楽天(★2対3☆)日本ハム =リーグ戦24回戦(2024.10.05)・楽天モバイルパーク宮城=
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日本ハム
2000000103921
楽天
0010010002510
勝利投手:金村 尚真(7勝6敗0S)
(セーブ:齋藤 友貴哉(1勝1敗1S))
敗戦投手:藤平 尚真(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】清宮 幸太郎(15号・8回表ソロ)

  DAZN
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◆日本ハムが接戦を制した。日本ハムは初回、レイエスと上川畑の適時打で2点を先制する。その後同点を許すも、8回表に清宮のソロが飛び出し、再びリードを奪った。投げては、4番手・金村が今季7勝目。5番手・齋藤友がプロ初セーブを挙げた。敗れた楽天は9回に無死二塁の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆熊本県営業部長兼しあわせ部長のくまモンが、日本ハム戦の試合前に始球式を行った。「KUMAMON 1592」の楽天ユニホームを着て登場。腕をぐるぐる回しながら楽天の捕手太田に向かって直球? を投げ込んだ。くまモンは「みなさん応援サンくま~☆ たいぎゃ緊張したけど、イメトレどおりボクのストレートが決まったモーン!! 来年は選手にスカウトされちゃうかモン!? これからもボクと熊本県と楽天イーグルスの応援よろしくま~!」とコメントした。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、短期決戦のCSに向けて準備を進めた。2-1の6回1死二、三塁のピンチになると、新庄監督は一塁ベンチから球審の元に歩み寄り、外野の守備位置を変更。中堅を守っていた強肩の万波と、左翼手の松本剛を入れ替えた。打者の楽天渡辺佳は右翼への犠飛を放ち、万波と松本剛に打球は飛ばなかったが、CSに向けて柔軟な采配を展開している。9月30日の西武戦では右翼が定位置の万波を左翼でスタメン起用。新庄監督は「あれはタッチアップ(対策)。レフトに犠牲フライが行きそうな確率の時や、サードにランナーがいる時は、ちょっとチェンジで」と1点も与えられない場面での"ピンチ・レーザービーマー"としての起用を想定していた。この日はベンチ入りしているほとんどの野手を起用し、守備位置もしきりに変更。万波は「7番右翼」でスタメン起用され、7回までに「右翼→左翼→中堅→左翼→右翼」と守備位置を転々としている。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)の最多勝、最高勝率の2冠が確定した。2部門ともわずかながら可能性があった楽天藤井に、この日白星が付かず、抜かれることがなくなった。初タイトルでいきなり2冠。球団では19年有原以来の最多勝で、15年大谷以来9年ぶりの投手2冠となった。伊藤はこの日の登板はなかったが、7日のシーズン最終楽天戦で登板予定。単独最多勝となる15勝をかけ、マウンドに上がる。

◆日本ハムが清宮幸太郎内野手(25)の決勝弾で楽天に競り勝った。1回にレイエスと上川畑の適時打で2点を先制。その後は追加点を奪えなかったが、2-2の8回に清宮が楽天藤平から右翼席へ決勝の15号ソロを放った。投手陣は12日から開幕するCSに向けたリレー。加藤貴(2回)-宮西(1回1失点)-北山(2回)-金村(3回1失点)-斎藤(1回)の継投で逃げ切った。金村は7勝目。新庄剛志監督(52)は野手陣もCSを見据えた柔軟かつ大胆な采配を展開。6回1死二、三塁のピンチでは、中堅を守っていた強肩の万波をタッチアップ対策で左翼へ"ピンチ・レーザービーマー"として送り込んだ。右飛で作戦は不発に終わったが、ベンチ入りしている野手のほとんどを起用し、短期決戦へ備えた。攻撃面では5回1死三塁の場面で、打者田宮がスクイズとエンドランを敢行。フルカウントからスリーバントスクイズに失敗したが、大胆な作戦を実行した。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、途中交代した水野達稀内野手(24)の交代理由を説明した。水野は「8番遊撃」でスタメン出場も、2回の守備からベンチへ退いた。新庄監督は「ちょっとね、鼻と喉がちょっとおかしそうだなと思って。で、聞いたら、やっぱりおかしかったので。途中で(宿舎に)帰して。早く治してくれって」と明かした。

◆楽天は投打がかみ合わず、3年ぶりの7連敗でシーズン負け越しが確定した。先発の藤井は7回2失点(自責1)と力投も、同点の8回に2番手藤平が日本ハム清宮に勝ち越しソロを被弾。打線は散発5安打で辰己と渡辺佳の犠飛による2得点にとどまった。今江監督は「首の皮1枚でというところでやっていたのが、今、うまくかみ合わなくなってきている」と話した。

◆日本ハム斎藤友貴哉投手(29)がプロ初セーブをマークした。3-2の9回にマウンドに上がると、先頭の安田に二塁打を浴びたが、後続を160キロに迫る直球で押し切った。ヒーローインタビューでは「本当に今マウンドで、ブルペン陣から『行くだけ』っていう、『行くだけ』。合言葉『行くだけ』っす」と興奮気味に話した。さらに「プロ6年目でやっと初セーブ。狙ったところに来られたと思います。今日は初めて自分の家族が見に来てくれてて。息子も来てくれてたんですよ」と声を弾ませ、「ちょっと一言いいですか。自分の大好きなアニメの『MAJOR』のヒーローインタビューで『おとさん』が(息子の)吾郎に対して言ってた一言を言います。ダン!やったぞ!」と絶叫。球場が大歓声に包まれた。斎藤は8月28日楽天戦の延長11回に登板し、自身で無死満塁のピンチを招きながら無失点に抑えガッツポーズ。このどや顔に、新庄監督が自身のインスタグラムで「登録名をさいこう ゆきやに変更させてもらいます」とジョーク交じりで発信し、話題になった。「X」でも「斎藤友貴哉」がトレンド入り。「おめでとう」「お父さんかっこいい」「落ち着け(笑)」など祝福のコメントが相次いだ。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、清宮幸太郎内野手(25)にゲキを送った。「3番三塁」でスタメン出場した清宮は、2回の守備でゴロを捕球できず失策。3回から一塁の守備に就き、5回から再び三塁を守った。守備で悔しい思いをしたが、2-2の8回に右翼席へ決勝の15号ソロを放った。新庄監督は「最初のエラーですよ...。すぐ(守備位置)替えたでしょ。あのエラーがなかったら、リトルビット(少し)褒めてあげてもいいかなって。でもね、あれ(守備位置を)替えることによって、違うポジションに戻すと、またこう緊張感が(出る)」と恒例の愛あるイジりの中に潜んだ緻密な采配の意図を明かした。清宮自身は3日ロッテ戦(ZOZOマリン)に続く1発。「ずっと情けない打席が続いてて、チームにいい流れを全然持って来られてなかったので。なんとか最後の最後でいいホームランが打てたかなとは思います」と話した。

◆楽天辰己涼介外野手(27)が自身初となる最多安打のタイトルに大きく前進した。初回、6回と中前打を放ち、3試合を残してリーグ1位を快走する154安打に伸ばした。「今日、久しぶりに家族が来て、かっこいい姿を見せたい」と2安打。リーグ戦の全日程を終えた2位のソフトバンク栗原に10本差、同僚で3位の小郷に14本差をつけた。「なかなか厳しい戦いなので、取れなさそう」と辰己節で締めた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が投手は先発投手3人を起用し、打撃では清宮、万波、水谷にセーフティーバントのサインを出すなどCS予行演習を徹底した。守備では万波を「右翼→左翼→中堅→左翼→右翼」、清宮を「三塁→一塁→三塁」、郡司を「一塁→三塁→一塁」と状況に応じて何度も入れ替えた。すべて理由があった。新庄監督の一問一答は以下の通り。新庄監督 (9回)1点差でファーストゴロを取ってあげないとかわいそうですね。ああいうプレーを見せられると、やっぱり守備固めを(したくなる)。いくらバッティングが良くても守備固めで(他の選手を)使わないといけなくなるんで。特に短期決戦はちょっとショックですね。よく抑えてくれますしたけど。-きょうの起用は基本的にCSに向けた新庄監督 そうですね。はい。-斎藤の抑えも考えてる新庄監督 考えてますよ。まっすぐがファウル取れてるから。いや面白いかなって。山本(拓実)君にしても。(田中)正義君、河野君。場面場面で、誰が行っても信頼して出すんで。準備はしておいて欲しいです。-バントの指示を計10回くらいやっていた新庄監督 いや、今日明後日ぐらいしか、そういう本番さながらの生きたボールでできないので。今日はしようと。-田宮選手の5回のエンドラン、スクイズ、スクイズが失敗でガックリしていた新庄監督 1発ですね。1回失敗して向こうが外したんで、次はスクイズで。インコース構えてたんで。よしと思ったら、なんなんでしょうね。いや、昔から小技がね、あんまり得意な選手じゃないんですよ。これは経験なんですけど。だから、ああいう失敗したら、もう今度はもう代打で、いろんなことができる子を使います。仕方ないですね。後悔はしたくないから。-先発投手が3人投げた新庄監督 このパターンいいんじゃない。(CSの)1戦目から。3人使っていいんじゃない?ー金村投手は中継ぎにいくと安定する新庄監督 彼はもう久々見られたなと思って。-感覚的なものを考えると今日の3人の中からCS初戦の先発を新庄監督 まだわからないな。感覚とかもう関係ないよ。もう、こうなったらもういってくれっていうしかないよ。もう最初は初戦、ロッテさんに負けようがソフトバンクさんに負けようが、もう日本シリーズに出なかったら一緒だから。もう感覚とか、もうそんなん言ってられないです。行くぞ!て言ったらもう行け!80球の次の日70球とかね。-実際にCSでこういう順番ありそうか新庄監督 わからん。それはまだ。まあまあ見といて。予想書いても当たらんから((笑い)。予想に従いたくないタイプやから、俺は。-あえてこちらが書いたら、それを外していく新庄監督 まあ当たる時もあるけど、大体記事見たら「ハッこれはないな。全然間違えてるわ」とかよくあります。-清宮選手はいいところで本塁打新庄監督 最初のエラーですよ。すぐ替えたでしょ。あのエラーがなかったら、リトルビット褒めてあげてもいいかなって。-エラーを取り返すまでもいかない新庄監督 ない。でもね、あれ(守備位置を)替えることによって、やっぱり違うポジションに戻すと、またこう緊張感が出て。もう外野でも景色が変わると集中力が出るし。で、そのいつも守ってないポジションで、やっぱプロ意識が出て、いいプレーをしたいなという意識が出てくると思う。今日も俺が万波君をレフトに、ワンアウトサードで(変えて)、そしたら、(捕手の)田宮君も(投手の)金村君も、万波君をあそこに持ってったっていう意図を、例えばフォークのアウトコースね、低めに。やっぱり流す打球って力のない打球。高くて詰まってもパワーが伝わるのはやっぱりライト方向なんで、こう当てさせるような打球を(打たせて欲しい)。今日みたいな、もうね、もう本番じゃないから、それをやってほしい。で、前進守備を引いてるから、あそこはゴロが一番ベストなんですけど。インコース高め。そりゃあそこに打たれますよ。-水野が早めの途中交代新庄監督 ちょっとね、鼻と喉がちょっとおかしそうだなと思って。聞いたらやっぱおかしかったんで、もう途中で帰して。「早く治してくれ」と。オッケー?

◆楽天辰己涼介外野手(27)が、今季安打数を154本に伸ばして最多安打のタイトルに大きく前進した。1回2死から中前打を放つと、2点を追う3回1死三塁で中犠飛。6回先頭で再び中前にはじき返し、9試合ぶりの複数安打をマークした。「久しぶりに家族が来ていて、かっこいい姿を見せたいという一心で野球を楽しんでいました」と振り返った。リーグ戦の全日程を終えた2位のソフトバンク栗原に10本差、同僚で3位の小郷に14本差をつけた。3試合を残し、最多安打のタイトルを争うライバルを大きくリードしている。「気を抜けないですね」と話した上で「なかなか厳しい戦いなので、(タイトルは)取れなさそうかなと思います」と、どこか弱気だった。チームは3年ぶりの7連敗で、シーズン負け越しが確定した。残り試合に向けて「このメンバーでできるのも最後かもしれないので、楽しんで野球をやるのが一番だと思います。楽しんでいる姿をファンに見てもらいたいです」と力を込めた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)の洞察力がSNS上で話題となった。この日は遊撃手の水野達稀内野手(24)が2回の守備から途中交代。試合後に新庄監督は「ちょっとね、(水野の)鼻と喉。ちょっとおかしそうだなと思って。聞いたらやっぱりおかしかったんで、もう途中で(宿舎に)帰して。早く治してくれと」と、指揮官自身が水野の異変に気づき、交代を促したことを明かした。SNS上では「よく見てる」「さすがです」「普段からよく見てる証拠かな」などの投稿が相次いだ。

◆6回から4番手で登板した日本ハム金村尚真投手(24)が、3回1安打1失点(自責0)で7勝目を手にした。中継ぎ登板は5月1日西武戦以来約5カ月ぶり。「1点取られましたけど、しっかり腕も振れましたし、自分としては意外と良かったんじゃないかなと思います。CSでも続けていけば」と手応えを口にした。▽日本ハム北山(今季初めての中継ぎ登板で2回完全投球)「CSへ向けた登板なので、あまり気にせず自分の投球内容にフォーカスしようと入りました。真っすぐも良かったし変化球も狙ったところにしっかり行った」

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、小技を決めきれなかった田宮裕涼捕手(24)へ改善を促した。「2番捕手」でスタメン出場した田宮は、5回1死三塁で打席へ。1ボールから三走の松本剛がスタートを切るエンドランを敢行するもファウル。その後2-1からスクイズを仕掛けるも再びファウル。さらにフルカウントからスリーバントスクイズに失敗した。12日に開幕するCSを見据えた采配を展開した新庄剛志監督(52)は「(田宮は)昔から小技がね、あんまり得意な選手じゃないんですよ。これは経験なんですけど。だから、ああいう失敗したら、もう今度はもう代打でいろんなことができる子を使います。仕方ないですね。後悔はしたくないから」と若手を積極起用しながらも、短期決戦に向けて心を鬼にした。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が、CSに向けて景気づけの2戦連発弾を放った。同点の8回、楽天藤平の138キロフォークを右翼席へ15号決勝ソロ。1回無死一、二塁ではセーフティーバントを失敗し、三塁守備でも失策を犯したが、好調のバットは12日からの短期決戦(対ロッテ、エスコンフィールド)へ向け視界良好だ。清宮がまた美しい弾道を描いた。CSの相手ロッテ戦に続く2戦連発。「やっぱり最後は(状態を)上げてCSに入りたいっていう思いはすごくある。もっともっと上がると思う。CSに向けてもいい兆候なんじゃないかなと思います」。短期決戦で大暴れする予感が高まった。ダイヤモンドを1周して一塁側ベンチに戻ると、主砲レイエスと腕を組んで仁王立ち。新庄監督から「かっこよく振る舞って欲しい」と注文がついたクネクネと上半身を揺らす「キヨダンス」ではなく、ポストシーズンを前に堂々としたパフォーマンスも決めた。チームを勝利に導く1発にも、反省は残った。1回無死一、二塁の好機ではセーフティーバントを決めきれず、追い込まれてから強行策で遊ゴロ併殺。三塁の守備でも2回に痛烈なゴロを処理できず、失策を記録した。「(バントは)ちゃんと決めてたらヒット(内野安打)だったと思うので。もったいないことをした」と口にした。新庄監督は「最初のエラーですよ...。あのエラーがなかったら、リトルビット(少し)褒めてあげてもいいかな」とチクリ。この日は3回から一塁へ、5回からは再び三塁へ守備位置を転々。指揮官は「替えることによって、やっぱり違うポジションに戻すと、またこう緊張感が(出る)」と"愛ある"采配の意図を明かし、清宮も「より集中力が増す気もします」と応えた。短期決戦は18年のルーキーイヤー以来。チームの軸に成長した清宮が、またひとつ調子を上げて大一番に臨む。【黒須亮】

◆日本ハム新庄監督が"鬼のCS予行演習"を敢行した。打撃では攻撃的バントを仕掛け続けた。初回無死一、二塁で3番清宮にセーフティーバントのサイン。3日ロッテ戦に続き再トライ。成功しなかったが、4回1死で万波に、5回無死二塁で水谷と、長打力が売りの打者にも迷うことなく指示した。「今日、明後日ぐらいしか、そういう本番さながらの生きたボールでできないので。今日はしようと」。CS突破へ、可能な身支度はすべて調える。投手陣は先発投手陣による小刻み継投だ。先発加藤貴は2回2安打無四球無失点。4回から北山が2回完全投球、6回から金村が3イニングを投げ1失点も、7勝目を挙げた。指揮官は「このパターンいいんじゃない。(CSの)1戦目から。3人使っていいんじゃない?」。その上で「まだ分からないな。感覚とかじゃない。行くぞって言ったらもう行け。80球の次の日70球とかね」。天性の勘ピューターで、刺激たっぷりの勝ち試合を披露する。

◆CSが近づき、日本ハムの主砲フランミル・レイエス外野手(29)が再びギアを上げてきた。初回2死三塁で、藤井から先制の中前適時打。25号を放った9月28日ソフトバンク戦以来5試合ぶりの打点に「難しく考えずシンプルに打席に入りました。少し詰まりましたが、結果オーライです」。3回2死でも右前へポテンヒットを放ち、9月26日楽天戦以来の複数安打を記録した。

◆レギュラーシーズンも残り2試合。日本ハムにとっては、12日に開幕するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージに向けた貴重な〝実戦練習〟の場だ。新庄監督も「最後の2試合は気合入れてやってもらわないとね」。一回からCSを意識した采配を振った。無死一塁から田宮が三塁線にセーフティーバントを成功させて一、二塁。次打者・清宮も初球から2球連続でセーフティーバント。結果はファウルとなって、最後は遊ゴロ併殺。指揮官は3日のロッテ戦後に、犠打を兼ねたセーフティーバントのサインについて「ありますよ、全員。レイエスにも『(CSでは)あるよ』って話はしています」と話していた。さらに五回1死三塁、打者・田宮の場面でもCS用タクトが炸裂(さくれつ)。1ボールからヒットエンドラン。さらに、2ボール1ストライク、フルカウントから2度のスクイズも敢行。全てファウルとなり、ベンチで厳しい表情を浮かべた指揮官だったたが、1点へのあくなき執念をみせた。投げてはプロ9年目でキャリアハイとなる10勝を挙げ。〝CS開幕投手〟の有力候補に挙がる加藤貴が2回無失点。7日後に向けて、視界は良好だ。

◆スタートから重苦しい雰囲気に包まれた。楽天は11勝の藤井が先発し、味方失策にも足を引っ張られ、一回に2点を先制された。消化試合にもかかわらず、温かい楽天ファンが本拠地・楽天モバイルパークに駆け付けた。試合前時点で6連敗中。それでも、選手に大声援を送り続けた。秋風とともに、チームは1日のロッテ戦(楽天モバイルパーク)に敗れ、3年連続でクライマックスシリーズ進出の道が断たれ、4位も確定した。2年契約の今江監督だが、来季の契約は白紙。監督1年生の指揮官は、3位と4位の差について、「要所でのミスがあり、攻撃では細かいプレーの詰めが甘かった。守備も含めてそうだと思う」と分析した。Bクラス確定後、通例では来季を見据えて若手を積極的に起用するが、ベテランの起用も続く。この日も、フランコを「6番・一塁」でスタメンに抜てきするなど、疑問符がついた。監督就任後は人気があり好評判も、ここ最近は楽天ファンによるSNS上で、継投策や采配について手厳しい書き込みが急増した。球団は全日程終了後に、今江監督の来季契約について熟考するため、6日からの残り3試合が大きく影響する。

◆楽天は今季最長の7連敗を喫し、3年連続のシーズン負け越しが決定。今江監督は「首の皮一枚で(踏ん張る)っていうところでやってきたが、(投打が)今はかみ合わなくなってきている」と失速を嘆いた。先発の藤井は守りのミスに足を引っ張られながらも、自己最多の9奪三振で7回2失点(自責点1)と力投。チーム単独トップの12勝目はつなかなかったが「来季につながるすごくいい投球ができた」と手応えを口にした。

◆日本ハム・斎藤友貴哉投手(29)が6年目でプロ初セーブを挙げた。「ゲームを締めるのは気持ちいいですね。しっかり腕を振って、気持ちを込めて投げられた」。1点リードの九回に登板。先頭に二塁打を許したが、最速159キロの直球で押し込んで後続を断った。2022年オフに阪神からトレード移籍した右腕。この日は愛息の暖(だん)君(7)が初めて日本ハムの1軍の試合をスタンド観戦。「〝やったぞ〟と。息子にとっても、自分にとっても、家族にとってもすごく良かった。(右膝じん帯断裂から599日ぶりに復帰登板した今年5月1日の)西武戦でサヨナラ本塁打を打たれたときに泣いていて、そこからずっと『負けるなよー』と言われていて、今日も『絶対、勝てよ』と言われて(球場に)来た。本当に息子のその支えがあっての今なので」と、パパの威厳を保って安堵(あんど)の表情を浮かべた。新庄剛志監督(52)は「(CSでの)後ろも考えてますよ。真っすぐでファウルが取れているから、面白いかなって。山本(拓)君にしても、(田中)正義君、河野君...。場面場面で誰が行っても信頼して出すんで、準備はしておいてほしい」と、ポストシーズンでの新たな守護神候補に挙げた。(東山貴実)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(-)
ソフトバンク
91493 0.650
(-)
-
(-)
0607
(-)
390
(-)
114
(-)
89
(-)
0.259
(-)
2.530
(-)
2
(-)
日本ハム
75598 0.560
(↑0.004)
13
(↑0.5)
1532
(+3)
483
(+2)
111
(+1)
91
(-)
0.245
(-)
2.950
(↑0.01)
3
(-)
ロッテ
71666 0.518
(-)
18.5
(-)
0493
(-)
495
(-)
75
(-)
64
(-)
0.248
(-)
3.170
(-)
4
(-)
楽天
66713 0.482
(↓0.003)
23.5
(↓0.5)
3487
(+2)
569
(+3)
72
(-)
89
(+1)
0.243
(-)
3.760
(↑0.01)
5
(-)
ORIX
62773 0.446
(-)
28.5
(-)
1394
(-)
447
(-)
69
(-)
60
(-)
0.238
(-)
2.820
(-)
6
(-)
西武
49912 0.350
(-)
42
(-)
1348
(-)
483
(-)
59
(-)
82
(-)
0.211
(-)
3.040
(-)