阪神(★0対2☆)DeNA =リーグ戦24回戦(2024.09.30)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:吉野 光樹(3勝2敗0S)
(セーブ:森原 康平(2勝6敗28S))
敗戦投手:村上 頌樹(7勝11敗0S)

本塁打
【DeNA】宮﨑 敏郎(14号・6回表2ラン)

  DAZN
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◆DeNAは0-0で迎えた6回表、代打・宮崎の2ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・吉野が6回を無安打無失点に抑える好投。その後は伊勢、佐々木、森原とつないで完封リレーを展開し、吉野は今季3勝目を挙げた。敗れた阪神は、打線が沈黙した。

◆今季限りで現役を引退する阪神秋山拓巳投手(33)がファイナルピッチセレモニーが行われるのを前に試合前練習に参加。球場入りのときにはサプライズで登場曲が流れた。甲子園で行われた試合前練習から参加。先発投手陣らとともに球場入りした際に、登場曲として使用しているEXILE ATSUSHI(44)が楽曲を提供した「Put it on the line」が流された。バックスクリーンには「秋山拓巳選手 虎一筋15年間お疲れ様でした」と映し出された。ファイナルピッチセレモニーは午後5時半頃から予定。甲子園で最後の1球と投じる。

◆阪神佐藤蓮投手(26)、川原陸投手(23)、小幡竜平内野手(24)が出場選手登録され、1軍に昇格した。この日は試合前練習から1軍に合流した。ハビー・ゲラ投手(29)と才木浩人投手(25)が出場選手登録を抹消された。佐藤蓮と川原は高橋遥人投手(28)とともに7月下旬、育成から支配下へ復帰。プロ初の1軍昇格となる。佐藤蓮はウエスタン・リーグ49試合で防御率2・03。川原は50試合に登板し、防御率1・62と好成績を収めてきた。2位が確定した中でのレギュラーシーズン残り2試合でCSに向けアピールを目指す。小幡は左太もも裏の肉離れから復帰。7月17日の巨人戦(東京ドーム)で負傷し、同19日に出場選手登録を抹消されて以来約2カ月ぶりの1軍復帰となる。

◆今季限りで現役を引退する阪神秋山拓巳投手(33)がファイナルピッチセレモニーに挑んだ。登場曲として使用しているEXILE ATSUSHI(44)が楽曲を提供した「Put it on the line」が流れる中でマウンドに上がった。捕手役には同期入団の原口文仁捕手(32)、打席にはDeNA筒香嘉智外野手(32)が立った。最後の1球はワンバウンド。原口、筒香と抱き合うと、岩崎優投手(33)から花束が贈られ、場内からも温かい拍手が送られた。秋山はマイクを持ち、「阪神タイガース一筋15年、この阪神タイガースで引退することを決めました。引退発表してから泣いてばかりで、次の涙はみんなに頑張ってもらって日本一まで取っておきたいと思います。15年間、みなさまには本当に温かい声援をいただき15年頑張れたと思います。これからは後輩たちが阪神タイガースの伝統を守っていってくれると思うので、また声援をよろしくお願いします。15年間ありがとうございました」とあいさつ。大きな拍手と「秋山コール」が沸き起こった。秋山も帽子を取ってスタンドにお辞儀。15年間の現役生活を終えた。秋山はセレモニー終了後に「全力で投げたんですけど試合でも投げないようなストレートを投げちゃって、ちょっとびっくりしちゃいました」と振り返り「最後のライトスタンドからの声援は、泣かないって言っていたのに危なかった」と明かした。バッテリーを組んだ原口については「ガンから復活して、復帰後の活躍っていうのはすごい精神力。本当に尊敬できるような同級生なので、本当にこれからは全力で原口を応援したい」と語り、筒香についても「同級生のスーパースターなので、感謝していますし、筒香の活躍も応援したい」と話した。

◆阪神森下翔太外野手(24)が死球を受けた。4回1死、DeNA吉野の144キロ直球が抜け、左肩甲骨付近に直撃。その場に倒れ込んだ。1度はベンチに下がったものの、プレー続行。甲子園には怒号が響いた怒号が拍手に変わった。森下は今季リーグ単独トップ11個目の死球となった。

◆阪神村上頌樹投手(26)が、打ち直しの1発を浴びた。0-0の6回1死一塁。カウント1-1からDeNAの代打宮崎に左翼ポール際に大飛球を打たれた。ファウル判定に三浦監督がリクエストも覆らず。しかし、続く4球目にまたもや左翼ポール際に飛ばされ、今度はギリギリでスタンドインされた。痛恨の被弾となった。村上は4回から2番手でマウンドへ。今季初救援した27日広島戦(マツダスタジアム)でサヨナラ打を浴びて以来、今季2度目のリリーフ登板だった。

◆DeNA宮崎敏郎内野手(35)が、まるでリプレーのような"打ち直し弾"で先制に成功した。両軍無得点の6回1死一塁の場面で、代打で登場。阪神村上の1ボール1ストライクからの3球目、内角145キロ直球を引っ張った。高く舞い上がった高い弾道の飛球は左翼ポール際へと飛んでいった。しかしポール上空を通過してわずかにファウル。三浦監督がリクエストを要求するも、リプレー検証の結果、判定は覆らずにファウルのままとなった。その直後だった。プレー再開後の初球、同じような147キロ内角直球を同じような高い弾道ではじき返し、今度は左翼ポール際ギリギリを巻く先制の14号2ラン。リプレーのような貫禄の1発で2点を先取した。

◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます/ノーノーのまま\#吉野光樹 6回無安打の快投勝利投手の権利を持って降板回数:6球数:94安打:0四球:2三振:6失点:0?プロ野球(2024/9/30)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/knwudlv7qM

◆DeNA吉野光樹投手(26)がノーヒットピッチングを継続したまま、94球でマウンドを降りた。6回まで無安打無失点6奪三振、3四死球。7回の打席が回ってきたところで代打東妻がコールされた。前日9月29日、初めて降り立った甲子園のグラウンド上で三浦監督と話し込んだ。「抑えたい気持ちが強すぎるんじゃないか? 力を抜く勇気、入れるポイントだけしっかりしていこう」と助言を受けた。直近3試合は5回を持たず降板。より厳しいコース、より強いボールを、と力が入ってカウントを悪くする悪循環に陥っていた。指揮官のアドバイスが自信をくれた。「キャッチボールの時に、その気持ちで投げて感触も良かった。そこだけしっかり意識しようと思います」と力の入れ所、抜き所をポイントに挙げていた。言葉通り、メリハリのある投球を披露した。4回には1死から死球と京田の失策で一、三塁。先制のピンチを背負ってギアを上げた。佐藤輝をフォークで空振り三振、前川を直球で左飛に仕留めて切り抜けた。九州学院(熊本)時代、2年時に同校は春夏甲子園出場も自身はベンチ外。アルプススタンドから同校の1学年先輩で現チームメートの伊勢の登板を応援した記憶が残る。「高校時代、立てなかったので、楽しみにしてました」という聖地で、自らの役割を果たした。

◆阪神の大卒4年目右腕・佐藤蓮投手(26)が1軍デビューを果たした。2点ビハインドの7回。3番手で名前をコールされるとスタンドからは「おー」という歓声。先頭の代打東妻には150キロ超直球と持ち味のカーブで追い込むと、最後は153キロで遊ゴロに仕留めた。続く梶原は切れ味鋭いフォークで空振り三振。牧には153キロで遊ゴロに打ち取り、3者凡退で終えた。グラブは今季限りで引退し、この日の試合前にファイナルピッチセレモニーを行った秋山拓巳投手(33)のグラブを使用。先輩の思いも胸に上々の1軍デビューを果たした。佐藤蓮は上武大から20年ドラフト3位で阪神に入団。23年から育成契約となり、今年7月に支配下復帰。この日初めて出場選手登録されて1軍にも合流。即登板となった。

◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます/4年目のプロ初登板\20年ドラフト3位 #佐藤蓮1回を無安打無失点の上々デビュー???プロ野球(2024/9/30)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/qlGbAxKPhx

◆阪神打線がDeNAに8回までノーノー継投を許した。DeNA先発の吉野光樹投手(26)に6回まで3四死球と1失策で出塁するも、無安打に抑えられた。7回からは2番手で伊勢大夢投手(26)が登場し、3者凡退に仕留められた。8回は3番手佐々木千隼投手(30)に継投。先頭坂本が死球で出塁するも、代打糸原が遊ゴロ併殺打に倒れ、小幡も二ゴロで無安打のままだ。阪神は今季5月24日に甲子園で巨人戸郷にノーヒットノーランを許している。

◆阪神はレギュラーシーズン最後の主催試合で、今季主催した公式戦の観客動員数が300万人を突破したことを発表した。19年以来5年ぶりの達成。この日の観客動員数は4万2620人。72試合で総動員数は300万9693人となった。20年にアルプス席を減らした影響で例年は全試合完売しても300万人に届かないが、甲子園100周年記念の今季は7月30日からの巨人3連戦でアルプス席を各日4000席増やした。18年ぶりにリーグ優勝した昨年は12球団最多の291万5528人。9万人近く増やした今季も30日時点では12球団最多だ。甲子園だけでも62試合で265万4423人動員しており、1試合平均は約4万2813人となる。

◆阪神が今季のレギュラーシーズンの甲子園ラストゲームに敗れた。今季の甲子園での成績は39勝21敗2分け。すでに2位が確定しており、10月12日から始まるCSファーストステージは甲子園で戦う。6回、2番手村上頌樹投手(26)がDeNA宮崎に先制2ランを浴びた。本塁打性の当たりがファウルとなった直後の"打ち直し弾"。これが決勝点となった。レギュラーシーズンは残すところ10月3日のDeNA戦(横浜スタジアム)のみ。今季の主催試合の入場者が5年ぶりに300万人に到達した一戦。満員御礼へ感謝の1勝とはならなかったが、切り替えて次へ臨みたい。

◆阪神が屈辱の継投ノーノーを阻止した。無安打で迎えた9回。先頭の近本光司外野手(29)がDeNA森原から左前に運んだ。スタンドからは大歓声が送られた。これで近本はヤクルト長岡と並ぶ159安打として、リーグ最多に並んだ。これまで継投による無安打無得点は1リーグ時代含め5度あるが、セ・リーグのチームが食らったことはなく、セ・リーグ球団初となるところだった。さらに今年は5月24日巨人戦(甲子園)で戸郷翔征投手(24)に無安打無得点試合を食らっており、同一年で2度食らうのも球団史上初になるところだった。

◆DeNA投手陣のノーノーリレーが9回についえた。9回に登板した守護神森原が、先頭の阪神近本に左前打を打たれた。これがこの日の1安打目。継投でのノーヒットノーラン達成となれば、21年8月15日のソフトバンク以来、プロ野球史上6度目で球団史上初の偉業だった。先発の2年目右腕・吉野光樹投手(26)が流れを作った。6回まで無安打無失点6奪三振、3四死球。4回には1死から死球と京田の失策で一、三塁。先制のピンチを背負ってギアを上げた。佐藤輝をフォークで空振り三振、前川を直球で左飛に仕留めて切り抜けた。7回の打席が回ってきたところで代打東妻がコール。ノーヒットピッチングを継続したまま、94球でマウンドを降りた。吉野は「前回の登板からしっかり修正することができました。昨日、監督から力の入れどころ、そして抜く勇気というポイントの話をしていただき、実際に良いピッチングにつながることができて良かったです。守っていただいた戸柱さんや野手の皆さんに感謝したいです」とコメントした。2番手は前日の同戦で1/3回2失点で負け投手となった伊勢が登板。2連投を感じさせない投球で6球で3者凡退に仕留めた。3番手は佐々木が登板。先頭の坂本に死球を与えるも、続く代打糸原を遊ゴロ併殺に仕留め、森原に託した9回のマウンドだった。

◆阪神の高卒6年目左腕・川原陸投手(23)が1軍デビューを果たした。この日ともに1軍初昇格した佐藤蓮投手(26)のあとを受けて、8回から4番手で登板。先頭の佐野を1球で左飛に打ち取ると、続くオースティンには四球を与える。戸柱からフォークで空振り三振を奪ったが、宮崎に中前打を許して一、二塁とピンチを招いた。それでも桑原から内角直球で見逃し三振を奪って無失点で切り抜けると、笑みがこぼれた。川原は創成館(長崎)から18年5位で阪神に入団。左肩痛などに悩まされ、22年からは育成契約となった。昨年の秋季キャンプではブルペン投球を見守った岡田彰布監督(66)からも「100球超えてからな、すごいやんか。あの球数でもあないして腕振れて。大したもんちゃう」と絶賛されていた。今季は7月に支配下復帰し、この日に初めて出場選手登録されていた。

◆阪神が今季のレギュラーシーズンの甲子園ラストゲームに敗れた。今季の甲子園での成績は39勝21敗2分け。すでに2位が確定しており、10月12日から始まるCSファーストステージは甲子園で戦う。6回、2番手村上頌樹投手(26)がDeNA宮崎に先制2ランを浴びた。本塁打性の当たりがファウルとなった直後の"打ち直し弾"で、これが決勝点となった。打線は9回先頭の近本光司外野手(29)がチーム初安打を放ち、継投による「ノーヒットノーラン」を阻止。森下翔太外野手(24)も安打で続いたが、ホームが遠く完封負けを喫した。レギュラーシーズンは残すところ10月3日のDeNA戦(横浜スタジアム)のみ。今季の主催試合の入場者が5年ぶりに300万人に到達した一戦。満員御礼へ感謝の1勝とはならなかったが、切り替えて次へ臨む。

◆阪神が甲子園でのレギュラーシーズンの戦いを終えて、試合後にセレモニーを行った。今季甲子園では39勝21敗2分け。すでに2位が確定しており、10月12日から始まるCSファーストステージは甲子園で戦う。セレモニーでは今季を振り返る映像がバックスクリーンで流された。選手や岡田彰布監督(66)らが整列し、声援に応えた。一度はベンチへ引き返したが、再びマウンド付近に集まった。中心には今季限りで引退する秋山拓巳投手(33)。胴上げが行われ、5度宙を舞った。スタンドからは秋山コールが起き、ファンの声援に応えるように場内を1周回った。最後はマウンドから深々と場内にお辞儀。大きな拍手で送られた。

◆阪神青柳晃洋投手(30)が先発で3回を無失点にまとめた。毎回走者を許しながら2、3回は併殺に仕留めるなど持ち味を存分に発揮した。「今日は3回と言われたので投げるだけだった。0で終われたので良かった。持ち味というか、いつも通りのピッチングができたのかなと思います」。CSでの起用法について岡田監督は「もうこれから、これから」と未定とした。

◆虎党の大声援にも心は乱れなかった。自信たっぷりにDeNA吉野光樹投手(26)が阪神打線を封じ込めた。1回、近本、中野を連続三振で立ち上がると、勢いは増す。4回には1死から死球と京田の失策で一、三塁。ギアを上げて佐藤輝、前川を打ち取った。6回までノーヒット投球&無失点を継続したまま、94球で降板。「(ノーノーは)分かってはいましたけど、絶対どこかでヒットは出ると、思い切っていきました」と欲をかかずに役割を全うした。指揮官の言葉に自信をもらった。前日9月29日、グラウンド上で三浦監督と話し込んだ。「抑えたい気持ちが強すぎるんじゃないか? 力を抜く勇気、入れるポイントだけしっかりしていこう」。直近2試合は5回を持たず降板。より厳しいコース、より強いボールを、と力が入ってカウント負けする悪循環に陥っていた。助言通り、メリハリのある投球で躍動。「思い切ってやってみてうまくハマってくれた。監督の助言通りだったと肌で感じました」と感謝した。九州学院(熊本)時代、2年時に同校は春夏甲子園出場も自身はベンチ外。アルプススタンドから同校の1学年先輩で現チームメートの伊勢の登板を応援した。「高校時代は無縁の場所。うれしかったです」と初聖地を満喫。9回に森原が安打を浴びて、プロ野球史上6度目、球団史上初の継投ノーノーはならなかったが、4位広島とは2ゲーム差に拡大。CSファースストステージが開催される甲子園で、新進気鋭の2年目右腕が光り輝いた。【小早川宗一郎】▽DeNA三浦監督(6回ノーヒットピッチングの吉野を降板させた決断に)「勝つことです。まず勝つことです。しっかりゲームを作りましたし勝ちもつきましたし、しっかり投げてくれたと思います」▽DeNA宮崎(6回1死一塁、代打で左翼ポール際へのファウルを放った直後、再び左翼ポール際へリプレーのような決勝の14号2ラン)「しっかり自分のスイングができて、高く上がりましたがうまく風にも乗ってくれました」

◆/継投ノーノーはならずも\最後は #森原康平 が捻じ伏せる4投手のリレーでシャットアウト4位カープと2ゲーム差に?プロ野球(2024/9/30)??阪神×DeNA??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/5rBspUpdoq

◆阪神村上頌樹投手(26)が打ち直しの1発で決勝点を献上した。4回から今季2度目の中継ぎ登板。6回1死一塁、3球目は代打宮崎に左翼ポール際へ大ファウルにされた。さらに4球目を再び左翼ポール際に2ランを許し「次に対戦する時に考えてやっていければ」。CSでの起用法は先発かと問われ岡田監督は「それは分からん。そんなんはまだ。ちょっと間隔空くからな」と話すにとどめた。

◆阪神岩崎優投手(33)が2年連続5度目となる節目の60試合登板で1回をピシャリと封じた。阪神岩崎2点ビハインドの9回から登場。森敬を中飛、蝦名を78キロの遅球で遊ゴロ、最後は梶原を変化球で三邪飛に打ち取った。「しっかりとゼロで抑えられたのでよかったです」。オフの自主トレをともにする佐藤蓮、川原との師弟リレーを無失点につなぎ「彼らが抑えたので、自分も抑えないといけないと思った」と師匠の意地を見せた。

◆阪神が今季のレギュラーシーズンの甲子園ラストゲームに敗れた。今季の甲子園での成績は39勝21敗2分け。すでに2位が確定しており、10月12日から始まるCSファーストステージは甲子園で戦う。1軍デビューした2人が無失点。大卒4年目右腕・佐藤蓮投手(26)は1回をパーフェクト。高卒6年目左腕・川原陸投手(23)も1回を無失点に抑えた。今季最終戦となる10月3日DeNA戦(横浜)でも展開次第で登板機会を与える予定だとした。岡田監督の一問一答は以下の通り-佐藤蓮と川原の投球について「おお、もう全然なあ、だから接戦やったらやめとこか言うとったんや、緊張しすぎたらあかんからな。でもええやん、いけ言うて。まあな、ゼロに抑えたわけやからな、川原もあの打順でな、おーん。大したもんや、自信つけたんちゃう、川原な」-2軍からの推薦があった2人だと思うがいいものを見せてくれた「いやいやだから、推薦というか、最後の支配下になって、2軍も良かったから支配下にしたわけやからな、結局。7月の時点でさ」-川原はキャンプで見た。佐藤蓮は「佐藤初めてや。映像見とったけどな、鳴尾浜で投げてるな。もうちょっと暴れるかなと思ったけどな、ちょっと見せといてよかったんちゃう、あれな、暴れそうで暴れないというな、そういうの武器かもわからへんし」-川原も良い真っすぐ「キャンプでよかったからな、だからな。まあ、うん。最後よかったよな、やっぱりな。最後の球はな、これな、見送り三振、インコース投げ込めたいうのはよかったと思うよ。思った以上に落ち着いとったよな、初登板でな」-2人ともフェニックスリーグか「うん、まあ3日までは置いておくけどな。フェニックスも7日からとかやろ、スタート。そら、まだ(ポストシーズンでは)使えへんけど、まだ投げるチャンスあれば、横浜でも投げさせるよ。別にもう、そんなん関係ないんやから、勝ち負けとか。どんどんな、今日でだいぶ自信つけたから。0点に抑えるいうのは、だいぶ自信になると思うよ、そらあ。別に投げるピッチャー見せる必要ないし、こっちは」

◆阪神が今季のレギュラーシーズンの甲子園ラストゲームに敗れた。今季の甲子園での成績は39勝21敗2分け。すでに2位が確定しており、10月12日から始まるCSファーストステージは甲子園で戦う。打線はDeNA先発吉野に6回無安打無得点。継投でかわされ、9回にようやく初安打が生まれたが、今季18度目の完封負け。DeNAに完封負けは今季初だった。岡田彰布監督の一問一答は以下の通り-吉野はよかった「きょうよかったなあ。前、フォアボール、フォアボールでな。あの映像みとったからのお」-クライマックスの可能性もある。1回見られてよかった「まあ、ええときのなあ。前回、めちゃ悪かったんやな。あれな。あの映像みとったからな。ストライク入らんと」-ヒット出なかった「やられたと思ったよ。別にええけどなと思ったけど(笑)」-村上は予定通り「そや、青柳もあれや。3、3でいこうと思ってたから。そんなボールいってないなあ。広島もそうやったけどなあ」-広島の結果を受けてきょう「ちゃうちゃう。最初からその予定やったよ。広島で2イニング投げさせて。延長になったら2イニング投げさせて、で、空けて、きょう3イニングいく予定やった。それで終わりやからなあ」-試合がない「あんまり空いてもアカンし。なあ」-村上はポストシーズンは先発の1人「それは分からん、分からん。そんなんはまだ。ちょっと間隔空くからな。フェニックスの日程見ててもちょっと投げさしにいかれへんよな。バッターも巨人、DeNAやもんな。韓国と。ちょうど。そんなDeNAの試合にいかれへんわ」-青柳のポストシーズンの起用法もこれからか「もうこれから、これから」-青柳はランナーを出しながらも持ち味を出した「持ち味って、お前、そら打たれんのが一番ええんやから、そんなもん。ランナー出たらいつもいつもゲッツー取れるって、そんなん限らへんよ」

◆選手会長の阪神中野拓夢内野手(28)が甲子園のシーズン最終戦を終えてファンに感謝した。優勝は逃したが、毎試合大歓声が注がれた。「たくさんの声援があったからこそノビノビと野球ができたと思うので、すごく感謝しています」。残すはCSで再戦する可能性のある敵地DeNA戦の1試合のみ。「自分のできることをしっかりやって、いい形で終われるようにやっていきたい」と今後につなげる。

◆左太もも裏の肉離れで離脱していた阪神小幡竜平内野手(23)が1軍戦に復帰した。7月17日の巨人戦(東京ドーム)で負傷。3回に青柳の代打で出場し、3打数無安打1三振。9回まで遊撃の守備をこなし5回には失敗したものの盗塁を試みた。「久しぶりにファンのみなさんの前でできた。緊張もありましたけど、残り2試合の中で帰ってこられたのは良かった。1軍に来たら結果を出すだけ」と前を向いた。

◆DeNA戸柱恭孝捕手(34)が女房役として完封リレーをリードした。先発吉野は94球を投げて、6回無安打無失点6奪三振、3四死球と好投。2番手伊勢、3番手佐々木と8回まで継投ノーノーをつないだ。9回は森原が2安打を浴びるも、無失点で切り抜けて完封リレーが完成した。9回までマスクをかぶった戸柱は、吉野のメンタル面を支えて好投に導いた。22日のヤクルト戦、5回途中3失点で降板した2年目右腕と登板後からたびたびコミュニケーションをとってきた。「彼は気持ちの問題だと僕は思ってました。なので『強い気持ちを持って投げれば勝負出来るボールを持ってる。良いところに投げようとしすぎず、ゾーンで勝負しよう』と話をしていて、今日はゾーンに強いボールを投げて抑えてくれた。吉野がしっかり投げてくれて、そのサポートができて良かったと思います」と振り返った。三浦監督も前日29日、吉野に対して「抑えたい気持ちが強すぎるんじゃないか? 力を抜く勇気、入れるポイントだけしっかりしていこう」とアドバイス。同じような助言で2年目右腕の背中を押した。これで戸柱が先発マスクをかぶった直近2試合連続完封勝利で、マスクをかぶった22イニング連続で無失点を継続。正捕手の山本が右尺骨骨折で離脱する中、ベテランらしい声かけと経験に裏打ちされたリードでチームを引っ張る。吉野も「トバさん(戸柱)にはいつも勉強させてもらっていることが多い。どういう風に打者と勝負していくかを毎イニング話してくれて、トバさんにおんぶに抱っこで、自分はリードを学ばせてもらってます」と感謝した。プロ野球史上6度目で球団史上初の継投によるノーヒットノーランはならずも、戸柱は「勝ちが最優先。結局勝つことが優先事項なのでそれが達成できて良かったです」と気を引き締めて、バスに乗り込んだ。

◆阪神高卒6年目の川原陸投手(23)が念願の1軍デビューを飾り、1回無失点と好投した。2点ビハインドの8回に4番手で登場。四球と単打で2死一、二塁のピンチを背負ったが、最後は桑原を内角144キロ直球で見逃し三振に仕留めた。ベンチ前では青柳から初奪三振の記念球を受け取り「ホッとしています。やっと(投げられた)って感じが大きいです」と胸をなで下ろした。創成館(長崎)から18年ドラフト5位で阪神に入団。21年オフに育成選手契約を経て、24年7月に支配下選手に復帰した。「いい時間も悪い時間もあって、思い出したらすごく時間がかかったなって思いますけど、今日投げられたので、全部これのためなのかなって」と感慨深げだった。岡田監督は「そら、まだ(CSでは)使えへんけど」とした上で、佐野、オースティンら中軸を相手に奮闘しただけに「あの打順でな、大したもんや。自信つけたんちゃう」と目を細めた。

◆そんなん、本番は先やで-。阪神が今季レギュラーシーズンの甲子園最終戦で今季18度目の完封負けを食らった。8回終了時点で無安打無得点。セ・リーグ史上初の継投ノーノー献上もチラついたが、岡田彰布監督(66)は「やられたと思ったよ。別にええけどなと思ったけど」と余裕の表情だ。すでに2位が確定しており、CSファーストステージでDeNAと戦う可能性も十分ある。ポストシーズンに向けて、したたかに準備を整える。あわや今季2度目のノーヒットノーラン目前でも、岡田監督は余裕を漂わせていた。「やられたと思ったよ。別にええけどなと思ったけど」とニヤリだ。すでに前日29日に本拠地甲子園でのCSファーストステージ開催が決定。なんら影響のない敗戦だった。今季2度目の対戦となったDeNA吉野を前に、打線が沈黙した。初回に3者凡退を許すと、6回まで3四死球と敵失で4度出塁したのみ。94球での無安打投球を許した。7回は伊勢、8回は佐々木を前にしても快音は響かず。9回先頭の近本が森原から左前打を放つまで、セ・リーグでは初となる継投ノーノー献上も脳裏によぎった。吉野はここ2戦連続で5回を持たずに降板。この日は好投を許したが「今日良かったなあ。前、フォアボール、フォアボールでな。あの映像見とったからのお」と冷静に受け入れた。DeNAがリーグ3位となれば、CSで対戦する可能性もある右腕。「まあ、ええ時のなあ」。負けられないポストシーズンを前に、好調時の投球を見られたことを前向きに捉えた。甲子園での今季リーグ戦ラスト試合は4万2620人を動員。今年の主催試合で開催された72試合で総動員数は300万9693人となり、19年以来の300万人突破となった。試合後にはシーズン通してエールを送ってくれたファンへ、ナインが一列に並びあいさつ。岡田監督も真剣なまなざしで声援に応えた。リーグ戦は敵地での10月3日DeNA戦(横浜)を残すのみ。「別に投げるピッチャー見せる必要ないし、こっちは」と前日のゲラに続き、9回に登板した岩崎も出場選手登録を抹消する見込みだ。最後までしたたかに戦い、「本番」へとつなげる。【磯綾乃】阪神は9回、先頭近本の左前打でかろうじてノーヒットノーランを免れた。今季5月24日巨人戦で戸郷に喫しており、年に2度なら22年西武以来7度目、セ・リーグでは68年大洋(現DeNA)以来56年ぶり2度目となる危機だった。また継投によるノーヒットノーランなら、21年8月15日に日本ハムがソフトバンクに許して以来6度目、セ球団では初の屈辱となるところだった。阪神の今季完封負けは18度目。これまでセ・リーグ球団との対戦ではDeNA戦だけ完封負けがなかったが、24回戦にして初めて喫した。

◆阪神近本光司外野手(29)がセ界初の屈辱を土俵際で阻止した。DeNA3投手の前に無安打無得点で迎えた9回裏。1ストライクから守護神森原の2球目、134キロフォークを左前に運んだ。「どの打席もやることは変わらない。結果的にヒットになったので良かったです」。その瞬間、甲子園全体が安堵(あんど)の大歓声に包まれた。第3打席までDeNAの先発右腕、吉野の直球に苦しめられた。初回は空振り三振。3回と6回は140キロ台中盤の直球に差し込まれ、外野フライに倒れた。それでも最後は技ありの1本を決め、反撃ムードを呼び込んだから、さすがだ。チームは今季5月24日の巨人戦(甲子園)で戸郷にノーヒットノーランを食らっている。シーズン2度目のノーノー献上ならセ・リーグ56年ぶり2度目、継投ノーノーとなればセ・リーグ史上初の記録となっていた。虎党の脳裏に悪夢がチラつく中、頼れるリードオフマンが立ちはだかった。これで今季159安打。この日は試合がなかったヤクルト長岡秀樹に再び並び、最多安打のタイトル争いもいよいよ最終章に突入だ。「そこは誰かと競うと意識するよりは、自分のバッティングをできるかどうかなので。自分のできることをやるしかない。最後まで自分の成績を意識しながらできるのは、なかなかなかった。楽しみながら頑張りたいと思います」勝負の世界さえ楽しんでしまう。安打製造機の奥は深い。【村松万里子】

◆虎の20年「黄金ドラフト」の秘密兵器が鮮烈なデビューを飾った。7月下旬に支配下に返り咲いた阪神佐藤蓮投手(26)が、プロ初登板でパーフェクト投球を決めた。7回に3番手で登板し、最速153キロを計測。得意のカーブ、フォークを駆使し代打東妻、梶原、牧を3者凡退で仕留めた。「(声援は)全く聞こえません。気にしてる余裕もなかった」。無我夢中だ。佐藤輝、伊藤将、村上、中野、石井らと同期入団の大器が、やっと1軍マウンドで躍動した。プロ野球生活は悪夢から始まった。プロ1年目の1軍キャンプ。紅白戦で事件は起きた。近本に死球を与えるなど制球が乱れ、ゲームは異例の途中打ち切り。「あの時はひどかった...」。自らも受け入れる「ノーコン」のレッテルは、なかなかはがれなかった。今年2月。岩崎との食事の席での会話で野球人生が変わった。「ツーシームの握りで投げたらストライク入るんです」。先輩からは「ずっとそれでいこう」と背中を押された。そこから「きれいな真っすぐは捨てました」。ど真ん中めがけ、動く直球で勝負する。岡田監督も「暴れそうで暴れない。武器かもわからん」と評価。CSでの起用の可能性は薄いが、来季へ向けて大きな糧を得た。「ずっと使っている」という秋山のグラブで好投。プロ1年目には「飲みの席で秋山さんを"つぶして"しまった」という酒豪だ。とにかくエンジンがデカい。今季限りで引退する先輩へ、滑り込みで晴れ姿を見せることができた。ロマンあふれる男が堂々のスタートを切った。【中野椋】

◆阪神・川原陸投手(23)、佐藤蓮投手(26)、小幡竜平内野手(24)が1軍に合流した。小幡は7月17日の巨人戦(東京ドーム)で左太もも裏を肉離れして離脱し、2軍でリハビリに励んでいた。川原、佐藤蓮は育成契約を経て、7月20日に支配下復帰。川原は今季ファームで50試合に登板し、防御率1・62。佐藤蓮は49試合で防御率2・03を記録している。1軍の練習合流後、投手陣の構成を踏まえて川原、佐藤蓮のどちらかをベンチ入りさせるとみられる。

◆阪神・川原陸投手(23)、佐藤蓮投手(26)、小幡竜平内野手(24)が出場選手登録された。川原、佐藤蓮はプロ初の1軍昇格。代わって、ハビー・ゲラ投手(29)、才木浩人投手(25)が出場選手登録を抹消された。

◆阪神は「6番・左翼」で前川右京外野手(21)が3試合ぶりに先発出場。29日に今シーズンの2位を確定させたが、DeNAとの一戦はクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージの前哨戦となる可能性もあるだけに負けられない。この日、1軍初昇格を果たした川原陸投手(23)、佐藤蓮投手(26)はともにベンチ入り。井上広大外野手(23)はベンチ外となった。

◆試合前に、今季限りで現役を引退する阪神・秋山拓巳投手(33)の「ファイナルピッチセレモニー」が行われた。高校時代から踏みしめてきた思い出の甲子園のマウンドに立つと、捕手役として高卒同期入団の原口の名前がアナウンスされ、さらに打席には同学年のDeNA・筒香。「練習中に久々に会って、『ちょっと(打席に)立ってや』という感じで言ったら立ってくれた」と〝対決〟が実現した。外角低めを狙ってワインドアップから投じた一球はワンバウンド。「試合でも投げたことのないようなストレートを投げてしまって、ちょっとびっくりした」という投球にはなったが、全力投球で現役生活を締めくくった。岩崎らから花束を受け取るとマイクを手にし、スタンドへあいさつ。「引退発表してから泣いてばかりで...。次の涙は、タイガースのみんなに頑張ってもらって、日本一まで取っておきたいと思っています」と宣言しながら、感謝の言葉を述べた。ただ、その後に沸き起こった大歓声を全身で受けると、「最後のライトスタンドからの声援はちょっと、『泣かない』と言っていたので危なかったです」と心を震わされた。素晴らしい光景を、大声援を思い出として胸にしまい、プロ野球選手生活に幕を下ろした。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(30)が〝らしさ〟あふれる投球だ。一回は2死から佐野に左前打を浴びるも、オースティンは外角低め直球で見逃し三振。二回は先頭の戸柱に左前打。1死後、京田に右前打を許し一、二塁とされたが、森を二ゴロ併殺に仕留めた。三回は1死から梶原、牧の連打で一、二塁。それでも佐野を二ゴロ併殺に抑えた。青柳は三回までに5本の単打を浴びながら、無失点投球。打たせて取る、青柳らしい投球で、三回の攻撃で代打を送られて降板した。クライマックス・シリーズを見越した登板で右腕が結果を残した。■阪神・青柳 「ヒットは打たれてしまいましたが単打でしたし、ランナーを出してもゴロを打たせてゲッツーを取ったり、自分の持ち味を出せたと思います。レギュラーシーズンでは最後の甲子園登板をいい形で終えられてよかったです」

◆ヒヤリとするシーンも大事には至らなかった。阪神・森下翔太外野手(24)が四回1死の第2打席で死球を受けた。吉野の144キロ直球がすっぽ抜け、左肩付近を直撃。苦悶の表情でその場に倒れこんだ。今岡1軍打撃コーチに付き添われながら、自力でベンチへと引き揚げた若虎は、治療を受け、走って一塁ベースへ。続く大山の三ゴロをDeNA・京田がトンネルすると、全速力で一塁から三塁へと進んだ。先制の好機を生かしたかった阪神打線だが、1死一、三塁から後続が倒れて無得点。相手先発・吉野の前に四回まで無安打に抑えられている。

◆2番手でマウンドに上がった阪神・村上頌樹投手(26)が先制を許した。0-0で迎えた六回1死一塁。代打・宮崎を打席に迎えた。カウント1-1から3球目、左翼ポール際へと舞い上がった大飛球、判定はファウル。DeNAベンチがリプレー検証を要求も、判定は変わらなかった。どよめきが残る甲子園。続いて村上が投じた4球目だった。再び左翼ポール際へと上がった飛球は、今度は左翼席へスタンドイン。〝打ち直し〟の先制弾に村上はがっくりと肩を落とした。

◆DeNA・宮崎敏郎内野手(35)が六回1死一塁で代打で登場し、村上から左翼ポール際へ先制の14号2ランを放った。直前の3球目も左翼ポール際へ運んだが、わずかに外へ切れてファウル。リプレー検証でも判定は覆らなかった。打ち直しの4球目に内角の直球を腕をたたんで捉え、鋭い軸回転で鮮やかな放物線を描き、「高く上がったが、うまく風に乗ってくれた」と振り返った。

◆阪神・佐藤蓮投手(26)が七回に待望のプロ初登板を果たした。先頭の代打・東妻はこの日最速の153キロ直球で遊ゴロ。梶原を135キロフォークで空振り三振、牧は153キロで遊ゴロに仕留めた。佐藤蓮は佐藤輝らと同じ2020年ドラフト3位で阪神に入団。育成契約をへて、今季支配下に復帰した。クライマックス・シリーズへまた頼もしい戦力が虎に加わった。

◆阪神は今季のレギュラーシーズン甲子園最終戦となった同戦で、2024年の公式戦入場者が300万人に達したことを発表した。今季主催試合72試合目での達成。過去最速は2004年の59試合で、2005年の実数発表以降は2007年の70試合が最速だった。

◆阪神・川原陸投手(23)が八回に登板。1軍初マウンドで強力DeNA打線と対峙した。先頭の佐野は146キロで左飛。続くオースティンに四球も戸柱から136キロフォークでプロ初三振を奪った。2死一塁で先制ホームランを放った宮崎に中前打を許したが、最後は桑原を144キロ直球で見逃し三振に抑えた。川原は長崎・創成館高から2018年ドラフト5位で阪神に入団。故障によって2021年のオフに育成契約となったが、今年7月に支配下復帰していた。

◆阪神打線が沈黙を続けている。DeNA先発の吉野に対し、打線は六回まで無安打。七回は伊勢、八回は佐々木の前に無安打に終わり、継投でのノーヒットノーランが見えてしまった。阪神の攻撃は残すところあと九回の1イニングのみ。今季のレギュラーシーズン甲子園最終戦に詰めかけたファンのためにも何とか1本を打ちたいところだ。

◆阪神は打線が沈黙した。相手先発・吉野の前に六回まで無安打。伊勢、佐々木からも快音を響かせることができなかったが、九回に先頭の近本が森原から意地の左前打を放った。一死後に森下も左前へ弾き返し、一、二塁の反撃機を迎えたが、大山は右飛、佐藤輝は空振り三振に倒れた。先発の青柳は3回無失点でポストシーズンに弾み。2番手で登板した村上が、代打・宮崎に先制2ランを浴びた。七回からはこの日1軍初昇格した佐藤蓮、川原がいずれも無失点。レギュラーシーズンでは今季の甲子園最終戦で投手陣がファンを沸かせたが、打線の奮起がなかった。

◆DeNA先発・吉野光樹=甲子園球場(撮影・松永渉平)

◆DeNA・吉野光樹投手がが6回を3四死球で無安打に抑えて3勝目を挙げた。六回に代打宮崎の14号2ランでリードを奪うと、終盤は伊勢、佐々木とつないで森原が28セーブ目。阪神は打線が九回の2安打と沈黙した。2番手の村上が11敗目。

◆甲子園での今季最終戦となったDeNA戦後にセレモニーが行われた。今シーズンを振り返る映像がビジョンに流れ、グラウンドでは岡田監督、選手、コーチがファンに一礼。ライトスタンドからは「頑張れ、頑張れ、タイガース!」とコールが巻き起こった。さらには今季限りで現役を引退する秋山拓巳投手(33)の胴上げが行われ、188センチ、101キロの大きな体が5度宙に舞った。その後は登場曲であるEXILE ATSUSHIの「Put it on the line」が流れるなか場内を一周し、ファンに別れを告げた。

◆阪神が甲子園でのレギュラーシーズン最終戦で、2安打零敗を喫した。DeNAの継投の前に、九回先頭の近本光司外野手(29)の左前打が初安打で、今季2度目の屈辱を免れた。2位決定から一夜明け、青柳晃洋投手(30)が3回無失点。27日の広島戦(マツダ)でサヨナラ負けの敗戦投手となった村上頌樹投手(26)が3イニング目の六回、宮崎敏郎内野手(35)に2ランを浴びた。村上はリーグワーストタイの11敗目(7勝)で10月12日開幕のCSファーストSに不安を露呈した。七回から1軍初登板組が登場し、4年目の佐藤蓮投手(26)、6年目の川原陸投手(23)がともに無失点。九回は岩崎優投手(33)が締めた。今季甲子園成績は39勝21敗2分。観客動員数は主催72試合で300万9693人を記録し、2019年以来の大台となった。チームは10月3日のDeNA戦(横浜)で全日程を終える。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=73勝63敗6分、観衆=4万2620人)。ーーDeNA吉野は良かった「今日良かったなあ。前、フォアボール、フォアボールでな。あの映像見とったからの」ーーCSでの対戦もある「ええ時のな。前回、めちゃ悪かったんやな。あの映像見とったからな。ストライク入らんと」ーーヒットが出なかった「やられたと思ったよ。別にええけどなと思ったけど」ーー村上は予定通り「そや、青柳もアレや。3回、3回で行こうと思ってたから。そんなボール行ってないな。広島もそうやったけどな」ーー広島の結果を受けて「ちゃうちゃう。最初から、その予定やったよ。広島で2イニング投げさせて。延長になったら2イニング投げさせて。空けて、今日3イニング行く予定やった。それで終わりやからな」ーー試合がない「あんまり空いてもアカン」ーー村上はポストシーズンは先発の1人「それは分からん、分からん。そんなんはまだ。ちょっと間隔空くからな。(教育リーグの)フェニックスの日程見てても投げさしに行かれへんよな。(対戦相手の)バッターも巨人、DeNAやもんな。韓国と。そんなDeNAの試合に行かれへんわ」ーー青柳の起用法もこれからか「もうこれから、これから」ーー青柳はランナーを出しながらも持ち味を出した「持ち味て、お前、そら打たれんのが一番ええんやから、そんなもん。ランナー出たらいつもいつもゲッツー取れるって、そんなん限らへんよ」ーー佐藤蓮と川原の投球について「接戦やったらやめとこか言うとったんや、緊張し過ぎたらアカンからな。でもええやん、行け言うて。ゼロに抑えたわけやからな、川原も(佐野、オースティンと続く)あの打順で大したもんや、自信つけたんちゃう、川原な」ーー2軍からの推薦があった2人だと思うが、いいモノを見せてくれた「推薦というか、最後の支配下になって、2軍も良かったから、支配下にしたわけやからな、結局。7月の時点でさ」ーー川原はキャンプで見た。佐藤蓮は「佐藤初めてや。映像見とったけどな、鳴尾浜で投げてるな。もうちょっと暴れるかなと思ったけどな、ちょっと見せといてよかったんちゃう? アレな、暴れそうで暴れないというな、そういうの武器かもわからへん」ーー川原も良い真っすぐ「最後良かったよな、最後の球はな。(桑原から奪った)見送り三振、インコース投げ込めたいうのは良かったと思うよ。思った以上に落ち着いとったよな、初登板でな」ーー2人ともフェニックスリーグか「(10月)3日までは置いておくけどな。フェニックスも7日からとかやろ、スタート。そら、まだ(ポストシーズンでは)使えへんけど、投げるチャンスあれば、横浜でも投げさせるよ。別に関係ないんやから、勝ち負けとか。どんどんな、今日でだいぶ自信つけたから。0点に抑えるいうのは、だいぶ自信になると思うよ、別に投げるピッチャー見せる必要ないし、こっちは」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は六回、阪神・村上頌樹投手(26)がDeNA・宮崎敏郎内野手(35)に2ランを浴びた際の坂本誠志郎捕手(30)のリードに言及した。痛恨の一球となった。六回1死一塁で、村上が代打宮崎に決勝2ランを浴びた場面だ。直前、内角高めの直球を左翼ポール際まで運ばれた。結果はファウルだったが、直後に坂本はまた内角の直球を要求し、被弾した。裏をかいたリードだったかもしれないが、ベルト付近への球ではなく、高めに投げさせないといけない。絶対に一発を打たれてはいけない状況で、一塁走者が戸柱であることを考えると、外角低めが基本だ。短期決戦で捕手として最も気を付けることは本塁打。試合の流れが変わるし、打者はラッキーボーイと呼ばれる存在になる可能性がある。村上の状態は悪くはなかった。リラックスして投げていたし、球の切れも、フォークもさえていた。捕手のリードに納得できなければ首を振ればいいと言うが実際は難しい。きっちりとしたリードをするしかないわけだ。捕手は先発投手の状態を把握して首脳陣に伝える役割も担う。打線は水モノ。だから抑えるところは抑える。根拠をもったリードを求めたい。

◆DeNAの2年目右腕、吉野光樹投手は直球主体にカットボールと落ちる球を織り交ぜ、6回無安打無失点の快投で3勝目。0―0の四回は死球と失策で1死一、三塁となったが、佐藤輝をフォークボールで空振り三振、前川は直球で左飛に打ち取った。「ここ2試合は良くなかったが修正できた。勝ちにつながってよかった」と胸を張った。この日の登板に向けた調整で、三浦監督から「力を抜く勇気を持て」と助言された。アドバイスを生かした好投に、指揮官は「必要なところだけ力が入っていた」と目を細めた。

◆阪神が甲子園でのレギュラーシーズン最終戦で、2安打零敗を喫した。杉山健博オーナー(65)はバックネット裏の球団ブースから試合を観戦。セレモニーが終わった後、報道陣の前に姿を見せたが、質問しようとする報道陣に対し「ごめんなさい」と繰り返し、立ち止まることはなかった。2年契約最終年の岡田監督の去就が注目されており、阪急阪神HD首脳は「(続投になるのであれば)ウエルカム」などと発言している。

◆左太もも裏の肉離れから復帰した阪神・小幡が三回に代打から途中出場し、3打数無安打に終わった。負傷交代した7月17日の巨人戦(東京ドーム)以来、75日ぶりの1軍舞台。「残り2試合の中で帰ってこられたのは良かった」と笑顔を見せた。五回2死一塁の場面では、失敗に終わるも二盗を仕掛けた。「1軍にくれば結果を出すだけ」。ポストシーズンを前に頼もしい戦力が帰ってきた。

◆阪神・近本が最後に意地を見せた。八回まで継投でノーヒットに抑えられて迎えた九回先頭。森原のフォークを捉え、左前打を放った。「どの打席もやることは変わらない。結果的にヒットになったのでよかった」。今季159安打で長岡(ヤクルト)と並んで安打数は1位に再浮上。最多安打のタイトル戴冠へ「最後まで自分の成績を意識しながらできるのも、なかなかなかったこと。楽しみながら頑張りたい」と力を込めた。

◆阪神・岩崎は九回に登板し、2年連続の60試合登板に達した。七、八回にはプロ初登板となった佐藤蓮、川原がともに無失点。自らのもとで自主トレを行ってきた後輩の好投を受け「彼らが抑えたので、自分も抑えないといけないと思ってマウンドに上がった」と三者凡退で片づけた。岡田監督は9月29日に「明日(30日)は岩崎投げて抹消する」と明かしており、今後はポストシーズンに備える。

◆セ・リーグ3位のDeNAは30日、阪神24回戦(甲子園)に2-0で勝利した。2年目の吉野光樹投手(26)が6回94球を投げて無安打無失点に抑え、3勝目を挙げた。自身初の聖地での登板で好投し、4投手による2安打の完封リレーに貢献。チームは試合のなかった4位広島とのゲーム差を2に広げ、クライマックスシリーズ(CS)進出へ前進した。夢に見た甲子園のマウンドでも、心は動じなかった。強弱をつける投球を試みた吉野が、6回無安打無失点と好投し、涼しい表情で勝利の余韻に浸った。「やってみたことが、うまくはまった。収穫になりました」山場は0-0の四回。1死から死球と味方の失策で一、三塁のピンチを背負った。淡々とアウトを積み重ねてきた右腕は、ここぞとばかりにギアチェンジ。佐藤輝を得意のフォークボールで空振り三振に斬ると、雄たけびを上げた。続く前川は外角の直球で左飛に仕留め、窮地を脱した。今季デビューを果たし、これが7戦目。1軍の並みいる打者を是が非でも抑えようと目いっぱい腕を振ってきたが、三浦監督の助言で「力を抜く勇気」を持った。力感をセーブした成果でフォークの球離れが良くなったといい、要所でギアを上げた直球は走った。1学年下のヤクルト・村上とチームメートだった熊本・九州学院高では、2年時の春と夏にチームが甲子園大会に出場したものの、自身はスタンドから声援を送る立場だった。「無縁」だった聖地で成長の跡を刻み、八回まで阪神打線を無安打に抑える完封リレーの立役者となった。指揮官は「必要なところだけ力が入って、抜くところは抜けていた。バランスよく投げていた」と評した。「すごくうれしい。でも、まだまだ足りないことがある」と吉野。最短CS進出決定は10月2日。チームをCS進出へ前進させた26歳は、さらなる活躍を誓った。(鈴木智紘)

◆先発した青柳は3回5安打無失点。毎回安打を許すも、打たせて取る投球で2併殺を奪うなど、スコアボードにゼロを並べた。「朝の時点で三回までといわれていた。持ち味のいつも通りの投球ができた」。球団別最多の20勝を挙げるなど、得意としているDeNAとはCSで対戦する可能性がある。「『行け』といわれたところで行ける準備だけして頑張る」。下克上での日本一に向けて最後まで全力を尽くす。

◆苦難の日々を乗り越えてたどり着いたマウンドから見る景色は、想像以上に輝いていた。佐藤蓮、川原がついに迎えた1軍デビュー。第一歩はそろって無失点で飾った。「目の前のアウト、ストライクを取る、しっかりと自分のボールを投げる、というところだけ考えてマウンドにいたので、あまりほかのことは考えられませんでした」0―2の七回に登板した大卒4年目右腕・佐藤蓮は緊張し、初球は代打・東妻の胸元に大きくそれた。ただ、磨いてきた直球で押すなどして最初のアウトを遊ゴロで奪うと、梶原は空振り三振。同学年の牧も遊ゴロに抑え「しっかりとゾーンに投げればアウトを取れるという自信は、少しはついたかな」と胸を張れるデビュー戦だった。続いて八回に登板した6年目左腕・川原は中軸との激突でも気持ちで引かず、まずは佐野を1球で左飛に料理した。その後は四球と安打で2死一、二塁とされたものの、最後は桑原から内角へのクロスファイアで見逃し三振を奪い、ピンチを脱出。「(デビューまで)すごく時間がかかったと思うけど、きょう投げられた。全部これのためなのかなと思った」と感慨にふけった。上々発進の2人に岡田監督も目を細めた。「(ポストシーズンでは)まだ使えへんけど、まだ投げるチャンスがあれば横浜(3日、DeNA戦)でも投げさせるよ」とレギュラーシーズン中は帯同させる方針だ。「横浜であと1試合あると思うので、『行くぞ』と言われたときにまたしっかりと抑えられるようにしたい」と佐藤蓮は気合十分だ。故障などを経験し、支配下でのプロ入り→育成契約→2桁背番号返り咲きという共通点を持つ両腕にとって、視界が明るく開ける一日となった。(須藤佳裕)川原の母・えりかさん(45)は甲子園のスタンドで初登板を見守った。前日に1軍合流の連絡を受け、長崎市の実家からこの日の早朝の飛行機で来阪。1回無失点の好投を見届け「心臓が飛び出るとかじゃなくて心臓止まっとった状態でした(笑)。来てよかったです」と胸をなでた。息子が甲子園のマウンドに立つ姿を見るのは創成館高3年夏以来。「次もチャンスがあったら頑張ってほしい」と笑顔でエールを送った。

◆四回から2番手で登板した村上は3回2失点で11敗目。0-0の六回1死一塁から代打宮崎に決勝2ランを浴びた。被弾直前に内角直球を左翼ポール際へ運ばれたが、リクエストの結果、判定変わらずファウル。続けて同じ内角直球を投じるも、今度はポールの内側へ。「(普段と)違う配球ができた。抑えられたところも、打たれたところもあるので、次に生かしてやっていきたい」と先を見据えた。

◆阪神はレギュラーシーズンでの甲子園最終戦でDeNAに0―2で敗れ、今季18度目の零封負け。八回まで無安打で、あわやシーズン2度目の無安打無得点試合を喫する危機だったが、岡田彰布監督(66)は「別にええけどな」と苦笑いだ。投手起用で今後に向けた布石は打っており、虎将は逆転日本一に向けて着々と態勢を整えていく。悪夢が迫るなか、何とか九回にHランプがともった。継投ながら、あわや今季2度目のノーヒットノーランを食らうところだった。甲子園でのレギュラーシーズン最終戦。〝ノーノー〟を免れるのが精いっぱいだったが、岡田監督は怒ることなく、笑みを浮かべて淡々と振り返った。「やられたと思ったよ。別にええけどなと思ったけど」前日9月29日に2位を確定させたが、クライマックスシリーズ(CS)で対戦する可能性がある相手にベストメンバーで臨んだ。先発の吉野を打ちあぐねたが、四回に死球と失策で1死一、三塁のチャンスをもらった。相手の自滅につけ込むはずが、佐藤輝は空振り三振、前川は左飛に倒れると、その後も虎党のため息ばかりが広がった。0-2の九回先頭で近本が4番手・森原から左前打を放ったが、2安打で今季18度目の零封負け。指揮官は「(今季2度目の対戦だった先発吉野が)きょう、よかったなあ」とうなるしかなかった。見せ場のない敗戦だったが、短期決戦を見据えた準備に抜かりはない。先発の青柳、9月27日の広島戦から中継ぎ待機させている2番手の村上を3イニングずつ投げさせた。12日から始まるCSのファーストステージの相手は未定。先発ローテの編成はこれからだが「あんまり(登板間隔が)あいてもアカンしなあ」と意図を説明した。レギュラーシーズン最終戦となる3日のDeNA戦(横浜)後は、CS初戦まで8日間のブランクがある。7日から宮崎でフェニックスリーグが行われるが「日程見てても、ちょっと投げさしにいかれへんよな。(7―10日の対戦相手が)巨人、DeNAやもんな。韓国と。そんなDeNAの試合にいかれへんわ」。イレギュラーな10月の戦いを見据えれば、ここでイニングを投げさせることが必要だった。中継ぎ陣では70試合登板の桐敷をこの日はベンチから外した。ゲラに続いて岩崎も一度抹消してリフレッシュさせる。目標に掲げていたリーグ連覇は逃したが、CS、日本シリーズを勝ち抜いて日本一になるためには何をするべきか。経験豊富な岡田監督の脳裏には緻密な設計図が描かれている。「別に投げるピッチャー見せる必要ないし、こっちは」いま、指揮官に求められているのは、活を入れることではなく、短期決戦に向けて戦力を整備していくこと。主催公式試合の入場者300万人を達成した一戦後のセレモニーでは、声援に引き締まった表情で手を振って応えた。今季39勝21敗2分けで勝率・650と強さを発揮した甲子園での次戦は、12日のCS初戦。大観衆を沈黙させることはもうしない。(新里公章)?...阪神は5月24日の巨人戦(甲子園)で戸郷に無安打無得点試合を達成されており、1シーズンに2度許せば球団史上初の屈辱だった。NPBでは過去に1940年のライオン、43年の大和、68年の大洋、71年の西鉄、2022年の西武が1年に2度、1941年の名古屋は4度(継投を含む)喫している

◆観客動員300万人達成。今季のレギュラーシーズン、甲子園最終戦。満員御礼になると、関係者には大入り袋が配られる。試合終盤、記者席にいた虎ソナにも手渡された。横にいた新人で大の虎党・萩原翔は試合に集中していたのか、グラウンドを必死で見つめて、大入り袋をソッと横に置いただけだった。萩原よ、いくら入っているの?「100円ですよ」ふ~ん。もう一度、聞く。いくら入ってる?「100円ですよ!」ちょっとムッとして答えていた。おい、確認したんか?「え?」ゴソゴソと袋を開けて数秒間固まっていた。そしてニヤニヤし始めた。「500円じゃないですか! えーーー! うれしい!」虎番歴十ン年の虎ソナをなめてもらってはいけない。節目のとき、阪神タイガースさまは必ず大サービスしてくれる。もちろん、他紙の記者もDeNA担当も小躍り。萩原は「こりゃ、デカイっすよ」と入社以来最大級のコーフン。あ、こういうとき、必ずいるのが還暦虎番のビヤ樽、三木建次なんだけどなぁ...。試合前、大阪・福島区の自宅でビヤ樽は大きなクシャミをしていた。練習中、一塁ベンチで報道陣と談笑していた岡田監督が三木の話題を持ち出したからだ。担当記者と昔話に花を咲かせながら「せつさんとデュエットして95点とったんよ」と笑い出した。せつさん? 虎ソナを読んでくださっている方は分かるかもしれないが、三木の愛妻のこと。せつさんは岡田監督が評論家時代を含めて〝岡田会〟に何度も参加し、屋形船に乗るなど交流を深めた。飲んで食べてスナックにいってカラオケをして...。古きよきいい時代だった。「森口博子に似ている」と言われてウフフ。そして、一緒に歌った。ビヤ樽にさっそく電話をすると「『男と女のラブゲーム』を歌っていたなぁ」と思い出していた。1986年に武田薬品の「タケダ胃腸薬21」のCMで武田鉄矢と芦川よしみがデュエットし、そこから大ヒット。「飲みすぎたのは」から始まる楽曲だ。ビヤ樽は「うちの嫁は岡田監督に結構、粗相をしているんや。グラスを割ってしまったり、手品をしてくれているときに寝てしまったり...。それにしてもさすが岡田監督は記憶力がいい」とうれしそうだ。本拠地最終戦のセレモニーはあっても、岡田監督のあいさつはなかった。楽しみにしていたファンも多かったはずだが、虎番キャップの新里公章は「CSがあるので、甲子園最終戦ではないからだそうです」とのこと。確かにそうなんだけど、CSのファーストステージを勝ち上がれば舞台は東京ドームに変わる。もし、そこで敗れると...どうなるんだ? 逆にいえば、甲子園で日本シリーズができるという自信があるのだろうか。今季限りで現役引退する秋山拓巳のファイナルピッチセレモニーも素晴らしかった。「引退を発表してから泣いてばかりで...。次の涙は日本一までとっておきたい」。言うねぇ。入団当時から秋山を見ていた虎ソナも同じ気持ち。そして、マイクを握る虎将も見たい。「勝ちすぎたのは」-。勝負の世界は甘くないと思っている。でも9月で見せたような快進撃を、10月も願っている。だから、もっと打って!

◆猛虎打線は八回までDeNA投手陣にノーヒットノーランで、九回にヒットは出たものの零封負け...。さぞや激怒しているだろうって? いえ、いえ、むしろ逆にニッコリ。爽快感さえ覚えた試合でした。そのニッコリとは過去の右肘手術などを乗り越え、この日1軍デビューを果たし、力のあるストレートで三振を含む三者凡退のマウンドを見せてくれた佐藤蓮。そして、育成から支配下に復活して、八回のマウンドで『ひと回り大きな高橋遥人』を思わせる安定した投球で、2奪三振、無失点を演じてくれた川原のことなのだ!!佐藤蓮、川原の2人はポストシーズンの秘密兵器になるんじゃね~の!? いや、そこまで期待するのは酷だよね~。でも、先発した青柳や2番手の村上には大きな刺激になったと思うのだ!!特に村上は昨季新人王&MVPに輝いたのに、今季は変化球なんて妙に腕の振りが弱くなり「ちょっと曲げて、芯を外せばええやろ!!」の大人のまね事投球が目立っただけに、必死に全球、腕を強く振る2人に何かを感じてくれたはず!! よって、村上のポストシーズンは、村神様の再来を俺は予告するのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(-)
巨人
76597 0.563
(-)
-
(-)
1458
(-)
379
(-)
80
(-)
59
(-)
0.246
(-)
2.490
(-)
2
(-)
阪神
73636 0.537
(↓0.004)
3.5
(↓0.5)
1482
(-)
419
(+2)
67
(-)
39
(-)
0.242
(↓0.001)
2.520
(-)
3
(-)
DeNA
68663 0.507
(↑0.003)
7.5
(↑0.5)
6508
(+2)
490
(-)
99
(+1)
63
(-)
0.257
(-)
3.120
(↑0.02)
4
(-)
広島
66685 0.493
(-)
9.5
(-)
4403
(-)
408
(-)
51
(-)
61
(-)
0.239
(-)
2.610
(-)
5
(-)
ヤクルト
61754 0.449
(-)
15.5
(-)
3498
(-)
545
(-)
101
(-)
67
(-)
0.244
(-)
3.660
(-)
6
(-)
中日
59738 0.447
(-)
15.5
(-)
3368
(-)
470
(-)
67
(-)
39
(-)
0.243
(-)
3.000
(-)