阪神(★1対3☆)DeNA =クライマックスシリーズ1回戦(2024.10.12)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:山﨑 康晃(1勝0敗0S)
(セーブ:森原 康平(0勝0敗1S))
敗戦投手:才木 浩人(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆DeNAがファイナルステージ進出に王手をかけた。DeNAは3回表、1死満塁から桑原の内野ゴロの間に1点を先制する。そのまま迎えた7回には、オースティンの2点適時二塁打でリードを広げた。投げては、先発・東が4回無失点。その後は5人の継投で逃げ切った。敗れた阪神は9回に1点を返すも、反撃は及ばなかった。

◆2位阪神と3位DeNAが巨人の待つCSファイナルステージをかけて対決する。今季の対戦成績は阪神が13勝11敗1分け。阪神才木浩人投手(25)とDeNA東克樹投手(28)の両先発はともに今季13勝でチームの勝ち頭だ。4番には今季東に対して打率4割2分9厘の大山悠輔内野手(29)が座る。高卒3年目の前川右京外野手(21)は東との対戦は初めて。ポストシーズン初出場で「6番左翼」での先発出場となった。また、村上頌樹投手(26)がベンチ入りしている。セ・リーグのCSファーストステージでは初戦を取れば突破率は87・5%と先手必勝。阪神は今季12球団トップのデーゲーム勝率6割3分6厘で、午後2時甲子園でプレーボールの一戦で先に白星をつかめるか。

◆阪神村上頌樹投手(26)がベンチ入りし、ブルペン待機する。今季は2試合に中継ぎ登板しており、短期決戦で強力投手陣がフル回転する。一方、8月28日にこの日のDeNA先発、東克樹投手(28)からプロ初本塁打を放った井上広大外野手(23)がベンチ外となった。

◆阪神才木浩人投手(25)が、初回から1死満塁の大ピンチを背負うも無失点で切り抜けた。1死から牧に中前打。続く佐野には右翼線へ二塁打を浴びた。1死二、三塁からオースティンを四球で歩かせ1死満塁。宮崎にはカウント3-2とするも一邪飛。桑原は二飛に打ち取り、先制点は許さず、笑顔を見せた。守備は1死二、三塁の場面で初回から前進守備を敷いた。ファンからはピンチを背負う才木に「がんばれ才木コール」や拍手。抑えた後も球場は大きな拍手と歓声に包まれ、初回から勝負どころのような盛り上がりを見せた。

◆DeNAが、阪神とのCSファーストステージ第1戦で、捕手のベンチ入りメンバーを2人で臨んだ。スタメンマスクをかぶった伊藤光捕手(35)、戸柱恭孝捕手(34)がベンチ入りし、2年目の松尾汐恩捕手(20)は、ベンチ入りベンバーから外れた。この日、出場選手登録されたマイク・フォード内野手(32)は、ベンチ入りし、勝負どころでの代打に備える。右胸鎖関節の炎症から回復したJ・B・ウェンデルケン投手(31)は1軍に同行したが、この日は出場選手登録は見送られた。

◆DeNAが、1回に訪れた1死満塁の先制の好機を逃した。1死後、2番牧が中前打を放ち、3番佐野が右翼線の二塁打で二、三塁とチャンスを広げ、4番オースティンが四球で歩いた。阪神才木の立ち上がりを攻め、先制の期待が高まる中、5番宮崎はフルカウントから一邪飛、6番桑原は1ボールから二飛に倒れた。2回は先頭の森敬が中前打を放ったが、伊藤光が遊ゴロ併殺打に凡退。9番東が投失で出塁したが、1番梶原が初球を打ち上げ、左飛で無得点に終わった。

◆阪神前川右京外野手(21)が死球を受け、場内は一時騒然となった。2回、DeNA先発東克樹投手(28)の4球目が背中に直撃。虎党から怒号が飛んだが、すぐに一塁へと自力で向かった。前川は高卒3年目で自身初のポストシーズン。東とはプロ初対戦初打席が死球となった。今季レギュラーシーズンではリーグ最多の森下に次ぐ、10死球を受けていた。

◆阪神才木浩人投手(25)が、ファイナルステージ進出へ重要なファーストステージ初戦で3回に先制点を許した。2回に2死一、二塁から自身が凡退した直後、3回のマウンド。無死から牧に2打席連続の中前打を打たれると、続く佐野には左翼線へ2打席連続の二塁打を浴び、無死二、三塁。牧はレギュラーシーズン6打数1安打と抑えていたが佐野には7打数3安打と打たれていた。初回は1死二、三塁で前進守備を敷いたが、この回は敷かず。オースティンは空振り三振で抑え、宮崎は申告敬遠で満塁策をとった。1死満塁から桑原を遊ゴロに打ち取るも、併殺崩れの間に三塁走者の牧が生還し、先制点を入れられた。球場は併殺を期待した阪神ファンのため息に包まれた。続く森敬を申告敬遠で、なおも2死満塁としたが、伊藤を左飛で最少失点で抑えた。

◆DeNA東克樹投手(28)が左もも裏の違和感で緊急降板した。CSファーストステージの阪神との初戦(甲子園)に先発。4回に三塁線を破る安打を放ったが、一塁を回ったところで顔をゆがめた。約3分間治療を受けて一塁走者に戻り、4回裏も続投したが5回のマウンドには上がらなかった。3安打無失点の降板に三浦監督は「無理をさせないということで」と説明した。13日に診察を受ける予定。試合後は自らの足で帰りのバスに乗り込んだ。

◆交代発表のアナウンスに、甲子園からどよめきが起こった。1点を追う5回の攻撃前。4回まで相手先発東克樹に4回無失点と抑えられていたなか、2番手山崎への交代が発表された。東は4回先頭で打席に立った際、三塁線を抜く左前打で出塁。しかし一塁ベースをオーバーランしたところで足を気にするしぐさを見せ、一時ベンチで治療を受けていた。

◆阪神才木浩人投手(25)が粘投の今季レギュラーシーズン最短と並ぶ5回1失点で降板した。短期決戦のCSで早めの継投策をしかけた。先制を許し、勝ち投手の権利を得ることはできなかったが、ファイナルステージ進出へ重要なファーストステージ初戦の先発で最少失点に抑え、試合を作った。3回に1死満塁から桑原の遊ゴロ併殺崩れの間に失点し、先制された。4回、5回は無失点。5回裏の攻撃で代打糸原を送られ、降板となった。奪三振はわずか2つで、毎回の7安打を浴び、2つの申告敬遠を含む3四球。毎回走者を背負ったが、5回87球の粘りの投球を見せた。才木は「CS初戦の良い緊張感のなかでストレートの感触も良かったですし、自分のパフォーマンスを出すことができました。先制点は許してしまったけど、最少失点で粘り強く投げることができたと思います」と振り返った。

◆あとひと伸び...。甲子園がため息に包まれた。1点を追う6回1死。この日2安打の3番森下が左翼へ高々と打ち上げた。左翼方向へ吹く浜風にも乗り、打球はぐんぐん上昇。一瞬にして虎党は総立ちとなったが、フェンス手前でDeNA佐野のグラブに収まり左飛に倒れた。この回は結果的に3者凡退。4回から3イニング連続で走者を出せない展開が続いている。

◆阪神は今季のブルペンを支えてきた桐敷拓馬投手(25)と石井大智投手(27)のリレーで2点を失った。先発の才木浩人投手(25)が5回7安打1失点の粘投。今季レギュラーシーズンで43ホールドポイント(HP)を挙げた桐敷が6回に2番手で登板する早仕掛けに入った。6回を3人でピシャリと抑え、今季4度のみだったイニングまたぎの7回。1死から牧秀悟内野手(26)に左翼フェンス直撃の二塁打を浴び、続く佐野恵太外野手(29)に三塁線を抜ける安打。1死一、三塁で4番オースティン内野手(33)を迎えるところで石井と交代した。3番手の石井はオースティンへの2球目、外角高めの151キロ直球を右中間に運ばれる2点適時二塁打。虎の自慢の中継ぎ陣が痛恨の失点となった。

◆DeNAが、2番牧秀悟内野手(26)、3番佐野恵太外野手(29)の連打をきっかけに得点を奪った。0-0の3回、先頭の牧が中前打を放ち、佐野が左翼線への二塁打で好機を拡大。1死満塁から桑原の遊ゴロの間に先制した。1点リードの7回には1死から牧が左翼への二塁打で出塁し、佐野が三塁線を破る安打で一、三塁とチャンスを広げ、4番オースティンの右中間への2点適時二塁打でリードを3点に広げた。1回は得点には結びつかなかったが、牧が中前打を放ち、佐野が二塁打をマーク。新旧キャプテンが3安打猛打賞で打線をけん引した。

◆本拠地で迎え撃つ阪神が9回の猛追も実らず、DeNAに敗れ、ファーストステージ突破へもう負けられない状況となった。セ・リーグのCSファーストステージで初戦に勝ったチームは、突破率87・5%。阪神は初戦に黒星を喫した過去6度、すべて敗退となっている。負のデータをくつがえし、連勝で突破なるか。今季ともに13勝を挙げた阪神才木浩人投手(25)、DeNA東克樹投手(28)による投げ合い。先制点を許したのは才木だった。3回先頭の牧、佐野の連打で無死二、三塁のピンチ。オースティンは空振り三振に仕留めたが、宮崎を申告敬遠し1死満塁から、桑原の遊ゴロの間に1点を失った。東は4回、才木は5回で降板となり、両チームとも早いイニングから中継ぎ陣を投入。阪神2番手の桐敷は6回を3者凡退に抑えるも、7回だった。1死から牧、佐野にこの日チーム3度目の連打を浴び1死一、三塁。ここで代わった石井が、オースティンに右中間真っ二つの二塁打を浴び、2点を失った。打線は東を前に4回まで散発3安打。6回には森下が左翼へ大飛球を放つも、惜しくもスタンドインとはならず。4回から7回まで4イニング3者凡退と、好機をつくることもできなかった。9回先頭の大山の右前打から反撃に出るも、2死二、三塁で木浪が左前適時打を放った1点のみにとどまり、あと1歩及ばなかった。あと1歩で球団初のセ・リーグ連覇を逃した阪神にとって、目指すのは2年連続の日本一。岡田彰布監督(66)の今季限りでの退任も決まっており、少しでも長くシーズンを送るため、なにがなんでも負けられない。

◆DeNAが敵地で先勝した。2勝先取のファーストステージ突破に王手をかけた。3回1死満塁、阪神才木から桑原がボテボテの遊ゴロを放ち、併殺崩れで先制に成功した。しかし、先発した東克樹投手(28)がアクシデントに見舞われた。4回無死、打席で三塁線を破る安打を放つも、一塁を回った際に足に違和感を覚えたとみられ、ベンチで治療。約3分間治療を受け、再び一塁ベースに戻り、4回も続投した。だが5回のマウンドには上がらず、4回3安打無失点で緊急降板した。それでもリリーフ陣が1イニングずつ、粘り強くつないだ。山崎、佐々木、坂本といずれも3者凡退リレー。伊勢は1死一、二塁のピンチを招くも無失点で切り抜けると、9回は守護神森原が締めた。エース降板後もリリーフが一丸となってスコアボードに0を重ね、完封リレーを完成させた。打っては7回、2番牧と3番佐野の"新旧主将コンビ"がそろって3安打目で1死一、三塁とチャンスメーク。4番オースティンが代わったばかりの阪神石井から右中間への2点適時二塁打を放ってリードを3点に広げた。CSファーストステージに進出した直近2年は初戦に敗れてそのまま敗退していたが、三浦監督政権下では初の初戦白星。大アウェーの聖地・甲子園で日本シリーズに出場した17年以来、7年ぶりのファイナルステージ進出に王手をかけた。

◆DeNA三浦大輔監督(50)が、阪神を相手に、"マシンガン継投"を繰り出した。先発の東克樹投手(28)が、4回3安打無失点で緊急降板。4回の走塁時に足に違和感を覚えたとみられ、4回は続投したが、5回から継投に入った。2番手には、山崎康晃投手(32)が上がった。左翼スタンドのDeNAファンから「ヤスアキジャンプ」でエールを送られ、1回を無安打無失点で嫌な流れを切った。6回からは、3番手で佐々木千隼投手(30)が起用され、1回を無安打無失点。7回は4番手で坂本裕哉投手(27)が1回をパーフェクトに抑えた。8回は5番手で伊勢大夢投手(26)が、ピンチを背負いながら、1回を無失点。9回は6番手で守護神森原康平投手(32)がマウンドに上がった。

◆<パ・CSファーストステージ:日本ハム0-2ロッテ>第1戦12日エスコンフィールドプロ野球は12日、セ・パ両リーグのCSファーストステージが行われ、セ・リーグではレギュラーシーズン3位のDeNAが同2位の阪神に、パ・リーグではレギュラーシーズン3位のロッテが同2位の日本ハムにそれぞれ勝利した。第1戦はDeNAとロッテが勝利。過去にプレーオフ、CSの1S第1戦に勝って王手をかけた35チームのうち30チームがファイナルSに進出しており、突破確率は86%。1Sで先勝はDeNAが16年以来2度目で、ロッテは昨年に続いて8度目。DeNAもロッテも過去はすべて突破しているが、今年も続けるか。

◆本拠地で迎え撃つ阪神が9回の猛追も実らず、DeNAに敗れ、ファーストステージ突破へもう負けられない状況となった。セ・リーグのCSファーストステージで初戦に勝ったチームは、突破率87・5%。阪神は初戦に黒星を喫した過去6度、すべて敗退となっている。負のデータをくつがえし、連勝で突破なるか。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-才木は粘りながら「粘りって、限度があるやんか」-変化球に最初、苦しんでいた「苦しむっていうか、全然やったやんか、そんなもん」-昨日、4人をどう抑えるかと言っていた、そこに「結局、1年間、一緒のやつに打たれただけやんか。それだけのこと。1年間、全然、対策もできんかったっていうことよ、結局はな。そのままや」-守備に時間を取られたところがあって、打線もリズムに乗れなかったか。「それもあるよ」-選手にも力みが「そんな力みとか、ここで言うてもしゃあないやんか、そんなの。みんな力むよ、そんなもんお前、こんな短期決戦やねんから。力まんとやってるやつなんかおれへんよ。そんなもんお前、結果やん。結局、それだけやん」-1年間ずっとだが、1、2番が出ないと「いやもう、1年間を象徴してるようなゲームやったよな、結局な。何にもできないもんな、だからな」-塁に出る意識、つなぐ意識がほしかった「いや、ほしいってもう、何試合やって、今言うてもしゃあないやん、そんなもん、当たり前のことやん、そんなん。うん、まあ、1年間の象徴、今年の象徴したゲームみたいなもんやな、はっきり言うて」-7回まで四球も取れなかった。ストライクゾーンで勝負してくる中で、まずは真っすぐを捉えることが大事「まずは真っすぐて...そら狙い球も、みんなそらなあ、1年間やって違うわけやから、攻められ方もなあ、そら真っすぐだけじゃないと思うけど。そらもうそんなん、1年間やって対策分かるやんか、何回当たってんのそんなん」-桐敷2イニング目は、才木が5回までになったということもあって「まあ、それもあるよ。明日高橋というのもあるしな、そらな」ー2イニング目はもともと佐野までというプランか「そやな。佐野までにな、1人くらい出ててもというのはあったけど」-その前に牧に初球をあっさり「そうやん、だから。おんなじやんか。1年間おんなじ打たれ方したよな。しかし、分からんのかなあ。スコアラーに言うたんやけどな、横浜で。分からんなあ。スコアラーに言うてもあかんわな、選手がやらんとあかんのやから。まあ、そういう1年やったよ」

◆DeNA東克樹投手(28)が、4回3安打無失点で緊急降板した。4回無死、三塁線を破る安打を放った際に足に違和感を覚えたとみられ、ベンチで治療。約3分間治療を受け、再び一塁ベースに戻り、4回も続投した。三浦大輔監督(50)は試合後に取材に応じ「左ハムストリングの違和感で、次の回は行きましたけど。あそこで無理をさせない、ということで交代になりましたけど、後から投げたリリーフのピッチャーもよく守り切ったと思います」と振り返った。東は13日に病院で診察を受ける予定で、自らの足でバスに乗り込んで帰路に就いた。4回を投げ、3安打無失点、球数は50球だったが、4回を投げ終えた後に首脳陣と話し合った末に、降板が決まったとみられる。2番手には、山崎康晃投手(32)が上がった。左翼スタンドのDeNAファンは「ヤスアキジャンプ」でエールを送った。

◆阪神はCSファーストステージ初戦を落とし、後がなくなった。DeNA先発の東克樹投手(28)は4回で降板したが、継投でかわされて8回まで4安打で無得点。9回に3安打を集めて1点を返したが、崩しきれなかった。第2戦のDeNAはアンドレ・ジャクソン投手(28)が先発。阪神打線では主軸が好相性だ。第1戦で4番に座り、1安打を放った大山悠輔内野手(29)は14打数7安打で打率5割。同じく3番でチーム唯一のマルチ安打を放った森下翔太外野手(24)は13打数5安打1本塁打で打率3割8分5厘。4打席3三振だった佐藤輝明内野手(25)は16打数5安打で打率3割1分3厘とクリーンアップ3人が得意としている。CSファーストステージ突破へ1つも負けられない状況で、野手陣の奮闘は必要だ。シーズン同様の好相性で突破の糸口をつかみたい。

◆阪神が痛い1敗を喫し、土俵際に追い込まれた。9回に意地の1点を挙げたが、8回までは4安打無得点。4回から7回までは4イニング連続で3者凡退に倒れた。大山悠輔内野手(29)は「短期決戦なので。明日だけを考えてやります」と前を向き、第2戦を見据えた。野手陣の主な試合後コメントは以下の通り。▽大山 もう明日なので。個人のことより、明日勝つだけなので。切り替えて。短期決戦なので明日だけ考えてやります。▽佐藤輝 明日打てるように頑張ります。何も考えなくても力は入るので。いつも通りを心がけていきたいと思います。▽森下 勝っても負けても、どっちにしても勝たないといけないゲームなので。ずっと。気持ちとしては変わらず。背負いすぎても100%は出ないと思うので。いい準備をして臨みたいと思います。▽前川 勝たないとダメなので。勝つためにしっかり結果を残したいと思います。ちゃんと勝てるように頑張ります。▽近本 今日も大事ですし、明日も大事なので。目の前の試合をしっかりやるだけだと思います。▽木浪 もうやるしかないと思うので。いつも勝ちに向かってやっているんですけど、いつも以上にというか。明日やり返すことだけ考えて、勝つことだけを考えてやっていきたいです。

◆CSファーストステージ第2戦に先発するDeNAアンドレ・ジャクソン投手(28)が、昨季途中まで在籍したドジャースでの経験を体現する。初のCSでの先発に「ドジャースでも似たような経験をしたし、今までやってきたことを継続するだけ」と平常心を強調。この日、古巣はリーグチャンピオンシップ進出を決め「多くの友人が今もプレーしているが(シャンパンファイトで)今ごろ酔っぱらってると思います」と笑わせた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が4打数無安打3三振で沈黙した。2回は東に見逃し三振に仕留められ、7回は坂本の外角カットボールに空振り三振。9回無死一塁では森原の151キロ直球に空振り三振に倒れチャンス拡大とはならなかった。「明日打てるように頑張ります。何も考えなくても力は入るので、いつも通りを心がけていきたいと思います」と言葉を絞り出した。

◆阪神近本光司外野手(29)が敗戦後、即座に気持ちを切り替えた。4打数1安打。3打席凡退で迎えた8回に伊勢から右前打を放ち出塁。意地を見せたが得点にはつながらなかった。「今日も大事ですし明日も大事なので。目の前の試合をしっかりやるだけだと思います」と強調。この日は1得点に終わった打線の覚醒に1番打者の奮起は欠かせない。

◆崖っぷちの一戦は阪神高橋遥人投手(28)に託された。負ければ今季終了となる13日のDeNA戦に先発する。今季途中にたび重なる手術から復帰後、4勝の活躍でチーム再浮上に一役買った救世主。大きな期待と重圧のもと、21年以来となるCS登板に向かう。「いつもより緊張感はあると思う。でもそこは力に変えてという感じです」相手はCS初戦から10安打を放った強力打線。復帰後初対戦となる中、「先制点は何としても与えちゃいけない」と引き締めた。オーダーには牧や宮崎、オースティンら強力な右打者がそろう。「外一辺倒だとどうしても踏み込まれると思う。どんどん内にも行かなきゃいけないのかなと思います」と強気を忘れずに臨む意気込みだ。1ゲーム差の首位巨人と戦った9月23日(甲子園)以来の登板になる。優勝争いでポストシーズンさながらの緊張感が漂ったなか、7回途中1失点と奮闘した。「あそこを投げているのと投げていないのでは全然違う。あの経験は生かしていけると思います」。今季の集大成を存分にぶつけ、再びチームを救いたい。【波部俊之介】

◆阪神大山悠輔内野手(29)は最終回に反撃の一打を放った。3打席無安打で迎えた9回先頭、DeNA抑えの森原から内角を右前へ運んだ。その後、木浪の左前打で2点差に詰め寄る生還を果たした。ただチームは敗れ、「個人のことより、明日勝つだけなので。切り替えて。短期決戦なので、明日だけ考えてやります」と巻き返しを誓った。第2戦先発ジャクソンには打率5割と好相性だ。

◆阪神木浪聖也内野手(30)がチーム唯一のタイムリーで一矢を報いた。0-3で迎えた9回の2死二、三塁から打席に入った。カウント2-1から外角に来たDeNA森原の151キロ直球を逆らわずに左前に運び、三塁走者の大山を迎えた。1、2打席と2打席連続で空振り三振に打ち取られていたが、3打席目に先頭で四球を選び出塁、第4打席で適時打と次戦につながる一打を放った。完封負けは阻止し「自分もそうですけど、多分チームも乗っていくと思う」と前を向いた。2敗でファーストステージ敗退が決まるため、13日以降は負けられない戦いとなる。「やられたらやり返すだけ。もうやるしかない。勝つことだけを考えてやっていきたいです」とリベンジへ闘志を燃やした。▽阪神前川(ポストシーズン初出場は6番左翼で先発し9回に右前打)「最後1本出たので良かったです。(明日は)勝たないとダメなので。勝つためにしっかり結果を残したいなと思います。ちゃんと勝てるように頑張ります」

◆セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕した。セではレギュラーシーズン3位のDeNAが2位阪神を下し、巨人とのファイナルステージへあと1勝とした。"番長農園"の花が咲いた。「JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージ第1戦。DeNA三浦大輔監督(50)が、自信を持って決断した。エース東がアクシデントで4回で緊急降板。2番手の山崎が5回を3者凡退で流れを作り、佐々木、坂本、伊勢と無失点リレー。守護神森原は1失点も、大事なCS初戦に勝利した。指揮官は「出た投手、出た投手が仕事をしてくれた」と評価した。シーズン序盤にまいた種が実になった。昨季のブルペンを支えた入江、ウェンデルケンらが軒並み負傷離脱。開幕直後から苦しい台所事情を強いられた三浦監督は、坂本、徳山、中川虎、京山ら若手に接戦のしびれる場面を託してきた。シーズン最終盤、勝負どころを見据えてのことだった。「腹くくって行くしかないと。みんな期待に応える活躍をしてくれて、終盤の僅差でも投げられるようになってきた」と新芽が芽吹く手応えはあった。コンディションが上がらなかった山崎、伊勢にはファーム調整を命じた。約1カ月、実戦に登板せず"ミニキャンプ"で体を作りなおした伊勢は、復調してカムバック。全体的に底上げされたブルペン陣が役目を全うした。救援防御率はリーグ5位ながら、選び抜かれた6投手の継投で阪神打線を封じ込めた。9月からは環境に慣れさせるための新スタイルを導入した。リリーフがブルペンに向かう前、それぞれが1イニングだけベンチで味方の攻撃を応援。暗くて静かなブルペンからでも、熱気渦巻く球場の雰囲気にのまれないようにすることが目的だ。この日はブルペンの窓、ドアを全開にして敵地甲子園の大歓声に適応した。就任4年目で初のファーストステージ突破に王手をかけた三浦監督は「勝ちきれたということが大きかった。また明日も今日と同じ気持ちで試合に入っていきたい」とうなずいた。春に種をまき、夏に育て上げ、下克上の花を咲かせる勝負の秋が訪れた。【小早川宗一郎】▽DeNA山崎(5回に2番手で登板。1回をパーフェクトで勝利投手)「ブルペンでは冷静に次の投手が準備していたし、慌てず動くことができたので、いい結果に結びついた」▽DeNA佐々木(6回に3番手で登板し、1回をパーフェクト投球)「甲子園独特な雰囲気があったんですけど、落ち着いて投げることができて良かった」▽DeNA伊勢(8回に5番手で登板し、1回を無失点)「みんな慌てることなく、すげぇなと。みんな投げたかったんだろうなと。そういう思いってマウンドで出るんで、明日からもつないで、つないで勝っていければいいなと思います」▽DeNA坂本(7回に4番手で登板し、1回をパーフェクト)「どこで呼ばれてもさされない(慌てない)ように、ブルペンに入った時から準備だけは100%で、いつも通りやろうと思っていた」▽DeNA森原(9回に6番手で登板し、1回1失点でセーブ)「みんなめちゃくちゃ気合が入ってたし、いつも以上に集中して、役割を果たした」▽DeNA大原チーフ投手コーチ(リリーフ陣の好投に)「各自が1イニング、1イニング、今年一くらいの内容のピッチングをしてくれた」

◆DeNAが、CSファーストステージで阪神に先勝し、パブリックビューイングが開催された横浜スタジアムが沸いた。センターカラービジョンで試合が映し出され、DB.スターマンやDB.キララ、オフィシャルパフォーマンスチーム「diana」らも登場し、スタンドを盛り上げた。球場には1万8429人が訪れ、得点時には球場全体が最高潮に盛り上がった。13日の第2戦もパブリックビューイングは開催される。

◆阪神森下翔太外野手(24)がリベンジを誓った。DeNA先発の東からチーム唯一のマルチ安打を放つも、8回の絶好機は見逃し三振。初戦黒星を喫し、「切り替えて頑張ります」と球場をあとにした。初回、2死からDeNA先発東の5球目、低めのチェンジアップを左前に引っ張った。1点を追う3回にも2死から三遊間を破る左前打。今季13打数3安打と苦しんできた左腕を攻略した。「何回も対戦しているピッチャー。軌道はある程度頭にあったので、どんどんストライクボールを振れたのがいい結果につながった」だが、6回には3番手の右腕・佐々木から左翼へ大飛球を放つも、スタンドにはあと1歩届かず。虎党のため息が漏れた。さらに0-3の8回。2死一、三塁の好機には5番手伊勢にカウント1-2と追い込まれ、4球目。外角の151キロに見逃し三振。「相手もいいボールを放られて自分がちょっと手出なかった」。序盤に打線をけん引したが、ここは完敗だった。第2戦の相手ジャクソンとは今季13打数5安打で打率3割8分5厘と好相性だ。9月11日の対戦では甲子園の左翼へ15号ソロを放った。崖っぷちに立たされたが、背番号1は目の前の一戦に全力を注ぐ。「どっちにしろ勝たないといけないゲームなのでずっと。気持ちとしては変わらず、背負いすぎても100%出ないと思う。いい準備をして臨みたい」。好調バットで最後まで食らいつく。【村松万里子】

◆もう負けられない。セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕。阪神はDeNAに敗れ、CSファーストステージ突破へ追い込まれた。打線が7安打を放つも1点止まり。先発才木浩人投手(25)を5回で代えて中継ぎを注ぎ込む勝負継投も実らなかった。阪神がCSファースト初戦に黒星を喫した過去6度はすべて敗退している。もう終わりなんて寂しすぎる。突破率0%の壁をぶち破るしかない。岡田監督は今年のリーグ戦で何度も見せた、あきれ顔を浮かべていた。「まあ、1年間の象徴、今年を象徴したゲームみたいなもんやな、はっきり言うて」。打線が反発力を見せられず、投手陣はハマの強打者たちに捉えられた。大一番でも同じ光景が繰り返されてしまった。DeNA先発はエース左腕の東。今季リーグ戦から数えて6度目の対戦だった。しかし、直球に差し込まれ、変化球に翻弄(ほんろう)され、4回まで散発3安打。「そら、もうそんなん、1年間やって対策分かるやんか、何回当たってんのそんなん」。次々に打ち取られていった選手たちへのぼやきは止まらない。相手も6投手の継投となったが、佐藤輝が4打数無安打、3三振を喫すなど、4回から4イニング連続3者凡退。甲子園にもため息が充満した。阪神先発の才木は本来の姿ではなく、5回1失点で降板。6回から2番手で投入したリリーフ桐敷を、回またぎのマウンドにも上げた。1イニング目は危なげなく3者凡退に仕留めたが、7回1死から牧、佐野に続けて初球を捉えられ1死一、三塁のピンチ。ここで代わった石井が、オースティン右翼へ適時二塁打を浴び、痛い2点を失った。「佐野までにな、(走者が)1人くらい出ててもというのはあったけど」と想定していたが、長打がからんで痛恨の展開となった。この日、牧と佐野に連打を浴びたのは3度。「結局1年間、一緒のやつに打たれただけやんか。それだけのこと。1年間、全然、対策もできんかったっていうことよ、結局はな。そのままや」とノンストップのぼやきだ。セ・リーグのCSファーストステージで初戦に勝ったチームは、突破率87・5%。阪神は初戦に黒星を喫した過去6度、すべて敗退となっている。立ちはだかる突破率0%の壁-。岡田虎がここで終わるわけにはいかない。2年連続日本一へ、必ず突破口を開ける。【磯綾乃】▽阪神桐敷(6回から登板。回またぎとなった7回に1死一、三塁のピンチをつくり降板)「いい流れで大智さん(石井)につなぎたかったですけど、それができずに悔しい。また明日、同じような場面もあると思うので頑張りたい」▽阪神石井(7回1死一、三塁で登板しオースティンに右中間への2点適時二塁打を浴びる)「すごく感触も良くて自分でも狙いにいけそうな球だったので完全な失投です。心理状態的に普通じゃないので、1回冷静になって、しっかり反省して明日に向けて頑張りたい」▽阪神島本(8回に登板。1四球を与えながらも無安打無失点)「フォアボールはありましたけど、0で抑えられたので。(明日も)準備するだけです」▽阪神岡留(3点ビハインドの9回を3者凡退で無失点)「(明日も)任せられたところをしっかり抑えて。チームの力になれるようにというだけですね」阪神が手痛い初戦黒星を喫した。セ・リーグ過去16度のCSファーストステージで、第1戦を落としたチームのうち、ファイナルステージ進出は09年中日、17年DeNAの2度のみ。突破率12・5%の狭き門だ。阪神が出場したCSファーストステージで、初戦●の場合は過去6度とも同ステージで敗退している。甲子園開催に限れば10年巨人戦、13年広島戦、21年巨人戦と3度あったが、いずれも第2戦も敗れ終了。ここから意地を見せ○○で突破なるか。

◆もう負けられない。セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが開幕。阪神はDeNAに敗れ、CSファーストステージ突破へ追い込まれた。打線が7安打を放つも1点止まり。先発才木浩人投手(25)を5回で代えて中継ぎを注ぎ込む勝負継投も実らなかった。阪神がCSファースト初戦に黒星を喫した過去6度はすべて敗退している。もう終わりなんて寂しすぎる。突破率0%の壁をぶち破るしかない。阪神が手痛い初戦黒星を喫した。セ・リーグ過去16度のCSファーストステージで、第1戦を落としたチームのうち、ファイナルステージ進出は09年中日、17年DeNAの2度のみ。突破率12・5%の狭き門だ。阪神が出場したCSファーストステージで、初戦●の場合は過去6度とも同ステージで敗退している。甲子園開催に限れば10年巨人戦、13年広島戦、21年巨人戦と3度あったが、いずれも第2戦も敗れ終了。ここから意地を見せ○○で突破なるか。

◆DeNAの新旧キャプテンが、ともに3安打猛打賞で打線をけん引した。3回は牧秀悟内野手(26)、佐野恵太外野手(29)の連打で好機を作り、桑原の遊ゴロの間に先制。1点リードの7回にも2人の連打から、オースティンが2点適時二塁打を放った。昨年の広島とのCSファーストステージはケガで離脱中だった佐野は「グラウンドに立てるうれしさや喜びを打席で表現できた」とかみしめた。▽DeNAオースティン(7回にダメ押しの2点適時二塁打)「前の2人(牧、佐野)が、いい内容で出塁してくれたので、何とか強い打球を打って、走者をかえそうと思った」

◆14日のCSファーストステージ第3戦に先発予定の阪神大竹耕太郎投手(29)が試合前練習に参加し、キャッチボールなどで調整した。13日にチームが勝利すれば、ファーストステージ突破をかけた大一番を任される。「今日遥人が投げますし、左に対してどういう感じか見られる。それはプラスにしてしっかり見ておきたい」。この日、同じ左腕の高橋遥人投手(28)が先発するため、DeNA打線の反応を確認し、イメージする。3戦目でもつれこめば、雌雄を決する大一番となる。かかる重圧は計り知れないが「去年はめっちゃ力んだ。昨日才木見てても力入ってるなというのはありました。絶対(普段と)違う緊張感があると思う。それを受け入れて、どうやって抑えようというのをしていければ良いかな」と、自らの緊張も受け入れていく。今季のレギュラーシーズン最終戦となった3日の同戦(横浜)では5回無失点の好投。それでも気を引き締める。「その時はその時だし、明日は明日なので。毎試合今日の相手は今日しかないし、今日の自分も今日しかないという感じで投げている」と冷静。第2戦の勝利を信じ、負けられない一戦に準備を進める。

◆阪神は才木浩人投手(25)がポストシーズン初戦の先発マウンドに上がる。今季13勝を挙げた右腕は、DeNA戦は2試合に登板して1勝0敗、防御率3・00。野手では前川右京外野手(21)が「6番・左翼」で先発。左腕の東とは今季初対戦で攻略を目指す。

◆阪神・才木浩人投手(25)が先発し、一回の大ピンチを脱出した。1死から牧に中前打を浴びると、さらに続く佐野には右翼への二塁打を許して二、三塁。今季の首位打者に輝いた4番・オースティンは3ボールから敬遠気味に歩かせて、塁を埋めた。ただ、ここから粘りを発揮。宮崎はフルカウントから153キロ直球で一邪飛に打ち取ると、桑原も二飛に仕留めて無失点。どよめきも起こっていたスタンドを全力投球で大歓声に変えた。登板を前日に控えた11日には「やっぱり先制点を与えないというところがすごく大事」と話していた中、まずはいきなり訪れた難所をしっかりと乗り越えた。

◆先発した阪神・才木浩人投手(25)が、三回に先制点を献上した。一回は1死満塁のピンチを断ち、二回も走者を出しながら併殺に打ち取るなどしてゼロを並べていたが、三回に失点した。先頭・牧の中前打、続く佐野の左翼線への二塁打を許し、オースティンを空振り三振に仕留めたあとには宮崎を申告敬遠で歩かせて1死満塁と塁を埋めた。桑原には当たりの弱い遊撃へのゴロを打たせたが、二塁封殺のみの併殺崩れとなり、三走・牧が生還。先制点を与えてしまった。ただ、その後に桑原の二盗と、森敬を申告敬遠で歩かせて背負ったこの回2度目の満塁のピンチでは伊藤を左飛に仕留め、最少失点でしのいだ。

◆セ・リーグ3位のDeNAは三回、牧秀悟内野手(26)、佐野恵太外野手(29)の連打からチャンスを広げ、桑原将志外野手(31)の遊ゴロ併殺崩れの間に1点を先取した。阪神先発の才木に対して0―0の三回、先頭の2番・牧が2打席連続の中前打で出塁。1打席目に右翼線二塁打を放った佐野が、今度は左翼線へ二塁打を放ち二、三塁とした。4番のオースティンは三振に倒れるも、続く宮崎が申告敬遠で満塁となり、桑原がしぶとくゴロを転がした。CSは2年連続で初戦を落とし、ファーストステージで敗退しているDeNA。雪辱へ、貴重な先取点を奪った。

◆DeNA・東克樹投手(28)が先発。三回まで阪神打線を無失点に抑える好投を見せたが、四回先頭の打席で安打を放った直後に手当てのためトレーナーと歩いてベンチへ戻った。その後、ベンチを小走りで飛び出し一塁走者としてプレーを再開。DeNAファンを心配させたが、続く梶原の二ゴロで二塁封殺となりベンチへ戻り、四回もマウンドへ上がった。

◆阪神・才木浩人投手(25)が先発し、5回7安打1失点で降板した。「CS初戦のいい緊張感のなかでストレートの感触もよかったですし、自分のパフォーマンスを出すことができました。先制点は許してしまったけど、最少失点で粘り強く投げることができたと思います。あとはみんなに逆転してもらえるように応援します」一回は連打と四球で招いた1死満塁のピンチで宮崎と桑原をフライアウトに抑えて無失点発進したが、三回は再び連打と申告敬遠で1死満塁を背負い、桑原の併殺崩れとなる遊ゴロの間に先制点を献上。その後は得点を与えず粘りを発揮したものの、パーフェクトイニングはなく、二回からは3イニング連続で回の先頭打者を出塁させるなど、苦しい投球が続いた。7日には甲子園での全体練習でシート打撃に登板して打者との対戦をこなしたが、実戦としては9月29日の同戦(甲子園)から中12日だった。

◆DeNA・東克樹投手(28)が先発。四回まで阪神打線を3安打無失点に抑える好投を見せたが、50球で降板し、五回から山崎がマウンドに上がった。東は四回先頭の打席で安打を放った直後に手当てのためトレーナーと歩いてベンチへ戻った。その後、ベンチを小走りで飛び出し一塁走者としてプレーを再開。続投した四回も三者凡退に抑えていた。

◆DeNA・山崎康晃投手(32)が五回に2番手で登板。1回を三者凡退で無失点に抑える好リリーフを見せた。先発の東克樹投手(28)は四回の打席で安打を放った後に手当てのためベンチへ戻るアクシデントが発生。その裏は続投し三者凡退に抑えたが、まだ50球で降板した。早い回での登板となったが、経験豊富な山崎がしっかりと仕事をこなした。

◆第2戦の先発を託された今季8勝のDeNA・ジャクソンは試合前にダッシュなどで調整し「とても興奮している」と語った。昨季途中まで所属したドジャースが地区シリーズを突破。ジャクソンの取材対応はド軍の試合終了から約1時間半後とあって「多くの旧友がプレーしているので、今ごろ、酔っぱらっていると思う。彼らが次のステージに進んだように、私も次のステージに進みたい」と誓った。

◆セ・リーグ3位のDeNAは、今季から主将を務める牧秀悟内野手(26)と昨季まで4年間主将を担った佐野恵太外野手(29)がともに3安打を放ち、猛打賞をマークした。一回は1死から2番牧が中前打、3番佐野が右翼線へ二塁打を放った。三回は牧が先頭で中前打を放ち、佐野の左翼線二塁打でチャンスを広げ、後続の併殺崩れで先取点を呼び込んだ。七回は1死から牧が左越え二塁打、佐野も左前打で続き、4番オースティンの2点二塁打でそろって生還した。

◆阪神が七回に追加点を許した。0-1の六回から登板した桐敷がこの回をパーフェクトに抑えると、七回も続投。回をまたぐのは9月13日の広島戦(甲子園)以来だった。しかし、1死から牧と佐野に連打を浴びて一、三塁のピンチを招くと、ベンチは石井へのスイッチを決断したものの、右腕が今季のセ・リーグ首位打者の4番・オースティンに右中間を真っ二つに破られ、一走・佐野も含めて2者が生還した。8月24日の広島戦(マツダ)から自己最長の17試合連続無失点でレギュラーシーズンを締めくくっていた桐敷だったが、ここで久々かつ痛恨の2失点。チームにとっても終盤戦に突入し、厳しい3点差に広げられた。

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(33)が「4番・一塁」で来日5年目で初となるCSスタメン出場。七回に右中間へ2点二塁打を放ち「前の打者が良い安打でつないでくれたおかげで打つことができた。良いところに飛んでくれた」とコメントした。1―0の七回1死二、三塁で迎えた第4打席。代わったばかりの3番手石井の2球目、151キロ直球を完璧にはじき返し、右中間を真っ二つに破った。三回無死二、三塁の好機で迎えた第2打席に三振に倒れたが、きっちりと雪辱を果たした。今季は打率・316で初タイトルとなる首位打者に輝き、阪神戦でもカード別最多の18打点を挙げた助っ人砲が、CSでもその力を発揮した。

◆阪神はDeNAに終始リードを許し、初戦を落とした。1点が遠かった。先発の東が四回を投げ終えたところで降板後も、DeNAのリリーフ陣に抑え込まれた。八回は2死一、三塁のチャンスを作ったが、森下が見逃し三振で得点を奪えず。九回にも得点圏に走者を置き、木浪の適時打で1点を返したが、逆転には届かなかった。先発の才木浩人投手(25)は三回に併殺崩れで先制を許し、5回1失点で降板。2番手の桐敷は六回を三者凡退に抑えて七回も続投したが、ピンチを招いて石井にマウンドを託した。石井はオースティンに2点適時打を許し、リードを広げられた。岡田監督の退任が決定しているチームは、この黒星であと1敗でシーズン終了のところまで追い詰められた。

◆DeNAは阪神に勝ち、2016年の巨人とのファーストステージ(東京ドーム)以来、球団8年ぶり2度目のCS白星スタートを飾り、ファイナルステージ進出へ王手をかけた。先発の東克樹投手(28)が4回3安打無失点の好投も、走塁中のアクシデントもあり50球で降板。その後を5投手によるリレーでつないだ。打線も牧秀悟内野手(26)、佐野恵太外野手(29)がそろって猛打賞をマークするなど、10安打を放って勝利した。

◆好機で盛り上がるDeNAのファン=西宮市・甲子園球場(撮影・林俊志)

◆阪神が初戦を落とした。才木浩人投手(25)が三回1死満塁で桑原将志外野手(31)の遊ゴロの間に先制点を献上。七回は回またぎの桐敷拓馬投手(25)が招いた1死一、三塁で登板した石井大智投手(27)がタイラー・オースティン内野手(33)に2点二塁打を浴びた。DeNA・東克樹投手(28)が四回の左前打の際に違和感を訴えて降板。小刻みな継投の前に沈黙した打線は九回2死二、三塁で木浪聖也内野手(30)の左前打で1点を返したが、後続を断たれた。阪神は過去10度のファーストSで3度突破しているが、黒星スタートからの勝ち上がりはない。また過去16度のCSで黒星発進からのファイナルS進出は2009年・中日と17年・DeNAで突破率12・5%。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(観衆=4万2642人)。ーー才木は粘りながら「粘りって、限度があるやんか」ーー変化球に苦しんでいた「苦しむっていうか、全然やったやんか、そんなもん」ーーDeNAの4人をどう抑えるかと言っていた(牧、佐野が3安打、オースティンが2打点)「結局、1年間、一緒のヤツに打たれただけやんか。それだけのこと。1年間、全然、対策も出来んかったっていうことよ、結局はな。そのままや」ーー守備に時間を取られ、打線もリズムに乗れなかった「それもあるよ」ーー選手に力みが「そんな力みとか、ここで言うてもしゃあないやんか、そんなの。みんな力むよ、そんなもん、お前。こんな短期決戦やねんから。力まんとやってるヤツなんかおれへんよ。そんなもん、お前、結果やん。結局、それだけやん」ーー1、2番が出ないと「いやもう、1年間を象徴してるようなゲームやったよな、結局な。何にも出来ないもんな、だからな」ーーつなぐ意識がほしかった「いや、ほしいってもう、何試合やって、今言うてもしゃあないやん、そんなもん。当たり前のことやん、そんなん。うん、まあ、1年間の象徴、今年の象徴したゲームみたいなもんやな、はっきり言うて」ーーまずは真っすぐを捉えることが大事「まずは真っすぐて...そら狙い球も、みんなそらなあ、1年間やって違うわけやから、攻められ方もなあ、そら真っすぐだけじゃないと思うけど。1年間やって対策分かるやんか、何回当たってんのそんなん」ーー桐敷の2イニング目は才木の5回降板の影響か「まあ、それもあるよ。明日高橋というのもあるしな、そらな」ーー2イニング目は元々佐野までというプランか「そやな。佐野までにな、1人くらい出ててもというのはあったけど」ーーその前に牧に初球をあっさり「そうやん、だから。おんなじやんか。1年間おんなじ打たれ方したよな。しかし、分からんのかなあ。スコアラーに言うたんやけどな、横浜で。分からんなあ。スコアラーに言うてもアカンわな、選手がやらんとアカンのやから。まあ、そういう1年やったよ」

◆DeNA・東克樹投手(28)が先発。四回まで阪神打線を3安打無失点に抑える好投を見せたが、50球で緊急降板した。四回の打席で安打を放った後の走塁で左脚を負傷。その裏は続投し三者凡退に抑えたが、三浦監督は試合後に「左太もも裏の違和感。次の回いきましたけど、あそこで無理をさせないと。交代という形になりました。今トレーナーに治療してもらいながら、明日(13日)念のために病院でみてもらいます」と説明した。

◆近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(80)が阪神打線の感覚の乱れに言及し、打開策を提言した。DeNA投手陣が驚くような投球をしたわけではない。それでも九回に1点を返すのがやっと。感じたのは森下以外の打者のタイミングが合っていなかったことだ。どの球種を待っているのか? ヤマを張って外れたのか? そう思える打席の連続だった。原因は実戦勘。シーズン終了後、長い期間ではないが、実戦から遠ざかった。感覚が乱れてしまったのではないか。森下だけはいいフォームで打てていたが近本、中野、大山、佐藤輝と、主力級のタイミングのズレはひどかった。中でも佐藤輝はタイミングが合っていないのに本塁打を狙っている感じ。これでは、いつまで経ってもタイミングのズレは解消できない。各打者が試合開始から終盤まで、淡白な打撃を繰り返して、さらに言えば、しつこく粘ろうという姿勢もないので、ベンチの監督も采配のしようがない。私の経験上で言えば、打開策はそう難しくない。「困ったら逆方向」ー基本の言葉を思い出せばいい。大振りせず、センターから逆方向だけを意識すれば、自然にタイミングは合ってくる。もう一つの基本は「真っすぐを待て」。変化球が来たら、その球を拾うという感覚で臨むこと。初戦の負けは痛いが、1勝1敗に持ち込んだ瞬間、圧倒的に有利な気持ちになれる。基本を思い出して、2戦目に臨んでもらいたい。

◆DeNAが6人の継投で逃げ切った。東が4回を抑え、その後は山崎、佐々木、坂本、伊勢が無失点。九回は森原が1失点にとどめた。三回に内野ゴロの間に先制し、七回はオースティンが2点二塁打を放った。DeNAのデータは以下のとおり。?レギュラーシーズン3位のDeNAが先勝。プレーオフ、CSファーストステージ(S)で第1戦に勝利したのはセ・パ合わせて過去35度。そのうち30度がファイナルSに進出し、突破率は85・7%。セでは16度中14度進出し、突破率87・5%。DeNAの第1戦勝利は2016年(ファイナルS進出)以来8年ぶり2度目。17年から昨季まで続いていたファーストS初戦黒星を4で止めた。?プレーオフ、CSファーストSで3位球団が第1戦に勝利したのは、22年の阪神以来2年ぶり18度目。過去17度のうち15度進出し、突破率88・2%。セでは9度中8度進出し突破率88・9%。?セ・パともに3位球団が第1戦に勝利したのは08年(中日&日本ハム)、10年(巨人&ロッテ)、13年(広島&ロッテ)、19年(阪神&楽天)に次いで5年ぶり5度目で、19年の楽天以外はファイナルSに進出。?DeNA・山崎が19年ファーストS第2戦以来5年ぶりのCS勝利。32歳0カ月でのCS勝利は17年の井納翔一の31歳5カ月(ファイナルS第3戦)を抜く球団最年長勝利。

◆DeNA・佐野恵太外野手(29)が「3番・左翼」で出場。2本の二塁打を放つなど、3安打猛打賞で全3得点に絡む活躍に「1打席目で安打が出たので、その勢いで、いい勢いに乗って打席に立つことができた」とうなずいた。昨季はシーズン最終盤に右有鈎骨を骨折し、出場することができなかったCSで1年越しに躍動し「グラウンドに立てるといううれしさだったり、喜びだったりを打席で表現できた」と胸を張った。

◆DeNAは本拠地の横浜スタジアムで内野席を無料開放し、パブリックビューイングを開催。1戦目の来場者数は「1万8429人」と発表した。多くのファンの熱い思いも、チームの白星スタートにつながった。センター大型ビジョンで試合を放映するとともに、球団マスコットのDB.スターマン、DB.キララ、BART&CHAPYやオフィシャルパフォーマンスチームdiana、スタジアムDJも登場し盛り上げた。

◆新旧主将が躍動した。昨季まで4年間、DeNAの主将を務めた佐野恵太外野手(29)と今季から引き継いだ牧秀悟内野手(26)が、そろって3安打猛打賞。全3得点に絡み、勝利を呼び込んだ。佐野は昨季、シーズン最終盤に右有鈎骨を骨折しCSを欠場した。右へ左へ2本の二塁打を放つなど、悔しい思いを1年越しに晴らし「グラウンドに立てるうれしさだったり、喜びだったりを打席で表現できた」と胸を張った。昨季まで4番としてCSに出場し、2年連続ファーストステージ敗退の悔しさを味わった牧。主将として初めて迎えるポストシーズンは2番で打線を勢いづけ「(東が緊急降板する)アクシデントもあったが、投手陣が最少失点で抑え、野手も何とか点を取って勝つことができたのでよかった」と、うなずいた。2代目主将の筒香とともに、3人の経験者がそれぞれにリーダーシップを発揮し、大一番でもチームを引っ張る。(浜浦日向)

◆DeNA・山崎康晃投手(32)が先発の東が4回で緊急降板した後、五回に2番手で登板。1回を三者凡退で無失点に抑える好リリーフを見せ、チームを救った。東が四回の打席で安打を放った後に手当てのためベンチへ戻ったとき、有事に備えて準備を開始。「もしかしたら、代わるかもしれないというところで心の準備もしていた。誰がいってもおかしくない状況で、そのあとブルペン陣がけがなく継投で来てよかったと心から思っている」と語った。今季は負傷した予告先発の平良に代わって、プロ初先発を務めるなど、チームに貢献する経験豊富な右腕は「こういう緊急事態でも自分たちでカバーすることが勝利への近道だと信じている。CSファイナルや日本シリーズを経験していないメンバーが多い中で、ブルペンにいるので。そういう意味では軸ぶらさず、自分たちの今までやってきたことを形にしたい」と誓った。

◆決戦の地、甲子園球場から約400キロ離れた横浜スタジアムからも熱い応援が届いた。内野席を無料開放してパブリックビューイング(PV)が開催された本拠地に、1万8429人ものファンが詰めかけた。チームスタッフがタブレット端末で撮影した甲子園での練習模様を、リアルタイムで放映。試合前から一体となり、試合中は中継とともに球団マスコットなどが登場して会場を盛り上げた。勝利時には花火などのショーも実施された。三浦監督が「横浜スタジアムでたくさん応援してくれている。俺たちにはそういうファンがいると思って試合に臨んでいく」と試合前に語った通り、心を一つにして大一番での1勝をつかみ取った。PVは13日(午後0時半開門予定)も引き続き入場無料で開催される。(日)

◆DeNAは阪神に勝ち、2016年の巨人とのファーストステージ(東京ドーム)以来、球団8年ぶり2度目のCS白星スタートを飾り、ファイナルステージ進出へ王手をかけた。三浦大輔監督(50)の主な一問一答は以下の通り。――想定外の展開もあったが勝ち切った。「そうですね。勝った、勝ち切れたということが大きかったですね」――緊急降板の東は「左ハムストリング(太もも裏)の違和感で、次の回は行きましたけど、あそこで無理をさせないと。交代という形になりましたけど、後から投げたリリーフのピッチャーもよく守り切ったと思います」――東の状態は「今(試合が)終わってトレーナーに治療してもらいながら、明日(13日)念のために病院で診てもらいます」――リリーフがつないだ「本当に、出た投手出た投手が仕事をしてくれましたし、つないでつないでという形になりましたし、(伊藤)光もうまくリードしてたと思います。守備でもいいプレーが出たので、よく守り切ったと思います」――打線も中軸に当たりが出た「先制できた、どんな形でも先に点を取れた(三回の併殺崩れ)のは大きかったですし、(七回の)オースティンのところも、中軸でしっかり取れたのでよかったです」――明日で決めたいところ「明日は明日です。今日勝ったからといって、また明日も今日と同じような気持ちで球場にきて準備して試合に入っていきたいと思います」――ウェンデルケンは登録されず「状態見ながらですね」――坂本がいい働き「常にブルペン全員でどんな場面でも、とはいっていましたし、そういう中で自分のできることを全員よくやってくれたと思います」――一、二回はチャンスで得点できなかったが「点は入らなかったですけど、いい形で攻撃ができていたので、ベンチは重苦しい雰囲気ではなかったです」

◆今季、現役ドラフトでロッテから加入したDeNA・佐々木千隼投手(30)が六回に3番手で登板。移籍後初のCS登板で、1回を三者凡退に抑える好リリーフを見せた。2番の中野から森下、大山と続く上位打線を3人で仕留め「甲子園独特な雰囲気があったが、落ち着いて投げることができた。すごく充実したシーズンを送れているので、こういう場面で投げられていることがすごくうれしい」と語った。

◆「2024 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」が12日に開幕し、レギュラーシーズン3位のDeNAが2位の阪神に3-1で先勝した。先発の東克樹投手(28)が左太もも裏の違和感を訴え、4回無失点のまま緊急降板。2番手の山崎康晃投手(32)らリリーバー5人が力投し、窮地を救った。13日の第2戦で勝てばファイナルステージ進出が決まる。逆転を願うタイガースファンの歓声が大海原のように波打つ。3-0の九回。森原は勢いにのまれず、最少失点で踏みとどまった。守護神は大観衆で膨れ上がった甲子園でリードを死守。安堵(あんど)の表情で歓喜の輪に加わり、大きく胸を張った。「今日はリリーバーがみんな良かった。みんなが自分の役目を果たしたと思う」エースの東が左太もも裏の違和感を訴え、四回で緊急降板。勝利への道筋を示したのは、1-0の五回から登板した経験豊富な山崎だった。力強い直球で押し、1回を三者凡退でピシャリ。3番手の佐々木、4番手の坂本も打者3人で料理し、阪神打線に付け入る隙を与えなかった。山崎は今季4セーブに終わったとはいえ、通算231セーブを誇る。序盤にあえてベンチに入り、球場の雰囲気を肌で感じてからブルペンへ。「緊急事態で自分たちが出てカバーすることが勝利への近道。心の準備はしていた」とうなずき、三浦監督は「本当に出た投手、出た投手が仕事をしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。大原チーフ投手コーチは「プランが変わっただけで予想外ではなかった」と継投を振り返った。投手陣は今回の遠征前に複数の班に分かれ、頭の中にあるアイデアを表現して課題解決につなげるブレインストーミングを行った。敵地の大歓声に気おされぬよう、この日はブルペンの扉を開けて声援が聞こえるようにした。CSを勝ち抜くためにみんなで考えた一つの策だった。投手陣の共通認識がある。「共感」「尊重」「責任」。開幕前にシーズンを戦う上であるべき姿を思い思いに口にし、浮かび上がったのが3つのキーワードだった。勝ちパターンや敗戦処理といった役割に序列はなく、個々が持ち場で役目を果たす。窮地でこそ一丸になる土壌があった。13日の第2戦で勝利を飾れば、日本シリーズまで進んだ2017年以来のファイナルステージ進出が決まる。「軸をぶらさず、自分たちが今までやってきたことを形にしたい」と山崎。結束した男たちには、何事にも動じぬ強さがある。(鈴木智紘)

◆阪神・石井は痛恨の一球を悔やんだ。0-1の七回1死一、三塁で桐敷からバトンを受けてマウンドへ。4番・オースティンに対して直球が甘く入り、右中間へ2点二塁打を浴びた。「完全な失投です。いまは心理状態的に普通ではない。一回冷静になって反省して、また頑張りたい」。今季56試合に登板し、ブルペン陣を支えた右腕は唇をかみしめた。

◆阪神・大山が零封負け阻止のきっかけをつくった。3点を追う九回先頭で相手守護神・森原から右前打。木浪の左前適時打でホームを踏んだ。一、三回の外野フライは凡打でも痛烈な当たりだった。「個人のことよりも明日に勝つだけ。切り替えてやっていきます」。4番として崖っぷちでこそ力を発揮し、チームを勝たせる快音を残す。

◆逆転勝利を信じた虎党の願いはかなわなかった。最後の戦いに臨む岡田虎がいきなり追い込まれた。投打ともに連覇を逃した今季の反省材料を詰め込んだような黒星。岡田監督は怒りを通り越してあきれかえった。「いやもう、1年間を象徴してるようなゲームやったよな。何にもできないもんな」1番・近本、2番・中野が出塁できず、打線はつながりを欠いた。左太もも裏の違和感で難敵の東が4回無失点で降板する〝追い風〟にも乗れない。0-3の九回に木浪の左前適時打で零敗を逃れるのがやっとだ。投手陣も11日の前日会見で警報を出した牧、佐野、オースティン、宮崎の中軸4人に計8安打を許した。七回には早打ちの傾向がある相手にことごとくファーストストライクを捉えられて2失点。「結局、1年間、一緒のやつに打たれただけやんか。おんなじ打たれ方したよな。1年間、全然、対策もできんかったっていうことよ」と嘆いた。レギュラーシーズン2位から2年連続の日本一を目指す戦い。阪神がクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの初戦で黒星を喫した6度(2007、08、10、13、15、21年)はすべて敗退しており、突破率0%という危機的な状況に追い込まれた。

◆阪神・佐藤輝は4打数無安打、3三振に終わった。九回無死一塁の第4打席は森原の151キロ直球にバットは空を切り、悔しさをにじませてベンチへ。「あした(12日)打てるように頑張ります」と肩を落とした。負ければ終わりのCSファーストステージ第2戦へ「何も考えなくても力は入ると思う。いつも通りを心掛けていきます」と言葉を絞り出した。

◆阪神・近本は3点を追う八回1死一塁で右前打を放ち、チャンスを広げるも得点にはつながらず。それまでの3打席は凡退で、相手投手陣に苦戦した。チームは追い込まれたが「きょうも大事ですし、明日も大事なので。目の前の試合をしっかりやるだけだと思います」と、一戦必勝のスタンスを崩さずに立ち向かう。

◆阪神・木浪が最後に一矢報いた。九回2死二、三塁で森原の151キロ直球を捉えて左前打。零封負けを阻止し「やられたらやり返すという感じで最後に打てたのはよかった」とうなずいた。負けられない第2戦へ、自身にとっても大きな一打。「あしたやり返すという気持ち。自分もそうですけどチームもそう思っていくと思う。勝つことだけ考えてやっていきたい」とリベンジを誓った。

◆先発した阪神・才木は5回7安打1失点と粘った。「(公式戦とは)ちょっと違う空気感はあったけど、その中で最少失点で切り抜けられたのはよかった」。再三のピンチを背負いながらも三回の併殺崩れの間の1点のみでしのいだ。「ファイナル(ステージ)で投げられるように、しっかりと準備をするだけ」と、逆転突破を信じて態勢を整えていく。

◆「6番・左翼」で先発した阪神・前川は九回1死一塁で森原から右前打を放ち、意地を示した。ポストシーズン初出場で初安打をマークした若虎だが「左ピッチャー(東)から打たないといけなかったので...」と先発起用に応えることができず、反省の弁が口をついた。次戦に向け「勝たないと駄目なので勝つためにしっかり結果を残したい」と力強かった。

◆阪神・桐敷が六回から2番手で登場。今季のDeNA戦は13試合登板で防御率0・00だった左腕は三者凡退に抑えて七回も続投したが、牧と佐野に連打を許して1死一、三塁で降板した。代わった石井がオースティンに2点打を浴び「(石井)大智さんにいい形でつなぎたかったですけど、それができずに悔しい」と唇をかんだ。岡田監督は桐敷の回またぎは想定通りかと問われ「そやな。佐野までにな、1人くらい(走者が)出ててもというのはあった」と語った。

◆甲子園を包んだこの日一番の声援は、無念の風となって空に消えた。阪神・森下翔太外野手(24)は振れなかったバットを杖のようにつき、バッターボックスから踏み出してベンチに戻った。奮闘のマルチ安打と勝負どころの見逃し三振。明も暗もハイライトになって残るのが、背負ったものの大きさを表した。「相手にいいボールをほうられて、手が出なかった感じですね」3点を追う八回だ。2死一、三塁で伊勢との勝負。追い込まれた後の4球目が外角いっぱいに決まり、バットを伸ばすことができなかった。好機での見逃し三振で得点できず、チームは九回に1点を返すのが精いっぱいだった。試合序盤から懸命に役割をこなした。先発の東から一、三回と続けて左前に運んで出塁。「何回も対戦しているピッチャーだったので、軌道はある程度、頭にあった。どんどんストライクを振れたのがいい結果につながった」。手応えをつかんだ一方、前後の打者とのつながりを欠いた。六回は左翼に大きな飛球を放つもスタンドまであとわずかのところでキャッチされ、しばらく打球の方向を見つめた。勝利への思いをぶつけたが、届かなかった。昨季に続く日本一への道は狭まった。もうひとつ負ければ敗退、というところまで追い込まれた。そんな状況でも、森下の心持ちは変わらない。「(きょうの試合で)勝っても負けても、どっちにしろずっと勝たないといけないゲームなので」激情は全てグラウンドに置いて、あくまで冷静に次戦を見つめた。もとより難しい短期決戦。ルーキーイヤーの昨季はクライマックスシリーズ、日本シリーズで価値ある一打を放ってきた。まだ2年目ながらファンの脳裏に色濃く刻まれた頼もしい姿が、この日一番の大歓声を呼んだ。結果は望まないものだったが、まだ試合はある。それに全力をぶつける。「気持ちとしては変わらず、背負い過ぎても100%は出ないと思うので、いい準備をして臨みたい」道が続く限り足は止めない。今度こそバットを伸ばし、その先の光をつかみにいく。(邨田直人)

◆あえて厳しい言葉を掛ける。岡田阪神の魂は、抜けていた。早々に監督の退任が表沙汰になり、次期組閣の話まで持ちあがれば、選手もシラケる。影響があるに決まっている。OBとしての先入観かもしれないけど、先入観通りの展開になったのだから、そう言わざるを得ない。投手陣は、DeNA打線の早打ちを百も承知のはずなのに、七回に牧、佐野、オースティンにファースト・ストライクをことごとく打たれた。注意力がなさすぎる。そもそも一回、才木がピンチを切り抜けると、へらへら笑いながらベンチへ帰ってきた。そんなシーンは初めてだ。スタートから緊張感が欠如していた。岡田監督自体、ベンチに腰掛ける普通のオッサンにしか見えなかった。自軍と相手、ファンやマスコミへも向けられる、独特なオーラが消えた。にらみをきかせた采配など、望むべくもない。逆にDeNAは、オープン戦から変わらない野球を貫いた。初球からバンバン振って、流れのまま勝つ。DeNAらしいゲームだった。このまま終わりでもしたら...。阪神への批判はもっと渦巻くだろうよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆全国の虎党が最も恐れていた貧打が、この大事なクライマックスシリーズで出ちまった...。シクシク。何で打てへんねん、猛虎打線!! とにかくこのチームは打線の『核』が働かなかったら、得点には結びつかないのだ!! DeNAの4番オースティン(本日2打点)のような核がねェ...。って、違うからー!!阪神の『核』は森下でも大山でもなく、ましてや何でもやみくもにバットを振り回している佐藤輝であるはずもなし!! じゃあ誰? 答えは近本、中野の1、2番コンビがこの打線の核に他ならないのだ!!よって、崖っぷちの第2戦は石にかじりついてでも出塁してくれ~!! 人間やる気になりゃ、やれるもんなのだ!!(スゲ~昭和的精神論だなぁ、オイ!)いや実は俺、9日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ系)の替え歌で優勝したんです。音痴なので芸能生活四十余年、歌関係は逃げまくってきたのだけど、審査員が虎党で、普段阪神に厳しいことを言っているのに「逃げたら男がすたるわー!!」と開き直ったのだ。猛虎ナイン、やる気になりゃ、やれるって!!