阪神(★3対10☆)DeNA =クライマックスシリーズ2回戦(2024.10.13)・阪神甲子園球場=
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DeNA
040000600101502
阪神
1000001013802
勝利投手:ジャクソン(1勝0敗0S)
敗戦投手:髙橋 遥人(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】フォード(1号・7回表ソロ),佐野 恵太(1号・7回表3ラン)
【阪神】森下 翔太(1号・1回裏ソロ),原口 文仁(1号・9回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAがファイナルステージ進出を決めた。DeNAは1点を追う2回表、戸柱と牧の適時打で4点を挙げ、逆転に成功する。そのまま迎えた7回には、代打・フォードのソロと佐野の3ランなどで6点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・ジャクソンが6回途中1失点の好投。敗れた阪神は、投手陣が精彩を欠いた。

◆左ハムストリングの違和感で前日のCS初戦で緊急降板したDeNA東克樹投手(28)は、チームドクターの診断待ちとなった。三浦大輔監督(50)が2戦目の前に取材に対応。「トレーナーに診てもらって治療してもらいながら、帰浜後にチームドクターに診てもらう予定です」と明かした。この日は、チームバスで甲子園入り。指揮官は練習についても「状態を見てもらいながら、トレーナーの判断でやっていきます」と話した。東は前日の阪神戦に先発するも、4回無死、三塁線を破る安打を放った際に足に違和感を覚えたとみられ、ベンチで治療。約3分間治療を受け、再び一塁ベースに戻り、4回も続投したが、4回無失点で降板していた。

◆第2戦を前にDeNAに衝撃が走った。左ハムストリングの違和感で12日のCS初戦で緊急降板した東克樹投手(28)が13日、出場選手登録を抹消された。三浦大輔監督(50)は2戦目の試合前取材で「トレーナーに診てもらって、治療してもらいながら、帰浜後にチームドクターに診てもらう予定です」と明かしたが、その前に抹消を決断した。この日は、チームバスで甲子園入り。自力で歩いたが、治療に専念したとみられる。巨人とのCSファイナルステージに進出した場合も、登板する可能性はないとみられる。東は前日の阪神戦に先発するも、4回無死、三塁線を破る安打を放った際に足に違和感を覚え、ベンチで治療。約3分間治療を受け、再び一塁ベースに戻り、4回も続投したが、4回無失点で降板した。

◆阪神は初戦を落として崖っぷちに立たされた。今季限りでの勇退が決まっている岡田彰布監督(66)は負ければラスト采配となる。先発の高橋遥人投手(28)は今季のDeNA戦とは初対戦。21年以来となるCS登板でチームを救うか。打線は第1戦から変更はなし。主軸はDeNA先発のアンドレ・ジャクソン投手(28)と好相性。3番森下翔太外野手(24)は13打数5安打1本塁打で打率3割8分5厘。4番大山悠輔内野手(29)は14打数7安打で打率5割。5番佐藤輝明内野手(25)は16打数5安打で打率3割1分3厘と対戦成績はいい。第3戦に望みをつなぐか。それとも2連敗で終戦か。午後2時から試合が始まる。

◆DeNAのJ・B・ウェンデルケン投手(31)が、左ハムストリングの違和感で抹消された東に代わって、出場選手登録された。右胸鎖関節の炎症で2日に抹消されたが、順調に回復。1軍に同行し、12日は出場選手登録は見送られたが、この日登録された。第1戦はベンチ入りメンバーから外れた松尾汐恩捕手(20)がこの日はベンチ入り。浜口遥大投手(29)、知野直人内野手(25)、中川颯投手(26)、アンソニー・ケイ投手(29)、吉野光樹投手(26)がベンチ入りメンバーから外れた。

◆阪神森下翔太外野手(24)が初回に先制ソロを放ち、甲子園は虎党の大歓声に包まれた。初回、2死からDeNA先発ジャクソン投手(28)の4球目、153キロ内角低めの直球をすくい上げた。左翼ポール際に着弾し、二塁を回ったところでガッツポーズ。先発の高橋遥人投手(28)もグラブを掲げ、喜んだ。森下は今季レギュラーシーズンでジャクソンを相手に13打数5安打、打率3割8分5厘と好相性。9月11日の対戦では甲子園の左翼へ15号ソロを放っていた。

◆阪神の先発高橋遥人投手(28)がDeNA打線に反撃を食らい、2回に逆転を許した。阪神は第1戦で敗れており、後がない状況だ。1点を先制した直後の2回。無死満塁とピンチを招くと、8番戸柱に右中間へ走者一掃の適時二塁打を許した。さらに、2死三塁から2番牧に適時打を浴びてこの回4点を失った。高橋は今季DeNAとは対戦がない。CS登板は21年ファーストステージ初戦の巨人戦(甲子園)以来。3年ぶりのCS登板は苦しいマウンドとなっている。

◆DeNA戸柱恭孝捕手(34)が、走者一掃の逆転の適時二塁打を放った。1点ビハインドの2回無死満塁、1ボールから148キロの速球を右中間にはじき返し、一塁走者の森敬斗までホームに生還した。「前の打者がつないでつくってくれたチャンスだったので、何としても自分のバットでランナーをかえすんだと強い気持ちを持って打席へ入りました。逆転することができて、うれしいですが、切り替えて守備のほうもがんばります」1回に先発のジャクソンが阪神森下に先制のソロを浴びたが、女房役がバットで強力に援護した。さらに、2死三塁から2番牧秀悟内野手(26)が中前適時打を放ち、この回一挙4点を奪った。

◆阪神岡田彰布監督(66)が3回に動いた。捕手を梅野隆太郎捕手(33)から坂本誠志郎捕手(30)に交代した。先発の高橋遥人投手(28)は今季、すべての試合で梅野とバッテリーを組んでいた。だが、1-0の2回に4連打で逆転を許し、2番牧にも適時打を浴びて4点を挙げられた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が三塁守備で三塁ライン際への打球を見送り、観客からどよめきが起きた。1-4の4回。DeNA先頭、森敬斗内野手(22)の7球目が三塁線へ。佐藤輝は一時逆シングルでつかもうとするも、瞬時に打球を判断し、捕球しなかった。判定はファウル。最終的に遊ゴロに打ち取り、背番号8のプレーが光った。その裏には自ら右翼線への二塁打を放ち、塁上で大きく手をたたいて喜んだ。

◆DeNA牧秀悟内野手(26)が、中前適時打を放ち、リードを広げた。2回、戸柱恭孝捕手(34)の走者一掃の適時二塁打で逆転し、なおも2死三塁から阪神高橋のチェンジアップを中前へはじき返した。牧は「チェンジアップをうまく食らいついて捉えることができました。貴重な追加点を奪うことができて、よかったです」とコメントした。第1戦では3安打猛打賞をマークし、第2戦でも貴重な適時打を放つなど、キャプテンが打線をけん引する。

◆甲子園が沈黙した。阪神打線がビハインドを覆せない苦しい展開。負ければその時点でシーズン終了という厳しいシチュエーションだったが、1-4の7回、村上頌樹投手(25)が先頭のマイク・フォード内野手(32)に右翼席に完璧な本塁打を浴びた。打たれた瞬間は悲鳴。すぐに落胆のため息に変わり、しばらく沈黙が続いた。終盤で4点差に広げられたショックが鮮明になるシーンだった。

◆DeNAアンドレ・ジャクソン投手(28)が、6回途中1失点の好投でマウンドを降りた。1回に阪神森下に先制のソロを浴びたが、2回以降は粘りの投球で無失点。毎回走者を許し、4、5回は得点圏に走者を背負ったが、要所を締めた。最速は155キロをマークし、あふれる気合もボールに乗った。登板前日の12日には敵地甲子園での登板について「球場の雰囲気はとても好きですし、ファンの皆さんの応援、阪神ファンの熱血な声援っていうのは自分は結構好きです」と笑顔で語った。その理由については「(日本語なので)何を言ってるかわからないので、むしろ何を言ってるかわからないから、それを自分のエネルギーに変えることができるので、そういった意味では、アウェーの方がいいのかもしれないです」と説明したが、言葉通りに好投した。

◆DeNAマイク・フォード内野手(32)が代打起用に一振りで応えた。3点リードの7回先頭、投手ジャクソンの代打で登場。阪神村上の5球目、高めの直球を仕留めた。右翼席に飛び込むポストシーズン1号ソロでリードを拡大。勝てばCSファーストステージ突破が決まる一戦で、貴重な豪快アーチをかけた。フォードは「前回、1軍にいた時から期間が空いていたので、チームに貢献できたことがすごくうれしいです。ここ最近状態は良かったので、しっかり一振りで仕留めることができました」と振り返った。エンゼルス時代にはドジャース大谷翔平と同僚だったフォードは、今季途中の7月に加入。球宴で頭部に打球を受けて脳振とう特例で抹消されたオースティンに代わって初昇格すると、同27日巨人戦(横浜)、来日6打席目で初安打初本塁打を放った。しかしオースティンが復帰すると同時に抹消。1軍では6試合の出場で打率2割だった。イースタン・リーグでは41試合に出場して打率2割1分1厘、8本塁打で42年ぶりのイースタン優勝に貢献。今月5日のファーム選手権でも2本塁打を放っていた。右内腹斜筋の肉離れでウィック離脱し、外国人枠が空いたCSファーストステージから代打要員として約2カ月ぶりに1軍昇格していた。フォードのソロ後にもさらに打線がつながった。梶原、牧と連打でつなぎ、無死一、二塁から佐野が代わったばかりの左腕富田から右翼席へ1号3ラン。左翼席のDeNAファンとデスターシャポーズで喜びを共有し「チャンスで回してくれたので思い切っていきました。風にも乗って最高の結果となりよかったデスターシャ!」とコメントした。さらに2死一、二塁から戸柱がこの日5打点目となる2点適時二塁打を放ち、この回約30分超の猛攻で一挙6得点。リードを9点に広げ、CSファーストステージ突破を大きくたぐり寄せた。

◆阪神ファンがショックのさなか、相手選手を気づかうシーンがあった。7回、2本塁打を浴びてビハインドが7点に広がった。負ければシーズン終了。絶望的なムードが広がる中、1死から宮崎敏郎内野手(35)を三ゴロに打ち取った。だが宮崎は一塁に向かう途中で何らかのアクシデントで走れなくなった。コーチに背負われてベンチに下がる姿に、阪神ファンから健闘をたたえる大きな拍手が起きた。

◆初戦を落として崖っぷちの阪神は3点ビハインドの7回に2被弾でリードを7点に広げられた。1-4の7回。6回から登板している村上頌樹投手(26)が先頭の代打フォードに右翼スタンドへ1発を浴びて痛恨の失点を喫した。さらに2連打で無死一、二塁として富田蓮投手(23)にスイッチ。しかし、佐野に高め変化球を右翼スタンドへと運ばれる3ランを被弾。7点ビハインドとなり、甲子園は大きなため息に包まれた。打線もここまで初回の森下翔太外野手(24)のソロ本塁打のみ。攻撃は残り3イニングで点差を離されて、厳しい状況に追い込まれた。

◆DeNA宮崎敏郎内野手(35)が、右足に違和感を覚え、負傷交代した。7回1死、三ゴロを放った直後に痛みが走って、ほとんど走れず。歩行も困難で、田中浩康コーチにおんぶされ、ベンチに引き揚げた。DeNAではエースの東克樹投手(28)が、左ハムストリングの違和感でこの日抹消。CS第2戦は大量リードするが、嫌な雰囲気が漂った。

◆DeNAが、阪神に大量9点をリードし、7回の守備から大幅にシフトをチェンジした。一塁のオースティンがベンチに退き、二塁の牧を一塁に変更。二塁には林が入って、負傷交代した宮崎に代わって、三塁には柴田が起用された。マウンドには、故障から復帰したウェンデルケンが上がった。打線が2回に4点、6回には代打フォードのソロ、佐野の3ラン、戸柱の2点適時二塁打で6点を挙げた。

◆「3番右翼」で出場した阪神森下翔太外野手(24)が猛打賞で奮闘した。第1打席は初回に先制ソロを放ち、第2打席は3回2死から内野安打、第3打席は四球を選び、9点を追う7回の第4打席で中前適時打で1点を返した。チームは3点ビハインドの7回に、2被弾と連打で一挙6点を献上。9点差にされた直後の攻撃で、森下が意地を見せた。

◆巨人は左手首骨折から復活を期すヘルナンデスが、屋外でのフリー打撃を再開した。ジャイアンツ球場で約2カ月ぶりに行い柵越えも披露した。「90、95ぐらいの力で確認という意味で。明日100%まで上げていきたい。フェニックスリーグでも自分のスイング、タイミングで打てる練習をしていきたい」と「みやざきフェニック・リーグ」出場を示唆。日本シリーズでの復帰を目指し実戦復帰する可能性が出てきた。

◆阪神は8点ビハインドの展開となり、7回の攻撃が終わると、内野席を中心に帰路に就く虎党の姿が見られた。1-0の2回に4連打などで4失点すると、7回にも2被弾を含む6安打で6失点。DeNA打線に集中砲火を浴びた。1-10の7回に3番森下翔太外野手(24)の中前適時打で1点を返すも、苦しい展開となった。7回終了後には明日14日の第3戦の予告先発の阪神大竹-DeNAケイが大型ビジョンで発表され、球場全体がざわついた。

◆DeNA松尾汐恩捕手(20)が、CS初出場初打席で安打をマークした。8点リードの8回1死一、二塁、代打で起用され、阪神島本の初球を左前にはじき返した。大阪桐蔭時代には、甲子園に4度出場し、通算5本塁打をマーク。スタンドを沸かせた青年が、プロでもHランプを点灯させた。

◆DeNAが、CS第2戦で阪神に大量リードし、SNSではDeNAの関連ワードが次々にトレンド入りした。5打点の大活躍の「戸柱5打点」、代打本塁打の「フォード」、7回までに大量10得点の「ベイ打線」がX(旧ツイッター)のトレンドに入った。DeNAは2回に戸柱が走者一掃の逆転適時二塁打、牧の適時打で一挙4点。6回にも代打フォードのソロ、佐野の3ラン、戸柱の2点適時二塁打で6点を奪った。

◆DeNA打線の猛打がさく裂し、15安打10得点の完勝で17年以来7年ぶりにCSファーストステージ突破を決めた。16日からは日本シリーズ進出をかけ、巨人と東京ドームでCSファイナルステージを戦う。圧倒的な攻撃力だった。1回にジャクソンが阪神森下にソロを浴びて先制されるも、直後の2回にひっくり返した。2回無死満塁、1ボールから戸柱恭孝捕手(34)が、148キロの速球を右中間にはじき返した。走者一掃の逆転適時二塁打で「前の打者がつないでつくってくれたチャンスだったので、何としても自分のバットでランナーをかえすんだと強い気持ちを持って打席へ入りました」と振り返った。2死三塁から2番牧秀悟内野手(26)が中前適時打を放ち、この回一挙4点を奪った。さらに3点リードの7回先頭、マイク・フォード内野手(32)が投手ジャクソンの代打で登場。村上の5球目、高めの直球を右翼席に運び、ポストシーズン1号ソロでリードを拡大。7月に加入し、1軍ではわずか6試合の出場にとどまっていたが、CS初戦で2カ月ぶりに1軍再昇格したスラッガーが結果を示した。フォードは「前回、1軍にいた時から期間が空いていたので、チームに貢献できたことがすごくうれしいです。ここ最近状態は良かったので、しっかり一振りで仕留めることができました」と喜びをかみしめた。7回は以降も梶原、牧と連打でつなぎ、無死一、二塁から佐野が代わったばかりの左腕富田から右翼席へ1号3ラン。左翼席のDeNAファンとデスターシャポーズで喜びを共有し「チャンスで回してくれたので思い切っていきました。風にも乗って最高の結果となりよかったデスターシャ!」とコメントした。さらに2死一、二塁から戸柱がこの日5打点目となる2点適時二塁打を放ち、この回約30分超の猛攻で一挙6得点。17年のCSファーストステージ第2戦、同じ阪神を相手に甲子園で奪った13点以来の2ケタ10得点で、三浦大輔監督(50)にとっては初のCSファイナルステージ進出を決めた。

◆本拠地で迎えた阪神がDeNAに2ケタ失点で連敗を喫し、CSファーストステージ敗退となった。今季限りでの退任が決まっている岡田彰布監督(66)にとって、これがラストゲーム。しかし、CSでの2ケタ失点は17年ファーストステージDeNA戦の13失点以来、2度目となった。先制は阪神だった。初回2死から森下翔太外野手(24)がDeNA先発ジャクソンの4球目、153キロ内角低めの直球をすくい上げ、先制ソロ本塁打。しかし、直後の2回に暗転。先発の高橋遥人投手(28)が積極的に仕掛けてきたDeNA宮崎、桑原、森敬、戸柱に4連打を浴び3失点。さらに、2死三塁から2番牧に適時打を浴びてこの回4点を失った。岡田監督は3回表、捕手を先発の梅野から坂本に交代と動いた。高橋はその後失点なく、5回6安打4失点で降板。しかし、打線が再三つくった好機を生かせず、スコアボードに0が並んだ。さらに2番手村上が3点を追う7回、代打フォードに右翼へソロ本塁打を浴び、さらに無死一、二塁で代わった富田が佐野に3ランを献上。4番手岡留も戸柱の2点適時二塁打を浴び、この回一気に6点を失った。1-10の8回に森下の中前適時打で1点をかえすも、反撃は及ばず。阪神は初戦で黒星を喫した過去6度すべてで敗退していたが、7度目も本拠地で悔しい敗退となった。岡田監督は2年契約を終えて、この試合を最後に退任。悔しいラストゲームとなった。

◆8点差の9回に阪神原口文仁内野手(32)が左越えソロを放ち、1点を返した。9回に9番石井大智投手(27)の代打で登場。上茶谷の4球目、143キロ直球をはじき返し、左翼ポール際に運んだ。今季限りで退任する岡田彰布監督(66)のラストゲームとなった一戦。最終回に熱くアーチをささげた。

◆DeNAが、阪神とのファーストステージを連勝で突破し、巨人とのCSファイナルステージに弾みをつけた。DeNAのCSファイナルステージ進出は17年以来7年ぶりで、三浦監督政権下では初となる。第1戦は先発東克樹投手(28)が、左ハムストリングの違和感で4回無失点で緊急降板。チームのピンチに中継ぎ陣が奮起し、継投でリードを死守した。第2戦は2回に戸柱の走者一掃の逆転適時二塁打、牧の適時打で一挙4点。7回には代打フォードのソロ、佐野の3ラン、戸柱の2点適時二塁打で2ケタ得点と勢いに乗った。7回以降は次々とシフトをチェンジし、3番佐野、4番オースティンがベンチに退き、控え組が守備に入った。投手陣では、第1戦で登板がなかったウェンデルケン、堀岡、上茶谷が登板。大量リードながら、CSの独特な雰囲気を経験したことは大きなプラス材料となる。その一方で、エースと主軸を欠く可能性も浮上した。東はこの日抹消され、CSファイナルステージでの登板は事実上消滅。宮崎は7回の打席で足の違和感を訴えたとみられ、負傷交代した。今季は開幕から故障者が多く出ながら、三浦大輔監督(50)が若手を起用するなど、3年連続のAクラスとなる3位を確保。CSファイナルステージも指揮官の手腕に注目が集まる。

◆阪神がDeNAに連敗でCSファーストステージ敗退が決まった。今季限りでの勇退が決まっている岡田彰布監督(66)にとっては最後の采配となった。試合が終了し、DeNAのあいさつには虎党からも大きな拍手が送られた。その後、岡田監督がグラウンドに戻ることはなかったが、右翼スタンドからは岡田監督の現役時代の応援歌が歌われた。

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◆本拠地で迎えた阪神がDeNAに2ケタ失点で連敗を喫し、CSファーストステージ敗退となった。今季限りでの退任が決まっている岡田彰布監督(66)にとって、これがラストゲーム。試合後は「ひどいな。え? 最後の最後に」と言うなど、最後まで岡田節を貫いた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-こういう試合になってしまった「ひどいな。え? 最後の最後に」ー梅野は代えた「まあ、普通やったら使わへんけど。最後やからのう」ーあそこは投手を代えずに流れを変えるために「いや、普通やったら梅野使わへんいうてるやん。それだけのことやん。来年のためやったらのう」-集大成を選手に見せてほしかった「なあ。やっぱりおんなじことばっかりやった。最後まで。そういうことやん。初球ばっかり。え? 止めようがない」ー厳しくいってきた森下は最後頑張った「いうたやつだけやろ。野放しにしたらぜんぜんやもんな。大変やで。怒る人間がゼロやったら」ー2年間を振り返って、心残りは「ぜんぜん何にもないよ。そんなん。別にないやんか。なんでよ。日本一にまでなったのに。なんで心残りがあんねん。順番間違えただけよ。簡単なことやないかそんなもん。1年目になってしまうから、おかしなってしまったんや。それだけのことやん」-できすぎだった。「そらそうやん、できすぎやって1年目なんか。こんなシーズンないって、何回も言うたやん、新聞にも書いたやん」-選手に過信があったか。「そら日本一になったらなるやろ。過信っていうか、今までが今までで、一気になってもうたわけやからな」-これからもチームを見守り続けるわけだが、この悔しさを...「いやいや、まだ見守り続けるって、そんなんまだ決まってないやんか。なんで今終わったばっかりで、なんで速効でそこまで俺に酷にさせるんや。なんで見守り続けるって、なんで今、速効で言われなあかんねん。まだ決まってない話やからでけへんよ」-最後、スタンドからコンバットマーチや監督コールが起きた。「知らんよ。聞いてないよ」-去年勝ってしまって、今年の難しさはあったか。「上ないやん。だからおまえ、そう言うしかないわけやんか、連覇もそうやし、去年の数字を上げていくようにって。野手に関しては、去年がマックスというのはないと思ったからな。ピッチャーはマックスがあるかもしれんけどな」-2位なので悪くない「別に何もないよ」-感覚としたらよくやった2位か「ようやったとか言うてお前、そら日本一になったんやから、絶対そら周りも勝てると思てるやんか。そういう目で見るのとなあ、ずっとBクラスにおって2位になる見た目とそら違うわけやからさ。いろんな2位があるからなあ。一概にこっちが2位で満足とは言われへんやん。相手が考えることやからな、そんなんは。よくやった2位か、物足りんかった2位か、そらいろんな2位があるわけやからさ」

◆阪神はCSファーストステージで2連敗し、24年シーズンが終わった。今季は大山悠輔内野手(29)、坂本誠志郎捕手(30)、原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)の4人が国内フリーエージェント(FA)権を取得。大山は試合終了後、FAについては言及せず、「悔しいです」を3度繰り返して球場をあとにした。4人の試合後のコメントは以下の通り大山 悔しいです。それだけです。悔しいです。悔しいしかないです。坂本 終わったばかりなので。今はそれよりも悔しい気持ちをかみしめないといけない。原口 そこは(今季)あまり気にせずにいつも通りやっていました。まだ終わったばっかりなので。糸原 終わったばかりなので。

◆本拠地で迎えた阪神がDeNAに2ケタ失点で連敗を喫し、CSファーストステージ敗退となった。今季限りでの退任が決まっている岡田彰布監督(66)にとって、これがラストゲーム。試合後は、指揮を執った2年間でほめる選手はと聞かれ「いないいない、そんなの。いてるわけないやん、そんなの」と言うなど、最後まで岡田節を貫いた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-他球団は相当研究してきているなと感じたか「そら研究してるってそら、キャンプのミーティングから言うてるっていうの。そんなフォアボール取られへん、そんなもんキャンプからの話やから。まだ全然打てへんな。ファーストストライクをな。中野なんかええ、今でも打たん」-去年で勘違いした「勘違いいうか1年間やで。信じられへんわ、俺は。そんなフォアボール、相手ピッチャー、ストライク入らへんと思てるんかな。分からんわ、俺はもう、ほんま分からん。今日ずっと流れ見とっても。そんなフォアボールなんか選べへんで。ピッチャーもストライク投げるのに毎日ピッチング練習しとんのに。プロやで。俺は今までが、お前らボール球振りすぎやって言うのでフォアボール言うてるだけであって、おーん。ピッチャーのコントロール悪いからなんか、一言も言ってないやん。自分らでボール球振って自滅してるから、フォアボールの価値を上げたほうがええんちゃうか言うて、ポイントも上げてもろうたわけやからな」-この2年間でほめられる選手は「いないいない、そんなの。いてるわけないやん、そんなの。そんなの、みんなまだまだの選手ばっかりやん」-投手も成績が悪くなった「悪なった。もう今日も村上ひどかったなあ。村上なんかそんなん終わってしまうで、あれ。無理やって、なあ」-コントロールが「なんかおかしいもんな、今日も。びっくりしたわ」-佐藤輝も尻すぼみになってしまったか「なるっていうの、去年見てみいや、去年のクライマックスから、日本シリーズでも。大事なところでそういう大きい1本とか打たれへん言うの。盗塁1個やないか、去年の日本シリーズ、言うてるやんか。そんなもん、ちゃんとちゃんと練習して、ちゃんともう自分の打ち方も分かって、ちゃんと打てるやつがそういう大事な場面で1本打てるんよ。簡単に大事な場面でホームラン、打てるわけないっていうの。なんにもやってなかったら。そういうことやんか。打ったか? 去年でも日本シリーズで。え? 言われたの盗塁だけやんか。そういうことやんか。簡単にホームラン打てるとか、何本打ってんの? 簡単にいいすぎよ。簡単に勝ちますとか、簡単に打ちますとか。なあ」ー大きなブランクを経て復帰し、日本一にもなったが、どんな日々だった「もうええよ。これでええやろ、全然」ー面白かったか「おもろい、いうか。だから結局、尻すぼみのチームになってしもうたもんな、今年は。去年がバッといきすぎたから、そらもうしゃあないやん、いきすぎるのは。それを継続できるくらいにな、みんなが頑張って能力があればいいけど、その能力がなかったいうことや。継続の能力がなかったということや、尻すぼみということはな。もうちょっと伸びしろあるかなと思って言うたし、あるかなと思ったけどな。(昨年の)数字見たら伸びしろあるやろうなと思ったけど、なかったいうことやもんな」ー来季のチームも大変そうか「知らんがな。何でそんなの言わなあかんの。まだ何も決まってないのに、終わったばっかやのに」

◆DeNAは負傷交代した宮崎敏郎内野手(35)が、「右下肢のつり」だったと発表した。試合後には自らの足で階段を上り下りし、歩いてバスに乗り込んだ。7回1死、三ゴロを放った直後に右足がつった模様で、一塁まで走りきれず。歩行も困難で、田中浩康コーチにおんぶされ、オースティンらの手を借りながらベンチに引き揚げていた。三浦大輔監督(50)は試合後、CSファイナルステージへ向けては「状態はみながらです」と話した。東克樹投手(28)は12日の初戦に先発もベースランニング中に左ハムストリングの違和感を訴え、この日登録抹消。三浦監督は「昨日のアクシデントがあったので、抹消です。東が抹消になったのはチームにとって非常に痛いですけど、そこまでよく投げてくれていましたし、リリーフ陣も先発陣もみんなんでカバーしながらやっていきます」と前を向いた。

◆DeNA打線の猛打がさく裂し、15安打10得点の完勝で17年以来7年ぶりにCSファーストステージ突破を決めた。16日からは日本シリーズ進出をかけ、巨人と東京ドームでCSファイナルステージを戦う。公式戦3位のDeNAが2連勝で1S突破。DeNAのファイナルS進出は、ともに3位から出場した16、17年に次いで3度目。過去2度は2勝1敗で、無傷の2連勝で突破は球団史上初。セ・リーグのCSで3位球団のファイナルS進出は10度目で、DeNAの3度は巨人に並び最多。DeNAは2回に4点、7回に6点の合計10点。セ・リーグのCSで2桁得点は08年2S<2>戦巨人11点、17年1S<2>戦DeNA13点に次いで3度目となり、2度記録したのはDeNAが初めて。1イニング6点は16年ファイナルS<4>戦広島の1回、17年1S<2>戦DeNAの7回に次いで3度目のセ・リーグCSタイ記録で、1イニング4点以上を1試合で2度はセ・リーグのCSでは初めてだ。

◆阪神粟井一夫球団社長が13日の試合後に取材に応じ、岡田彰布監督(66)が体調不良であることを明かした。DeNAとのCSファーストステージ第2戦に敗れ、CS敗退とシーズン終了が決定。試合後、取材に応じた粟井社長は「岡田監督の体調がちょっと思わしくない状況です」と話し、本来実施するファンへのあいさつを行えず、さらにシーズン終了後に予定されている岡田監督によるオーナー報告も、体調を考慮して実施しないことに決まった。この日の囲み取材の中で、岡田監督のメッセージを広報が代読した。「まず、阪神タイガースファンの皆さま、2年間たくさんのご声援をたまわりありがとうございました。本日の試合をもって監督としての任を終えますが、今後も違った形で阪神タイガースの繁栄のために勤めを果たしてまいりたいと思います。本来であればメディアを通じてファンの皆さまへの感謝の思いをお伝えしたかったところですが、コメントの形での発信となることをご容赦ください。2年間本当にありがとうございました」異例の形で、岡田監督の"ラストメッセージ"となった。

◆"マ進化ン"打線が爆発し、17年以来7年ぶりにCSファーストステージ突破を決めた。「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージで阪神相手に敵地・甲子園で2連勝。2回無死満塁、戸柱恭孝捕手(34)が走者一掃の3点適時二塁打を放つと、7回にも集中打で一挙6得点を挙げ、15安打10得点と打線がつながった。16日からは日本シリーズ進出をかけ、巨人と東京ドームでCSファイナルステージを戦う。大アウェーの甲子園が静まり返った。進化したDeNA打線が面白いようにつながった。先制された直後の2回先頭、阪神高橋から宮崎が二塁打で出塁すると、桑原が初球を右前打。「最低、1死三塁でいいかな」と逆方向への意識でつないだ。無死一、三塁から森敬が一塁への内野安打でつなぎ満塁。ベテラン戸柱が外角高めの直球をファーストスイングで仕留めた。走者一掃の適時二塁打で逆転に成功した。7回にも代打フォードのソロから始まり、梶原、牧とつないで佐野が3ラン。この回30分以上攻め続け、打者10人で一挙6得点と試合を決定付けた。集中打の中心として5打点を挙げた戸柱は「横浜の持ち味でもある爆発的な攻撃が出た。僕だけの力ではなく、みんながつないで勝ったことが本当によかったです」とかみしめた。過去と未来がぴったり重なった。17年以来7年ぶりのファイナルステージ進出。7年前も3位スタート。甲子園で泥だらけになりながら勝ち上がり、勢いそのままに日本シリーズまで突き進んだ。同じ甲子園、7年前とは違う、夏のような晴天で勢いをつけた。宮崎、桑原らとともに当時を知る戸柱は「2年目でちょっとヤングだった。当時より今は客観的に周りを見られるようになりました」と言えば、森敬、梶原とともに初のCSファイナル進出となった牧は「2年前、去年と悔しい思いをしてきた。こうして勝てて良かったです」と新たな領域に足を踏み入れた。スローガンに「横浜進化」を掲げる今季。ベテランと若手が融合して進化した"マ進化ン打線"で15安打10得点と快勝を収めた。マシンガン打線で圧倒的な強さを誇った98年以来の日本一へ、セ王者・巨人とのファイナルステージが待ち受ける。進化したDeNAの勢いはまだまだ止まらない。【小早川宗一郎】▽DeNAフォード(7回に代打でソロ)「いい感覚で打てた。1軍で貢献するために来たので、それができてうれしいです」▽DeNA佐野(7回に右翼へダメ押しの3ラン)「いい手応えでしたし、風もいつもと違って、いい風が吹いてくれてたので風に乗ってくれた」

◆阪神森下翔太外野手(24)が意地の猛打賞で最後まで打線をけん引した。初回、2死からDeNA先発ジャクソンの4球目、153キロ内角低めの直球をすくい上げた。「先制点を取りたい状況。出塁する気持ちでいった結果が最高の結果になりました」。左翼ポール際に着弾し、二塁を回ったところでガッツポーズを決めた。これで昨季のファイナルステージ初戦に続き、2年連続のCSアーチ。プレーオフ、CSで新人から2年連続本塁打は野本圭(中日)以来、プロ野球史上2人目の快挙となった。さらに3回には三塁への内野安打。9点を追う7回には2死二塁で3番手のウェンデルケンから中前適時打を放った。「自分にできることは次につないだり、チャンスの場面で1本出すぐらい。自分のやるべきことに集中しました」。2試合で打率6割2分5厘をマーク。聖地の重たい空気を一瞬で歓声に変えた。これが今季限りで退任する岡田監督とのラストゲームとなった。第2次岡田政権のドラフト1期生で1位指名。今季は、指揮官から直接指導を受け、打撃不振による2軍降格もあった。それでも最後まで快音を響かせた。日本一連覇での恩返しはかなわず、「結果なので仕方ないですけど、もう1回(岡田監督を胴上げ)できたら最高の結果だった」と唇をかんだ。プロ2年目シーズンは打率2割7分5厘、16本塁打、73打点といずれもキャリアハイの成績を残した。それでも満足はしていない。「自分の中でもっともっとできるなと感じている。またオフに鍛え直して、次のシーズンに優勝できるように準備していきたい」。その言葉に頼もしさが漂う。すでに侍ジャパンメンバーに選ばれ、11月には「第3回WBSCプレミア12」が控える。虎の若き主軸が世界の舞台で武者修行に励む。【村松万里子】

◆最後のとりでが崩れた。阪神高橋遥人投手(28)が負ければCS敗退が決まる大一番で壮絶に散った。5回6安打4失点。2回に5安打を集められ、このイニングに4失点を喫した。「ビッグイニングは一番やっちゃいけないことなので」と言葉を絞り出した。強力DeNA打線に真正面からぶつかった。初回は牧、オースティンを空振り三振に仕留めた。内角をズバズバと突き、鋭く沈むツーシームも決まった。好発進したが、2回は無死満塁から戸柱に右中間への3点適時二塁打を浴び牧にも適時打を許した。「そんなめちゃくちゃ甘いボールではないと思うんですけど。はじかれてたってことは...。力が及ばなかったというのは嫌で。もっとやりようというか。勢いを与えてしまったので...」全ての責任を背負い込む。直後の3回の守備からは捕手が梅野から坂本に交代。「僕を引っ張ってくれるキャッチャーの人も僕のせいで代えられてるので」と悔しさがあふれ出た。左肘の手術などから約3年ぶりに1軍復帰。8月から4連勝して逆転Vの希望をつないだ。まさに救世主として腕を振ってきた。だから大事なCSファーストステージ第2戦のマウンドも託された。ただただ結果が欲しかった。「求められてることをこういうところで発揮できない。弱いなと思いました、自分を」責任感が強く完璧主義な男だから、反省の言葉ばかりが口を突く。「結果的には申し訳なかったです。今日の試合が全てなので。チームに申し訳ないし、応援してくれたファンの人にも申し訳ない」。復活の1年。一方で最後の最後にとてつもない悔しさを味わった。もっともっと強くなって、誰にも手のつけられない男になるしかない。【中野椋】

◆阪神大山悠輔内野手(29)が今年4月に初取得した国内フリーエージェント(FA)権の行使を熟考することが13日、分かった。今季は不調による2軍再調整も経験しながら、シーズン終盤は再び4番に返り咲いた。凡打でも全力疾走を貫くなど、姿勢の面でもチームに与える影響力が大きい主砲。仮に行使すれば複数球団による争奪戦となる可能性が高く、球団は全力で慰留に努める。終戦後、4番大山は全責任を背負い込むように同じ言葉を繰り返した。「悔しいです。それだけです。悔しいです。悔しいしかないです」レギュラーシーズンを2位で終え、最後はCSファーストステージでDeNAに2連敗。厳しい表情のまま甲子園を後にした。昨季は「不動の4番」としてチームを18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一達成に導いた。一方で今季は下半身のコンディション不良も影響し、開幕直後から不振が長引いた。打率が1割台に突入していた6月4日楽天戦(甲子園)には連続試合出場が227でストップ。翌5日からは約2週間の2軍再調整も経験した。不振による2軍降格は6年ぶりの屈辱だった。それでも同月下旬に1軍復帰後は復調。5番起用を経てシーズン終盤には4番復帰し、最終的にはチームトップ、リーグ2位の得点圏打率3割5分4厘の勝負強さで打線を支えた。14本塁打、68打点はともにチーム3番目の数字だ。巧みなハンドリングで知られ、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した一塁守備でも貢献度は高い。常に全力疾走を怠らない姿勢でもチームへの影響力は大きい。近日中に誕生する藤川球児新監督のもとでも絶対に欠かせない存在に違いない。4月20日に初めて国内FA権を取得。その際は行使について「今は目の前の試合をしっかり全力でやるだけ」と話すにとどめていた。今後はまずFA権行使の有無について検討するとみられる。8年間過ごしたタイガースへの愛着は人一倍強い。一方で一野球人として、他球団の評価を聞いてみたい欲求もゼロではないだろう。仮に権利を行使すれば、複数球団による争奪戦も予想される。球団は全力で慰留に努める方針だ。大山悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日生まれ、茨城県出身。つくば秀英-白鴎大を経て16年ドラフト1位で阪神入団。1年目の17年から先発4番を務め、19、23年には全試合出場を果たすなど、阪神の主砲として活躍。球団在籍137本塁打は阪神13位。181センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は2億8000万円。

◆最後の大放談! 「2024 JERAクライマックスシリーズ セ」ファーストステージ第2戦で阪神がDeNAに連敗を喫し、シーズンが終わった。今季限りで退任する岡田彰布監督(66)にとってラストゲームだったが、2ケタ失点の大敗に「ひどいな。え? 最後の最後に」などと選手へのぼやきを連発。最後まで"愛のゲキ"を飛ばし続けた。最後の最後まで岡田節がさく裂した。まさかの2ケタ失点の大敗。感傷に浸る涙は出ず、代わりにいつもの敗戦後のようなぼやきが出続けた。「ひどいな。え? 最後の最後に」と苦笑い。「やっぱりおんなじことばっかりやった。最後まで」と止まらなかった。1点リードの2回に、先発高橋が4連打を浴びるなど4失点。「初球ばっかり。え? 止めようがない」。打線は好機をつくるもあと1本が出ない。「まだ全然打てへんな。ファーストストライクをな。中野なんかええ、今でも打たん」。 2年間でほめられる選手は、と聞かれた指揮官は「いないいない、そんなの。いてるわけないやん、そんなの。そんなの、みんなまだまだの選手ばっかりやん」と即答した。裏を返せば、ここからまだ成長できるとの思いもかいま見える。2軍降格も経験させるなど、主軸の1人として成長を促したのは佐藤輝。「ちゃんと練習して、ちゃんと自分の打ち方も分かって、ちゃんと打てるやつが大事な場面で1本打てるんよ。簡単に大事な場面でホームラン、打てるわけないっていうの」。今季7勝11敗とふるわず、この日2番手で2回途中3安打3失点を喫した村上にも苦言。「もう今日も村上ひどかったなあ。村上なんかそんなん終わってしまうで、あれ」。歯に衣(きぬ)着せぬ物言いは選手を思うからこそだ。「結局、尻すぼみのチームになってしもうたもんな、今年は。去年がバッといきすぎたから、そらもうしゃあないやん。継続の能力がなかったということや」。チームへ愛のゲキは止まらない。心残りはと問われると「全然何にもないよ。そんなん。別にないやんか。なんでよ」ときっぱり。「日本一にまでなったのに。なんで心残りがあんねん。順番間違うただけやん。簡単なことやないか」。昨年はリーグ優勝、日本一。今年は悲願のリーグ連覇はならなかったが、強すぎる印象を残してグラウンドを去る。【磯綾乃】

◆DeNAアンドレ・ジャクソン投手(28)が、6回途中1失点の好投でCS初勝利を挙げた。1回に森下に先制ソロを浴びたが、2回以降は要所を締める投球。戸柱の好リードにも導かれ、最少失点で中継ぎ陣に託した。「とても素晴らしい試合だった。戸柱さんが打ってくれたところから、少し落ち着いて投げられた」と女房役の一打に感謝。16日のCSファイナルステージ初戦はケイが先発する可能性が高まった。

◆14日の第3戦に先発予定の阪神・大竹耕太郎投手(29)は試合前練習に姿を見せ、キャッチボールなどで調整した。昨季に続くCSでの登板は、出番が回ってくれば勝利したチームがファイナルステージ進出という緊迫した試合になる。「去年はめっちゃ力んだ。昨日、才木を見ていても力入ってんなっていうのはあった。そうならないようにしようっていうよりは、それを受け入れて、その中でどうやって抑えるかという風にしていければ」とイメージした。今季DeNA打線とは2度対戦して1勝0敗、防御率3・27の成績だった。3日のレギュラーシーズン最終戦(横浜)では5回無失点と好投して勝利を挙げている。「その時はその時だし、明日は明日。毎試合、今日の相手は今日しかないし、今日の自分も今日しかないっていう感じで投げている。今日(高橋)遥人が投げるし、左に対してどういう感じかっていうのが見ることができるので、それはプラスにしてしっかり見ていきたい」と、大一番へ準備を進めていく。

◆負ければファーストステージで敗退が決まる阪神は高橋遥人投手(28)が先発する。左ひじの手術などから1軍復帰を果たした今季は5試合に先発して4勝1敗、防御率1.52。終盤の先発陣で最も安定感があった左腕が崖っぷちのチームを救う。打線は森下翔太外野手(24)に注目。相手先発のジャクソンとは今季の対戦打率・385(13打数5安打)、1本塁打と好相性を誇った。勝負強さが光る若虎がポストシーズンの大舞台で虎を勝利に導く。

◆阪神の先発・高橋遥人投手(28)が一回のマウンドに上がった。先頭の梶原をスライダーで一ゴロ。続く牧を149キロ直球で空振り三振に斬った。佐野に四球を与えたが、オースティンは142キロツーシームで空振り三振。負ければ終わりの大一番で上々の立ち上がりを見せた。

◆前日12日の試合に先発し左太もも裏の違和感を訴え緊急降板したDeNA・東克樹投手(28)が出場選手登録を抹消された。再登録は最短でも23日となるため、チームがファイナルステージに進出した場合でもエースの不在は決定的となった。東は四回の打席で安打を放った後の走塁で左脚を負傷。その裏は続投し三者凡退に抑えたが、4回無失点、50球でマウンドを降りた。この日は甲子園入りしており、三浦監督は、横浜に戻った後にチームドクターの診断を受ける予定であると明かした。今季リーグ1位の183回を投げ、同2位タイの13勝を挙げた左腕を欠くこととなり、3位からCS勝ち上がりを目指すチームにとって大きな痛手となった。

◆阪神が森下翔太外野手(24)のソロ本塁打で先制に成功した。0―0の一回、2死走者なしから打席に入ると、カウント2-1からジャクソンの153キロ直球を一閃。打球速度172キロで放たれた打球は、ライナーで左翼ポール際に飛びこんだ。森下のCSでの本塁打は昨年のファイナルステージから2年連続。12日の第1戦を落として後がない試合で、大舞台に強い背番号1の一打で先手を取った。

◆阪神・高橋遥人投手(29)が1-0の二回に4点を失った。連打を止められなかった。この回先頭の宮崎に左翼フェンス直撃の二塁打を許し、桑原の右前打、森敬の一塁内野安打で無死満塁のピンチ。ここで8番・戸柱に走者一掃の適時二塁打を浴び、3点を失った。今季初対戦のDeNA打線に捕まり、森下の先制アーチでリードをもらった直後に逆転を喫した。なおもピンチは続き、2死三塁で牧にも適時打を浴びてこの回4点を失った。

◆DeNAは一回に森下に先制ソロを許した直後、二回に先頭から4連打など一挙4得点を挙げ逆転に成功した。今季初対戦の阪神先発、高橋遥人に対し先頭の宮崎が左中間を破る二塁打。続く桑原は1球目を理想的な右方向へゴロを転がし一、二塁間を破った。無死一、三塁で森敬も初球を振り、一塁への内野安打を放ち満塁。続く戸柱もファーストストライクを捉え、右中間へ走者一掃の二塁打を放った。2死三塁となり牧も中前適時打を放ち、この回4点を記録した。

◆反撃といきたい阪神だが、なかなか一本が出ない。1-4の四回、先頭の佐藤輝明内野手(25)が今シリーズ初ヒットとなる一塁線を破る二塁打で出塁し、無死二塁と好機を作った。しかし続く前川は中飛、坂本は三振で2死に。12日に適時打を放っていた木浪も遊飛に倒れ、得点を奪うことはできず。3点ビハインドのまま五回に入った。

◆阪神の先発・高橋遥人投手(29)は5回6安打4失点で降板となった。2021年以来のCS登板となった左腕だが、先制点をもらった直後の二回にDeNA打線に捕まった。先頭の宮崎に左翼フェンス直撃の二塁打を許すとなおも連打で無死満塁のピンチ。ここで戸柱に走者一掃の適時二塁打を浴びて3失点、さらに牧にも適時打を浴びた。捕手が梅野から坂本に代わった三回以降は走者を背負いながらも追加点は与えず。5回80球を投げたところで代打が送られ、継投に入った。

◆DeNAのアンドレ・ジャクソン投手(28)が先発。来日1年目でCS第2戦を託された右腕は、六回途中4安打1失点、9奪三振の力投で応えた。一回に森下に先制ソロを浴びたが、味方がすぐさま逆転したリードをきっちりと守った。4―1の五回は2四球で一発を浴びれば同点のピンチを招いたが、4番の大山を全て変化球で3球三振に仕留めて雄たけびをあげた。

◆阪神の2番手・村上頌樹投手(26)が手痛い一発を浴びた。1-4で迎えた七回。先頭の代打・フォードに投じた5球目だった。147キロ直球を引っ張られると、打球は無情にも右翼スタンドへ。リードを4点差に広げられる一発に、村上はがっくりと肩を落とした。負ければ、クライマックスシリーズファーストステージでの敗退が決まる一戦。村上は続く梶原、牧にもヒットを許して無死一、二塁のピンチを背負うと、降板が告げられた。

◆今季途中に新加入したDeNAのマイク・フォード内野手(32)が4―1の七回に代打で出場し、右翼席へ豪快なソロを放った。阪神2番手の村上に対し、カウント3―1からの5球目、高めの直球を完璧に捉えた。レギュラーシーズンは外国人枠の関係もある出場6試合で1本塁打に終わったが、2軍で日本の野球に順応しファーム日本選手権では2打席連発を放つなど、最終盤に状態を上げてきた。

◆阪神の先発・高橋遥人投手(29)は5回6安打4失点で降板となった。2021年以来のCS登板となった左腕だが、先制点をもらった直後の二回にDeNA打線に捕まった。先頭の宮崎に左翼フェンス直撃の二塁打を許すとなおも連打で無死満塁のピンチ。ここで戸柱に走者一掃の適時二塁打を浴びて3失点、さらに牧にも適時打を浴びた。捕手が梅野から坂本に代わった三回以降は走者を背負いながらも追加点は与えず。5回80球を投げたところで代打が送られ、継投に入った。高橋は「打たれてしまったボールは少し高かったり甘かったり自分の力の無さが出てしまいました。先制してもらったあとに一気に勝ち越されてしまったあのイニングがすべてです」と話した。

◆DeNA・佐野恵太外野手(29)が「3番・左翼」で出場。七回に右翼席へ1号3ランを放ち、リードを7点に広げた。5―1とした七回無死一、二塁。代わったばかりの左腕、富田に対しカウント1―1からの3球目、変化球を振り抜き、阪神ファンで埋まった右翼席へと運んだ。ダイヤモンドを一周し、左翼席最上部の一角を青く染めたベイスターズファンに向かって本塁打パフォーマンス「デスターシャ」を披露した。

◆阪神は七回、DeNAの佐野に3ランを浴びてさらに点差を広げられた。回またぎでマウンドに上がった2番手・村上が代打のフォードにソロ本塁打を浴び、続く梶原、牧にもヒットを許して無死一、二塁のピンチを背負ったところで降板。3番手で富田がマウンドに上がった。佐野に変化球を捉えられ、右翼スタンドで運ばれる3ランで8-1とさらに失点を重ねる結果に。富田はこの打者で降板し、岡留がマウンドに上がった。

◆DeNA・宮崎敏郎内野手(35)が「5番・三塁」で出場。8―1の七回、第4打席に三ゴロを放った際、一塁へ向かう途中で右脚をひきずり立ち止まった。自力で歩くことができず、コーチに背負われてベンチへ戻った。

◆DeNA・戸柱恭孝捕手(34)が七回に左翼線へ2点二塁打を放ち、二回の3点二塁打に続いて5打点の大暴れを見せた。七回に代打フォードのソロ、佐野の3ランで8―1としてなお2死一、二塁。戸柱が左翼線へとはじき返し、2者が生還。この回一挙6得点でリードを大量9点に広げ、満員の敵地甲子園が静まり返った。

◆DeNA・森敬斗内野手(22)が「7番・遊撃」で出場。八回に坂本の三遊間深くへのゴロを捕球すると、そのまま反転しながら一塁へノーバウンド送球。超爆肩を見せつけ、一度はセーフの判定も、三浦監督のリクエストでリプレー検証の結果アウトに判定が覆った。打席でも直後の九回に左前打を放ち、3安打猛打賞をマークした。

◆阪神は強力DeNA打線に飲み込まれて2連敗を喫し、CSファーストステージ敗退。今季終了となった。一回に森下翔太外野手(24)のソロ本塁打で先制するも、直後の二回に高橋遥人投手(29)が捕まる。3連打で無死満塁とされると、戸柱に走者一掃の適時二塁打を浴びて3失点。さらに2死から牧にも適時打を浴びて一挙4点を失った。追い上げたい打線は四回無死二塁、五回2死一、二塁など好機を作るも一本がだせない。六回から2番手として村上頌樹投手(26)が登板するも、七回に代打・フォードにソロ本塁打を浴びて次の1点を与えてしまう。さらに富田蓮投手(23)が佐野に3ランを浴び、岡留英貴投手(25)も2点を失ってでこの回一挙6失点。七回に森下が適時打、九回には代打・原口文仁内野手(32)がソロ本塁打を放ったが、反撃は及ばなかった。阪神・岡田彰布監督(66)は今季限りでの退任が発表されており、これがラストゲームに。昨季18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を成し遂げた虎将は、今季はレギュラーシーズン2位からポストシーズンを勝ち抜いての日本一を目指していたが、叶わなかった。

◆DeNAは2試合連続の2桁となる15安打を放ち大勝。2位阪神を2連勝で下し、同じ3位から甲子園で阪神に勝利し日本シリーズまで進出する〝下克上〟を果たした2017年以来、7年ぶりとなるCSファイナルステージへの進出を決めた。16日から東京ドームで首位巨人とファイナルステージを戦う。

◆試合に勝利したDeNAナイン=甲子園球場(撮影・松永渉平)

◆メンバー表交換後、ファンの声援に応える阪神・岡田彰布監督 =甲子園球場(撮影・根本成)

◆阪神が連敗を喫し、CSファイナルS進出を逃した。一回、森下翔太外野手(24)のソロ本塁打で先制。しかし二回に高橋遥人投手(28)が戸柱恭孝捕手(34)の3点二塁打と牧秀悟内野手(26)の適時打で4点を失った。七回は2イニング目の村上頌樹投手(26)が代打マイク・フォード内野手(32)にソロ本塁打、富田蓮投手(23)が佐野恵太外野手(29)に3ランを許すなど、6点を奪われた。投手陣は2戦で25安打13失点。打線は計4得点で近本光司外野手(29)、中野拓夢内野手(28)が1安打、佐藤輝明内野手(25)が5三振に終わるなど、5安打3打点の森下以外の打者が振るわなかった。阪神は11度目のCSファーストSで8度目の敗退。試合後、虎党から現役時代の「コンバットマーチ」が流れる中、終戦を迎えた岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(観衆=4万2646人)。ーーこういう試合になってしまった「ひどいな。え? 最後の最後に」ーー梅野を三回の守備から代えた「まあ、普通やったら使わへんけど。最後やからのう」ーー投手を代えずに流れを変えるために「いや、普通やったら梅野使わへんいうてるやん。それだけのことやん。来年のためやったらのう」ーー集大成を選手に見せてほしかった「やっぱりおんなじことばっかりやった。最後まで。そういうことやん。初球ばっかり。え? 止めようがない」ーー厳しく接した森下が頑張った「言うたヤツだけやろ。野放しにしたら全然やもんな。大変やで。怒る人間がゼロやったら」ーー心残りは「全然何にもないよ。そんなん。別にないやんか。なんでよ。日本一にまでなったのに。なんで心残りがあんねん。順番まちごうただけやん。簡単なことやないか。1年目になってしまうから、おかしなってしもたんやんか。それだけのことやん」ーー出来過ぎだった「そらそうやん、出来過ぎやって1年目なんか。こんなシーズンないって、何回も言うたやん、新聞にも書いたやん」ーー選手に過信「そら日本一になったらなるやろ。過信っていうか、今までが今までで、一気になってもうたわけやからな」ーーこれからもチームを見守り続ける「見守り続けるって、そんなん決まってないやんか。なんで今終わったばっかりで、そこまで俺に酷にさせるんや。なんで今、言われなアカンねん。まだ決まってない話やからでけへんよ」ーー最後、スタンドからコンバットマーチが流れ、〝オカダコール〟が起こった「知らんよ。聞いてないよ」ーー去年勝って、今年の難しさはあったか「上ないやん。だからお前、そう言うしかないわけやんか、連覇もそうやし、去年の数字を上げていくようにって。野手に関しては、去年がマックスというのはないと思ったからな。ピッチャーはマックスがあるかもしれんけどな」ーー2位なので悪くない「別に何もないよ」ーー感覚では、よくやった2位か「ようやったとか言うてお前、そら日本一になったんやから、絶対そら周りも勝てると思てるやんか。そういう目で見るのとなあ、ずっとBクラスにおって2位になる見た目とそら違うわけやからさ。いろんな2位があるからなあ。一概にこっちが2位で満足とは言われへんやん。相手が考えることやからな、そんなんは。よくやった2位か、物足りんかった2位か、そらいろんな2位があるわけやからさ」ーー他球団の研究は感じたか「そら研究してるってそら、キャンプのミーティングから言うてるっていうの。そんなフォアボール取られへん、そんなもんキャンプからの話やから。まだ全然打てへんな。ファーストストライクをな。中野なんかええ、今でも打たん」ーー去年で勘違いした「勘違い、いうか1年間やで。信じられへんわ、俺は。そんなフォアボール、相手ピッチャー、ストライク入らへんと思てるんかな。分からんわ、俺はもう、ほんま分からん。今日ずっと流れ見とっても。そんなフォアボールなんか選べへんで。ピッチャーもストライク投げるのに毎日ピッチング練習しとんのに。プロやで。俺は今までが、お前らボール球振りすぎやって言うので、フォアボール言うてるだけであって。ピッチャーのコントロール悪いからなんか、一言も言ってないやん。自分らでボール球振って自滅してるから、フォアボールの価値を上げた方ががええんちゃうか言うて、ポイントも上げてもろうたわけやからな」ーーこの2年間でホメられる選手は「いない、いない。そんなの。いてるわけないやん、そんなの。そんなの、みんなまだまだの選手ばっかりやん」ーー投手も成績が悪くなった「悪なった。もう今日も村上ひどかったなあ。村上なんかそんなん終わってしまうで、アレ。無理やって、なあ」ーーコントロールが「なんかおかしいもんな、今日も。びっくりしたわ」ーー佐藤輝も尻すぼみ「なるっていうの、去年見てみいや、去年のクライマックスから、日本シリーズでも。大事なところでそういう大きい1本とか打たれへん言うの。盗塁1個やないか、去年の日本シリーズ、言うてるやんか。そんなもん、ちゃんとちゃんと練習して、ちゃんともう自分の打ち方も分かって、ちゃんと打てるヤツが、そういう大事な場面で1本打てるんよ。簡単に大事な場面でホームラン、打てるわけないっていうの。なんにもやってなかったら。そういうことやんか。打ったか? 去年でも日本シリーズで。え? 言われたの盗塁だけやんか。そういうことやんか。簡単にホームラン打てるとか、何本打ってんの? 簡単に言い過ぎよ。簡単に勝ちますとか、簡単に打ちますとか。なあ」ーーブランクを経て復帰し、日本一にもなったが、どんな日々だった「もうええよ。これでええやろ、全然」ーー面白かったか「おもろい、いうか。だから結局、尻すぼみのチームになってしもうたもんな、今年は。去年がバッと行き過ぎたから、そらもうしゃあないやん、行き過ぎるのは。それを継続出来るくらいにな、みんなが頑張って能力があればいいけど、その能力がなかったいうことや。継続の能力がなかったということや。尻すぼみということはな。もうちょっと伸びしろあるかなと思って言うたし、あるかなと思ったけどな。(昨年の)数字見たら伸びしろあるやろうなと思ったけど、なかったいうことやもんな」ーー来季のチームも大変そうか「知らんがな。何でそんなの言わなアカンの。まだ何も決まってないのに、終わったばっかやのに」

◆阪神・粟井一夫球団社長(60)が試合後、取材に応じた。「岡田監督の体調が思わしくない。それで、本来であれば、きょうの試合終了後、ファンの皆さんにごあいさつに行きたかったんですけれども、ちょっとそれが叶わないという状態ですので、大事をとってという意味で私の方からきょうはなしとさせていただきました」と説明した。オーナー報告も、同様の理由で行われない見込み。今季限りでの退任が公表されている岡田監督は、球団広報を通じてコメントを配信した。以下岡田監督のコメント。「阪神タイガースファンの皆さま、2年間たくさんのご声援を賜り、ありがとうございました。本日の試合をもって、監督としての任を終えますが、今後も違った形で阪神タイガースの繁栄のために務めを果たしてまいりたいと思います。本来であればメディアを通じて皆様への感謝の思いをお伝えしたかったところですが、コメントの形での発信となることをご容赦ください。2年間、本当にありがとうございました」

◆DeNA・宮崎敏郎内野手(35)が「5番・三塁」で出場。8―1の七回、第4打席に三ゴロを放った際、一塁へ向かう途中で右脚をひきずり立ち止まった。自力で歩くことができず、コーチに背負われてベンチへと戻った。試合後、DeNAは右下肢をつったと発表。宮崎は歩いてバスに乗り込んだ。

◆今季途中に新加入したDeNAのマイク・フォード内野手(32)が4―1の七回に代打で出場し、右翼席へ豪快なソロを放ち「いい感覚で打てた。1軍で貢献するために日本に来たので、それができてよかった」と胸を張った。本職の一塁には4番のオースティンがいるため、代打での起用が続くが「米国時代に代打起用が多かったのでそこで経験を積んできたのと、日本に来てからも相手投手のデータをいろいろな人に聞いて集めながら、いざ打席に入ったらしっかり自分のスイングをする、その準備ができていることがきょうの結果につながったのかな」と振り返った。レギュラーシーズンは外国人枠の関係もある出場6試合で1本塁打に終わったが、2軍で日本の野球に順応しファーム日本選手権では2打席連発を放つなど、最終盤に状態を上げてきた。CSファイナルステージの切り札へ。「同じような代打の役割になるのかなと思っています。巨人は一度対戦したことがありますけど、もう一回相手投手のデータ傾向をしっかり準備して臨みたい」と意気込んだ。

◆阪神が連敗を喫し、CSファイナルS進出を逃した。一回、森下翔太外野手(24)のソロ本塁打で先制。しかし二回に高橋遥人投手(28)が戸柱恭孝捕手(34)の3点二塁打と牧秀悟内野手(26)の適時打で4点を失った。七回は2イニング目の村上頌樹投手(26)が代打マイク・フォード内野手(32)にソロ本塁打、富田蓮投手(23)が佐野恵太外野手(29)に3ランを許すなど、6点を奪われた。投手陣は2戦で25安打13失点。打線は計4得点。阪神は11度目のCSファーストSで8度目の敗退。主な選手のコメントは以下の通り(観衆=4万2646人)。2戦で5三振の佐藤輝明 「もっと出来たシーズンだったと思うので、この悔しさは来年以降晴らしていくしかない。頑張ります」2戦2安打0打点の大山悠輔 「悔しいです。それだけです。悔しいです」2戦5安打2打点の森下翔太 「自分の中でも自信のあったモノもありました。もっと出来ると感じているので、オフシーズンに鍛え直して...」1回0/3を投げ3失点の村上頌樹 「あのまま4ー1だったら...流れを持って来ることが出来なかった」2戦1安打の中野拓夢 「結果通りだと思います。相手の勢いというところで、自分たちの野球ができなかった。勝負の世界なので、実力不足だったかなと思います」九回に登板し、無失点の石井大智 「最後の登板になるかもしれないというところで、1年間やって来たことをマウンドで表現したかった」九回に代打でソロ本塁打を放った原口文仁 「球場に最後まで残ってくれた皆さんに少しでもいいところを見せようと思って準備してたので。いい1本になってよかった」5回4失点に高橋遥人 「今日の試合が全てなんで。僕を引っ張ってくれるキャッチャーも僕のせいで代えられてるんで」退任する岡田監督へ坂本誠志郎 「こんな形でっていうのが歯がゆいし、悔しい思いが大きい。また成長した姿を見てもらえたら」三回の守備から退いた梅野隆太郎 「自分の責任を果たせなかったというか、遥人にも申し訳なかったし。最後にこういう悔しい形だったので、うん。自分の責任かなと思います」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は外国人補強に踏み切らなかった姿勢が連覇を逃した要因だと語った。残念としか言いようのない結果になった。最後の1敗も今シーズンを象徴する展開だった。1、2番が機能しないから、得点パターンが限られる。近本、中野ともに、シーズン終盤の悪い状態が続いてしまい、CSでの調整期間でも復調できなかった。連覇が叶わなかったシーズンの敗因も挙げればキリはないが、やはり打線に行きつく。そして、その最大の失敗は外国人補強に動かなかったこと。これに尽きる。ノイジー、ミエセスにどこまで期待したのかは分からないが、開幕早々に期待薄は察知できたはず。その後も、獲得に動くチャンスはいくらでもあった。事実、巨人を筆頭に他球団は補強していた。岡田監督が希望しなかったのか、球団が消極的だったのか、真相は知らないが、外国人不在が得点力不足に直結。そのまま連覇の夢を失った形となった。とはいえ日本一は岡田監督の功績。選手が、ファンが、フロントの人間も、幸せになれたのは岡田監督のおかげ。ありがとう、お疲れさま、ご苦労さん、言葉の限りを尽くして感謝したい。

◆前日12日の試合に先発し、走塁中に左太もも裏の違和感を訴え緊急降板したDeNA・東克樹投手(28)が出場選手登録を抹消された。進出が決まった巨人とのファイナルステージには、エース不在で臨むことになった。三浦大輔監督(50)は試合後、東について「一日でも早く、まだシーズン終わりではないので、できることをやってもらいます」と説明。今季リーグ1位の183回を投げ、同2位タイの13勝を挙げたエースの離脱に「チームにとって非常に痛いですけど、そこまでよく投げてくれていましたし、リリーフ陣も先発陣もみんなでカバーしながらやっていきます」と語った。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)は一回の左前打のみ。七回は適時打を放った森下の後に続くことができず、2試合で打点を挙げられなかった。試合後は「悔しいです。それだけです」と語り、記者の問いかけに「悔しい」を3度繰り返した。今季は2軍落ちも経験し、打撃3部門で昨季より成績を下げた一方、終盤は4番を外れることなく奮闘。国内FA権を取得した主砲の選択が注目される。

◆DeNAはジャクソンが六回途中4安打1失点と好投した。一回2死から森下にソロ本塁打を許したものの、その後は150キロ台中盤の速球にチェンジアップやカーブを交えて危なげなく抑えた。「すぐに逆転してもらって落ち着けた。特に速球が良かった」と振り返った。東が戦線離脱し、今後の戦いではエース級の働きが期待される。来日1年目の剛腕は「自分のやれることは変わらない。しっかりリフレッシュして大事な試合に臨みたい」と意気込んだ。フォード(七回先頭で代打本塁打)「チームに貢献できてうれしい。最近は状態が良かったので、しっかり一振りで仕留められた」佐野(七回に右越え3ラン)「いつもとは違う(右翼方向への)風にも乗って、最高の結果になった」

◆阪神の近本光司外野手(29)と中野拓夢内野手(28)の1、2番コンビが苦しんだ。近本は5打数無安打。中野は九回2死から安打を放ったが1安打にとどまり、ともに2戦1安打でチャンスメークできなかった。敗退についてともに「実力不足」。中野は来季に向け「今のままだとずっと試合に出られる状態ではない」と危機感を募らせた。近本は来季へ「(新監督に)求められることと自分がやりたいことをしっかりすり合わせて、よりよいものになれば」と語った。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)は 四回に右翼へ二塁打を放つも、2試合で安打はこの1本のみ。計5三振を喫するなどDeNAの投手陣に封じられた。以前から厳しい言葉をかけてきた岡田監督は試合後「ちゃんと練習して、ちゃんと自分の打ち方も分かって、ちゃんと打てるやつがそういう大事な場面で一本打てるんよ」と改めて辛口で奮起を促した。佐藤輝自身は「もっとできたシーズンだったと思う。この悔しさは来年以降晴らしていくしかない。頑張ります」と力を込めた。

◆先発した阪神・高橋遥人投手(28)は二回に大量4失点を喫して試合を作れなかった。「ビッグイニングは一番やってはいけないこと。求められていることを、こういうところで発揮できない。弱いなと思いました、自分を」。復帰後ワーストの4失点で降板。手術から復活したシーズンを振り返っても「きょうの試合が全て。チームにも、応援してくれたファンの人にも申し訳ない」と反省の言葉を並べた。

◆阪神・糸原健斗内野手(31)は七回に代打で中前打。森下の適時打を呼び込んだ。今季は代打が主戦場の中でも佐藤輝の降格時には三塁で先発し、一塁守備もこなすなど重要な役割を果たしてきた。今季取得した国内フリーエージェント権については「終わったばかりなので」と言い残して球場を後にした。

◆九回に登板した阪神・石井大智投手(27)は無失点で抑え、適時打を浴びた12日の第1戦の挽回を果たした。4年目の今季は展開を問わず起用されて56試合に登板し、防御率1・48、30ホールドとチームに欠かせない存在に成長。「(今年)最後の登板になるかもしれないところで、一年間やってきたことをマウンドで表現したかった。課題も感じたので、しっかり来年に向けてキャンプ、練習をやっていきたい」とさらなる飛躍を誓った。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(30)が梅野隆太郎捕手(33)に代わって三回の守備から出場。今季初コンビの高橋ら6投手をリードするなど奮闘したが、DeNA打線を止められなかった。岡田監督の退任に「いっぱい勉強させてもらったし、これからの野球人生につながることを教えていただいた」と感謝。取得した国内フリーエージェント権については「終わったばかりなので」と話すにとどめ、「それよりも悔しい気持ちをかみしめるというか。今はちょっとこの気持ちと向き合いたい」と語った。

◆先発の阪神・梅野隆太郎捕手(33)は三回の守備から坂本誠志郎捕手(30)と交代。今季は全試合で高橋遥人投手(28)とバッテリーを組んでいたが、二回に連打を浴びて4失点を喫していた。途中交代に「本当に自分の責任を果たせなかったというか、遥人にも申し訳なかった。最後にこういう悔しい形だったので。自分の責任かな」と唇をかんだ。

◆阪神・村上頌樹投手(26)は2番手として六回から登板したが、七回先頭の代打フォードにカウント3-1からの直球を捉えられて右越えソロを被弾。「あのまま1―4だったら、どうなったか分からなかった。連打をくらって、流れを持ってくることができなかった」。シーズンから3登板連続で、救援した2イニング目に失点。岡田監督は「村上ひどかったなあ。終わってしまうで、あれ。無理やって」と厳しいコメントを残した。

◆2戦続けて先発した阪神・前川右京外野手(21)は無安打に終わり、2戦で1安打と精彩を欠いた。高卒3年目の今季は左翼の定位置をつかみ打率・269、4本塁打と奮闘。ポストシーズンでは左投手相手にも起用を勝ち取るなど信頼を一気につかんだ一年だった。来季に向け「今のままのシーズンの成績じゃ、だめだと思うので、バッティングもちゃんと鍛え直してやっていきたい」とさらなる成長を見据えた。

◆DeNAは本拠地の横浜スタジアムで2日続けて内野席を無料開放し、パブリックビューイング(PV)を開催。2戦目の来場者数は「2万4234人」と発表された。これまでのハマスタPVの最多来場者はCSファイナルステージ突破を決めた2017年10月24日の「2万3910人」だったが、そのとき以来7年ぶりのファイナルステージ進出を決めたこの日に過去最多の来場者数を更新した。リーグ覇者の巨人とのファイナルステージ(東京ドーム)進出を受け、16日の第1戦から同期間でのPV開催も決定した。

◆DeNAは2試合連続の2桁となる15安打を放ち大勝。2位阪神を2連勝で下し、2017年以来、7年ぶりとなるCSファイナルステージへの進出を決めた。?レギュラーシーズン3位のDeNAが2連勝でCSファーストステージ(S)を突破。DeNAがファーストSを突破したのは、2016、17年(いずれも3位)に次いで7年ぶり3度目で、無敗で突破したのは初めて。?セの3位球団の無敗突破は10年の巨人、13年の広島、18、21年の巨人に次いで3年ぶり5度目。?プレーオフ、CSで2桁得点を挙げたのは、18年ファイナルS第3戦のソフトバンク(○15-4西武)以来6年ぶり。セでは08年第2S第2戦の巨人(○11-2中日)、17年ファーストS第2戦のDeNA(○13-6阪神)に次いで7年ぶり3度目。?セのCSで1イニング6得点は最多タイで、16年ファイナルS第4戦の広島(一回)、17年ファーストS第2戦のDeNA(七回)に次いで7年ぶり3度目。?戸柱が1試合5打点。プレーオフ、CSでの1試合5打点以上は19年ファイナルS第4戦のソフトバンク・今宮健太(6)以来5年ぶり。セでは08年第2S第2戦の巨人・小笠原道大(6)、19年ファーストS第1戦の阪神・北條史也(5)に次いで3人目。?フォードが代打本塁打。プレーオフ、CSでの代打弾は昨年ファーストS第2戦の広島・末包昇大以来16人目(17本目)。DeNAでは17、19年の乙坂智(いずれもファーストS第2戦)以来5年ぶり2人目(3本目)。

◆DeNA・戸柱恭孝捕手(34)が二回に逆転の3点二塁打、七回は左翼線へ2点二塁打を放った。今季レギュラーシーズン出場46試合で挙げた4打点を1試合で上回る、5打点の大暴れに「初めてじゃないですか? あまり記憶にないですけど、勝利に関係したので、それが一番うれしい」と語った。捕手としての〝策略〟がハマった。1点を先取された直後の二回無死満塁。好左腕の高橋に対し、戸柱は「僕が捕手をしていたら、近づいてくる打者ってすごく嫌だなと。普通じゃ打てないですし、何か対策しようとラインに引っ付いて。自分がされたら嫌なことをしようと」と通常よりも左打席の本塁寄りぎりぎりに立った。「内野は後ろにいたので投ゴロ以外、併殺でもOKという気持ちで」ファーストストライクの外角直球を迷わず振り抜き、右中間へと運んだ。今季、正捕手の座をつかんだ山本が死球を受け骨折で離脱する中、大一番でチームを支えるベテランは「今季はもう彼が頑張って引っ張ってくれたので。そこでね、昨日も初戦で伊藤さんが流れをつくってくれたので、ベテランも負けていられないぞって。松尾も打ちましたし、みんなでカバーできたらいい」と語った。

◆DeNA・牧秀悟内野手(26)は「2番・二塁」で出場し、適時打を含む3打数2安打。CS第1戦も5打数3安打で、2試合で驚異の打率・625をマークし、プロ4年目で自身初のファーストステージ突破に「しっかりと自分たちの野球ができて、ビジター球場ですけどしっかり勝つことができてよかった」とうなずいた。昨季までは2年連続ファーストステージ敗退の悔しさを味わった。主将となり迎えた今季、初めてファイナルステージに駒を進め「2年前、去年と悔しい思いをしていたので、まずはこうやって勝ててよかった。(相手)チームが変われば雰囲気も変わると思うし、このままいけるかといわれればそうではないので、また一からしっかり準備していきたい」と、16日から東京ドームで待つリーグ覇者巨人との戦いへ切り替えた。

◆阪神が連敗を喫し、CSファイナルS進出を逃した。阪神は11度目のCSファーストSで8度目の敗退。今季限りでの退任が決まっている岡田彰布監督(66)は、「パインアメ」の愛好家として知られ、昨年は製造元のパイン株式会社(大阪市)から1000粒のパインアメが差し入れされた。同社はこの日、公式Xを更新し「2年間おつかれさまでした」という文章とともに、袋に「アリガトウ」と記されたパインアメの画像を投稿した。元阪神の糸井嘉男氏(43)も、自身のXを「#岡田阪神」というハッシュタグともに更新。「たくさんの成長をみせてくれた! たくさんの希望を持たせてくれた! たくさんの夢を叶えてくれた! たくさんのパインアメを...! 本当にありがとうございました」とつづった。阪神ファンを公言しているお笑いコンビ、ロッチの中岡創一(46)もXにパインアメの写真とともに「選手時代から監督まで ずっと好きよ」と岡田監督への思いを込めた。

◆阪神・粟井一夫球団社長(60)が13日、CSファーストステージ敗退となった試合後に甲子園球場に隣接する球団施設で取材に応じた。今季限りで退任する岡田彰布監督(66)が、試合後のグラウンドであいさつを行えなかったことを釈明した。「体調が思わしくない。ファンの皆さんには本当に申し訳ないという意味で球団を代表しておわび申し上げたい」虎将は今回のCS前の8日に体調の異変を訴え、風邪で9日の全体練習を欠席していた。万全なら、コーチ陣、選手らが球場内に残る阪神ファンへあいさつするプランもあったが「大事をとってという意味で、私の方からきょうはなしとさせていただきました」と粟井社長が明かした。今季の甲子園での戦いは、異例の整列&あいさつなしで幕を閉じた。岡田監督からファンへ向けたコメントも「2年間たくさんのご声援を賜り、ありがとうございました」などと球団広報が代読した。また、杉山健博オーナー(65)も取材に応じ「私がお願いしたリーグ優勝、日本一を達成してくれた」と感謝を述べた。岡田監督は来季はフロント入りする予定で、粟井社長は「基本的にご支援いただくということについては内諾をいただいております」と説明した。豊富な経験と人脈で新チームをバックアップしてもらう。

◆DeNAの面々は心の準備を整え、敵地甲子園に乗り込んだ。CSを間近に控えた全体練習時に首脳陣、選手、スタッフが複数のグループに分かれてディスカッションを行い、勝利をつかむための意見を出し合うとともに一体感を醸成した。スポーツ心理学の専門家としてチームを支える遠藤拓哉メンタルパフォーマンスコーディネーターは「詳細を話すとどのチームも勝利に近づいてしまう」と冗談めかしつつ、「短期決戦に臨む上での心理的なプロセスについて全体に話した」と説明した。12日の第1戦では先発の東が脚の違和感を訴え、四回で緊急降板。それでも、救援陣は動じずにアウトを積み重ねた。勝利の立役者の一人となった山崎は「心の準備はできていた」と当たり前のように語った。(智)

◆阪神の最後の打者となったのは森下翔太外野手(24)だった。岡田監督が虎将に再就任した2023年にドラフト1位で入団し、厳しい言葉もかけられてきた。二ゴロで一塁を駆け抜けると、下を向いてベンチへ引き揚げた。3安打4出塁の奮闘も実らず。酸いも甘いも経験した一年を終え、試合後には真っすぐに来季を見つめた。「オフから取り組んできたものも、かなり自分の中で自信になったものもあった。まだ、自分の中ではもっともっとできる。オフシーズンに鍛え直して、優勝を次のシーズンでできるようにしっかり準備していきたい」12日の第1戦では終盤のチャンスで見逃し三振に倒れていただけに、試合の入りから集中力を高めていた。一回2死で打席に立つと、ジャクソンの4球目を仕留める。打球速度172キロではじき返された打球は、弾丸ライナーで左翼ポール際に飛び込んだ。昨年の広島とのファイナルステージ第1戦で放って以来2年連続のCS弾で、見事に先手を取った。今季は春先からフォーム改造に着手。しかし、6、7月には不振に陥った。岡田監督から直接指導を受けても調子は上がらず、2軍落ちも。それでも後半戦は本来の力を発揮。打率・275、16本塁打、73打点の数字を残し、最後まで優勝争いを演じたチームの原動力になった。CSでの2戦でも8打数5安打と大舞台の強さを証明したが、この日の一戦が将とのラストゲームに。「悔しい結果に最後は終わってしまった。結果なので仕方ないが、もう一回(胴上げが)できたら最高だった」と唇をかんだ。1―10と離された七回2死二塁でも、ウェンデルケンから中前適時打を放つ。「自分ができることは次につないだり、チャンスの場面で一本出すこと。やるべきことに集中した」。若き背番号1が食らいついて刻んだ意地の1点が、来季への道しるべになるはずだ。「休んでいる暇もない。ジャパン(侍ジャパンの一員として戦う、11月のプレミア12)に向けて自分はまだあるので、そこに持っていけるようにしっかり準備していきたい」すべての経験をさらなる躍進につなげる。下を向いてなどいられない。ここで味わった悔しさが、森下をもっと強くする。(中屋友那)

◆阪神は13日、DeNAとのクライマックスシリーズファーストステージに敗退し、2024年のすべての戦いを終えた。今季は国内フリーエージェント(FA)権を大山悠輔内野手(29)、坂本誠志郎捕手(30)、原口文仁内野手(32)、糸原健斗内野手(31)が取得しており、球団は慰留に全力を尽くす構えだ。大山は不動の中軸としてチームを引っ張ってきた。坂本も梅野との併用で投手陣を導いている。左右の代打として勝負強さを発揮する糸原、原口も虎の重要なピースだ。FA権の取得者は日本シリーズ終了日の翌日から土、日曜日と祝日を除く7日以内に在籍球団に意思を伝えればFA権を行使でき、「FA宣言選手」として公示された翌日から契約交渉が可能となる。

◆最後まで応援をやめなかった虎党に、一瞬の夢を見せた。阪神・原口文仁内野手(32)の当たりは放物線を描き、左翼ポール際に吸い込まれた。奮起の仕事人は一塁ベースを周ったところで両手を握りしめガッツポーズ。意地の一打だった。「負けてしまったので悔しいですけど、最後まで応援してくれたタイガースファンの皆さん、球場に最後まで残ってくれた皆さんに少しでもいいところを見せようと思って準備していた」8点差がついた九回に代打で登場。上茶谷が4球目に投じた143キロ直球をはじき返し、左翼に運んだ。何点差であってもベストを尽くす集中力が、自身にとって2020年以来の甲子園弾につながった。今季限りで退任する岡田監督のラストゲームとなった一戦。原口は昨季の開幕第3戦だったDeNA戦(京セラ)で、第2次岡田政権の初アーチを放っていた。くしくも原口の一発に始まり、原口の一発に終わる形に。今季の終了と岡田監督の退任について問われ「もっと長くやりたかったですけど、そこは残念で悔しい気持ちがあります」と語った。今季は主に代打での出場も、6年ぶりに4番で先発し、その試合で本塁打を放つなどチームを助ける活躍を見せてきた。取得した国内フリーエージェント権については「まだ終わったばかりなので」と話すにとどめた。来季プロ16年目を迎えるベテランが、シーズンの最後に特大の存在感を示した。(邨田直人)

◆阪神タイガース、またまたやっちまった...。功労者のラストがドタバタになる〝お家芸〟は令和になっても健在だった。「オカダ! オカダ! オカダ! オカダ! オカダ! オカダ! ホームラン! ホームラン! 場外 場外ホームラン!」懐かしのヒッティングマーチの大合唱が起きた。4万2646人の大観衆のうち、約2000人ぐらいがDeNAファンとして、大敗ですでに家路に就いたと思われる虎党約5000人ぐらいを引いた、3万5000人以上は席を立たなかった。特に外野席は試合後もずっと埋め尽くされていた。みんな、待っていたのだ。ラスト采配だった〝タテジマの申し子〟岡田彰布が、姿を見せてくれるのを。あいさつがなくたっていい。せめて、手を振ってくれたら...。今の時代に、辞める監督を、ただただ待ち続けるファンがウン万人いるなんて、あり得ない話だ。3年連続最下位の中日・立浪監督だってマイクで別れを告げた。場内一周して竜党に手を振った。岡田監督のおかげで38年ぶりの日本一という夢を見られたファンは、せめて「ありがとう」ぐらいは直接言いたかったはず。が、背番号80は出てくることはなかった。球団社長が「岡田監督の体調が思わしくなかった」と釈明。なら、仕方がないか。でも、直前までベンチにいたのになぁ。「温かいご声援ありがとうございました 来シーズンも引き続き阪神タイガースへのご声援をよろしくお願いします」抑揚なく流れる場内アナウンスで、セレモニーらしきものがないと察したファンがようやく、1人、また1人、立ち上がって球場を後に。明らかに「虎党スタンドに置き去り」の最終戦になってしまった。「これはあり得ない。一OBとして、これほどファンに失礼なことはない。誰が悪いのかは、分からないけれど」記者席で岡田監督のラストを見届けようと待っていたタテジマOB上田二朗氏(サンケイスポーツ専属評論家)も呆れていた。球団2人目の生え抜き2000安打達成のレジェンド鳥谷敬が、引退勧告に対して現役続行を希望。まともなセレモニーもなく去っていったのは2019年。記憶に新しい。同じように引退勧告の席で真弓明信が現役続行を希望すると、隣の会見場のテーブル上にあった花束を球団広報が大慌てで撤去したのは1995年のこと。引退すると勝手に決めつけていた球団の失態だった。球団1人目の2000安打達成者・藤田平は翌年に向けた秋季練習中に引退を勧告された。その藤田は監督時代の1996年、解任通告されると「納得できない」と球団事務所内に深夜の2時過ぎまで、9時間半の〝籠城〟。これはもう壮絶を通り越している。レジェンド田淵幸一、江夏豊もトレードで阪神を去っていった。当事者は不本意なまま。岡田監督も1993年秋には「引退してスコアラーから野球を勉強して」と構想外の通告。オリックスで現役を続行したのは有名な話。去り際はいつも...と思ってしまうのは、虎ソナだけ?!最後までいろいろあった阪神の2024シーズンは、これにて幕を閉じたのであります。

◆秋の日はつるべ落とし...。よもや阪神の今年がこれほど早く終わるとは...。寂しいよ! CSで大敗したことだけじゃなくて1985年伝説のバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発の最後の一人、岡田彰布のユニホーム姿をもうグラウンドで目にすることはないのだな...と思うと...(涙)だけど、もう生涯虎の日本一は見られないものと半ばあきらめていた俺に昨年38年ぶりのアレで酔わせてくれた岡田監督には感謝の言葉しかありません!!来季は火の玉指揮官・藤川球児監督がほぼ確実です。右の助っ人大砲を獲得できるか? クローザーは? 結局解決できなかった2024年キャッチャー問題は? 勝負弱い(とりわけストレートに苦しむ)打線の強化は? 手痛いエラー(特に佐藤輝)を減らせるか? ヒットの数ではなく相手が嫌がる1、2番に近本・中野を変えられるのか? 課題は山積です...。いや、大丈夫さ! あの現役時代のえげつない速球さながらの火の玉采配で相手をキリキリ舞いさせてくれると信じとるでェ!!