DeNA(☆9対6★)阪神 =リーグ戦21回戦(2024.09.20)・横浜スタジアム=
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阪神
00041000161100
DeNA
02310030X91202
勝利投手:伊勢 大夢(1勝2敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(6勝7敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(24号・3回裏3ラン),筒香 嘉智(7号・7回裏2ラン)

  DAZN
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◆DeNAは2点リードの3回裏、オースティンの3ランで追加点を挙げる。その後6-5となって迎えた7回には、宮崎の適時二塁打と筒香の2ランで3点を奪い、相手を突き放した。投げては、4番手・伊勢が今季初勝利。敗れた阪神は、先発・西勇が試合をつくれなかった。

◆阪神は最短で20日に自力優勝の可能性が復活する。条件は巨人●で、阪神○か△の場合のみ。優勝マジック8が点灯している巨人は広島と対戦。阪神はDeNAと対戦する。阪神の自力優勝が復活すれば、8月11日以来40日ぶりとなる。同時に巨人の優勝マジックも消滅する。

◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が1軍に合流した。今季、先発で8勝を挙げている右腕。この日から4連戦で先発機会がないため一時中継ぎに回る。前日19日の甲子園での投手指名練習では「必勝」と書かれたハチマキ姿で現れるなど、気合十分。強力リリーフ陣とともにブルペン待機する。残り9試合で首位巨人に2ゲーム差。逆転Vへ自慢の投手力で挑む。

◆阪神西勇輝投手(33)がいきなり肝を冷やした。初回先頭の梶原昂希外野手(25)の痛烈なライナーが顔面付近を襲った。とっさに反応して、差し出したグラブでダイレクト捕球。驚いたような顔で、マウンド上にしばらく座り込んだ。三塁の佐藤輝明内野手(25)が心配そうに西勇に話しかけ、ベンチからもトレーナーらが飛び出しかけたが、問題なしをアピール。3者凡退で無難に立ち上がった。

◆DeNA牧秀悟内野手(26)が負傷離脱した山本祐大捕手(26)の登場曲で打席に入った。1回1死の第1打席、自身の登場曲ではなく、山本が普段使用するBigfumiの「Soar」で打席へ。結果は左飛に倒れたが、同学年で同じく主軸を張る2人の絆と主将の気遣いを見せた。山本は今季ここまで不動の正捕手として108試合に出場し、打率2割9分1厘、5本塁打と攻守でチームの要として活躍していた。しかし、15日の広島戦で右手に死球を受けて右尺骨骨折。18日に尺骨観血的整復固定術の手術を受けて、今季中の復帰は絶望的となっていた。

◆動画は下記Xロゴをクリックすると見られます/マウンドで見せた超反応\倒れ込みながらもボールは離さず#西勇輝 好プレー?プロ野球(2024/9/20)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/q61pgJQWnz

◆阪神西勇輝投手(33)が、今季最短の3回途中6安打5失点で降板した。初回、先頭梶原の痛烈な投手返しをキャッチするなど、3者凡退と上々のスタート。しかし2回、先頭のオースティンに中前打、宮崎に左前打と連打を浴びると、筒香に四球を与えて無死満塁のピンチ。ここで伊藤に中前適時打を浴び、2点先制を許した。続く3回も先頭の牧、佐野と連打を浴び無死一、三塁から、オースティンにバックスクリーン左横に24号3ランを献上し、ここで降板となった。オースティンにはこれで、阪神として7本塁打目を許した形となり、この日も難敵の快音が響いてしまった。西勇は開幕からローテを守り、この試合前まで21試合の先発で防御率1・91。安定感ある投球を続けてきただけに、悔しいマウンドとなった。

◆阪神近本光司外野手(29)が、入団から6年目以内の通算安打数を926とし、長嶋茂雄(巨人)の持つプロ野球記録に並んだ。「自分だけで意識して頑張りたい」と語ってきた男が、残り8試合を残して節目に到達した。「いい流れでつながってきた打席だったので自分も続いていこうという気持ちでした。偉大な先輩の記録に並べたことも光栄ですし、こうやって挑戦できていることがありがたいです。でもまずは今日の試合に勝つことが大事なのでここからも頑張ります」とコメントした。4回2点差に迫り、なおもチャンスで打席が回ってきた。2死一、三塁の第3打席。DeNA左腕坂本から左翼へ適時二塁打を放ち、これで1点差に詰め寄った。先発森唯には2打席凡退していたが、修正能力を発揮した。入団から3年目、4年目、5年目以内の通算安打でも歴代トップ。長嶋超えとなれば「1人V4」となる。今季は7月に一時は打率2割4分台まで落ち込んだが、そこからV字回復。チームの逆襲を先頭で引っ張り、自身4度目となるシーズン150安打にも到達。リーグ最多安打争いのトップに立っている。

◆阪神はファイティングポーズを崩さない。5点ビハインド。劣勢の状況を若武者が崩した。4回裏1死一、二塁。前川右京外野手(21)が右翼へ適時二塁打。3試合連続で決勝打点を挙げているヒットマンが、反撃の一打を決めた。さらに1死二、三塁で梅野隆太郎捕手(33)の遊ゴロの間に、1点を返した。2死二塁では木浪聖也内野手(30)が中前適時打。二塁走者前川はヘッドスライディングで生還し、2点差に縮めた。代打井上広大外野手(23)が安打でつなぎ、2死一、三塁で近本光司外野手(29)が適時二塁打。これで1点差だ。1イニング4得点の猛攻で流れを渡さない。

◆阪神富田蓮投手(23)が、反撃の4得点を呼び込む好救援を見せた。先発の西勇輝投手(33)が相手4番のオースティンに24号3ランを浴び、3回途中5失点で降板。ここでマウンドに上がった富田は3回無死から宮崎、筒香、伊藤を3者凡退に打ち取った。直後の4回の攻撃に味方打線が打者一巡の猛攻で4得点。富田が入っていた9番にも打順が巡り、代打が送られて交代したが、1点差まで詰め寄る攻撃へつなげる好投となった。富田は今季、DeNA戦は6試合に登板し、いまだ無失点と頼もしさを見せている。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/ボールも返ってきた初尽くし\プロ初打席初安打初打点#東妻純平 タイムリー2ベース?プロ野球(2024/9/20)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/CYWxoSWmSq

◆壮絶な殴り合いだ。阪神は序盤で5点ビハインド。ただ、4回に一挙4得点で1点差に迫った。反撃の機運が高まったところで、4回には1失点。2点差に広げてしまっていた。それでもファイティングポーズを崩さない。5回2死一、二塁。梅野隆太郎捕手(33)が右前適時打を放ち1点差に迫った。打ち合いを制すのは...。

◆DeNA東妻純平捕手(23)がプロ初打席で初安打初打点となる左中間への適時二塁打を放った。5点を先制するも、4回に4点を返されて1点差に詰め寄られ、嫌なムードが漂う4回無死一塁でプロ初打席へ。一走の森敬が二盗を決めて無死二塁となり、カウント2-2から阪神島本の142キロ直球を振り切った。左中間を破る適時二塁打。ベース上で笑顔をガッツポーズを見せ、記念ボールはDeNAベンチへと返された。東妻は「とにかくファームでやってきたことを出そうと打席へ入りました。追い込まれていましたが、結果を残すことができよかったです。(1軍での)1打席目は緊張する場面をイメージしていて、その中でヒットを打つことができうれしいです!」と興奮気味に振り返った。5年目の東妻は16日広島戦(マツダスタジアム)から1軍初昇格も、直近3試合は打席には立っていなかった。イースタン・リーグでは今季76試合に出場して打率1割9分2厘、5本塁打をマーク。本職の捕手だけでなく今季から外野のポジションも挑戦していた。

◆阪神木浪聖也内野手(30)が思わぬ形で拍手を浴びた。6回1死二塁の守り。強い風に流され、観客席からゴミ袋が飛んできた。木浪はそれをキャッチ。球場から拍手が注がれ、照れくさそうにしていた。

◆継投で試合を立て直す中、阪神岡田彰布監督(66)が思い切った起用をした。1点差に詰め寄った5回。勝ちパターンを担う石井大智投手(27)を投入した。オースティンを二ゴロ。宮崎には二塁打を許したが、筒香は152キロ直球で押し込み、左飛に仕留めた。2死二塁ではこの日先制打を放っている伊藤を空振り三振に抑えた。石井は15日ヤクルト戦以来、3試合5日ぶりの登板。11試合連続無失点だ。緊張感高まる接戦で仕事を果たし、岡田監督の執念の継投策に応え、バトンをつないだ。

◆この日1軍本隊に合流した阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季初めて中継ぎ登板も、1回1/3を3失点で降板となった。5-6の6回に5番手でマウンドへ。この回先頭の森敬に左中間へ二塁打を浴びるも、代打京田と1番梶原を2者連続三振。2番牧を遊ゴロに仕留め、この回を無失点で切り抜けた。回またぎの7回。先頭の佐野に四球を与え、投ゴロで1死二塁。5番宮崎に3球目、外角低めのカットボールを右翼線に運ばれ、追加点を許すと、続く筒香に7号2ランを浴び、5-9とされたところで岡留と交代となった。今季は先発で12試合に登板し、8勝2敗、防御率1・72の成績を残していた。この日からの4連戦で先発機会がないため中継ぎ待機となっていた。▽阪神安藤1軍投手コーチ(中継ぎ起用したビーズリーについて)「難しかったと思うけどね。ちょっと力みもあっただろうし、ボールを制球できていなかったというのはありますね。(21日の連投は)まだこれから(考える)」

◆阪神が絶好の満塁機を逃した。4点ビハインドに広がった8回。安打と四球で2死満塁をつくった。しかし2番中野拓夢内野手(28)が右飛で凡退。DeNAウェンデルケンを追い詰めたが、1歩届かなかった。

◆DeNA筒香嘉智外野手(32)が確信の7号2ランでハマスタを熱狂させた。「6番右翼」で6月9日ソフトバンク戦以来、約3カ月ぶりに本拠地でスタメン出場。1打席目は四球を選び、2打席目、3打席目は外野フライに倒れるも、2点リードの7回1死二塁だった。阪神ビーズリーの内角カットボールをかっ飛ばした。右翼席中段へ、6月13日ロッテ戦以来99日ぶりのアーチをかけた。打った瞬間、柵越えを確信。雄たけびを上げて一塁側ベンチを振り向き豪快なバット投げを披露した。場内は熱気に包まれ、リードをを4点に広げた。

◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/これが見たかった\文句なしの一発#筒香嘉智 第7号2ランホームラン?プロ野球(2024/9/20)??DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/4DAZy2fmkY

◆逆転優勝を狙う2位阪神が痛い6試合ぶりの黒星を喫した。この日、首位巨人が勝利したため、ゲーム差は3に広がった。試合は打ち合いとなった。先手を取ったのはDeNAだった。阪神先発の西勇輝投手(33)が、今季最短の3回途中6安打5失点で降板。2回無死満塁で伊藤に2点中前適時打を浴び先制を許すと、3回無死一、三塁でオースティンにバックスクリーン左横に24号3ランを献上した。5点を追う展開となったが、阪神もすぐに反撃に出た。4回にまずは前川右京外野手(21)の適時二塁打で1点をかえすと、打者一巡の攻撃で4点を奪い1点差。直後の4回裏に3番手島本が1点を失うも、5回に梅野隆太郎捕手(33)の適時打で1点をかえし、再び1点差となった。しかし5-6のまま迎えた7回。6回からマウンドに上がり回またぎとなったビーズリーが、先頭の佐野にストレートの四球を与え、1死二塁から宮崎に右翼深くへ適時二塁打を浴び2点差。なおも1死二塁で筒香に右翼へ7号2ランを浴び、一気に4点リードに広げられた。13日広島戦(甲子園)から5連勝中で、一時は首位巨人に1・5ゲーム差に迫っていた阪神。逆転でのリーグ連覇へ勢いに乗っていただけに、残り8試合で痛い黒星を喫した。

◆阪神石井大智投手(27)が5回に投入された。勝ちパターンの右腕が1点差に詰め寄った場面で起用され、1イニング無失点。1死から宮崎に二塁打を許したが、筒香を152キロ直球で押し込み左飛。2死二塁ではこの日先制打を放っている伊藤を空振り三振に抑えた。15日ヤクルト戦以来5日ぶりの登板で11試合連続無失点。岡田監督の執念の継投策に応え「また明日頑張りたい」と前を向いた。

◆ああ、痛すぎる...。逆転アレンパを狙う岡田虎が6試合ぶりの黒星を喫した。1点を追う6回にジェレミー・ビーズリー投手(28)を投入。8勝右腕を今季初めて中継ぎ登板させる勝負手だったが、筒香に2ランを浴びるなど1回1/3を3失点。試合が決した。首位巨人は広島に大勝し、ゲーム差は3に広がった。シーズンは残り8試合。もう負けられない。試合後の岡田彰布監督(66)の一問一答は以下の通り。-点差開いても攻撃は集中していた「開いてって開いたらあかんやん、そんなの。3回で終わりや、もう」-よく粘ったが。「追い越されへんかったからのう。でも序盤で4人もピッチャーを使ったらもたんわ」-西は3回以降に立ち直ってほしかったところでオースティンに「立ち直ってほしかったというか、その前の2点もそうやんか」-相変わらずオースティンにやられた。「なあ。(西勇は)神宮もそら2点、3点やったけどなあ。止められんわなあ」-次「まあそういうことやろ」

◆阪神前川右京外野手(21)が高卒3年目でプロ初の1試合4安打をマークした。5点を追う4回1死一、二塁でDeNA森唯の143キロ内角のカットボールをつまりながらも体をくるりとひねり、右翼へ適時二塁打。3試合連続で決勝打点を挙げていた男が、技ありの一打で反撃ののろしを上げた。さらに木浪の中前打にヘッドスライディングで3点目のホームに生還。この回一挙4得点に導いた。「点を取られた後だったので、なんとか1点でも返したいと思っていました。先輩方が作ってくれた良い流れに乗って打つことができてよかったです」5回には左前打、8回にも先頭で中前打を放ち、今季6度目、9月だけで3度目の猛打賞。9回にも中前適時打を放ち、次戦につながる1点を返した。「上向いていきそうな感じの打席だったので、良かった」と手応え。月間打率も3割8分2厘に上昇し、若虎が打線をけん引している。

◆阪神西勇輝投手(33)が今季最短3回途中6安打5失点で負け投手となった。「結果なんでね」と打ち込まれたことを悔しがった。初回は先頭梶原の痛烈な投直を捕球など3者凡退に抑えたが2回は無死満塁のピンチから伊藤に中前適時打を浴び、2点を先制された。続く3回は無死一、三塁から、オースティンに3ランを献上し降板。「もう結果的に打たれてしまったっていうのが全て。もうそれ以上ないですね」。悔しいマウンドを終え、唇をかんだ。8月まで6勝4敗、防御率1・70と安定していた右腕だが、今月は3戦3敗、防御率6・75と苦しんでいる。

◆まさに大砲の弾道だった。DeNA筒香嘉智外野手(32)が2点リードの7回1死二塁、阪神ビーズリーの内角カットボールを豪快に仕留めた。右翼席中段へ確信の7号2ラン。「無意識でした」と思わず雄たけびを上げてバットを放り投げた。6月9日ソフトバンク戦以来の本拠地でのスタメンで、同13日ロッテ戦以来のアーチにも「この時期に誰が打ったとかは関係ない。勝てたことが一番です」と落ち着きを払った。左肋骨(ろっこつ)の疲労骨折で7月の1カ月をリハビリに費やした。日差しが照り付ける中、ランニングやテニスラケットでの打撃練習などやれることを模索。「アメリカでチームが決まらないまま1カ月トレーニングしたり、先が見えない経験は死ぬほどしてきました。そういう時に頑張れないと、1軍で苦しい時に頑張りきれない」と心は揺らがない。1軍に復帰しても出場機会は限られた。再昇格後24試合でスタメンは2試合目。代打待機しながらベンチで「さあ行こう!」「まだまだ!」と声がカスカスに枯れるほど張り上げた。台風の中断期間中にはチーム全体へのスピーチで引き締め、最後の追い込みムードを演出。慣れ親しんだ本拠地で103日ぶりのスタメン起用に応えられたのも、そんな心意気と準備があったから。「今日の感覚は明日以降に生きるかなと」と明るい兆しを示した。ハマスタ史上最多を更新する3万3435人を熱狂させ、7月25日以来の3位浮上。「去年、一昨年とマイナーリーグで試合することが多くて、これだけファンの方が入っていただくのはありえないこと。喜びや感謝を感じています」と背番号25。残り13試合、まだ誰も諦めていない。【小早川宗一郎】

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が2安打2打点とバットで躍動した。2回にDeNA森唯からチーム初安打となる中前打。5点を追う4回には1点をかえし、なお2死二、三塁で遊ゴロ間に2点目を挙げた。さらに5回2死一、二塁では3番手中川颯の直球を右前にはじき返して一時、1点差に迫った。「形関係なくタイムリーヒットになってよかった」とうなずいた。これで9月の月間打率3割4分5厘と調子を上げている。

◆阪神木浪聖也内野手(30)が反撃の一打を決めた。4回2死二塁で中前打を放ち、DeNA森唯と降板させた。4試合連続安打で一時2点差に詰め寄り意地を見せた。「展開的にも食らいついていきたい場面でしたし、1人1人が役割を果たしながらつないでくれた場面だったので、自分も後ろにつなぐことができてよかったです」と必死だった。

◆ああ、痛すぎる...。逆転アレンパを狙う岡田虎が6試合ぶりの黒星を喫した。1点を追う6回にジェレミー・ビーズリー投手(28)を投入。8勝右腕を今季初めて中継ぎ登板させる勝負手だったが、筒香に2ランを浴びるなど1回1/3を3失点。試合が決した。首位巨人は広島に大勝し、ゲーム差は3に広がった。シーズンは残り8試合。もう負けられない。虎党の願いを打ち砕く1発が、右翼スタンド中段に突き刺さった。2点ビハインドの7回1死二塁、5番手ビーズリーが筒香にカットボールを捉えられ、4点差に広がる7号2ランを被弾。「ちょっと準備不足な部分もあった。そういう意味で今日はカットボールを捉えられてしまった」。守り切れずマウンドを降りた助っ人は、悔しそうに振り返った。逆転を信じた勝負手も実らなかった。ここまで先発で8勝を挙げているビーズリーを、この日からブルペン待機させた。前日19日に岡田監督は「ビーズリーは中入れようかなと思って。投げるとこないからな。もったいないねん」と期待をかけていた1枚のカードだった。97球を投げた15日ヤクルト戦(甲子園)から中4日での登板。6回は先頭の森敬に中堅へ二塁打を浴びながら、代打京田、梶原を連続三振で、最後は牧を遊ゴロ。しかし、2イニング目の7回、先頭の佐野にストレートの四球を与えると、1死二塁から宮崎に右翼深くへ適時二塁打を献上。最後は痛恨の1発を浴びた。先発西勇が3回途中5失点を喫す苦しい展開。岡田監督は「3回で終わりや、もう。序盤で4人もピッチャーを使ったらもたんわ」と吐き出した。打線は反発力を見せたが、あと1点が遠い。5点を追う4回に打者一巡の攻撃で4点を奪うも、直後に3番手島本が1失点。5回に梅野の適時打で1点をかえし、再び1点差と食らいついたが、最後に突き放された。13日広島戦(甲子園)から5連勝と勢いに乗ってきたが、8試合を残して痛すぎる黒星。首位巨人が勝利したため、ゲーム差は3。巨人はマジックを8から6に減らした。またすぐに試合があると振られると、指揮官は「まあ、そういうことやろ」と短く答えた。厳しい戦いは続くが、逆転を信じて目の前の1勝をつかみにいく。【磯綾乃】▽阪神安藤1軍投手コーチ(中継ぎ起用したビーズリーについて)「難しかったと思うけどね。ちょっと力みもあっただろうし、ボールを制球できていなかったというのはありますね。(21日の連投は)まだこれから(考える)」

◆伊勢が伊勢らしくなってきた。DeNA伊勢大夢投手(26)が1点リードの6回に登板。阪神の代打島田を149キロ直球で詰まらせ遊飛、近本をフォークで一ゴロに仕留めると、中野には内角150キロ直球で反応もさせずに見逃し三振と制圧した。1回無失点で勝ち投手となり、今季初白星をマークした。18日巨人戦では同点の8回2死一、三塁、長野を空振り三振に仕留めて火消しすると、回またぎの9回は丸を二ゴロ、坂本、吉川の2者連続三振と好投していた。今季は状態が上がらず、一時は実戦から約1カ月離れて"ミニキャンプ"を敢行。体を一から作り直してトレーニングした。2カ月半のファーム調整を経て1軍復帰。そして、ここにきて直近5試合連続無失点とブルペンを支える。お立ち台に上がったリリーフ右腕は「状態が戻ってきて、やっと伊勢になってきたかなという感じです。前半はふがいない投球が続いていたので、どうしてもチームに貢献したいという思いです」と力を込めた。この日の登板で入団から5年連続で30試合登板を達成。"ハマの大明神パワー"を取り戻しつつある。

◆阪神近本光司外野手(29)がミスターに並んだ。2点差に迫り、なおもチャンスで打席が回ってきた4回。2死一、三塁でDeNA左腕坂本から左翼へ適時二塁打を放ち、これで一時1点差に詰め寄った。入団から6年目以内の通算安打数を926とし、長嶋茂雄(巨人)の持つプロ野球記録に肩を並べた。球団の配信コメントでは「偉大な先輩の記録に並べたことも光栄ですし、こうやって挑戦できていることがありがたいです」。試合後にも「こういう記録に挑めることは光栄ですし素直にうれしい」と実感を込めた。「自分の中だけで意識して自分の中だけで頑張る」。そう繰り返してきた。それは本音だ。ずっと前から心の中で意識してきた。記録に執着しない男が明かしたことがある。「去年の時点で『あっ、来年は150安打くらい打ったらいけるんや』って思ってたから」いつからか、毎年シーズン終盤になると記者陣に聞かれるようになった。「入団○年目以内」の通算安打数。次第に自ら数字を調べるようになった。「4年目に急に(記者が)来て。そっからやな。去年5年目もトップが長野さん(巨人)やって」そこで思い始めたことがある。「毎年、それをやっていれば最短で2000本とれるんやなって」この数字はあくまで通過点。だが確実に、残り1074安打とした「大台」への道しるべにもなっている。残り8試合。長嶋超えの新記録は確実だ。「どの試合も勝たないといけないので明日も頑張ります」。敗戦にも前を向いた。また次の1本を追い求める1日がやって来る。【中野椋】

◆5連勝と勢いに乗る阪神は、中11日で西勇輝投手(33)が先発のマウンドに上がる。今季ここまで防御率1・91と安定した投球を続けるチーム最年長右腕。「ワクワクですね。早く投げたいしウズウズする」と意気込み、7勝目を目指す。打線は18日の中日戦(バンテリンドーム)まで3試合連続で決勝打を放っている「6番・左翼」の前川右京外野手(21)に注目。球団の日本人では初の4戦連続の勝利打点(85年バース、95年グレンの4が球団記録)にも期待がかかる。優勝へのマジックナンバー「8」が点灯している首位巨人を2ゲーム差で追う中、落とせない一戦に挑む。

◆阪神・青柳晃洋投手(30)が試合前練習に参加し、先発する21日の22回戦に向けてショートダッシュなどで調整した。「もちろん緊張感はありますし、緊張すると思いますけど、それはどんな試合でも変わらずのことだと思う。『自分が投げた試合で勝ちたい』という気持ちから緊張はくると思うので、明日もしっかりと緊張してマウンドに上がれたらいいかなと思います」対DeNAは前回登板の10日(甲子園)で対戦し、5回4安打2失点で勝利。今度は敵地に乗り込み、優勝争いを繰り広げる中でチームへの貢献に集中。青柳のデーゲームでの登板は2022年6月4日の日本ハム戦(甲子園)以来、2年ぶりだ。真昼の熱戦で黒星を喫したのは19年6月29日の中日戦(バンテリンD)が最後で、現在5連勝中。21日の横浜も高気温が見込まれるが、この夏は6月から8月中旬にかけて2軍で調整を続けてきたこともあり、「何カ月もファームで、暑い中でやってきた。しっかりと結果を出せたらいいかなと思います」と不安はない。地元・横浜のマウンドで、強力DeNA打線をねじ伏せる。

◆阪神・西勇輝投手(33)は二回に2点先制を許した。中11日で登板を迎えたベテランが先に捕まった。オースティンと宮崎に連打を浴び、筒香には四球で無死満塁のピンチを招き、伊藤光が打席へ。オリックス時代の同僚との勝負はスライダーを中前に運ばれる2点適時打となった。後続は抑えたが、手痛い失点で先手を奪われた。

◆阪神・西勇輝投手(33)は三回途中5失点で降板となった。痛恨の一発を浴びた。この回先頭の牧、佐野の連打で無死一、三塁とされ、オースティンとの対戦。真ん中付近に入ったシュートを捉えられ、バックスクリーン左に飛び込む3ランを許した。西勇は二回に2点先制を許しており、早くも5失点となったところで岡田監督は交代を決断。2番手として富田がマウンドに上がった。オースティンはこれで今季の阪神から7本塁打目。またしても天敵を抑えることができなかった。

◆阪神・近本光司外野手(29)が四回に左翼へ適時二塁打を放ち、6年目の通算安打数で長嶋茂雄(巨人)の926安打に並んで歴代1位に立った。近本は5年目の通算安打数で773安打を放って歴代1位となり、6年目を迎えていた。今季153安打目は3-5の四回、2死一、三塁で坂本の直球を左翼へ運ぶ二塁打。1点差に詰め寄る価値ある一打で記録を打ち立てた。

◆阪神は0-5の四回に前川右京外野手(21)の適時打などで4点を返した。劣勢を一気にはね返した。1死一、二塁で前川が打席を迎え、森唯のカットボールを引っ張って右翼線へ。適時二塁打で1点を返した。前川は4試合連続打点と好調をキープ。続く梅野の遊ゴロでさらに走者ひとりが生還した。「打ったのはストレート。点を取られた後だったので、なんとか1点でも返したいと思っていました」とコメントした。なお2死二塁で木浪が中前へ運ぶ適時打。3点目を加えると、代打・井上が左前打でつないで打順は先頭の近本へ。2番手・坂本の直球をはじき返す左翼への適時二塁打で一気に1点差に詰め寄った。

◆阪神・近本光司外野手(29)が四回に左翼へ適時二塁打を放ち、6年目の通算安打数で長嶋茂雄(巨人)の926安打に並んで歴代1位に立った。近本は5年目の通算安打数で773安打を放って歴代1位となり、6年目を迎えていた。今季153安打目は3-5の四回、2死一、三塁で坂本の直球を左翼へ運ぶ二塁打。1点差に詰め寄る価値ある一打で記録を打ち立てた。「打ったのはストレート。いい流れで繋がってきた打席だったので自分も続いていこうという気持ちでした。(長嶋さんの持つ記録に並んで)偉大な先輩の記録に並べたことも光栄ですし、こうやって挑戦できていることがありがたいです。でもまずは今日の試合に勝つことが大事なのでここからも頑張ります」とコメントした。

◆DeNA・東妻純平捕手(23)が、プロ初打席で左中間を破る適時二塁打を放った。1点差に詰め寄られた直後の四回無死一塁で代打で登場。一塁走者の森敬が4球目に二盗を決めて好機をつくり、6球目の直球を迷わず振り抜いた。「とにかくファームでやってきたことを出そうと打席へ入った。追い込まれていたが、結果を残すことができてよかった。1打席目は緊張する場面をイメージしていて、その中でヒットを打つことができてうれしい」と振り返った。ロッテ・東妻勇輔投手を兄に持ち、智弁和歌山高から2020年にドラフト4位で入団。今季は外野にも挑戦し、貪欲に出場機会を求めてきた。負傷離脱した山本に代わって戦列に加わり、巡ってきたチャンスで持ち味の打力を発揮した。

◆阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が5-6の六回に5番手で登板した。中継ぎ登板は昨年9月25日の中日戦(バンテリンドーム)以来。六回は先頭の森敬に二塁打を許したが、代打・京田、梶原を連続で空振り三振。牧を遊ゴロに打ち取って無失点で終えた。七回も続投し、先頭の佐野に四球を与える。オースティンを投ゴロに打ち取って1死二塁となり、宮崎との対戦。140キロのカットボールを右翼線に運ばれ、適時二塁打で1点を失った。なお1死二塁で筒香に右翼へ2ランを許し3失点。5-9と点差を広げられたところで降板となった。

◆DeNA・筒香嘉智外野手(32)が「6番・右翼」で先発出場し、6-5の七回に1点を加えてなお1死二塁で迎えた第4打席で右翼席中段に7号2ランを突き刺した。6月13日以来、約3カ月ぶりの一発。甘く入ったビーズリーの速球を逃さず、バットを放り投げて雄たけびをあげた。

◆DeNAは20日の阪神戦で、横浜スタジアムで史上最多となる3万3435人を動員したと発表した。6月7日のソフトバンク戦で記録した3万3423人を上回った。

◆阪神はDeNAに敗れ、連勝が5でストップした。投手陣が誤算だった。先発の西勇輝投手(33)は二回に2点先制を許すと、三回にはオースティンに3ランを浴びて5失点で降板。六回からは5番手で先発として8勝を挙げたジェレミー・ビーズリー投手(28)が今季初めて中継ぎで登板したが、七回に筒香の2ランなどで3失点を喫した。打線は0-5の四回に前川右京外野手(21)の4試合連続打点となる適時打などで4点を返し、五回にも1点を加えるなど粘りを見せた。八回にも2死満塁のチャンスを作ったが、中野が右飛に倒れて得点できず。最後まで逆転することはできなかった。勝利した首位巨人とのゲーム差は3に広がった。

◆四回2死一、三塁、左翼線への適時二塁打で6年目の安打を926本とした阪神・近本光司=横浜スタジアム(撮影・大橋純人)

◆7回 DeNA・筒香嘉智が右越え2点本塁打を放つ=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄)

◆DeNAが打ち勝って3位に浮上した。二回に伊藤の適時打で2点を先取し、三回はオースティンが3ラン。6―5で迎えた七回は筒香の2ランなど3得点で突き放した。阪神は連勝が5で止まった。西勇が2回0/3を5失点で7敗目。

◆阪神の連勝が「5」で止まり、巨人の優勝マジックは2減の「6」となった。2回0/3を投げ5失点の西勇輝投手(33)が誤算。打線は四回に前川右京外野手(21)の4試合連続打点となる二塁打などで1点差に迫ったが、その裏に登板した島本浩也投手(31)が失点。五回に梅野隆太郎捕手(33)の右前打で再び1点差としたものの、ジェレミー・ビーズリー投手(28)が七回に筒香嘉智外野手(32)に2ランを浴びるなど、3点を奪われた。近本光司外野手(29)は四回の適時二塁打で入団6年目の安打数を926とし、最多の長嶋茂雄に並んだ。西勇は3連敗で7敗目(6勝)。前川はプロ初の1試合4安打で2打点。巨人とは3差となった岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=70勝59敗6分、観衆=3万3435人)。ーー点差が開いても攻撃は集中していた「開いてって開いたらアカンやん、そんなの。三回で終わりや、もう」ーーよく粘ったが「追い越されへんかったからのう。でも序盤で4人もピッチャーを使ったら、もたんわ」ーー西勇は三回以降に立ち直ってほしかったところでオースティンに本塁打「立ち直ってほしかったというか、その前の2点もそうやんか」ーー相変わらずオースティンにやられた「なあ。(西勇は)神宮もそら2点、3点やったけどなあ。止められんわなあ」ーー次は「まあそういうことやろ」

◆阪神の連勝が「5」で止まり、巨人の優勝マジックは2減の「6」となった。2回0/3を投げ5失点の西勇輝投手(33)が誤算。打線は四回に前川右京外野手(21)の4試合連続打点となる二塁打などで1点差に迫ったが、その裏に登板した島本浩也投手(31)が失点。五回に梅野隆太郎捕手(33)の右前打で再び1点差としたものの、ジェレミー・ビーズリー投手(28)が七回に筒香嘉智外野手(32)に2ランを浴びるなど、3点を奪われた。近本光司外野手(29)は四回の適時二塁打で入団6年目の安打数を926とし、最多の長嶋茂雄に並んだ。西勇は3連敗で7敗目(6勝)。前川はプロ初の1試合4安打で2打点。巨人とは3差。主な選手とコーチのコメントは以下の通り(成績=70勝59敗6分、観衆=3万3435人)。初の1試合4安打に前川右京 「負けたので、明日勝たないといけないと思うので。勝てるように準備して頑張ります」五回に登板し、無失点の石井大智 「感覚も昨日のブルペンよりはいいものが出せたと思う」四回、2点差に迫る中前適時打の木浪聖也 「最初に取られて、そのまま終わるんじゃなくて、次につながるじゃないですけど、そういうことが出来たと思うので、明日しっかり勝つだけ」1点差に迫った四回に失点した島本浩也 「あの1点が試合の中で一番大きかった。結果的に一番ダメなパターン(先頭打者への四球)で悔しいですね」三回途中5失点の西勇輝 「力みとかじゃなくて、打たれてしまったのが全てですね。それ以上ないですね」長嶋茂雄が持つ入団6年目の最多安打に並んだ近本光司 「こういう記録に挑めることは本当に光栄なことだと思います七回に3点を失ったジェレミー・ビーズリー 「ちょっと準備不足な部分があったので...次に関してはしっかりと準備したい」ビーズリーについて安藤優也投手コーチ 「力みはあったろうし、ボールを制球出来ていなかった」

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)は阪神のチグハグな継投策と井上広大外野手(23)の走塁に言及した。今季初救援だったビーズリーは、最初の1イニングを抑えたのはよかったが、回またぎはキツかったかなと思う。15日のヤクルト戦(甲子園)で6回1失点の球数97から中4日。最初の中継ぎ登板は先発時のように中6日ぐらい空けた方がよかったのではないだろうか。ボールにもいつもの切れはなかった。ただ打たれたとはいえ、彼に責任をかぶせたくはない。4点ビハインドの八回に桐敷を投入した。これは「あきらめていない」という意思表示の意味合いもあるのかもしれないが、起用するのであれば石井が投げた次のイニング、1点ビハインドの六回でもよかった。全体的にチグハグな継投に思えたし、少し間違えると、こうなってしまうというゲームだった。野手では井上の走塁がいただけなかった。3点を奪った四回、2死一塁から代打で左翼線への長打コースの安打を放った。一走・木浪は三進したが、井上自身は一塁止まり。二塁まで進んでいれば、3ー5からの近本の左翼線二塁打で一気に同点のホームまで踏めたかもしれない。なのに、当の本人は一塁上でガッツポーズ。あの当たりで、あの走塁は大ベテランだ。何歳なんだ? と思うほどに、甘い。これでは打撃しかない選手で終わってしまうし、レギュラーは取れない。しっかりと反省してもらいたい。

◆DeNAが12安打9得点で打ち勝ち、約2カ月ぶりに3位に浮上した。6-5の七回に1点を加えてなお1死二塁で、筒香が約3カ月ぶりの一発となる7号2ラン。甘く入ったビーズリーの速球を逃さず「いい打撃でした。この試合の感覚は明日以降に生きる」と振り返った。三浦監督は「また明日もある。集中してやっていく」と表情を引き締めた。

◆荒々しくバットを投げ、一塁ベンチに向かって雄たけびを上げた。会心の当たりが、右翼席中段に突き刺さる。7月25日以来、57日ぶりの3位浮上に貢献したDeNA・筒香嘉智外野手(32)は「いい打撃だった。この感覚は明日以降に生きる」と感触をかみしめた。6-5の七回に1点を加えてなお1死二塁。甘く入ったビーズリーの速球を逃さず、6月13日のロッテ戦以来、99日ぶりの一発となる7号2ランを放った。追いすがる阪神を突き放し、史上最多の観衆3万3435人を飲み込んだ横浜スタジアムを揺らした。7月上旬に左肋骨(ろっこつ)の疲労骨折で離脱し、8月中旬に戦列復帰後は代打での出場が続いた。それでも「個人のことよりチームのこと」と自身に言い聞かせ、早出練習でバットを振り込むなどして状態を整えてきた。台風の影響で試合が中止となった今月上旬には、自ら切り出してミーティングで訴えた。「大事な1カ月が始まる。心の準備をしよう」。米大リーグでの経験をもとに、シーズン終盤に目の色を変えるメジャーリーガーの話を例に出してナインの気を引き締めた。「(チームの)何かを変えないといけない」と、筒香を11日の阪神戦以来の先発メンバーに据えた三浦監督は「非常に大きなホームランを打ってくれた」とたたえた。「この時期になって、誰が打ったとかあまり関係ない。勝てばそれでいい」。本塁打を放った試合は7戦全勝。それでも、筒香は冷静だった。(鈴木智紘)

◆痛恨の1敗や。阪神は6-9でDeNAに敗れ、連勝が5で止まった。中11日で先発した西勇が三回もたずに5失点KO、先発から中継ぎに回ったビーズリーが中4日の登板で七回に3失点と、自慢の投手陣が崩壊。岡田彰布監督(66)も「三回で終わりや」と嘆いた。マジック6となった巨人との差は3ゲームに拡大。残り8試合、もう負けられない!自慢の投手陣が崩れ、理想のゲームプランからかけ離れた展開を強いられた。岡田監督が先発に送り出した西勇、この日から中継ぎに回したビーズリーが失点を重ね、痛い1敗。連勝は5でストップした。「三回で終わりや、もう」序盤に流れを手放すふがいない敗戦に、指揮官は悔しさをにじませた。西勇が二回無死満塁で伊藤に中前2点打を浴びて先手を取られた。三回は無死からオースティンに3ランを被弾し、早々とKOされた。「(西勇に)立ち直ってほしかったというか、その前の2点もそうやんか」と苦言。ハマの4番打者にはチーム別最多の7本塁打目を献上し、「なあ」とあきれ顔だ。西勇は前回登板した8日のヤクルト戦(神宮)では二回に山田に2ラン、三回は沢井に3ランを浴びている。またも試合序盤での失点を防げなかったベテラン右腕は「結果的に打たれたので、それが全てです」と責任を背負い込んだ。1点差に迫った六回から今季初めて中継ぎのマウンドに上がったビーズリーも誤算だった。先発して6回97球で勝利投手になったヤクルト戦(甲子園)から中4日。1イニング目は無失点も、次の七回に崩れた。先頭の佐野にストレートの四球を与え、1死後、宮崎に適時二塁打、続く筒香にはカットボールをダメ押し2ランにされた。先発で8勝を挙げている助っ人右腕は「(15日に)100球近く投げているので。ちょっと準備不足の部分もあったので、カットボールを捉えられてしまったのかな」と悔やんだ。岡田監督は前日19日、巨人に比べて余裕のある日程と豊富な先発陣を念頭に「最後はピッチャーやで」と逆転Vへ〝勝機あり〟と自信をみせていたが...。勝負手はこの日は瓦解(がかい)。勝ちパターンの桐敷を4点ビハインドの八回に使わざるをえないなど、後手に回った。「序盤で4人もピッチャーを使ったら、もたんわ」岡田監督はあまりにも早い投壊に恨み節だ。優勝へのマジックナンバーを6に減らした巨人とのゲーム差は「3」に広がり、残り8試合。阿部巨人を捉え、追い越し、奇跡を起こすには、これ以上の負けは許されない。(新里公章)?...首位巨人が勝って2位阪神が負けたため、ゲーム差は今月13日以来の3に広がった。最短でのV逸は23日?...最短で阪神に自力優勝の可能性が復活するのは25日になる。21日から阪神が3連勝して、巨人が4連敗することが条件

◆阪神・近本光司外野手(29)が偉大な記録に到達した。鋭いライナーで左翼に飛ばし、横浜の地で926本目の安打を積み上げた。「こういう記録に挑めることは本当に光栄なことだと思いますし、素直にうれしいです」3点をかえして、なお2死一、三塁で迎えた四回。2番手・坂本の直球を捉えて左翼へ運んだ。この1本で、新人から6年目までの通算安打数で〝ミスタープロ野球〟長嶋茂雄(元巨人)に並ぶ歴代最多の926安打。「しっかり後ろにつなぐことを意識して、結果的に(安打になった)」。今季の153安打目で、最多安打のタイトルにもまた一歩近づいた。1点差に迫る一打を勝負どころで放つも、逆転には届かず。自身の安打もこの1本のみにとどまった。かねて個人記録は「自分だけで意識しながら」と強調していたリードオフマン。記録到達もチームは敗れ、ゲーム差が広がった首位巨人を追うべく次戦に目を向けた。「どの試合も勝たないといけないので。明日も頑張ります」勲章は静かに胸の内にしまい、連覇のために勝利を追い求める。(邨田直人)

◆あきらめない思いが、バットにこもった。ゲームセットの瞬間まで、望みは捨てない。4点を追う九回2死二塁で、阪神・前川右京外野手(21)が抑えの森原から中前へはじき返して1点を刻んだ。好調の勢いのまま、プロ初となる1試合4安打を記録。2打点の活躍で意地を見せた。「1本目のタイムリーと2本目のレフト前がよかった。(調子が)上向いていきそうな感じの打席だった」手痛い敗戦の中で、若虎が一矢報いた。二回は四球で出塁すると、5点を追う四回1死一、二塁では森唯の厳しい内角直球に反応。技ありの一打で右翼線への適時二塁打とし、「先輩方が作ってくれた良い流れに乗ってタイムリーを打つことができた」とうなずいた。走塁でも、木浪の中前打で二塁から激走。頭からホームに滑り込んで生還し、泥だらけになって闘志を示した。18日の中日戦(バンテリンドーム)まで3試合連続決勝打を放っていた。この日の2打点は勝利打点とはならなかったが、2度目の出場4試合連続打点と勝負強さに磨きがかかる。五回にも中川颯から左前打、八回にはウェンデルケンから中前打を放っており、しめて4安打。そのうち3安打は2ストライクからだった。「もうちょっと早いカウントから行くべきだったが、2ストライクから打てた。次は違う攻め方をされると思うので、反省して次に挑みたい」。追い込まれても、慌てることなく全方向に打ち分けられるのは好調の証。左腕・浜口が先発する21日は岡田監督がベンチスタートを示唆しているが、終盤の重要な局面で再び出番は回ってくるはずだ。「きょう負けたので、あした勝たないといけないと思う。勝てるように準備して頑張ります」この奮闘は無駄にならないと信じてあすに向かうしかない。逆転Vへの命運を、虎の21歳が背負って戦う。(中屋友那)

◆バンザーイ! 日本の野球、バンザーイ!! ドジャース・大谷翔平が50-50をあっさり超えて51-51の大金字塔を打ち立てた!! オータニサ~ン、オメデトウ!!まるで夢を見ているような...。俺が子供だった60年前はメジャーリーガー第1号、ジャイアンツのマッシー村上(村上雅則さん)がマウンドに上がっただけで大勲章だった。勝利投手になったとか、先発したとかじゃなくて...。日本のプロ野球人の頑張りに敬意を表させていただきます。えっ、大谷の話題で阪神の敗戦をごまかそうとしている? 痛たたた...ピコピコピコ...。本日の負けで逆転アレンパを狙うウル虎マンたちのカラータイマーは大劣勢の赤い点灯となってしまったのだ。先発の西勇、3回もたず5失点って...何しとんねーん!! と激高したところで黒星が白に変わる訳じゃないし...。てか、残り全勝はさすがに難しいと思っていたから、6得点の打線は湿っていないし、中継ぎのビーズリーのイニングまたぎは厳しいと分かったことを収穫として、この後のDeNA、巨人戦をシッカリと勝ったれ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
72557 0.567
(↑0.004)
M6
(↑2)
9426
(+8)
361
(+2)
78
(+1)
54
(+1)
0.244
(↑0.001)
2.520
(-)
2
(-)
阪神
70596 0.543
(↓0.004)
3
(↓1)
8464
(+6)
395
(+9)
64
(-)
36
(-)
0.245
(↑0.001
2.490
(↓0.06)
3
(1↑)
DeNA
65623 0.512
(↑0.004)
7
(-)
13481
(+9)
458
(+6)
95
(+2)
60
(+2)
0.256
(↑0.001
3.060
(↓0.02)
4
(1↓)
広島
64625 0.508
(↓0.004)
7.5
(↓1)
12385
(+2)
378
(+8)
51
(-)
56
(-)
0.238
(-)
2.560
(↓0.01)
5
(-)
ヤクルト
56734 0.434
(↓0.004)
17
(↓1)
10464
(+6)
518
(+7)
95
(+3)
61
(-)
0.240
(↑0.001)
3.660
(↓0.03)
6
(-)
中日
55728 0.433
(↑0.004)
17
(-)
8353
(+7)
457
(+6)
64
(+3)
37
(-)
0.242
(↑0.001)
3.010
(↓0.02)