DeNA(☆6対3★)ヤクルト =リーグ戦24回戦(2024.09.22)・横浜スタジアム=
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ヤクルト
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DeNA
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勝利投手:伊勢 大夢(2勝2敗0S)
(セーブ:森原 康平(2勝6敗26S))
敗戦投手:高梨 裕稔(1勝4敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(31号・3回表2ラン)
【DeNA】牧 秀悟(23号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAは2点を追う3回裏、桑原と戸柱の連続適時打などで3点を奪い、試合をひっくり返す。続く4回に牧のソロでリードを広げると、7回には桑原の犠飛で追加点を挙げた。投げては、4番手・伊勢が今季2勝目。敗れたヤクルトは、先発・高梨が振るわなかった。

◆DeNA三浦大輔監督(50)が、21日の阪神戦を体調不良で欠場した筒香嘉智外野手(32)について、「自宅療養です」とこの日も自宅で療養中であることを説明した。20日の阪神戦の試合後に自宅で体調不良を訴え、21日の同戦を欠場。球場にも現れず、自宅で静養に努めたが、この日も自宅で静養となった。また、この日は度会隆輝外野手(21)が出場選手登録され、浜口遥大投手(29)が抹消された。

◆DeNA度会隆輝外野手(21)が22日、出場選手登録された。8月12日にプロ入り2度目の抹消されて以来の1軍となる。三浦大輔監督(50)は「バッティングはね、状態がいいのは聞いていますし、バッティング以外のところをファームで取り組んでもらっていましたけど、このタイミングになりました」と説明した。ルーキーイヤーの今季は、72試合に出場し、打率2割5分8厘、3本塁打、24打点。イースタンリーグでは48試合に出場し、打率3割4分9厘、2本塁打、22打点をマークする。代わりに、浜口遥大投手(29)が抹消される。浜口は21日の阪神戦に先発し、3回4失点でKOされた。

◆DeNA森唯斗投手(32)が、中1日でベンチ入りし、ブルペン待機した。20日の阪神戦に先発し、4回途中4失点で降板。69球を投げたが、この日のヤクルト戦から中継ぎでブルペンに入った。三浦大輔監督(50)は「本人にも確認したらいけると、いかしてくださいという気持ちでどんな状況でもどんな場面でもね、いきますと言って、気持ちよくやってくれています」と期待した。

◆DeNA吉野光樹投手(26)が、九州学院の1学年後輩のヤクルト村上宗隆内野手(24)に手痛い1発を浴びた。0-0で迎えた3回2死二塁、カウント1-2からのフォークを中堅バックスクリーンに運ばれた。8月23日の初対戦では、適時打を浴び、2打数1安打1打点。この日は1打席目にフォークで空を切らせたが、2打席目はそのフォークを痛打された。九州学院時代は、捕手だった村上とバッテリーを組んだ経験があり、村上が1年時は2年に吉野、3年にDeNA伊勢と3人がチームメートだった。

◆DeNA桑原将志外野手(31)が、「残暑男」を宣言した。1点を追う3回に同点の適時打を放ち、直後に戸柱の適時二塁打で一塁から激走して勝ち越し。7回には貴重な追加点となる犠飛を放った。毎年、夏に好成績を挙げる「夏男」で知られるが、今季は9月に打率4割1分7厘と絶好調。「夏シリーズは終わり、"残暑男"で頑張っていきます」と笑わせた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(24)が、九州学院の先輩を撃ち、タイトルを視界に捉えた。0-0の3回2死二塁。マウンドには、1学年上のDeNA先発・吉野光樹投手(26)。1打席目に三振したフォークをやり返した。バックスクリーンへ飛び込むリーグ単独トップ独走の31号2ラン。「高校時代に一緒に戦った仲間でしたし、先輩、後輩でしたけど仲良くさせていただいていたので、すごくうれしいです」と、どでかい1発でお返しした。先輩との対決は続いた。1点を追う7回先頭。今度は2学年上の先輩・伊勢と対峙(たいじ)。1ボールから、ど真ん中148キロ直球を振り抜き、右翼線への強烈な打球をお見舞いした。会心の当たりに一塁を回ったが、これは惜しくも二塁上でタッチアウト。それでも、2人の先輩の前で成長した姿を見せつけた。本塁打王は確実視され、81打点もトップは狙える位置。「僕が打つことで喜んでくださる人たちもいると思いますし、その人たちのために打てればなと思います」と打ちまくる。

◆DeNA戸柱恭孝捕手(34)が、決勝の適時二塁打でチームを勝利に導いた。同点の3回2死一塁から右中間を破る一打を放ち、一塁走者の桑原将志が激走。クロスプレーとなり1度はアウトと判定されたが、リプレー検証の末にセーフに覆った。桑原と上がったお立ち台では「足がもつれてましたよね?」と笑いを誘いながら「クワが全力疾走で走ってくれたおかげです」と感謝。守備でも5投手を懸命にリードした。

◆DeNA牧秀悟内野手(26)が、偉大なレジェンド助っ人の前で、勝利をたぐり寄せる放物線を描いた。1点リードの4回1死、1ストライクからのカーブに「うまく体が反応して、角度もついて、スタンドまでいってくれたので良かった」と左翼席へ23号ソロを運び、試合の流れを決める次の1点を奪った。この日は、70年代に大洋(現DeNA)で活躍したジョン・シピン氏(78)が訪れ、セレモニアルピッチを務めた。「ライオン丸」の愛称で親しまれ、通算218本塁打をマーク。現役時代にお世話になった田代打撃コーチが涙で再会を喜ぶ中で、シピン氏と同じ二塁手を務める牧が勝利を届け「田代さんの友人ということなので、田代さんの友人のために打てて良かったです」と笑顔で話した。自身は、同い年の山本への思いも込めた。18日に右尺骨観血的整復固定術を受け、現在はリハビリ中。「少しでも祐大のモチベーションが上がれば」と今季絶望の仲間を思い、1打席目に山本の登場曲を使用する。「チームが勝てば祐大も元気になると思うので、勝っていければなと思っています」と力を込めた。21日の阪神戦では、自らの失策で同点に追いつかれ、チームも敗れたが、次の日にバットで取り返した。11日の阪神戦から2番を任され、10試合全てで安打をマークし、4本塁打、7打点。三浦監督は「昨日は昨日、今日は今日で新たな気持ちで臨んでくれてますし、いいところで1本打ってくれた」と評価した。【久保賢吾】

◆DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)が1軍に復帰した。1年目の今季は72試合に出場し打率・258、3本塁打。8月12日から2度目の2軍再調整となっていた。三浦大輔監督(50)は「打撃は(好調と)聞いていますし、打撃以外のところをファームで取り組んでもらっていて、このタイミング(で昇格)になりました」と明かした。また、20日の試合後に異変を訴え、21日の試合を体調不良のため欠場した筒香嘉智外野手(32)は、2試合続けて自宅療養のためベンチを外れることになった。

◆大洋、巨人で通算218本塁打をマークしたレジェンドOB、ジョン・シピン氏(78)が来場。試合前にはセレモニアルピッチを務めた。現在のベイスターズのユニホーム姿でマウンドに上がったが、投球前にそれを脱いで大洋のユニホーム姿を披露するサプライズでファンを喜ばせた。大洋でともにプレーした田代富雄打撃コーチ(70)が打席に入り、バランスを崩しながらもワンバウンドで投球した。長髪とひげがトレードマークで「ライオン丸」の愛称でファンに親しまれた助っ人砲。約20年ぶりに再会した田代コーチは「僕がヤングボーイ、22歳で初めて1軍に上がったとき、すごくかわいがっていただいた。遠征に行くとステーキハウスに呼ばれてごちそうになった。ステーキなんてあまり食べたことなかったからね。スーツもつくっていただいて、今でも持っている」と思い出話を語り、シピン氏は「打撃は天才的。若いのに素晴らしい才能の持ち主だと思っていた」と当時を振り返った。球団が来場を記念し、大洋時代に着用したユニホームのデザインを踏襲したTシャツに袖を通したシピン氏は「ホエールズは日本にいるとき、本当に球団の方にも良くしていただいた。自分を大切にしてくれたホエールズのユニホームが、自分にとって大事なユニホーム。ホエールズのユニホームを着ることができて誇りに思っています」と語った。

◆DeNA・伊勢大夢投手(26)が4―3の七回に4番手で登板。20日の阪神戦から3連投目で、2回1安打無失点の好リリーフを見せた。七回先頭、熊本・九州学院高の後輩、村上に右翼線への安打を許すも、右翼手梶原が好返球で二塁で刺した。以降は回またぎで3者連続三振を奪うなど、完璧な投球で流れを引き寄せた。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が、リーグトップを独走する今季31号の先制2ランをマークした。「4番・三塁」で先発出場。三回2死二塁の好機で、熊本・九州学院高の1学年上の先輩にあたるDeNA先発の吉野が投じたフォークボールをすくい上げ、バックスクリーン右に運んだ。通算222本塁打。プロ1年目から7年目までの通算本塁打数で西武・清原和博と並ぶ最多記録となった。到達試合数と打席数は村上が828試合(3520打席)、清原が890試合(3734打席)と村上が62試合(214打席)も早かった。通算打点数が595となり、7年目の清原の599にあと4に迫った。

◆DeNA・牧秀悟内野手(26)が四回、貴重な追加点となる23号ソロを放ち、勝利に貢献した。牧は本拠地に戻った20日の阪神戦から、打席の登場曲に骨折で離脱した同学年の山本祐大捕手(26)が採用していた「Soar」(Bigfumi)を使用。「祐大もこういう形で、試合に出たくても出られない状況になってしまったので、同級生である自分たちが何とかこう、祐大の分も、何か形としてできればいいなと。祐大の登場曲を使って、少しでも祐大のモチベーションが上がったり、落ちなければそれでいいかなと思いながら使っている」と明かした。手術後には、山本から手術の痕の画像が届いたといい「だいぶ祐大の方も落ち着いてきていると思いますし、回復の方も先に進んでいると思う。チームが勝てば祐大もいい気持ちというか、毎日元気になると思うので、今は勝っていければなと思っています」と主将は誓った。

◆DeNA・桑原将志外野手(31)が三回に同点打を放ち、続く戸柱の適時二塁打で一塁から激走し逆転の本塁を踏んだ。七回も貴重な追加点となる中犠飛を放つなど、2安打2打点で勝利に大きく貢献し「みんな食らいついていくという気持ちだったと思うし、僕もそういう気持ちでいった」と胸を張った。例年夏場に強く「夏男」と称される桑原。今季は9月に入り打率・417と好調で、お立ち台に上がり「夏シリーズ終わり、残暑男で頑張っていきたいと思います!」と宣言した。

◆ヤクルトのドラフト3位・石原勇輝投手(23)=明大=が待望の1軍デビューを飾った。3ー5の八回に4番手でプロ初登板。1回24球を投げ、1安打1失点に抑えた。広島・広陵高、明大を経て入団した左腕。先頭の森敬は、ライナー性の打球を左翼手のサンタナが後逸して二塁打に。続く代打・柴田の犠打は一塁手のオスナが捕球ミスした。不運が重なり、無死一、三塁とし、1番・梶原の二ゴロの間に1点を失ったが、その後は粘投。牧を右飛、佐野を二飛に打ち取った。初めての1軍マウンドを振り返り「周りを見たら、観客の皆さんがいっぱいで、飲み込まれそうだったんですけど、野手の方が声をかけてくれたので、そこまで緊張することもなく、自分のペースで投げることができました」と笑顔。二飛に斬った佐野は、広陵ー明大の先輩で「高校、大学の先輩なので、絶対に抑えてやろうと思って挑みました」とうなずいた。初登板をベンチから見つめた高津監督は「思ったよりも、しっかり投げられているのかなという感じがした。毎日が勉強だと思うので、投げるたびに成長していってほしい」と期待。石原は「変化球を磨いてきたので、変化球はちょっと通用したのかなと実感しています。真っすぐの球威はまだ通用しないとも感じているので、課題と良かった点が見つかってよかった。チームに必要とされるような、頼ってもらえるようなピッチャーを目指して頑張っていきたい」と力を込めた。

◆ハマの主砲弾―。DeNAは22日、ヤクルト24回戦(横浜)に6―3で逆転勝利。ナイターで広島が中日に敗れ、3位に再浮上した。「2番・二塁」で出場した牧秀悟内野手(26)が3―2の四回に貴重な23号ソロ。プロ通算98本塁打とし、入団4年目までの通算本塁打数で村田修一と並ぶ球団(前身を含む)最多記録となった。頼れる主将が、勝負の最終盤にチームを上位へと押し上げる。鍛えたそのパワーで、かっ飛ばした。主将の牧が四回、リードを広げる豪快弾。入団4年目で通算98本塁打とし、応援歌を継承する村田修一と並び球団最多記録となった。「うまく体が反応して、角度もついた。勝ち越した後の回だったので、追加点になってよかった」と拳を握った。3―2の四回1死。1ボールから高梨の113キロのカーブを一振りで捉えた。力強く引っ張り、ファウルにすることなく左翼席へと突き刺し「緩い球だったけど、待つことができてスタンドまでいったのでよかった」とうなずいた。今季は不振もあり、2年目から任され続けてきた4番の座を外れた。2番に入る機会が増え「最初の方は慣れない打順だったので、余計なことを考えたりしていた」と振り返るが、これで2番で5発目。「後ろにすごい打者が並んでいるので、甘い球が増えてきている感じはする。今はその球をしっかり打つ準備が打席内でできている」と好循環を明かした。仲間の思いも胸に、打席に立っている。同学年の山本が15日の広島戦で死球を受け、右尺骨の骨折で戦線離脱。牧は「試合に出たくても出られない状況になってしまったので、同級生である自分たちが祐大(山本)の分も、何か形としてできれば」と本拠地に戻った20日から、山本の登場曲「Soar」(Bigfumi)を使用している。正捕手の座をつかんだ山本に牧は一度、厳しい言葉をかけていた。今季序盤、山本が全力疾走を怠ったときに牧は「見られているんだから、しっかりやっていこう」と指摘したという。中心選手として求めた自覚。今季は主将に就任し、同世代でチームを引っ張っていく思いを強くしていたからこそ、仲間を思う気持ちは人一倍強い。「勝てば祐大も良い気持ちというか、毎日元気になると思うので、今は勝っていく」と誓った。1年目から主軸として活躍を続け、球団の歴史にまたも名を刻んだ。前日21日の阪神戦では適時失策を犯したが「ミスで負けたりするのでなくしていかないといけないと思うが、打つ方もあるので、そこでチームのためにできれば」と主砲として翌日にしっかりバットで結果を残した。今季は中盤に不振を経験したが、9月は打率・362、5本塁打、13打点と好調。ナイターで広島が中日に敗れ、チームは1日で3位に再浮上した。勢いづいてきた主将に導かれ、DeNAが重要なシーズン最終盤を勝ち抜く。(浜浦日向)

◆横浜に吹く強風を瞬く間に切り裂いた。ヤクルトの4番・村上宗隆内野手(24)が三回、バックスクリーン直撃の特大弾。31号2ランを放ち、〝確信歩き〟だ。「ちゃんと芯に当たって、押し込めた。1打席目にフォークで三振を取られていたので、その球を打ててよかったです」熊本・九州学院高の1学年上の先輩にあたる吉野との対戦。2死二塁で打席に入ると、一回に空振り三振を奪われた落ち球をすくい上げた。「高校時代に一緒に戦った仲間。仲良くさせていただいていたのでうれしい」と笑った。この一発で通算222本塁打に到達。プロ7年目までの本塁打数で、歴代トップの清原和博(西武)に並んだ。プロの世界で早くから開花できたのは、師との出会いがあってこそだ。1年目を終えた2018年オフの自主トレから青木に師事して7年。技術や野球に対する姿勢などを学んできた。最近は「(近くで)接してきたからこそ読むべき」との考えで10日に発売された師匠の初めての著書「青木世界観」(文芸春秋)を読破。「ノリさんに教わったことが全て書いてある。ずっと教えてもらってきたことが思い出せる」と〝復習〟した。青木が引退を表明した13日から、9戦6発。新たなバイブルができた。残り8試合。本塁打と打点の2冠も視野に入る。「僕が打つことで喜んでくださる人たちもいると思う。その人たちのために打てればいい。1試合でも多く勝ち試合を増やせれば」。ファンを沸かせるアーチを描く。(武田千怜)