阪神(☆7対6★)DeNA =リーグ戦23回戦(2024.09.29)・阪神甲子園球場=
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DeNA
10100310061310
阪神
00101050X7900
勝利投手:漆原 大晟(1勝4敗0S)
(セーブ:ゲラ(1勝4敗14S))
敗戦投手:伊勢 大夢(2勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神は1点を追う5回裏、中野の適時打で同点とする。その後勝ち越しを許すも、7回に代打・糸原と大山の適時打などで1点差に迫ると、なおも続く好機で佐藤輝が2点適時三塁打を放ち、逆転に成功した。投げては、2番手・漆原が移籍後初勝利。敗れたDeNAは、救援陣がリードを守りきれなかった。

◆今季のDeNA牧秀悟は阪神戦は好相性。今季はこのカードに22試合出場して88打数29安打、2本塁打、7打点の打率3割3分。リーグ内対戦では最高打率を誇っており、特に甲子園球場では30打数15安打、打率5割の猛打。出場7試合のうち6試合で2安打以上を記録している。今日も得意相手から安打を打ってチームの勝利に貢献できるか。

◆前日28日に右太ももに打球が直撃していた阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、30日に検査を受ける予定となった。この日、甲子園での試合前練習に姿はなかった。安藤投手コーチは「ちょっと動けない状態。明日検査して」と説明。出場選手登録を抹消された。ビーズリーは28日のヤクルト戦に先発し、2回に丸山和の打球が右太もも裏に直撃。そのままマウンドに倒れ込んだ。1度ベンチに下がるも執念の続投。だが、サンタナに3ランを浴びるなど、先発では来日最短となる2回4安打4失点で降板した。試合後は右足を引きずり、球場を後にしていた。

◆阪神近本光司外野手(29)が子どもたちにパワーをもらった。近本が理事として参画する一般社団法人「LINK UP」が企画した「夢応援プロジェクト」の一環で、試合前に兵庫・淡路島出身の小学生8人と交流。それぞれから質問を受け丁寧に回答した。「どうやって努力してますか?」との質問には「あんまり努力っていうのはしてるとは思ってなくて」と回答。「ただ好きなことを自分が好きなようにやっているだけなので。僕は野球に関しては努力はあまりしていないかなと思うんですけど、勉強に関してはね、努力っていうよりもしっかり頑張るしかないかなと思うので、しっかり行動するっていうのは心がけていけたらいいのかなと思います」と語った。「お菓子づくりが好き」という女の子は「でもめんどくさい時があります」と打ち明け「近本選手は野球の練習がめんどくさい時とかはないですか」と質問。「全然あるよ」と答えると「でもやらないといけないことってあると思う。それは気持ちとかを置いといて、やらないといけないからとりあえずやってみて。じゃあやってみるうちに、なんかこれ面白いなとか、ちょっとこういうのをやってみようとか。何か自分が楽しくなるようなことを見つけながらやれば、めんどくささよりも面白さの方が勝ってくるのかなと思う」と続けた。この日の相手先発は東。「今日のピッチャー東なので。東か...、どうしようかな、こういう風に打席入ろうかなとか。そういう風に考えていけたらいいかなと思います」と結びつけた。質問コーナーを終えると近本からサイン入りTシャツのプレゼントもあった。本来は8月30日から9月1日までの2泊3日のプログラムで自主トレ先の鹿児島・沖永良部島の子どもたちも参加予定だった。ただ台風10号の影響で延期に。今回は淡路島の子どもたちのみの参加となったが「島の子どもたちにいろいろな体験をしてほしい」と願う近本にとって念願の開催となった。子どもたちは近本の母校関学大で大学生と交流後、伊丹空港で日本航空(JAL)の施設を見学。ナイターのDeNA戦を観戦する。社(兵庫)時代の近本の1学年先輩で代表理事を務める石井僚介氏(31)は「"本物"を見てもらいたいな、という話は近本とも話していた」と明かし「そういう体験を大人になった時に生かしてもらいたい」と力を込めた。今後は12月の淡路島での自主トレでもイベントを開催予定だという。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手(33)が、約2カ月ぶりにスタメンを外れた。試合前練習には参加していた。8月2日から全試合4番を務めていたが、この日は筒香が「6番左翼」に入り、佐野が「3番一塁」、牧が「4番二塁」で先発する。また、ドラフト1位の度会もベンチから外れた。チームにとってシーズンラスト8試合となる8連戦の初戦。本拠地ハマスタでのCS開催を目指して、4ゲーム差で追う2位阪神と敵地で戦う。阪神先発の才木に対し、勝ち頭の東を中5日で投入する。

◆阪神近本光司外野手(29)が"トリック"を発動した。2-2の6回無死一、二塁。牧の中越えの当たりを追い、捕球姿勢を示すようにグラブを一瞬出した。打球はフェンスに到達し安打に。ただ、二塁走者桑原はこれにだまされ、本塁に生還できず、がっくりとした表情を見せた。失点していてもおかしくない場面を無死満塁とした。ただ、その後宮崎に2点適時二塁打を浴び、勝ち越しを許した。

◆DeNAが珍しい形の重盗で追加点を挙げた。2点をリードした6回1死二、三塁、カウント2-1から打者の伊藤がバットを寝かせた。三塁走者の牧、二塁走者の宮崎がスタートを切り、スクイズを仕掛けた。しかし阪神才木の投球が大きく手前でワンバウンド。捕手の梅野は止めきれずに後逸し、牧は本塁に生還、宮崎も三塁に進塁した。すでにランナーはそれぞれスタートを切っていたため、ワイルドピッチは記録されず、二、三塁からの重盗という珍しいケースとなった。牧はホームスチールで今季11盗塁目(失敗0)、宮崎は23年以来、1年ぶりのプロ2盗塁目でプロ入り後初の三盗成功となった。

◆阪神先発の才木浩人投手(25)が6回9安打無四死球4奪三振5失点で降板した。5失点は今季ワーストタイ。今季14勝目の権利を得ることはできなかった。球団の投手では15年藤浪以来となる14勝目がかかった登板だったが、悔しい結果となった。初回先頭の梶原に右翼線へ二塁打を浴びると、1死三塁から3番佐野に中前適時打を打たれ、いきなり先制を許した。2回は3者凡退に抑えるも、3回に1死一、二塁から再び佐野に今度は左前へ適時打を許し、追加点を与えた。4回、5回は3者凡退。同点に追いついた5回の攻撃につながる良い流れを作ったが、6回に3連打で無死満塁のピンチを作ると、宮崎に右中間へ2点適時二塁打を浴び、勝ち越された。

◆阪神の糸原健斗内野手(31)が約5カ月ぶりの代打での適時打を放った。2-6の7回無死二、三塁。代打で打席に入ると、DeNA中川颯のスライダーに食らいついて左前に運んだ。適時打は6月15日ソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来で、代打では5月3日巨人戦(東京ドーム)以来。自身約5カ月ぶりの代打適時打で反撃の1点を刻んだ。阪神は勝てば2位が確定し、CSファーストステージの本拠地開催が決まる。

◆勝てば2位確定の阪神が4点差をひっくり返した。6回に3点を勝ち越され、7回にも1点を追加されて4点差とされた。ただ、7回に糸原健斗内野手(31)の約5カ月ぶりの代打での適時打で1点を返すと、近本光司外野手(29)の犠飛で2点差。2死一、二塁から大山悠輔内野手(29)が詰まりながらも一、二塁間を破る適時打で5-6と1点差に詰め寄る。さらに一、二塁から佐藤輝明内野手(25)が左翼線へ逆転の2点適時三塁打。三塁にはヘッドスライディングで気迫を見せた。この回打者一巡で一挙5得点。劣勢ムードを一気に跳ね返して甲子園のボルテージは最高潮となった。阪神は勝てば2位が確定。CSファーストステージの本拠地開催が決定する。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)は両リーグ最多の今季70試合登板を達成した。球団では10年に71試合登板した久保田智之(現1軍投手コーチ)以来の大台に到達した。4点差を逆転直後で1点リードの8回に登板。先頭の筒香を三邪飛に抑えると、伊藤は見逃し三振。森敬は一ゴに打ち取り、3者凡退に抑えた。現在17試合連続無失点中で、9月は13試合に登板しいまだ防御率0・00だ。阪神桐敷が今季70試合目の登板。シーズン70試合以上登板した投手はのべ66人目で、22年のDeNA伊勢(71試合)、エスコバー(70試合)以来。シーズン最多は07年久保田(阪神)の90試合。球団で70試合以上は10年久保田(71試合)以来で、のべ10人目。

◆2位阪神が3位DeNAに逆転勝ちし、2位を確定させた。これでCSファーストステージの本拠地開催が決まった。先発の才木浩人投手(25)がいきなり初回に先制を許し、3回にも1点を追加された。5回に味方が追いつくも、6回に4連打に本盗も決められて3点の勝ち越しを許した。才木は今季ワーストの6回5失点で降板した。それでも打線が劣勢をひっくり返した。2-6の7回、糸原健斗内野手(31)の約5カ月ぶりとなる代打適時打で反撃ののろしを上げる。大山悠輔内野手(29)の一、二塁間を破る適時打で1点差とすると、なおも一、二塁から佐藤輝明内野手(25)が逆転の2点適時三塁打を放ち、この回一挙5得点を奪った。巨人との天王山2戦目に敗れて以降3連敗だったが、悪い流れを野手陣で断ち切った。V逸が決まった28日から一夜明け、3位DeNAに逆転勝ち。すぐさま2位を確定させた。今季は残り2試合で、ともにDeNA戦。30日は甲子園、3日は横浜スタジアムでの戦いを控える。

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◆DeNAが痛恨の逆転負けを喫し、2位の可能性が消滅した。優勝を逃してから目標を「2位でハマスタでCSを戦う」に変更していたが、実現とはならなかった。打線は幸先よく得点を重ねた。4番のオースティンが42試合ぶりにスタメンを外れるも1回1死三塁、佐野が中前適時打を放って先制。3回にも佐野の適時打で2点を先取した。同点に追い付かれた6回には無死満塁からは、宮崎が2点適時二塁打を放つと、1死二、三塁からは伊藤の打席でスクイズを仕掛けた。阪神才木の投球はワンバウンドして大きくそれ、記録は本盗と三盗の重盗成功でさらに1点を追加。難敵の才木を6回5得点と攻略した。しかし投手陣がリードを守り切れない。中5日で先発の東は3回に2死から中野の中前打、続く森下の左中間への適時二塁打で失点。75球を投げ、5回5安打2失点6奪三振で降板し「調子は悪くなかったですが、二死からの失点に悔いが残ります。長いイニングを投げられず申し訳ないです」と振り返った。東は14勝目の権利を持ったまま、降板したがリリーフが東の勝ちを守り切れなかった。2番手の中川颯が6回からイニングまたぎとなった4点リードの7回、四球に内野安打、牧の懸命なプレーも結果、悪送球となって無死二、三塁。代打糸原に適時打を浴びて降板。この日、昇格した左腕ディアスが無死一、三塁から近本に犠飛とされるも、左打者2人から2つのアウトを奪って、伊勢にスイッチした。しかし伊勢が大山、佐藤輝に連続適時打を打たれて試合をひっくり返された。直近11試合連続自責0でセットアッパーも務めてきたウィックが27日に右内腹斜筋の肉離れで離脱。1イニングで3投手の継投もむなしく、一挙5失点で逆転された。シーズン最後の8連戦初戦を落とし、2位の可能性が消滅。CS圏を争う4位広島とは1・5ゲーム差のリードを維持した、まま残り7試合となった。

◆DeNAが痛恨の逆転負けで2位の可能性が消滅した。オースティンが42試合ぶりにスタメンを外れるも、打線は阪神才木から6回で5得点と攻略。しかし、4点リードの7回、2イニング目の中川颯、この日昇格した左腕ディアス、伊勢と3投手をつぎ込むも一挙5失点で逆転され、そのまま逃げ切られた。シーズン最終戦までの最後の8連戦初戦を落とし、V逸後に目標に掲げていた2位でCSをハマスタで戦うことはかなわず。三浦監督は「次は3位へ向けて、切り替えて残りの試合を戦っていきます」と前を向いた。▽DeNA東(中5日で75球を投げ、5回5安打2失点6奪三振も14勝目ならず)「調子は悪くなかったですが、2死からの失点に悔いが残ります。長いイニングを投げられず申し訳ないです」

◆2位阪神が3位DeNAに逆転勝ちし、2位を確定させた。これでCSファーストステージの本拠地開催が決まった。先発の才木浩人投手(25)が今季ワーストの6回5失点で降板。それでも打線が劣勢をひっくり返した。2-6の7回、糸原健斗内野手(31)の約5カ月ぶりとなる代打適時打で反撃ののろしを上げる。大山悠輔内野手(29)の一、二塁間を破る適時打で1点差とすると、なおも一、二塁から佐藤輝明内野手(25)が逆転の2点適時三塁打を放ち、この回一挙5得点を奪った。巨人との天王山2戦目に敗れて以降3連敗だったが、悪い流れを野手陣で断ち切った。V逸が決まった28日から一夜明け、3位DeNAに逆転勝ち。すぐさま2位を確定させた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-1番から5番までみんな打点が付いた「あ、そう?知らんわ(笑)」-次の目標に向けて切り替えないといけない日にこういうバッティング「まあなあ、これ、また才木、東っていうなあ投げ合いになる可能性もあるし、まあ才木2回目やろ、DeNAあんまり当たってなかったからな。五回で代えてよかったんやけど、昨日がちょっと後ろようさん使っとったからな。まあでも、あれを反省材料にして、次どっちみち登板がクライマックスになると思うんで」-2位でフィニッシュ「いやいや、DeNAが試合残してるからさ、一つ勝てば大丈夫かなと思ってたんだけど、それは早よ決まった方がこっちもゆっくりできるからそら、あと2試合だけどな、おーん」-桐敷はいろんな場面でいい働き「いやいや、実質1年目やからな、これはすごい自信になると思うし、なんとかここまで来たらタイトル取らせてあげたいしな、こんだけ投げたわけやからな、それの勲章としてな、やっぱりな」-桐敷は数字もだが、ブルペン陣の中では一番成長した選手「まあ今年成長って、これ今年1年目やからお前、前の成長はそんなないよ。だって20何試合やろ? オールスター明け投げたのは、去年は。そういう意味では1年間な、もうほんとケガなしにね、ほんとなんか、一番投げてるわけやからリリーフ陣では。そらものすごい自信になってくると思うよ、そら」-昨日優勝を逃したが、監督の中では気持ちは切り替わっている「そらもう相手が勝っていったいらしゃあない、それは。そんなんは、相手がなあ、いてることやから」-そういう意味では、選手にきっちりやってほしいこと、選手をどう見ていた「いやいやそんなもう、別に勝ち負けよりも普通にだから、そういう感じや。いつもと一緒のあれやで、気持ち的に、なあ。そんな、采配というかな、選手起用にしても、まだまだそのいつも通りのゲームはやらなあかんわけやからな、きっちりしたゲームをな、そんなん、一緒やで。崩したらまたおかしなるやん」-監督は前から野球は七回と言っていたが「そんなん言ってた? 言うてない。7回なあ」-あと1カ月野球を「まあ、そらもういつまでになるか分からんけど。1カ月長いけど、とにかくまずシーズンあと2試合やけど、対戦相手もどうやろ、まだだいぶ分からへんのかな。早く決まったらそれだけ準備もできるけど。でも1年間やった相手やから、どっちみちね」-順位が決定。あす以降は休ませる選手も「もう今日、ゲラは投げて抹消しようと思ってたし。明日は岩崎投げて抹消するし。別にそんな無理必要ないし。桐敷も...まあ、桐敷はちょっと置いとくわ。向こうの状況もあるからな、桐敷は」-高橋もCSに向けての抹消「うん、そうそう。(先発予定は10月)3日やったけどな。そんなん、投げる必要ないやろ。そういうことやん」

◆2位阪神が3位DeNAに逆転勝ちし、2位を確定させた。これでCSファーストステージの本拠地開催が決まった。先発の才木浩人投手(25)が今季ワーストの6回5失点で降板。それでも打線が劣勢をひっくり返した。2-6の7回、糸原健斗内野手(31)の約5カ月ぶりとなる代打適時打で反撃ののろしを上げる。大山悠輔内野手(29)の一、二塁間を破る適時打で1点差とすると、なおも一、二塁から佐藤輝明内野手(25)が逆転の2点適時三塁打を放ち、この回一挙5得点を奪った。巨人との天王山2戦目に敗れて以降3連敗だったが、悪い流れを野手陣で断ち切った。V逸が決まった28日から一夜明け、3位DeNAに逆転勝ち。すぐさま2位を確定させた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-7回に大逆転「もうね、最近ちょっとこう、グラウンド整備のあと、6回がなんか、嫌な感じね。ずっと甲子園はしてるんだけど。まあね、4点なったけど、よくね、ひっくり返しましたね」-打線がつながる「やっぱり逆方向というかね。逆らわないで、当然厳しい攻めをしてくるね、場面なんですけど。ああいうバッティングをすれば、後ろにつながりというかね、そういう感じですね」-佐藤輝は最近バットでいい活躍をみせている「いやいや、もうちょっと早くしてくれたらよかったのに(笑い)」-昨日悔しい思いをして、この試合は甲子園の大歓声と選手の戦いぶりはどう見た「久しぶりっていうか、ね。あと甲子園2試合ね、明日までですから。いい形でね、最後、明日も締めくくれたらいいと思いますね」-きょう2位が確定した「ああ、そうみたいですね」-ポストシーズンも甲子園で始まる「それはすごく大きいと思うし。まだ対戦は分からないですけど、やっぱり地の利があるので、甲子園がいいですね」-桐敷が70試合登板「同点に追いつかなかったらいかなかったですけどね。昼間になんか、ライバルが並んだみたいだったので、同点に追いつけば、行かせようと思っていましたけどね」-年間を通じてずっと良い投球「去年はオールスター以降だったので、今年初めて開幕から1年間ね。これはすごく自信になると思うし、来年にもつながっていくと思いますね」-2位が決定。甲子園で始まるポストシーズンへの思いは「いやまだシーズンはありますけど、これからまだ1カ月ぐらいは野球をしたいと思うので、いい準備をして臨みたいと思いますけどね」

◆阪神才木浩人投手(25)は今季ワーストタイ5失点を喫した。6回に降板し、球団では15年藤浪以来となる14勝目はならなかった。初回に先制を許すと、2-2の6回に4連打を浴びるなど3失点。「打たれたのが全部ちょっと甘かったかなというぐらい。次CSということを考えたら、つながるところはあったかな」。白星締めとはならなかったが、今季25試合に先発し防御率1・83。「すごく良かったと思います」と手応えを語った。岡田監督も「反省材料にして、次どっちみち登板がクライマックス(CS)になると思うんで」と勝ち頭の右腕への信頼は揺るがなかった。

◆阪神ハビアー・ゲラ投手(29)が最終回を2安打無失点で締め、14セーブ目を挙げた。「2位確定ということはもちろんみんなで勝ち得たものだから、良かった。そこで自分が少しでも貢献できたと思うと良かったと思います」。来日1年目の今季は2軍調整期間もあったが、59試合に登板し31ホールドも挙げた。岡田監督は「ゲラは投げて抹消しようと思ってたし。明日は岩崎投げて抹消するし。別にそんな無理必要ない」と話し、ここからはCSへ準備を整える見込みだ。

◆猛虎の新たな鉄腕が歴史に名を刻んだ。阪神桐敷拓馬投手(25)が70試合登板を達成した。球団では10年に久保田智之現1軍投手コーチが71試合登板して以来14年ぶり、のべ10人目の記録となった。打線が一挙5得点で逆転した直後。8回に3番手でコールされると、虎党の大歓声に包まれた。「同点以上ならいくと言われていた。(味方が)1点、2点入ってから準備していたので大丈夫でした」先頭の6番筒香を147キロツーシームで差し込む三邪飛に、続く伊藤は147キロ直球で見逃し三振。最後は146キロ内角の直球で森敬を一ゴロに仕留め、この日も3者凡退。1回を完璧に抑えた。プロ3年目で初めて開幕から強力リリーフ陣の一員としてフル回転。石井とともに勝ちパターンを担った。同記録を残した久保田コーチからも多くを学んだという。「疲れが出ているときもどうやって抑えるのかとか、平常心でやっていくこととかを教わってきたので良かったです」。疲労がたまる終盤戦も有酸素運動を増やすなどして対策。救援陣の先輩からマインドを学び、受け継いで来た。今季50試合登板を目標に掲げてきた左腕。目標をはるかに超える登板に「全く想像もしていなかったです」と笑顔。さらに「やりがいと言うか、任された場面でここまで1軍でやって来られて自信は感じています」。起用に感謝し、役割を全うし続けている。試合前時点で中日松山と並んでいたホールドポイントも43で再びリーグトップに立った。岡田監督も「なんとかここまで来たらタイトル取らせてあげたいしな。こんだけ投げたわけやからな。それの勲章としてな」とたたえた。最優秀中継ぎ投手のタイトル争いも激しさを増す。それでも「1球1球全力で、CSに向けていい形でいきたい」。残り2試合、勝利へと腕を振る。【村松万里子】阪神桐敷が今季70試合目の登板。シーズン70試合以上登板した投手はのべ66人目で、22年のDeNA伊勢(71試合)、エスコバー(70試合)以来。シーズン最多は07年久保田(阪神)の90試合。球団で70試合以上は10年久保田(71試合)以来で、のべ10人目。

◆阪神森下翔太外野手(24)がつなぎで貢献した。0-2の3回は2死一塁でDeNA東から左中間へ適時二塁打。「2アウトから得点に絡めたのは良かった。いい当たりが出て良かった」と3戦連続適時打で1点を返した。さらに7回には2点差から四球でつなぎ、逆転を呼んだ。「やるべきことは最後までしっかりやっていこうと思っています」と任された役割を果たし続ける。

◆阪神の4番大山悠輔内野手(29)が逆転劇の一翼を担った。糸原の適時打、近本の犠飛で2点差に迫った7回2死一、二塁。伊勢から右前打適時打で1点差に迫り、佐藤輝の逆転打につなげた。「勝ったことが一番ですし、チーム全員で勝ち取った勝利だと思う。まだ最後まで終わったわけではないので、勝利というのをプラスに考えてまたやっていきたいと思います」と前だけを向いた。

◆7回に登板した阪神漆原大晟投手(28)が2安打1失点を喫すも、今季オリックスから移籍後初勝利を手にした。1点を失い、なおも2死一、二塁のピンチを背負うも宮崎を右飛に抑えた。裏の攻撃で打線が一挙5得点で逆転。オリックス時代の21年4月30日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)以来、3年5カ月ぶりに勝利投手になった。「野手の方がいいところで打ってくれて、桐敷とゲラが抑えてくれて、そういう結果になったので、ありがたい。反省していけたら」と感謝した。

◆淡路島の子どもたち、見てたかな? 阪神近本光司外野手(29)が出身地・淡路島の小学生を甲子園に招待した試合で雄姿を届けた。「試合に勝てたのはすごく大きかった」。目の前で活躍する姿を見せた。反撃ムードに乗った。糸原の適時打で3点差とした7回無死一、三塁。DeNAディアスの149キロを捉えた。大飛球はフェンス手前でキャッチされたが犠飛に。「目の前で糸原さんが勝負強いバッティングでつないでくれましたし、自分も良い流れに乗ることができてよかった」。最低限の役割を果たし、招待した小学生に自らの活躍を生で見せることができた。難敵にも前向き思考。試合前の交流では小学生の「お菓子作りが好きだけど面倒」という悩みにも野球で回答していた。「何か自分が楽しくなるようなことを見つけながらやれば、面倒くささよりも面白さの方が勝ってくる。今日のピッチャー東なので、こういうふうに打席入ろうかなとか、そう考えていけたらいいかな」。イメージ通り、初回にDeNA東から中前打で今季158安打目。最多安打を争うヤクルト長岡に1差でピタリとつける。阪神は残り2試合でヤクルトは残り3試合。2位に5差をつける盗塁王との2冠も狙える状況だ。「記録とかどうこう関係なく、やることは変わらないと思うので、頑張りたいと思います」。虎のヒットメーカーが最後まで駆け抜ける。【林亮佑】

◆猛虎の新たな鉄腕が歴史に名を刻んだ。阪神桐敷拓馬投手(25)が70試合登板を達成した。球団では10年に久保田智之現1軍投手コーチが71試合登板して以来14年ぶり、のべ10人目の記録となった。いつでもどこでも投げる。そんなタフネス左腕の桐敷が、今季唯一といっていい「差された」シーンがある。「あとは先輩たちが投げると思ったら『キリ、次も』って言われて」。13日広島戦(甲子園)のことだ。7回に登板。3者凡退に片付け仕事終了...かと思いきや、回またぎとなった。8回も抑え2イニング無失点。問題なく終えたのだが「言われた時は『うわっ』って"差され"ましたね」と笑顔で回想する。安藤1軍投手コーチとのおなじみのやりとりがあるから、なおさらだ。桐敷は投げ終えベンチに帰ると「キリ、もう1イニング」といったようなジョークを、同コーチからよくかけられてきたという。だから本物の「2イニング指令」にはワンテンポ反応が遅れてしまった。ただ、そこは70試合も投げた男。「1イニングで30球投げるより2イニングで20球の方が自分はマシなので」とさらりと言った。どこまでもたくましい。【阪神担当 中野椋】阪神桐敷が今季70試合目の登板。シーズン70試合以上登板した投手はのべ66人目で、22年のDeNA伊勢(71試合)、エスコバー(70試合)以来。シーズン最多は07年久保田(阪神)の90試合。球団で70試合以上は10年久保田(71試合)以来で、のべ10人目。

◆2位確定! 阪神佐藤輝明内野手(25)が執念の本拠地CS決定打を放った。5-6と1点差に迫った7回2死一、二塁の場面。DeNA伊勢から左翼線を破る逆転の適時三塁打をマークした。この回一挙5得点の猛攻を締めくくる殊勲打。V逸から一夜明けて本拠地で鬱憤(うっぷん)を晴らすような終盤の逆転劇だ。さあ、10月12日からCSファーストステージが始まる。甲子園が下克上の出発点だ。大きなストライドで三塁へ走った。最後はヘッドスライディング。ヘルメットが脱げた。それも気にしない。立ち上がると両手をバシッとたたいた。その目は死んでいなかった。佐藤輝が試合をひっくり返した。「一振りで決めるという思いで打席に向かいました。つないでもらったチャンスだったので、なんとかものにできてよかったです」4点ビハインドの7回に甲子園の空気が変わった。糸原の適時打、近本の犠飛、大山の適時打で1点差。なおも2死一、二塁で伊勢の外角134キロフォークを流し打った。左翼への逆転2点適時三塁打。気迫も見せ「その気持ちは始まった時から今も変わらずにやってるつもりです」。燃えに燃えていた。V打で3試合連続安打としレギュラーシーズンの2位が確定。CSファーストステージの本拠地甲子園開催を決めた。前日28日。V逸でリーグ連覇はならなかった。試合後、神宮の三塁側ベンチからクラブハウスへの帰り道。激励が飛んだ。「テル~! 頑張れよ!」。無数の声が胸に響いた。「本当にありがたいです」。スタンドを見渡し、そう言った。いつもは夢を託される立場。だが夢破れた夜は違った。前を向かせてくれたのは虎党からの声援だった。ショックがないわけがない。だからこそ身に染みるものもある。昨年の日本シリーズを制した時には、あらためて実感したこともあった。「日に日に声援が大きくなっていて、声も戦力になることをあらためて感じました」。この日のお立ち台で「最高の歓声」と表現した虎党の声を味方にCSも戦える。特大戦力を背に、下克上日本一へ進むことができる。これが何より大きい。CSファーストステージでぶつかる可能性のあるDeNAとの"前哨戦"を制したことにも意味がある。岡田監督は「まだシーズンはありますけど、これからまだ1カ月ぐらいは野球をしたいと思うので、いい準備をして臨みたい」と虎視眈々(たんたん)。30日はレギュラーシーズンの甲子園ラストゲーム。佐藤輝は「今できるベストをやっていきたい」と決意を込めた。泥だらけの背番号8が、リスタートへ前を向いた虎の象徴だ。【中野椋】

◆阪神・漆原大晟投手(28)が1軍に合流した。10日に今季2度目となる2軍降格となり、ウエスタン・リーグで登板を重ねて調整を進めていた。今季1軍では37試合に登板して0勝4敗5ホールド、防御率3.74。

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が29日、甲子園での試合前練習に参加せず。1軍選手登録を抹消された。28日のヤクルト戦(神宮)で二回にライナーが右太もも裏付近に直撃。治療ののちに続投してこの回は投げ切るも三回に打席が巡ったところで交代となり、試合後も右足を引きずりながら球場をあとにしていた。通常、先発投手は登板翌日の練習に参加するが、姿を見せず。安藤優也投手コーチ(46)は「ちょっと動けない状態なので、今日はもう何もできないと(いうことだった)」と話し、病院での検査も30日以降に受ける予定であると説明した。また、高橋遥人投手(28)と浜地真澄投手(26)も選手登録を抹消された。漆原大晟投手(28)は1軍に再昇格し、甲子園での試合前練習に参加してキャッチボールなどで練習。チームにとってはポストシーズンを控えているなか、今後に向けて「任されたところで抑えることが次につながってくると思う。先を見ず、残り3試合というよりは、まずは今日、明日が終わったらその次、というふうにやっていけたらいいと思う」と決意した。

◆阪神は「6番・左翼」で井上広大外野手(23)が先発出場。8月28日のDeNA戦(横浜)では、相手先発・東からプロ1号ソロを放った。阪神は勝てば、今シーズンの2位が決定。クライマックス・シリーズ(CS)で対戦の可能性があるDeNAから若虎が快音を響かせ、本拠地でのCSファーストステージ開催を決める。

◆阪神の先発・才木浩人投手(25)があっさり先制を許した。一回先頭の梶原に一塁線を破られて二塁打を許すと、桑原の犠打で1死三塁。佐野に140キロフォークを中前にはじき返された。わずか7球で先制点を献上。後続を断って最少失点でとどめたが、相手先発が東なだけに痛い1点となった。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が反撃ののろしをあげる適時二塁打を放った。0-2で迎えた三回。2死から中野が中前にポトリと落とすヒットで出塁すると、森下が打席へ。カウント1-2から東の133キロチェンジアップを引っ張った。左中間フェンス直撃の一打で中野が一気にホームへと生還。3試合連続安打&打点となる二塁打で甲子園を盛り上げた。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)が1-2で迎えた五回2死三塁の好機で左前適時打を放った。129キロスライダーを捉えた。中野は三回の第2打席も中前打を放って、14日の広島戦(甲子園)以来、10試合ぶりのマルチ安打。クライマックス・シリーズへ向け、調子を取り戻すきっかけとしたい。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)が1-2で迎えた五回2死三塁の好機で左前適時打を放った。129キロスライダーを捉えた。中野は三回の第2打席も中前打を放って、14日の広島戦(甲子園)以来、10試合ぶりのマルチ安打。クライマックス・シリーズへ向け、調子を取り戻すきっかけとしたい。「打ったのはスライダー。みんなでつないだチャンスでしたし、できるだけ早く追いついて試合の流れをつかみたいと思っていたので、タイムリーになってくれてよかったです」とコメントした。

◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が踏ん張り切れなかった。中野の適時打で2-2の同点に追いついた直後の六回だった。先頭の桑原に中前打、佐野に三塁強襲の内野安打を許すと、牧にも中越えの単打を浴びて無死満塁の大ピンチを背負った。続く宮崎に初球、149キロを捉えられ、右中間を破られる2点二塁打。なおも1死二、三塁のピンチで伊藤に投じた4球目。スクイズを試みた打者に対して、フォークがベース手前で大きくバウンド。捕手・梅野も捕球できず、三走が生還した(記録はダブルスチール。三走・牧はホームスチールに成功)。才木は8月13日の巨人戦(甲子園)と並んで今季ワーストの5失点。悔しさをにじませて、ベンチへと引き揚げた。

◆阪神が2-6からひっくり返した。七回先頭の梅野が四球で出塁すると、木浪の打球が二塁内野安打と牧の悪送球を誘って無死二、三塁。代打・糸原が左前打、近本の中犠飛で2点をかえした。さらに、2死一、二塁から大山の右前適時打で1点差。なおも2死一、二塁で佐藤輝が打席に向かった。カウント1-0から2球目、伊勢の134キロフォークを逆方向へはじき返すと、打球は飛び込んだ筒香の横を抜け、外野を転々。逆転の一打に、佐藤輝はヘッドスライディングで三塁へ到達した。気迫あふれる大砲が、一挙5得点の猛攻を締め、阪神が逆転した。糸原 「打ったのはスライダー。全員が諦めない気持ちを持って戦っていましたし、追い込まれていましたが、自分らしくしぶとい良いヒットだったと思います」近本 「打ったのはストレート。目の前で糸原さんが勝負強いバッティングでつないでくれましたし、自分も良い流れに乗ることができてよかったです」

◆阪神・桐敷拓馬投手(25)が7-6と逆転した直後の八回に登板。球団では2010年の久保田智之(現1軍投手コーチ)以来となるシーズン70試合登板を達成した。先頭の筒香は三邪飛、続く伊藤光は見逃し三振。森敬を一ゴロに仕留めて三者凡退。虎のブルペンを支えるタフネス左腕が、自身の節目をゼロで飾った。

◆阪神が逆転勝ちでシーズン2位を確定。打線が七回に一挙5得点の猛攻で試合をひっくり返した。1点差に迫ってなおも2死一、二塁の好機に佐藤輝が逆転の2点三塁打を放った。先発の才木は今季ワーストの5失点も、中継ぎ陣が踏ん張り、八回に登板した桐敷は球団では2010年の久保田智之以来となるシーズン70試合登板を達成した。阪神は連敗を3で止め、残り2試合を残して、シーズン2位が決定。クライマックス・シリーズファーストステージを甲子園で戦い、日本一への道のりを再スタートする。

◆失意の降板を経て、DeNA・東克樹が再起した。敗れれば3位以下が決まる阪神戦に中5日で先発し「もう、気合で頑張るしかない」と腕を振った。2点リードの三回に森下の適時二塁打で1点差に詰め寄られた後のピンチでは、続く大山を外角低めのチェンジアップで二ゴロに。一球一球に気迫を込め、丁寧にコースを突いた。気持ちは自身のバットにも乗り移り、1-0の三回には才木から右前打。角度ある直球に屈せずファウルで粘り、9球目のフォークボールに食らいついた。試合前時点で防御率1点台の右腕から好機を演出し、2点目のホームを踏んだ。前回23日のヤクルト戦は、3―0の七回2死から4本の長短打で一気に逆転を許し、4敗目を喫した。六回を終えて球数は98球。シーズン最終盤で負荷が増す救援陣を救うべく、懸命に腕を振った結果だった。降板後は落胆の色を隠せず「僕一人で負けてしまった」と責任を背負った。エースを鼓舞したのは、米大リーグへの挑戦1年目にして15勝を挙げたカブス・今永だった。昨季までチームメートだった憧れの先輩から連絡が届き「アメリカだったら6回(で交代)だな」などと冗談交じりに励まされた。左腕は「そういった軽い感じが今永さんらしい。うれしかった」と再び前を向いた。東は5回5安打2失点で試合を作った。しかし6-2の七回に悪夢が訪れる。2イニング目に入った中川颯が四球と連打で1点を失う。ここでディアス、伊勢大夢とつないだが、この伊勢が誤算だった。四球のあと大山に適時打を許してリードはわずか1点。さらに佐藤輝に2点三塁打を浴びた。この回一挙5失点で4点リードを守れず痛恨の逆転負けを喫した。

◆七回2死一、二塁、2点三塁打を放った阪神・佐藤輝明(阪神7ー6DeNA)=甲子園球場(撮影・松永渉平)

◆4点ビハインドから逆転勝利を納めた阪神の2位が決定した。2ー6の七回、代打糸原健斗内野手(31)の左前打、近本光司外野手(29)の中犠飛、大山悠輔内野手(29)の右前打で1点差とし、2死一、二塁から佐藤輝明内野手(25)の2点三塁打で、一気に逆転した。八回に登板した桐敷拓馬投手(25)は球団では2010年の久保田智之(71試合=現1軍投手コーチ)以来の年間70試合登板に到達した。阪神は10月12日開幕のCSファーストステージを甲子園で迎える。3位DeNAとは5差、4位広島とは6・5差。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=73勝62敗6分、観衆=4万2605人)。ーー1番から5番まで打点を記録「あ、そう? 知らんわ」ーー次の目標に向けて切り替えないといけない日にこういうバッティング「才木、東の投げ合いにある可能性もあるし、まあ才木2回目やろ、DeNA。あんま当たってなかったからな。五回で代えてよかったんやけど、昨日がちょっと後ろようさん使っとったからな。まあでも、アレを反省材料にして、次どっちみち登板がクライマックスになると思うんで」ーー2位でフィニッシュ「いやいや、DeNAが試合残してるからさ、一つ勝てば大丈夫かなと思ってたんだけど、それは早よ決まった方がこっちもゆっくり出来るからそら、あと2試合だけどな、おーん」ーー桐敷はいろんな場面でいい働き「いやいや、実質1年目やからな、これはすごい自信になると思うし、なんとかここまで来たらタイトル取らせてあげたいしな、こんだけ投げたわけやからな、それの勲章としてな、やっぱりな」ーー桐敷は数字もだが、ブルペン陣の中では一番成長した選手「まあ今年成長って、これ今年1年目やから。(昨年は)だって20何試合(27試合登板)やろ? オールスター明け投げたのは、去年は。そういう意味では1年間な、けがなしに、一番投げてるわけやから、リリーフ陣では。ものすごい自信になって来ると思うよ」ーー優勝を逃したが、監督の中では気持ちは切り替わっている「そらもう相手が勝って行ったらしゃあない、それは。そんなんは、相手がいてることやから」ーーそういう意味では、選手にきっちりやってほしいこと、選手をどう見ていた「いやいやそんなもう、別に勝ち負けよりも普通にだから、そういう感じや。いつもと一緒のアレやで、気持ち的に。采配というかな、選手起用にしても、いつも通りのゲームはやらなアカンわけやからな、きっちりしたゲームをな、そんなん、一緒やで。崩したらまたおかしなるやん」ーー以前から野球は七回と言っていたが「そんなん言ってた? 言うてない。七回なあ」ーーあと1カ月野球を「まあ、そらもういつまでになるか分からんけど。1カ月長いけど、まずシーズンあと2試合やけど、対戦相手もどうやろ、まだだいぶ分からへんのかな。早く決まったら、それだけ準備も出来るけど。でも1年間やった相手やから、どっちみちね」ーー順位が決定。休ませる選手も「もう今日、ゲラは投げて抹消しようと思ってたし。明日は岩崎投げて抹消するし。別にそんな無理する必要ないし。桐敷も...桐敷はちょっと置いとくわ。向こうの状況(最優秀中継ぎのタイトルを争い中日・松山)もあるからな、桐敷は」ーー高橋もCSに向けての抹消「うん、そうそう。3日やったけどな。そんなん、投げる必要ないやろ。そういうことやん」

◆オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)が6回5失点で降板した阪神・才木浩人投手(25)に言及すると同時に、DeNA・梶原昂希外野手(25)を警戒すべき、と説いた。CSで対戦が予想されるDeNA。その初戦先発を任されそうな才木。来るべき勝負を予想しながら見ていたが、立ち上がりは真っすぐだけが高めに浮きすぎていた。本人も納得がいかないから、何とか修正しようと苦労していた。四回あたりからようやく、低いゾーンに投げられるようになった。が、今度は球数が増えたことで球威が140キロ台後半に落ちた。六回の4連打は、力のあるDeNA打線にそこを狙われた印象がある。投手が立ち上がりに苦しむのは宿命。次回は、もう少し早いイニングで修正できれば、球威が落ちるイニングをもっと後半にできる。才木の能力からすれば、この日の内容がCSに直結するとは思えない。ただ、1番・梶原の思い切りのいい打撃は脅威に映った。強打者がそろうだけに、1番を出すと大量失点に直結する。才木だけでなく阪神投手陣全体で警戒する必要がある打者だ。

◆4点ビハインドから逆転勝利を納めた阪神の2位が決定した。2ー6の七回、代打糸原健斗内野手(31)の左前打、近本光司外野手(29)の中犠飛、大山悠輔内野手(29)の右前打で1点差とし、2死一、二塁から佐藤輝明内野手(25)の2点三塁打で、一気に逆転した。八回に登板した桐敷拓馬投手(25)は球団では2010年の久保田智之(71試合=現1軍投手コーチ)以来の年間70試合登板に到達した。阪神は10月12日開幕のCSファーストステージを甲子園で迎える。3位DeNAとは5差、4位広島とは6・5差。主な選手のコメントは以下の通り(成績=73勝62敗6分、観衆=4万2605人)。三回2死一塁、適時二塁打の森下翔太 「追い込まれる前にいきたいというところだったので、いい当たりが出てよかった」逆転三塁打の佐藤輝明 「今できるベストをできたと思うのでよかったです。(調子は)すごい、いい状態だと思いますし、あと2試合、とりあえず頑張ります」ヤクルト・長岡秀樹を1差で追うことになった158安打の近本光司 「記録とか関係なく、やることは変わらないと思うので」6回5失点で、レギュラーシーズンを終えた才木浩人 「一旦休みます。フレッシュな状態でCSに入れるように」70試合登板に桐敷拓馬 「全く想像もしていなかったですけど、経験をさせてもらっているので、ありがたいなと思っています」

◆3位のDeNAは救援陣が崩れ、逆転負けで阪神の2位が確定した。三浦大輔監督(50)は「次は3位。切り替えて残り7試合戦っていく」と努めて前を向いた。先発した東は5回75球を投げ、5安打2失点。2-2から3点を勝ち越した六回の守りから継投に出た指揮官は、東の中5日での登板など「もろもろを含めて」と理由を説明した。リードを4点に広げて迎えた七回に一挙5点を失い、試合をひっくり返された。四球と失策が絡んだだけに、三浦監督は「取れるアウトを一つずつ積み重ねないと、こういうことが起こる」と指摘した。4番に座ってきたオースティンは先発メンバーを外れ、1点を追う九回に代打で登場。ゲラの直球に押され、空振り三振に倒れた。三浦監督は「今日は最初から代打待機」と語った。4位の広島も敗れたため、DeNAとのゲーム差「1・5」は変わらなかった。

◆輝のV打で再出発! 阪神は3位のDeNAに7-6で逆転勝ちし、連敗を3でストップ。2位を確定させた。4点を追う七回に打線がつながり、1点差とした2死一、二塁から佐藤輝明内野手(25)が逆転の2点三塁打を放った。誰も下を向いてなどいない。2年連続日本一へ、10月12日開幕のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージは、甲子園から踏み出す。勝利を呼ぶ打球が、飛びついた左翼手・筒香の横を抜け、外野を転々とする。一心不乱に走り、佐藤輝は飛んだ。ユニホームを泥だらけにして抱きかかえた三塁ベース。輝く大砲の気迫が甲子園から始まる日本一への道のりを決めた。「(七回は)つないですごく理想(な攻撃)だったと思います。(打席でも)ヒットを打ってしっかりつなぐという気持ちはありました」2-6の劣勢で迎えた七回。代打・糸原の適時打に近本の犠飛、そして大山のタイムリーで1点差まで詰め寄った。なおも2死一、二塁。流れに乗り、後ろへつなぐ意識で打席へ。伊勢の134キロフォークを捉えた。逆転の2点三塁打。最後はヘッドスライディングで虎を鼓舞。一挙5得点の逆転劇の猛攻を締めた。森下、大山も打点をマークし、ドラ1クリーンアップがそろって打点を挙げれば、今季12戦全勝。この勝利でチームは連敗を3で止め、シーズン2位を確定させた。CSでも対戦する可能性のあるDeNAに打ち勝ち、佐藤輝も「いまできるベストをできたと思うのでよかったです」とうなずく。「その気持ちは始まったときといまと変わらずやっているつもりです」負けが許されない最終盤になってから気迫を前面に押し出すシーンが目立つようになった。飽くなき勝利への執念-。シーズン連覇の夢がついえてしまっても、一戦一戦貪欲に勝利を目指す気持ちが変わることはない。そんな気迫と執念は行動にも現れる。今季、佐藤輝はピンチの場面になるとマウンドを訪れ、投手に声掛けをすることが増えた。「投手が苦しそうなときは行くようにしていますね」。頑張れという言葉や次プレーの確認事項など特別なことをいうわけではない。でも、「声をかけて少しでもいいことがあったらいいなと思って」。すべては勝つために-。背番号8からはいつも主軸としての自覚がにじみ出ている。〝CS前哨戦〟ともいえる一戦で逆転勝ちし、阪神はCSファーストステージを本拠地・甲子園で戦うことを決めた。岡田監督も「それはすごく大きい。まだ対戦(相手)は分からないけど、やっぱり地の利があるので甲子園がいいですね」と腕をまくる。この大声援が何よりの力。虎党の〝テルコール〟がこだまするグラウンドで、佐藤輝は「最高の歓声です。ありがとうございます!」と感謝した。「すごくいい状態だと思います。あと2試合、とりあえず頑張ります」シーズン連覇を逃した悔しさを胸に、次は2年連続日本一を目指す戦いへ。サトテルからほとばしる勝利への執念が、今度こそ虎を頂点へと導く。(原田遼太郎)?...阪神は3番・森下、4番・大山、5番・佐藤輝のクリーンアップがそろって打点を挙げた。3人がクリーンアップに並んで打点を挙げた試合は今季12戦全勝?...阪神はリーグ最多となる今季28度目の逆転勝ち。最大4点ビハインドからの逆転勝ちは7月7日のDeNA戦(甲子園)以来で今季2度目?...阪神は今季の2位が確定。甲子園でCSファーストステージを戦うのは6度目だが、過去5度のうち4度は同ステージで敗退している。2014年には3位の広島を破り、ファイナルステージ(東京ドーム)でも巨人を破ってソフトバンクとの日本シリーズに進出した

◆阪神・糸原健斗内野手(31)が2-6の七回無死二、三塁から左前適時打を放って、逆転劇のきっかけを作った。適時打は6月15日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)以来。代打での適時打は5月3日の巨人戦(東京ドーム)以来で、試合後の勝利のお立ち台では「めちゃくちゃ久しぶりなんですけど、やっぱりいい光景だなと」と声を弾ませた。

◆先発した阪神・才木浩人投手(25)は6回を投げ、9安打を浴び今季ワーストタイの5失点で降板。14勝目はならず、レギュラーシーズン最後の登板を終えた。「結果だけをみたらよくないけど、真っすぐは悪くなかった。防御率が1点台(1・83)で終われてよかった」この日、チームの2位が確定。順当ならば10月12日のCSファーストステージ開幕戦(甲子園)での先発が有力だ。「しんどいのでいったん休みます。フレッシュな状態でCSに入りたい」と決意を新たにした。

◆阪神・漆原大晟投手(28)が2-5の七回に登板。1回2安打1失点も、直後に味方が5点を奪って逆転し、阪神移籍後、初勝利をマークした。「点をとられてしまったので、修正点はあります。残り2試合任されたところでしっかり抑えられるようにやっていきたいと思います」。勝利投手となるのは、オリックス時代の2021年以来、3年ぶりだった。

◆阪神・杉山健博オーナー(65)がDeNA戦を視察した。チームは28日にV逸が決定しており、岡田監督との会話があったのか問われたが「いやいや、それは」と多くは語らず。順位が決まったことでの激励の機会については「うん」と話すにとどめた。阪急阪神ホールディングス(HD)首脳は来季の虎将の続投を歓迎している。契約通りに退任となった場合は球団OBの藤川球児スペシャルアシスタント(SA)らが候補に挙がっている。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が執念の一打で劇的な逆転劇につなげた。4点ビハインドで迎えた七回に2点を返し、なおも2死一、二塁で伊勢の150キロ内角直球を逆方向にはじき返した。打球は詰まりながらも二塁・牧のグラブの先を抜け、二塁走者の糸原が生還。1点差に詰め寄り、続く佐藤輝の逆転適時三塁打で逆転のホームを踏んだ。「チーム全員で勝ち取った勝利だと思う。まだ最後まで終わったわけではない」。勝利を糧に下克上での日本一に挑む。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)がマルチ安打の活躍で得点に絡んだ。0-2の三回2死から中前打で出塁すると、続く森下の左中間への二塁打で生還。五回には2死三塁から東の外角へ逃げるスライダーをうまく拾って、同点となる左前打とした。「優勝が決まった後のこの一戦が大事だったと思うので良かった」。この日の勝利で2位が確定し、「ポストシーズンに向けて、いい形でチームが入っていけるように、気を抜かずに残り2試合勝って終わりたい」と前を向いた。

◆左腕の名前がアナウンスされると、甲子園が揺れた。1点リードの展開でマウンドに上がった阪神・桐敷拓馬投手(25)にとって、この登板が節目の今季70試合目。鉄腕の貫禄を示す1回パーフェクトだった。「野手陣の方が逆転してくださったので、『絶対にゼロ(無失点)でいこう』という思いで投球して、結果的にゼロでいけてよかったです」出番は4点差をひっくり返した直後の八回。打線がDeNAに詰め寄る裏で動き始め、準備は万全だった。先頭の筒香を147キロで三邪飛に抑えると、伊藤も147キロで見逃し三振。最後は森敬を一ゴロに仕留めた。自己最長更新の17試合連続無失点と安定感はこの最終盤でも抜群だ。球団でのシーズン70試合登板は2010年の久保田智之(現投手コーチ、71試合)以来14年ぶり8人目(10度目)となった。自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞は目前。ホールドポイントはこれで43個に積み上げ、この日のデーゲームでの広島戦(マツダ)でホールドを挙げて並んだ中日・松山からは再び1歩リードとした。現状、最終戦は中日の方があとのため、バトルの行方は結果を待つことになるが、岡田監督は「実質1年目やからな。これはすごい自信になると思うし、なんとかここまできたらタイトル取らせてあげたいしな。こんだけ投げたわけやからな」と最大限、バックアップする。久保田投手コーチから平常心の重要性などを教わり、疲労回復のためには有酸素運動を取り入れる。結果を残すために多くのことを吸収し、やりがいにあふれる日々を駆け抜けてきた。14日には「(投球が)腕だけになってしまってもダメなので、もっと体全体を使いながら投げられるように」と大竹に借りた投てき器具でトレーニング。さまざまなアプローチから進化を図り、飛躍の道を歩んでいる。「(シーズンを)いい形で終われたらいいですし、一球一球全力で投げて、CSに向けていい形でいきたいと思います」巨人への挑戦権を得るための戦いは、もう始まっている。強固な虎救援陣の中でも輝きを放つその鉄腕には、まだまだ磨きをかけていく。(須藤佳裕)?...阪神・桐敷の今季登板数が両リーグ最多の70に到達。セ・リーグ2位のゲラ、岩崎ら6投手は59で、パ・リーグ1位のマチャド(オリックス)、則本(楽天)は53と大差をつけている?...昨季の両リーグ最多登板投手は島内(広島、62)で、70試合以上に到達するのは2022年の伊勢(DeNA、71)、エスコバー(同、70)以来。シーズン登板数のプロ野球記録は久保田(阪神、2007年)の90

◆阪神・近本光司外野手(29)は一回先頭で2試合ぶりの安打となる中前打。逆転へつなげた七回には無死一、三塁から3番手・ディアスの初球直球を捉えて、貴重な中犠飛を放ち「試合に勝てたのはすごく大きかったと思います」と振り返った。最多安打を争う中で1安打に終わり、2安打を記録したヤクルト長岡を1本差で追う立場となったが「記録どうこう関係なく、やることは変わらない」と子供たちのヒーローは前を向いた。(萩原翔)

◆DeNAは継投策がはまらずに逆転負けを喫し、2位を逃した。優勝の可能性をなくしてから目標に掲げた横浜スタジアムでのクライマックスシリーズ(CS)開催はならず、三浦大輔監督(50)は「次は3位。切り替えて残り7試合戦っていく」と声を振り絞った。先発した東は5回75球を投げ、5安打2失点。2-2から3点を勝ち越した六回の守りから継投に出た指揮官は、東の中5日での登板など「もろもろを含めて」と理由を説明した。リードを4点に広げて迎えた七回の5失点が痛恨だった。中川颯と伊勢は、ともに四球からピンチを招いて失点。牧の失策も絡んだだけに、三浦監督は「取れるアウトを一つずつ積み重ねないと、こういうことが起こる」と厳しく指摘した。(鈴木智紘)

◆阪神・森下翔太外野手(24)が0-2の三回2死一塁で、東から左中間フェンス直撃の適時二塁打。反撃の口火を切った。「ちょっと高めに(球が)浮いてきたので。いい当たりがでてよかった」。4点を追う七回、2点を加えて、なおも2死二塁で四球を選び、大山の適時打、佐藤輝の逆転2点三塁打を導いた。「2アウトから得点に絡めたのはよかった。やるべきことをしっかり最後までやっていこうと思っている」と残り2試合も全力プレーを誓った。

◆よっしゃァ!! 猛虎打線が七回に爆発! 一気に5点を奪っての大逆転勝利でリーグ2位を決めた!! でもバンザーイ、バンザーイ!!と、はしゃげない。は~あ、アレンパを逃した心の傷が当分、癒えそうにありまへ~ん。しかも、先発の才木が本来の投球ができていないし、若き大砲候補の井上が相変わらず低めの変化球にバットがクルクル回っているし...。でも阪神以上に気になったのは、DeNA・三浦番長の采配だったのだ。クライマックスシリーズに何が何でも駒を進めたいDeNA。3つ目のイスを狙う広島はデーゲームで中日に敗れた。DeNAは確実にゲーム差を広げるべく、4点リードの七回から森原をマウンドに送り込めって!!普通はそんなことはしないけど、七回を抑えられたら、阪神に試合をひっくり返す気迫は薄れていたと思う。てか、虎の勝利よりDeNAを思っている俺も、CSに向けてフンドシを締め直さねば!!

◆19年前に岡田監督が宙を舞ったのが「9・29」だった。宿敵・巨人を甲子園で倒して、2年ぶりのリーグ制覇を決めた、おめでたい日。指揮官として初めて体験した優勝。歓喜に包まれ、虎党も酔いしれた。ことしも、いつの頃からか「9・29」に阪神の大逆転アレンパが達成されるぞ!と噂が広まり、大注目のXデーだったが、まさかのV逸の翌日になるとは。胴上げを期待したスタンドのファンの中に、どこか寂しげな空気を感じていた。でも、暗いムードを吹き飛ばす「2位決定」。甲子園でクライマックスシリーズ(CS)が戦える。下克上ドラマの始まりだ。あれはことし1月31日。虎ソナは、なぜかソフトバンク取材のため、伊丹空港から空路、宮崎へ。偶然、出会ったのが巨人の巡回投手コーチになったばかりの久保康生さんだった。巨人の宮崎キャンプに向かうという。現役時代から、担当記者として接した間柄。話は弾んだ。「岡田さんはどうや?」「担当記者も大変やろ?」19年前は岡田監督を支えた久保コーチと〝岡田さんの面白さ〟に花を咲かせ、巨人の話題に。「ことしは菅野が完全に復活するよ。技術的にも、気持ちの面でもすごい。阪神、苦労すると思う。戸郷もいいよ。申し訳ないけれど、巨人優勝、阪神2位かな」自信満々の順位予想を延々聞かされた。何を言ってるんや! ふん、どう考えたって、連覇も、2年連続日本一も阪神やで!と、内心で思いつつ、その足でソフトバンクの宿舎でキャンプイン前日取材。すると、小久保新監督が久保コーチ以上に自信満々に演説だ。「目標は日本一よりももっと高く。何年後かに、大谷率いるドジャースとの世界一決定戦に勝てるようなチームを作ります」そこまで言うか?! 豪語と表現するにもほどがある。朝から晩まで、ライバルたちの揺るぎない自信の言葉に、あきれたものだった。が、8カ月が経過して、終わってみれば、この2チームが優勝してしまった。久保コーチの発言は、菅野の復権を含めて、すべて的中していた。お見事だが、実に悔しい。さて編集局内。ちょっと気が抜けた感じが否めない、V逸翌日の当番デスクは長友孝輔だった。「再スタートですね。ことしの阪神と巨人の戦力を単純に比較してみても、ポストシーズンでは阪神が勝てそうな気がするんですよ。先発投手陣が充実していますから。CSは楽しめますよ」そう言いながら、夕刻の紙面会議に備えて、コンテの1面には「CS前哨戦」と書きこんでいた。確かに、相手がDeNAになれば、才木VS東は初戦で投げ合っていそうな顔合わせだ。「アレンパ」実に都合のいい言葉でもある。岡田監督にとって悲願だった球団初の2年連続は夢と消えた。1年前、「アレ」は結実したが「アレンパ」は残念ながら...。でも、2年連続の日本一は、まだこれからが本番。「アレンパ」への道のりは、長友デスクが言うように再スタートを切ったばかり。豪語していた方々を、今度はガッカリさせるポストシーズンにしてもらいましょう。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(-)
巨人
76597 0.563
(↓0.004)
-
(-)
1458
(+4)
379
(+5)
80
(-)
59
(-)
0.246
(-)
2.490
(↓0.02)
2
(-)
阪神
73626 0.541
(↑0.004)
3
(↑1)
2482
(+7)
417
(+6)
67
(-)
39
(+1)
0.243
(-)
2.520
(↓0.02)
3
(-)
DeNA
67663 0.504
(↓0.004)
8
(-)
7506
(+6)
490
(+7)
98
(-)
63
(+2)
0.257
(-)
3.140
(↓0.02)
4
(-)
広島
66685 0.493
(↓0.003)
9.5
(-)
4403
(+3)
408
(+4)
51
(-)
61
(+1)
0.239
(↑0.001)
2.610
(↓0.01)
5
(-)
ヤクルト
61754 0.449
(↑0.005)
15.5
(↑1)
3498
(+5)
545
(+4)
101
(+1)
67
(+1)
0.244
(↑0.001)
3.660
(-)
6
(-)
中日
59738 0.447
(↑0.004)
15.5
(↑1)
3368
(+4)
470
(+3)
67
(+2)
39
(+2)
0.243
(↑0.001)
3.000
(-)