い)」-監督がデザインしたパーカーは、普通のデザインと違いますよね「ここ(襟元は)ネックレスが出るぐらいの空きが欲しくて。ほんとはここに、もう1個タートルが欲しいんですよ。そしたらマスクがいらないでしょ。だいたい世の中では普段はこうやって(フードをかぶって)生活しているから。4人組が来たら、靴紐は1回外すんですよ(笑い)」-だいぶ気持ちは切り替えられた「いや、さっき査定の人と話をしていて、『監督、覚えていますか』と。2006年の日本シリーズ1戦目に負けた時に、みんながシュンとしていた時に『シュンとしてるの? 明日、明日、お前。勝って、勝って、勝って、勝ちまくるよ』っていうことを言っていたらしい。シュンとする暇はないわって。その気持ちと一緒ですね」-連勝すればいい「あがいても一緒ですよ。(2006年当時も)やるのは選手。俺が打てば、点が入るっていう気持ちではいましたけどね。ただ、難しさは...(監督となって選手たちの姿を)ベンチで見ていて『なんで、行かんの』って(笑い)。それは思うけど、この3年間で慣れはしましたけどね」-選手たちも、そういう雰囲気になっているか「(第1戦で)松本君にバントを出したはいいけど、俺が打席でバントってなると出来ん、出来ん(笑い)。だから、選手は結果が出なかったとか、もうこの試合では関係ないから」-逆に結果出たら「おいしい」みたいな「いやもう、ありがとうって。その選手を、まあまあ見てみて、短気決戦でキーポイントの選手を探すためには、まだ勝たないと分からないから」-こういう経験できることが今後につながる「もちろん、もちろん。経験できているし、ここまで成長しましたからね。追われる方がたぶんつらいと思います。追う方は楽です。マラソン大会でも、そうじゃないですか。先頭を走るときつい。2位で、そのレースのペース配分しながらね...そんな余裕ないけど(笑い)」-でも、2連勝すればいい「そう。今日勝てばね」-エスコンの外でもライブビューイングでファンが応援している「日本シリーズまで行って、もう1回ここでしたいですね、本当に。信頼して、やっていきます」■試合後「なんですか、このチームは(笑い)。感動させすぎでしょ。いや、びっくりした。いやもう誰がどうとかじゃないよ。もう今年を象徴する、この勝ち方。すごい。もうほんと選手すごい。くぅ~」-何から聞いていいか分からない「福也君...金村君がいいピッチングしてくれて、2点でなんとか抑えてくれて、ゲームつくってくれて。そっからの山崎君が、中に入れて、もう引っ張って引っ張って...当たりましたね」-行けるところまでって感じだったんですか「(延長は12回までだが)もう13回まで行こうと思って(笑い)。はい、信じました...へへッ」-山崎投手も気合が入っていた「こういう舞台を経験しているし、こういう場面が好きだろうし。いやぁ~すごいね(笑い)」-1番でスタメン起用した松本剛選手も初回にヘッドスライディングで内野安打「いや実は今年1年、4回、岸マネジャーにオーダーを組んでもらって4勝していたんですよ。で、今日最後かもしれないっていう(試合の)オーダーを岸マネジャーに頼んで」-本当ですか「本当、本当。これは、もうチームが1つになって、裏方さんも選手もスタッフも全員で、フロントも。全員で戦おうと思って。そしたらもう...ハッハッハ、当たりまくり(笑い)」-清宮とレイエスの打順をつなげなかったのも岸マネジャー「そう、岸マネジャー(笑い)。やっぱり何十年もファイターズにいて、全てを知っている人間なんで」-この試合でオーダーを任せるのも勇気が要るのでは「めちゃくちゃ勇気いったけどね(笑い)。これがもうね、チーム1つになるっていうところで。継投と代打とか交代は、もう(首脳陣)全員で。もうピッチングコーチ、、八木さん、谷内コーチ、森本稀哲コーチ、林ヘッド、山田さん、建山コーチも。全員で、どうしますかと。ああだこうだ言いながら、はい、行きましたね」-9回に万波選手が同点弾を放った時は新庄監督もベンチを飛び出して喜んでいた「もう飛んだ瞬間...なんか2分ぐらいかかった感じ(笑い)。ホームランの軌道が。ゆっくりすぎて。うわ、同点になったって。もう同点に持ってきたら、これはもう勢いはウチにあるから、このままね。同点じゃダメなんですよ。勝つっていうね」-9回1死まで1点リードされていて、ダメかなと思うことは「全然思わない。全然、思わない。もう最後の最後、ゲームセットがコールされるまでは、みんな諦めずに」-これでチームのムードがガラッと変わって明日「それはわからん(笑い)。それはわからん」-でも、着実にムードは間違いなく良くなった「もう勢いはね。もうその短期決戦とかどうこうじゃなく、今日みたいな形で自然体でね、選手たちがグラウンドで思いっきり。いつも言う、愉しんで、ね。もうここまで来たら愉しむことが一番。もうちっちゃい頃にね、公園とか野原で野球を日が暮れるまでやっているような感覚でね、やってもらえたらもう十分です」-浅間選手は途中守備から出場させたが、打球が飛んできそうな予感があった「やっぱり浅間君の方が守備力は高いし、捕ってから、(かつて)内野もいろいろやってきて、すごい素早い動きできるから。1点あげたらいけないっていう場面で、守備範囲の問題と守備力で代えて。あの代えたことによってね」-最後は浅間が決める巡り合わせに「なんか、ストーリー通り過ぎて、面白くはないかな(笑い)。そんなことはない?」-7回ぐらいからファンの応援がすごかった。後押しになった「めちゃくちゃなりました。今日一番でかかったんじゃないかな。この20年間で(笑い)」-万波選手のホームランの時もファンの歓声はすごかった「万波君のホームランの時も、コーチのほとんどが涙ぐんでね、すごかった。俺はもう...嘘やろって(笑い)。びっくりした方が強かったね」-幸運球も投げまくっていた。7回くらいからですか「7回ぐらいから。流れが変わったね...これのおかげじゃない、選手のおかげ(笑い)」-明日の先発は「北山君で」-ブルペン陣は「もう全員で行きますよ。山崎君、もう1回行ってもらおうかな(笑い)。いや、次の対戦があるんで、ちょっとその辺を考えながら」-今日は中継ぎ陣も河野選手だけが登板。明日は総力戦でいける「ね。いや、もうその辺はもう...もうその場その場で考えて、あとはバッターに対して...あのね、ロッテさんがちょっと(試合の)間が空いていたでしょ。間が空いた分、速い球にちょっとだけ差し込まれるかなって、金村君で行ったんすよ。で、金村君のボールを見せといて、山崎福也君の...ちょっとね、当たるかなって。良かったです。明日ね、ほんと今日みたいな...どっちかが勝つんですから、どっちかが負けるんですから。明日も超満員だと思うんで、悔いのない愉しいゲームを見せられたら、もう十分です。オッケー?」

◆横浜高コンビが土壇場で、粘るロッテをうっちゃった。「2024パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第2戦で、日本ハムは1点を追う9回に万波中正外野手(24)の左越えソロで追い付き、延長10回、浅間大基外野手(28)が劇的なサヨナラ打を放った。1勝1敗のタイに戻し、14日の第3戦は引き分け以上で、ソフトバンクとのファイナルステージ進出が決まる。熱い2人がエスコンフィールド最多3万7638人の大観衆を驚かせた。まずは万波だ。「シーズン最終打席になるかもしれないって気持ちもありましたけど、絶対悔いのない打席にしたいと。とにかく全力で振ろうという感じでした」。9回1死、ロッテ守護神益田の初球、152キロのストレートかち上げた瞬間、確信歩き。「(生涯で)ベスト。これ以上いいホームランは今のところない」と、左翼2階席に突き刺した。最高のお膳立てに4年上の先輩も刺激を受けた。浅間は「1野球人としてベンチから見ててほんとに鳥肌が立った。純粋に"かっけ~こいつ"って。先輩として絶対決めてやろうと思って行きました」。延長10回2死一、三塁、ロッテ沢村の高めのボール球を強引に引っ張り右翼線に落とした。「高めに絞ってと思ったら果てしなく高いところ打ってました」。野球漫画「ドカベン」に登場する岩鬼ばり"大根切り風"打法で、CS初安打を記録した。満足しきれないシーズンだった。昨季25発放ち本塁打王に1本差まで迫った万波は、今季18本止まり。「悔しいのは悔しい。反省しつつ前向きに短期決戦に向かって戦っていく感じ」。浅間は2年連続で開幕前に負傷し出遅れた。「腐らずやってきて良かった。トレーナーさんとかに支えてもらって。ちゃんとやっとけばいいことある」。しびれる試合で互いに、鬱憤(うっぷん)を晴らした。崖っぷちから1勝1敗のタイに戻し、流れは一気に、日本ハムに傾いてきた。浅間は「明日勝たなきゃ意味がない」。万波は「明日勝って、もう1回(日本シリーズで)エスコンに戻れるように」。スイッチが入った"あさまん"が、日本の頂きへと、引っ張っていく。【永野高輔】○...清宮がCS初安打含む複数安打で、勝利に貢献した。8回に一塁強襲安打を放つと、延長10回2死一塁、中前打で2死一、三塁とチャンスを広げ、浅間のサヨナラ打をお膳立てした。「(四球で出塁した松本)剛さんが何とか出てくれたんでリラックスして入れた。やっと、ちょっとチームの力になれたな、って感じです」。次戦に向け「もう楽しみ。この勢いのまま行きたい」と意気込んだ。○...松本剛が劇的勝利の起点となった。「昨日(12日)も打ってない中で監督が1番で使ってくれた。一番大事なのは初回の打席。なんとか塁に出ようと思った。自然と出ましたね」と遊撃への内野安打でヘッドスライディングし、CS初安打を記録した。延長10回は2死無走者から打席へ。「四球で出たら、なんかあるんじゃないかって思っていた」と四球で出塁し、最後は決勝のホームを踏んだ。「こんな試合できるんだと思った。興奮したっすね。ノド痛いっす。明日(14日)も愉しく勝ちましょう」と力強く話した。

◆ロッテ・安田尚憲内野手(25)が「7番・三塁」で出場し、五回に先制のソロ本塁打を放った。今シーズンはゼロ本塁打に終わった男が、大舞台で力を発揮した。「チャンスをもらえたので、なんとか結果をと思っていました。いい形で先制点を取れて良かったです! 次も頑張ります!」日本ハム先発・金村の前に一回以外は安打を出せず攻めあぐねていた中、五回は2死から安田が初球真ん中低めのパワーカーブを一閃。高々と上がった打球は右翼方向にある日本ハムのブルペンに吸い込まれていった。昨季のソフトバンクとのCSファーストステージでは打率・400(10打数4安打)と躍動。第3戦では延長十回にサヨナラ打を放ち、ファイナルステージ進出に導いた。だが、6年目の今季は高卒1年目を除くと自己ワーストの55試合で打率・228と低迷。雪辱も胸に起用に応える活躍を見せた。

◆ロッテ・角中勝也外野手(37)が「3番・左翼」で出場し、1―0の七回に右越えのソロを放った。先頭で打席に立つと、1―2からの4球目の147キロの内角直球をうまく捉えた。貴重な追加点となる一発に「すごいうれしい。チームのために1本打ててよかった」と喜んだ。前日12日の第1戦は五回に中村奨、七回にポランコがソロを放って2―0で勝利。この日も五回に安田が一発を放っており、まったく同じイニングに2本のアーチを記録し、勝てばCSファイナルステージ進出を決める一戦をリードした。

◆「5番・右翼」で先発出場の日本ハム・万波中正外野手(24)が1-2の九回、起死回生の同点ソロを放った。ロッテの抑え、益田の初球、151キロの直球を一閃。完璧に捉え、左翼席へ運んだ、ダイヤモンドを一周し、ベンチ前で新庄監督と喜びを分かち合った。

◆日本ハムが延長十回サヨナラ勝ちした。九回に万波のソロで追い付き、十回2死一、三塁で途中出場の浅間が右前打を放って試合を決めた。八回から登板の山崎が3回無安打無失点で好リズムをもたらした。ロッテは逃げ切れなかった。

◆2位日本ハムが3位ロッテに延長十回、浅間の適時打で3―2でサヨナラ勝ちし、1勝1敗の五分に戻した。?レギュラーシーズン2位の日本ハムが対戦成績を1勝1敗に戻した。プレーオフ、CSのファーストSで1勝1敗となったケースは過去20度。追いついた球団が第3戦に勝利したのは2006年のソフトバンク、09年の中日、17年のDeNAと楽天、19年のソフトバンクの5度で突破率は25%。?プレーオフ、CSでのサヨナラ勝ちは昨年ファイナルS第2戦の阪神(○2-1広島、九回に木浪聖也の単打)に次いで通算17度目。日本ハムでは06年第2S第2戦(○1-0ソフトバンク、九回に稲葉篤紀の単打)、09年第2S第1戦(○9-8楽天、九回にスレッジの満塁弾)に次いで15年ぶり3度目。

◆2位日本ハムが3位ロッテに延長十回、浅間の適時打で3―2でサヨナラ勝ちし、1勝1敗の五分に戻した。レギュラーシーズン0本塁打に終わったロッテ・安田尚憲内野手(25)がCSで本塁打。シーズン本塁打なしの選手がプレーオフ、CSで本塁打を放ったのは、2014年ファイナルS第4戦の阪神・西岡剛以来10年ぶり8人目。ロッテでは1977年第2戦の飯塚佳寛、10年ファイナルS第4戦の今岡誠に次いで14年ぶり3人目。

◆継投の迷いが歯車を狂わせた。サヨナラ負けを喫したロッテ・吉井理人監督(59)は、救援陣の起用法に悔いを残した。「小島の代え時をちょっと間違えたかなと。七回頭から代えるべきだった。体力がどれくらい余っているか見誤った」2―0の七回。82球を投げていた小島を続投させると、2四球を与えて1死一、二塁。初めて得点圏に走者を許したところで横山に交代した。だが暴投で二、三塁とし、マルティネスの遊ゴロの間に1点を失った。さらに九回、守護神・益田が万波に同点ソロを被弾。延長十回には日本ハム戦に今季12試合登板し、一度も安打を許していなかった沢村が、2死二、三塁から浅間にサヨナラ打を許した。14日の第3戦に勝てば2年連続のCSファイナルステージ進出、引き分け以下ならシーズン終了となる。吉井監督は「なかなか打線もつながらないけど、いるメンバーでやるしかない。考えながらやっていきたい」。昨季は第3戦のサヨナラ勝ちで突破しただけに、底力をみせる。(森祥太郎)

◆試合後。日本ハム・新庄剛志監督(52)の第一声は「何ですか、このチームは。感動させすぎでしょ。もう本当に選手たちがすごい」だった。ポストシーズンに進退を懸ける指揮官にとって、今シーズン最後になるかもしれない一戦。その崖っぷちで頼ったのは、日本ハムのスタッフとして21年目を迎えた岸七百樹(なおき)チームディレクター兼チーフマネジャー(43)だった。「実は今年、オーダーを組んでもらって4戦4勝だったんですよ。で、今日最後かもしれないんで、裏方さんもスタッフも一つになって戦おうと思って。めちゃくちゃ勇気がいったけど、ファイターズの全てを知っている人間なんで。そしたら、もう当たりまくり」昨春WBCでも侍ジャパン・栗山英樹監督付きマネジャーを務めた岸氏に打順を一任したのだった。自身も勝負手を打った。オリックスからFA移籍した今季、全24試合で先発登板して10勝を挙げた山崎をブルペン待機させ、1点ビハインドの八回から投入。3回を無安打無失点に抑えた。新庄監督は運命の第3戦に向けて言った。「ここまで来たら、(選手には)小さい頃に公園や野原で日が暮れるまで野球をしていた感覚で、楽しんでやってもらえればもう十分」。最後の最後まで楽しむ。(東山貴実)

◆ロッテの安田が今CS初出場で均衡を破る一発を放った。五回に金村のカーブをすくい、右越えに運んだ。本塁打ゼロと周囲の期待を裏切ったレギュラーシーズンのうっぷんを晴らしたものの、「勝たないと意味がないと思うので」と引き締まった表情で言った。昨年のファーストステージも第3戦でサヨナラ二塁打と短期決戦での勝負強さが光る。突破に向け「自分の仕事ができるようにしたい」と力を込めた。小島(七回途中まで1失点と好投。チームは敗れ)「途中で代わったので申し訳ない。結果が全てなので悔しい」角中(七回にソロ本塁打)「打ったというよりも、結果的にうまくいっちゃったみたいな感じ」

◆今季先発で10勝を挙げた日本ハムの山崎が八回から好救援し、逆転劇を呼んだ。1点劣勢で投入され「必死で、全力でいくしかなかった」。長打警戒から2四球を与えても、延長十回まで無安打と流れを変えた。事前に救援の可能性は告げられていたが、先発金村の好投があって実際にはないとみていたという。起用に応え「びっくりしたが、うれしかった。ほっとしている」と喜んだ。日本ハム・新庄監督「(万波の同点ソロで)コーチのほとんどが涙ぐんでいた。俺も「うそだろ」とびっくりした。すごかった。最後までみんな諦めなかった」金村(6回?を2失点)「いい緊張感で試合に入ることができたが、先に失点してしまい悔しい。実力不足」

◆入手困難だったエスコン初開催のCSチケット。〝裏技〟として人気を博したのが、同球場の所在地である北海道北広島市の「ふるさと納税」だった。寄付金3万6000円で、その返礼品として12、13日の各戦で20組40人のペアチケットを用意した。「当初、100件ぐらいいけば、うれしいなと職員間で話していた」(同市役所企画課)と振り返る中、9月14~22日の申込期間で実に544件、1900万円以上の申し込みがあった。今年度の上半期(4~9月)の寄付総額が約1億3000万円で、わずか9日間でその14%にもあたる金額を記録した。その中、新庄監督は試合前練習でポストシーズン用に特注したパーカーを初着用。背中にエスコンフィールドの全景が描かれており、「日本シリーズまで行って、もう一回ここでしたいね」と思いをはせた。(東山貴実)

◆レギュラーシーズン2位の日本ハムが同3位のロッテに延長十回、3-2でサヨナラ勝ちし、1勝1敗の五分に戻した。九回に万波中正外野手(24)が起死回生の同点ソロ、延長十回に浅間大基外野手(28)が右前打で決着をつけた。負けたら終わりの一戦で、神奈川・横浜高出身の2人が底力を見せた。負けられない試合で、驚異の粘りを発揮した。延長十回2死一、三塁、接戦にケリをつけたのは浅間だ。サヨナラ打を確信すると、ヘルメットをほうり投げ、仲間と喜びを爆発させた。「やりました!! 最高でーす!!」興奮冷めやらぬ試合直後の一丁締めで殊勲の左打者が絶叫した。1ストライクから、高めのボール球を右前へ。エスコン最多3万7638人のファンを熱狂の渦に巻き込み「何も覚えていない。うれしすぎて」と声を弾ませた。苦難から逃げ出すことはなかった。2022年オフにソフトバンクに移籍した近藤から背番号8を継承。ただ昨季は3月に左足首を骨折し、出場は自己最少の13試合にとどまった。苦しかった2軍生活を振り返り「ちゃんとやっていれば、いいことはあるなと思いました。腐らずやってきてよかった」と感慨深げに語った。九回1死、同点弾を放ったのは浅間の4学年下の万波だ。守護神・益田の直球を左翼2階席へ運んだ。土壇場でチームを救い「下心むんむんで本塁打だけ狙っていた。(野球人生で)ベスト。これ以上いい本塁打は今のところない」。ベンチ前で涙ぐむ首脳陣と喜びを分かち合った。新庄監督の下でブレークした右打者が〝新庄イズム〟を体現した。終盤戦に入り、指揮官はナインに「頑張ります」とのコメントを禁止し、代わりに「楽しみます」を口にするよう注文。崖っぷちの状況で打席に入った万波の表情に悲壮感はなかった。「こういう状況を含めて楽しいなと今も思っている。それを望んでいる」とうなずいた。14日の第3戦に勝つか引き分けで、ファイナルステージ進出が決まる。お立ち台に上がった横浜高コンビ。万波が「明日からも行くだけ!!」と絶叫すれば、浅間も「勝つしかない。明日も行くだけ!!」と声を張り上げた。(加藤次郎)