日本ハム(★0対2☆)ロッテ =クライマックスシリーズ1回戦(2024.10.12)・エスコンフィールド北海道=
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ロッテ
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日本ハム
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勝利投手:佐々木 朗希(1勝0敗0S)
(セーブ:益田 直也(0勝0敗1S))
敗戦投手:加藤 貴之(0勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】中村 奨吾(1号・5回表ソロ),ポランコ(1号・7回表ソロ)

  DAZN
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◆ロッテがファイナルステージ進出に王手をかけた。ロッテは両軍無得点で迎えた5回表、中村奨のソロで先制する。そのまま迎えた7回には、ポランコのソロで貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・佐々木が8回無失点9奪三振の快投。敗れた日本ハムは、打線が散発の5安打と振るわなかった。

◆北海道旭川市出身でパリ五輪やり投げ女子金メダリストの北口榛花(26=JAL)が、始球式に登場した。金メダルを取った際の記録65メートル80にちなんで「65・80」の背番号が付いたユニホームをまとって登板。世界のてっぺんを取った"勝利の女神"が、やりをボールに持ち替え、驚きの投球を披露した。まずは、両手を掲げてスタンドに手拍子を求めると、ゆったりとしたフォームから捕手の伏見へ、ノーバウンド、ストライク投球。観客席からどよめきが起きた。「午前中のイベントでお客さんからアイデアをいただいて手拍子を求めました。練習ではうまくいきませんでしたが、手拍子を求めたら、自分のテンポになった感じがします」と感謝した。野球の経験も、始球式の経験も初だが、制球もばっちり。「届くというかストライクゾーンに入れることが第一だったので、あんまり全力ではないです。(やり投げの)半分ぐらい。かなりセーブしました」と、本職とは違い、パワーよりコントロール重視の"技巧派"ピッチングだった。

◆CSでも守備職人「神川畑」が降臨した。5番二塁でスタメン出場した日本ハム上川畑大悟内野手(27)が、3回の守備で"神判断"から併殺を奪った。3回無死一塁。ロッテ荻野の打球は二塁へのハーフライナー。上川畑は直接捕球できる体勢で打球を待ちながら一塁走者を確認。ライナーバックしているのを見て、あえて打球をショートバウンドで捕球して二-遊-一の併殺とした。まるで神のように打球を思いのままに操って、狙い通りに2つのアウトを奪った「神川畑」の好プレーにX(旧ツイッター)でも「神川畑すぎる!!!」「神川畑定期 初CSでも冷静だった」「神神神神神神神神神神神神神神川畑大悟」など称賛が相次いだ。

◆ロッテ中村奨吾内野手が、先制ソロを放った。5回の先頭打者で、初球の137キロ直球を捉えた。高々と上がった打球は、フェンスギリギリで左翼席に飛び込んだ。均衡を破る、貴重な1発に「打ったのは真っすぐです。エスコン初ホームランがこのクライマックスシリーズで打てて良かったです」と喜んだ。ロッテは、さらに友杉が左翼線二塁打、藤原の投手犠打で1死三塁をつくったが、1番荻野貴が初球スクイズに失敗した。

◆日本ハムがロッテのスクイズを阻止した。1点を先制された直後の5回1死三塁の守備。ロッテ荻野が初球でスクイズを試みたが、日本ハムの先発加藤貴之投手(32)がフォークを低めに投じて空振り。スタートを切っていた三塁走者の藤原を三本間で挟んでアウトとした(記録は盗塁死)。両チームは昨季からスクイズを巡って激しく攻防を繰り広げてきた。今季のレギュラーシーズンでは8月14日のエスコンフィールドでの対戦で、新庄剛志監督(52)が2者連続で初球スクイズを成功させていた。その試合後に「去年、ロッテさんにはサインを見破られていたんで、いつか借りは返したいなと思いながら。やっぱ男なら、そういう借りは返さないといけないんで」と新庄監督は振り返ったように、昨年6月24日はZOZOマリンで同点の9回無死二、三塁で2球連続でウエストされてスクイズを失敗していた。11日に行われたCS前日会見で新庄監督は吉井監督の采配について「全く読めない。表情変わんないし、リクエストは(動作が)こんなちっちゃいし(笑い)。逆に僕は、めちゃくちゃデカいし(笑い)。でも、戦ったら、めちゃくちゃ面白いです。何をやってくるのか。でもあんまり動かれないんで、こっちが逆に動いてやろうかなって思う戦いをいつもしていました」と話していた。この日は先に大きな動きを見せたのは吉井監督だったが、日本ハムの加藤貴と伏見の熟練バッテリーが見事に"スクイズリベンジ"を封じた形となった。

◆日本ハム加藤貴之投手(32)が、6回1/3を2失点で降板した。0-0の5回無死からロッテ中村奨に137キロ直球を左翼席へ運ばれると、7回無死からポランコにも中越えにソロを被弾。次打者佐藤から三振を奪ったところで、2番手池田にマウンドを譲った。打線がロッテ先発佐々木に封じられる展開で、1発に沈んだ。6回1/3を8安打2失点の内容に「流れを引き寄せられないままマウンドを降りてしまい申し訳ないです。2点目を与えてしまったことが悔やまれます」とコメントした。

◆ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(33)が、苦手としていた球場で、貴重な追加点となる1号ソロを放った。1-0の7回、先頭打者として2球目の真ん中低めカットボールを中堅右へ運んだ。「真ん中付近に狙いを定めてたで。狙い通り打てたわ。パワー!」とコメントした。エスコンフィールドでは今季、33打数4安打、打率1割3分3厘と苦手としていたが、同球場では4月19日以来となる1発で力を示した。ロッテは、5回に中村奨吾の本塁打で先制していた。先発の佐々木朗希投手が6回まで3安打無失点と好投しており、追加点がほしい場面だった。

◆先発の佐々木朗希投手(22)は抜群の軌道修正で8回5安打無失点で降板した。3度目のCS初戦を託された。今季は日本ハム戦5試合に先発し、防御率3・81、勝ち星無しと苦しんだが「今年やられているので、しっかり対策を練りながら。大胆に自分らしく投げるしかない」と割り切ってマウンドに上がった。初回は制球に苦しみ2連連続四球とピンチを背負うも、レイエスと郡司を空振り三振、三ゴロに仕留めた。3回からは変化球主体の投球に変え、日本ハム打線を封じた。2本のソロで援護をもらい2-0でむかえた7回。2死二塁で2打席連続安打を許していた万波を迎えた。空振りと見逃しで追い込むと、最後は空振り三振に仕留め、思い切りほえた。バックネット裏ではMLB10球団のスカウトが熱視線を送る中で、112球を力投した。

◆日本ハムがロッテに敗れ、いきなり崖っぷちに立たされた。先発の加藤貴を援護したい打線がロッテ先発佐々木の前に沈黙。8回までで4度先頭打者が出塁するも、併殺などでつながりを欠き、7回2死まで二塁すら踏めず。佐々木に8回まで5安打無失点9三振の好投を許した。加藤貴は6回1/3を中村奨、ポランコのソロの2失点と粘ったが、打線の援護に恵まれなかった。

◆ロッテが接戦を制し先勝した。先発の佐々木朗希投手(22)は抜群の軌道修正で8回5安打無失点で降板した。序盤は制球に苦しんだものの、3回からは変化球主体の投球に変え、日本ハム打線を封じた。バックネット裏ではMLB10球団のスカウトが熱視線を送る中で、112球を力投した。右腕の力投に打線が応えた。苦手とする日本ハム先発の加藤貴を前に、初回から先頭打者が出塁するもなかなかホームを踏めない展開が続いた。5回、中村奨吾内野手(32)が初球直球を捉えた打球は、左翼フェンスをギリギリ越える先制ソロ。「エスコン初ホームランがこのクライマックスシリーズで打てて良かったです!」と1発を喜んだ。7回にはグレゴリー・ポランコ外野手(33)も右中間スタンドへのソロを放ち貴重な追加点を奪った。今季6勝18敗1分と大きく負け越している相手に大きな1勝となった。

◆ロッテが接戦を制し先勝した。先発の佐々木朗希投手(22)は抜群の軌道修正で8回5安打無失点で降板した。序盤は制球に苦しんだものの、3回からは変化球主体の投球に変え、日本ハム打線を封じた。バックネット裏ではMLB10球団のスカウトが熱視線を送る中で、112球を力投した。ロッテが中村奨、ポランコの2本塁打で2-0の勝利。ポストシーズン(プレーオフ、CS、日本シリーズ)で、ソロ本塁打2本によるスコア2-0は初めてになる。ロッテは佐々木-鈴木-益田で完封リレー。ロッテのポストシーズンでの継投による完封勝利は、77年プレーオフ第2戦(対阪急)で八木沢-○三井の2人が3-0で完封して以来、球団47年ぶり2度目。

◆日本ハムがロッテ佐々木に8回無失点に封じられ、CSファイナルステージ進出へ後がなくなった。試合後に13日の予告先発が発表され、金村尚真投手(24)に命運を託すこととなった。金村は今季7勝6敗。シーズン途中から先発に転向した。ロッテ戦には6試合に登板し、4先発で3勝1敗。防御率は4・13と好相性とは言えないが、勝ち星には恵まれた。対するロッテの予告先発は左腕の小島和哉投手(28)。日本ハム戦では7試合に先発し、1勝4敗、防御率は3・28としている。日本ハムは6年ぶりのCSで早くも後がなくなったが、新庄剛志監督(52)は2年目の若き右腕に命運を託した。

◆ロッテが接戦を制し先勝した。先発の佐々木朗希投手(22)は抜群の軌道修正で8回5安打無失点で降板した。序盤は制球に苦しんだものの、3回からは変化球主体の投球に変え、日本ハム打線を封じた。バックネット裏ではMLB10球団のスカウトが熱視線を送る中で、112球を力投した。ロッテ佐々木がCSで初勝利。CSでは21年の初登板から通算17回を投げ、自責点0(失点1)を続けている。プレーオフ、CSで初登板から連続17回を自責点0は、オリックス山本(現ドジャース)がCSで21年(対ロッテ)9回、22年(対ソフトバンク)8回の計17回連続無失点に並ぶ最長となった。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、13日の第2戦での投手起用プランを明かした。この日は先発の加藤貴之投手(32)が6回1/3を2失点と粘投も、打線がロッテ佐々木に封じられた。CSファイナルステージ進出へ早くも後がなくなり、13日の第2戦での予告先発は金村尚真投手(24)と発表された。新庄監督は「明日、山崎福也くんを中に入れるんで。(金村が)良かろうが悪かろうが、スイッチするタイミングは打者によって」と、今季先発で10勝をマークした山崎福也投手(32)がブルペン待機するプランを明かした。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、ロッテ佐々木朗希投手(22)の8回9奪三振無失点の投球に脱帽した。この日は8回まで4度の先頭打者が出塁するも、2つの併殺などでつながりを欠いた。150キロ後半の直球とフォークやスライダーに翻弄(ほんろう)され、8回5安打2四球無失点9奪三振の好投を許した。新庄監督は「何も動けなかったっていうね。ランナー出なかったしね、そんなに。しかし、ワンバン投げないですね。コントロールもよかったし、気合が入ってましたね、今日」と佐々木を絶賛した。CSファイナルステージ進出へ早くも後がなくなったが、「明日ね、とにかく今までやってきたこと、自然体でね。『自分が自分が』って思わずに。そうなってくると、ボール球も手出してね、裏目になるんで。で、ピッチャーはもうバックを信じて、思い切ってストライク先行でいってもらえたら。あとはもう結果がどうなるかは、もう終わってみないとわからないんで」と話した。13日の第2戦は今季7勝6敗の金村尚真投手(24)が先発予定。また、今季先発で10勝をマークした山崎福也投手(32)がブルペン待機する。

◆ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(33)が貴重な追加点となる中越えソロを放った。7回、真ん中低めのカットボールに反応し「加藤はすごくいい投手と分かっている。真ん中付近に浮いてきた球を待って打とうと。いつもコーナーをうまく突いてくる投球なので」と狙いがはまった。阿久津通訳の誕生日に、前夜に約束したアーチを届け「ホントニサイコウ」と有言実行弾を振り返った。ロッテが中村奨、ポランコの2本塁打で2-0の勝利。ポストシーズン(プレーオフ、CS、日本シリーズ)で、ソロ本塁打2本によるスコア2-0は初めてになる。▽ロッテ中村奨(5回に先制本塁打)「初球から思い切っていこうと思っていました。上がり過ぎたかなと思ったけど、ギリギリ行ってくれてよかった」

◆ロッテ第2戦の先発に回った小島和哉投手(28)が、必勝を期した。「1回でも多く投げることがベストですが、1人1人丁寧に大事に頑張りたいと思います」。チーム最多の12勝を挙げたが、吉井監督が「そろそろ責任を与えてもいいかな」と佐々木を第1戦に立てていた。今季日本ハム戦は1勝4敗、防御率3・28だが、エスコンフィールドに限ると1勝1敗、防御率1・96と好投している。

◆CSファーストステージ突破へ後がなくなった日本ハムファンの間で、ドジャース大谷翔平投手(30)の言葉が拡散されている。6年ぶりのCS初戦は、ロッテ佐々木に打線が封じられて完封負け。第1戦を落とし、あと1敗で終戦に追い込まれた。この状況に「X」では、元日本ハムで現ドジャース大谷翔平投手(30)の言葉が拡散されている。ドジャースはこの日、日本ハムと同じ崖っぷちの状況からパドレスに2連勝で地区シリーズを突破。大谷は8日(日本時間9日)にチームが敗退目前となる2敗目を喫すると「後がないとかっていう感覚自体が今の僕には特にない。2連勝すればオッケーっていう、そういうゲームだと思ってます」と話していた。「X」では「これこれ」「本当そのとおり」「大谷の言葉を信じる」などの声が相次いだ。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、13日の第2戦での投手起用プランを明かした。予告先発は金村尚真投手(24)。その上で新庄監督が「明日、山崎福也くんを中に入れるんで。(金村が)良かろうが悪かろうが、スイッチするタイミングは打者によって」と、今季先発で10勝を挙げた山崎福也投手(32)がブルペン待機するプランを明かした。建山投手コーチは「出番がないのが一番とは思いますけど。金村が投げますし。(山崎が)マリーンズに相性もいいですし、彼の力を発揮してくれれば、いいピッチングはしてくれると思ってますけど」と話した。

◆崖っぷちから巻き返す。「2024パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ第1戦で、日本ハムはロッテに0-2で敗れた。CS初戦を落とし、13日の第2戦で敗れるとファイナルステージへの道が閉ざされる。窮地ではあるが、主砲フランミル・レイエス外野手(29)は初のCSでロッテ佐々木から2安打と好調をキープ。チーム最多25発の愛称「モーレ」の1発で、流れを変える。悔しかった。試合終了後、レイエスは、しばらくベンチに残り、鋭い視線をロッテベンチに向けていた。0-2の完封負け。「もう明日に向けて準備するだけです」。帰り際の決めぜりふ「マタアシタ」すら封印。それはリベンジへの、強い意志の表れだった。新庄監督がキーマンに挙げた大砲は、初のCSでしっかりとチャンスメークした。4回先頭で1ボールから佐々木のスライダーを2球空振り。追い込まれるも、4球目の159キロのストレートを、しっかり右前に運んだ。「いつも思ってるけどすごいピッチャー」。だからこそ集中力は、いつも以上に研ぎ澄まされた。7回にはカウント2-2から外角低めのスライダーを左前に運び、バットでチームを鼓舞し続けた。いつもの陽気さが消えたが、これは気持ちがトップギアに入った証しだ。前日11日の練習後「明日以降は、ちょっと笑顔が少なかったり"いつもと違う顔"が出るかもしれない。けど、機嫌が悪いとかではなく、集中して勝ちにこだわっている表情なんだ。そこは誤解のないように」と話していた。ポリシー通り"迷わずにレイエス"。メジャー、マイナー時代に経験があり「大好き」と話す、緊迫するポストシーズンは、多くを"しゃべらずにレイエス"で、勝利を引き寄せる。2戦目のビジョンを問われても当然ながら「ここで僕の戦略は伝えられない」と、お口にチャック。佐々木から点を奪えず、もどかしい敗戦にも「今日の負けに関してはそこまで、何か思ってるってことはない。本当に明日、明後日勝つだけ。今日の負けに関しては本当に何も思ってないです」。すべてをリセット。重いムードは一切、頭から振り払い、2戦目の打席に立つ。【永野高輔】

◆日本ハム先発の加藤貴之投手(32)は6回1/3、71球を投げ8安打2失点で降板となった。CS登板は中継ぎで登板した18年10月13日のファーストステージ、ソフトバンク戦以来6年ぶり。初戦で初先発の大役も、5回に中村奨、7回にポランコといずれも先頭打者に被弾し、結果的にこの2失点が大きかった。「2本目は防げたかな、っていうのはある。反省して、明日、明後日はチームに任せて。しっかりファイナルに向けて調整したい」と先を見据えた。

◆12日に出場選手登録された日本ハム池田隆英投手(30)が2点を追う8回1死から登板し、2/3回無安打無失点に抑えた。今季は右肘痛で出遅れたが7月以降はフル回転。約3カ月で29試合に登板し、2勝15ホールドも肉体的に疲弊し、9月29日に再調整のため出場選手登録を抹消されていた。リフレッシュしCSで復活。「出力上げて攻めるしかなかったんで。抑えられて良かったという感じ。明日もありますから」と振り返った。

◆日本ハム万波中正外野手(24)がCS初出場で2安打放った。ロッテ佐々木相手に2回1死で左前打、5回先頭で遊撃内野安打。初のポストシーズンに「球場のボルテージがいつもより上がっている感じはしました。いい緊張感で入れました」。7回2死二塁の好機では3球三振に倒れ「チャンスで打てていれば、なお良かった」と反省した。次戦へ「ファンの皆さんが久しぶりのCSを楽しみしている感じを受ける。何とか期待に応えたい」と意気込んだ。

◆セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕した。パではCS初戦を託されたロッテ佐々木朗希投手(22)が日本ハム戦に先発し、8回5安打無失点と好投。ソフトバンクとのファイナルステージ進出に王手をかけた。21、23年にもCSで登板し自責は0点。チームは過去2回ともファーストステージ突破しており、不敗神話は続く。セはレギュラーシーズン3位のDeNAが2位阪神を下し、巨人とのファイナルステージへあと1勝とした。バックネット裏に陣取るメジャー10球団のスカウトの視線も、意に介さなかった。チームのために、ロッテ佐々木は目の前の打者に全力で腕を振った。「立ち上がりが難しかった」と初回に連続四球で走者を出すと、悔しげな表情を浮かべた。3回からは変化球主体の投球に変え、4イニング連続3人で抑えて0を並べた。6回の先頭水野に対し、2ストライクをテンポ良く奪ったが、フォークを3球連続で見極められてフルカウントに。6球目、156キロの直球が外角低めに決まると「よっしゃー」と思わず声が出た。2-0で迎えた7回は、この日初めて得点圏に走者を許し2死二塁。2打席連続で安打を打たれていた万波と対峙(たいじ)した。小野投手コーチと内野陣がマウンドに集まる中、佐々木も間を置いて一気に集中力を高めた。「勝負できると思ったので、勝負に行きました」。強気に3球で空振り三振に仕留めると右手を強く握り「よっしゃー!」。2度目の雄たけびが響いた。"CS開幕投手"も、これが3度目。慣れた舞台でも、不安材料がないわけではない。エスコンフィールド初登板となった5月10日は5回2/3を5失点で今季最多失点。雪辱のマウンドとなった8月15日はピッチャー強襲の打球が左足首に直撃し、16球、打者5人で無念の緊急降板となった。3度目の挑戦で、ようやくエスコンフィールド初勝利。「良いイメージはなかったんですけど、いろいろ失敗してきたので、それが今回いい形で生かせた」と悔しさを糧に大きな1勝をつかんだ。敵地でのヒーローインタビューでは「僕はもう少し声が出ると思いますけど、どうですか?」と応援に駆けつけたロッテファンをあおった。「アウェーの中でやっていかないといけないので、少しでもみんなでひとつになっていけたら」。魂の投球が、チームの一体感を生んだ。【星夏穂】ロッテが中村奨、ポランコの2本塁打で2-0の勝利。ポストシーズン(プレーオフ、CS、日本シリーズ)で、ソロ本塁打2本によるスコア2-0は初めてになる。ロッテは佐々木-鈴木-益田で完封リレー。ロッテのポストシーズンでの継投による完封勝利は、77年プレーオフ第2戦(対阪急)で八木沢-○三井の2人が3-0で完封して以来、球団47年ぶり2度目。ロッテ佐々木がCSで初勝利。CSでは21年の初登板から通算17回を投げ、自責点0(失点1)を続けている。プレーオフ、CSで初登板から連続17回を自責点0は、オリックス山本(現ドジャース)がCSで21年(対ロッテ)9回、22年(対ソフトバンク)8回の計17回連続無失点に並ぶ最長となった。第1戦はDeNAとロッテが勝利。過去にプレーオフ、CSの1S第1戦に勝って王手をかけた35チームのうち30チームがファイナルSに進出しており、突破確率は86%。1Sで先勝はDeNAが16年以来2度目で、ロッテは昨年に続いて8度目。DeNAもロッテも過去はすべて突破しているが、今年も続けるか。

◆日本ハム金村尚真投手(24)が負ければ敗退となる13日ロッテ戦(エスコンフィールド)の大一番で先発する。チームは第1戦を完封負けで落とし、CSファーストステージ突破へ早くも後がなくなった。今季7勝をマークした2年目右腕は「大事な試合を任されたことを意気に感じ、自分のピッチングをしたい」と厳しい状況にも気合十分。新庄監督も「彼の野球人生のプラス材料になる」と期待を込めた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)のCS初安打はお預けとなった。2番三塁でスタメン出場。1回は四球選んで出塁も、あとの3打席は凡退した。「打ち取られましたけど、反応はそんな悪くなかったんで。ただ、結果が伴わなかったんで...」と悔しがったが、引きずってはいられない。「ポストシーズンですし、切り替えやすいのはある」。もう負けられない第2戦からの逆襲を誓った。

◆ロッテが接戦を制し先勝した。先発の佐々木朗希投手(22)は抜群の軌道修正で8回5安打無失点で降板した。序盤は制球に苦しんだものの、3回からは変化球主体の投球に変え、日本ハム打線を封じた。バックネット裏ではMLB10球団のスカウトが熱視線を送る中で、112球を力投した。メジャー10球団のスカウトがロッテ佐々木の投球を視察した。ブルージェイズ、フィリーズ、メッツ、ヤンキース、パドレス、ジャイアンツ、アストロズ、レッドソックス、レンジャーズ、レイズがネット裏から熱視線を送った。ある球団のスカウトは、一般論として「いい投球でした」と話した。

◆崖っぷちの日本ハム新庄剛志監督(52)が勝負手を繰り出す。黒星スタートとなったCSファースト初戦後に発表された第2戦の予告先発は金村。「今後の彼の野球人生のプラス材料にもなるしね」と、抜てき理由とともに「(先発金村の)代え時。明日(13日)、山崎福也君を中に入れるんで」と明かした。伊藤、加藤貴とともに先発3本柱を形成した今季10勝左腕を、負けられない試合に第2先発として待機させる。シーズン最終盤は調子を落としていた山崎だが、今季はロッテ相手に2戦2勝で防御率0・59と好相性を誇る。「(山崎は)そこまで本調子じゃないけど、やっぱりロッテさんには(防御率が)0点台だし経験もある。負けたらおしまいなんで悔いのないように。山崎福也君を、どのタイミングで出すか。(金村が)良かろうが悪かろうが、スイッチするのは(相手)打者によって」と必勝を期す。この日はロッテ佐々木の前に8回まで4度、先頭打者が出塁しながら、二塁ベースを踏めたのは7回の攻撃だけだった。相手右腕に「何も動けなかった。しかし、ワンバン投げないっすね。コントロールもよかったし、気合が入ってましたね、今日」と脱帽。ただ、終わったことを振り返っても仕方がないのが短期決戦。「明日(13日)負けたら終わり。だから勝って、明後日(14日)も試合して勝って、福岡に行って(勝って)、日本シリーズをやることだけ考えて」。必ず勝つ。【木下大輔】

◆ロッテ・中村奨吾内野手(32)が五回に先制のソロ本塁打を放った。左翼スタンドへと運んだ。「エスコン初ホームランがこのクライマックスシリーズで打ててよかったです!」左腕の加藤に対して初球の内角高めの137キロ直球を一閃。高々と打球はあがり、左翼スタンド最前列に飛び込んだ。前日会見では「3位なので挑戦者だと思いますし、最後の最後まで(順位を)争って勝ち上がってきたので、その勢いのままやっていきたい」と話していた選手会長が貴重な1点をもぎ取った。

◆日本ハム先発の加藤貴之投手(32)は6回?を投げ、8安打2失点。リードを許した状態で降板した。「いい投手が相手だったので粘り強く投げたかったのですが、流れを引き寄せられないままマウンドを降りてしまい申し訳ないです」一発攻勢を受けた。一回から3イニング連続で先頭打者に出塁を許したが、四回までは無失点。ただ五回は中村奨に先制の左越え本塁打を被弾。七回は先頭のポランコにバックスクリーンへソロを運ばれ「2点目を与えてしまったことが悔やまれます」と唇をかんだ。次打者、佐藤都を空振り三振に仕留めた場面で降板。2番手・池田にマウンドを譲った。

◆ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(33)が「5番・DH」で出場し、1―0の七回に中越えのソロ本塁打を放った。「真ん中付近に狙いを定めてたで。狙い通り打てたわ。パワー!」先頭で打席に立つと、加藤の2球目の真ん中低め129キロのカットボールをうまく捉えた。すると、低い弾道で打球は伸びてスタンドに飛び込んだ。ベンチに戻るとおなじみのパワーポーズを披露して、ナインと喜びを分かち合った。巨人からロッテに移籍して2年目の今季は118試合に出場し、打率・243、リーグ3位の23本塁打を記録。2023年にはパ・リーグの本塁打王にも輝いた助っ人が持ち前のパワーを発揮し、貴重な追加点をもたらした。

◆ロッテ・佐々木朗希投手(22)が8回5安打無失点で降板。最速は159キロをマークし、大事な初戦で役割を果たした。一回は先頭の浅間を四球で歩かせたが、二塁盗塁を阻止。2番・清宮にも四球を許したが、レイエスを三球三振、郡司を三ゴロで上々のスタートを切った。二回以降は変化球でカウントを整え、決め球に直球を使うなどし、日本ハム打線を圧倒。六回まで二塁すら踏ませない投球だった。七回に初めて2死二塁としたが、万波を3球で空振り三振に抑えた。終わってみれば三塁を踏ませない力投だった。今季は18試合に登板し、5年目で初の10勝(5敗)に到達。だが、日本ハム戦は5試合で0勝2敗、防御率3・81。エスコンでは2度登板し、防御率6・43と苦しむ姿があった。それだけに試合前には「いろいろ今年はやられている。(球場は)複雑な形をして本塁打も入りやすいので、気を付けてやっていきたい」と警戒を強めていたが、対策はばっちりだった。

◆ロッテ・佐々木朗希投手が8回5安打無失点と好投を見せた。変化球を多めに使って9三振を奪い、三塁を踏ませなかった。打線は五回に中村奨、七回にポランコがソロ本塁打。日本ハムは出塁しても盗塁失敗や2併殺打と、攻撃がかみ合わなかった。

◆ロッテは捕手の佐藤が佐々木をもり立てた。不安定な立ち上がりだった無死一塁の場面で、二盗を試みた浅間を正確な送球で阻止してガッツポーズ。今季は佐々木の登板時に足で揺さぶってくることが多かった相手の出はなをくじき、「そこから動きがなくなった。いい送球だったし、チームとしても大きかったと思う」と自賛した。3投手を好リードして無失点リレーに導いた。「負けられない時は、後悔しないような配球が一番かなと思う」と心構えを語った。吉井監督(8回無失点の佐々木に)「長打を打たれないように低めにコントロールできていた」ロッテ・小野投手コーチ(佐々木に)「打者が差される場面が増えてきている。本来の姿に戻ってきた証拠だと思う」ポランコ(七回にソロ本塁打)「少しでも甘く入ったら打ってやろうという気持ちだった。自分のスタイルで打つことができた」

◆2位・日本ハムは最後までホームが遠く、3位・ロッテに零封負けを喫した。敗戦の中でも「6番・右翼」で先発出場した万波中正外野手(24)が2安打をマークした。「初球から迷わずいけたのはよかった」先発、佐々木の初球のスライダーをたたき、二回にチーム初安打となる左前打。五回の第2打席でも遊撃への内野安打を放ち、チャンスメークした。ただ七回2死一、二塁の好機では投げミスをしなかった〝令和の怪物〟の前に空振り三振。「チャンスで打てていれば、なおよかった」と振り返った。ロッテに先勝を許し、崖っぷちに立たされたチーム。第1戦で気を吐いた背番号66の右打者は「必ず勝つ。それだけです。まず明日勝って3戦目につなげられるように」と視線を鋭くした。(加藤次郎)

◆日本ハムは加藤貴が2本塁打を許し、七回途中で降板。「流れを引き寄せられないまま、マウンドを降りてしまった」と肩を落とした。四回までは得点を許さず、今季このカードで5勝を挙げた相性の良さを示したが、五回に中村奨に甘い速球を、七回はポランコにカットボールを捉えられた。「いい投手が相手だったので、粘り強く投げたかった」と悔いた。

◆エスコンフィールド北海道でのCS初開催。「やっぱり、いいね。2度目の開幕って感じで。2位と3位じゃ、大違い」と、感慨ひとしおだったのが日本ハム・小村勝球団社長(58)だ。今年6月10日に急性くも膜下出血で意識不明の重体に。医師から家族に「覚悟しておいてください」と伝えられる中、14時間の大手術の末に〝奇跡の生還〟を果たした。約3カ月の入院中には新庄監督が何度も見舞いに訪れ、日本ハムのヘルメットに「さあ、リハビリ楽しんでいきましょう!」と激励のメッセージを記すとともに、日本シリーズ進出を約束した。この日の試合前、同社長は選手会長・松本剛に「負けたら、また倒れるからな」とにやり。生死をさまよった4カ月前から今はそんな軽口がたたけるほどに回復した。(東山貴実)

◆日本ハムは今季自己最多の7勝(6敗)を挙げた金村が第2戦に先発する。ロッテ戦は6試合に登板し、防御率4・13ながら3勝(1敗)をマーク。2年目右腕は「大事な試合を任されたことを意気に感じ、自分の投球をしたい」と力を込めた。新庄監督は「今後の彼の野球人生のプラス材料になる」と期待を込めた。