広島(☆3対2★)阪神 =リーグ戦25回戦(2024.09.27)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
200000000001X3810
勝利投手:島内 颯太郎(10勝6敗0S)
敗戦投手:村上 頌樹(7勝10敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(16号・7回表ソロ)

  DAZN
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◆広島が劇的なサヨナラ勝利。広島は初回、坂倉の2点適時打で先制する。その後同点とされるも、延長12回裏に代打・末包が適時二塁打を放ち、試合を決めた。投げては、6番手・島内が2イニングを無失点に抑えて今季10勝目。敗れた阪神は、打線が9回以降の好機を生かせなかった。

◆広島は阪神最終戦で本塁打を打てるか。今季阪神戦はここまで24試合を消化して、本塁打は4月30日秋山、5月8日中村健、同21日末包の3本だけ。5月22日の9回戦から16試合続けて1発が出ていない。シーズン同一カードで17試合連続本塁打0となれば、12年オリックス(ソフトバンク戦)以来。広島では52年名古屋戦、54年中日戦の18試合に次いで球団3度目の記録となってしまう。

◆広島新井貴浩監督(47)が阪神25回戦を前に、今季限りでの引退を発表した野村祐輔投手をシーズン最終戦に先発させる意向を明かした。現役時代ともにプレーした後輩の決断に「なかなか上で登板する機会を与えてあげられなかったけど、それでもファームのほうで腐ることなく、ずっと準備をしてくれていたのは分かっているので、本当にお疲れさまでした」と労をねぎらった。野村の引退セレモニーはシーズン最終戦の10月5日を予定する。チームはクライマックスシリーズ進出圏内の3位浮上を狙う立場にあり、最終戦まで順位が確定していない可能性もある。それでも新井監督は「順位が決まっていようが決まっていまいが、それに値する選手だと思うので、こちらが整えてあげたい」と花道をつくる考えを明らかにした。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が、反撃ののろしをあげるチームトップタイの16号ソロを放った。2点を追う7回先頭で追い込まれてからの5球目、広島大瀬良の低めのフォークをすくい上げ、右中間スタンドまでかっ飛ばした。「なんとかまずは1点返したいと思っていたので、打ててよかったです。もう1打席あると思うので、しっかりチームに貢献できるように頑張るだけです」リーグ連覇へ負けられない一戦で、沈黙を続けていた打線に火を付けた。

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が終盤のピンチで火消しを果たした。1点ビハインドの7回1死一、二塁で登板。今季69試合目の登板となった。まずは代打磯村を8球かけて見逃し三振。2死一、二塁とし、1番秋山を左飛に仕留めた。先発大竹耕太郎投手(29)は7回途中6安打2失点。先輩左腕の粘投に応え、ピンチで踏ん張りを見せた。

◆阪神が森下翔太外野手(24)の適時打で8回に同点に追いついた。1-2の8回。1死一塁から犠打で2死二塁とすると、広島の左腕ハーンから三遊間を破った。二塁走者の近本光司外野手(29)が一気に本塁に生還して2-2に追いついた。森下は6試合ぶりの適時打で、チームトップの71打点目。試合前時点で得点圏打率リーグ4位の3割4分4厘の勝負強さを見せた。この日は巨人の優勝マジック3で迎え、負けられない戦いが続く。ビハインドから勝利へ希望をつなぐ同点打となった。

◆阪神が勝ち越しの絶好機を逃した。2-2の同点の9回、広島の守護神栗林に対して先頭佐藤輝明内野手(25)が右前打で出塁し、相手守備のミスもあり、無死一、三塁のチャンスをつくるも、代打糸原健斗内野手(31)が浅い右飛に倒れ1アウト。さらに1死満塁としたが、代打梅野隆太郎捕手(33)、1番近本光司外野手(29)が連続の空振り三振に倒れ、無得点に終わった。延長11回も2死一、二塁で梅野が見逃し三振に終わり、再びチャンスを逸した。延長12回も得点を挙げることができず、この日の勝利の可能性が消滅した。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が2打席連続3球三振で好機をものにできなかった。2-2の11回。2死一、二塁から梅野が広島島内と対決。2球で追い込まれると、3球目直球を見逃し天を仰いだ。梅野は9回にも1死満塁から代打で3球で空振り三振。2打席連続で3球三振を喫して、得点を奪えなかった。

◆阪神がサヨナラ負けで絶体絶命の状況に追い込まれた。逆転優勝の条件は、阪神が残り4試合に○○○○または○○○△で、巨人●●●の場合のみ。

◆阪神村上頌樹投手(26)が今季初めてリリーフで登板を果たした。同点の延長11回に登板。7回以降、桐敷、岩崎、石井、ゲラと1回ずつつないできたイニングだった。矢野、小園と2者連続で左飛。坂倉には粘られたが7球目で右飛に仕留め、この回3人で切り抜けた。村上のリリーフ登板は23年4月1日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来、545日ぶり。岡田監督は前日26日に「延長なったらそら当然な、つぎ込めるのはつぎ込めるよな」と話していた。逆転優勝へ、必死のタクトを振るったが延長12回裏に広島末包に右翼越えサヨナラ打を浴び、敗戦投手に。巨人のマジックは1となり、絶体絶命の状況に追い込まれた。

◆2位阪神が広島にサヨナラ負け。巨人の優勝マジックは1と絶体絶命に追い込まれた。同点の12回。今季初救援の村上頌樹投手(26)が2イニング目で勝ち越しを許した。1死から大山悠輔内野手(29)の失策で二塁に走者を置き、代打末包に右翼超えへサヨナラ打を打たれた。村上は打球を見届けると膝を手についてがっくり。岡田彰布監督(66)もじっとグラウンドを見つめた。巨人のマジックは1に減り、阪神は残り4試合。巨人は残り3試合と球団初のセ・リーグ連覇は絶望的な状況に追い込まれた。

◆広島が延長12回に代打末包昇大外野手(28)が右越え二塁打を放ち、サヨナラ勝利した。1死から代打野間が相手の失策を誘い、二塁へ進塁。2戦連続でスタメンから外れていた末包は、阪神6番手村上の外角球をたたくと打球は右翼へ。前進守備を敷いていた阪神島田のグラブの上を越えていった。二塁ベースを周り、サヨナラの走者の生還を確認すると両手を突き上げて喜んだ。「勝利を届けることができて本当に良かった」。プロ入り初のサヨナラ打で、苦しいチームに勝利をもたらした。1回に幸先よく2点を先制しながら終盤に1点ずつ返され、同点に追いつかれた。9回は栗林が自らの悪送球から1死満塁のピンチを招くも代打梅野、近本を2者連続三振に切った。延長10回は森浦が3者凡退。11回からは島内が2イニングを投げて無失点に切った。敗れれば球団ワースト記録の月間19敗目となる一戦を、総力戦で制した。▽広島新井監督(延長12回、末包のサヨナラ打に)「よくスエが打ったと思います。ここ数試合スタメン外れていて、本人も期するものがあったと思います。ナイスバッティングでした」▽広島島内(延長11回から2イニングを無失点に抑えて2桁10勝目)「それだけチームが同点から勝ち越している証拠でもあると思いますし、先発の勝ちを消して、僕の勝ちになっているのもある。野手の皆さんのおかげかなと思います」▽阪神島田(延長12回、末包の右翼への打球が頭上を越えサヨナラ打に)「捕りたかったのが一番だけど捕れなかった。ポジショニングとかもあるので、なんとも言えないです、そこは」

◆阪神大山悠輔内野手(29)が痛恨の失策を反省した。2-2の延長12回。1死で野間の一ゴロの当たりを処理するも、カバーに入った村上への送球が浮いた。村上とのタイミングも合わなかった。打者走者は二塁へ。悪送球でピンチとなり、その後のサヨナラ負けにつながってしまった。「すいませんでした。本当に申し訳ない」と猛省し球場を後にした。

◆阪神がサヨナラ負けを喫した。2点を先行されるも終盤に追いつき、延長戦に持ち込んだ。しかし、延長12回に力尽きた。巨人の優勝マジックは1となり、28日にもV逸が決まる。岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-よく追いついた「いや、ひっくり返しとかなアカンわな。チャンスでな」-要所で三振が「いつもそうやん、負ける時はそんなもんやん。ずっとやんか。1年間」-村上が11回はよく抑えたが「よく抑えたって、そら抑えるために投げさせてるから。最初から、な。最初の登板から、みんなもう、村上はあれやな。エラーでやられたな。ほんまにな。まあ、ああいうミスしたら負けるいうことや」-村上は普通には投げられていた「うん。投げとったよ、そら」-エラーがなかったら「普通にそら3者凡退で終わってるよ。大事なところでエラー出るもんな、エラーがみんな得点につながるやろ。開幕の京セラからやんか、村上は、ずーっとエラーに泣いたよな」-村上は悔し涙も「そら悔しいよ、お前そら、悔し涙って。負けたんやから、引き分けでもええわけやから、そんなん」

◆阪神森下翔太外野手(24)が一時同点打を放ち、意地を見せた。1-2の8回、1死から1番近本が左前打で出塁し、2番中野が犠打で二塁へ進めて「必勝パターン」をつくった。広島3番手ハーンにカウント2-2から154キロ直球を左前へはじき返した。「チャンスはつくれていたんですけど、なかなか1点取れない中で、チャンスで回ってきた時に1本出たのはすごく良かった」これで打点はチームトップの71打点。16日ヤクルト戦(甲子園)以来、6試合ぶりの適時打で試合を振り出しに戻した。23日の首位巨人との直接対決2戦目(甲子園)では4打数無安打に倒れ、チームも痛恨の完封負けを喫した。前日26日には「打てなかった事実がある。点数を取らないと勝てないので、結果を重点にやっていきたい」と気合。有言実行の一打を決めた。同点の延長12回には2死から10球粘って四球を選ぶも、後続が凡退。サヨナラ負けで逆転Vに後がなくなった。背番号1は「諦めることはないです」と懸命に前を向いた。▽阪神桐敷(7回1死一、二塁から登板して無失点)「ゼロで抑えられてよかった。森下が打ってくれて、流れをこっちに持ってこられたのはよかった」

◆阪神村上頌樹投手(26)がサヨナラ打を浴び、涙した。延長12回1死二塁。代打末包に右越えの適時打を浴び試合が決まった。涙でマウンドを降りた。「結局サヨナラ負けしたので自分のせいですし、自分のせいで負けた。失投ですね。頭越えてるので。ヒットは何があってもヒットなので。そこは変わりないので。しっかり低めに投げていればアウトになっていたと思うので。高めに浮いた分越えたんだと思います」と落胆した。岡田監督も「そら悔しいよ、お前そら、悔し涙って。負けたんやから、引き分けでもええわけやから、そんなん」と語った。▽阪神島田(延長12回、末包の右翼への打球が頭上を越えサヨナラ打に)「捕りたかったのが一番だけど捕れなかった。ポジショニングとかもあるので、なんとも言えないです、そこは」▽阪神石井(2-2の9回から登板し1回無失点)「2アウトとれたので、しっかり抑えたいと思って。ヒットを打たれましたけど、よかったかな」

◆阪神桐敷拓馬投手(25)が火消しでチームに流れを呼んだ。1点ビハインドの7回1死一、二塁のピンチで登場。代打磯村から外角低めいっぱいの150キロ直球で見逃し三振を奪うと、秋山は高めの直球で中飛に打ち取り無失点。直後の8回に一時同点に追いついた。「ゼロで抑えられてよかった。森下が打ってくれて、流れをこっちに持ってこられたのはよかった」。これで球団では10年久保田(71試合)以来の70試合登板まであと1試合とした。

◆阪神石井大智投手(27)が1回無失点で30ホールドに到達した。2-2の9回に登板。2死から大盛に内野安打を許したが、続く会沢を左飛に仕留めて1回無失点。「2アウトとれたので、しっかり抑えたいと思って。ヒットを打たれましたけど、よかったかなと思います」と安堵(あんど)した。桐敷とゲラも30ホールドに達しており、同一年に3人が到達するのは球団初となった。

◆広島が延長12回に代打末包のサヨナラ打で連敗を4で止めた。1回に幸先よく先制するも、終盤に1点ずつ返され同点に追いついた。延長戦は中継ぎ陣が踏ん張り、最後の攻撃となった12回は相手のミスから得た得点機で不振だった末包が阪神6番手村上から右越え二塁打を放った。プロ入り初のサヨナラ打で球団ワーストタイの月間19敗目を阻止した。試合後の新井貴浩監督(47)の談話は以下の通り。-最後は代打末包選手がサヨナラ打新井監督 よく、スエ(末包)が打ったと思います。ここ数試合スタメン外れていて、本人も期するものがあったと思います。ナイスバッティングでした。-スタメンを外れていた末包選手の状態新井監督 練習を見ても、今日もいい感じで打っていましたし、悔しい思いをしていると思うので、その悔しい思いをバットに乗せてくれたかなと。そんなサヨナラヒットだったと思います。-先発大瀬良投手を含めて投手陣も踏ん張った新井監督 (大瀬良)大地も立ち上がり、どうなるかなと思ったんですけど、尻上がりに調子を上げてくれて、ナイスピッチングだったと思います。その後を受けたブルペンもね。特に島内。よくイニングをまたいで2回を抑えてくれたと思います。-初回は大竹投手から坂倉選手のバットで2得点新井監督 2アウトからの得点でしたし、いいところで打ってくれたと思います。-阪神と今季最終戦。昨年王者と今季12勝12敗1分け新井監督 星は五分で終わりましたけど、戦っていて、やはり阪神タイガース、強いなと感じました。-守備で流れをつくる野球もできた新井監督 本当にね。アキ(秋山)にしてもね、矢野にしても。特にキクね。みんな本当いい守備だったと思います。相手に流れを渡さない、いい守備だったと思います。

◆阪神大竹耕太郎投手(29)の粘投は実らなかった。初回から4番小園の一塁線を破る右二塁打などで2死二、三塁のピンチ。5番坂倉に初球136キロ直球を捉えられ、ライナーでの2点先制右前打を浴びた。「大事な試合の重みを分かっていたが故に力が入ったのはありますけど。やっぱりそこで点を取られているのは責任は大きいので」逆転優勝へ1試合も落とせない終盤戦。通算9勝1敗で敵地では7勝無敗のコイキラー。相性の良さをもってしても緊張感に包まれた。2回以降は立て直し、7回途中6安打2失点。内容をまとめたが試合後は敗戦の責任をにじませた。「自分が打たれていなければ負けていないし、その事実は受け止めなきゃいけない。初回をちゃんと抑えていれば勝てる試合だった」。敵地広島戦で初めて逃した白星。前を向き、悔しさは次戦にぶつけるしかない。

◆広島は代打末包昇大外野手(28)がプロ入り初のサヨナラ打で、総力戦に終止符を打った。2-2の延長12回。1死二塁から阪神6番手村上の外角球を右翼方向に打ち返した。前進守備の阪神島田の頭上を越える決勝打で、チームの連敗を4で止めた。「スタートから出た人、途中から出た人も含め、粘って12回裏まで来たので、しっかり自分の役割をしたいなと思って割り切って入りました」。不振から2戦連続先発から外れるも、巡ってきた打席でチームに今季4度目のサヨナラ勝利をもたらし、球団ワースト記録となる月間19敗目を阻止した。

◆追い込まれていても関係ない。阪神佐藤輝明内野手(25)が豪快な1発を放った。2点ビハインドの7回先頭。大瀬良に追い込まれながらも低めの135キロフォークをすくった。片手ではらうように仕留める得意な形。3試合ぶりの16号ソロで1点差に迫った。「なんとかまずは1点返したいと思っていたので、打ててよかったです。もう1打席あると思うので、しっかりチームに貢献できるように頑張るだけです」。試合中のコメントから勝利への執念が伝わってきた。23日の巨人戦(甲子園)。0-0の6回無死二塁で中飛に倒れチャンスを広げることができなかった。天王山で敗れたゲーム。岡田監督は「状況のバッティングや」と報道陣に話していた。同じような場面があれば「バント要員いかすよ」と代打を送ることも示唆されていた。確かにミスはあるかもしれない。ただ、一振りで試合を動かせる長打が魅力の男だ。この日もビハインドの場面で一撃が出た。劣勢をはね返すように雰囲気を変えた。佐藤輝はそれができる。レギュラーシーズンは残り4試合となった。昨季は残り2試合で2試合連続本塁打。自己最多タイの24本塁打まで積み上げた。NPB左打者史上最長を更新する入団から4年連続20本塁打へ。どこまで迫ることができるか。4戦4発の強烈な追い上げなら偉業へ到達可能だ。それでも記録よりチームの勝利。「勝てなかったのが一番じゃないですかね」と唇をかんだ。2-2の9回には先頭で右前打を放ち満塁機まではつくった。延長11回も先頭で右前打。今季8度目の猛打賞で意地を見せた。当然、諦めない。巨人が勝利したため、28日にもV逸が決まる。崖っぷちだがファイティングポーズは最後まで崩さない。「しっかりもう1回気持ちを切り替えて、できることをやりたいと思います」。真っすぐ前を見てそう言った。【中野椋】

◆まさに悪夢だ...。岡田虎が執念の継投むなしく今季5度目のサヨナラ負けを喫した。2-2の延長11回に村上頌樹投手(26)が今季初めてリリーフ登板。2イニング目となった12回の1死二塁から広島末包に右越え二塁打を浴びた。首位巨人が中日に勝利したことで優勝マジックが1に減少。28日にも宿敵の優勝が決まる。アレンパを狙う阪神にとって絶体絶命の状況に追い込まれた。村上はがっくりと両膝に手を突いた。ベンチに戻ると帽子で顔を覆うようにうなだれて泣いた。「サヨナラ負けしたので自分のせいですし、自分のせいで負けた。失投です」。同点の延長12回1死二塁。広島代打末包の打球は前進守備の右翼を越えた。先発からブルペンに配置されて今季救援初登板。23年4月1日DeNA戦以来、545日ぶりの救援だった。村上の悔し涙を伝え聞いた岡田監督も、感情を隠さなかった。「そら悔しいよ、お前そら、悔し涙って。負けたんやから、引き分けでもええわけやから、そんなん」。引き分けなら巨人のマジックは1つ減って2。それが一気に2つ減ってしまった。痛すぎるサヨナラ負けだ。逆転優勝への秘策となるはずだった。延長11回から登板した村上は、1イニング目は3番矢野から始まる主軸を3者凡退。回またぎで上がった12回の悪夢だった。1死から一ゴロの当たりを一塁大山が捕球するも、ベースカバーに入った村上に投げきれず悪送球。二塁進塁を許し、決勝打につながった。「村上はあれやな。エラーでやられたな。ほんまにな。まあ、ああいうミスしたら負けるいうことや」。思い返せば、今季初先発だった4月2日DeNA戦(京セラドーム大阪)も、初回に味方の失策が絡んで4失点を喫し黒星。「大事なところでエラー出るもんな、エラーがみんな得点につながるやろ。村上は、ずーっとエラーに泣いたよな」。指揮官はそう言って右腕をかばった。今季の苦しい戦いを象徴するような試合となってしまった。2点ビハインドを終盤に追いついたが、勝ち越すことができなかった。9回は相手の失策も絡み無死一、三塁の絶好機をつくるも無得点。延長11回も1死二塁を生かせなかった。「ひっくり返しとかなアカンわな。チャンスでな。いつもそうやん、負ける時はそんなもんやん。ずっとやんか。1年間」。首位巨人の優勝マジックは1。まさに絶体絶命。それでも最後まで諦めるわけにはいかない。【磯綾乃】▽阪神島田(延長12回、末包の右翼への打球が頭上を越えサヨナラ打に)「捕りたかったのが一番だけど捕れなかった。ポジショニングとかもあるので、なんとも言えないです、そこは」▽阪神石井(2-2の9回から登板し1回無失点)「2アウトとれたので、しっかり抑えたいと思って。ヒットを打たれましたけど、よかったかな」

◆阪神は大竹耕太郎投手(29)が先発する。マツダスタジアムでは通算7戦7勝。今季も3戦3勝、防御率0・90と敵地で鯉キラーぶりを発揮する。2ゲーム差でマジック3の首位・巨人を追いかけるべく好投を目指す。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)が一回に2点を失った。先頭の秋山に初球を捉えられ、右前打。2死を奪うも、4番・小園に右翼線へ二塁打を浴び、2死二、三塁から坂倉に右前への2点打を許した。マツダスタジアムでは通算7戦7勝。今季も3戦3勝、防御率0・90と敵地で鯉キラーぶりを発揮する左腕だが、立ち上がりに出ばなをくじかれた。

◆阪神打線に元気がない。広島の先発・大瀬良の前に一回は2死満塁の好機を作りながらも前川が一ゴロに倒れて無得点。二回も2死二塁としながら近本が左飛に倒れた。三回から六回までは大瀬良の前に三者凡退。22日の巨人戦(甲子園)の三回に1得点を奪ってから、これで20イニング連続無得点となった。負けられない一戦で2点を追いかける苦しい展開。流れを変える一打が求められる。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が0-2の七回先頭で16号ソロを放った。カウント2-2から大瀬良の145キロフォークをすくいあげた。打球は右中間スタンドに突き刺さる16号ソロ。チームとしても21イニングぶりの得点をマークして反撃ののろしをあげた。佐藤輝は21日のDeNA戦(横浜)以来、3試合ぶりの一発となった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が0-2の七回先頭で16号ソロを放った。カウント2-2から大瀬良の145キロフォークをすくいあげた。打球は右中間スタンドに突き刺さる16号ソロ。チームとしても21イニングぶりの得点をマークして反撃ののろしをあげた。佐藤輝は21日のDeNA戦(横浜)以来、3試合ぶりの一発となった。「打ったのはフォーク。なんとかまずは1点返したいと思っていたので、打ててよかったです。もう1打席あると思うので、しっかりチームに貢献できるように頑張るだけです」とコメントした。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(29)は七回途中2失点で降板した。一回に坂倉に2点打を浴びたが、二回以降は緩急を駆使した投球で鯉打線から凡打の山を築いた。通算7戦7勝と好相性のマツダスタジアムで、味方の反撃を信じて粘り強く投げ込む。佐藤輝の16号ソロで1点をかえした直後の七回、先頭の菊池に中前打を許すと、続く代打・堂林の犠打で1死二塁のピンチ。会沢に四球を与えたところで、岡田監督から交代が告げられた。1死一、二塁のピンチでマウンドへと上がった2番手の桐敷は、代打・磯村を150キロ直球で見逃し三振。秋山を左飛に打ち取ってピンチをしのいだ。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が八回に起死回生の同点打を放った。1-2で迎えた終盤。1死から近本が左前打で出塁すると、岡田監督は迷わず中野に犠打。2死二塁と得点圏に走者を進めて、クリーンアップに託した。打席には3番・森下。ハーンの154キロ直球を振り抜いた。痛烈な打球は三遊間を破って左前へ。近本が同点のホームへとかえってきた。森下が6試合ぶりの打点をあげ、試合を振り出しに戻した。

◆阪神は広島に延長十二回、サヨナラ負けを喫した。0-2の七回に佐藤輝明内野手(25)の16号ソロで1点差に詰め寄ると、八回は2死二塁で森下翔太外野手(24)が左前適時打。同点に追いついた。九回は満塁のチャンスを作ったが、近本が空振り三振に倒れるなどで得点できなかった。先発の大竹耕太郎投手(29)は一回に坂倉に2点打を浴びたが、二回以降は緩急を駆使した投球で鯉打線から凡打の山を築いた。通算7戦7勝と好相性のマツダスタジアムで試合を作り、七回1死一、二塁のピンチで降板。後を受けた桐敷が無失点で切り抜けると、岩崎、石井が無失点でつないでリードを守り、試合は延長戦に突入した。延長十二回、1死二塁で6番手の村上が末包にサヨナラ打を浴び、痛恨の黒星となった。首位の巨人が勝利したため、優勝マジックは「1」になった。

◆広島が延長戦の末にサヨナラ勝ちし、連敗を4で止めた。2―2の十二回1死二塁から代打末包が右越えに決勝二塁打を放った。島内が10勝目。阪神は終盤に追い付く粘りを見せたが、もう1本が出なかった。最後は村上が打たれた。

◆延長十二回1死二塁、広島・末包昇大にサヨナラ打を浴びた阪神・村上頌樹=マツダスタジアム(撮影・渋井君夫)

◆阪神が試合前時点で9月4勝18敗の広島に延長十二回、サヨナラ負け。中日を下した首位巨人の優勝マジックは「1」となった。村上頌樹投手(26)が回またぎとなった十二回、1死から野間峻祥外野手(31)のゴロを処理した大山悠輔内野手(29)の一塁へのトスが乱れて、二進を許し、末包昇大外野手(28)に右越え二塁打を浴びた。九回1死満塁で代打・梅野隆太郎捕手(33)、近本光司外野手(29)が連続三振。十一回2死一、二塁でも梅野が見逃し三振に倒れた。七回の佐藤輝明内野手(25)の16号ソロと八回の森下翔太外野手(24)の左前適時打で追いついたものの、勝ち越せなかった。12三振の打線は直近3試合29イニングで3得点。チームは28日、神宮でヤクルト戦、巨人はマツダで広島戦に臨み、試合開始はともに午後6時予定。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=72勝61敗6分、観衆=3万885人)。ーーよく追いついた「いや、ひっくり返しとかなアカンわな。チャンスでな」ーー要所で三振が「いつもそうやん、負ける時はそんなもんやん。ずっとやんか。1年間」ーー村上は十一回はよく抑えたが「よく抑えたって、そら抑えるために投げさせてるから。最初から、な。最初の登板から、みんなもう、村上はアレやな。エラーでやられたな。ホンマにな。まあ、ああいうミスしたら負けるいうことや」ーー村上は普通には投げられていた「うん。投げとったよ、そら」ーーエラーがなかったら「普通に、そら三者凡退で終わってるよ。大事なところでエラー出るもんな。エラーがみんな得点につながるやろ。開幕の京セラ(自身の初登板となった4月2日のDeNA戦で佐藤輝が一回に失策)、からやんか、村上は、ずっとエラーに泣いたよな」ーー村上は悔し涙も「そら悔しいよ、お前、そら。悔し涙って。負けたんやから、引き分けでもええわけやから、そんなん」

◆阪神が試合前時点で9月4勝18敗の広島に延長十二回、サヨナラ負け。中日を下した首位巨人の優勝マジックは「1」となった。村上頌樹投手(26)が回またぎとなった十二回、1死から野間峻祥外野手(31)のゴロを処理した大山悠輔内野手(29)の一塁へのトスが乱れて、二進を許し、末包昇大外野手(28)に右越え二塁打を浴びた。九回1死満塁で代打・梅野隆太郎捕手(33)、近本光司外野手(29)が連続三振。十一回2死一、二塁でも梅野が見逃し三振に倒れた。七回の佐藤輝明内野手(25)の16号ソロと八回の森下翔太外野手(24)の左前適時打で追いついたものの、勝ち越せなかった。12三振の打線は直近3試合29イニングで3得点。チームは28日、神宮でヤクルト戦、巨人はマツダで広島戦に臨み、試合開始はともに午後6時予定。主な選手のコメントは以下の通り(成績=72勝61敗6分、観衆=3万885人)。サヨナラ打を浴びた村上頌樹 「自分のせいです。今日は自分のせいで負けたので、失投です」七回に16号ソロを放った佐藤輝明 「(同点から)追加点が取れなかったので残念です」延長十二回、野間峻祥の捕球後、一塁へのトスが乱れた大山悠輔 「すみませんでした。本当に申し訳ない」七回途中2失点で降板した大竹耕太郎 「自分が打たれていなければ負けていないですね」代走から左翼に入り、延長十二回に右翼に回り、サヨナラ打が頭上を越えた島田海吏 「ランナーを刺す位置という指示だったので、捕りたかったですね。それが一番ですけど、捕れなかったので。ポジショニングとかにもよると思うんですけど、なんとも言えないです。そこは」痛い一敗に森下翔太 「諦めることはないですね、はい」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は一回2死二、三塁で先制の2点打を浴びた阪神・大竹耕太郎投手(29)に苦言を呈した。決勝点に直結した延長十二回の大山の失策は痛かったが、一番気になったのは大竹が一回に坂倉に適時打を浴びたシーンだ。絶対負けられない、大事な試合。先制点は与えたくない。いきなり2死二、三塁。慎重すぎるぐらい慎重に投げなければいけない条件はそろっていた。ところが、初球、不用意に思える真ん中付近への真っすぐ。投手心理は早くアウトを取りたくなるのだが、そこは捕手もうまくリードすべき。七回途中2失点の投球内容は、普通なら責められないのだが、この試合の重要性を考えると、悔やまれる一球だ。坂倉の前の小園に緩い球を続けた攻めも疑問。シーズン終盤になり、大竹の緩い球は、相手も予想している。この先、ポストシーズンの「負けられない試合」が続く。一球が命取りになる。この日の失敗を、次の舞台に生かしてもらいたい。攻撃面では、九回1死満塁で代打梅野、十一回1死二塁で代打井上を送ったが、原口を起用しても面白かった。岡田監督は捕手2人制により、故障も考慮して温存したのだろう。考え方は理解するが、切り札を使わずに負けてしまっては「もったいない」と思ってしまう。

◆広島がサヨナラ勝ちで連敗を4で止めた。クライマックスシリーズ出場を争う3位DeNAと1ゲーム差に接近。試合後の新井貴浩監督(47)の一問一答は次の通り。ーー延長十二回に末包がサヨナラ打を放った「よく、スエが打ったと思います。ここ数試合スタメン外れていて、本人も期するものがあったと思います。ナイスバッティングでした」ーー大瀬良は6回3安打1失点。黒原、ハーン、栗林、森浦、島内の継投で踏ん張った「大地も立ち上がり、どうなるのかなと思ったんですけど、尻上がりに調子を上げてくれて、ナイスピッチングだったと思います。その後を受けたブルペンも、特に島内はよくイニングをまたいで2回、抑えてくれたと思います」ーー一回には難敵の大竹から坂倉が2点打を放った「2アウトからの得点でしたし、いいところで打ってくれたと思います」ーー阪神とは今季最終戦。昨年王者と今季12勝12敗1分け「星は五分で終わりましたけど、戦っていて、やはり阪神タイガース、強いなと感じました」ーーファンも待っていた1勝。試合前には野村が引退を発表。いろんな思いがあった試合だった「こういう状況にもかかわらず、きょうもたくさんのファンの方が球場に来ていただいて、遅くまで残っていただいて、感謝していますし、ファンの皆さんに勝ちをお見せすることができてホッとしています」ーー28日はマジック1の巨人を迎える「うちはもう目の前の一戦なので、あしたの試合にきょうのサヨナラ勝ちをつなげていきたいと思います」

◆この日から救援陣に加わり、同点の延長十一回から登板した阪神・村上だったが、十二回にサヨナラ打を浴びて涙を流した。「自分のせいで負けた。失投です」。末包にV打を決められた直後は両ひざに手をつきしばらく動けず、球場をあとにする際も目を赤らめていた。昨年4月1日のDeNA戦(京セラ)以来、2度目のリリーフ登板でチーム最速&自身初の10敗目を喫する悔しい結果となった。

◆阪神・石井が2-2の九回に4番手でマウンドに上がり、無失点投球で流れを渡さなかった。2死から大盛に二塁内野安打を許したが、会沢をスライダーで左飛に仕留めた。「自分の役割を果たそう、ピンチになってもゼロで帰ってこようと思っていた」。8月31日の巨人戦(甲子園)から14試合連続無失点。黙々と仕事をこなし、今季30ホールドを記録。ゲラ、桐敷に続き、チーム3人目となった。

◆劣勢の空気を変えても勝てなかった。非情なまでのサヨナラ負けに阪神・佐藤輝は言葉を絞り出した。「勝てなかったので、それが一番じゃないですか」0-2で迎えた七回先頭。大瀬良の135キロフォークを振り抜いた。右中間スタンドへ反撃ののろしをあげる16号ソロ。流れをひと振りで変えた。九回先頭も、延長十一回先頭も右前打を放って今季8度目の猛打賞。最後までファイティングポーズを崩すことはなかったが、チームは負けた。奮闘した一戦にも「追加点がとれなかったので残念です」と笑顔はなかった。「しっかりもう一回気持ち切り替えて、できることをやりたいと思います」わずかでも可能性がある限り、佐藤輝は前を向いて戦う。(原田遼太郎)

◆阪神・桐敷がピンチでの出番で好救援だ。1-2の七回1死一、二塁でマウンドへ。代打・磯村を見逃し三振に抑えると、秋山は3ボールからの4球目、149キロで左飛に仕留め、直後の八回の一時同点劇を呼んだ。これで自己最長更新の16試合連続無失点。左腕は「ゼロでいけてよかった。森下が(同点打を)打ってくれたので、流れを持ってこられたのかなと思いますけど」。まさかのサヨナラ負けで素直に喜べなかった。

◆先発した阪神・大竹は一回の2失点を猛省した。「初回にちゃんと抑えていれば勝てる試合だった。大事な試合の重みを分かっていたがゆえに力が入ったところはあるが、そこで点を取られている責任は大きい」。通算7戦7勝で乗り込んだマツダでは初めて白星を手にできず。「取り返せるのはこの先の試合しかない」とポストシーズンも含め、悔しさは今後の出番で晴らす。

◆球団ワーストタイの月間19敗目を何とか阻止した。広島がサヨナラ勝ちで連敗を4でストップ。プロ初の劇打を放った末包はお立ち台で「ようやく勝利を届けることができた」と目を潤ませた。「幸せ。(サヨナラ打が)こんなに気持ちがいいものとは思わなかった」引き分け目前だった2─2の延長十二回に打線が底力を発揮した。1死から野間が一ゴロに全力疾走で一塁・大山の失策を誘うと二塁へ。ここで代打・末包が東洋大時代の後輩の村上の変化球に食らい付き、打球は右翼手の頭上を越える二塁打となった。今季限りでユニホームを脱ぐ先輩に勝利を届けた。先発の大瀬良は引退を発表した野村が好きだった「Mr.Children」の曲でマウンドへ。末包も「3年間お世話になった」と感謝を示した。残り6試合。この日試合のなかった3位DeNAとのゲーム差を1に縮めた。「サヨナラ勝ちをつなげたい」と新井監督。今月はまだ2試合あるが、全員野球で〝負の記録〟を止め、クライマックスシリーズ出場につなげる。(柏村翔)

◆阪神は痛恨のサヨナラ負け。勝利した首位巨人の優勝へのマジックナンバーが「1」となり、28日にもセ・リーグ連覇を逃す窮地に追い込まれた。岡田彰布監督(66)は十一回から村上頌樹投手(26)を中継ぎ起用したが、十二回に味方の失策からピンチを背負い、サヨナラ打を浴びた。流れを手放すのは一瞬だった。延長十二回に突入した一戦の膠着(こうちゃく)した展開を、たった一つのミスから壊してしまった。岡田監督もあきれたように、慢性的な虎の〝弱み〟を指摘。大山の痛恨エラーからピンチを背負った村上が劇打を浴び、28日にもV逸という土俵際に追い込まれた。「普通にそら、三者凡退で終わってるよ。大事なところでエラー出るもんな、エラーがみんな得点につながるやろ」この日から中継ぎ待機となった村上が2-2の延長十一回から登板。2イニング目の十二回、1死から代打・野間の一、二塁間へのゴロを捕球した一塁・大山が反転してトスしたが、一塁のベースカバーに入った村上が届かないほどの悪送球で二塁まで進めてしまった。「ああいうミスしたら負けるいうことや」と指揮官。1死二塁で代打・末包が右腕の投じたカットボールをはじき返し、白球は無情にも右翼・島田の頭を越えた。「開幕の京セラからやんか、村上は、ずーっとエラーに泣いたよな」今季、村上の初登板となった4月2日のDeNA戦(京セラ)でも、0-0の一回1死一、三塁で佐藤輝のファンブルから失点し、試合も敗れた。今季のチーム失策数「84」はDeNAの「90」に次ぐ数字。守り勝つ野球が信条の岡田監督にとって、シーズンを通して悩みの種だったミスが、この日も負けに直結した。打撃陣も勝負どころで一本が出なかった。2点ビハインドから試合を振り出しに戻し、中継ぎ陣が無失点でバトンをつないだが、九回無死一、三塁と延長十一回2死一、二塁で無得点。チャンスで三振に倒れる場面も、今季何度も繰り返してきた光景だった。「ひっくり返しとかなアカンわな。チャンスでな。いつもそうやん、負けるときはそんなもんやん。ずっとやんか。1年間」首位巨人の優勝マジックは2つ減って「1」。岡田阪神が窮地に追い込まれた。連覇の夢はこのままはかなく散ってしまうのか-。(新里公章)

◆悲しいサヨナラ負けで、巨人のマジックが「1」。いよいよ虎は崖っぷち。阪神ファンにとっては大ニュースだ。ただ、テレビのニュースは「自民党総裁選」一色だった。大谷翔平悲願のドジャース優勝もあったのだが、さすがに世の中は、日本の首相を決めることになる選挙の注目度は特別だ。結果も、シーズン終盤の阪神vs巨人のデッドヒートに負けないぐらいの接戦だった。高市早苗総裁なら、女性初であり、熱狂的虎党の首相誕生ということで、わが大阪サンスポの紙面も盛り上がったかもしれない。昔、「阪神が優勝したら〇〇新聞の玄関前で六甲おろしを歌う」と宣言。半端ない阪神ファンだ。よく、関西のスポーツ新聞を愛読している話をされていたっけ。マツダスタジアムの記者席で、誰よりも選挙の動向を注視していたのがトラ番・邨田直人。「高市さんはわが母校(神戸大)の先輩なので、選ばれたら母校に取材に行かされるかも、と思って見ていました」取材の心の準備をしているのは立派だ。残念ながら、夢はかなわず。事実上、首相を決める選挙のおかげで、他のニュースもかすみがち。最近、注目の兵庫県知事の話題も27日は小休止だ。「ボク、兵庫県知事、取材したんですよ」再び邨田記者が登場。何の話題にでも絡んでくる。それだけ、あちこちでよく取材して、しっかり記憶している証拠でもある。「去年の暮れに、阪神が日本一になったことで中野選手が兵庫県庁を表敬訪問したんです。その際に知事から話も聞いたし、写真も撮ったし。まさか、あの時の人がこんなトラブルになるとは思ってもみませんでした」渦中の人は、阪神、オリックスの優勝パレードにも絡んでいるから、トラ番も気になる。「まあ、今、一番気にしているのはもちろん阪神です。優勝の可能性は厳しくなってますが、諦めてません。ここまでローテーション投手を全く無理させずシーズンを戦い抜いている点はすごくないですか。ポストシーズンに向けても、強さを感じています」〝過労〟のない先発陣を自慢してきた邨田。確かに、この先発陣の顔ぶれを見ていたらCS、日本シリーズも勝ち抜けそうな気分になってくる。ところで、トラ番は1年でも屈指の移動が大変な時期。シーズン終盤ならではの厳しい日程が追い打ちをかける。雨天中止などの試合を〝空いている日〟に組み入れていくから、移動がメチャクチャになるのだ。27日夜は広島にいたタテジマは、28日は神宮でヤクルト戦。29日は甲子園でDeNA戦。あっちへこっちへ、移動&試合が繰り返される。トラ番軍団、さぞ重苦しいだろう、と思ったのだが。邨田いわく-。「それが僕だけは元気はつらつ。実は先週、夏休みだったんです」優勝するかどうかの、この佳境に夏休み?「休みを決めたのは8月です。もし、大忙しの事態になったらいつでも出勤しますよ!とデスクと約束してたんですが、やっぱり気になって、先週の巨人との甲子園決戦はテレビで見てました」おかげで、休みの日も取材をした気分に。復帰したら、延長の長い試合の末にショックな結末...。辛いよなぁ。

◆貧打vs貧打の両チームの結末が延長十二回、大山のエラーとライト島田の軽率なプレー(記録はサヨナラヒット)で巨人はマジック1...。アレンパに最後の悪あがきもできんのかー!! と、怒りながらも1点ビハインドの八回1死一塁から中野にバントをさせて、森下のタイムリーを呼び込んだり、九回無死一塁から小野寺にきっちりバントをさせて、チャンスを広げる高校野球采配は短期決戦のクライマックスシリーズでは絶対不可欠!! 徹底してやったれよ!!てか、先日岡田はんは佐藤輝でも代打を送ると言っていたけど、それはやっぱりダメー!! やっぱ本日もホームラン打ってるし...。だったらポストシーズンに向けて徹底してバントもできるサトテルを寝る時間も惜しんで作り上げたらええやん!!さらに、全く打撃がどーにもならない中野を思い切って外せるのか岡田さん? いや、それは守備を考えたら無理? じゃ打順を木浪と交代? ああ、分からーん!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
75587 0.564
(↑0.003)
M1
(↑2)
3446
(+3)
373
(+1)
80
(-)
59
(-)
0.245
(↑0.001)
2.480
(↑0.01)
2
(-)
阪神
72616 0.541
(↓0.004)
3
(↓1)
4473
(+2)
404
(+3)
67
(+1)
38
(+1)
0.243
(↓0.001)
2.470
(-)
3
(-)
DeNA
67653 0.508
(-)
7.5
(↓0.5)
8500
(-)
483
(-)
98
(-)
61
(-)
0.257
(-)
3.120
(-)
4
(-)
広島
66665 0.500
(↑0.004)
8.5
(-)
6399
(+3)
396
(+2)
51
(-)
59
(-)
0.238
(↓0.001)
2.570
(↑0.01)
5
(-)
中日
58738 0.443
(↓0.003)
16
(↓1)
4364
(+1)
467
(+3)
65
(-)
37
(-)
0.242
(-)
3.000
(-)
6
(-)
ヤクルト
59754 0.440
(-)
16.5
(↓0.5)
5486
(-)
539
(-)
98
(-)
66
(-)
0.242
(-)
3.670
(-)