日本ハム(★1対3☆)楽天 =リーグ戦22回戦(2024.09.25)・エスコンフィールド北海道=
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楽天
3000000003701
日本ハム
0010000001501
勝利投手:藤井 聖(11勝5敗0S)
(セーブ:則本 昂大(3勝3敗32S))
敗戦投手:金村 尚真(6勝6敗0S)

本塁打
【楽天】安田 悠馬(2号・1回表3ラン)
【日本ハム】郡司 裕也(12号・3回裏ソロ)

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◆楽天は初回、安田の3ランで先制に成功する。投げては、先発・藤井が6回4安打1失点の好投。その後は藤平、鈴木翔、則本とつないでリードを守り、藤井は今季11勝目を挙げた。一方の日本ハムは、引退試合を迎えた鍵谷が先発登板。打者2人を打ち取り、有終の美を飾った。

◆日本ハムは今季103本塁打のうち、エスコンフィールドで65本。日本ハムのシーズン同一球場最多本塁打記録は00年東京ドームの104本だが、北海道移転後の上位を出すと(1)04年札幌ドーム69本(2)24年エスコンフィールド65本(3)05年札幌ドーム62本。現在2位まで順位を上げており、5本以上打てば記録を塗り替える。エスコンフィールド残り4試合で本塁打数をどこまで伸ばすか。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が試合前練習中に、視察に訪れた侍ジャパン井端弘和監督(49)と約30分間、会談した。新庄監督は一塁側ベンチ横に設置された「SHINJOステージ」に井端監督を招き入れ、並んで座りながら身ぶり手ぶりを交えて熱く語り合った。侍ジャパンは11月に開催される「ラグザス presents 第3回プレミア12」を控えている。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が、引退登板の鍵谷陽平投手(34)を花束持参でねぎらった。1回、先発の鍵谷が楽天小郷を二ゴロ、小深田を遊直に打ち取ると、新庄監督が花束を持ってベンチを飛び出した。球審に投手交代を告げ、そのままマウンドへ。プロ12年間で420試合登板の右腕に花束を手渡し、抱擁した。ナインは外野手も含めてマウンド付近に集まった。スタンドからは大きな拍手。2/3回を無安打無失点に抑えた鍵谷は、場内全方向に頭を下げ、降板した。鍵谷陽平(かぎや・ようへい)1990年(平2)9月23日、北海道七飯町生まれ。北海では2年秋からエースで、3年夏に甲子園出場。中大を経て12年ドラフト3位で日本ハム入団。19年途中に吉川光夫、宇佐見真吾との2対2トレードで藤岡貴裕とともに巨人移籍。23年オフに自由契約となり、日本ハムに育成契約で復帰。今年7月に支配下登録。178センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆/腕を振り続けてきた12年間\しのぎを削った郷里の地で#鍵谷陽平 現役ラストの施錠完了?プロ野球(2024/9/25)?? 日本ハム×楽天??Live on DAZN#DAZNプロ野球#lovefighters pic.twitter.com/w5BpgAPvLH

◆日本ハム田宮裕涼捕手(24)の今季盗塁数が「10」に到達した。5回の第2打席、この日2本目となる左前打で出塁すると、続く松本剛外野手(31)の初球に二盗に成功。捕手登録の選手が2桁盗塁を達成するのは、球団では1984年大宮龍男(11個)以来40年ぶり。パ・リーグでも2000年のダイエー城島健司(10個)以来24年ぶりの記録となる。強肩好打に加え、俊足を武器に今季ブレークを果たすした田宮が、またひとつ勲章を手にした。捕手と盗塁 シーズン2桁盗塁は、最近では19年阪神梅野の14個。セ・リーグでは09年に10盗塁の阪神狩野以来の2桁だった。パ・リーグでは近年、19年ソフトバンク甲斐、10年楽天嶋が各9盗塁をマークしているが、2桁は00年ダイエー城島までさかのぼる。日本ハムの直近では、大宮龍男がシーズン4度(79、81、83、84年)の2桁盗塁を記録。シーズン最多は52年大洋荒川の32盗塁。

◆日本ハム鍵谷陽平投手(34)が、1軍公式戦で初めて立ったエスコンフィールドのマウンドで、プロ野球人生に幕を下ろした。楽天小郷を二ゴロ、小深田を遊直に抑え、2/3回無失点で通算420試合目の登板を終えた。投手交代時は新庄剛志監督(52)が花束を持ってマウンドまで足を運び、抱擁。道産子右腕の有終に、本拠地スタンドは大きな拍手に包まれた。涙はこらえた。何度も笑顔を見せ、鍵谷は最後の登板を楽しんだ。小郷をフォークで二ゴロに仕留めると、小深田は147キロの直球で詰まらせた。「抑えることができたことが一番。エスコンフィールドのマウンドは、とても気持ちよかったです」。2死を取ったところで、花束を持った新庄監督がマウンドへ。鍵谷は指揮官と抱き合い、チームメートと握手した。「野球人生を最高の形で終えることができました」。晴れやかな表情で、本拠地ファンに頭を下げた。6年ぶりのCS進出が目前に迫っている中での引退登板となった。それも1年目の2試合しか経験のない先発。「正直に言うと戸惑いの方が大きかった」という本音は、気遣いの男・鍵谷らしい。だが、日本ハム、巨人で、どんな展開でも腕を振ってチームを支えてきたセットアッパーは「僕のプロ野球生活12年間、行けと言われたところで行くのが仕事でしたので」。最速147キロの直球に、フォーク、スライダー。全力で投げた9球に、感謝を込めた。昨オフ巨人で戦力外通告を受けた。育成契約で古巣で再出発した今季は「どう自分の最後を過ごすかっていうのを常に考えながらの1年だった。(引退の決断は)いつっていうよりも、もう毎日考えたっていう感じです」。日々、覚悟を伝えてきた家族からは「お疲れさま」とねぎらわれた。「1回組みたかった」という同い年・伏見との道産子バッテリーは実現しなかったが、「もう本当に夢のような時間でした。僕みたいな野球選手が七飯町から出てきて、まさかファイターズ、地元の球団に取っていただけるとも思っていなかった。これだけ試合に投げられるとも思っていなかったので、本当にたくさんの指導者の方に恵まれ、仲間に恵まれ、ここまで来られたと思う」。1年目には本拠地移転後初の道産子勝利投手となった、球団にとっても特別な存在。秋の気配が濃くなってきた北海道に、温かな拍手が降り注いだ。【本間翼】鍵谷陽平(かぎや・ようへい)1990年(平2)9月23日、北海道七飯町生まれ。北海では2年秋からエースで、3年夏に甲子園出場。中大を経て12年ドラフト3位で日本ハム入団。19年途中に吉川光夫、宇佐見真吾との2対2トレードで藤岡貴裕とともに巨人移籍。23年オフに自由契約となり、日本ハムに育成契約で復帰。今年7月に支配下登録。178センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆日本ハムが「グシャン」という衝撃音で一気に現実に引き戻された。引退登板の鍵谷が打者2人を完璧に抑えて、プロ野球人生を感動的に締めくくった直後。2番手で登板した"先発"金村が、1つのアウトを奪うのに苦労した。1回2死無走者で引き継いだ、感動の余韻が残る、特殊なマウンド。コントロールに自信がある2年目右腕のメカニズムが、慣れない雰囲気の中で狂ってしまった。3番辰己にいきなり四球を与えると、4番浅村には遊撃への内野安打。2死一、二塁とされて5番安田のフルスイングから放たれた「グシャン」という衝撃音。フルカウントから投じた147キロ直球を完璧に捉えられた。右翼席へ先制2号3ランを運ばれた。感動ムードが一転、3点ビハインドからのスタート。いきなり重たい試合展開となってしまった。この日も「勝てばCS進出」が決まる試合だった。同様の条件だった23日西武戦は先制しながら逆転負け。その試合後の新庄監督は「時間の問題でしょ」とすぐに気持ちを切り替えた。この日を含めて残り9試合で1勝がAクラス確定の条件。ここまでの選手たちの戦いぶりを見れば、時間の問題と言える自信もある。そして、この日から29日までに本拠地エスコンフィールドで4試合を戦う。「『エスコンで決めたら』って言ってくれてるような」。最高の舞台は整ったが、苦しい試合展開は新庄監督にささやいてくれた野球の神様による、最後の試練なのかもしれない。「野球は気を抜くと怖い」というのは指揮官の決まり文句。監督も選手も常に気張っている中で、合言葉は「愉しむ」。決しては楽はせず、心からヒリヒリした野球の試合ができる喜びを感じながら、必ず北海道で日本一への挑戦を勝ち取る。【木下大輔】

◆"杜(もり)の都のゴジラ"が、完璧なアーチを突き刺した。1回2死一、二塁。楽天安田悠馬捕手(24)が、フルカウントから日本ハム金村の真ん中高め147キロ直球を強振。右翼席に2号先制3ランを運んだ。2死から辰己が四球、浅村が遊撃内野安打で作ったチャンスをものにして3試合連続打点をマークした。6回には左前打を放ち、スタメン出場した19試合で9度目の複数安打となった。トレードマークは赤いレンズが印象的なオークリー社製の眼鏡だ。両目ともに視力0・5ほどだが、昨季まではコンタクトをつけたり、つけなかったりでグラウンドに立っていた。「合わなかったっすね。あんまり見えづらかったので眼鏡に変えました」。現役時代に眼鏡をかけプレーしていた小山2軍投手コーチの勧めもあり、新たなスタイルでプレーしている。8月6日に初昇格すると、9月上旬からは打力を買われてDHでのスタメンも増えた。11試合連続安打を放つなど試合前時点で9月の月間打率は3割9厘と好調だ。エスコンフィールドでは激闘が多い。試合前の勝敗は4勝5敗2分けとほぼ互角。シーソーゲーム、終盤の逆転劇など簡単に終わる試合はない。今江監督は「何が起こるか分からない高校野球の地方大会のような試合も何個かあるので、ゲームセットまでドキドキが止まらない球場ですよね」と表現する。CS進出圏内の3位浮上へ落とせない一戦。何かが起こるエスコンで安田がインパクトを残した。【山田愛斗】

◆先輩の最後の勇姿を目に焼き付けた日本ハムエース伊藤大海投手(27)が、チームを6年ぶりのCS進出に導く。26日楽天戦に先発。北海道・鹿部町出身の右腕はこの日、隣接する七飯町出身の鍵谷の現役ラスト登板を目に焼き付けた。「"道南の意志"を引き継ぐ思いで最後の姿を見させていただいた。僕も明日そういう思いを背負った中でマウンドに上がれたら」と意気込んだ。

◆日本ハム鍵谷陽平投手(34)の後を受けて2番手でマウンドに上がった金村尚真投手(24)は、直後に安田に3ランを浴びた。「鍵谷さんがいい形で抑えてくれたので、それに続いて初回は終わりたかったです。うまく試合に入れず、相手に流れを渡してしまい申し訳ないですし、悔しいです」。2回以降は粘ったが7回1/3を7安打3失点で6敗目を喫した。

◆試合後に行われた日本ハム鍵谷陽平投手(34)の引退セレモニーに、ドラフト同期のドジャース大谷翔平投手(30)がビデオレターで登場した。「鍵谷さん、日本ハムファイターズファンのみなさん、こんにちは。そしてお久しぶりです。この動画を見るころには感激のあまり涙で前が見えていないんじゃないかなと思っています。もしそうでないとしたら、少し僕は悲しいです。鍵谷さんとは同期で入団して、同期の選手たちが現役を退いていく中、長い間現役で頑張ってる姿を僕も見させてもらって、一緒に頑張りたいなという気持ちでこれまで頑張って来ました。今回引退されると聞いて少し悲しいですが、それと同時に僕自身も、もっと頑張りたいなという気持ちになっています。これからも応援しています」突然の登場にスタンドはどよめき、鍵谷も「びっくりしました」と驚いた。「優勝争いをしていて、すごい大変な中で、また自分の記録もいろいろあってバタバタだったと思うんですけど、その中で遠いアメリカからああやってメッセージを送っていただけるのは本当にうれしいです」と感謝していた。花束贈呈には、レッドソックス傘下3A上沢直之投手(30)もサプライズで駆けつけた。

◆日本ハム郡司裕也捕手(26)が3回、左翼スタンドへ、8月10日西武戦以来1カ月半ぶりとなる12号ソロを放った。「いいスイングでした」と、今季一番となる打球速度173キロの自画自賛の一打。だが、9回のレイエスの中前打が同じ打球速度だったといい「モーレ(レイエス)の2ストライクから、ミート重視のセンター前が173キロで...悲しい気持ちになりました」と苦笑いだった。

◆エスコンフィールドに「岡ちゃん」が来場した。9回裏の日本ハムの攻撃が始まる前に大型ビジョンに映しだされたのは、観戦に訪れていたJリーグ札幌でも指揮をとった、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏。「夢スポーツ代表取締役・元サッカー日本代表監督 岡田武史様」とテロップ付きで紹介されると場内もどよめきが起き、照れくさそうに苦笑いしていた。

◆日本ハム鍵谷陽平投手(34)は、現役引退登板、試合後のセレモニーを通し、最後まで涙は見せず、笑顔をつくった。ビデオメッセージで登場したドジャース大谷翔平投手(30)の「この動画を見るころには感激のあまり涙で前が見えていないんじゃないかなと思っています」の心配は、杞憂(きゆう)に終わった。これには、理由があった。セレモニー終了後、鍵谷が明かした。「この引退試合を迎えるにあたって、新庄監督に『楽しく、かっこいい姿を最後見せてくれ』っていう風に言われたので、絶対泣かないで、笑顔で、笑って終わろうと思ってずっとこらえてたんです」。セレモニーでは夫人と愛娘の登場、レッドソックス傘下3A上沢直之投手(30)のサプライズ花束贈呈など、涙腺を刺激する場面も多かったが、一番「危なかった」と振り返ったのが、中大の先輩でもあるロッテ沢村拓一投手(36)のビデオレター。動画内で、沢村が言葉を詰まらせて号泣。鍵谷は「沢村さんはどの人よりも長くお世話になりました。公私ともに、自主トレも一緒にやってますし、僕がプロ入るきっかけというか、本当にプロに行くぞっていうきっかけをくれた人なので。本当に沢村さんの愛が伝わってくるメッセージだった」と感謝していた。

◆日本ハムが楽天に敗れて2連敗となり、CS進出へ足踏みとなった。1回に先発として打者2人を抑えて見事な引退登板を果たした鍵谷の後を受けてマウンドへ上がった金村が、温まった空気の中での慣れない"立ち上がり"で波に乗れなかった。1回2死無走者から"先頭打者"の3番辰己に四球、4番浅村に内野安打を浴びて2死一、二塁とされると、5番安田に先制2号3ランを右翼席へ運ばれた。2回以降は8回まで無失点投球を続けた金村は「鍵谷さんがいい形で抑えてくれたので、それに続いて初回は終わりたかったです。悔しいです」と振り返った。ただ、残り8試合で1勝すればCS進出は決まる状況は変わらない。新庄監督は球団を通じて「今日は鍵谷くんの日です。鍵谷くんに聞いてあげて」というコメントのみ。焦る必要はない。26日こそ、決める。

◆"杜(もり)の都のゴジラ"が、大器の片りんを見せた。楽天安田悠馬捕手(24)が「5番DH」で出場。1回に決勝の2号3ランを決めた。6回の左前打を含む3打数2安打3打点。スタメン出場した19試合で9度目の複数安打で、3試合連続打点とした。トレードマークは元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏の代名詞だった背番号「55」とメガネ。楽天期待のロマン砲が、1ゲーム差に接近した3位ロッテとのCS進出争いで存在感を発揮する。豪快弾にも手応えはなかった。安田がCS進出を加速させる希望のアーチを描いた。1回2死一、二塁、フルカウントから日本ハム金村の真ん中高め147キロ直球を仕留めた。打った瞬間にそれと分かる2号先制3ランを右翼席に運んだが、本人の認識は違う。「ちょっと詰まってたんで、行くか分からなかったですけど、行って良かったです」。辰己、浅村が2死から作ったチャンスを確実にものにした。トレードマークは赤いレンズが印象的なオークリー社製のメガネだ。「視力を測ってみたら結構悪くて、ナイターやドームとかは見えにくかった」。両目ともに視力は0・5ほどだという。昨季まではコンタクトをつけたり、つけなかったりだったが「合わなかったっすね。あんまり見えづらかったのでメガネに変えました」。現役時代にメガネをかけプレーしていた小山2軍投手コーチの勧めもあり、新たなスタイルでグラウンドに立っている。課題だった捕手としての守備を磨くために開幕から2軍で鍛錬を積んできた。8月6日に初昇格。9月上旬からは打力を買われてDHでのスタメン起用が増えた。11試合連続安打を放つなど9月の月間打率は3割2分4厘と好調。この日は6回に左前打を放ち、先発19試合で9度目の複数安打をマークした。今江監督も185センチ、105キロの体格を誇るロマン砲の活躍に声が弾んだ。「初回のね、3点はめちゃくちゃ大きかった」と評価。さらに「最後まで結果を出してくれれば来年につながる希望の光になってくれるのかな」と期待を込める。ライバルを射程圏内に捉えた。今日26日の日本ハム戦で勝利し、ロッテがオリックスに敗れると、3位タイに浮上する。「CS絶対に行きたいんで、1勝1勝、勝っていきたいですね」。安田が打てば逆転CSへ視界良好だ。【山田愛斗】安田悠馬(やすだ・ゆうま)2000年(平12)3月3日、神戸市生まれ。須磨翔風では主に一塁手で、甲子園出場なし。愛知大では1年春からリーグ戦デビューし、4年春から捕手で出場。21年ドラフト2位で楽天入団。22年開幕戦でスタメンデビュー。同年3月29日オリックス戦で初本塁打。今季推定年俸1300万円。185センチ、105キロ。右投げ左打ち。<球界のゴジラ>ゴジラ=松井秀喜(巨人、ヤンキース)星稜時代からの愛称が定着。打席入場曲には「ゴジラのテーマ」を使用。海を渡って本場メジャーでも浸透した。赤ゴジラ=嶋重宣(広島、西武) 10年目の04年、オープン戦から好調で、背番号55ということもあり愛称が定着。首位打者に輝く活躍で「赤ゴジラ」は流行語大賞にもノミネート。伊予ゴジラ=秋山拓巳(阪神) 西条時代から呼ばれており、本業のピッチングだけでなく、打撃でも通算2本塁打。今季引退。メガゴジラ=秋広優人(巨人) 身長2メートルの規格外さから命名。2年目の22年からは本家にならって背番号を55に変更。

◆日本ハム田宮裕涼捕手(24)が球団40年ぶりの快挙だ。楽天戦(エスコンフィールド)の5回に今季10個目の盗塁となる二盗に成功した。球団の捕手登録選手で2桁盗塁を記録したのは、84年大宮龍男以来。試合は敗れて6年ぶりのCS進出決定は26日以降にお預けとなったが、8月12日西武戦以来の2安打を放った"打って守って走れる"今季大ブレークの新世代捕手が、復調の兆しを見せた。田宮が初球から迷いなくスタートを切った。5回無死一塁。「行けるタイミングで走っていいよっていうサインが出たんで、思い切って走りました」。この日2安打目となる左前打で出塁し、続く松本剛への1球目に二盗を決めた。「その前の(2回の)打席もヒットで出ていて(楽天藤井の投球フォームを一塁から)見ていたので」と予習済みだった相手のモーションを完璧に盗んだ。これが節目の今季10盗塁目。「もう今年が始まる時からずっと目標にはしていたんで」と"打って守って走れる捕手"として目指していた数字だ。「何年ぶりとかは知らずに、ただ走っていただけなんで」と話したように、捕手登録の選手の2桁盗塁はレア記録。球界全体では19年梅野隆太郎(阪神=14盗塁)以来だが、パ・リーグでは00年城島健司(ダイエー=10盗塁)以来、24年ぶりとなった。球団では、テレビ解説などでファイターズファンに"大宮親分"として知られる大宮龍男が84年に達成して以来、40年ぶり。生まれる16年前の記録に並んだことに「40年ぶり..."僕二回り近い"ぶりに走れて、それは良かったかなと思います」と笑顔。そして、宣言した。「親分さん、(2桁盗塁を)4回やっているんですね。すごいっすね。それはちょっと超えたいな」とニヤリとした。打撃の状態は「そこまで悪くはなくできているかなって思います。試合の中で、ちょっと合ってなかっただけだった。練習で悪いって感じも最近はなかったので、打ててよかったなっていう感じです」と上々の手応え。チームは敗れて笑みこそ少ないが、「全試合勝ちに行っているので、そこはずっと続けてやっていきたい」。大ブレーク元年のCS進出へ、もうひと踏ん張りする。【木下大輔】

◆楽天藤井聖投手(27)が、自己最多を更新する11勝目をつかんだ。6回4安打1失点と好投し、20年ドラフト同期の早川に並ぶチームトップタイの白星。「自分らしく低めに集めることができて、なんとか粘りきれたのが良かったのと、(太田)光がうまくリードしてくれたので、その通りにしっかり投げきれたので良かったですね」。3位ロッテに1ゲーム差に迫る原動力になった。苦笑いを浮かべた。3-0の2回2死一、三塁、日本ハム松本剛が打った投手強襲の打球が右足を直撃。バランスを崩して一瞬しゃがみ込んだが、落ち着いて一塁に送球した。「自分の中ではグローブで捕ったつもりだったんですが、足に当たって、でもアウトにできたっすね」。3回は郡司にソロ本塁打を浴びたが、長打はこの1本にとどめて最少失点で粘った。自身3連勝を飾り、CS進出を目指すチームに大きく貢献している。「緊迫したプレッシャーがある中ですけど、負けずに成果として出せてるのはすごいいいことだなと思います。でも打線が点を取ってくれてるからこその投げやすさがあるので、打線にも感謝です」。残り試合も謙虚に腕を振る。【山田愛斗】

◆日本ハムが18年以来6年ぶり、新庄剛志監督(52)就任後3年目で初のAクラス3位以内、CS進出を決めた。4回2死からフランミル・レイエス外野手(29)が左翼へ24号同点ソロ、5回1死で清宮幸太郎内野手(25)が勝ち越しの右越え13ソロを放った。開幕投手を務め投手陣を引っ張ってきた伊藤大海投手(27)の好投を、後半戦で打線をけん引してきた「清宮レイ砲」が援護。投打がしっかりかみ合い、大きな白星をつかんだ。勝ち越し弾の清宮は一丁締めで「次の目標はエスコンフィールドでのCSなので、ひとつになって頑張りましょう!」と、呼びかけた。

◆故郷で有終の美を飾った。日本ハムの鍵谷が引退登板で先発し、打者2人をピシャリと抑えた。投手交代が告げられ、ナインがマウンド上に集結。新庄監督から花束を受け取り、深々と頭を下げた。「指導者や仲間に恵まれて、ここまでこられた。本当に感謝しています」ラスト登板の相手はクライマックスシリーズ(CS)争い真っただ中の4位・楽天。「培ってきた気持ちと技術を全て使って抑えたい」と真剣勝負で挑んだ。先頭の小郷をフォークボールで二ゴロ、2番・小深田を遊直に仕留めた。現役最後の球に選んだのは、これまでの活躍を支えてきた直球。渾身(こんしん)の147キロで差し込んだ。北海道出身の鍵谷は北海高、中大を経て、2013年にドラフト3位で入団。19年途中に巨人へトレード移籍し、昨オフに古巣の日本ハムに復帰した。通算420試合に登板し、25勝15敗、84ホールド、防御率3・45をマーク。「やっぱり(16年の)日本一。うれしかったし、何より楽しかったので、すごく印象に残っている」と感慨に浸った。「まだ恩返しできていない部分も多くある。しっかり感謝の気持ちを持って過ごしたい」と鍵谷。道産子右腕が地元ファンに見守られながら、晴れやかな表情でマウンドをおりた。

◆楽天は一回に安田の3ランで先制し、そのまま逃げ切った。藤井は低めに制球し6回4安打1失点で11勝目。終盤は藤平、鈴木翔、則本とつなぎ反撃を許さなかった。日本ハムは打線が精彩を欠き、郡司のソロによる1点にとどまった。

◆楽天の藤井が6回を郡司の一発による1失点で、早川と並ぶチーム最多の11勝目。「自分らしく低めに球を集めることができて、何とか粘りきれた」と話した。クライマックスシリーズ進出争いが激しさを増す中、3連勝と頼もしい左投手。試合のなかった3位ロッテに1ゲーム差に迫り「緊迫した、重圧のある中で負けずに成果を出せているのはすごくいいこと」と充実感をにじませた。(共同)

◆北海道出身の日本ハム・鍵谷陽平投手(34)が引退登板に臨んだ。先発し、打者2人をピシャリと抑え「北海道で引退を迎えられてよかったと思える時間を過ごさせてもらいました」と感慨深げに振り返った。1番・小郷はニゴロ、続く小深田を遊直に仕留めた。現役最後の球に選んだのは自慢の直球。渾身(こんしん)の147㌔で差し込んだ。引退セレモニーでは同期入団で米大リーグ、ドジャースで活躍する大谷翔平から「一緒に頑張りたいという気持ちでこれまで頑張ってきました。これからも応援しています」とのビデオメッセージが。サプライズ演出に右腕も「大変な中でアメリカからメッセージを送っていただけてうれしい」と喜んだ。チームは2連敗でクライマックスシリーズ(CS)進出決定は次戦以降に持ち越し。1回2死から登板した金村が同イニングの2死一、二塁で安田の2号3ランを浴びた。鍵谷は「金村にやりづらい形で渡してしまって申し訳ない」と後輩右腕を気遣った。

◆今季限りで引退する日本ハム・鍵谷陽平投手(34)が楽天22回戦(エスコン)で引退試合に臨んだ。先発し、打者2人を抑えた。「(故郷の)北海道で引退を迎えられてよかったと思える時間を過ごさせてもらいました」一回、先頭の小郷を二ゴロ、続く小深田を遊直に打ち取った。現役最後の球に選んだのは、プロで磨いてきた直球。渾身(こんしん)の147キロで差し込んだ。試合後の引退セレモニーでは2013年の同期入団で米大リーグ、ドジャースで活躍する大谷から「引退されるので少し悲しい。一緒に頑張りたいという気持ちでこれまで頑張ってきました。これからも応援しています」とビデオメッセージが寄せられた。サプライズに鍵谷は「大変な中でアメリカからメッセージを送っていただけてうれしい」と喜んだ。(加藤次郎)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(-)
ソフトバンク
86473 0.647
(↑0.003)
-
(-)
7579
(+2)
369
(-)
108
(+1)
87
(-)
0.259
(-)
2.510
(↑0.02)
2
(-)
日本ハム
71568 0.559
(↓0.004)
12
(↓12)
8515
(+1)
456
(+3)
104
(+1)
89
(+1)
0.247
(↓0.001)
2.940
(-)
3
(-)
ロッテ
67636 0.515
(-)
17.5
(↓11.5)
7477
(-)
484
(-)
73
(-)
59
(-)
0.249
(-)
3.250
(-)
4
(-)
楽天
66643 0.508
(↑0.004)
18.5
(↓11)
10477
(+3)
540
(+1)
72
(+1)
86
(-)
0.244
(-)
3.760
(↑0.03)
5
(-)
ORIX
59753 0.440
(-)
27.5
(↓11.5)
6371
(-)
433
(-)
67
(-)
57
(-)
0.234
(-)
2.820
(-)
6
(-)
西武
46892 0.341
(↓0.002)
41
(↓12)
6331
(-)
474
(+2)
58
(-)
75
(-)
0.211
(↓0.001)
3.100
(-)