阪神(★0対1☆)巨人 =リーグ戦25回戦(2024.09.23)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:ケラー(1勝2敗1S)
(セーブ:大勢(1勝2敗27S))
敗戦投手:髙橋 遥人(4勝1敗0S)
  DAZN
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◆巨人は両軍無得点で迎えた7回表、無死一三塁から代打・坂本が適時打を放ち、先制点を挙げる。投げては、先発・グリフィンが5回無失点。2番手・ケラーが2イニングを無失点に抑え、今季初勝利をマークした。敗れた阪神は、打線が再三の好機を生かせなかった。

◆阪神高橋遥人が21年10月14日以来の巨人戦先発。高橋の巨人戦は通算13試合先発して5勝6敗、防御率2・40。21年9月25日から16イニング連続無失点を記録中だ。巨人戦は黒星が先行するも、5回未満で降板したのは18年4月22日(4回0/3、7失点)の1度だけ。逆に7回以上自責点2以下の「ハイクオリティースタート」は8度もマークしている。3年ぶりの対戦でも安定した投球を見せるか。

◆首位巨人と2位阪神の天王山第2戦は午後2時開始予定。前日をナイターで戦い、この日はデーゲームとなる。ナイター→デーのスケジュールも、午前9時前後から室内練習場で体を動かす阪神ナインもいた。「朝から涼しいっすね。全然違うっすね、いつもと」と言う選手も。甲子園は朝から風は涼しさを帯びる。カラッとした秋晴れのもとのゲームとなりそうだ。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が無駄のない好守で先発高橋を救った。0-0の3回。先頭岸田の打球は三塁方向に高く跳ねた。佐藤輝はこの打球をショートバウンドで捕球。そのまま一塁送球に移ってアウトに仕留めた。セーフにすれば無死一塁。球場からは大きな拍手でたたえられた。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が死球を受けた。0-0の3回。先頭で巨人グリフィンの1ストライクからの2球目がすっぽ抜け、背中に直撃。甲子園は虎党のざわめきに包まれた。中野はその後、プレーを続行。自ら一塁へと向かった。前日22日の同戦では3回に先制打を放ち、試合を決めていた。

◆阪神高橋遥人投手(28)が、首位巨人との直接対決で試合開始から圧倒的な投球を披露した。初回と2回はともに3者凡退。2回は全球ストライクと、制球力の高さも見せた。3回は2死二塁のピンチを背負うも丸を空振り三振に斬った。4回に先頭の浅野に右前打を許すも続く吉川に対しては犠打をさせず、無失点で切り抜けた。5回は3度目の3者凡退。5回までわずか63球で2安打無四死球無失点に抑え、5三振を奪った。高橋は21年10月14日以来の巨人戦先発。21年9月25日から続く巨人戦の連続無失点記録を21イニングに伸ばした。7回以上自責点2以下の「ハイクオリティースタート(HQS)」を8度もマークしている相手にこの日も好投を続けている。

◆阪神高橋遥人投手(28)が首位巨人との直接対決で先制を許し、7回途中で降板した。6回0/3を5安打無四死球6奪三振で1失点だった。0-0で迎えた7回、先頭の3番吉川に中前打を浴びた。続く4番岡本にも左翼線へ安打を許し、無死一、三塁。代打坂本に右前適時打を浴び、3連打で先制を許して降板した。6回までは2安打無四死球6奪三振無失点と好投していたが、7回に3番からの好打順に捕まった。21年9月25日から続く巨人戦の連続無失点記録を6回で22イニングまで伸ばしていたが、連続記録も途切れた。

◆阪神打線が元チームメートに封じ込められた。巨人は0-0の6回、2番手ケラーを投入。先頭大山が左中間への二塁打で無死二塁の好機をつくったが、後続3人が倒れて無得点。回またぎの7回は3者凡退で勢いを止められた。昨季まで阪神に在籍していた助っ人右腕。慣れ親しんだ聖地で好投を許してしまった。

◆首位巨人を追う2位阪神が完封負けを喫し、巨人のマジックが4となった。20日DeNA戦(甲子園)以来、9月5敗目を喫し、ゲーム差は再び2に広がった。1-0で阪神が勝利した前日22日に続き、この日も投手戦となった。ここまで4戦4勝で臨んだ阪神先発の高橋遥人投手(28)は、6回まで散発2安打に抑える快投。初回、2回はともに3者凡退で、3回は2死二塁のピンチを背負うも丸を空振り三振に斬った。しかし、0-0のまま迎えた6回。先頭の吉川に中前打、岡本和に左翼戦への安打と連打を浴びて無死一、三塁。ここで代打坂本に149キロ直球を捉えられ、先制の右前適時打を許した。なおも無死一、二塁で降板となり、右腕石井にスイッチ。石井は後続を断って、追加点は許さなかった。打線は中4日で先発した巨人グリフィンを前にあと1本が出ず。初回、先頭の近本の左前打から、2死一、三塁の好機をつくるも、5番佐藤輝明内野手(25)が外のスライダーに空振り三振。3回も2死三塁としたが、佐藤輝が再び空振り三振に倒れた。この日は巨人中継ぎ陣にも抑え込まれ、前夜とは正反対の展開となった。阪神はここから3日間試合がなく、次戦は27日広島戦(マツダスタジアム)。一気にゲーム差を縮めたい直接対決は、1勝1敗となった。前日22日巨人戦に1-0で勝った阪神が、23日は0-1で敗れた。1-0勝利の次の試合に0-1敗北は、14年9月29、30日のいずれもDeNA戦で記録して以来10年ぶり。なお巨人戦に限れば、1リーグ時代も含め球団初となった。

◆悲劇のままでは終われなかった。巨人坂本勇人内野手(35)が、代打に向かう感情はいつもと少し違った。「野球人生の中でもなかなかあそこまで悔しい思いをしたことがなかった。またああいう場面で回してくれた。すごい試練きたな、と。なんとかしたい、その一心だった」。0-0の7回無死一、三塁。カウント2-2から外角直球をおっつけて右前へ運び、打球を見届けると同時にほえた。ノーステップで振ったバットは、指2本分短く握っていた。「普通にやっていたら全然打てないので。その打席でピッチャーに合わせて。スタメンも外れていた。何とか工夫して臨みました」。3年前からチームとして打ちあぐねていた阪神高橋から、23イニングぶりに奪った得点が決勝点。4年ぶりのリーグ優勝をまたグッと近づける、2位阪神との最後の直接対決での1勝だった。頂上決戦に熱気を帯びる甲子園とは裏腹に、不気味なほど、この2試合はスコアが動かなかった。それほど、両チームの力が拮抗(きっこう)していた。前日は1点を追う満塁の場面で2球目を二飛に打ち取られ屈辱的な"3タコ"で0-1負け。「情けない。自分が情けないなと思いながら1日を過ごしました。僕はめちゃくちゃ暗かったと思うけど、今日も若い選手が元気出してやってくれたので、いい雰囲気でやれていると思う」。若手の声がベテランをよみがえらせた。完封返しで最短優勝は27日中日戦(東京ドーム)。残り6試合。マジック4。「マジックは出ているけど、優勝するまで気を抜かず、若手、ベテラン一丸となって優勝します!」。今季最後の甲子園で、高らかに宣言した。【栗田成芳】○...4番岡本和がつないだ。7回先頭の吉川が中前打で出て迎えた打席、内角攻めを引っ張って、左翼線へ運び一、三塁のチャンスを代打・坂本が仕留めた。「昨日は接戦を落として、今日は逆に接戦をものにできてよかった。1人1人、自分の役割をしっかりできていると思います」と、チーム力に確かな手応えを感じていた。▽巨人グリフィン(中4日で先発し5回4安打無失点)「先に点を与えないことだけを考えて初回から全力で投げた。ゼロに抑えられて良かったし、自分の仕事はできたと思う」

◆首位巨人を追う2位阪神が完封負けを喫し、巨人のマジックが4となった。20日DeNA戦(甲子園)以来、9月5敗目を喫し、ゲーム差は再び2に広がった。試合後、阪神岡田彰布監督(66)は取材に応じず、クラブハウスへと戻った。1-0で阪神が勝利した前日22日に続き、この日も投手戦となった。ここまで4戦4勝で臨んだ阪神先発の高橋遥人投手(29)は、6回まで散発2安打に抑える快投。初回、2回はともに3者凡退で、3回は2死二塁のピンチを背負うも丸を空振り三振に斬った。しかし、0-0のまま迎えた6回。先頭の吉川に中前打、岡本和に左翼戦への安打と連打を浴びて無死一、三塁。ここで代打坂本に149キロ直球を捉えられ、先制の右前適時打を許した。なおも無死一、二塁で降板となり、右腕石井にスイッチ。石井は後続を断って、追加点は許さなかった。打線は中4日で先発した巨人グリフィンを前にあと1本が出ず。初回、先頭の近本の左前打から、2死一、三塁の好機をつくるも、5番佐藤輝明内野手(25)が外のスライダーに空振り三振。3回も2死三塁としたが、佐藤輝が再び空振り三振に倒れた。この日は巨人中継ぎ陣にも抑え込まれ、前夜とは正反対の展開となった。阪神はここから3日間試合がなく、次戦は27日広島戦(マツダスタジアム)。一気にゲーム差を縮めたい直接対決は、1勝1敗となった。前日22日巨人戦に1-0で勝った阪神が、23日は0-1で敗れた。1-0勝利の次の試合に0-1敗北は、14年9月29、30日のいずれもDeNA戦で記録して以来10年ぶり。なお巨人戦に限れば、1リーグ時代も含め球団初となった。

◆阪神が首位巨人との天王山第2戦に敗れた。これでゲーム差は再び2に広がった。3度の得点圏で凡退した佐藤輝明内野手(25)は「悔しいっすね」と振り返り「頑張ります」と次戦へ振り絞った。森下翔太外野手(24)も「切り替えて頑張ります」。近本光司外野手(29)は「勝つしかない。僕らには僕らにできることをするしかないので」と前を向いた。--【

◆今季初黒星を喫した阪神高橋遥人投手(28)が試合後、悔しさをにじませた。「先制点を与えて、それが決勝点になったので。申し訳ないという感じです」6回まで2安打無失点。7回に連打で無死一、三塁を招き、代打坂本に右前適時打を浴びた。この1点が決勝点。7回途中5安打1失点で降板となった。今季8月にたび重なる手術から復活。4連勝と白星を重ねてきたが、5試合目で連勝が止まった。巨人戦で21年9月25日から続けてきた連続無失点記録も22イニングでストップした。「感覚は良かったけど、最後はああやって連打で。この前の試合もマツダ(8月23日広島戦)もそう。それは絶対に原因があると思うので。もっと力を付けなきゃなと思います」と振り返った。前日22日巨人戦に1-0で勝った阪神が、23日は0-1で敗れた。1-0勝利の次の試合に0-1敗北は、14年9月29、30日のいずれもDeNA戦で記録して以来10年ぶり。なお巨人戦に限れば、1リーグ時代も含め球団初となった。

◆阪神2番手石井大智が火消しに成功した。1点を失った7回。なおも無死一、二塁で先発高橋からバトンを受け取った。犠打で1死二、三塁とされたが岸田を空振り三振。申告敬遠を挟み2死満塁で萩尾匡也を二飛に仕留めた。萩尾には今季初登板だった3月30日のゲームで二塁打を浴びていたが「あの時の自分とは違うと思って、自分の真っすぐを信じた」。13試合連続無失点に「粘って勝ち試合を増やしたい」と力を込めた。

◆阪神佐藤輝明がチャンスでことごとく凡退した。初回、3回と得点圏に走者を置いた場面でグリフィンの外角スライダーに手を出し空振り三振。6回無死二塁ではケラーに中飛に仕留められた。得点圏のチャンスで3度も打席が回ってきたが結果を出せなかった。9回先頭では大勢と対戦し遊ゴロ。「そりゃあ悔しいですよ。悔しいっすね」と繰り返し、最後は「頑張ります」と前を向いた。

◆阪神近本光司が7試合連続安打を放つも得点には結びつかなかった。初回の第1打席。グリフィンの初球145キロ直球に詰まりながらも左前打を決めた。そこから2死一、三塁とチャンスが広がるも無得点。チームは「0-1」で敗れただけに痛い立ち上がりだった。「勝つしかない。僕らには僕らにできることをするしかないので」とリードオフマンはファイティングポーズを崩さなかった。

◆巨人阿部慎之助監督が"愛弟子"を信じ抜いた。7回無死一、三塁で大城卓に代えて代打坂本を起用。采配的中の決勝打に「いろんな修羅場を潜ってきた人なのでね。そこを信じて使っている。それに応えてくれたので、やっぱり勝ちがついたのかなと思います」とベテランの働きをたたえた。序盤の3回までは、先発グリフィンが毎回得点圏に走者を進めピンチの連続も、無失点で切り抜け「冷静な顔をしつつ、心臓が出てくるんじゃねぇかなって(笑い)」と赤裸々に明かした。

◆阪神植田海内野手(28)がアウトになれば試合終了の土壇場で「神盗塁」を決めた。1点を追う9回裏2死一塁で代走登場。木浪への3球目、果敢にスタートを切り、間一髪で二盗を決めた。巨人阿部監督がリクエストも判定は変わらなかった。9回2死から一打同点の好機を演出。ただ、試合は敗戦。「得点が入らなかったらあんまり関係ないというか...。次の試合、また頑張る」と懸命に切り替えた。

◆阪神選手会長の中野拓夢内野手は次戦へ切り替えた。初回に無死一塁で犠打を決め、好機を演出。3回は先頭で死球を受け、5回にも2死からポトリと落ちる左前打を放った。だが、チームは痛恨の敗戦。「自分が仕事してもチームが勝たないと意味がない。残りの試合を全部勝って逆転できるように頑張りたい」と力を込めた。

◆阪神高橋遥人投手(28)は試合後、絞り出すように言葉を紡いだ。7回途中5安打1失点で今季初黒星。先発の役割を果たしながらも、当然笑顔はなかった。逆転優勝に向けた首位巨人との大一番。クラブハウスにつながる取材エリアでは悔しさばかりがにじんだ。「先制点を与えて、それが決勝点になったので。申し訳ないという感じです」両軍無得点で迎えた7回だった。先頭の吉川の中前打、岡本和の左翼線安打で無死一、三塁。代打坂本を打席に迎えた。外角149キロ直球をライナーで捉えられ決勝の右前適時打。一挙3連打で失点し、降板を告げられた。「相手のバッターより自分のボールが劣っていたというだけかなと思います」今季はたび重なる手術を乗り越えて8月に1025日ぶり復活星。以降は4戦4勝と白星を重ねてきた。毎登板チームを救ってきた左腕が復帰5戦目で連勝ストップ。降板後もベンチ最前列で戦況を見つめたが、スコアは変わらなかった。約3年ぶりとなった巨人戦。通算14試合目の対戦で11度目のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成した。変わらない相性の良さを見せながらも、21年9月25日から継続してきた巨人戦無失点記録は22イニングでストップ。援護点が遠かった。今季5試合のうち、イニング途中の交代は3度目となった。8月23日広島戦(マツダスタジアム)では連打などで無死満塁を招き交代。前回登板の13日広島戦(甲子園)も満塁のピンチから2失点を喫し、中継ぎ陣にマウンドを託していた。「最後(のイニング)はああやって連打で。この前の試合もそうですし、マツダもそう。絶対に原因があると思うので。もっと力を付けなきゃなと思います」次回はチームの今季最終戦となる10月3日DeNA戦(横浜)に中9日で向かう見込み。悔しさも反省も受け止め、次戦にぶつけてみせる。【波部俊之介】前日22日巨人戦に1-0で勝った阪神が、23日は0-1で敗れた。1-0勝利の次の試合に0-1敗北は、14年9月29、30日のいずれもDeNA戦で記録して以来10年ぶり。なお巨人戦に限れば、1リーグ時代も含め球団初となった。

◆悔しすぎる1敗...。2位阪神が首位巨人との天王山2戦目で完封負けを喫した。「1-0」勝利から一夜明け、「0-1」敗戦でやり返された。勝てばゲーム差なしに迫っていた一戦で連勝ならず。岡田彰布監督(66)は試合後、取材に応じなかった。今季4戦4勝だった高橋遥人投手(28)が7回に3連打を浴びて復帰後初黒星。打線は巨人と同じ6安打を放って好機をつくりながら、あと1本が出ず今季7度目の0-1負けを食らった。望みをつなぐ逆転優勝へ、残り5試合はもう負けられない。前夜の歓喜がウソのように、試合後のベンチ裏は静まり返っていた。敗戦からしばらく経った後、姿を見せた岡田監督は報道陣の取材には応じなかった。悔しさを押し殺すように1人無言で、静かに甲子園を後にした。「1戦1戦、なんとか勝ちを拾っていくだけ」。前日22日の試合後、指揮官はそう話していたが、この日はわずかな差で白星をこぼした。初回は先頭近本の左前打から2死一、三塁と好機をつくるも、5番佐藤輝が外のスライダーに空振り三振。佐藤輝は3回2死三塁でも再び外角スライダーに空振り三振を喫した。「そりゃあ、悔しいですよ」。再三の好機を生かせなかった主砲は悔いを隠せない。中4日でやってきた巨人先発グリフィンの変化球に苦戦。6回無死二塁では2番手ケラーの155キロ直球を打ち損じ、浅い中飛で走者を進めることもできなかった。「そうっすね...。悔しいっすね」。絞り出すように繰り返した。巨人と同じチーム6安打を放ちながら、勝負どころでのあと1本が足りなかった。負けられない天王山2連戦。初戦はチーム勝ち頭の才木に、そして2戦目は今季4戦4勝だった高橋に託した。度重なるケガから今年8月に復帰後、無敗の左腕はこの日も好投。6回まで散発2安打と巨人打線を圧倒したが、7回にまさかの3連打を浴び失点。これが決勝点となってしまった。1つの勝敗で逆転優勝への情勢はガラリと変わった。阪神が連勝していれば、首位巨人にゲーム差なしまで迫っていた。しかし前夜とは正反対の今季7度目の0-1負けを喫し、ゲーム差は再び2に広がった。巨人戦で1-0で勝利した次戦に0-1で敗れるのは、球団史上初のことだ。それでも後ろを振り返ってはいられない。残り5試合。佐藤輝は「頑張ります」と短い言葉に決意を込めた。3日間は試合がなく、次戦は27日広島戦(マツダスタジアム)。逆転優勝へ望みをつなぐため、もう勝ち続けるしかない。【磯綾乃】前日22日巨人戦に1-0で勝った阪神が、23日は0-1で敗れた。1-0勝利の次の試合に0-1敗北は、14年9月29、30日のいずれもDeNA戦で記録して以来10年ぶり。なお巨人戦に限れば、1リーグ時代も含め球団初となった。阪神の自力優勝復活は最短で27日の広島戦、優勝は29日DeNA戦へとそれぞれ伸びた。なお巨人の優勝は最短で27日の中日戦。

◆1ゲーム差で追う首位巨人との天王山第2ラウンド。阪神は左ひじの手術などから1軍復帰後、今季4戦4勝の高橋遥人投手(28)が先発する。防御率1.52と抜群の安定感を誇る左腕は、巨人戦通算13試合の登板で5勝6敗、防御率2.40。3年ぶりの伝統の一戦で、逆転優勝へ弾みをつける快投をみせる。打線は「6番・左翼」で井上広大外野手(23)が先発出場。21日のDeNA戦(横浜)では、3号3ランを放った。左腕相手に快音を響かせ、甲子園のファンを沸かせる。

◆阪神打線があと一本を欠いている。一回は先頭の近本が左前打を放つと、中野が犠打で1死二塁の好機。しかし、森下が二ゴロ、大山が四球で2死一、三塁とするも、佐藤輝が空振り三振に倒れた。二回は下位打線がつないで、2死一、二塁も、近本が投ゴロ。三回は先頭の中野が死球で出塁し、2死三塁としたが、佐藤輝がまたも三振に終わった。三回まで毎回走者を得点圏に進めながら無得点。均衡を破る一打が期待される。

◆阪神・高橋遥人投手(28)が先発し、七回に先制を許して降板した。伸びのある真っすぐにツーシーム、鋭く曲がる横の変化球を織り交ぜるなどして三回1死までは完全投球。門脇の初安打となる中前打とグリフィンの犠打で得点圏に走者を背負った場面ではギアを上げ、丸に150キロ直球を投げるなど攻めながら空振り三振に仕留めるとガッツポーズを作った。四回も先頭の浅野に右前打を打たれたものの、ここも続く吉川にスリーバント成功を許さず進塁を防ぎ、一発のある岡本和は遊ゴロ斬り。大城卓は外角へのカットボールで3球三振に退け、均衡を保った。勢いに乗って五、六回も三者凡退と巨人打線の壁になり続けたが、悔やまれたのは七回。「回の先頭打者はしっかりと斬れるように」と話していた中で吉川に中前打を浴び、四回以来となる先頭の出塁を許すと、岡本和にも左翼への安打で続かれて一、三塁とピンチを背負った。ここで代打・坂本には149キロ直球を右前に運ばれて先制点を献上。ベンチはここで交代を決断し、石井の名前がコールされた。

◆巨人・坂本勇人内野手(35)が値千金の一打を放った。0-0で迎えた七回無死一、三塁。試合の流れを大きく左右する場面で、阿部監督が代打で起用。チームが打ちあぐねていた阪神の左腕、高橋がカウント2-2から外角に投じた149キロを右前へ運んだ。最近8試合で34打数3安打と苦しみ、この日はスタメンを外れたベテランは、勝負どころで輝いた。前日22日は3度の絶好機で凡退。試合後は「申し訳ない」と悲痛な表情を浮かべていたが、何度も重圧を跳ね返してきた精神力を、大一番で発揮した。

◆阪神は七回に先制点を献上したが、続くピンチでリリーフした石井大智投手(27)が好救援した。六回まで2安打無得点に抑えていた先発・高橋が、この回に先頭から3連打を浴びて先制点を献上。均衡を破られたところでベンチは右腕・石井へスイッチした。すると、右腕が熱投を披露。〝ピンチバンター〟の増田大に1死二、三塁と好機は広げられたものの、まずは岸田を空振り三振に料理した。続く門脇を申告敬遠で歩かせて塁を埋めて選択した萩尾との勝負では、2ボールから151キロ直球で二飛に打ち取り、さらなる追加点を許さず。スタンドを大いに喜ばせる12球の仕事に、自らもグラブをたたいて感情を表に出した。

◆阪神は今季17度目のゼロ封負けを喫した。先発の高橋が七回につかまる。先頭・吉川尚に中前打を許すと、岡本に左翼線へ運ばれて無死一、三塁。代打の坂本に決勝の右前打を許した。高橋は七回途中を5安打1失点で降板。ベンチで悔しさをにじませた。打線は巨人先発・グリフィンの前に、三回まで毎回得点圏に走者を進めるもあと一本が出ず。ケラー、バルドナード、大勢のリレーに沈黙した。大事な天王山を1勝1敗で終え、首位巨人とのゲーム差は再び2に拡大。巨人の優勝マジックは4となり、阪神にとって痛すぎる一敗となった。

◆巨人が投手戦を制した。グリフィンが5回を抑え、六、七回を封じたケラーが初白星、大勢が27セーブ目。七回に代打坂本の適時打で均衡を破った。阪神は六回無死二塁など中盤までの好機を生かせず、好投の高橋を援護できなかった。

◆巨人は2位・阪神に競り勝ち、優勝マジックを「4」とした。0-0の七回、連打で無死一、三塁とし、阿部慎之助監督(45)は大城卓の打順で坂本勇人内野手(35)を代打で起用。右前へ決勝適時打を放った坂本は「昨日は大事な試合で僕が全然打てなくて負けてしまった。いい場面で回してくれたチームメートに感謝したい」と話した。22日の阪神戦(甲子園)では好機で凡退していた右打者をここぞの場面で起用した指揮官。「最後は信じてよかった。一番修羅場をくぐってきた人たちなので。それに応えてくれたので勝ちがついた」とベテランをたたえた。

◆阪神・桐敷は0-1の八回に登板し、打者3人を10球で打ち取り、連続試合無失点を15に伸ばした。「後ろにいい流れをつなぎたかったので、本当にそれができてよかった」。リーグトップの68試合登板となったタフネス左腕。今後もリードされている展開でもマウンドに立つ準備をする。

◆阪神・高橋が1点を先制された七回、なおも無死一、二塁から石井がマウンドへ。2死満塁とされるも、萩尾を151キロ直球で二飛に抑えて追加点を許さなかった。痛恨の敗戦にも「一試合一試合、勝っていくしかないんで。中継ぎでしっかり粘って、勝ち試合を増やしていきたい」と、13試合連続無失点の右腕は前を向いた。

◆阪神・ゲラは1点を追う九回に登板し、今季2度目の3連投となった。1死から安打を許し、2死二塁とされたが、岸田を二ゴロに抑えた。「(投手陣は)みんないい仕事をして、いい試合はできたけど、勝てなかったのは悔しい」。逆転連覇の可能性は遠のいたが、右腕は「(力を)出しきって戦いたい」と残り5試合も全力投球を誓った。

◆阪神・植田が最後に甲子園を沸かせた。0-1の九回2死一塁で代走出場。木浪の打席の3球目にスタートを切った。自慢の俊足で二盗に成功。巨人がリプレー検証を要求も判定は変わらず、今季4盗塁目で一打同点の好機を作った。「得点が入らなかったらあまり関係ない。また次の試合頑張ります」と言葉少なだったが、勝負どころでも色あせない度胸と技量、その走力を証明した。

◆阪神・中野は2打数1安打、1死球1犠打だった。一回無死一塁では投前に犠打を決めて役割を果たすも「勝てなかったら意味がない。今はもう個人ではないので、チームが勝たなければ意味がない」と唇をかんだ。堅実な守備に3試合連続安打と本来の姿を取り戻しつつある選手会長は「最後まであきらめず、残りの試合に全部勝って、逆転できるように頑張りたい」と意気込んだ。

◆紙一重の戦いを演じたものの、最後に笑うことはできなかった。絶対に負けられない首位巨人との天王山第2戦を任された阪神・高橋に待ち受けていたのは、魔の七回。外野3方向への悪夢の3連打に屈した。「先制点を与えたので、それが決勝点になって申し訳ないという感じですね」スコアレスの七回だった。先頭・吉川に対してカウント1―2から外角いっぱいへ決めにいった148キロに球審の手は上がらず。左腕も捕手・梅野もボールがストライクゾーン内を通った自信をうかがわせた一球を経てフルカウントとなると、「3ボールにしたので、そこで少し余裕がなくなって...」。機微も生じた中で、中前へ運ばれた。ここから岡本和の左前打で一、三塁とされると、代打・坂本の打球は149キロを捉えて右前へ。ついに均衡を破られてよもやの交代を告げられると、逆転勝利への願いも届かなかった。「相手打者よりも自分のボールが劣ったというだけかなと思います」紡ぐ言葉に悔しさはにじんだ。ただ、披露した熱投は称賛に値し、降板時に沸き起こった拍手がそれを物語る。緩急ともに精度高く制球し、ゴロの山を築いて二回まではパーフェクト。初めて出塁を許した三回は2死二塁で丸に150キロ直球を投じるなど、攻めて空振り三振でピンチを断ち、四回も2死一塁で大城卓を三球三振に仕留めた。五、六回はともに三者凡退と圧倒。あとわずかで主役になれた。熱狂を呼ぶ、見ほれるような投球だった。度重なる手術から復活を遂げ、8月11日の広島戦(京セラ)からは4戦4勝と投げれば白星を恵む快投を続けてきたが、援護なく復帰後初黒星を喫した。6回0/3で5安打無四球1失点の好投を誰も責めやしないが、左腕自身は反省しきりだ。「マツダ(8月23日)もそうかな。最後にああやって連打で(ピンチを作った)。それには絶対に原因があると思う。もっと力をつけないとな、と思います」岡田監督は今季最終戦である10月3日のDeNA戦(横浜)に中9日で登板させる予定を明かしている。その一戦は逆転Vをかけた大一番となる可能性だってある。勝利のために己を見つめ直し、次こそ最後に笑う。(須藤佳裕)

◆大声援がグラウンドを包む。鳴り響くチャンステーマ。しかし、阪神・佐藤輝のバットは無情にも空を切った。3度の好機を生かせず、痛恨のブレーキ。大砲は神妙な面持ちで言葉を絞り出した。「そうですね...。悔しいですね」一回2死一、三塁の先制機。グリフィンの変化球にタイミングが合わない。カウント1-2から4球目。130キロスライダーで空振り三振。三回2死三塁の好機でも、同じスライダーでバットは回った。甲子園に響いていた大声援はため息へと変わった。逆転での連覇へ、絶対に落とせなかった一戦だった。それは佐藤輝も分かっていた。六回無死二塁で迎えた第3打席は、かつての同僚・ケラーの155キロをミスショット。打った瞬間に天を仰いだ。浅い中飛で走者を進めることもできず、「そりゃあ、悔しいですよ」。言葉の節々から悔恨の情がにじみ出る。0-1で迎えた九回先頭。一発同点を期待した虎党は、声を張り上げて背番号8の背中を押した。しかし、守護神・大勢の前に遊ゴロ。結果論だが、4打席の内、一度でも快音を響かせていれば結末は変わっていたのかもしれない。残りは5試合。沈黙した虎打線は首位巨人に再び差を広げられ、連覇への道のりは険しさを増した。それでも、この逆境をはね返すことができるのも佐藤輝のバットだ。「頑張ります」短い言葉にすべてを込めて、クラブハウスへと引き揚げた。まだ終わってはいない。全身で味わった悔しさを糧に-。奇跡の大逆転を信じて前を向き続ける。(原田遼太郎)

◆?巨人が2021年以来3年ぶり通算14度目のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。優勝へのマジックナンバーが2つ減って「4」。現日程での最短優勝決定日は27日。?巨人は坂本が七回に放った適時打の1点を守り切って勝利。坂本がスコア1-0の試合で勝利打点を挙げたのは、2016年6月1日のオリックス戦(京セラ)以来8年ぶり6度目。2リーグ制(1950年)以降、巨人でスコア1-0の勝利打点を6度以上マークしたのは、長嶋茂雄(8度)、王貞治(7度)、広岡達朗、国松彰(各6度)に次いで5人目。?巨人が同一カード連戦でスコア0-1で負けた次戦にスコア1-0で勝利したのは、58年9月14、15日の大洋戦(後楽園)以来66年ぶり2度目で、阪神戦は初。

◆阪神は首位巨人との直接対決に0-1で敗れ、ゲーム差が再び2に広がった。勝てばゲーム差なしに詰め寄り、逆転Vへの機運が高まるところだったが、あと一本が出ず痛恨の一敗。試合後、岡田彰布監督(66)は取材に応じなかった。巨人の優勝マジックは4となったが、虎にまだ連覇の可能性はある。残り5試合全て勝って、奇跡を待つ。4万2639人が詰めかけた甲子園がため息に包まれた。運命のTG2連戦で待っていたのは無情の結果。前日のお返しとばかりに零封負けを食らい、1勝1敗に終わった。宿敵を追いつめるどころか、再び2ゲーム差。巨人は優勝マジックを4に減らした。だが、逆転連覇への戦いが終わったわけではない。一回に先頭でリーグトップの今季156安打目となる左前打を放った近本は、残り5試合に向けて強い覚悟をにじませた。「勝つしかない。僕らは僕らのできることしかできないので」今季4戦4勝の先発・高橋は力投を続けたが、佐藤輝が再三のチャンスで凡退。援護できずに投打の歯車がかみ合わないまま、0-0の七回無死一、三塁で代打・坂本に外角直球を右前に弾き返されて先制点を献上。G打線にワンチャンスをものにされた。1点を追う九回、2死から代打・糸原が守護神・大勢を強襲する内野安打。代走・植田がアウトならゲームセットとなる二盗を成功させたが、木浪は空振り三振。岡田監督は知力、気力をぶつけてチームを引っ張ったが、最後までホームが遠い展開で今季17度目の零封負けとなった。指揮官は試合後、取材に応じることはなかった。通常なら甲子園での敗戦後も、室内で囲み取材の場が設けられる。だが、この日は違った。部屋で待ち構える報道陣の前は通らず、指揮官は無言のまま、直接クラブハウスへと向かった。〝語るまでもない〟という意思表示なのか、悔しさや怒りをぐっと押し殺していたのか...。阿部巨人と歴史的なデッドヒートを繰り広げる中、全ての力を結集して臨んだ大一番で痛恨の黒星を喫した。残り5試合で2ゲーム差。普通に考えれば絶望的といえる。しかし、逆転の可能性は残されている。5連勝した場合、残り6試合の巨人が3敗すれば、阪神が上にいく。この苦境を打破するためには、勝ち続けてライバルにプレッシャーをかけるしかない。昨季セ界を制し、日本一を勝ち取った岡田虎はファイティングポーズをとり続ける。3日空いて、27日の広島戦(マツダ)からの4連戦、そして今季最終戦となる10月3日のDeNA戦(横浜)にすべてを懸ける。3試合ぶりに無安打に終わった森下は「切り替えて頑張ります」と前を向いた。岡田監督も逆転Vへの算段を整え、1%でも可能性がある限りは球団初のセ・リーグ連覇という偉業達成に向けてベストを尽くす。泣いても笑ってもラスト5試合。全部勝てば何かが起こる-。奇跡を信じて全身全霊を注ぐ。(新里公章)

◆巨人は23日、阪神最終戦(甲子園)に1-0で競り勝ち、4年ぶりのリーグ優勝へのマジックナンバーを「4」に減らした。坂本勇人内野手(35)が七回、代打で決勝の右前適時打を放ち、連敗を2で止めた。前日22日に3度の好機で凡退し、この日スタメンを外れたベテランが、阿部慎之助監督(45)の代打起用に応えた。最短優勝は27日。3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた阿部巨人が、歓喜のゴールへ突き進む。打席へとゆっくり歩きながら、代打をコールされた坂本は深呼吸した。0-0の七回無死一、三塁。チームと自分自身にとって、運命をかけた打席になる―。勝負を知り尽くす心が感じ取っていた。「昨日、大事な試合で僕が全然打てなくて負けてしまったので、ああいう場面で回してくれたチームメートに感謝の気持ちを持ちながら打席に立ちました。何か起きてくれ! と思いながら、最後は気持ちでした」カウント2-2から阪神・高橋が投じた149キロの外角直球にノーステップでタイミングを合わせ、腕主導のスイングで逆方向へ運んだ。右前で打球が弾むと、「よっしゃー!!」と叫んだ。0-0の均衡を破る一打は、1ゲーム差で迎えた天王山で両軍唯一の得点。負ければ阪神とのゲーム差がなくなる大一番で、チームを勝利に導く一打となった。「野球人生の中でも、あそこまで悔しい思いはしたことがなかった。情けないなと思いながら、昨日一日は過ごしていました。なんか、すごい試練がきたなって。多分、一生忘れられないと思う」ライバルとの2連戦の初戦だった22日。百戦錬磨の坂本は悔しさに打ちひしがれた。阪神・才木の前に3度の得点圏で凡退し、途中交代。それまで8試合で34打数3安打。チームは0-1で敗れ、坂本は「申し訳ない」と言葉を絞り出すのが精いっぱい。どん底に沈んだが、グラウンドに立てば弱気は振り払った。九回のピンチをしのぎ、激戦を制した阿部監督は会見場に現れるなり「冷静な顔をしつつ、心臓が出てくるんじゃねぇかなと思った」と、フーっと上を見上げて息を吐いた。現役時代、1年目の坂本をグアム自主トレに連れて行って以来、深い信頼で結ばれている。ここ一番で代打で起用したチームリーダーの決勝打に「やっぱり...。最後、信じてよかったな」と、目頭を熱くした。阪神との今季最終カードを1勝1敗と踏ん張り、優勝へのマジックナンバーは「4」に減った。敵地甲子園でヒーローインタビューを受けた坂本は「優勝するまで気を抜かず、若手、ベテラン一丸となって優勝します!」と宣言した。ファンが、チームメートが、阿部監督が待っていた背番号6の一打で、チームが歓喜の瞬間へ大きく加速した。(谷川直之)

◆泣くな、高橋遥人! 俺が代わりに泣き女ならぬ泣き男となって号泣したるわー!! ウェ~ン、六回までわずか2安打と巨人打線をキリキリ舞いにさせたのに...。ビェ~ン、一~三回、六回とチャンスの山だったのに、なんで猛虎打線は得点を奪えへんねーん!!勝てば巨人にゲーム差なしと肉薄したのに、わずか1点で負けるなんて...。ウウウ、悔し過ぎるやないかァ!! 結局、2024年の虎は佐藤輝が打つか、打たないか(本日は3度、得点圏で打席を迎えてノーヒット)。佐藤輝が守るか、エラーするか、だったのかなぁ...。いや! 「だった」じゃなーい!! まだアレンパが完全に消えたわけではないのだ!!九回、2死1塁からアウトならゲームセットの場面で代走植田に盗塁させた岡田さん。そのプレッシャーの中、見事に成功させ、一打同点の場面をつくった植田。あのチャレンジ魂で残り5試合に勝って、あとは天に任せようぜ!! 巨人が負ければいい? そんな他力本願はせんわ!! でも巨人が次に戦うDeNAさん、3位のために勝ったれ!!(他力本願しとるやんかー!)

◆〝終戦〟か-。いや、そうじゃない。でも、あまりにも悔しい試合だった。「勝った方が優勝する」。試合前、阪神と巨人の関係者は口々に言っていた。阪神電車に乗っていてもタテジマのユニホームをきたファンがズラリ。負ければ暴動が起きてしまうんじゃないかと思うほど、球場外周は異様な雰囲気だった。甲子園のロビーにいると還暦虎番のビヤ樽こと三木建次も鼻息が荒かった。「きょう勝たないと優勝争いをしているとはいえないんや。引き分けの数を見てみろ。巨人の方が1つ多い。これが最後に効くと思うんや」ビヤ樽のメッセージを聞きながら、筆者は横にいた阪神の球団マスコットのキー太が抱えていたスナック菓子「キャベツ太郎」の大袋がひたすら気になった(ファンにもらったらしい)。絶対に阪神が巨人に勝つだろうとタカをくくっていたから、正直、ビヤ樽の話は耳に入ってこなかった。あるメーカーに勤めている知人からは「タイガースの優勝グッズを作ろうかどうしようかと社内でもんでいる。正直、優勝しなければ売れないんだけど、上司からゴーサインが出たよ」とメールがくる。み~んな、この日の勝利を信じていた。もともとこの日は8月30日に予定されていた試合が台風10号の影響で中止になってのもの。試合前のイベントも一部が〝振り替え〟となった。

◆甲子園は2日間、スタンドがびっしり。ものすごい熱気で、華やいでいた。その中で「1-0」ゲームの連続。地味な結末は、今季の両チームの象徴といえる。好調を持続する打者がいない。乗ってきたと期待させて急にしぼむ。それでいてまたポツッと打ち出す。その繰り返し。巨人では坂本を、あれだけ打てなかったから今日も駄目か...と斜に構えて眺めていたら、決勝タイムリーで驚かされる。阪神では逆に、みなブリブリ振り回して、つなぐ打線であることをもう忘れてしまっている。要するに、メトロノームの振り子のように、好不調と勝ち負けが行ったり来たり。先が読めないのが今季の特徴だったわけだ。それもやっと一段落。1、2位は決したと思う。振り返れば阪神も夏場の後退から、よく再浮上した。巨人も勢いがないままよく、ここまで持ってきた。地味ながら、V争いの興味を引っ張ってきてくれたね。まあ、派手なゲームという部分は、クライマックスシリーズに期待するとしよう。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
73577 0.562
(↓0.001)
M4
(↑2)
6431
(+1)
367
(+1)
78
(-)
54
(-)
0.244
(-)
2.490
(↑0.03)
2
(-)
阪神
72606 0.545
(↓0.001)
2
(-)
5471
(+1)
401
(+1)
66
(-)
37
(+1)
0.244
(↓0.001)
2.470
(↑0.03)
3
(1↑)
DeNA
66643 0.508
(-)
7
(-)
10495
(+9)
471
(+7)
97
(+1)
60
(-)
0.256
(-)
3.080
(↓0.01)
4
(1↓)
広島
65645 0.504
(↓0.008)
7.5
(↓1)
9391
(+1)
385
(+3)
51
(-)
58
(+1)
0.237
(↓0.002)
2.560
(↑0.01)
5
(-)
中日
58728 0.446
(↑0.008)
15
(↑1)
5363
(+3)
464
(+1)
65
(-)
37
(-)
0.242
(↓0.001)
3.000
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
57754 0.432
(↑0.001)
17
(-)
7477
(+7)
534
(+9)
97
(+2)
65
(+2)
0.242
(↑0.001)
3.700
(↓0.02)