オリックス(★4対9☆)ソフトバンク =リーグ戦23回戦(2024.09.23)・京セラドーム大阪=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ソフトバンク
10033002091500
ORIX
2000020004721
勝利投手:石川 柊太(7勝2敗0S)
敗戦投手:才木 海翔(0勝2敗0S)

本塁打
【オリックス】来田 涼斗(2号・6回裏2ラン)

  DAZN
チケットぴあ ORIX戦チケット予約 ソフトバンク戦チケット予約
◆ソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を決めた。ソフトバンクは1-2で迎えた4回表、川村と周東の適時打で3点を挙げ、逆転に成功する。続く5回には、柳町と川村が適時二塁打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・石川が6回途中4失点で今季7勝目。敗れたオリックスは、先発・才木が振るわなかった。

◆オリックスは現在ソフトバンク戦5連敗中だが、15日20回戦0-3、16日21回戦0-1、20日22回戦0-4と3試合続けて完封負けを記録中。同一カードで4試合連続完封負けを喫すれば95年阪神(巨人戦=5試合)以来で、パ・リーグでは67年西鉄(阪急戦=4試合)以来57年ぶり。オリックスでは球団初の屈辱記録となってしまう。ソフトバンク投手陣を攻略して得点を挙げられるか。

◆優勝マジック1のソフトバンクが球場入りした。午後2時47分に小久保裕紀監督(52)を乗せた車が登場。午後3時12分にはチームバスも到着し、2軍調整中だった和田毅投手(43)、右肩痛の松本裕樹投手(28)、「左大円筋損傷」の大関友久投手(26)の姿もあった。リーグ制覇に王手をかけているソフトバンク。この日は日本ハム勝利、ソフトバンク敗戦以外の結果で4年ぶりの悲願がつかめる。

◆4年ぶりのリーグ制覇に王手をかけているソフトバンク小久保裕紀監督(52)が平常心を強調した。優勝マジック1で迎えるオリックス戦前に報道陣の取材に対応。日本ハムが引き分け以下でも優勝が決まるが、「自力で決める? そりゃそうでしょ。自分らでやれることは限られているので」と勝利で悲願をつかむ。前日22日はホテルでビールを飲みながらリラックス。「すぐに寝ました。10時間ぐらい寝てたんじゃない?」と表情もすっきりした様子だった。「皆さんが思うほど心はざわついてないので。いたって平常です」と冷静に135試合目を戦う。

◆ソフトバンクの59年ぶり「里帰りV」はなるか。ホークス球団が大阪市内で行われる試合でリーグ優勝を決めれば、1965年(昭40)以来だ。同球団は昭和時代に、南海ホークスとして大阪・なんばの大阪球場を本拠地としていた。大阪時代に12度のリーグ優勝を果たし、一時は長嶋茂雄も入団を決意する強豪だった。88年オフに球団はダイエーへと売却され、福岡へ移転。05年からは現在のソフトバンクが保有している。大阪での最後のリーグ優勝決定は、65年9月26日の対東映(現日本ハム)ダブルヘッダー第2試合。1点を先制された1回裏の攻撃で、ホークスはケント・ハドリの二塁打などで3点をあげ軽々と逆転。5回にも追加点を挙げ、4-2で優勝が決まった。鶴岡一人監督は「食堂で乾杯や!」と全選手を集め、ビール掛けを楽しんだ。同年の南海では、野村克也が戦後初の3冠王を達成しMVPを受賞する活躍を見せた。エースのジョー・スタンカも14勝と、投打がかみ合っての優勝だった。南海はこの後66、73年とパ・リーグを制したが、大阪球場での優勝決定はなかった。また、福岡移転後も大阪でのVはならなかった。京セラドーム大阪のソフトバンク戦には、南海時代からの熱心なホークスファンも多く詰めかける。59年ぶりの雄姿を、オールドファンに披露できるか。

◆/仕事人の一打\#中村晃 先制タイムリー飛ぶスライディングは #今宮健太?プロ野球(2024/9/23)??オリックス×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #sbhawks pic.twitter.com/OND1ZSNB2v

◆優勝マジック1のソフトバンクは初回に中村晃外野手(34)の適時打で先制。しかし直後に先発の石川柊太投手(32)が逆転を許した。1番大里を四球で歩かせ、2死から森に右前打。2死一、二塁で西川に中越え2点適時二塁打を浴びた。リーグ制覇に王手をかけているソフトバンク。この日は日本ハム勝利、ソフトバンク敗戦以外の結果で4年ぶりの悲願がつかめる。日本ハムは午後6時半の時点で西武に1-0とリード中。引き分けでもVとなるだけに、まずは同点に追いつきたいところだ。

◆ソフトバンク中村晃外野手(34)が先制タイムリーを放った。0-0の1回2死一、二塁。オリックス才木の真ん中高め直球を引っ張り、右前へ運んだ。二塁走者の今宮健太内野手(33)が生還。右足関節捻挫で離脱した近藤健介外野手(31)に代わって、5番起用が続いている背番号7が勝負強さを発揮した。「とにかく先制のチャンスを生かすことだけを考えました。いい集中力で打てたと思います」と振り返った。チームは優勝マジックを1とし、勝利で4年ぶりのリーグ優勝が決定する。中村晃は「何とか勝って(優勝を)決められるように頑張ります」と意気込んだ。

◆優勝マジック1のソフトバンクが、あっさり試合をひっくり返した。1点を追う4回。2死一、三塁で9番川村友斗外野手(25)が一塁強襲の同点適時打を放った。続く1番周東佑京内野手(28)は左中間を破る2点適時三塁打をマーク。2点を勝ち越し、相手先発のオリックス才木を4回途中でノックアウトし、主導権を奪い返した。チームは優勝マジックを1とし、勝利で4年ぶりのリーグ優勝が決定する。

◆ソフトバンクが4年ぶりにリーグ優勝を奪回した。試合中だったが、ベルーナドームで日本ハムが西武に敗戦。その瞬間にソフトバンクの優勝が決まった。直後にソフトバンクも勝利。大阪の地でリーグ優勝は南海時代の65年以来59年ぶり。大阪を主戦場としていたホークスにとっては「里帰りV」となった。小久保裕紀監督(52)は胴上げ8度、さらに孫正義オーナーも宙に舞った。直近3年間は悪夢の連続だった。工藤元監督の最終年だった21年は8年ぶりのBクラス。5年連続日本一の夢が途絶えた。藤本前監督の1年目だった22年は、優勝マジック1としながらリーグ最終戦で敗北。勝利したオリックスに2連覇をさらわれた。23年は7月に12連敗を喫するなど大失速。勝率1毛差で3位フィニッシュとなり、CSファーストステージでも3-0の延長10回に4失点してサヨナラ負け。劇的な敗戦の連続ともあり、勝利に飢えていた。「勝利の女神は細部に宿る」。就任1年目の小久保裕紀監督(52)は定められたルールを徹底させ、隙のないチームを作り上げた。怠慢走塁はいかなる状況でも許さない。主力が全力で走るからこそ、後輩たちはついてくる。「上に立てば立つほど見られている。2、3、4軍の選手にも見られている。電車に乗ったって知らない人に見られている。駅であっても空港であっても」。就任以来から言う「美意識」を植え付けた。最後に勝利の女神がほほ笑んだ。今後はポストシーズンを勝ち抜き、日本一を目指すチーム作りが始まる。レギュラーシーズン終了まで小久保ホークスは緩みなく戦い続ける。

◆/美しい野球で頂点へ\小久保裕紀監督就任1年目ソフトバンクが4年ぶり20回目の優勝?プロ野球(2024/9/23)??オリックス×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #sbhawks pic.twitter.com/OUsk8IJGY4

◆/歓喜の胴上げ\#小久保裕紀 監督に続いて#孫正義 オーナーも宙を舞う?プロ野球(2024/9/23)??オリックス×ソフトバンク??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #sbhawks pic.twitter.com/k6vrYRuFHq

◆4年ぶりのVは「世界一のチーム」への序章-。ソフトバンク三笠杉彦取締役GM(50)が福岡移転35周年の記念イヤーに日刊スポーツの独占取材に応じた。コロナ禍を乗り越え、連日満員御礼の本拠地。九州に根付いたチームとして10度目のリーグ制覇を達成し、強いホークスを取り戻した。近未来に訪れる可能性があるメジャー球団との世界一決定戦への思いは...。フロントのトップが展望を語った。-24年はソフトバンクが福岡移転しての35周年。連日の満員御礼で九州に根付いた球団になった三笠GM 35年が経ったということで連日の大盛況は本当にありがたいなと思います。直近でいうと、コロナの頃はとても大変でした。去年も途中まではやや制限があったんですが、今年はフルシーズンで制限なくやれて、たくさんのお客さんが見に来てくれたのでとても感慨深いです。-今年は福岡移転後、10度目のリーグ優勝になった。福岡で常勝軍団を築いた三笠GM ダイエー時代に常勝の礎を築いた根本陸夫元監督の本を読んでも、やはりホークスが強くなったのは根本さんの功績が大きいなと。根本さんが王監督を招聘(しょうへい)して、99年に初の日本一。そこから強いホークスが始まったという認識をしています。日本のスポーツエンターテインメントビジネスの中でもものすごく大きな出来事でした。福岡移転35周年とほぼイコールでパ・リーグの発展も著しいなと思います。-記念イヤーで小久保ホークスがリーグ優勝三笠GM 今年はベテラン、中堅、若手が融合して勝つ理想的なシーズンだったと思います。フロントとしても大変素晴らしい戦いをしていただいたと思います。小久保監督を中心に首脳陣がブレない戦い方を1年間を通してやってくれました。小久保監督はよく「戦い方を決めるのが自分の仕事だ」という言葉を口にしていました。-小久保監督の言う「戦い方」とは三笠GM 今日勝ったから、負けたらから戦い方を変えるということでありません。今の陣容だとこの戦い方でしばらくやっていこうとか、うまくいかない状況が続けば、またある一定期間で新たな戦い方を見つけるということ。年間を通しての戦い方を遂行していくということです。それは小久保監督とコーチ陣がしっかり話して、1年間、隙のないブレない戦い方をする。それが監督コーチの仕事だという風にご認識されてやってくれました。その結果、戦う選手は自分の仕事をしっかりやることに集中できて、いい循環になったということだと思います。-今年は育成選手から8人が支配下昇格した三笠GM 1軍でも活躍が光りますし「育成のホークス」を再び取り戻すことができたなという認識です。ただ、我々は4軍制を敷いているから勝てたという認識ではありません。今年に関しては本格的にコーディネーター制を組み、コーディネーターと監督コーチの役割を整理しました。データサイエンスやメディカルも含めて人員を増やしました。さまざまなことを始めたばかりなのでうまくいっていないこともありますが、取り組んできたことが正解につながっている部分もあると思います。-今後は球団の理想「世界一のチーム」に向かって進みたい三笠GM その通りです。それは孫オーナーが考えていらっしゃること。今年のキャンプイン直前に、小久保監督が近未来に訪れるかもしれないメジャー球団との世界一決定戦に向けて理想的なチームを作ろうという話をしました。球団としては2つやらないといけないことがあります。1つは「世界一決定戦への道筋を作ること」。2つ目は「世界一決定戦があったら、日本代表としてはホークスに出場させたい」と思われる球団を作ることです。球団の掲げる理想のなかで小久保監督にも共鳴していただいたということ。リーグ優勝を果たし、今後も「世界一のチーム」に向かってフロントもバックアップしていきたいと思います。三笠杉彦(みかさ・すぎひこ) 1974年(昭49)3月27日、岩手県釜石市出身。釜石南でラグビーを始め、東大でもプレー。ポジションはセンターで06年から同大学の監督も務めた。97年に日本テレコム(現ソフトバンク)に入社。08年から福岡ソフトバンクホークスの球団事業に携わり19年からGMを務める。

◆ソフトバンクの後藤芳光球団オーナー代行兼社長(60)が23日、小久保裕紀監督(52)に来季続投要請を行うことを明言した。オリックス戦に勝利し、4年ぶりのリーグ優勝が決定。3年契約1年目での悲願を達成し、「来季以降も指揮を任せるか?」との問いに「我々はもちろんそのつもりです」と話した。長期政権も視野に入れており「そういう監督になれる方だと私は信じています」と話した。

◆ソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を果たし、負傷離脱中の近藤健介外野手(31)と柳田悠岐外野手(35)も歓喜の輪に加わった。近藤は右足首を負傷しており、松葉づえ姿でグラウンドへ。柳田は右半腱(けん)様筋損傷から復帰を目指して2軍で実戦を積んでいる。開幕では「3番柳田-4番山川-5番近藤」から始まったホークス打線。優勝に貢献した戦士たちも優勝の喜びを味わった。

◆オリックスは完敗で借金は今季ワースト15となった。才木や佐藤らチャンスをもらった若手が失点を重ね、失策も絡んで大敗。球団初の同一カード4試合連続完封負けこそ免れたが、目の前でソフトバンクに優勝を決められた。24日はT-岡田、安達の引退試合ともなる本拠地最終戦。中嶋監督は「彼らのためにもいい試合をしたいと思いますし。若いやつらで行くのかまだ決めてないですけど、見せてほしいですよね、そういうのは」と意地に期待した。

◆ソフトバンクが、4年ぶりのリーグ優勝を決めた。ソフトバンク倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(50)の"魔改造"が実った。チーム防御率は最後にリーグ優勝した20年以来の2点台。直近10年では2度目、シーズン143試合制に限れば初という鉄壁ぶりだった。コーチ業を仕事と思わない積極的な姿勢に関係者は「あれほど熱心な人は見たことない」と目を丸くするほど。米国でのコーチ修行を経ての再入閣1年目。ソフトバンクの最重要課題だった先発陣を立て直した。四球に対する印象を変えた。「今までだったら四球1個が悪みたいなイメージがあったと思う」。特に先頭打者への四球は失点に直結しやすいが「僕は出すのはしょうがないと思っているので」と倉野コーチは割り切った。重要なのは「0で帰ってくること」。先頭四球、2死から四球でも、とがめない。小久保監督や他の投手コーチの理解も深かっただけに「小久保監督もそうですが、その後を抑えればいいって言ってくれるのはありがたいですよね」と感謝していた。今季8勝と覚醒したスチュワートは無四球だったのが1試合のみ。それでも防御率2・03の成績を残した。小久保監督も苦し紛れの投球ではなくなった右腕の姿に「今年の成長」とうなずいた。最速160キロ右腕の杉山は制球難と言われながら終盤は勝利の方程式入り。昨季は1軍登板ゼロ、一昨年は防御率6・80だった右腕が、倉野マジックにより開花した。シーズン前に考えた開幕ローテーションは18通りだった。大好きなサウナで体を蒸されながら脳みそは野球でいっぱい。移動中は重たいまぶたをこすりながらファームの投手陣を逐一チェックした。"魔改造"とは、21年に1年半の月日を費やして投手の育成論を書き上げた初の自著「魔改造はなぜ成功するのか」が由来。投手王国を確固たるものへ。倉野コーチの改革は続く。【只松憲】

◆V奪回にソフトバンク王貞治球団会長(84)も喜びいっぱいだった。小久保監督の胴上げに続いて孫オーナーが宙に舞うと、両手を挙げて笑顔を見せた。「終わりよければね。勝って優勝できたしよかったね」。ダイエー時代からのまな弟子でもある小久保監督のさい配も称賛。「彼は勉強家ですしね。本もよく読んでいるし、指導者として勉強した。ファームで2年間、(監督を)やったでしょ。あれが大きかったと思う。育てた選手を積極的に使ってね。思い切って大胆に使っていましたよね」とたたえていた。

◆ソフトバンク孫正義オーナー(67)が5度、宙を舞った。ナインの手で胴上げされ「最高ですね。勝負ごとは勝つのが最高ですね」と実感を込めた。就任1年目の小久保監督について「見事なリーダーシップで、見ていて気持ちのいい采配でした」と目を細めた。「日本一を期待しております」とCSを勝ち抜いての4年ぶり日本一に大きな期待を寄せた。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)がチームメートに感謝した。自身は5月31日の広島戦で右太もも裏を負傷。現在は2軍で実戦を重ねており、仲間が4年ぶりのリーグ優勝で無念を晴らしてくれた。胴上げの瞬間に立ち会い「すごく強いチームだなと思いました。若い選手がどんどん出てきて強くなるのが球団の理想だと思う。来年、再来年も強いチームになる。負けないように頑張りたい」と話した。

◆4年ぶりのリーグ優勝を果たしたソフトバンク小久保裕紀監督(52)が優勝会見に出席した。選手会長の周東佑京内野手(28)、有原航平投手(32)、栗原陵矢内野手(28)も同席した。小久保監督は開口一番「今日だけは楽しもうと思ったんですけど、倉野(1軍投手)コーチが部屋に来て次のミーティングを始めたので、もう次の事かいと。この後のビールかけを楽しもうと思います」と苦笑いした。

◆ソフトバンクがリーグ優勝した23日夜、大阪市内のホテルで行われたビールかけは大盛り上がりを見せた。柳田悠岐外野手はなぜかコーラを手に参戦。「(前監督の)藤本さん直伝のコーラ爆弾です」と"ギータ節"をさく裂させた。栗原は「最高のビールだ! 最高のビールですよ!」とどんちゃん騒ぎ。選手会長の周東は「強いホークスでいられるように頑張ります! 」と歓喜のビールを浴びながら宣言した。

◆ソフトバンク小久保裕紀監督(52)がリーグ優勝の会見に出席。残る8試合のレギュラーシーズンの戦い方について言及した。「タイトルが絡んでいる選手がいるので。周東の盗塁王のこともありますし」同席した周東は表情を締める。しかし同じく同席した栗原については「栗原はちょっとタイトル関係ないんですけども」といじった。「有原も最多勝がかかっている。その辺はうまく。そこは選手はシーズンのご褒美。つかめるところは協力したい。あとはCSに向けて。どこのチームが上がってくるかを分析しながら、またコーチ陣にいろいろと情報を出してもらおうかなと思います」と話した。

◆ソフトバンク周東佑京選手会長の乾杯のあいさつで豪快に祝勝会がスタートした。「僕らはすごい強かったと思う。まわりが何と言おうと僕らは優勝するチーム。あ、優勝しましたけど。今日はしこたま楽しんで、明日二日酔いで帰りましょう。3、2、1、ビバ!」。4年ぶりの思いを込めたビールかけに鷹ナインが酔った。

◆ソフトバンクのベテラン和田毅投手がリーグ優勝の喜びを口にし、ポストシーズンを見据えた。「うれしいです。チームとして優勝できたので良かったです」と振り返った。左腕は、ファーム調整中で「ポストシーズンもあるので。そこに貢献できるように」。倉野1軍投手チーフコーチは中継ぎの起用プランを視野に入れており、和田は「1イニングでも貢献できるように」と力を込めた。

◆4年ぶりのリーグ優勝を決めたソフトバンクの今宮健太内野手(33)が、日刊スポーツに手記を寄せた。選手会長だった22年は優勝マジック1としながらリーグ最終戦でV逸。チームに欠かせない存在となった男が屈辱の涙を歓喜の涙に変えた。遊撃手としてのパ・リーグ最多出場を誇る名手が、強いホークスを受け継ぐために奮闘した1年を赤裸々に明かした。2年前の22年は、優勝マジック1で優勝を逃しました。僕は当時の選手会長として涙を流しましたが、ようやく悔しさを晴らすことができました。入団以来、リーグ優勝を経験するのは7回目です。当然うれしいですが、今年の優勝は違った味になりました。2010年代の優勝時は20代でした。本多雄一さんや松田宣浩さん、内川聖一さんがチームを引っ張り、どちらかというと僕は「優勝をさせてもらった」「経験させてもらった」立場でした。目の前の試合に夢中で、チーム全体を俯瞰(ふかん)して見る余裕はありませんでした。そんな偉大な先輩方がチームを去り、今では柳田さんや(中村)晃さんとともにチームを引っ張る立場になりました。今年はベテランの域として「見られている意識」を徹底して臨んだシーズンでした。凡事徹底もそうですし、年齢的に上にいる僕らが雰囲気を引き締めないといけない。僕がそうであったように、今の若い選手たちには、目の前の試合に全力、1打席1球に真剣に取り組んでほしい。チームをまとめるのは経験のある僕たちの仕事だと思っています。ホークスのよき伝統を受け継ぐべき奮迅した1年でした。中学でも高校でもキャプテンをやったことはなかったですし、前に立って発言するのは苦手です。でも言わないといけない立場。8月28日、長崎でのオリックス戦で津森が3者連続押し出し四死球を与えました。マウンドで津森に「首をかしげるな」と活を入れました。マウンド上で投手に活を入れたのは人生で初めてのことでした。津森は真剣だと思いますが、首をかしげる姿はお客さんも含めて周りは見ています。そういう姿はチームの士気を下げてしまう。津森のため、今後のチームのためにも体が動きました。昔の自分では考えられないですね。今後チームの顔となっていくべきなのは(周東)佑京だったり、クリ(栗原)。今年から選手会長を佑京に託しましたが、理由の1つに人間として成長して欲しいという願いが込められています。クリも打席の結果が態度に出てしまうタイプ。打てないのは仕方がないことですが「見られているのはそこじゃないよ」ということを感じてほしいなと思います。小久保監督に対しても感謝の胴上げになりました。3年前の21年、僕は打率2割1分4厘と全く打てませんでした。ホームランを打ちたい欲もすごかった。当時のヘッドコーチだった小久保さんには「右方向への打球を打て」とよくアドバイスをいただきました。それが転機です。低く強い打球を打つ意識を植え付け、翌年に打率2割9分6厘とキャリアハイの成績を残しました。小久保さんのアドバイスで自分の新しい打撃スタイルを築くことができました。僕自身は大した成績を残していません。しかし、人前に立つのが苦手だった自分にムチを打った1年でした。強いホークスを継承していくために、これからも頑張っていきます。(ソフトバンクホークス内野手)今宮健太(いまみや・けんた)1991年(平3)7月15日生まれ、大分県別府市出身。明豊では2年春と3年春夏に甲子園出場。高校通算62本塁打。09年ドラフト1位でソフトバンク入団。3年目の12年から主力に定着し、14、17、22年ベストナイン。13年から5年連続で遊撃手のゴールデングラブ賞受賞。15年プレミア12出場。172センチ、76キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3億円。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】ソフトバンクが4年ぶりリーグ優勝を達成!歓喜の輪の中心で小久保裕紀監督が8度、宙を舞いました!

◆ソフトバンクが4年ぶり20度目のパ・リーグ優勝を果たした。1リーグ時代を含めると22度目。優勝マジック1で迎えたオリックス戦で勝利した。小久保裕紀監督(52)は就任1年目で悲願達成。胴上げでは8度宙に舞った。京セラドーム大阪での優勝インタビューは以下の通り。-おめでとうございます「ありがとうございました」-就任1年目に8回宙に舞ったがどんな時間だった「2月キャンプからね、この日のためにチーム全員でやってきたんで、その懸命に戦った選手たちに胴上げしてもらえて、ほんと最高ですね」-優勝を決める一戦で今シーズンを象徴する強力な打線が力を見せた「やっぱり勝って決めたいというね、思いがあったんで、それが実現できて良かったですし、何より、ここ京セラドームで3月29日開幕し、昨年までの覇者オリックスに対してどれだけ我々が戦えるかというスタートを切った中で、やはり3連覇したオリックスがいたからこそ我々もそこに向かってやれるというね、そういうシーズンだったんじゃないかなと思います」-決勝打は選手会長の周東の一打「例年9月よく打つらしいんで期待してましたね」-そこにつながる一打は2軍で共に汗を流した選手でもある去年まで3桁の背番号をつけていた川村「昨日のホームランといいですね、バッティング練習の状態も良くなってきたんで、やっぱりコーチの方から『いける』という推薦があったんで、見事期待に応えてくれましたし、まあ彼らはまだ始まったばっかりなんでね、この1年目の経験を糧にしながら、もっともっといい選手に成長してほしいなというふうに思います」-序盤から首位を走り続けて、強いホークスが戻ってきたと印象づけるような戦いぶりだったが、ここまでの歩みを振り返って「幸いにもゲーム差があった中でのペナントレースだったんですが、やってる我々は常に最悪最低を想定しながらマネジメントはするんですけども、非常に空いてるだけにね、少しチャレンジャーというスタートした中で、少し逃げきるとか、守りに入るっていうところもやはりあったんでね、9月に入ってからの戦いが非常に長く、しんどく感じましたね」-その9月の戦いを乗り切れた要因は「開幕当初、選手たちにはプロとはなんぞやと、替えのきかない選手になることが本当のプロフェッショナルっていう中で、個々の選手たちが替えのきかない選手になり、集大成を迎え、連敗もありましたけどね、そこから跳ね返したのは、ここがプロフェッショナルとしてやった結果だと思います」-優勝を待ちわびたファンに伝えたいことは「今日は優勝の余韻に浸っていただいて、我々も今日は余韻に浸ります。しかし、クライマックスリーズありますんで、明日以降、クライマックスシリーズに向けての作戦、作戦というか戦術に切り替えていきたいなと思うんで、今日は楽しんでください」-ポストシーズンに向かうがどんな戦いを見せていきたい「残りのシーズンを有効に使いながら、また柳田もね、2軍の方で復帰して来てますしね、彼らを焦らせることなく、クライマックスシリーズに戻ってきてくれれば良いなという思いで、2軍も優勝争いしてますんで、明日は鳴尾浜の方にどうか足を運んでください」

◆ソフトバンク王貞治球団会長(84)が4年ぶりのリーグ優勝に万感の思いを込めた。王ダイエー初年度の95年、当時プロ2年目だった小久保裕紀監督(52)を「4番」に抜てき。世界の王は球界を代表する主砲育成に向け、英才教育を施してきた。そして30年後...。愛弟子は監督1年目で見事にV奪回を果たした。「常勝復活」へ向け、王会長の気持ちも高まるばかりだ。待ち焦がれたゴールにたどり着いた。過去は振り返らない。「昨日より今日。今日より明日」。王会長は監督時代からそう言い続けてきた。だが、胸の中に澱(おり)のように沈殿した悔しさはチームの誰よりも忘れてはいない。愛弟子である小久保監督の就任1年目での悲願達成。王会長の感激もひとしおだった。今年1月。青学大野球部OB会主催の「小久保新監督を応援する会」が都内で行われた。王会長も出席。あいさつに立った。「若い人との接点は1軍だけにいてもなかなかできない。(2軍監督の)この2年間はいい経験だったと思う。(巨人時代の)長嶋さんも私もそのような苦労はしてこなかった。振り返ってみればそういう苦労をしておくべきだったと思います」。ファーム監督の経験が必ず生きると信じた。育成出身の川村、仲田、緒方の3選手を開幕メンバーに抜てき。必勝義務に加え、若手登用も2軍監督の経験でうまくいった。1年前の秋。小久保政権が誕生して初の秋季宮崎キャンプ。練習を見やりながら王会長は少しばかり申し訳なさそうに言った。「本当は小久保監督の思った通りの練習をさせたかったんだけどね。会社の方でメニューを決めていたからね」。自主性尊重の初キャンプ。小久保監督も練習量には納得していない様子だった。王会長はそんな気持ちも察していたのだろう。若手野手にはどんな打者になりたいか全員にリポート提出させた。側面から小久保監督をサポートしてもいた。V逸の3年間、最も悔しさをにじませたのは王会長だった。誰よりも勝利にこだわる。ホークスの王となって30年、勝利への執念を植え付けてきた。そのDNAを最も受け継いだのは小久保監督だった。あの打球は今でも目に焼き付いている。ハワイの夜空に白球が舞った。左中間スタンドに飛び込む決勝2ラン。王さんはバックネット裏の席から立ち上がった。「完璧だったね。すごいね」。興奮して左拳を握りしめた。ダイエー監督就任から約1カ月後。名球会の行事でホノルルを訪れた。ハワイでのウインターリーグに参加していた小久保の最終戦を偶然にも観戦できた。世界の王が小久保の豪快なスイングを見て、レギュラーを確信させた瞬間だった。巨人に別れを告げ、九州にやってきて30年。ジャイアンツとホークスのキャリアは同じ年数になった。04年オフにダイエーが身売り。「本当は会社も変わるし、身を引こうと思っていたんだけどね」。新球団ソフトバンクの孫オーナーとその冬に会食した。座っていた座布団をずらし、新生ホークスでもタクトを振り続けて欲しいと、深々と頭を下げる孫オーナーの熱意を感じた。退任は踏みとどまった。王さんがホークスの監督を退任してから、小久保監督で4代目。秋山、工藤、藤本とタクトは引き継がれた。誰よりも勝利への執念を前面に出す「王イズム」はしっかり教え子に受け継がれた。【佐竹英治】

◆ソフトバンクが4年ぶりにリーグ優勝を果たした。マジック1で迎えたこの日、試合終了直前に2位日本ハムが西武に敗れて優勝が決まり、その直後にオリックス戦(京セラドーム大阪)に完勝した。ミスターホークス、小久保裕紀監督(52)は"王イズム"で強固な組織をつくり上げ、就任1年目で球団の悲願を達成した。南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代を含めると22度目の栄冠となった。次はクライマックスシリーズを勝ち抜き、4年ぶりの日本一に挑む。決着は午後9時19分だった。日本ハムの敗戦でV決定後、即座にソフトバンクが勝利。正真正銘の自力優勝だ。大阪での優勝は南海時代の65年以来59年ぶり。大阪を主戦場としていたホークスにとっては「里帰りV」。「2月のキャンプからこの日のためにチーム全員でやってきた。その懸命に戦った選手たちに胴上げしてもらえて本当に最高です」。破顔した小久保監督が8度、宙に舞った。日本代表監督だった15年に悪夢を見た。プレミア12で継投策の失敗。当時21歳だった大谷翔平を7回無失点ながら降板させ、準決勝で韓国に逆転負けした。「人生は必然、必要、ベストなタイミングで事は起こる」が座右の銘だった指揮官が「これも必然なんか?」と己を見失いかけた。日刊スポーツ1面に書かれた「小久保の失敗」。采配批判された新聞を額に入れて自宅の書斎に置いた。リーダー論、組織論を徹底的に見つめる転機だった。強い組織は「全員が同じ方向を向く」と確信した。理想のチーム作りに王イズムを反映。「仲が良いから結束するんじゃない。勝つから結束する」。平成初期に王ダイエーで井口、松中、城島らと黄金期を築いた。互いの連絡先を知らなければ、食事もしない。「普段はつるまん。でも勝利への執念はすごかった。みんなそっち向いとったもん。王さんの下で」。小久保ホークスも羅針盤を正した。「言いにくい選手に言わないとか、それは組織として良くない」。6月8日のDeNA戦では周東が一塁を駆け抜けた際にグラウンド内を通ってベンチへ。落球したためセーフだったが一転、アウトになった。隙を見せたプレーに全体ミーティングで周東を叱責(しっせき)した。名指しで「あり得ない」と怒った。翌日には4軍まで全選手に共有。チームで定める「走塁メソッド」を改良した。秩序を正すとともに、選手会長の成長を考えての行動。その周東が最後まで先頭に立ちチームを引っ張った。打順はコーチに一任した。己の役目は決断。勝って結束するためのタクトはシンプルだった。大きな決断に「4番山川」がある。FA加入した主砲は6月に月間0本塁打の不振に陥った。「4番を外したほうがいいのか」。胸の内では思っても、打撃コーチは毎日4番に「山川穂高」を据えた。理由は問わなかった。コーチを信頼した。7月には指揮官も腹をくくった。球宴出場組に札幌で日本料理をふるまい、酒を交わしながら本音を語り合った。山川とは4番について激論し「もう覚悟決めとけ。どんなに悪くても最後まで4番外さんから」と告げた。山川は後半戦で18発。悲願につながる決断だった。プレミア12の敗戦から9年、小久保監督は勝った。目指すべきは連覇、世界一。常勝軍団の復活へ。ミスターホークスが黄金時代を取り戻す戦いは、まだ始まったばかりだ。【只松憲】

◆ソフトバンクが4年ぶりにリーグ優勝を果たした。マジック1で迎えたこの日、試合終了直前に2位日本ハムが西武に敗れて優勝が決まり、その直後にオリックス戦(京セラドーム大阪)に完勝した。ミスターホークス、小久保裕紀監督(52)は"王イズム"で強固な組織をつくり上げ、就任1年目で球団の悲願を達成した。南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代を含めると22度目の栄冠となった。次はクライマックスシリーズを勝ち抜き、4年ぶりの日本一に挑む。日本ハム新庄監督 (小久保監督は)勝って当たり前みたいな感覚で采配しないといけない。ものすごくプレッシャーだったと思う。しっかり決めるところは、さすが同級生。ロッテ吉井監督 戦っていて打線に迫力を感じ、その圧にこちらの投手陣も慎重になってしまい、やられてしまった。カード勝ち越しが出来たのは1度だけ。完敗を認めざるを得ないかなと思っています。楽天今江監督 やっぱりやられた時はだいぶ圧倒された負け方になってしまった。必死にもちろん戦ってますけど、強力打線というところにかなり苦戦したなというのは感じます。オリックス中嶋監督 打線が強いですし、投手もそろってますし。なんとか対抗しようと思ったんですけど、春先まででしたね。あとはもう、完全に力負けという感じがしました。西武渡辺GM兼監督代行 けが人が出ながらも、それを補う選手がすぐに出てきて、層の厚さをすごく感じた。今シーズンあれだけ逃がしちゃったというのは非常に悔しい思い。

◆ソフトバンク近藤健介は松葉づえ姿で現地に駆けつけ、歓喜の輪に加わった。「みんなと喜びを分かち合えたのでうれしく思います」。16日の敵地オリックス戦で右足首を負傷し、今季最終盤で無念の離脱。2年連続の全試合出場は果たせなかったが、不動の主軸としてMVP級の活躍だった事実は変わらない。開幕から出場全試合で「5番」に座った。打率3割1分4厘、19本塁打、72打点をマーク。出塁率4割3分9厘で、首位打者&最高出塁率の打撃2冠を狙える位置にいる。「今度は日本一の輪に入れるように」。ポストシーズンまでの最短復帰を目指す。

◆ソフトバンクが4年ぶりにリーグ優勝を果たした。マジック1で迎えたこの日、試合終了直前に2位日本ハムが西武に敗れて優勝が決まり、その直後にオリックス戦(京セラドーム大阪)に完勝した。ミスターホークス、小久保裕紀監督(52)は"王イズム"で強固な組織をつくり上げ、就任1年目で球団の悲願を達成した。南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代を含めると22度目の栄冠となった。次はクライマックスシリーズを勝ち抜き、4年ぶりの日本一に挑む。今季のプロ野球は投高打低で、平均得点が4点以上はソフトバンクだけだった。打線の中心は移籍1年目の山川と移籍2年目の近藤。昨年は近藤が本塁打と打点の2冠を獲得し、今季は山川が両部門ともトップ。移籍1年目の選手が2年続けて打撃2冠を獲得した球団は過去にない。小久保監督は4番に山川、昨年は10人、優勝の20年も11人起用した5番に近藤を固定。ケガで近藤の連続5番は途切れたが、開幕から129試合続けて4、5番が替わらないのは05年阪神(4番金本、5番今岡)以来でパ・リーグでは初めてだ。肩書付きの殊勲安打が山川は21本、近藤も21本あり、勝利打点は2人合わせて23度あった。山川が打点を挙げた試合は40勝8敗1分け、近藤は37勝7敗2分け。2人そろって打点を挙げれば19勝0敗と勝利に貢献した。2人の前を打つ3番は柳田でスタートしたが、柳田離脱後は栗原を起用。3番も柳田、栗原、柳町の3人だけで、先発クリーンアップで71本塁打、261打点を記録した。中軸以外も打線はほぼ国産で、外国人選手はウォーカーの1本塁打、3打点。助っ人の本塁打が1本以下でVは93年西武以来になる。攻撃だけでなく、ソフトバンクはリーグ最少失点で防御率が1位。遊撃の今宮を中心に守りも堅く、リーグ最少の50失策。過去に得点、打率、本塁打、失点、防御率、失策の6部門がリーグ1位は92年西武と15年ソフトバンクしかない。周東が積極的に走り、盗塁数も1差で2位。盗塁を加えた7部門が1位ならば92年西武以来2度目だ。移籍組と生え抜き組が融合し、走攻守バランスのとれたチームだった。■ソフトバンク3人目新人監督Vソフトバンクが4年ぶりパ・リーグ20度目、1リーグ時代から通算22度目のリーグ優勝を決めた。優勝回数は巨人47度、西武23度に次いで3番目に多い。小久保監督は就任1年目。新人監督の優勝は21人目で、ソフトバンクではグレートリング時代の46年山本監督、15年工藤監督に次いで3人目。小久保監督は現役時代に2041安打、413本塁打を記録。通算2000安打以上の優勝監督は9人目で、うち1年目にVは61年川上監督(巨人)04年落合監督(中日)に次いで3人目。通算400本塁打以上では7人目となり、こちらの1年目Vは落合監督以来2人目だ。■首位以外は2日だけ首位の座を明け渡したのは2位の3月30日と4月3日だけで、6試合目の同4日からは首位をキープ。パ・リーグで首位以外の日数が2日以下は5度目で、ソフトバンクでは南海時代の65年の4日を抜いて最も少なかった。新人監督の首位以外の日数としては50年湯浅監督(毎日)の1日(5月11日)に次いで少なく、開幕6試合目から首位を守り続けて優勝した新人監督は初めてとなった。福岡ソフトバンクホークス  1938年に南海電鉄を経営母体として創設。44年に近畿日本、46年に近畿グレートリングと改称。47年から南海ホークス。59年には杉浦の4連投4連勝で巨人を破り初の日本一。88年秋にダイエーが買収して本拠地を大阪から福岡に移した。93年に福岡ドーム(現みずほペイペイドーム)が完成。球団買収により05年からソフトバンクとして参戦。1リーグ時代に2度優勝。パ・リーグでの優勝は今回で20度目(南海10度、ダイエー3度、ソフトバンク7度)。日本シリーズ優勝は17~20年の4連覇など11度。オーナーは孫正義氏。

◆優勝へのマジックナンバー1で勝てば4年ぶり20度目(南海、ダイエー時代含む)の優勝が決まるソフトバンクは一回に中村晃外野手(34)のタイムリーで先制した。1死から今宮健太内野手(34)、2死後に山川穂高内野手(32)が四球を選んでつくった2死一、二塁のチャンス。中村はカウント1-1から高め直球を引っ張った。打球は右前へ。本塁へ向けて突っ込んだ二塁走者・今宮は右翼手・来田のバックホーム返球との勝負になったが、返球を受けた捕手・福永がタッチを狙ったミットをうまく交わすようにスライディングして、左足でホームイン。2戦連続となる先制点をもたらした。

◆ソフトバンクが4-2の五回に柳町達外野手(27)の右中間への2点二塁打など3点を奪って7-2と点差を広げた。先頭の四球出塁から山川穂高内野手(32)の左前打、中村晃外野手(34)の犠打などで1死二、三塁をつくり、打席には柳町。21日の楽天戦(みずほペイペイドーム)では逆転サヨナラ打を放つなど好調の打撃をここでもみせた。カウント2-2から椋木の低めシンカーをとらえた打球は鋭く伸びて右中間を破った。走者2人を返す2点二塁打。「晃さん(中村)がバントで繋いで作った大チャンスを絶対に僕が役割を果たしてランナーをかえそうと強く思いました。このチャンスを生かすことができてよかったです」と大きく息をついた。さらに2死後に甲斐拓也捕手(31)が安打でつないで2死一、三塁とすると、川村友斗外野手(25)にも右翼への適時二塁打が出て7-2と突き放した。

◆ソフトバンクは23日、4年ぶり20度目(前身を含む)のパ・リーグ優勝を決めた。就任1年目の小久保裕紀監督(52)が「王イズム」の継承によって常勝軍団をよみがえらせた。優勝へのマジックナンバー1で迎えたオリックス戦(京セラドーム)は○△、負けても日本ハム△●というV決定条件。一回に中村の適時打で先制。その裏に一度は逆転されたが、四回に川村の同点打、周東の2点三塁打で試合の主導権を握り直す。五回にも柳町の2点二塁打、川村の適時二塁打で3点、八回にも敵失で2点を加えた。同じ午後6時に始まった日本ハムの西武戦(ベルーナドーム)がソフトバンク戦より約1分早く終了。日本ハムが4-6で敗れた瞬間に優勝は決まった。ソフトバンクは九回の守備中だったが、〝勝って決める〟ことにこだわるように、15安打を集めて9ー4の快勝だった。クライマックスシリーズ(CS)には、10月16日に始まるファイナルステージから出場する。4年ぶりの日本一の頂へ一気にのぼる。

◆ソフトバンクが4年ぶり20度目(前身の南海、ダイエー時代を含む)のパ・リーグ制覇を達成した。ホークス球団にとって大阪での優勝決定は、大阪球場を本拠地とした前身の南海が1965年にリーグを制した以来で、59年ぶりの「里帰りV」となった。今年から指揮官に就任した小久保裕紀監督(52)は史上21人目の新任監督としてリーグ制覇。ナインの手によって8度、宙に舞った。試合は一回に2死一、二塁で中村晃外野手(34)が右前適時打を放って先制。一旦は逆転を許したが、四回に周到佑京内野手(28)の2点三塁打などで3点を奪って逆転。さらに五回には柳町達外野手(27)の2点二塁打、川村友斗外野手(25)の適時打などで3点を奪って突き放した。7-4の八回にも敵失で2点を加えた。先発の石川柊太投手(32)は六回2死まで投げて7安打4失点。その後は尾形、杉山、ヘルナンデスのリリーフ陣が相手の反撃を振り切り勝利した。チームは10月16日からのCSファイナルステージで、リーグ2位と3位の勝者と対決する。

◆プロ野球・ソフトバンクが23日、4年ぶり20度目のパ・リーグ優勝を決めたことを受けて、ソフトバンクのCMに出演する女優、上戸彩(39)がコメントを発表した。上戸は所属事務所を通じて「福岡ソフトバンクホークスの皆さま! 4年ぶりのリーグ優勝おめでとうございます!」と祝福。「王座奪還へ向けての熱い戦いがまだ続くと思いますがこの先も全力で応援しています!!」と日本一に向けてエールを送った。

◆ソフトバンクが4年ぶり20度目(前身の南海、ダイエー時代を含む)のパ・リーグ制覇を達成した。ホークス球団にとって大阪での優勝決定は、大阪球場を本拠地とした前身の南海が1965年にリーグを制して以来で、59年ぶりの「里帰りV」となった。今年から指揮官に就任した小久保裕紀監督(52)は史上21人目の新任監督としてリーグ制覇。ナインの手によって8度、宙に舞った。小久保監督の優勝インタビューは以下のとおり。-ー就任1年目、8回宙に舞った「2月のキャンプからこの日のために全員でやってきたんで、懸命に戦った選手たちに胴上げしてもらえて、本当に最高でした」-ー今日は優勝を決める一戦「やっぱり勝って決めたいという思いがあったんで、それが実現できて良かったですし、何よりここ京セラドームで3月29日開幕し、昨年までの覇者オリックスに対してどれだけ我々が戦えるかというスタート切った中で、やはり3連覇したオリックスがいたからこそ、我々もそこに向かってやれるという、そういうシーズンだったんじゃないかなという風に思います」-ー今日の決勝打は選手会長の周東「(周東は)例年9月よく打つらしくて。期待してましたね」-ーそこにつながる一打が川村「昨日のホームランといい、バッティング練習の状態も良くなってきたんで、やっぱりコーチの方から『いける』と推薦があったんで、見事期待に応えてくれましたし、彼らはまだ始まったばっかりなんでね、この1年目の経験を糧にしながら、もっともっといい選手に成長してほしいなという風に思います」-ー強いホークスが戻ってきた「幸いにも幻滅さがあった中でのペナントレースだったんですが、やってる我々は常に最悪最低を想定しながらマネジメントはするんですけども、少しそのチャレンジャーとしてスタートした中で、こう逃げ切るとか守りに入るっていうところもやはりあったんで。9月に入ってからの戦いが非常に長く、しんどく感じましたね」-ー9月を乗り切れた要因は「開幕当初、選手たちには『プロとはなんぞや』と。代えのきかない選手になることが本当のプロフェッショナルっていう中で、ここの選手たちが代えのきかない選手になり、集大成、9月を迎え、連敗もありましたけど。そこから跳ね返したのは、ここがプロフェッショナルとしてやった結果だと思います」-ーファンにどんな思いを伝えたいか「今日は優勝の余韻に浸っていただいて、我々も余韻に浸ります。しかし、クライマックスシリーズもありますんで、明日以降、クライマックスシリーズに向けての戦術に切り替えていきたいなと思うんで。今日は楽しんでください」-ーポストシーズンはどんな戦いを見せたいか「残りのシーズンを有効に使いながら、また柳田も2軍の方で復帰してきてますし。彼らを焦らせることなく、クライマックスシリーズに戻ってきてくれればいいなという思いで2軍の優勝争いしてますんで、明日、鳴尾浜の方にどうか足を運んでください」

◆?ソフトバンクが2020年以来4年ぶり通算20度目(前身を含む)のパ・リーグ優勝を決めた。1リーグ時代の2度を合わせて通算22度は巨人の47度(1リーグ時代の9度を含む)、西武(前身を含む)の23度に次いで3位。?小久保監督は就任1年目でリーグ優勝。新人監督の優勝は21年のオリックス・中嶋聡以来3年ぶり21人目。ソフトバンクでは1946年の山本(鶴岡)一人、2015年の工藤公康に次いで9年ぶり3人目で、野手出身では1946年の山本以来78年ぶり2人目。?ソフトバンクが敵地でリーグ優勝を決めたのは、2017年(西武の本拠地・メットライフドーム)以来7年ぶり。前身の南海時代に本拠地としていた大阪で優勝を決めたのは、1965年以来59年ぶり。?ソフトバンクの4番打者は昨季4人(柳田=74試合、近藤=50試合、栗原=17試合、中村晃=2試合)が務めたが、今季は山川が全135試合で出場し、リーグ最多の32本塁打。ソフトバンク(前身を含む)が優勝したシーズンに1人の選手が全試合に4番で先発出場となると、1966年の野村克也、88年の門田博光、2014年の李大浩に次いで10年ぶり4人目となる。山川自身は西武在籍時の18年にも全試合に4番で出場し優勝した。2度記録したのは00、02年の巨人・松井秀喜だけで、2球団でマークすれば初めて。

◆ソフトバンクが4年ぶり20度目のパ・リーグ制覇を果たした。西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使し移籍1年目の山川穂高内野手(32)は、引退も考えたほどの2年間を越え、32本塁打を放つなどMVP級の働きを見せた。人生初の日本一を目指し、ファンとともにさらなる「どすこ~い」を決める。この感動は、苦難を乗り越えた「山川穂高」にしか分からない。野球ができない地獄から、新天地で夢にまで見た優勝-。「普通にうれしいです。でも、調子が悪い月のほうが多かったので、みんなにカバーしてもらった優勝です」優勝決定の一戦は、一発こそなかったが、しっかり2安打。不動の4番として役割を果たした。波瀾(はらん)万丈の2年間だった。女性問題により、西武球団から公式戦出場停止処分を受けた。昨シーズンは17試合でノーアーチ。引退も考えたが、FA権を行使しソフトバンクを復活の地に選んだ。新天地はチームメートもファンも温かかった。キャンプの練習試合で〝移籍1号〟を放ったとき。「〝どすこい〟は当分、封印しようと思ってたんです」。ところが柳田におねだりされ、両手を突き上げたら、まさかのスタンドが〝みんな一緒にどすこ~い〟。「生まれた沖縄に近い九州のチームに来てよかった」心から感謝した瞬間だった。バットでしか恩返しはできない。4月13日の西武戦では史上3人目の2打席連続満塁打で度肝を抜いた。舞台は昨年までの本拠地。大ブーイングの中だった。西武ファンの気持ちを察して、ヒーローインタビューは辞退した。心優しき、気配りの男は、いつも控えめ、正直に答えてきた。「よく食べて、よく寝るしかないんです」8月に入って、小久保監督と村上打撃コーチが「(状態が)いいなあ」と声を掛けたら...。「こんなもんじゃないですよ」実は首脳陣にだけは、控えめではなかった。そこから4戦連発したが、口癖はそのまま「こんなもんじゃ...」。そして15日には1試合3発。指揮官と打撃コーチは顔を見合わせて、あきれ果てるしかなかった。柳田を、近藤を、超一流を間近で見てきた首脳陣をあんぐりさせた。それでも、山川の感想は「こんなもんじゃないです」-。本塁打を量産し、打点を稼ぎ、誰もが認めるMVPの有力候補だ。そんな山川だが、目標は〝ここ〟ではない。西武時代に2度の優勝を経験したが、クライマックスシリーズ(CS)では下克上を食らっている。CS通算1勝8敗。何よりも、日本シリーズの舞台に立てていないのだ。「まだまだ、こんなもんじゃない」という山川が、人生初の日本一にロックオン。「シリーズどすこ~い」こそが夢。復活ドラマは、まだまだ続く。(上田雅昭)

◆プロ野球・ソフトバンクが23日、パ・リーグ優勝を決めたことを受けて、福岡市出身で、芸能界きっての鷹党として知られる俳優、武田鉄矢(75)がコメントを寄せた。リーグ制覇は4年ぶり20度目とあって「とにかく待っておりました。優勝のお祝いメッセージを準備していましたが、消えた年もありました。待ち焦がれた優勝、小久保監督、本当におめでとうございます」と祝福。「ちょっと目を離した隙にヒーローが入れ替わり、ビックリしながら応援しておりました。覚醒した新戦力によるリーグ優勝。小久保監督のご指導のたまものだと思います」と選手や監督をたたえながら「日本一も期待しております」と期待した。

◆ソフトバンクの川村が1―2の四回2死一、三塁で同点の二塁内野安打を放った。一塁へ頭から滑り込み、必死なプレーに観衆から大きな拍手が起こり「気持ちで安打をつかみ取ることができた」と満足げだった。3月に育成選手から支配下登録を勝ち取った25歳の外野手。22日の楽天戦ではプロ初本塁打を放ち「本当にいい経験ができている」と充実感に満ちていた。大一番でも存在感を示し、堂々と優勝メンバーの一員となった。

◆右脚のけがで離脱していた柳田が優勝の瞬間に駆け付け、仲間と喜びを分かち合った。前半戦で戦列を離れたが、正木ら若手が穴を埋め「若い選手がどんどん出て、すごい良かった。そういう選手に負けないように頑張りたい」と刺激を受けた様子だった。右足首捻挫の近藤は松葉づえをつきながら、グラウンドに現れた。「目標としていた全試合出場ができず残念だけど優勝できて良かった」と先の戦いでの復帰に意欲を示した。

◆プロ野球ソフトバンクが23日、4年ぶりのパ・リーグ制覇を果たした。マジックナンバーを1として臨んだオリックス戦の終了直前に、2位日本ハムが敗れ優勝が決定。オリックスには9―4で勝った。南海時代の10度、ダイエー時代の3度と合わせ20度目、1リーグ時代を含めると22度目の栄冠となった。過去3年はオリックスに3連覇を許したが、就任1年目の小久保裕紀監督(52)は昨季の3位からリーグ制覇に導いた。今季は新加入の山川穂高内野手(32)を中心とした強力打線を武器に序盤戦から強さが際立ち、4月4日から首位を譲らず、独走で頂点に立った。ソフトバンク・孫正義オーナーの話 「勝負事は勝つのが最高。(優勝を)待ち望んでいた分、なおさらうれしい。日本一を期待している。(小久保監督は)見事なリーダーシップで、見ていて気持ちのいい采配」ソフトバンク・王貞治球団会長の話 「3年間、遠回りをしてしまったが、3年分の思いが重なった。今年は本当に強かった。今までなかったチーム内の競争があった。小久保監督は小久保イズムで選手をうまく動かした」栗原の話 「ほっとしている。昨季まではけがで大事なところでいられなかった悔しさがあった。自分がしっかり出て、優勝できたのがうれしく思う」山川の話 「打てない時期が長かったので悔しさの方が残る。周りがカバーしてくれて助かった。常に前を向いてやることが非常に大事だった」近藤の話 「みんなと喜びを分かち合えてうれしい。目標としてた全試合出場ができず残念だけど、優勝できて良かった。監督とはクライマックスシリーズに向けての話を試合前にして、僕もそのつもりですと答えた。今度は日本一の輪の中にいられるようにしたい」中村晃の話 「(2安打1打点)とにかく先制のチャンスを生かすことだけを考えた。優勝できて良かった」ヘルナンデスの話 「(胴上げ投手となり)状態がすごく良かった。長い間、チームが目標としてきた優勝をつかみ取れたのでうれしい」有原の話 「開幕投手をやらせてもらって優勝できたので、いいシーズンだった。若い選手が腕を振っているのを見て、中堅、ベテランも感じるものがあった」今宮の話 「うれしい。これまで悔しい思いもあって、今年はチャレンジャー精神でやってきた」

◆ソフトバンクは大阪市内のチーム宿舎で祝勝会を行った。選手会長の周東が「僕らは本当に強かった」とあいさつし、スローガンの「VIVA(ビバ)」を合図にビールかけが始まった。前回優勝した2020年は新型コロナウイルスの影響で行われなかった。待ちに待った瞬間に、選手たちは大はしゃぎで3000本のビールをかけ合った。王球団会長は「今年の勝利は当然の勝利、胸を張っていい」とねぎらった。

◆ソフトバンクが23日、4年ぶり20度目のパ・リーグ制覇を果たした。マジックナンバーを1として臨んだオリックス戦(京セラ)の終了直前に、2位日本ハムが敗れ優勝が決定。オリックスには9―4で勝った。就任1年目の小久保裕紀監督(52)は「王イズム」の継承者らしい忍耐と、意識改革で常勝軍団をよみがえらせた。クライマックスシリーズ(CS)には10月16日に始まるファイナルステージから出場。4年ぶりの日本一を目指す。こみ上げてくる喜びが全身を突き抜けた。ともに戦った一人一人と熱い抱擁を交わした。小久保監督が就任1年目からパ・リーグを制し、史上21人目の新人監督Vを成し遂げた。くしくもホークスが生まれた大阪で、3連覇を許してきたオリックスの本拠地で4年ぶり王座奪還だ。美しく8度、宙に舞った。「2月のキャンプからこの日のためにチーム全員でやってきた。懸命に戦った選手たちに胴上げしてもらって本当に最高です」勝利監督インタビューで白い歯をこぼしたが、瞳は少し潤んでいた。4連勝以上が9度。交流戦後の6月下旬まで勝率7割以上を誇り、4月4日から首位を譲らず独走で頂点に立った。ホークス球団にとって大阪での優勝決定は、大阪球場を本拠地とした前身の南海がリーグを制した1965年以来で、59年ぶりの「里帰りV」となった。鷹の主砲として5度のリーグ優勝と3度の日本一を経験。王貞治監督(現球団会長)の背中を見つめ、現役生活を駆け抜けた。分岐点は25年前の1999年。監督室での直訴だ。「4番から外してください」。前半戦の打率は1割台で、2カ月近く本塁打も出ていなかった。それでも歴代最多868本塁打を誇る王監督に「おまえは外さない」と突き返された。「逃げたくても逃がしてくれなかった」。重圧を真正面に受け止め、リーグ優勝を決めた試合では同点ソロ。「壁を乗り越えることが、その先の人生に生きる」と胸に刻んだ。心にはいつも「王イズム」があった-。2013年から17年までは侍ジャパンを指揮した。21年からヘッドコーチとして鷹に戻る。22、23年は2軍監督。Vに迫りつつも3年連続で逃したチームの再建を託されると、意識から訴えかけた。「常勝球団という言葉慣れして、必死さがなくなっている」コーチ陣にも言った。さらに求めたのは「いかに美しくあるか」ということ。抽象的、精神論だと、何を言われても構わない。ただ、指針を示したかった。今やチームは4軍を持ち、育成枠も含めればメンバーは120人にものぼる。「手本となるのは1軍。だからしっかりやれ」。そう説き続けた。野球でも、1軍で出た課題はすぐさま4軍まで共有した。近藤&山川らの主軸、今宮らのベテラン、若手の融合を進められたのも、「美」で結束した集団の必然だ。6月に訪れた柳田の負傷離脱という危機も、3年目の正木らを育てるチャンスへと変え、チーム力の見せ所とした。4番を託した山川は、かつての自身のように苦しみ30試合連続ノーアーチもあったが、師の背中を見つめ続けてきた経験があったから、小久保監督はブレなかった。「王さん、よう我慢したなと監督になって初めて分かった。同じ景色はそこに立たん限りは見えないんやな」。次は日本一という頂に挑み、師も眺めたもう一つの絶景を見る。(上阪正人)

◆オリックスのマーウィン・ゴンザレス内野手(35)が今季限りで現役を引退することが23日、明らかとなった。同日のソフトバンク戦(京セラ)前にスーツ姿で球場を訪れ、チームや関係者にあいさつした。米大リーグ、アストロズ時代の2017年にワールドシリーズ優勝に貢献。2023年にオリックスに加入し、84試合の出場で打率・217、12本塁打、38打点。内野の全ポジションを守った。今季はけがの影響で23試合の出場にとどまった。

◆プロ野球の福岡ソフトバンクホークスが4年ぶりにパ・リーグを制覇して一夜明けた24日、地元九州の百貨店やスーパーでは優勝記念セールが始まり、買い物客でにぎわった。ホークスの「鷹」や小久保裕紀監督にちなんだ商品を用意し、祝勝ムードを盛り上げている。大丸福岡天神店ではこの日から3日間セールを開催。店舗前には約千人が列をなし、午前10時の開店と同時に目当ての売り場に向かった。佐賀牛や衣料品などを詰めた「鷹丸袋」約3千個や、寝具などでお買い得品を取りそろえた。ホークスの大ファンだという福岡市の学生山本真生さん(27)は「若い選手も出てきて目が離せず、昨夜の優勝は叫んで喜んだ。記念にセールに来られて良かった」とフルーツの盛り合わせを購入した。博多駅の駅ビル「JR博多シティ」では、専門店や飲食店などが値引きを実施。イオン九州は、九州内のイオンやイオンスタイル全67店舗で、監督の背番号「90」にあやかった食料品の税抜き490円均一セールなどを行っている。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
優勝
(-)
ソフトバンク
85473 0.644
(↑0.003)
-
(-)
8577
(+9)
369
(+4)
107
(-)
87
(-)
0.259
(↑0.001
2.530
(↓0.01)
2
(-)
日本ハム
71558 0.563
(↓0.005)
(↓10)
9514
(+4)
453
(+6)
103
(-)
88
(+3)
0.248
(-)
2.940
(↓0.02)
3
(-)
ロッテ
67636 0.515
(↓0.004)
6
(↑10)
7477
(-)
484
(+6)
73
(-)
59
(+1)
0.249
(↓0.001)
3.250
(↓0.02)
4
(-)
楽天
65643 0.504
(↑0.004)
7.5
(↑11)
11474
(+6)
539
(-)
71
(+1)
86
(+1)
0.244
(-)
3.790
(↑0.02)
5
(-)
ORIX
59743 0.444
(↓0.003)
15.5
(↑10)
7369
(+4)
424
(+9)
66
(+1)
57
(+1)
0.235
(-)
2.800
(↓0.03)
6
(-)
西武
45882 0.338
(↑0.005)
29.5
(↑11)
8322
(+6)
470
(+4)
58
(+2)
75
(+1)
0.211
(↑0.001)
3.110
(-)