1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 4 | 10 | 0 | 0 |
ヤクルト | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2X | 5 | 11 | 1 | 1 |
勝利投手:小澤 怜史(6勝6敗10S) 敗戦投手:平内 龍太(1勝2敗0S) 本塁打 |
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◆ヤクルトがサヨナラ勝利。ヤクルトは初回、サンタナの2ランで先制する。その後逆転を許すも、9回裏に松本直の野選出塁の間に同点とすると、続く長岡が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、4番手・小澤が今季6勝目。敗れた巨人は、4番手・平内が踏ん張れなかった。
◆優勝から一夜明けた巨人が“近未来打線”を組んだ。1番門脇、5番浅野、6番萩尾と2年目トリオが名を連ねた。捕手は1軍合流したばかりの山瀬が入り、フレッシュ感のある打線を形成。27本塁打、83打点でいずれも個人タイトルの可能性を残す4番岡本和は変わらず、阿部監督は「優勝を決めてくれたし、あとは個人のことがある人はそっちを優先してあげないと」と理由を説明した。先発投手のグリフィンも2回の予定。
◆櫻坂46の武元唯衣(22)が始球式を行った。「小さい頃から弟と一緒に山田選手の応援歌を家で歌っていたので、今回は選ばせていただきました」とヤクルト山田哲人内野手(32)のユニホーム姿で登場。足を高く上げたダイナミックな投球フォームから放たれたボールは、思い切り地面にたたきつけられた。これには武元も「めっちゃ恥ずかしいです」と苦笑いだった。それでも「よくプロ野球は見に来ていたんですけど、下から見る景色というのはまた全然違って、すごく新鮮で感動しました」と笑顔で振り返った。
◆巨人萩尾匡也外野手(23)が激痛を吹き飛ばす気合の猛ダッシュで打線を活気づけた。1点を追う6回先頭、ヤクルト高梨の変化球が左手甲付近に直撃した。萩尾は苦悶(くもん)の表情でうずくまり、1度ベンチに治療で退いた。約1分の治療を終え、グラウンドに戻った。気合を入れるように「シャー」と雄たけびを上げ、一塁へと全力ダッシュした。観客席は拍手が注がれ、左翼スタンドからは「頑張れ、頑張れ萩尾」のコールを受けた。この萩尾の死球が逆転の足がかりとなった。続く山瀬、中山、岸田と3連打と打線がつながり、6回は2得点を挙げ、試合をひっくり返した。ダイヤモンドを1周し、同点のホームを踏んだ萩尾は阿部監督からも左手の心配をされた。
◆優勝翌日に1軍合流した巨人山瀬慎之助捕手(23)が、先発マスクで気迫をみなぎらせた。初回、山田の飛球を追ってヤクルトベンチに頭から落下し1回転。オスナに体ごと“キャッチ”されるほどの勢いで執念を見せた。前夜は優勝をテレビで見届け「同じような熱量で喜べなかった。悔しい気持ちの方が大きいんで。来年はそこに入れるように頑張ります」と気持ちを押し出した。
◆巨人浅野翔吾外野手(19)が“近未来打線”で気を吐いた。若手中心の布陣に「5番中堅」で出場。2点を追う3回1死一、二塁で左中間へ適時打を放った。優勝を決めた前夜は19歳ということで炭酸水を浴びて「よく眠れました。今度は(ビール掛けの)その輪に入ってやりたい。消化試合にはなっているけど、僕からしたらありがたい試合。CSに向けてしっかり準備していきたい」と気持ちを高めた。
◆ヤクルト長岡秀樹内野手(23)のサヨナラ打で5連勝とした。1点ビハインドの9回。同点に追いつき、なお1死一、三塁で、低めのフォークを拾った打球は一、二塁間を抜けた。3回にも中安打を放ち、安打数を159に伸ばしてリーグ単独トップに立った。自身初の打撃タイトル獲得へ「1打席1打席ただ集中するだけだと思いますので、頑張ります」と、ウオーターシャワーでびしょぬれになりながらも気を引き締めた。
◆巨人ドラフト1位の西舘勇陽投手(22)が新フォームで課題を克服し、CSファイナルが待ち受ける1軍に帰ってきた。約1カ月ぶりに1軍再昇格すると、6回から3番手で登板。3回1安打6奪三振で無失点と好投し、ポストシーズンへ向けてアピールした。6回先頭オスナに対し、ゆったりしたフォームから初球122キロカーブで外角低めのストライクを奪った。カーブを見せ球に最後は151キロ直球で空振り三振に仕留めた。「制球面でも内、外と投げ分けができていた。変化球でもカウントを取ることができた」とうなずいた。常時クイックではなく、ゆったりと左足を上げる新フォームで圧倒した。プロ初先発で5回6安打4失点だった8月23日中日戦後、変化球の制球力を課題とされ、2軍調整を命じられた。課題克服へ代名詞だったクイック投法を変更。軸足にしっかり力をためて、制球に手応えをつかんだ。開幕から中継ぎで19ホールドをマークしながらも先発転向した後半戦は1軍で戦力になれなかった。前夜の優勝の瞬間は寮の食堂で見つめた。ビール掛けの様子も見ながら「ここに加わりたかったな」と素直に思った。「後半戦は1軍で力になれなかった。これから1軍の力になれるように」と決意をボールに込めた。杉内投手チーフコーチも「三振も多く、空振りも取れていた」と中継ぎとして評価。ポストシーズンを前に、1軍に割って入る。【上田悠太】
◆巨人山瀬慎之助捕手(23)が、一塁側のヤクルトベンチに突っ込むアクシデントが起こった。初回2死二塁、山田のファウルを追いかけ、相手ベンチ前のフェンスに激突。そのまま頭から突っ込んで、1回転するとオスナに体をキャッチされて“救出”された。球場は一時騒然となったが、笑顔で戻ってきた山瀬は大事には至らず、巨人ベンチも驚きながらもホッとした様子だった。山瀬はこの日に1軍に昇格し、即スタメン起用された。
◆前夜に4年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人は、大幅にメンバーを入れ替えてヤクルト戦に臨んだ。28日の広島戦(マツダ)で8回1失点の好投を見せた菅野と捕手の小林が出場選手登録を外れ、ドラフト1位・西舘(中大)と5年目捕手の山瀬が昇格。坂本と丸が先発を外れた代わりに萩尾と山瀬がスタメンに名を連ねた。阿部監督は広島から帰京する際に取材対応。残り2試合で起用するメンバーは「若い選手で」とした一方、打点王などのタイトル獲得が懸かる岡本和については「優勝を決めてくれたし、あとは個人のことを優先してあげないと。彼らの生活が懸かっている」と出場させる方針を示した。二回、6番萩尾が中前打を放って起用に応えると、5月以来の1軍昇格で今季初先発の7番山瀬は、今季初安打となる左前打で続いた。先発のグリフィンは1回2失点でマウンドを降り、堀田が後を受けた。全試合に二塁手で先発出場している吉川は二回に代打・中山を送られて交代。19歳の浅野は五回に左前適時打を放った。レギュラーシーズン最終戦は10月2日のDeNA戦(東京ドーム)。その後は、16日に始まるクライマックスシリーズ・ファイナルステージに備える。
◆燕党の歓声に乗って、打球は一直線に左中間席へ伸びた。首位打者のタイトルを争うヤクルトの頼れる助っ人砲、サンタナが一回に2試合連発となる先制の16号2ラン。チームに勢いをもたらした。「しっかりボールを見極めて、甘く入ってきた球を一発でとらえることができました」1死一塁で迎えた第1打席。カウント2-1から巨人の先発左腕、グリフィンが投じた146キロの直球を一閃した。高めに浮いた球を逃さず仕留めて今季16号とした。2-1の三回無死一、三塁では右前適時打を放ち「逆方向にうまく打つことができた」。試合前時点でリーグトップの打率・314。2位のオースティン(DeNA)は同・311と肉薄する中、1、2打席目にHランプをともした。自身初となる首位打者は射程圏だが、来日4年目の助っ人は「(タイトル獲得は)正直、自分の中ではそこまで意識していない。取れたらいいなというくらいの気持ち。自分のベストを尽くし、チームのために頑張りたいという気持ちが最優先ですね」と言い切り、フォア・ザ・チームの精神を貫く。好調の要因は準備とし、「ルーティンをつくって、それを毎日こなすことがすごく大事。今年はそれがすごく安定しているので、成績も安定している」と話す背番号25が、最後まで燕打線をけん引する。試合は3-4の九回に1死二、三塁のチャンスをつくる。松本の二ゴロ野選でまず同点、続く長岡が右前適時打を放ち逆転サヨナラ勝ちした。
◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(23)がサヨナラ打を放ちチームを5連勝に導いた。ヤクルトは1点を追う九回、1死二、三塁のチャンスで松本直の二ゴロの間に三走・並木が快足を飛ばしホームに生還(記録は二野選)。土壇場で同点に追いつくと、なおも一、三塁で続く長岡が前進守備の一、二塁間を破るサヨナラ打を放った。--どんな気持ちで打席に「(松本)直樹さんに決めてほしかったんですけど、いい緊張感を持って打席に入れました」--打球が抜けた瞬間は「勝ったなぁと」--並木選手の素晴らしい走塁があった「唯一無二の選手。素晴らしいなと思います」--セ・リーグ最多安打の159本(29日現在)「僕なんかがここまで数字を残してますけど、一打席一打席ただ集中するだけ。頑張ります」--チームは5連勝「こういう順位になってしまってますけど、毎日神宮球場を埋めてくれるファンの皆様には感謝しています。もっとチームの勝利といいプレーをお見せできるように頑張りたい」--青木選手の引退試合が近づいてきている「ノリさんと一緒にユニホームを着て選手としてプレイするのは次の試合で最後です。すごくお世話になった先輩ですし、成長した姿を少しでもお見せできるように頑張りたい」
◆優勝から一夜明け、広島から帰京した巨人はベテランを休養させた。捕手は5年目の山瀬慎之助捕手が約4カ月ぶりの出場を先発で果たし、今季初安打を含む2安打。それでも逆転サヨナラ負けを喫したとあって「捕手として、負けてしまい反省している」と肩を落とした。ポストシーズンに向け、アピール機会を与えられており、「チャンスでもあるが、ミスをしたらピンチになると危機感を持っていた」と必死な思いを口にした。
◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(23)が4-4に追いついた九回にサヨナラ適時打を放った。長岡は三回にも中前打を放っておりこの日は2安打で、今季159安打でリーグ単独トップに立った。?ヤクルトが九回に長岡の適時打でサヨナラ勝ち。サヨナラ勝ちは8月14日の中日戦(○7-6、十一回に村上の単打)に次いで今季9度目。ヤクルト(前身を含む)でシーズン9度以上記録したのは、1958年(9度)、88年(9度)、93年(14度)、94年(11度)に次いで30年ぶり通算5度目。?ヤクルトの選手で最多安打のタイトルを獲得したのは2015年の川端慎吾(195安打)が最後。同年は首位打者(川端=・336)、本塁打(山田哲人=38)、打点(畠山和洋=105)、盗塁(山田=34)、出塁率(山田=・416)と主要打撃タイトルを独占し、チームはリーグ優勝した。
◆ヤクルトは29日、巨人に5-4で逆転サヨナラ勝ち。5連勝を飾った。ヒーロー長岡秀樹(左)に駆け寄る並木秀尊(右)らナイン=神宮球場(撮影・長尾みなみ)
◆ヤクルトは巨人最終戦(神宮)に5-4で逆転サヨナラ勝ちし、今季初の5連勝を飾った。1番の長岡秀樹内野手(23)が九回1死一、三塁で右前にサヨナラ打をマークした。正遊撃手は三回には中前打を放ち、2安打1打点で今季159安打に到達。安打数トップで並んでいた阪神・近本を抜き、自身初の打撃タイトルとなる最多安打を視界に捉えた。仲間が集まる一塁ベンチを、誇らしげに指さした。4-4の九回、23歳の長岡が一、二塁間を破るサヨナラ打。2万9504人の歓声が響く神宮で、歓喜のウオーターシャワーを浴び、びしょぬれになった前髪を満面の笑みでかき上げた。「ちょっと寒いですね。(前打者の松本)直樹さんに決めてほしかったんですけど…(笑)。いい緊張感を持って打席に入れました」1死一、三塁、前進守備の内野陣を見て開き直った。「ヒットコースが広く感じるな」。カウント2-0からフォークボールをたたいて勝負を決めた。三回には中前打で出塁し、サンタナの適時打で本塁に生還。2安打1打点と輝き、今季159安打に伸ばした。安打数がトップで並んでいた阪神・近本がこの日1安打だったため、単独トップに浮上。近本に加え、吉川(巨人)、秋山(広島)らと自身初の打撃タイトルとなる最多安打を争っており「名前を見れば、僕より実績がすごい。そういう選手とシーズン終盤で競えていることが幸せですし、光栄」と目を輝かせた。昨季は135試合の出場で打率・227。2月の春季キャンプで高津監督から「お前は一生8番だ」とハッパをかけられた。雪辱を誓い、「この3年で一番、練習している。うまくなりたいから」と自負する。試合前練習の全メニューをこなした後の〝おかわりティー打撃〟をルーティン化し、相手投手の分析も徹底。「得点圏で投げる球で、この投手はどこにヒットが多いかなどを頭に入れながら打席に入っているので、そこが(勝負強さの)要因かな」と成長につなげている。〝永久8番指令〟を出した高津監督は、頼もしくなった背番号7を見つめ、「今は1番バッターで、3番も打つわ。チーム事情にもよるけど、今年の中盤以降に関しては、前を打たせてもいいのかなというふうになってきた」と認めた。チームは5位ながら、村上が本塁打王、打点王、サンタナが首位打者と打撃部門のタイトルを総なめ状態だ。残り3試合。「(タイトルは)取れればいいですけど、取れなくてもね。気にせずいく」と長岡。その一打席に集中する。(武田千怜)
◆ポストシーズンでのメンバー入りへ猛アピールだ。この日昇格した巨人のドラフト1位・西舘勇陽投手(22)=中大=が4-3の六回から救援で3回1安打無失点。約1カ月ぶりの1軍マウンドに「ちゃんと内外に投げ分け、変化球でもカウントを取れた」とうなずいた。プロ初先発した8月23日の中日戦で5回4失点を喫して登録抹消。2軍では左足を大きく上げるフォームを取り入れ「やってきたことをそのまま出せた」と手応えを口にした。リーグ優勝から一夜明け、若手を中心に起用した阿部監督は「ファームの選手たちも頑張っている。CSもよさそうな子をベンチに入れる」と先を見据える。前夜のビールかけの様子は寮の食堂で映像で見たというルーキーは「加わりたかった。これから1軍の力になれるように」と誓った。(原田優介)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
優勝 (-) |
巨人 |
76 | 59 | 7 | 0.563 (↓0.004) | - (-) |
1 | 458 (+4) | 379 (+5) | 80 (-) | 59 (-) |
0.246 (-) | 2.490 (↓0.02) |
2 (-) |
阪神 |
73 | 62 | 6 | 0.541 (↑0.004) | 3 (↑1) |
2 | 482 (+7) | 417 (+6) | 67 (-) | 39 (+1) |
0.243 (-) | 2.520 (↓0.02) |
3 (-) |
DeNA |
67 | 66 | 3 | 0.504 (↓0.004) | 8 (-) |
7 | 506 (+6) | 490 (+7) | 98 (-) | 63 (+2) |
0.257 (-) | 3.140 (↓0.02) |
4 (-) |
広島 |
66 | 68 | 5 | 0.493 (↓0.003) | 9.5 (-) |
4 | 403 (+3) | 408 (+4) | 51 (-) | 61 (+1) |
0.239 (↑0.001) | 2.610 (↓0.01) |
5 (-) |
ヤクルト |
61 | 75 | 4 | 0.449 (↑0.005) | 15.5 (↑1) |
3 | 498 (+5) | 545 (+4) | 101 (+1) | 67 (+1) |
0.244 (↑0.001) | 3.660 (-) |
6 (-) |
中日 |
59 | 73 | 8 | 0.447 (↑0.004) | 15.5 (↑1) |
3 | 368 (+4) | 470 (+3) | 67 (+2) | 39 (+2) |
0.243 (↑0.001) | 3.000 (-) |
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