ヤクルト(☆7対2★)阪神 =リーグ戦25回戦(2024.09.28)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:山野 太一(3勝4敗0S)
敗戦投手:ビーズリー(8勝3敗0S)

本塁打
【ヤクルト】サンタナ(15号・2回裏3ラン),山田 哲人(13号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトは2回裏、サンタナの3ランなどで一挙4点を先制する。5-2となって迎えた7回には、山田のソロと長岡の適時打が飛び出し、再びリードを広げた。投げては、先発・山野が5回2失点で今季3勝目。敗れた阪神は、先発・ビーズリーが試合をつくれなかった。

◆スタメンが発表された。阪神は前日27日広島戦にサヨナラ負けを喫して、巨人のマジック1と痛恨のアシスト。球団初のセ・リーグ連覇へは残り4戦で1敗もできない崖っぷちに追い込まれている。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は今季ヤクルト戦に4戦4勝。好相性の相手に好投で、踏みとどまれるか。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)がアクシデントにあった。2回無死。先頭の丸山和のライナーが右太もも裏付近に直撃。そのまま倒れ込み、しばらく動けなかった。治療のため1度ベンチに下がった。その後、約3分間の治療を受け再びマウンドに戻った。神宮には「ファイト、ファイト、ビーズリー!」と歓声が響いた。ブルペンでは富田蓮投手(23)らが肩をつくっていたが、助っ人が気合で続投した。

◆女子プロレス、スターダムの中野たむが始球式を行った。この日は「ローチケDAY」のゲストとして登場。自身の必殺技である「かかと落とし」からインスピレーションを受けたという、足を高く上げたダイナミックな投球フォームを披露した。一塁方向にそれるワンバウンド投球となったが、スタンドからは大きな拍手が送られ、「全身の毛が逆立ちました。皆さんの熱気と声援とエネルギーをすごい体中で感じて、勇気をもらいました」と笑顔で話した。10月5日にはワールド・オブ・スターダム王座の防衛戦が控えている。中野は「私が女子プロレス界を引っ張っていく。女子プロレスを国民的競技にできるのは、私が1週間後にベルトを防衛して、女子プロレスの代表としてスター選手になっていきたいなという気持ちです」と意気込みを示した。

◆負ければ優勝の可能性が消滅する一戦で、阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が痛恨の1発を浴びた。2回、1点を先制されてなおも2死一、二塁。3番サンタナに甘く入った直球を捉えられ、左翼席に運ばれた。この回、ビーズリーは先頭丸山和の打球が右太もも裏付近に直撃。治療のため1度ベンチに下がったが、気合で再び続投していた。被弾の直後、4番村上は一ゴロに打ち取った。痛む足をこらえ、根性でベースカバーに入った。直後の攻撃で代打小野寺が投入。2回4安打4失点でマウンドを降り、先発した試合では来日最短の降板となった。

◆阪神森下翔太外野手(24)が2試合連続適時打で1点を返して3点差に詰め寄った。4点を先制された直後の3回。2死から近本光司外野手(29)が四球、中野拓夢内野手(28)が右前打でつないで一、二塁とした。ヤクルト先発左腕山野から三遊間を破る左前打を放ち、1点を返した。これで2試合連続打点でチームトップを走る72打点とした。森下は「つないで作ってくれたチャンスでしたし、とにかくまずは1点返したい展開だったので、コンパクトなスイングを心がけました。まだ諦める点差ではないので、このあと逆転できるように頑張ります」とコメント。優勝へ向けては残り4戦で勝たなければいけない状況。2回に4点を先制されて苦しい展開になりつつある中、勝負強い男がバットで気迫を見せた。

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。2回に先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)が4失点。序盤から崩れた。打線の反撃が及ばず敗れた。第2次岡田政権の2年目。18年ぶりリーグ制覇、38年ぶり日本一の翌年、指揮官が選手に求めたのは、各選手のキャリアハイの成績だった。終わってみれば自己最高成績といえる野手は森下翔太外野手(24)ぐらい。森下を含め大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)が2軍落ちし、再調整の期間を過ごした。一時は近本光司外野手(29)を4番に据えるなどオーダーに苦心。前川右京外野手(21)の台頭はあったものの主軸の爆発力が物足りなかった。2番中野拓夢内野手(28)も打率が低調。木浪聖也内野手(30)も2割台前半の打率と苦しんだ。野手は新助っ人の補強なしで臨んだ。シェルドン・ノイジー外野手(29)、ヨハン・ミエセス内野手(29)は来日2年目の覚醒を期待されたが、2軍調整期間が長かった。ノイジーは1本塁打、ミエセスは本塁打なし。すでに来季の戦力構想からは外れており、シーズン中に外国人野手を補強を敢行した巨人とは対照的だった。先発投手は才木浩人投手(25)が自己最多の13勝を挙げてけん引。一方で過去3年間先発ローテーションの一角を担い続けてきた伊藤将司投手(28)が4勝どまり。開幕投手を務めた青柳晃洋投手(30)も2勝にとどまっている。昨季リーグMVP右腕の村上頌樹投手(26)も7勝10敗と昨季のようにはいかなかった。岡田監督は「勝負は9月」と言い続けてきた。「ライバルは巨人」とも言ってきた。今月22日には甲子園で巨人との天王山2連戦。その初戦を1-0でとり1ゲーム差に迫った。しかし、翌23日には0-1で敗戦。この1敗が痛かった。前日27日には巨人勝利、阪神負けで巨人の優勝マジックは1となっていた。この日のヤクルト戦が崖っぷちの一戦だった。今年1月31日。沖縄・恩納村のチーム宿舎で行われたキャンプイン前日の1軍ミーティングで「去年よりも今年の方が勝ちたい」と岡田監督自ら訴えた。あれから241日。2年前、CSファイナルステージでヤクルトに敗れシーズンが終了した神宮で、虎の「アレンパ」への夢が終わった。チームはレギュラーシーズン残り3試合を戦う。すでにCS進出を決めており、10月12日からCSファーストステージが始まる。

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。阪神は2リーグ分立後初のリーグ連覇に挑戦したが、6度すべて失敗となった。2季連続優勝は1リーグ時代の1937年(昭12)秋、38年春のみ。1リーグ時代も含め、連覇は8度連続かなわなかった。

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。5点を追う9回2死。佐藤輝明内野手(25)が打席に立つ裏でマツダスタジアムで巨人が勝利し、V逸が決まった。直後に佐藤輝も空振り三振に倒れた。試合後は今季神宮最終戦とあって、スタンドにあいさつ。帰る際には三塁側全体から「岡田コール」が沸き起こった。岡田監督は今季は2年契約の2年目。昨季は18年ぶりセ・リーグ制覇と38年ぶり日本一へと導いた。

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。2回に先発ジェレミー・ビーズリー投手(28)が足に打球直撃を受けた影響もあってか4失点。序盤から崩れた。打線の反撃が及ばず敗れた。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-ビーズリーは「びっくりしたよ。あんな倒れるから」-大丈夫というからいったと思うが「そや。もうええのにとは思ったけど。もうなあ、本人がいくいうんやから」-実際リズムを乱して「そらもう、ぜんぜんちゃうかったやろ。一塁のカバーもなあ。ちょっとお前、無理せんでええのに。もう」-2点まで追い上げてわからなかったが、その後の1点が「そら投げるピッチャーがそらな。しょうがない。3ランで」-2回のライナーゲッツーは戻ってほしい「いや、ゴロゴーやから、戻れんやろ。そんなの。そんなん戻られへんよ。いけへんのやったら、戻らなあかんけど。指示が。いけのサインやねんから、そら無理やろ。左ピッチャーやのに、そんなん。ゴロゴーのサインで、ライナー打つのがアカンわな(笑い)」-巨人が勝った。9月最後まで粘った「粘りというかな、やっぱり、甲子園の2戦目やな、あそこのゲームやな。今年を象徴してるような、な、そういう負け方やったもんな」-開幕前から巨人を一番警戒していた「その通りやんか。なんで? 分析しとったんや」-今年一番の誤算は「打てんかったことや前半の。まあチグハグもなあ、そらもういっぱいあるよ、そんなのは。エラーにしてもそんなのは」-しのいでここまで来た。客席からも岡田監督のコールがあった「うん。まあそらお前、勝ちに行くけど勝負事やから、そらお前、負けることも、そんなのお前、全部なあ、そんなの。そうやったら全部毎年優勝できるよ、そんなの簡単なことやったらそら。どこの球団もそうやんか、そんなの。それに向かって行ってるわけやからの、スタート切ってるわけやから。そんなの1つの球団しかうまいこと行けへんねんから、6つ球団あって」-巨人の良かったところ「そんな良くっていうか...なあ。やっぱり菅野やろ、結局は。菅野で貯金あんだけつくったいうのが大きいよ。そら去年からの一番の違いは菅野の勝ち星と貯金やんか。そこに尽きるよな、結局」-ポストシーズンがある「そらまあこれからやんか、おーん。そんなん、またこれからどうなるわ分からへんやん、おーん」-9月に入って打線は上向き「いやいや、そらお前、9月が上向いて10月があかんようになるかも。そんなんお前、打線なんかそんなんお前、ずっと調子ええことはないわけやからな。短い周期でそんな変わるやんか」

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。1番近本光司外野手(29)は「まだ何かを言える状態ではないので。明日勝つだけなので全員で頑張ります」と振り絞った。選手会長中野拓夢内野手(28)は「いずれは決まることではあったので。そこはしっかりと受け止めて。チームとしてはまだやるべきことっていうのはあると思うので。ここで気持ち切らさず。明日からの試合っていうのをしっかりと、チームとして戦っていきたいなと思います」と前を向いた。佐藤輝明内野手(25)は「もちろん悔しい」ときっぱり。「あと3試合、しっかり頑張って準備したい」と語った。

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。粟井一夫球団社長は試合後、取材に対応。2年契約の最終年を迎えている岡田監督の去就について「やっぱり今、レギュラーシーズンがまだ残っていて、CSがあって日本シリーズということで、それに目指してチームは戦っていくので、現時点でそのコメントは差し控えさせていただく」と話すにとどめた。今季のチームについては「最後の最後、頑張ってくれたんだけど結果がすべてなので。勝てなかったというのは球団全体で受け止めて、次に向かっていかなあかんなと思ってます。勝ちたかったけど残念な結果に終わった。結果は受け止めないと。誰がとか、どのシーンとか、いろいろあるんかもしれへんけど、私としては球団全体で受け止めて、残りのレギュラーシーズンとCS、日本シリーズに向けて頑張っていきたいなと思います」と語った。岡田監督の手腕については「非常に前半戦は特に厳しい、みんなが調子上がってこない中で、ここまで来ていただいたという評価です。社長が偉そうに評価するあれではないかもしれないけど、これも結果がすべてなので。よくやっていただいたけど勝てなかったこと、は監督だけじゃなくて球団全体で受け止めないと」と続けた。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)は先発では来日最短の2回4失点で降板した。2回に先頭丸山和のライナーが右太もも裏付近に直撃。治療を経て再びマウンドに上がったが、長岡に適時打、サンタナに3ランを浴びた。「(影響は)ちょっとありました」と悔しげだ。今季4戦4勝だった相手に5戦目で初黒星。「日本一の挑戦はまだ分からないので、そこはもっと頑張っていきたい」とリベンジを誓った。

◆ヤクルトは投打がかみ合い4連勝とした。2回に長岡の中前適時打で先制すると、なお2死一、二塁からサンタナが左翼席に飛び込む今季第15号3ランを放ち、この回4得点。その後も小刻みに追加点を挙げ、試合を優位に進めた。投げては先発山野太一投手(25)が5回2失点で、今季3勝目をマークした。「あまり調子自体は良くなかったですが、点を取られても粘りながら最少失点でしのぐことができたのが良かったのかと思います」と振り返りつつ、「気持ちの面でもやっぱりすごい楽に投げることができました」と味方の援護に感謝した。

◆阪神が球団史上初のセ・リーグ連覇を逃した。首位巨人と最後の最後までデッドヒートを繰り広げてきたが、140試合目で力尽き優勝の可能性が完全消滅した。岡田彰布監督(66)がナインと目指した偉業には届かず。宿敵巨人が4年ぶりVを決めた。森下翔太外野手(24)は2試合連続適時打で打点。4点を先制された直後の3回に左前適時打を放ち、「そういう場面でしっかり打てたっていうのは、すごくプラスに捉えていいかなっていうふうに思います」と手応えを感じていた。チームは敗れて連覇を逃した。「別にそこに対する、負けてしまったからどうこうっていうのはないですね。もう勝つためだけにやってたんで。まあ、仕方ないです」と潔く負けを認めて前を向いた。今季は残り3試合。CS進出はすでに決めており、「最後までやれることはしっかりやっていきたいなと思います。CSでもしっかり勝てるような準備はしたいなと思います」。まずは2位を確保して本拠地でのCSファーストステージ開催へ全力を尽くす。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)の、バットは力なく空を切った。宿敵巨人が優勝を決めた2分後。5点を追う9回2死走者なしの場面。ヤクルト5番手、木沢の6球目、低めのスプリットに空振り三振。意地を見せたかったが、最後の打者となり、天を仰いだ。「それはもちろん悔しいです」1-4の4回には先頭でヤクルト山野の139キロ直球をとらえ、中堅フェンス直撃の三塁打を放った。柵越えまであと少し届かなかったが、好機を演出。7番梅野の遊ゴロの間に2点目のホームを駆け抜けた。「最後まで何が起こるかわからないので。気持ちだけは切らさずに」逆転Vの夢は破れた。だが、戦いは続く。「決まったからにはしっかり切り替えて。あと3試合しっかり頑張って準備したい。最後まで応援してもらえたらと思います」。シーズン残り3試合はすべてDeNA戦でCS前哨の意味も持ちCSホーム開催もかかる。背番号8は前日27日から8打数5安打、1本塁打と波に乗ってきた。タテジマの主軸は、次なるステージを見据えた。【村松万里子】▽阪神森下(0-4の3回に左前適時打)「しっかり打てたのは、すごくプラスに捉えていいかなと思います。(優勝は逃し)勝つためだけにやってたんで。まあ仕方ないです。CSでもしっかり勝てるような準備はしたい」▽阪神近本(4打席無安打、最多安打争いでヤクルト長岡に157本で並ばれる)「まだ何かを言える状態ではないので。明日勝つだけなので、全員で頑張ります」▽阪神中野(今季は選手会長として臨むもV逸)「しっかりと受け止めて。チームとしてはまだやるべきことはあると思う。ここで気持ちを切らさず。明日からの試合をしっかりとチームとして戦っていきたい」

◆あぁアレンパならず。巨人が広島に勝ち、4年ぶり39回目のリーグ優勝が決まった。阪神は初のリーグ2連覇を目指したが最終盤で失速して4差が開き、140試合目でV逸が決定。岡田彰布監督(66)やナインが追ってきた夢がはかなくついえた。阪神も敵地でヤクルトに完敗して3連敗。だが下を向いている時間はない。次の目標は2位から目指す2年連続日本一。まずはCSのホーム甲子園開催を目指し、残り3試合に全力を尽くす。神宮球場に集まったファンへナインがあいさつへ向かうと、自然と「岡田コール」が沸き起こった。最大5・5差から9月に猛追したが、球団史上初のセ・リーグ連覇の夢は、140試合目でついえた。「勝ちに行くけど勝負事やから、そら負けることも。全部毎年優勝できるよ、そんなの簡単なことやったら。1つの球団しかうまいこと行けへんねんから、6つ球団あって」。岡田監督は悔しさを押し殺すように淡々と話した。球団最速でのリーグ優勝を決め、日本一にも輝いた昨季から1年。今季は苦難の年だった。「打てんかったことや前半の。チグハグもなあ、そらもういっぱいあるよ、そんなのは。エラーにしても」。開幕前に指揮官が選手たちに課したのは、キャリアハイ。若い選手たちの伸びしろを信じていた。しかし、主力選手が軒並み低空飛行。初夏の頃には、打線がつながらず3点以上を奪えない"2点打線"と苦しんだ。大山、佐藤輝、森下と主軸を担う3選手が一時、2軍調整を経験。そんな打線をテコ入れしようと指揮官も苦心。1番木浪、2番梅野を並べた打順や、4番近本起用など大幅改造し奮起を促した。課題の守備面は今年も課題として残った。失策数はDeNAの90に次ぐ両リーグワースト2位の84。適時失策は昨季の4から16と大幅に増えてしまった。思うようにいかない戦いの中で「俺が一人カリカリ怒ってるだけやんか。あとは何もないわ」といら立ちをあらわにしたこともあった。才木が最多勝を争う13勝を挙げ、開幕スタメンを勝ち取った前川、井上ら新戦力の芽も出てきた。幾度と貯金0で試合を迎えるも、ギリギリで踏ん張り借金生活は1度もなし。しかし「今年は巨人」と警戒していたライバルに、わずかな差で頂点の座を奪われた。「やっぱり、甲子園の2戦目やな、あそこのゲームやな。今年を象徴してるような、そういう負け方やったもんな」。1ゲーム差で臨んだ9月23日の直接対決で、0-1の完封負け。優勝の行方を分ける一戦と振り返った。それでもCS進出を決めており、2年連続日本一を目指すポストシーズンは残る。「そらまあこれからやんか。またこれからどうなるか分からへんやん、おーん」と静かに話した。【磯綾乃】<苦しかった今季の阪神>主砲が苦戦 佐藤輝、森下、大山の主軸3人が不調で一時2軍落ち。昨年の4番は大山が全試合務めたが、今季は5人で回した。前記の3人の他、近本12試合、原口1試合。主軸の低調が響き、得点は昨年555から475に低下した。投打助っ人が明暗 ノイジーが1本塁打、ミエセスは0発に終わった。投手陣はゲラが方程式の一角を担い、13セーブ31ホールド、ビーズリーは先発で8勝。勝負どころでミス 6年連続リーグ最多だった失策は12球団ワースト2位の84。一方で適時失策は昨年の4から16に増え、ここぞでミスが響く敗戦が目立った。その他 四球は昨年に続く1位だが、494から430に減少。併殺打は昨年のセ最少だった92から増加し、12球団最多の118。盗塁も38と、昨年の79の半数以下にとどまった。投手陣は安泰 攻撃陣とは対照的に、投手陣は今年も強力だった。防御率2・47はセ2位で、才木が13勝、大竹が2年連続2桁勝利。岩崎とゲラのダブルストッパーも機能した。また桐敷39、ゲラ31、石井30と、球団史上初めて3人が30ホールドをクリアした。

◆あぁアレンパならず。巨人が広島に勝ち、4年ぶり39回目のリーグ優勝が決まった。阪神は初のリーグ2連覇を目指したが最終盤で失速して4差が開き、140試合目でV逸が決定。岡田彰布監督(66)やナインが追ってきた夢がはかなくついえた。阪神も敵地でヤクルトに完敗して3連敗。だが下を向いている時間はない。次の目標は2位から目指す2年連続日本一。まずはCSのホーム甲子園開催を目指し、残り3試合に全力を尽くす。<苦しかった今季の阪神>主砲が苦戦 佐藤輝、森下、大山の主軸3人が不調で一時2軍落ち。昨年の4番は大山が全試合務めたが、今季は5人で回した。前記の3人の他、近本12試合、原口1試合。主軸の低調が響き、得点は昨年555から475に低下した。投打助っ人が明暗 ノイジーが1本塁打、ミエセスは0発に終わった。投手陣はゲラが方程式の一角を担い、13セーブ31ホールド、ビーズリーは先発で8勝。勝負どころでミス 6年連続リーグ最多だった失策は12球団ワースト2位の84。一方で適時失策は昨年の4から16に増え、ここぞでミスが響く敗戦が目立った。その他 四球は昨年に続く1位だが、494から430に減少。併殺打は昨年のセ最少だった92から増加し、12球団最多の118。盗塁も38と、昨年の79の半数以下にとどまった。投手陣は安泰 攻撃陣とは対照的に、投手陣は今年も強力だった。防御率2・50はセ2位で、才木が13勝、大竹が2年連続2桁勝利。岩崎とゲラのダブルストッパーも機能した。また桐敷39、ゲラ31、石井30と、球団史上初めて3人が30ホールドをクリアした。

◆阪神はヤクルトとの今季最終戦にジェレミー・ビーズリー投手(28)が先発する。今季ヤクルト戦4戦4勝の助っ人に、逆転Vへの望みを託す。首位巨人は優勝へのマジックナンバーを「1」としており、阪神が敗れれば自動的に優勝となり、阪神の結果にかかわらず巨人は広島戦に引き分け以上で優勝が決定となる。

◆阪神の先発、ジェレミー・ビーズリー投手(28)はピンチを背負うも無失点で一回を投げ終えた。1死から西川に一塁線を抜く二塁打を浴びて得点圏のぴ地を迎えるも、続くセ・打率トップのサンタナは外角直球で見逃し三振。村上には変化球をひっかけて死球とし、オスナにも四球を与えて2死満塁となったが、続く山田を遊飛で抑えて無失点で乗り切った。村上に死球を与えた際にはマウンドですぐさま帽子を取り、頭を下げて謝罪するという外国人〝らしからぬ〟、いつものビーズリーの姿もあった。

◆阪神は二回、1死三塁とチャンスを作るも、先制とはならなかった。先頭の佐藤輝が左翼線への二塁打で出塁。井上の遊ゴロの間に進塁して1死三塁となったが、続く梅野が放った鋭い打球をヤクルトの遊撃・長岡がジャンピングキャッチ。走者の佐藤輝もインパクトとほぼ同時にスタートを切っていたため、三塁へ転送されて併殺となり、無得点に終わった。

◆阪神の先発・ビーズリーが打球直撃のアクシデントに見舞われ、直後に大量失点を喫した。二回先頭、丸山和に投じた変化球をはじき返され、ライナーで右臀部付近に直撃。そのままうつ伏せに倒れこみ、転がったボールを処理することもできずに出塁を許した。ビーズリーはしばらく立ち上がれず、トレーナーと安藤投手コーチとともに一度ベンチへ下がる。それでも少し時間を空けて再びマウンドに戻った。続く内山は遊直でアウトにするも、山野の犠打で2死二塁と2イニング続けて得点圏に走者を進められる。ここで1番の長岡に中前適時打を浴び、先制点を奪われてしまった。なおも2死一、二塁となってサンタナに左翼席への特大弾を浴びて一挙4失点。巨人の優勝を阻止するためには負けが許されない状況の中で、苦しい試合展開となってしまった。

◆ローソンエンタテインメントによる「ローチケDAY」として開催され、女子プロレス団体「スターダム」のプロレスラー、中野たむが始球式に登場した。必殺技のかかと落としからインスピレーションを受けたという、左脚を高く上げるダイナミックなフォームで投球。ワンバウンドで捕手のミットに収まり、「気持ちは90点なんですが、実際のところは3点です...。この日のためにいっぱい練習したんですけど、力が入っちゃいました。グラウンドは魔物ですね」と苦笑いを浮かべた。たくさんのファンが集結した神宮のマウンドでの大役を終え「皆さんの熱気とエネルギーを体中で感じた。1週間後にタイトルマッチがあるのですが、そこに向けてすごく勇気をもらいました」と声を弾ませた。

◆先発した阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)は今季最短の2回4失点で降板した。一回は2死満塁のピンチを迎えながらも無失点で抑えたが、二回、先頭の丸山和に投手強襲の打球を受ける。ベンチで治療を行いマウンドに戻ったが、2死から長岡の中前適時打とサンタナの3ランで一挙4失点。2回4安打4失点と試合を作れず。三回の攻撃で代打が送られた。先発登板では6月15日のソフトバンク戦での4回1/3から最短を更新する2回でのノックアウトとなった。

◆ヤクルト・ヤフーレが中10日で29日の巨人戦(神宮)に先発する。今季の巨人との対戦成績は4試合に投げ1勝2敗ながら、防御率は2・13と相性がいい。7月15日の中日戦(神宮)以来、約2カ月半ぶりの6勝目(10敗)へ、キャッチボールなどで調整し「(今季)最終登板だと思う。全力でバッターに向かっていく姿勢を出していきたい」と闘志を燃やした。

◆阪神が森下翔太外野手(24)の適時打で1点を返した。0-4と追いかける三回。2死から上位打線がつないだ。近本が四球を選び、中野も右前打で続く。2死一、二塁となって森下。低めの変化球に食らいつき、痛烈なゴロで三遊間を破った。二塁から近本が生還して1点を返す。森下は2試合連続の打点をマークした。なおも2死一、二塁の好機は続いたが、大山のとらえた打球は右翼手の正面を突き、この回の得点は1点にとどまった。森下は「打ったのはチェンジアップ。つないで作ってくれたチャンスでしたし、とにかくまずは1点返したい展開だったので、コンパクトなスイングを心がけました。まだ諦める点差ではないので、このあと逆転できるように頑張ります」とコメントした。

◆逆転を信じてビハインドを追いかける阪神だが、救援陣が踏ん張れない。2点を追い上げて2-4の五回。岡留が登板するも、2死一、三塁から内山に適時打を浴びた。さらに七回には昇格後初登板となった浜地がマウンドに上がるも、先頭の山田に左翼スタンドに飛び込む本塁打をたたき込まれる。さらに長岡にも適時打を浴びて失点を重ね、2―7と5点差に広げられてしまった。優勝へのマジックナンバーを「1」とする首位巨人は七回までに5点リードしている。

◆優勝マジックを「1」としていた巨人が、神宮と同じくナイターで開始したこの日の広島戦(マツダ)に勝利して4年ぶりのリーグ優勝を決め、阪神は5点を追う九回攻撃中に球団史上初となるリーグ連覇の夢がついえた。巨人に追いすがるためには勝利することが最低条件だったこの日は二回に先発・ビーズリーが4点の先制点を献上。打線が三、四回に1点ずつを返して反撃するも、五回に岡留が1点を失うと、七回には浜地が山田の左翼ソロなどで2失点と差を広げられた。打線が五回以降に反撃機を作れないまま試合は進行し、自軍の試合終了に先んじて巨人が勝利を決めて、V逸が決まった。昨季は2位広島に11・5ゲーム差をつけて独走Vを果たし、今季は大きな期待も寄せられながら悲願達成に挑戦。この最終盤まで首位巨人とのデッドヒートを繰り広げたが、23日(甲子園)の直接対決、延長十二回サヨナラ負けを喫した27日の広島戦(マツダ)で2連敗と足踏みし、今季140試合目で力尽きた。

◆阪神はヤクルトとの最終戦で敗れて3連敗。連覇への夢がついえた。二回に先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)が右太もも裏に直撃する強襲安打を浴びて走者を許すと、適時打と3点本塁打で一挙4失点。中継ぎ陣も五回に1点、七回に2点を加えられ、反撃まで粘ることができなかった。攻撃陣は二回1死三塁と先制の好機を遊直の併殺打で潰すと、三回に森下翔太外野手(24)の適時打で1点を返すも四回に内野ゴロで1点を加えたのみでわずか2得点。五回以降はヤクルト救援陣の前に走者を出すこともできず、パーフェクトに抑えられた。マジック1としていた首位巨人が数分先に勝利して優勝が決定。球団初の連覇に挑んだシーズンだったが、届かなかった。

◆安打を放つヤクルト・村上宗隆(撮影・松永渉平)

◆ヤクルトが4連勝で最下位を脱出。二回に長岡の適時打とサンタナの3ランで4点を先取し、五回と七回に加点して突き放した。山野が5回2失点で3勝目。阪神は3連敗。先発ビーズリーが序盤に崩れ、打線は4安打に終わった。

◆阪神が140試合目で球団初の連覇を逃した。優勝マジック「1」の巨人が広島戦(マツダ)で快勝し、敗戦前にV逸が決まった。中継ぎから先発に復帰したジェレミー・ビーズリー投手(28)が二回、打球を右臀部に受けた影響もあり、適時打と3ランで4点を献上。打線は三回の森下翔太外野手(24)の左前打、四回は梅野隆太郎捕手(33)の遊ゴロで2点を挙げたが、岡留英貴投手(24)が五回に、浜地真澄投手(26)が七回にそれぞれ失点し、3連敗を喫した。すでにクライマックスシリーズ(CS)進出を決めており、10月12日開幕のファーストステージからの逆転日本シリーズを目指す。試合終了後、ファンからの「オカダコール」に応えた岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=72勝62敗6分、観衆=2万9504人)。ーービーズリーは「びっくりしたよ。(二回、先頭丸山和の打球を右臀部付近に受けて)あんな倒れるから」ーー大丈夫だから続投した「そや。もうええのにとは思ったけど。もうなあ、本人が行く言うんやから」ーー実際リズムを乱して「全然ちゃうかったやろ。一塁のカバーもなあ。無理せんでええのに。もう」ーー二回のライナーゲッツーは戻ってほしい(二回1死三塁で梅野の遊直に三走佐藤輝が帰塁出来ずに併殺)「いや、ゴロゴーやから、戻れんやろ。そんなの。そんなん戻られへんよ。行けへんのやったら、戻らなアカンけど。指示が。行けのサインやねんから、そら無理やろ。左ピッチャーやのに、そんなん。ゴロゴーのサインで、ライナー打つのがアカンわな。お前」ーー巨人が勝った。9月は最後まで粘った「粘りというかな、やっぱり、甲子園の2戦目(0ー1で敗れた23日の巨人との25回戦)やな、あそこのゲームやな。今年を象徴してるような負け方やったもんな」ーー開幕前から巨人を一番警戒していた「その通りやんか。なんで? 分析しとったんや」ーー今年一番の誤算は?「打てんかったことや前半の。まあチグハグもなあ、そらもういっぱいあるよ、そんなのは。エラーにしてもそんなのは」ーースタンドらオカダコールが起こった「うん。まあそらお前、勝ちに行くけど勝負事やから、そらお前、負けることも、そんなのお前、全部なあ、そんなの。そうやったら全部毎年優勝出来るよ。そんなの簡単なことやったらそら。どこの球団もそうやんか、そんなの。それに向かって行ってるわけやからの。スタート切ってるわけやから。そんなの1つの球団しかうまいこと行けへんねんから、6つ球団あって」ーー巨人の良かったところ「そんな良くっていうか...なあ。やっぱり菅野やろ、結局は。菅野で貯金あんだけ作ったのが大きいよ(広島戦で勝ち投手となり15勝3敗)。そら去年からの一番の違いは菅野の勝ち星と貯金やんか。そこに尽きるよな、結局」ーーポストシーズンがある「そら、まあこれからやんか、おーん。そんなん、またこれからどうなるわ分からへんやん、おーん」ーー9月に入って打線は上向き「いやいや、そらお前、9月が上向いて10月がアカンようになるかも。そんなんお前、打線なんか、ずっと調子ええことはないわけやからな。短い周期でそんな変わるやんか」

◆ヤクルトの長岡が二回の先制打など2本の適時打を放った。二回は2死二塁の好機で2ボール1ストライクとなり「バッティングカウントで、センター中心に打ち返すことを意識した」と、最多安打のタイトルを争っている阪神・近本が守る中前へ転がした。2死三塁で打席に入った七回も中前へと運んだ。これで今季157安打として、リーグ最多を走っていた近本に並んだ。5年目で初の個人タイトルを狙う23歳の左打者が、ライバルの目の前で躍動した。

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(23)が最多安打のタイトルを争うライバルの前で2安打2打点の活躍。今季157安打とし、トップの近本(阪神)に並んだ。二回に「(一ゴロだった)1打席目の反省を生かして、修正できたなと思います」と先制の中前打を放つと、七回にも中前適時打をマーク。勝利につながる安打を重ね、「いいところで1本出たのは、いいことかなと思う」とうなずいた。残りの試合数は阪神よりも1試合多く、自身初のタイトルも見えてきたが、「そこは特に」と一打席一打席に集中する考え。チームの勝利につながる打撃を貫いた先に個人タイトルが待つ。チームは4連勝で中日を抜いて5位に浮上した。

◆ヤクルトの助っ人砲、ドミンゴ・サンタナ外野手(32)が二回に15号3ランを放つなど2安打3打点と輝き、リーグトップの打率を・314に上げた。1点を先制した直後の二回2死一、二塁で、ビーズリーの直球を完璧に捉えて左翼席へ特大の3ランをマークすると、六回には遊撃内野安打を記録。チームの4連勝につながるアーチを描き、「チームの勝利に貢献できたというのが、最高に気持ちよかった」と頬を緩めた。打率はリーグトップの3・14を誇る。2位のオースティン(DeNA)は・311で肉薄するが、ライバルの数字は気にしていないという。自身初となる首位打者に期待がかかるが、「(タイトル獲得は)正直、自分の中ではそこまで意識していない。取れたらいいなというくらいの気持ち。自分のベストを尽くし、チームのために頑張りたいという気持ちが最優先ですね」ときっぱり言い切った。フォア・ザ・チームの精神を貫く。

◆ポストシーズンでやりかえす! 阪神は2-7でヤクルトに敗れ、巨人に4年ぶり39度目のセ・リーグ優勝を許した。悲願のリーグ連覇こそ逃したが、すでにクライマックスシリーズ(CS)進出は決めており、三回に反撃の適時打を放った森下翔太外野手(24)は「CSでもしっかりと勝てるように」と巻き返しを誓った。連覇に手は届かなかった。森下がプロ野球の世界に飛び込んで2年目で、初めて逃した頂点。それでも諦めることなく泥臭く放った一打は、無駄にはならないないはずだ。「(連覇は)したかったですけど、負けてしまったからそこに対してどうこうというのはない。勝つためだけにやっていたので、仕方ないです」巨人のVを阻むことはできなかったが、今季何度も虎に勇気を与え続けてきた背番号1は健在だった。大量4点を失った直後の三回。2死から作った一、二塁の好機で持ち味を発揮した。追い込まれながらもバットを少し短く持って、6球目の変化球に食らいついた。痛烈なゴロで三遊間を破り、2試合連続の適時打。「そういう場面でしっかりと打てたというのはすごくプラスにとらえていい」と、勝負強さを証明した。「負けたくない」―。その思いが消える日はない。3番打者としての責任感を受け止め、毎日バットを振り込んできた。森下の力なしには、ここまでのデッドヒートを演じることはできなかっただろう。あと一歩のところまで巨人を追い込んだ快進撃の中心には、間違いなく森下がいた。前半戦は苦しい時期を経験しながらも、後半戦で取り返す。8月には球団の日本人新記録となる10試合連続打点をマーク。9月も月間打率・320と打ちまくった。最後のところでその手は届かなかったが、戦いは終わったわけではない。「まだ残り試合があるので、最後までやれることはやっておきたい。CS(クライマックスシリーズ)でもしっかりと勝てるように、準備をしたいなと思います」九回は遊飛に倒れ、ベンチに戻ると悔しそうにタオルで顔を覆った。リーグ連覇こそ逃したが、2年連続日本一のチャンスは残っている。やり返すしかない。(中屋友那)

◆リーグ連覇への挑戦は140試合目で潰えた。22日には巨人に1ゲーム差に迫っていた阪神だが、3連敗で終戦。前夜の広島でのサヨナラ負けに続き、東京に移動してヤクルトに完敗した。岡田監督はV逸について「打てんかったことや、前半の。まあ(投打の)チグハグもなあ、そらもういっぱいあるよ。エラーにしても」と振り返った。先発のビーズリーが右足に打球を受けた影響もあってか二回に4失点して降板。打線は2点を返すのが精いっぱいで、五回以降は走者を出せなかった。22日の巨人戦(甲子園)から4試合連続2得点以下とここにきて迫力を欠いている。ポストシーズンへ向けて岡田監督は「まあ、これからやんか、おーん」と前を向いた。29日は甲子園に戻る。レギュラーシーズンは残り3試合。大声援も力に、勢いを取り戻したい。

◆無念のV逸-。2位の阪神は2-7でヤクルトに完敗。勝った巨人が4年ぶり39度目のセ・リーグ優勝を果たし、阪神は球団初のリーグ連覇を逃した。クライマックスシリーズ(CS)からの日本一を目指す。2年契約最終年の岡田彰布監督(66)の去就も注目されるが、阪急阪神ホールディングス(HD)首脳は続投を「ウエルカム」とコメント。契約通りに退任となった場合は球団OBの藤川球児スペシャルアシスタント(SA、44)らが候補に挙がる。セ・リーグ連覇という夢は神宮で散った。阪神は敗れ、巨人は広島に勝利し、勝者と敗者の〝明暗〟はくっきりと分かれた。試合終了直後に左翼席の虎党が発した「岡田! 岡田!」の大声援に応え、岡田監督はクラブハウスへと引き揚げた。阪神・粟井一夫球団社長が神宮球場施設内で取材に応じ、「みんなの調子がなかなか上がってこない厳しい中で、ここまで持ってきていただいた」と虎将をねぎらいつつ、「これも結果がすべて。よくやっていただいたけど、勝てなかったことは、監督だけでなく球団全体で受け止めないと、と思っています」と話した。岡田監督は今季が2年契約の最終年。粟井社長は去就について「日本シリーズの連覇を目指したい。そういう状態のチームなので。人事に関することは、しばらくコメントは差し控えさせていただきたい」と話すにとどめた。だが、若手主体の虎を勝ちながら育てられる岡田監督の手腕への評価は不変だ。阪急阪神HD首脳は続投を歓迎する方針を明かした。「岡田監督には全幅の信頼を置いています。もし3年ということになるのであれば、当然ウエルカムです」経験豊富な虎将がいたからこそ、打線の不調を熟練の采配でカバーできた。大山、佐藤輝、森下も2軍調整させる決断力で状態は向上。投手陣も巧みに操り、僅差の試合を何度も競り勝ってきた。昨季の18年ぶりのセ・リーグ制覇、38年ぶりの日本一を果たした偉業も色あせない。2022年オフの阪神監督再就任の際に〝後継者育成〟という課題も託された。続投の場合は、阪神、ロッテで通算2099安打を放った鳥谷敬氏(43)の来季入閣も検討されている。岡田監督は来季を67歳で迎えるが、肉体面でのハードルもない。関係者は「健康状態は問題なく、(2シーズン目で)体のリズムとしては今年は慣れてきたのではないか」と心身の充実ぶりを証言。とはいえ、長距離移動や酷暑によるダメージから疲労をにじませることもあった。退任となった場合には、阪神、米大リーグなどで通算243セーブを記録した藤川球児SAらが次期監督候補に挙がっている。阪急阪神HD首脳も、〝火の玉球児〟の人柄や現役時代の実績を高く評価。球団創設90周年を迎える25年シーズンの顔になりえる存在といえる。悔しい2位であるが、岡田監督のもと、森下や前川が成長を遂げ、投手陣も先発、中継ぎともに若虎が躍進している。「ドラフトで獲った、タイガースにあこがれて入ってくれた選手を育て、戦力に仕上げていく。本来の理想をやってくれている」と阪急阪神HD首脳。今後はCSから日本一を目指す戦いとともに、岡田監督の去就にも注目が集まる。

◆わが阪神タイガース、アレンパ成らず! 無念...。勝負ごとだから、内心悔し~いんだけど、セ・リーグの頂点を極めた阿部巨人に敬意を表すのだ。読売巨人軍そしてG党の皆さん、90周年という節目の年にリーグV、おめでとうございます。しかし、世の中どーなってんだァ!? アベ派の高市さんが自民党の総裁選で敗れた翌日に、アベさんが栄冠を手にするって? は~あ(溜息)そーだよなぁ...。総裁選に置き換えたら、わが阪神は虎党員票や地方票(全国どこに行っても虎人気はスゴイ!)は圧倒していたのに、肝心な議員票いや選手票(実力)が届かなかった...。いや、決して負け惜しみじゃないけど、力の差はそこまであったとは思わない! ただ、本日の試合を見ても分かるように五回以降ヒット無しどころか、六、八回なんて3者三振と完全に抑えられている。その野球に対する淡泊さが命運を分けたのだと俺は思う!!相手が嫌がるのに、決してセーフティーバントをしない近本、中野の1、2番、進塁打は全く頭にないサトテル...。CSもこのまま? 美しさは勝利ありき、で語られるんだぜ!!

◆正反対の心境で、2つのチームが〝すれ違う〟一日になった。阪神は27日の広島戦(マツダ)にショッキングな形で敗れて、この日はヤクルト戦(神宮)のために東京に向かった。一方の巨人は前夜の中日戦(東京ドーム)に勝って優勝へのマジックナンバーを「1」とし、28日は入れ替わるように広島戦(マツダ)に臨んだ。広島-東京間はとにかく長い。パ・リーグの経験がある選手は飛行機などの長距離移動にも慣れていたりするが、セ・リーグでは最も過酷な移動だ。移動日なしの今回のようなケースは特にしんどい。記者だって腰が痛くなるから、選手たちは言わずもがなだ。飛行機移動を選ぶ首脳陣、選手もまれにいるが、4時間弱も新幹線に揺られる。Gナインには短く、虎ナインには長く感じられた時間だったことだろう。優勝を争ってきた2チームが、その道中のどこかですれ違い、巨人の通算48度目の優勝(1リーグ時代の9度を含む)が懸かった一日に臨んだ。虎番たちも、広島戦を思い出すと悔しくて悔しくて、複雑な心境で東京行きの新幹線に乗り込んだ。還暦虎番のビヤ樽こと三木建次も、普段はずぶとい神経をしているのだが、前夜はあまりよく眠れなかったらしい。「球団初のセ・リーグ連覇を目指してやってきたんやけどな...。今からでも何かできることはないかなと思って、ちょっといいことをしたわ」東京行きの新幹線の車中でのこと。ビヤ樽の前の座席に、新大阪駅から旅行中と思われる外国人の女性が乗り込んできたのだという。大きな荷物をどうしようかと困っているのを見たビヤ樽は、スッと立ち上がる。頭上の荷物棚はすでに埋まりかけていたが、ビヤ樽は自分の荷物を引っ込めて「ここに置いてイイよ」とジェスチャー。さらに女性の荷物を持ち上げるのを一緒に手伝ったというのだ。「最近はホントに外国の方が多いよなぁ。自分がいいことをしたら阪神にもいいことがあるんちゃうかなと、ちょっとそんな気持ちもあったわ」これまでビヤ樽の欲深く傲慢な姿や、とんでもない失敗談ばかり報じてきた虎ソナだから、この話を聞いてどう書いてよいのか困惑している。身長160センチのビヤ樽が、本当に荷物を持ち上げるのを手伝えたのかと、つい疑ってしまっている。実話ならば、ニッポンのためにも、阪神のためにも?ステキなことをしたじゃないか!そうしてビヤ樽が到着した神宮球場では、東京六大学リーグが大いに盛り上がっていた。ビヤ樽は元来、幸運な男だから、元西武で通算525本塁打を放った清原和博氏を父に持つ慶大・清原正吾内野手が明大戦で放った、九回2死からの起死回生同点ホームランもその目で見たという。「清原クンを初めて近くで見たけど、イケメンやったわ!」なんて興奮していた。新幹線の中での善行で得た〝運〟は、そちらで全部つかってしまったんじゃないのか...。阪神のヤクルト戦は序盤から劣勢になった。ビヤ樽は言う。「こういうときも佐藤輝と森下はしっかり打ってる。未来への希望はあるんや。来年は打てる外国人選手にも、ドカッと打線の真ん中に座っていてほしいな」。東京-広島間で運命が交差し、悔しくてたまらない日がやってきた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(1↑)
巨人
76587 0.567
(↑0.003)
-
(-)
2454
(+8)
374
(+1)
80
(-)
59
(-)
0.246
(↑0.001)
2.470
(↑0.01)
2
(-)
阪神
72626 0.537
(↓0.004)
4
(↓1)
3475
(+2)
411
(+7)
67
(-)
38
(-)
0.243
(-)
2.500
(↓0.03)
3
(-)
DeNA
67653 0.508
(-)
8
(↓0.5)
8500
(-)
483
(-)
98
(-)
61
(-)
0.257
(-)
3.120
(-)
4
(-)
広島
66675 0.496
(↓0.004)
9.5
(↓1)
5400
(+1)
404
(+8)
51
(-)
60
(+1)
0.238
(-)
2.600
(↓0.03)
5
(1↑)
ヤクルト
60754 0.444
(↑0.004)
16.5
(-)
4493
(+7)
541
(+2)
100
(+2)
66
(-)
0.243
(↑0.001
3.660
(↑0.01)
6
(1↓)
中日
58738 0.443
(-)
16.5
(↓0.5)
4364
(-)
467
(-)
65
(-)
37
(-)
0.242
(-)
3.000
(-)