阪神(☆1対0★)巨人 =リーグ戦24回戦(2024.09.22)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:才木 浩人(13勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(4勝4敗23S))
敗戦投手:菅野 智之(14勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神は0-0で迎えた3回裏、2死一三塁から中野が適時打を放ち、先制に成功する。投げては、先発・才木が7回無失点の好投。その後は、ゲラ、岩崎とつないでリードを守り、才木は今季13勝目を挙げた。敗れた巨人は、先発・菅野が力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆甲子園球場の阪神-巨人戦は才木浩人と菅野智之が先発。今季の才木はホームで6勝1敗だが、黒星は6月25日、倉敷の中日戦。本拠地の甲子園球場では9試合に登板して5勝0敗、防御率1・69で、本塁打を許していない。一方、今季の菅野はビジターで14試合登板して10勝0敗、防御率1・18。ビジターで開幕10連勝のセ・リーグ記録をつくった。本拠地無敗の才木と敵地無敗の菅野、どちらに軍配が上がるか。

◆午後6時からペナントレースの運命をかけた「伝統の一戦」が行われる。舞台となる甲子園は、午前中雨が降った。時おり、横殴りの強烈な雨にもなっていた。午前11時時点で、グラウンドの内野黒土にはシートが敷かれている。阪神園芸のスタッフが様子を見に来る場面もあった。天気予報では夕方には雨がやむ予定。岡田彰布監督(66)も「日曜の雨が嫌やな」と語っていた。阪神は巨人との最後の2連戦へ向け先発ローテーションを再編。才木浩人投手(25)、高橋遥人投手(28)の左右2本柱を先発させる作戦に変更していた。それだけに仮に雨天中止なら痛い。今は天気の回復を祈るしかない。

◆甲子園の雨がやまない。午後2時現在も強い雨が降り続いている。選手たちは室内での練習で試合への準備を進める。天気予報では夕方には雨がやむ予定だったが、ズレ込む気配も出てきた。岡田彰布監督(66)も「日曜の雨が嫌やな」と語っていた。阪神は巨人との最後の2連戦へ向け先発ローテーションを再編。才木浩人投手(25)、高橋遥人投手(28)の左右2本柱を先発させる作戦に変更していた。それだけに仮に雨天中止なら痛い。今は天気の回復を祈るしかない。

◆阪神園芸が午後3時ごろに内野を覆っていたシートを剥がし始めた。同時刻には雨も降りやみ、外野でも水を吸い取る作業を始めた。また、午後4時に開門され、試合開始に向けて着々と進んでいる。2位阪神は首位巨人とゲーム差2で2連戦を迎える。阪神才木浩人投手(25)と巨人菅野智之投手(34)の投げ合い。試合開始前に天候にも注目が集まっている。

◆阪神はゲーム差2で追いかける首位巨人との2連戦を迎える。2連勝するとゲーム差なしの2位につけ、球団史上初のセ・リーグ連覇へと大きく前進する。一方で連敗すると巨人の優勝マジックが2となり、リーグ制覇は一気に遠ざかる。まさに天国か地獄かの天下分け目の戦い。今季本拠地9戦5勝無敗で防御率1・69の阪神才木浩人投手(25)か。それとも今季ビジターで14戦10勝無敗、防御率1・18の巨人菅野智之投手(34)か。両投手の投げ合いで試合がスタートする。

◆運命を分ける首位巨人との直接対決2連戦、初戦のスタメンが発表された。阪神は才木浩人投手(25)が先発。今季カード別最多となる8度目の巨人戦で14勝右腕菅野との投げ合いに臨む。「5番三塁」の佐藤輝明内野手(25)は前日21日DeNA戦(横浜)に決勝弾。2戦連続の1発で試合を決めたいところだ。試合前に降り注いだ雨もやみ、予定通りに試合開催される見込み。逆転アレンパに向けて勝負の一戦に向かう。

◆阪神岡田彰布監督(66)が、巨人阿部慎之助監督(45)とがっちりと握手をかわした。試合前のメンバー表交換で健闘を誓い合った。阪神はゲーム差2で追いかける首位巨人との2連戦を迎える。2連勝するとゲーム差なしの2位につけ、球団史上初のセ・リーグ連覇へと大きく前進する。一方で連敗すると巨人の優勝マジックが2となり、リーグ制覇は一気に遠ざかる。まさに天国か地獄かの天下分け目の戦い。今季本拠地9戦5勝無敗で防御率1・69の阪神才木浩人投手(25)か。それとも今季ビジターで14戦10勝無敗、防御率1・18の巨人菅野智之投手(34)か。雨がやんだ甲子園。午後6時ちょうどに試合が始まった。

◆阪神が初回からビッグプレーを決めた。初回、先発才木浩人投手(25)は先頭丸に二塁打を浴びた。その後のプレーだった。無死二塁、カウント1-1から2番浅野は最初から犠打の構え。才木は149キロ直球を投げ込むと、バントの打球は投手前に転がった。才木はスムーズに処理し三塁佐藤輝明内野手(25)へ送球。二塁走者丸を挟むと、遊撃木浪聖也内野手(30)へ転送しタッチアウトとした。さらにプレーは続く。挟殺プレーの間に二塁を狙った打者走者浅野だったが、木浪がすぐさま反転し、二塁ベースカバーに入った中野拓夢内野手(28)へ送球。浅野はタッチアウトとなった。「1→5→6→4」の変則ダブルプレーでピンチ脱出。首位巨人と2位巨人の天王山初戦。甲子園のボルテージがいきなりマックスになった。

◆阪神OBの掛布雅之氏(69)が甲子園で行われた阪神-巨人24回戦で始球式を行った。同氏がブランドアンバサダーを務める大同工業株式会社の協賛試合。現役時代の背番号31を背負ってノーバウンド投球を披露すると大歓声が注がれた。「遠いね、ホームベースまで」と苦笑い。「独特の巨人戦の雰囲気がありますよね。まさに天王山でしょ。そういう球場の雰囲気は感じましたね」と熱気を肌で感じていた。

◆阪神才木浩人投手(25)が決めた犠打に甲子園が盛り上がった。0-0の3回1死一塁。才木は犠打を試みるも巨人菅野に追い込まれた。1ボール2ストライクからの4球目。130キロのスライダー系のボールにバットを引いた。判定はボール。この時、才木がバットを引くタイミングがギリギリだったように見えた。捕手小林が一塁塁審への確認を求めるも、「ノースイング」の判定だった。才木は思わずほっとした様子を見せた。直後、捕手前に犠打を成功させた。甲子園の虎党が盛り上がった瞬間だった。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が先制打を決めた。0-0の3回、1死から木浪聖也内野手(29)が中前打で出塁。続く才木浩人投手(25)は犠打を試み、1ボール2ストライクからの4球目。バットを引くタイミングはギリギリだったが、「ノースイング」の判定だった。直後、捕手前に犠打を成功させると、甲子園は大盛り上がり。近本光司外野手(29)が左前打で続き、2死一、三塁。中野は6球目、135キロのスライダーを右前にはじき返し、1点を先制した。2ゲーム差で追う首位巨人との天下分け目の戦い。試合前時点で巨人菅野智之投手(34)に36打数13安打、打率3割6分1厘の「菅野キラー」が決めた。

◆1-0の緊迫した試合で虎党が肝を冷やすシーンがあった。8回表に2番手ハビー・ゲラ投手(28)が登板。4番岡本和を追い込んでから投じた136キロスライダーを捉えられた。打球は左翼への大飛球。ただ、わずかに左翼ポールの左をいった。ファウルだった。甲子園の虎党が大きくざわついた。それでもゲラは冷静。きっちりと左飛にした。ゲラは5月26日の巨人戦で、1-0の9回に登板し岡本和に同点のソロアーチを浴びた過去がある。その試合は延長戦の末に敗れていた。きっちりとリベンジ。3者凡退でバトンをつないだ。

◆阪神才木浩人投手(25)が、13勝目の権利を持ってマウンドを降りた。7回を無失点。味方の1点リードを守り、ゲラにマウンドを託した。序盤からピンチの連続だった。初回、先頭の丸にいきなり右翼線を破る二塁打を打たれた。だが続く浅野の送りバントを封じ、無失点で切り抜けると、2回無死一、二塁、4回1死一、三塁のピンチでも適時打を許さず。6回無死満塁の大ピンチでは、長野を投飛、坂本を二飛、大城を中飛に打ち取った。気迫のこもった投球で、リードを守った。才木は「初回のバント処理のプレーが大きかったです。真っすぐの感触もよかったですし、梅野さんと要所でもインコースも使いながら粘り強く投げることができました」と振り返った。

◆2位阪神が首位巨人との直接対決で完封勝ちし、ゲーム差をついに1に縮めた。ここまでチームトップ12勝を挙げている才木浩人投手(25)が、再三のピンチで気迫の投球を見せた。初回、先頭の丸にいきなり右翼へ二塁打を許すも、続く浅野の犠打を阻止して併殺。2回も先頭の岡本和、長野と連打を浴びたが、後続3人を断った。4回も1死一、三塁のピンチを招いたが、坂本を初球で二飛に打ち取り、門脇を三ゴロ。6回は先頭の浅野に左翼へ二塁打を浴びた後、連続四球で無死満塁。それでも長野、坂本、門脇と3人をフライに打ち取り、切り抜けた。打線は3回1死から木浪聖也内野手(30)が中前打を放ち、2死二塁から近本光司外野手(29)が左前打でつなぐと、中野拓夢内野手(28)が先制の右前適時打。この1点を守り抜いた。才木は7回7安打無失点で13勝目。リーグトップの巨人菅野の14勝に迫り、最高勝率争いの資格を手にした。阪神は巨人との直接対決2連戦で連勝すれば、ゲーム差なしの2位に。自力優勝は最短で25日復活となる。本拠地甲子園の声援も味方に、一気にライバルを飲み込みたい。阪神は最短で25日に自力Vが復活して優勝マジックが点灯する可能性がある。阪神が23日巨人戦に○、DeNAが23日ヤクルト戦に●か△で、巨人が25日DeNA戦に●の場合で、M5が出る。ちなみに、現日程での最短Vは巨人が27日で、阪神が28日。阪神は今季巨人戦を12勝11敗1分けとし、1試合を残して今季の同カード5割以上が決まった。23日に△または○で、21年からの4年連続勝ち越しが決まる。

◆2位阪神が首位巨人に1-0で勝利し、ゲーム差1に詰め寄った。阪神才木浩人投手(25)が7回7安打無失点で13勝目を手にした。巨人菅野智之投手(34)から3回に中野拓夢内野手(28)が適時打を放ち、その1点を守り切った。才木と中野のお立ち台は以下の通り。才木-どんな気持ち「良かったですね。最高です」-大事な初戦。菅野との投げ合いで緊張感は「いつも通りですけど、投げているときにすごいドキドキするような場面がたくさんあったので、ほっほーいと思いながら投げていました(笑い)」-初回バント処理は見事「あれで流れもってこれたかなと思ったのでいいプレーができて良かったです」-6回無死満塁「あの場面はやばかったですね」-どんな気持ちで投げた「やべーなと思いながら投げました」-直球だった「インコースに梅野さんが来いというジェスチャーしてくれたので思い切っていった結果すごいいい結果になったので良かったと思います」-中野のタイムリーは「たまりませんね」-初戦取れた気持ち「まだまだ明日もありますし、今日とりあえず大事な試合を取れたということで明日は高橋遥人さんなんでいいピッチングしてくれると思うので期待しといてください」-甲子園では6勝負けなし、今季13勝。あとひとつ大きなものを手にしたい「たまりませんね」-次回に向けて「次も思い切っていい投球ができるようにファンのみなさんの応援が必要なので、だこれからも応援よろしくお願いします」中野-初戦取れた気持ち「疲れました」-3回2死一、三塁。打席に向かう前「近本さんが歩かされるかなと思っていたので、自分で勝負くるなという気持ちで準備していましたし、そうそうチャンスを簡単に作れないピッチャーなので、この回ってきたチャンスを絶対に打とうと思って打席に入りました」-フルカウントになってあ気持ちは「あまり変わることなく、追い込まれても食らいついてといい形で粘っていたので後ろにつなごうという意識を持った結果いい結果になったかなと思います」-6試合ぶりタイムリー。ヒットになった瞬間「うれしかったですし、才木が頑張っていたので才木のためにもという気持ちをもって、ヒットになった結果、本当に良かったです」-才木の気迫をどう感じたか「今日はよくランナー出るなと思いながら緊張しながら守っていましたね」-勝てたことは「チームとしてもすごく大きな勝ちだと思いますし、1-0という試合を勝ち切れたのはこれからの試合がもっともっとおもしろくなってくるんじゃないかなと思います」-1ゲーム差に。声援はどう届く「チームにいつも温かいご声援をいただいていますし、ファンのみなさんの力があってこその甲子園でいい試合ができていることにつながっているので、これからもまだまだ大事な試合が続きますけど温かい声援よろしくお願いします」-明日に向けて「今日の試合に満足することなくチーム一丸となって明日も熱い試合を繰り広げたいと思います。温かいご声援よろしくお願いします」

◆2位阪神が首位巨人との直接対決で完封勝ちし、ゲーム差をついに1に縮めた。先発の才木浩人投手(25)が再三のピンチをしのぎ、7回7安打無失点で13勝目。打線は3回2死一、三塁で中野拓夢内野手(28)が先制の右前適時打を放ち、これが決勝点。ワンチャンスをものにした。阪神は巨人との直接対決2連戦で連勝すれば、ゲーム差なしの2位に。自力優勝は最短で25日復活となる。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-才木も先頭を出した「なあ、ちょっとフォークがな、あんま良くないもんな。三振取れんていうね、フォークね。でもこの風やけど、ストレートもけっこう高めでポップフライ多かったからね、今日はね、力勝負で勝ったみたいな感じやね、おーん」-無死満塁からストレート勝負「いやいや、最初はねえ、外をちょこんと当てられたりそういうヒットが多かったから、もっと投げ込めいうてな、インコース」-1-0で勝とうなんて虫が良すぎると言っていたが「うん。虫がいいてお前、2点目入るような感じじゃなかったやろ。はっきり言うて、おーん」-どのあたりで1-0を覚悟したが「いやいや、もう、だから、6回にノーアウト満塁しのいだからね、あそこ。それはやっぱり、こういうゲーム展開になると思ったけどな、おーん。なかなかこっちもチャンスつくれんしな、それはな、7本ずつかヒットもな、向こうはちょっとな、フォアボールがらみでな、チャンスが広がってったけど。こっちはほんとワンチャンスやった、あの回だけよ、はっきり言うてね」-投手戦だったが、相手の巨人菅野もあっぱれだった「まあ、あっぱれて、いやいや、でも向こうもそら勝ちに来てるわけやからさ、負けてあっぱれはないやろ、それはやっぱり」-明日につながる「いや、そら、分からん。明日は明日よ。今日よりももっと必死でくると思うから」-それに負けないように「うん」-中野はフルカウントまで持ち込んだのが大きいか「フルカウントになって、けっこう首振ってたもんな、菅野な。あの時見とったらな。なんかちょっと迷ってるなってのあったからなあ。まあ中野もインコースばっか攻められとったから。やっぱバッターは打席が進んでいったら、絞り球というか、そのへんは分かりやすくなってくるかも分からんよな」-相手の菅野に代打を送らなかったのは「いやいや、(昨日まで)ピッチャー使ってると思ってだからなあ。まあ1点やったからなあ。最多勝もあったからやろ」

◆巨人浅野翔吾外野手(19)が一矢報いた。21日広島戦での適時失策の汚名返上とばかりに気を吐いた。6回先頭で阪神才木から左中間を真っ二つに破る二塁打でチャンスメークした。試合前の円陣では先輩たちを前に「昨日は声をかけていただきありがとうございます。ミスをしたんですけど、このミスは野球でしか取り返せないと思うので、今日は絶対にやってやります」と宣言。後続が倒れて得点には結びつかなかったが、逆襲への一打をマークした。

◆巨人のベテランが唇をかんだ。1点を追う6回無死満塁の絶好機で長野久義外野手(39)がバットをへし折られて投飛、続く坂本勇人内野手(35)は二飛に倒れた。代打大城卓三捕手(31)が中飛で無得点。8月13日阪神戦以来のスタメンだった長野は2安打を放つも「それよりも、無死満塁のところですよね。僕の力不足です」。坂本は「(チームに)申し訳ない」と言葉少なで引き揚げた。

◆2位阪神が首位巨人との直接対決で完封勝ちし、ゲーム差をついに1に縮めた。先発の才木浩人投手(25)が再三のピンチをしのぎ、7回7安打無失点で13勝目。打線は3回2死一、三塁で中野拓夢内野手(28)が先制の右前適時打を放ち、これが決勝点。ワンチャンスをものにした。阪神は巨人との直接対決2連戦で連勝すれば、順位は2位のままながら、ゲーム差なしに接近。自力優勝は最短で25日に復活する。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-大事な一戦、しびれるゲームだった「やっぱりね、ピンチはこっちの方が多かったんだけど、才木がね、やっぱり最後は力でね、ほんとねじ伏せたというか。ほんと、辛抱して辛抱してね。先、点取れたんだけどね、あとピンチの方が多かったんでね。そこは本当よく投げましたね」-6回無死満塁のピンチをよくしのいだ「結局、フォアボール、フォアボール2つ重なったんでね。打たせって思ったんだけど、あそこは点取られるまでは才木に任そうと思って、まあね、ほんとよく力で抑えてくれましたね」-初回無死二塁のバント処理も大きかった「大きかったですね、やっぱりね」-総じて才木はエースらしい投球「そうですね。まあ、100球いかなかったけど、もうね、もうきょう大事な試合というのは分かっているので、初回からとにかく点はやらないというので、疲れ的には、もう九回投げ切った疲れがあったと思うので、あそこまで投げてくれたら十分ですね」-少ないチャンスで点を取った。才木が犠打を決めた「まあそうですね、もう少しきっちりとやってくれれば良かったですけど、こういうゲームなのでね、とにかく1つでも前の塁に送るというかね。はい」-近本がつないで中野がタイムリー「まだ序盤なのにね、だいぶ前進守備をしていたので、もう1点勝負みたいな感じだったんですけど、中野がよく打ちましたね」-今日の試合のポイントは「いやいや、ノーアウト満塁でしょ。まあでも、ポイントは初回もあるし、一、三塁もあるし、いっぱいあったんですけど、3回かな満塁を入れるとね、あそこは本当、才木ががんばりましたね」-開幕前に阪神と巨人が優勝争いをするという話をしていた。「そんなにうまくいかないんだけど、ここにきてそういう展開になっているので、残り少ないですけど、試合数も、1戦1戦ね、なんとか勝ちを拾っていくだけですね」-1ゲーム差で高橋が先発する。「いやいやもう、自分の球信じて、思う存分ね、ストライクゾーンに投げ込んでほしいと思いますね」

◆2位阪神が首位巨人との直接対決で完封勝ちし、ゲーム差をついに1に縮めた。阪神は最短で25日に自力Vが復活して優勝マジックが点灯する可能性がある。阪神が23日巨人戦に○、DeNAが23日ヤクルト戦に●か△で、巨人が25日DeNA戦に●の場合で、M5が出る。ちなみに、現日程での最短Vは巨人が27日で、阪神が28日。

◆7回無失点で13勝目を挙げた阪神才木浩人投手(25)が、23日の巨人戦に先発する高橋遥人投手(28)へエールを送った。試合後の囲み取材の最後に「緊張していたので、普通にやれよって感じですけど(笑い)」と明るく言った。「普通にやればほんとに大丈夫だと思うんで、いつも通り投げてくれればいいかなと思います。あとは野手が打ってくれるんで」。ともにトミー・ジョン手術の経験者。プレッシャーのかかる登板を控える左腕へ、才木なりのメッセージだった。

◆阪神ハビアー・ゲラ投手(28)がスライダー攻めで0点に抑えて流れをがっちりキープした。8回から登板し、吉川、岡本和とフライアウト。長野は空振り三振で3者凡退に斬った。いずれもスライダーで仕留め「武器なので」とさらり。桐敷に次ぐチーム2位の30ホールドに到達した。「大事な試合なのは今日も明日も一緒。攻める気持ちだけを持って投げました」と頼もしさが光った。

◆阪神近本光司外野手(29)の6試合連続安打が決勝点につながった。3回2死二塁、巨人菅野の外角151キロ直球に食らいつき、しぶとく三遊間を抜いた。2死一、三塁に好機を広げ、中野の決勝打につなげた。巨人との大一番は大接戦となったが「その中で勝つっていうのは大事だと思うので、勝ってよかったなと思います。明日は明日でまた頑張ります」と冷静に次戦を見据えた。

◆阪神岡田彰布監督(66)は、しびれる1-0勝利にも冷静だった。「ほんとワンチャンスやった。あの回だけよ、はっきり言うてね」。安打数は巨人と同じ7本ながら、複数安打を放ったのは決勝点が入った3回のみ。文字通りワンチャンスをものにした。勝負の分かれ目はいくつもあった。「ノーアウト満塁でしょ。でもポイントは初回もあるし、一、三塁もあるし、いっぱいあったんですけど、3回かな、満塁を入れるとね」。初回、先発才木が先頭にいきなり二塁打を浴びるも、挟殺プレーでしのいだ。4回も1死一、三塁で後続を断ち、そして迎えた6回。無死満塁の絶体絶命の場面も、3連続フライで切り抜けた。「最初はね、外をちょこんと当てられたり、そういうヒットが多かったから、もっと投げ込め言うてな、インコース」。最大のピンチで3人を打ち取った球は、全てストライクゾーンへの直球。フォークがなかなか決まらない姿を見て、的確な一言が才木の背中を一押しした。「あそこは点取られるまでは才木に任そうと思って。まあ、ほんとよく力で抑えてくれましたね」。信じた指揮官に右腕が力投で応えた。首位巨人との直接対決で先手を奪い、ついに1ゲーム差に迫った。「そんなにうまくいかないんだけど、ここにきてそういう展開になっている」。シーズン最終盤に吹いてきた追い風を感じながらも、もちろん慢心は一切ない。「明日は明日よ。今日よりももっと必死でくると思うから」とライバルの底力を警戒。本拠地甲子園の声援も味方につけて、ここで一気に飲み込みたい。【磯綾乃】

◆悲壮感もなければ、敗北感もない。8回完投、7安打1失点の力投で今季敵地初黒星を喫した巨人菅野智之投手(34)が、すがすがしく言った。「今年一番、集中していた。疲労感というのはない。最後まで責任を持って投げたいと思っていた」。マジック6で迎えた2位阪神との頂上決戦。強がることなく確かな手応えが右腕に残っていた。表情は崩しても、マウンドで立ち居振る舞いは乱さない。0-0で迎えた3回1死一塁で、打席は投手の9番才木。カウント1-2から高めのカットボールを狙ったが、バントの構えのままボールはミットに収まった。犠打失敗、三振でベンチに帰ろうとしたのは才木だった。しかし芦原球審の腕は上がらず、吉本一塁塁審もノースイングの判定。打ちなおしで犠打を決められた。ただ、浮かべた苦笑いの後は、対打者に集中したからこそ、胸を張って言える。菅野 何百試合も投げて「絶対ストライクだろう」とか「絶対振ってんだろう」とか、何百回も経験しているけど、いちいち考えたところで変わらない。次どうするかって常に頭を切り替えてやっていく方が、僕は意味があると思う。その流れで1点を失ったが、3番森下を二ゴロに仕留めたことで傷口は最小限にとどめた。完全ビジターの甲子園に乗り込んで、本拠地無敗の才木と敵地無敗の菅野による投手戦。今季セ界最強の"盾対盾"の対決は才木に軍配が上がったが、チームはまだ優勝マジック6が点灯している。「ウチの有利は変わらない。今は反省っていうよりも、次に向けてが大事」。背番号18とともに背負うのは巨人の誇り。今季最後の伝統の一戦を前に、甲子園のマウンドで確かに示した。【栗田成芳】

◆巨人阿部監督が負けを認めて切り替えた。球場入りのときは「決戦の金曜日だな。あ、日曜日か」とDREAMS COME TRUEの楽曲にこの日の一戦を重ねた。好機での1本が出ずに今季19度目の完封負け。「それを言っててもしょうがない。負けは負け。今日は今日。明日は明日でいきます」と23日の頂上決戦第2ラウンドへ切り替えた。

◆ついに1差! 2位阪神が首位巨人との天王山2連戦初戦で1-0完封勝利を飾った。先発の才木浩人投手(25)が6回無死満塁など再三再四のピンチをしのぎ、7回無失点でチーム最多の13勝目。リーグトップ巨人菅野の14勝に迫り、最高勝率争いの資格を手にした。首位との1ゲーム差以内は8月2日以来。23日の2戦目もモノにすればゲーム差なしとなり、最短で25日に自力優勝の可能性が復活する。阪神は今季巨人戦を12勝11敗1分けとし、1試合を残して今季の同カード5割以上が決まった。23日に△または○で、21年からの4年連続勝ち越しが決まる。

◆阪神遊撃の木浪聖也内野手(30)が攻守で流れを引き寄せた。初回、無死二塁のピンチで2番浅野が投前犠打。二塁走者を二、三塁間で挟み、タッチアウト。そのまま体をくるりと回転させ、二塁ベースカバーに入った中野に送球した。打者走者の浅野も仕留め、2死。好連係でピンチを脱し「向こうに流れがいかなかったのはすごくよかった」と納得。3回には1死から中前打で、中野の決勝打につなげた。▽阪神藤本1軍内野守備走塁コーチ(初回に浅野の犠打を変則ダブルプレーに仕留め)「理想的な形。それがこういう時に出るのは集中している証拠やと思う。内野の声かけを含め、すごく良いプレーだった」

◆阪神中野拓夢内野手(28)が駆け引きに勝った。0-0の3回2死一、三塁。追い込まれてから菅野の内角150キロ、外角151キロといずれもボール球の直球を見極めた。「真っすぐの外ボールを見た時点で、インコースのカットボールが来るかな、と」。捉えたのは135キロスライダー。横変化はイメージできていた。右前適時打で先制。「まさかあの1点が勝負点になるとは」。1-0勝利のV打に本音も漏れた。「自分で勝負に来る、という気持ちだった」。前の打者近本は好調。四球で自らとの勝負を選択すると思っていたから「覚悟はしていた」。結果的には左前打で先輩がチャンスを拡大。そして、打率3割5分9厘の「菅野キラー」が打ち破った。岡田監督からも「1点勝負みたいな感じだったけど、中野がよく打ちましたね」とたたえられた。前日21日。横浜スタジアムを出ると観戦を終えた親子が歩いてきた。シャツに着替え帰り支度を整えていた中、嫌な顔一つせず笑顔を振りまいた。どこまでもファンを大切にする。2月の沖縄でもそうだった。キャンプ期間、全体練習の1時間以上前からサブグラウンドでランニングするのが日課だった。汗だくのまま当たり前のように10分以上もサインに応じ続けた。「せっかく沖縄まで来てくれたんですから」。あえてイヤホンもしない。「声をかけてくれた時に無視にならないように」。そんな男だから愛される。決勝打も「球場が一体になったすごい声援」が後押ししてくれた。お立ち台では「ファンの皆さんの力があってこそ良い試合ができる」と感謝を込めた。初回無死二塁の守りでは浅野の犠打に1度は一塁ベースカバーに入ったものの、素早く二塁へ向かいダブルプレーを完成させた。2回2死一、二塁では小林の強烈な打球を体で止めた。「もうほんとに、逆転で優勝するっていう気持ちしか持っていない」。さあ、天王山第2ラウンドへ。やはり選手会長は攻守に欠かせない。【中野椋】

◆阪神岩崎優投手(33)が9回を締めて完封リレーを完成させた。1点差の9回に3番手でマウンドに上がると、泉口と大城を1球ずつで抑えて簡単に2死を取った。続くモンテスには粘られたが、直球で遊ゴロに仕留めて3者凡退。「才木が頑張ってたので力が入りました」と最後を締めて充実感を漂わせた。11試合連続無失点で9月は防御率0・00。「とにかく明日頑張ります」と力を込めた。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が再三のピンチを好リードで救った。先発の才木は4回に1死一、三塁、6回には無死満塁とピンチの連続だった。それでも最後は3者連続直球でフライアウトを奪い、無失点で切り抜けた。「ピンチでインサイドと変化球も使いながら、最終的には真っすぐで押し切れたのが良かった」とたたえた。

◆ついに1差! 2位阪神が首位巨人との天王山2連戦初戦で1-0完封勝利を飾った。先発の才木浩人投手(25)が6回無死満塁など再三再四のピンチをしのぎ、7回無失点でチーム最多の13勝目。リーグトップ巨人菅野の14勝に迫り、最優秀勝率争いの資格を手にした。首位との1ゲーム差以内は8月2日以来。23日の2戦目もモノにすればゲーム差なしとなり、最短で25日に自力優勝の可能性が復活する。本拠地甲子園の力も借りて、今季最後の「伝統の一戦」も必勝あるのみだ。絶体絶命のピンチ。才木は前を向いた。「1個ずつ行くしかない」。2連続四球で迎えた1点リードの6回無死満塁。この日2安打の長野を迎えた。甲子園全体がざわつく中、初球に投げ込んだのは前打席で痛打されていた直球だ。内角でバットをへし折り、投飛を自らつかみ捕った。「勝負に行くところでしっかりインコースに行けたというのが、今日はすごく大きかった」続く坂本も直球で二飛。最後は首を振って150キロ直球を投げ込み、代打大城卓を中飛に仕留めた。4球連続の直球で無失点。息の詰まる空気が一気にはじけ、しばらく大歓声がやまなかった。7回を7安打無失点。初回から無死二塁を招くなど4イニングで得点圏に走者を置いたが、要所で踏ん張った。チームトップの今季13勝目を挙げ、最優秀勝率争いの資格もゲット。リーグトップ14勝を挙げる巨人菅野に投げ勝ち、1勝差に迫る値千金星となった。より良くなろうとする貪欲な姿勢が要所で生きる。今季は3度の完封勝利やノーヒットノーラン目前の投球など、数々の快投を重ねてきた。登板翌日は投球を見返すのが日課だが、決して余韻には浸らない。「過去の栄光に浸ったところで今良くなるわけじゃない。何がダメになって何を良くしないといけないのか理解しないと、絶対良くならないから」常に次を見据える姿勢は試合の中でも同じ。切り替えてピンチを封じ込めた。岡田監督も「やっぱり最後は力でね、ねじ伏せたというか。ほんと辛抱して辛抱してね。本当よく投げましたね」と絶賛しきり。「力勝負で勝ったみたいな感じやね」とたたえた。首位巨人との直接対決初戦で大きな勝利。8月2日以来の1ゲーム差に迫った。23日に2連勝を決めれば、最短で25日に自力優勝の可能性が復活。才木はお立ち台で23日先発の高橋にバトンを託した。「明日は高橋遥人さんなので。いいピッチングしてくれると思うので期待しといてください!」逆転アレンパへ、まずは第1関門を突破した。【波部俊之介】

◆阪神・高橋遥人投手(28)が甲子園室内での試合前練習に参加し、先発する23日の巨人戦(甲子園)に向けてキャッチボールなどで調整した。「緊張はすると思うし、プレッシャーもそれなりに出てくると思いますけど、それはいつも感じていること。(緊張は普段よりも)もっとするかもしれないですけど、そういうのも力に変えて、ファンの人の声援を力に変えて、向かっていければなと思います」チームは21日時点で2ゲーム差に迫った首位巨人をホームに迎えての直接対決2連戦へ突入。左腕は才木とともに、星を落とせない〝天王山〟の一戦を託された。過去にはプロ初完投、同初完封をともに巨人戦でマークするなど、見事なG斬りを見せつけてきたが、悔しさが残っているのは度重なる手術とリハビリ生活に入る前の最後の登板、巨人を甲子園に迎えた2021年11月6日のクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ第1戦。結果は6回6安打3失点で黒星を喫し、チームも連敗してこのステージでそのシーズンの戦いを終えた。あれから1052日。同じ相手を同じ場所で迎える〝再戦〟のときは、優勝を争う大事な一戦だ。「自分の中では、いいところで求められている投球をする投手がいい投手だと思う。そういうのをみんながやってきたからいまこの順位とか、そういうのができていると思う。僕はまだまだ4試合しか投げていないので、みんなみたいにこういう場面で抑えられるようにしたい」。復帰後は4戦4勝と確実に勝利をもたらしてきた男は与えられた役目を意気に感じ、3年ぶりのリベンジを果たす。

◆首位巨人と2ゲーム差で迎えた甲子園での直接対決2連戦。昼まで降り続いた雨もやみ、初戦には阪神・才木浩人投手(25)が先発する。今季チームトップの12勝(3敗)を挙げ、ローテーションの中心を担ってきた右腕。優勝争いを大きく左右する大一番で、リーグトップの14勝を挙げる巨人先発・菅野智之投手(34)との投げ合いを制する。その菅野に打線は今季4試合で防御率0・98と抑えられているが、21日のDeNA戦で決勝本塁打を放ったばかりの佐藤輝明内野手(25)や、今季対戦打率・364を誇る森下翔太外野手(24)らが迎え撃つ。

◆阪神が初回のピンチを脱した。一回、先発の才木が先頭の丸に右翼線へ二塁打を浴び、いきなり無死二塁。続く2番・浅野はバットを寝かせた。3球目、投前へと転がった強い打球に、捕球した才木は迷わず三塁へ転送。三塁手・佐藤輝が二、三塁間で丸を追い込むと、遊撃手・木浪に送球してまず丸をタッチアウト。さらに、木浪はすかさず二塁へ送球し、二塁を狙った浅野もタッチアウトに仕留めた。ダブルプレーで一気に2死とすると、吉川尚を中飛に仕留め、立ち上がりを無失点でしのいだ。

◆大同工業株式会社協賛「DID大同工業プレゼンツ」として行われ、同社のブランドアンバサダーを務める阪神OBの掛布雅之氏(69)が始球式に登場した。「独特の巨人戦の雰囲気がありますよね。天王山という。まさに天王山でしょう。そういう球場の雰囲気は感じましたね」背番号31のユニホームに身を包み、大歓声に背中を押されてマウンドに立つと、ノーバウンド投球を披露。「遠いね、ホームベースまで」と振り返りつつ、「江川よりはいいよな。あの高校野球の始球式を見ていたけど。江川よりよかったと思います」と、今年の第106回高校野球選手権大会の開幕ゲーム前に始球式を行った現役時代のライバルを引き合いに出し、柔和な表情を見せた。チームは球団初の連覇に向けて、この日から2ゲーム差で追う首位巨人を甲子園に迎えての2連戦がスタート。「阪神はもう負けたら終わりだと思うので、トーナメントみたいな戦い方をしていくと思うんですよ。プロ野球が1試合にかける野球(をする)というのは、こんなにすごい野球なんだぞというような野球を期待したいですね」と後輩たちの健闘を祈っていた。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)が三回に大きな先制点をもぎ取る右前適時打を放った。「打ったのはスライダー。みんなでつないでくれたチャンスでしたし、先制点の重要さをみんながわかっていたので、なんとか早い段階で取ることができてよかったです」1死から8番・木浪が中前打を放つと、才木が犠打で2死二塁。近本が左前打でつなぎ、一、三塁の好機で選手会長の中野が打席へ向かった。フルカウントから6球目、135キロスライダーを捉えると、打球は右前で弾む先制打。難敵・菅野から先制点をもぎ取る一打に、塁上で右手を大きく突き上げた。中野は6試合ぶりの打点をマーク。苦しみながらも放った殊勲打に甲子園は大歓声に包まれた。

◆巨人・グリフィンが来日後初の中4日で23日の阪神戦(甲子園)に先発する。「チームにとってそれが最善なら、自分は問題ない」と指揮官からの打診を快諾した。短い調整期間の中で「(体が)回復しきる前にブルペンに入った。体の声をしっかり聞いて、抑えながら投げた」と調整。眼下の2位・阪神との重要な一戦へ「正直に言うと緊張はある。1イニングずつ、1人ずつという意識で投げたい」と力を込めた。

◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が大ピンチをしのいだ。1-0で迎えた六回。先頭の浅野に左中間へ二塁打を浴びると、吉川尚、岡本和に連続四球で無死満塁の大ピンチを背負った。打席にはこの日2安打を浴びている長野。その初球、149キロで詰まらせると、バットをへし折り、投飛。さらに続く坂本を二飛に仕留めた。打席には代打・大城。初球、150キロ直球で押し込むと、打球は中堅手・近本のグラブへ。無死満塁の大ピンチをフライアウト3つでしのぎ、右腕は雄たけびをあげた。

◆阪神の先発・才木浩人投手(25)が7回7安打無失点と力投した。「初回のバント処理のプレーが大きかったです。真っ直ぐの感触もよかったですし、梅野さんと要所でもインコースも使いながら粘り強く投げることができました」一回は無死二塁のピンチも、浅野のバントを好フィールディング。二走・丸をタッチアウト、さらに浅野も挟殺プレーでアウトに仕留めた。二回は無死一、二塁から後続を打ち取って無失点。四回も1死一、三塁としたが何とか耐える。最大のピンチは1-0で迎えた六回無死満塁。ここからオール直球でフライアウト3つに仕留め、雄たけびをあげた。七回も無失点でしのいで勝ち投手の権利を持って降板。2ゲーム差で追う首位巨人との天王山で仕事を果たし、リリーフ陣に後を託した。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が2番手で1-0の八回のマウンドに上がった。先頭の吉川尚を遊飛。1死で巨人の4番・岡本和を迎えた。カウント1-2から4球目、快音を残した打球は左翼ポール際への大飛球。外側を通り、ファウルの判定も甲子園はどよめきに包まれた。それでも助っ人は岡本和を左飛に打ち取り、最後は長野をスライダーで空振り三振。才木から受け取ったバトンを、見事ゼロでつないだ。

◆阪神が首位巨人との天王山2連戦の初戦に勝利し、1ゲーム差に詰め寄った。セ・リーグ初となる開幕からビジター10連勝中だった菅野に対し、打線は三回2死一、二塁で2番・中野が右前打を放ち、先制。結果的にこの得点が決勝点となり、土をつけた。もらった1点を必死で守ったのは先発の才木。二回無死一、二塁、四回1死一、三塁、そして六回無死満塁と再三のピンチを招きながらも力のある真っすぐで押すなどして、ホームは一度も踏ませない熱投を披露した。八回はゲラ、そして九回は岩崎がともに無失点でつなぎ、ゲームセット。絶対に負けられない一戦を、接戦でものにした。これで今季の巨人戦の勝率5割以上が確定。逆転でのリーグ連覇に向けて大きな1勝をつかみ取った。

◆阪神が今季7度目の「1ー0勝利」で、首位巨人に1差に迫った。三回2死一、三塁、菅野智之投手(34)から放った中野拓夢内野手(28)の右前打で挙げた先制点を投手陣が死守。五回まで3度の先頭出塁を許した才木浩人投手(25)が六回、二塁打と2四球で無死満塁のピンチを招いた。しかし岡本和真内野手(28)、坂本勇人内野手(35)、大城卓三捕手(31)を飛球で仕留めて、窮地を脱出した。八回からはハビー・ゲラ(28)、岩崎優(33)の両投手の継投で逃げ切った。才木は5連勝でハーラートップの菅野に1差とする13勝目(3敗)を挙げた。貯金13は今季最多で残り試合は「6」。巨人の優勝マジックは「6」のまま。岡田彰布監督(66)のテレビインタビューは以下の通り(成績=72勝59敗6分、観衆=4万2635人)。ーー大事な一戦で1ー0勝利「ピンチはこっちの方が多かったんだけど、才木が最後は力で、ネジ伏せたというか、辛抱して、辛抱して...先に点を取れたんだけど、ピンチの方が多かったんで、ホント、よく投げましたね」ーー六回無死満塁「フォアボール、フォアボールが重なったんで、打たせ...と思ったんだけど、あそこは点取られるまでは才木に任そうと思って。ホント、よく力で抑え込みましたね」ーー一回は無死二塁のピンチ(浅野のバントを処理した才木が三塁送球。二、三塁間の挟殺プレーで二走を刺し、打者走者の浅野の二進を阻止する併殺)「大きかったですね、やっぱり」ーーエースらしいピッチング「100球行かなかったけど(球数は95)、大事な試合とわかっているんで、初回から点をやらないというか。九回投げ切った疲れがあったと思うんで、あそこまで投げてくれたら十分です」ーー中野のタイムリー「序盤なのに、前進守備をしていたんで、1点勝負みたいな感じだったんですけど、中野よく打ちましたね」ーー今日のポイントは「やっぱりノーアウト満塁でしょ。でもポイントは初回もあるし、いっぱいあったんですけどね。ホント、才木が頑張りましたね」ーー開幕前から巨人と優勝争いと言っていた「そんなうまく行かないんだけど、ここに来て、そういう展開になっているんで、残り少ないですけど、試合数。一戦一戦、何とか勝ちを拾って行くだけですね」ーー1ゲーム差で23日は高橋遥人「自分の球を信じて、思う存分ストライクゾーンに投げてほしいと思いますね」

◆セ・リーグ首位の巨人は、2位・阪神との天王山初戦で今季19度目の零封負け。阿部慎之助監督(45)は「(好機で一本が出ず)それを言っててもしょうがないからな。負けは負け」と受け止めた。先発の菅野は8回1失点と好投も3敗目。三回2死一、三塁で中野に先制の右前適時打を許したが、要所を締める貫禄の投球で最小失点にまとめた。指揮官も「素晴らしい投球だった。(菅野が)最後まで行くって言ってくれたので本当に頼もしく思いました」と目を細め、「今日は今日、明日は明日で行きます」と切り替え、球場を後にした。

◆阪神が今季7度目の「1ー0勝利」で、首位巨人に1差に迫った。三回2死一、三塁、菅野智之投手(34)から放った中野拓夢内野手(28)の右前打で挙げた先制点を投手陣が死守。五回まで3度の先頭出塁を許した才木浩人投手(25)が六回、二塁打と2四球で無死満塁のピンチを招いた。しかし岡本和真内野手(28)、坂本勇人内野手(35)、大城卓三捕手(31)を飛球で仕留めて、窮地を脱出した。八回からはハビー・ゲラ(28)、岩崎優(33)の両投手の継投で逃げ切った。才木は5連勝でハーラートップの菅野に1差とする13勝目(3敗)を挙げた。貯金13は今季最多で残り試合は「6」。巨人の優勝マジックは「6」のまま。岡田彰布監督(66)の囲み取材は以下の通り(成績=72勝59敗6分、観衆=4万2635人)。ーー才木も先頭を出した「なあ、ちょっとフォークがな、あんま良くないもんな。三振取れんていうね、フォークね。でもこの風やけど、ストレートも結構高めでポップフライ多かったからね、今日はね、力勝負で勝ったみたいな感じやね、おーん」ーー六回無死満塁からストレート勝負「いやいや、最初はねえ、外をちょこんと当てられたり、そういうヒットが多かったから、もっと投げ込めいうてな、インコース」ーー1―0勝利は虫が良すぎると言っていたが「うん。虫がいいてお前、2点目入るような感じじゃなかったやろ。はっきり言うて、おーん」ーーどのあたりで1―0を覚悟したが「いやいや、もう、だから、六回にノーアウト満塁しのいだからね、あそこ。それはやっぱり、こういうゲーム展開になると思ったけどな、おーん。なかなか、こっちもチャンス作れんしな、それはな、7本ずつかヒットもな、向こうはフォアボールがらみで、チャンスが広がったけど。こっちは、ほんとワンチャンスやった、あの回だけよ、はっきり言うてね」ーー投手戦だったが、巨人・菅野もアッパレ「まあ、アッパレて、いやいや、でも向こうもそら勝ちに来てるわけやからさ、負けて、アッパレはないやろ、それはやっぱり」ーー23日につながる「いや、そら、分からん。明日は明日よ。今日よりも、もっと必死で来ると思うから」ーーそれに負けないように「うん」ーー中野はフルカウントまで持ち込んだのが大きいか「フルカウントになって、結構首振ってたもんな、菅野な。あの時見とったらな。なんかちょっと迷ってるなって、あったからなあ。まあ中野もインコースばっか攻められとったから。やっぱバッターは打席が進んで行ったら、絞り球というか、その辺は分かりやすくなって来るかも分からんよな」ーー向こうは菅野に代打を送らなかった「いやいや、(昨日まで)ピッチャー使ってると思って。1点やったからなあ。最多勝もあったからやろ」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)は阪神・才木浩人投手(25)に言及した。才木の真っすぐは、他の投手とは違う。それを改めて感じた。六回無死満塁で、すべて高めの真っすぐで押し切った。最大のピンチで、自分の最大の持ち味で勝負できたのが、勝因といえる。キャンプのブルペンで後ろから見ていた時も感じたが他の投手と伸び方が違う。打者も打席で感覚が違うはずだ。回転数は変わらないのに、吹き上がるような伸び方をする。この日も、高めの真っすぐをとらえられたのは、六回先頭の浅野の二塁打だけだ。最近、立ち上がりが良くないが、カットボールを覚えたことで、頼りすぎる傾向があるのではないか。一回先頭の丸も、二回先頭の長野も、それを捉えられた。ただピンチでフォークと、あの真っすぐがあるから踏ん張れる。巨人の攻撃に助けられた部分も大きい。特に一回無死二塁での浅野の犠打失敗(バント処理後に才木が三塁に送球。二、三塁間の挟殺で二走を刺し、打者走者の浅野の二進も阻止する併殺)と二回無死一、二塁での坂本の中飛だ。六回1死満塁では坂本に代打・大城卓が来るかと思ったが、ベンチは動かず(二飛)。大城卓は2死満塁から中飛だった。1死だったらどうだったか。結果はわからないが、試合の肝となる場面ではあった。これで、1ゲーム差だが、23日も勝たないと意味がない。高橋遥人に期待したい。

◆巨人・菅野智之投手(34)は今季自己最多の125球を投げ、8回1失点で投げ切ったが3敗目を喫した。黒星は7月14日のDeNA戦(東京ドーム)以来、約2か月ぶり。「今日の試合の重要性わかっているし、できれば最後まで責任持って投げられたらいいなと思っていた。今年一番集中していた。僕が最後まで1人で投げ切れたというのは、1つチームにとっては良かったのかなと」唯一の失点は三回。2死一、三塁から中野に右前適時打を浴びた。この回にはハーフスイングなど微妙な判定もあったが、右腕は「何百試合も投げていて、絶対ストライクだろうとか、絶対振ってるだろうとか、何百回も経験している。ピッチャーにとっては大きな判定もあるかもしれないけど、言ったところで、考えたところで変わらない。いちいちそういうものに反応するよりも、次どうするか。常に頭を切り替えてやっていく方が、僕は意味があると思う」と冷静に話した。

◆阪神は三回に中野の適時打で挙げた1点を守りきった。才木は7回7安打ながら、要所を締めて13勝目。岩崎が23セーブ目。巨人は六回無死満塁を逃すなど、好機に一打が出なかった。完投した菅野を援護できずに零敗。阪神は23日の巨人戦に勝つと勝率・553(73勝59敗6分け)。巨人の勝率が・554(72勝58敗7分け)で上回るため、阪神の順位は2位のまま。阪神の試合がない25日に巨人がDeNA戦に敗れると巨人の優勝マジックが消え、阪神の自力優勝の可能性が復活すると同時に、優勝へのマジックナンバー5が点灯する可能性がある。この場合、両軍の直接対決が終了したため、阪神は残り5試合を全勝すれば、勝率・569(78勝59敗6分け)となり、巨人が全勝しても勝率・566(77勝59敗7分け)で届かない。残り試合全勝が条件の全勝マジックが出る。

◆阪神・梅野は粘投した才木をたたえた。「(六回のピンチは)最終的に押し切れたというのが勝因だった」。相手が早いカウントから仕掛けてくることは序盤に察知し、カーブも織り交ぜながらの配球で痛打を許さなかった。23日先発の高橋とは今季の全4登板でバッテリーを組む。「きょう勝ってまた一歩、前進できたと思う。明日以降につなげられるようにしっかりと準備していきたい」と前を向いた。

◆才木からバトンを受けた阪神・ゲラは八回をパーフェクトに抑えた。「(ストライク)ゾーンにしっかりとアタックできるように、攻めの気持ちだけ持って投げたよ」。歓声が聞こえないほど集中力を高めると、直球とスライダーを駆使し、クリーンアップをきっちりと退けた。来日1年目で結果を残し、これが節目の30ホールド目。「大事な試合というのはきょうもあしたも一緒」とVを手繰り寄せる快投を続ける。

◆優勝へのマジックナンバーを「6」としている首位の巨人は、2位阪神との2連戦の初戦に競り負けた。阿部慎之助監督(45)は決定打を欠いた攻撃について問われ、多くを語らなかった。「それを言っていてもしようがねえからな。負けは負けだ」シーズン終盤に2ゲーム差で迎えた天王山。菅野が8回125球、7安打1失点と奮投したが、打線が再三の好機を生かせず、今季19度目の零封負け。ライバルに1ゲーム差に詰め寄られた。苦しみもがいているのは坂本だ。6番で起用された35歳の三塁手は、二回無死一、二塁で中飛、四回1死一、三塁で二飛。六回1死満塁でも再び二飛に倒れ、阪神・才木の球をバットの芯に当てることができなかった。結果的に無死満塁から1点も奪えなかった六回の攻撃終了後に坂本を交代させた阿部監督は「打順の兼ね合いとかもあって」と説明。ただ、最近8試合で34打数3安打と調子を落としている坂本は「チームに申し訳ない」と声を絞り出した。「今日は今日、明日は明日で行きます」と阿部監督。最短Vは27日の中日戦(東京ドーム)。優勝争いの行方は、何度も重圧をはねのけてきた通算2408安打の坂本の復調にかかっている。(谷川直之)

◆阪神・岩崎がしっかりと試合を締めた。「才木が頑張っていたので力が入りました」。1点リードの九回を任されると、わずか8球での3人斬りで反撃を許さなかった。これで11試合連続無失点として今季23セーブ目としたが「とにかく明日(23日)頑張ります」と言葉少な。気持ちを早くも天王山第2ラウンドに向けていた。

◆一度きりの好機をモノにして、守り切る。これぞ、岡田野球。王者の勝ち方だ。首位巨人との天王山。わずか1得点で逃げ切り、もぎ取った渾身(こんしん)の白星を阪神・岡田監督は冷静に振り返った。「いやいや、もう、だから六回に無死満塁しのいだからね。それはやっぱり、こういうゲーム展開(1-0)になると思ったけどな。おーん。こっちはほんとワンチャンスやった。あの回(三回)だけよ、はっきり言うてね」難敵・菅野相手に得点圏まで走者を進めたのは三回のみ。近本がつなぎ、選手会長の中野が値千金の一打を放った。先発の才木は初回から再三のピンチを背負った。六回は無死満塁。それでも、粘った。最後の一本を許さなかった。スコアボードにゼロを並べてつかんだ薄氷の勝利。1-0での勝利は今季7度目で、後半戦に入ってからは初めてだった。もちろん、後半戦に入って打撃陣が好調なことはその要因の一つ。ただ、岡田野球の本質は1点差を守り勝つ野球だ。広い本拠地・甲子園。その地の利を生かす。昨年、日本一に輝いた戦い方で、大事な天王山の初戦を取れたことは大きい。内容だけ見れば、才木より菅野の方が上だったかもしれない。「でも向こうもそら勝ちにきてるわけやからさ。負けてあっぱれはないやろ、それはやっぱり」。局面はすでに最終盤。逆転優勝が現実味を帯びてきたいま、勝つことがすべてを物語る。「明日(23日)は明日よ。(巨人は)きょうよりも、もっと必死でくると思うから」岡田監督は勝ってかぶとの緒を締めた。まだ道半ば。見えてきた2年連続の頂きに立つまで、その手綱を緩めることはない。(原田遼太郎)

◆力強く振り抜いた白球が、外野の芝生に弾む。阪神・中野が大きく右手を突き上げた。優勝の行方を左右するTG直接対決。選手会長の一打が、虎の子の1点を刻んだ。「少ないチャンスをモノにしなきゃいけないというのはあった。後ろにつなぐ意識を持ちながら、自分でタイムリーを打つという気持ちも持って打席に入った。いい反応で打つことができた」この日唯一の得点シーンは三回。木浪、近本の安打による2死一、三塁の好機で中野が打席へ。追い込まれてからカウント3―2まで持ち込んでの6球目だった。「真っすぐの外のボール(5球目)を見た時点で、インコースにカットがくるかなという頭があった」。イメージ通り、変化球を引っ張って右前へ。9月14日の広島戦(甲子園)で放ったサヨナラ打以来、25打席ぶりとなる適時打で均衡を破った。才木と菅野のエース同士の投げ合いとなった一戦で、値千金のタイムリー。菅野は試合前時点で今季は虎と4度対戦して1勝0敗、防御率0・98。さらにビジターでは10連勝中と難攻不落だった右腕に対し、対戦成績・375と〝菅野キラー〟の中野の一打で土をつけた。いつも大事にするのはファーストストライク。適時打を放った打席も、全てのストライクに手を出していた。「去年が振らなかったので今年は簡単にストライクを取ってくる。そこでスイングすることで相手バッテリーも考えることもあるだろうし、振っていかないといけないという場面もある」昨季はじっくりとしたアプローチで164安打を放ち、最多安打のタイトルにも輝いた。しかし今季は変化した相手の攻め方に合わせてアプローチを試行錯誤する。この日は自発的な仕掛けで最後には変化球を予測して仕留め「振っていったからこそいい結果につながった」と胸を張った。岡田監督は「もう1点勝負みたいな感じだったんですけど、中野がよく打ちましたね」とたたえた。今年から選手会長に就任した中野は〝初優勝〟へ意気込む。「守っていて緊張感がある。でもそこを楽しめるようにやれればいい結果がついてくると思う。みんな逆転で優勝するという気持ちしか持っていない。目の前の試合をもう全部勝ちにいく」チームリーダーはセ界の頂点を見据えてナインを引っ張っていく。(中屋友那)?...中野は今季、菅野との対戦成績を打率・375、1打点とした。2021年は同・300(10打数3安打)、2打点、22年は同・286(7打数2安打)、23年は同・500(6打数3安打)、1打点で、通算では同・359(39打数14安打)、4打点と相性がいい

◆阪神・近本は三回2死二塁で好機を拡大する快音を響かせた。「結果的にそのあとで点が入ったので、よかった」。フルカウントから外角151キロを捉えて三遊間を破り、中野の先制V打を呼び込んだ。6試合連続安打と好調を維持。1点を争うしびれるような攻防に「その中で勝つというのが大事。きょうは勝ってよかったなと思います」とうなずいた。

◆さすがエースや!! 2位阪神は首位巨人に1―0で勝利し、ゲーム差を1に縮めた。先発した才木浩人投手(25)が六回無死満塁のピンチを真っすぐ勝負でしのぎ切り、7回無失点で今季13勝目を挙げた。チームは頼れる右腕の熱投で連勝を飾り、貯金を今季最多の13とした。23日も甲子園で巨人を倒してゲーム差0とし、逆転優勝に向けて突き進む。全身全霊を込めた4球だった。1-0の六回無死満塁。才木は打者3人をオール直球で打ち取ると、右拳をグッと握って叫んだ。絶対に落とせない一戦で7回7安打無失点。首位巨人とのゲーム差を「1」に縮め、逆転連覇へ夢をつなげた。「『あ、やべえな』と思いながら投げていました」お立ち台では〝才木節〟で虎党を笑わせたが「直球勝負でいく」と心の中では決めていた。先頭の浅野に二塁打を浴び、吉川、岡本和に連続四球で無死満塁。ここからギアチェンジし、長野への初球。内角高めの149キロ直球でバットを折って投飛。坂本は2球目で二飛に打ち取り、代打・大城卓を迎えた。「変化球(のサイン)だったので、首を振って真っすぐを投げた。1点もやれない試合で勝ち切れたのは、すごいでかい」150キロの高め直球を投じて1球で中飛に仕留めると、喝采を浴びた。この日の甲子園は初回から一球ごとに歓声が上がる異様な盛り上がり。「(激励の)拍手をしてくれて、テンションも上がった。それも(抑える)結果になったのかなと。球場の雰囲気はすごいいいなと」と虎党に感謝した。初回は無死二塁、二回は無死一、二塁、四回には1死一、三塁とピンチの連続だった。それでも無得点に抑え「勝負にいくところでしっかり(直球を)投げられた。内角に投げられたのも大きかった」と振り返った。今季はフォークボールやスライダーを交える投球で勝ち星を積み重ねてきたが、才木の理想とは大きくかけ離れていた。「本当は直球一本で抑える投手になりたい。僕は低めに投げようと制球を意識するとボールが弱くなってしまう。アバウトに投げて、たまたま高めに浮いて、空振りやフライアウトを取る。それには、切れのある直球を投げ切れないと」。六回の魂の4球は、自身が目指すベスト投球だった。岡田監督は「最後は力でねじ伏せたというか、(ピンチでも)辛抱して、辛抱して、本当よく投げてくれた」とエースに最大級の賛辞をおくった。才木はこれで今季甲子園で10戦6勝負けなし。ハーラートップの菅野(巨人)に1差に迫る13勝で、自身の最多勝のタイトルにも夢をつなげたが、チームの逆転連覇が最優先だ。23日は優勝へのマジックナンバーが「6」で足踏みとなった巨人との今季最終戦。先発は今季4戦4勝の高橋だ。才木は自分と同じように肘にメスを入れ、長いリハビリ生活から復帰した左腕に熱いエールを送った。「(きょう)緊張していたので。『普通にやれよ』という感じです。いつも通り、投げてくれれば、あとは野手が打ってくれるんで」残り6試合。エースの力投でさらに加速した岡田虎が、逆転Vへと邁進(まいしん)する。(三木建次)才木は打でも貢献した。三回1死一塁でカウント1-2からの4球目。犠打を試みるもバットに当たらず、一度はベンチに戻ろうとした。だが、判定はボール。直後に犠打を決めて得点圏に走者を進め、中野の決勝打につながった。試合後は「あれはノーコメントで」と笑みを浮かべた。高橋は先発する23日の巨人戦に向けてキャッチボールなどで調整した。「ファンの人の声援を力に変えて向かっていければ」。G打線との対決は黒星を喫した2021年のCS以来、3年ぶりだ。「いいところで求められている投球をする投手が、いい投手。みんなみたいにこういう場面(大事な試合)で抑えられるようにしたい」。けがから復帰後は4戦4勝の左腕が価値ある1勝をもたらす。?...阪神・才木は今季、本拠地甲子園で10試合に登板し、6勝無敗で防御率1・51。巨人戦は8試合登板で4勝1敗、防御率1・95とした?...阪神は首位巨人とは1ゲーム差。1差以内に詰めるのは、8月2日の0・5差以来(当時の首位は広島)?...阪神は23日の巨人戦に勝つと勝率・553(73勝59敗6分け)。巨人の勝率が・554(72勝58敗7分け)で上回るため、阪神の順位は2位のまま。阪神の試合がない25日に巨人がDeNA戦に敗れると巨人の優勝マジックが消え、阪神の自力優勝の可能性が復活すると同時に、優勝へのマジックナンバー5が点灯する可能性がある。この場合、両軍の直接対決が終了したため、阪神は残り5試合を全勝すれば、勝率・569(78勝59敗6分け)となり、巨人が全勝しても勝率・566(77勝59敗7分け)で届かない。残り試合全勝が条件の全勝マジックが出る

◆阪神・木浪が攻守で躍動した。一回無死二塁で併殺を奪ったシーンでは二、三塁間での挟殺プレーで二走の丸にタッチすると、すぐさま二塁に送球して打者走者の浅野をアウトに。「向こうに流れがいかなかったというのはすごくよかった」と胸を張った。打席では三回の中野の決勝打につながる一打を含め、ただ一人のマルチ安打。23日の一戦へ「また全員で勝ちをもぎ取りたい」と頼もしかった。

◆3連休ド真ん中の関西は雨模様で、行楽やレジャーには残念な天気となってしまった。だが、午後になると雨もあがり、シーズン大詰めを迎えたプロ野球の〝ホットな部分〟の大集合となった。まずは、何と言ってもソフトバンクだろう。試合前時点で優勝へのマジックナンバーは「2」。自分たちがデーゲームで楽天に敗れても、ナイターで2位日本ハムがオリックスと引き分けるか負けると〝勝率のアヤ〟で一気に「2→0」となるという珍しい王手をかけていた。それだけでもややこしいのに、楽天戦後には福岡市のみずほペイペイドームから、23日のオリックス戦(京セラ)に向けて大阪市内の宿舎へ移動し、優勝決定ならそこでの会見になるというから、記者たちはてんてこ舞いだった。きっちりとデーゲームで勝って「M1」とし、ナインも首脳陣も気持ちよく新大阪行きの新幹線に乗り込んだ。サンスポではベテラン記者の上阪正人と上田雅昭が、ゼェゼェ言いながらその後を追った。さらに会社から2人に「小久保監督は何時何分に球場を出発したんだ?」「宿舎では到着を待ち構えられるのか?」とバンバン指示が飛んでくる。なんとねぎらいの言葉をかけてやったらいいのか...。いや、言葉なんて要らないか。この奮闘は、編集局長の生頼秀基の元にも届いているはずだ(たぶん!)。上阪&上田の2人があまりに忙しそうなので、社内でソフトバンク愛がありそうな記者を探すことに。まず見つけたのはサブデスク席に座っていた2014、15年の鷹番、長友孝輔だ。「小久保監督は、侍ジャパンの監督だった頃に何度か取材したことがあります。やはり印象的なのは、今季もそうだったように『帽子をかぶれ』などとチームに規律を定めるところですよね」長友によると、13-17年の小久保ジャパンでは「帽子をかぶれ」の他にも「ツバを吐くな」というルールも決めていたんだとか。着帽を求めるのは、背番号がそれぞれ違うユニホームと違って唯一全員そろいのものだから。ツバを吐くな、は道場にツバを吐く武道家はいないだろうということらしい。もっともだ。鷹では外国人選手もいるためツバ吐きは完全に禁止にはしていないという。それでもやはり、上阪も以前話していたが、ベンチでは登板を終えた投手らもしっかりと着帽している。昔あるチームで、降板した投手が帽子もかぶらず、セットし直した髪をなびかせてその後の試合を見守っていて、ナインからひんしゅくを買っていたと虎ソナも聞いたことがある。本当にこういう小さなことでチームは変わるのだろう。甲子園では、2年目の若手虎番・中屋友那が2ゲーム差で迎えた阪神-巨人の1、2位直接対決が始まるのを今か今かと待ちわびていた。実はこの男も、鷹党だった時期があるという。「秋山幸二さんが監督のときに、すごくきっちりとした野球をする強いチームだったので好きになったんです。ことしの交流戦で阪神はソフトバンクのパワーに圧倒されましたけど(1勝2敗)、日本シリーズでやり返してほしいですね!」虎は大事な大事な巨人との1戦目に勝利! 鷹のVは決まらず、まだまだこの先にはクライマックスシリーズだってあるし気が早い話なんだけど、そんなことを思い描きたくなるほどアツ~い関西の夜だった。

◆エース級の投げ合いでは、いかにして1点を取るかが大命題。ましてや優勝を占う大一番。巨人ベンチに、打つ手は何もなかったのかね。いうまでもなく、六回無死満塁。長野、坂本がポンポンとファーストストライクの速球を打ち上げ、ピッチャーフライとセカンドフライ。犠飛にすらならなかった。ベテランの経験を買いたい気持ちは、わかる。才木との相性の良さも、考えたのだろう。長野はその前に2安打を放っている。それでも、2人に全盛時の力はない。そうそう、安打が続くものでもない。普通に打たせるだけでは、ああいう結果になるのも無理はない。坂本の打順で代打・大城卓を出す手もあったと思うよ。功労者に代打...は、しのびないかもしれないけど、今の坂本にそこまで期待するのは、逆に酷な話。温情だけでなく、優勝するためにはアレコレやるというシビアな姿勢も、必要だよ。まだ巨人有利とはいえ、阪神を蹴散らして、一気にゴールへ向かう勢いを、みせつけないといけなかった。その気迫を感じたのは、菅野だけだったね。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆アレンパが夢じゃなくなったー!! 巨人に勝ったァ! 1ゲーム差に追い詰めたでェ!!終わってみれば、巨人の菅野が125球、1失点と、ほぼ完璧な投球をしたのに阪神が勝った...。ホンマかいなー!? 本日の甲子園のグラウンドには、野球の恐ろしさを知らしめる『魔物』がいたとしか思えないのだ!!虎の先発、才木は本来の速球を軸にする投球にはほど遠い乱調ぶり...。どーして? 何で?巨人は一回無死二塁、二回無死一、二塁、四回1死一、三塁あげくに六回は無死満塁の大チャンスをつくりながら、信じられない無得点。確かに六回の満塁のピンチでは、才木の開き直りのストレートが3者連続フライアウトに打ち取ったけど...。正直ウソやろ~!? の世界。あっ、ウソやろ~をもう一つ。今季大不振の中野の三回の一打が終わってみれば決勝打ってウソやろ~!?ただ、巨人はほかのチャンスでもそうだけど、満塁の六回、長野が初球を投飛、坂本が2球目を二飛、大城卓が初球を中飛と、大チャンスをわずか4球でつぶしているのだ!! つまり、巨人さんは焦っとるでェ!! 第2戦、焦る巨人を尻目に虎よ、昨年の王者の力を見せつけたろや!!