中日(★3対8☆)阪神 =リーグ戦25回戦(2024.09.18)・バンテリンドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:村上 頌樹(7勝9敗0S)
敗戦投手:髙橋 宏斗(12勝4敗0S)
  DAZN
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◆阪神が5連勝。阪神は2回表、前川の適時打で1点を先制する。その後4-2となって迎えた9回には、大山と佐藤輝の連続適時打などで一挙4点を奪い、相手を突き放した。投げては、先発・村上が5回2失点で今季7勝目。敗れた中日は、投手陣が振るわなかった。

◆中日高橋宏斗が得意の本拠地で先発。今季はここまで12勝3敗、防御率1・14だが、そのうちバンテリンドームでは11試合登板して8勝1敗、防御率0・57。黒星は6月28日のDeNA戦だけで、7月5日の広島戦から6連勝中だ。特にこの連勝期間は6試合すべて7回以上、自責点1以下をマーク。連勝中の防御率は0・38と圧倒的な数字を残す。今日も本拠地で完璧な投球を見せて連勝を伸ばせるか。

◆阪神ドラフト5位石黒佑弥投手(23=JR西日本)が試合前練習から1軍に合流した。今季は新人の中で唯一、1軍戦にも登板。回またぎを含む3試合を経験してきた。ウエスタン・リーグではチーム4位の37試合に登板し、防御率2・67をマーク。8月23日に出場選手登録を抹消されて以来、今季3度目の1軍合流となった。

◆阪神村上頌樹投手(26)の超スローカーブが立ち上がりからさえ渡った。先頭岡林へ初球から球速表示なしの緩いボールを投球。2球目に直球で押し込み二ゴロに打ち取った。続く2番福永、3番カリステにも初球から球速表示なしの山なりボールを投球。緩急の効いた投球で3者凡退に打ち取った。以前から岡田監督にカーブの使い方を指摘されてきた村上。球速差を生かした投球で立ち上がりから無失点に仕留めた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がまた高橋宏斗投手(22)を打ち砕いた。2回1死から145キロの甘いスプリットをとらえ、右翼フェンス直撃の二塁打。あと1メートルほどでフェンスオーバーだっただけに、二塁塁上で少し天を仰ぐようなそぶりも。これで高橋宏との今季対戦は10打数4安打となった。すかさず前川右京外野手(21)の中前打で先制のホームイン。今季、バンテリンドームで防御率0・57の右腕に、序盤から対応した。

◆阪神が追加点のチャンスを意外な形で逸した。1-0の3回2死から森下翔太外野手(24)と大山悠輔内野手(29)が連続四球。前の打席でフェンス直撃二塁打を放っている佐藤輝明内野手(25)に大きな期待がかかり、得点ムードも高まっていた。だが3球目、相手バッテリーに高めにウエストされ、大きくリードをとっていた二塁走者の森下が捕手加藤匠馬(32)からの送球に戻れず、アウトになった。左翼側を埋めた阪神ファンからは大きなため息が起こった。

◆/若虎の鮮やか先制打\#前川右京 3試合連続の打点をマーク#佐藤輝明 が二塁から激走見せる?プロ野球(2024/9/18)??中日×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/6moBXpT2AJ

◆/エグすぎる強肩発動\#加藤匠馬 バズーカ炸裂!#髙橋宏斗 助ける二塁牽制?プロ野球(2024/9/18)??中日×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #dragons pic.twitter.com/OrKWDynAi0

◆阪神の下位打線が、難敵の高橋宏斗(22)から2点を奪った。1-0の4回。先頭の佐藤輝明内野手(25)が右前打で出塁すると、1死一塁から7番の坂本誠志郎捕手(30)が中前打で一、三塁にチャンスを拡大。続く8番木浪聖也内野手(30)の高くはずむ二ゴロで貴重な1点を追加した。高橋宏はひざをついて悔しさをあらわにした。ショックが残る高橋宏に対して、投手の村上頌樹(26)まで右前に運んで、この回2点目を挙げた。防御率0点台を狙う右腕だが、阪神は前回3日の対戦で自責点3をつけて、快挙達成を難しくしていた。今回もすべて自責点がついており、昨季V打線が大きな壁として立ちはだかった。

◆阪神中野拓夢内野手(28)が同点を阻むビッグプレーを演じた。3-0の4回に2点を返され、なお2死二塁のピンチ。村松開人内野手(23)のセンターに抜けようかという打球が、ハーフバウンドになったが、二塁手の中野はうまく体を後ろに倒しながら逆シングルでキャッチ。一塁は間に合わなかったが、二塁走者の生還を防いだ。村上頌樹投手(26)が次打者を抑え、同点にはさせなかった。

◆阪神村上頌樹投手(26)が5回4安打2失点でマウンドを降りた。3回まで完全投球を披露。だが、3-0の4回に突如乱れた。先頭の岡林に四球を与えると、2番福永に真ん中に入った直球で左中間へ適時三塁打を浴び、1点を返された。なおも無死三塁で一ゴロの間に2点目を失った。1点リードの5回には2死一、二塁のピンチを招いたが、3番カリステを低めの132キロフォークで左飛に仕留め、反撃を断った。6回の打席で代打小野寺が送られ、降板した。

◆阪神が敵地で難敵を相手に勝利した。今季4度目の5連勝で70勝に到達した。終わってみれば15安打8得点の大勝だった。相手先発高橋宏は試合前時点で、今季のバンテリンドームでは8勝1敗、防御率0・57を誇っていた。その壁を壊した。2回1死二塁。前川右京外野手(21)が中前適時打で先制。これが決勝点となった。前川は3試合連続で決勝打点を挙げた。4回1死一、三塁では木浪聖也内野手(30)の内野ゴロの間に1点追加。さらにチャンスで先発村上頌樹投手(26)自ら適時打を放ち、3点目を挙げた。前回3日の甲子園での中日戦でも高橋宏から3得点。1点差の7回にも大山悠輔内野手(29)の内野ゴロの間に4点目を奪った。9回には4点追加。防御率1点台の右腕に2試合続けて黒星をつけた。村上は5回2失点で粘った。3回まではパーフェクト投球。4回に2点を失うもリードを守った。今季の投球回をキャリアハイの149回1/3とし7勝目をマーク。6回以降は継投で逃げ切った。19日は移動日。チームは20日からのDeNA2連戦に備え、横浜に移動する。残り9試合。22日からは巨人との直接対決も控える。1歩も引くことなく残り試合を戦う。

◆中日立浪和義監督(55)が18日、今季限りでの退任を自ら表明した。今季134試合目の阪神戦(バンテリンドーム)に大敗。試合後の敗戦会見の中で「このタイミングでどうかと思うが、3年目の今年に結果を出さないといけないが、出せなかった。責任を取って辞めさせていただくと球団と話をした」と語り、3年契約3年目で背番号「73」のユニホームを脱ぐ決意を明かした。残り試合は続けて指揮を執る予定。現役時代は中日一筋22年で通算2480安打を放ち、「ミスタードラゴンズ」(3代目)と呼ばれた。現役引退後は日本代表コーチを務める以外は評論家生活がメイン。21年に沖縄キャンプの臨時コーチを務め、同年オフに与田前監督に代わり就任した。守備を中心にした守る野球を掲げ、バットマンとして打線強化にも自信を持ったが、就任1年目の22年は66勝75敗2分けで最下位。翌23年も現役ドラフトでの獲得した元DeNAの細川の覚醒での得点力は向上したが2年連続の最下位に沈んだ。不退転の決意で臨んだ今季は、巨人を退団した中田を主砲候補に、中島を代打の切り札として補強を強化。4月に8年ぶりの単独首位に立ったものの、その後は失速。中田は腰痛などに悩み4本塁打21打点止まり、中島も15試合無安打で来季の戦力構想からも外れた。この日のヤクルト勝利で最下位に転落。球団史上初の3年連続最下位が現実味を帯びた中で、ユニホームを脱ぐことを公表した。▽中日加藤球団本部長の話 「今日のゲームが終わってから立浪監督から『成績不振の責任を感じている。今季限りで身を引きたい』との申し出があった。(次期監督については)これから本格的に検討することになる。最終戦が10月6日なのでそこまでという思いはあり、うまくいかないケースもあるかもしれない。できるだけ早くとは思っていますけど」▽中日石川昂(立浪監督退任について)「就任されたときから気にかけていただいた。期待に応えたと言えないまま3年が終わった。悔しい」▽中日高橋宏(立浪監督辞任について)「僕は与田監督に取ってもらって、立浪監督に育ててもらった。僕の(投げた)試合で(退任を)発表されたのは、とても責任を感じる。監督が責任をとっても、やっているのは選手なんで、選手全員が責任を感じて行動を変えていかないといけないと思う。僕は誰がなんと言おうと立浪監督に育ててもらった選手です」

◆阪神が15安打8得点で2試合連続の2桁安打を放ち、5連勝を飾った。巨人と2ゲーム差で迎えた大一番で、村上頌樹投手(25)が7勝目をマークした。女房役の坂本誠志郎捕手(30)は、緊張の大一番で初回にスローカーブを3度要求するなど、村上の緊張を解いた。坂本は打ってはプロ初の4安打で2打点も記録した。坂本のヒーローインタビューは以下の通り-今のお気持ちは「ホッとしています。もう、それだけです」-6投手をけん引した「ブルペンで村上がすっごい緊張していたので、緊張を解く意味も込めて、いきなりおっそいカーブを投げて。でも、緊張しっぱなしでしたね(笑い)」-そんな意図で3者連続スローカーブだった「緊張が伝わったので、ぽっと空気を変えるというか、そういう感じでいきなり出しました」-今季初猛打賞とプロ初4安打。4安打の秘訣(ひけつ)は「初めてなので秘訣はないですけど。でも、やっぱり大事な時期に思いを込めて打席に立っているので、それが大事だと思います」-どんな思いを込めて「勝つために、自分のためにチームのために1本でも多く、内容のある打席を1つでも多く、みんなもやっていますし、僕だけじゃないので、1つでも上の順位を目指してみんなでやっているのが、いいんじゃないのかなと思います」-去年の9月と違う戦いぶり「しびれる野球がこの時期にできるのはいいと思いますし、去年とは立場が今は違いますけど、目指すところたどり着くところは同じだと思っているので、みんなでたどり着きたいです」-勢い加速していく「次のカードも勝って、全部勝つつもりで行きます」-今後の意気込み「優勝するんで...。みんなついてきてください!」

◆阪神村上頌樹投手(26)が思い出の地で価値ある勝利をつかんだ。相手打線の猛追を振りきり5回4安打2失点。リードを渡さず今季7勝目を手にした。「先制点を与えないことが大事だと思っていた。立ち上がりからより注意して投げました」3回まではパーフェクト。3点リードの4回だ。福永に左中間へ適時三塁打を浴びるなど2失点。その後も2死一、三塁を招いたが、最後は板山を空振り三振で踏ん張った。昨季、プロ初勝利を2安打完封で挙げたのがバンテリンドーム。相手投手もこの日と同じ高橋宏だった。好右腕からこの日は4回に右前適時打を放ち、自身でも援護点。思い出の球場で投打に力を出し切った。「今年でいえば、なかなか自分の方が勝てないと思われていたと思う。そこで勝ちきれたのはよかった」岡田監督からは「今年最高のピッチングしたらええだけやん」と送り出されたマウンド。試合前には「絶好調か?」と直接声もかけられた。捕手坂本とも話し合い、緊張をほぐす意味も込めて初回は計測不能の超スローカーブを多投。3者凡退で立ち上がりを無失点に抑えた。「いろいろ話しながらできたので。いいリズムにできたのかなと」首位巨人を猛追するシーズン最終盤。プレッシャーとも工夫して向き合った粘り星だ。初回、打者1人を打ち取ったところで昨季の自身最長イニングも更新。大きな1勝となった。【波部俊之介】

◆阪神が敵地で難敵を相手に勝利した。今季4度目の5連勝で70勝に到達した。終わってみれば15安打8得点の大勝だった。岡田監督の一問一答は以下の通り。-大事な試合で安打「ずっと良い感じやんか」-ランナー三塁から内野ゴロとかも出た「そういうことやん」-高橋宏から「別にピッチャー誰とか、俺ひと言もそんなん言うてないやんか。今日は中日に1つ勝てばええだけの話やんか、それだけやん。ええピッチャーやったら今日負けるんか? そういうことやん。この時期やねんからピッチャー関係あらへんやん。ファームのピッチャー来たら打てるんか? そういうことやんか」-6回は岡留、島本がしっかり仕事した「おう、予定通りよ。それは。そらな、右、左でいっただけで」-石井は投げる予定は「いやいや、そらベンチ入ってるんやから」-甲子園と場所を変えてもこういう戦い方ができた「もうそら一緒や。どこでやっても一緒や」

◆ほんま強い! 阪神が敵地で難敵を打ち崩し、今季4度目の5連勝で70勝に到達した。相手先発の高橋宏は試合前時点で今季バンテリンドームでは8勝1敗、防御率0・57だったが、高い壁にもひるまない。2回に前川右京外野手(21)が3戦連続決勝打となる先制の中前適時打で勢いづけた。高橋宏から3点を奪い、終わってみれば15安打8得点の大勝。貯金を今季最多12に増やし、DeNA戦で引き分けた首位巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。間違いなく仲間を勇気づける一打となった。分厚い頑丈な扉をこじ開けたのは、また前川だ。0-0の2回1死二塁。中日先発高橋宏の3球目、154キロ外角の直球を振り抜いた。鋭く中前に転がし、二塁走者の佐藤輝が激走。序盤の先制点でチームを勢いづけた。「(佐藤)輝さんがチャンスメークして流れをつくってくれましたし、ゾーンにきた球は積極的にスイングしていくつもりで打席に入りました」超難敵を相手に第1打席からリベンジした。中日高橋宏は今季、試合前までバンテリンドームで防御率0・57。前川も今季7打数1安打と苦しめられてきた。前日17日には「早め早めに準備して結果を出せるように」と意気込み、宣言通りの一打。思わず塁上で笑みをこぼし「点が入って良かった」とうなずいた。これで3試合連続の決勝打と絶好調だ。15日のヤクルト戦(甲子園)では佐藤輝に続く2者連続のアーチで甲子園初本塁打。16日の同戦は先制の中犠飛で試合を決めた。3戦連続V打は16年8月12日~14日の江越以来だ。これで打点も40に到達。ドラフト制後、球団高卒3年目以内に40打点以上挙げたのは3年目の92年新庄剛志の46打点以来、4人目の快挙となった。日々の積み重ねが生きている。今季はプロ初アーチを含む4本塁打を放つも、ホームランバッターの意識はない。「ホームランは狙っても打てない。僕はコンタクトしないといけない」。身長176センチと野球選手としては決して大柄ではないが、がっしりとした下半身からコンパクトに鋭く強い打球を放つのが真骨頂だ。打撃の意識を問われると「力をスポーンと抜かす感じで」と説明。「マン振りしてる時って大概ダメなので」。センター方向への意識がこの日、値千金の一打を呼び込んだ。勝負強い若虎に導かれ、チームは15安打8得点で5連勝。貯金を今季最多12に増やし、シーズン70勝に到達した。背中を追う巨人が引き分け、首位とのゲーム差は8月5日以来の1・5まで縮まった。宿敵にマジック9が点灯したが、やることは変わらない。「あと9試合。ちゃんと結果を残せるように頑張ります」。メークアレンパへ、猛虎が食らいつく。【村松万里子】阪神前川が2回に先制の決勝打を放った。これでシーズン40打点に到達。阪神のドラフト入団選手が高卒3年目以内に40打点に到達したのは高卒3年目の92年新庄剛志以来で、左打者では同3年目の76年掛布雅之以来、48年ぶりとなった。ほかに高卒2年目の67年に藤田平がマークしており、球団4人目。前川は9月15、16日に続いて3試合連続決勝打。阪神では16年8月12~14日の江越大賀以来、8年ぶり。なお、2リーグ制後の連続試合勝利打点のプロ野球最長は87年5月に5試合連続をマークした西武秋山幸二で、阪神では85年10月バースと95年5月グレンの4試合が最長。

◆中日立浪和義監督(55)が試合後に今季限りでの退任を表明した。この日ヤクルトが勝利し、7月29日以来の単独最下位に転落。球団史上初の3年連続最下位も現実味。自ら退任を言及した。試合後の立浪監督のコメントは以下の通り。-(自ら切り出し)「まあ今日の試合は、(高橋)宏斗のタイトルもあるし、何とか頑張って欲しい中で3点取られましたけど。(高橋は)何とか頑張れたかな、というところと、やっぱり、チャンスで打たれて。(打線は)チャンスはあるもののものにできない。これは、(これまで)ずっと続いてているんで。今のタイミングでどうかなと思うんですけども、やっぱり3年目の今年、結果を出さないといけないところで、結果を出せなかった。自分自身がやっぱり責任を取って、今年限りで、最後までもちろんやらせてもらいますけど、当然、辞めさせていただきますと、球団と話して、今日このタイミングで発表もどうかなと思うんですけど、(シーズン)最後まで全力でやるということで、けじめはつけます」-決断されたのはいつ「決断というか、オールスター明けに、なんとかまだ借金8の段階で、もちろん諦めずにまだまだチャンスはあると思ってずっとやってきた。やっぱりずっと同じような形で負けてる試合が多いので、やっぱり今年、3年目で、自分自身も就任したときに、勝負をかけるところで、結果が全ての世界ですから、これは監督が責任を取るのは当然だと思う。もちろん今年これだけたくさんビジターでもホームでも応援してもらってる中で、結果が出なかったのは本当に申し訳ない気持ちと、悔しい気持ちがありますけども。ファンの方もね今日でもすごく応援してもらってるので、気合を入れろ、気合を入れろと言われるとは非常に心が痛いって言いましょうか、もちろん選手も一生懸命やっている結果で、まだまだこれから必要になる選手だったり、まだまだ力をつけないといけない選手も出ていると思う。ただ最後までしっかりと任務を果たして、1つでも勝てるようにやってきたいと思います」

◆中日立浪和義監督(55)が18日、今季限りでの退任を表明した。本拠地で阪神に敗れた直後だ。試合後会見の中で「今のタイミングでどうかと思うが、3年目の今年で結果を出さないといけないところで、出せなかった。責任を取って今年限りでやめさせていただきます」と語り、3年契約3年目での退任を自ら明かした。この日の試合後に球団に申し出たが、慰留もなく辞意は承認された。残りの試合は続けて指揮を執る。現役時代は中日一筋22年で通算2480安打を放ち、「ミスタードラゴンズ」と呼ばれ、21年オフに与田前監督に代わり就任した。守備を中心にした守りの野球を掲げ、バットマンとして打線強化にも自信を見せたが、就任1年目の22年は66勝75敗2分けで最下位。翌23年も現役ドラフトでの獲得した元DeNAの細川の覚醒などで攻撃力は向上したが、2年連続の最下位に沈んだ。不退転の決意で臨んだ今季は、巨人を退団した中田を主砲候補に、中島を代打の切り札として補強。4月には8年ぶりの単独首位に立ったものの、その後は失速。中田は4本塁打21打点止まり、中島も15試合無安打で来季の戦力構想からも外れた。この日、ヤクルトが勝利し、7月29日以来の単独最下位に転落。球団史上初の3年連続最下位も現実味を帯びた。今季の本拠地動員は好調で平均約3万3000人が入場し、落合政権時の2000年代終盤の動員力を復活。3位浮上への可能性もあった8月までは、続投の可能性も残していた。次期監督には井上一樹2軍監督(53)らが有力候補としてリストアップされている模様だ。同2軍監督は今季のウエスタン・リーグで自身が監督を務めた11年以来、13年ぶりの優勝に向けてチームを率いている。井上一樹(いのうえ・かずき)1971年(昭46)7月25日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島商から89年ドラフト2位で投手として中日入り。後に外野手に転向。99年には130試合に出場して初めて規定打席を満たし、打率2割9分6厘で優勝に貢献した。09年引退。通算1215試合、863安打、79本塁打、349打点、打率2割7分5厘。現役時代は184センチ、93キロ。左投げ左打ち。引退後は中日で1軍打撃コーチや2軍監督を務め、20年から22年までは阪神でも打撃コーチやヘッドコーチを務めた。

◆中日立浪和義監督(55)が18日、今季限りでの退任を表明した。阪神戦(バンテリンドーム)に敗れた試合後の会見で「責任を取って今年限りでやめさせていただきます」と語り、3年契約3年目での退任を自ら明かした。加藤球団本部長は「今日のゲームが終わってから立浪監督から『成績不振の責任を感じている。今季限りで身を引きたい』との申し出があった。(次期監督については)これから本格的に検討することになる。最終戦が10月6日なのでそこまでという思いはあり、うまくいかないケースもあるかもしれない。できるだけ早くとは思っていますけど」と語った。

◆阪神1点リードの6回を岡留英貴&島本浩也の両腕でしのいだ。先発村上のあとを受けた継投策。先陣を切った岡留は石川昂、細川の主力2人を抑えた。島本は四球を出したものの左の板山を右飛にしとめ、2人で重要な役割をこなした。「こういう展開で投げさせてもらえた。1発だけを気をつけていきました」と岡留はホッと息をついた。

◆中日高橋宏が痛恨の4敗目を喫した。2回1死から佐藤輝、前川の連打で1点を失うと、4回にも阪神先発村上に適時打を許すなどさらに2失点。6回8安打3失点で降板した。「リズムが悪く粘りきれませんでした」と、右腕はがっくり。2年連続規定投球回までは残り2回1/3で、セ・リーグ1位の防御率1・28は維持した。

◆阪神坂本がプロ初の4安打で15安打8得点の大勝を導いた。2、4、8、9回にそれぞれ単打をマーク。4回は1死一塁で高橋宏から中前打を放ち好機拡大。その後の2得点につなげた。9回は2死二、三塁で中前への2点適時打。ダメ押しの一打で勝利を決定づけた。「ほっとしています。もうそれだけです」。バンテリンドームのヒーローインタビューでは本音が漏れた。4安打には「初めてなので秘訣(ひけつ)はない」と言いつつ「やっぱり大事な時期に思いを込めて打席に立っている」ときっぱり。守りでは初回、先発村上にスローカーブを多投させた。「すっごい緊張していたので緊張を解く意味も込めて」と女房役として後輩をリード。「しびれる野球がこの時期にできるのはいいと思う」。名古屋のファンには「優勝するんで...。みんなついてきてください!」と呼びかけた。

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が4回の先頭で大きなチャンスメークを果たした。バキっと音を立てて黒木の"愛棒"が根元から裂けた。高橋宏の高速カットボールが胸元に迫ってくる。詰まることも恐れず、強引に振り抜き、右前までもっていった。木浪の二ゴロで待望の1点、村上の適時打も出て3-0。重要な意味を持つイニングとなった。2回には前川との「TMコンビ」がさく裂していた。15日のヤクルト戦で甲子園に連続アーチをかけたコンビ。この日は佐藤輝が1死から甘いスプリットをとらえ、右翼フェンス直撃の二塁打。すかさず前川の中前打で先制の1点を入れた。「右京が打ってくれたのでよかったです」。今季、バンテリンドームで防御率0・57と無敵を誇った右腕。3日の甲子園に続いてまた3得点を奪い、シーズン防御率0点台の快挙も事実上打ち砕いた。今季は高橋宏に対して12打数5安打の打率4割1分7厘。7月12日のバンテリンドームでは3三振したように「甲子園とバンテリンはまた違う。そううまくはいかない」と警戒していたが、難敵から2安打で文句なしの仕事を果たした。9回には右翼フェンス直撃の適時二塁打。点差を4に広げて、勝利を大きくたぐり寄せた。「しっかり積極的にいけたのでよかったです。(第1打席と)どっちか入ってほしかったですけど、パワーないっすね」と笑い飛ばした。3安打は今季7度目。21年、22年に続く自身最多タイだ。昨年に続いて、終盤戦でバットが熱を帯びてきたのは頼もしい限りだ。もう振り向かない。邪念もない。次は20日DeNA戦。「また、横浜でもしっかり勝ちにいけたらなと思います」。残り9試合。1打席、1球に魂を込めて戦い抜くつもりだ。【柏原誠】

◆阪神森下が4出塁と貴重なつなぎ役になった。2四球は点につながらなかったが、7回は右前打、9回も右前打で走者を三塁に進め、得点までつなげた。「四球を高橋投手から選べた。連打で打ち崩せる投手じゃないと思うので、ああいうきっかけで変わるケースもあるので。3点差くらいだと何が起こるか分からない。追加点や、最終回に点を取れたのは強さが出たかなと思う」と胸を張った。

◆阪神大山がダメ押しの一打を放った。2点リードの9回1死一、三塁。右腕岩崎の152キロ直球を逆方向にはじき返し、一、二塁間を破る右前適時打を放った。最終回、一挙4得点の口火を切った打点。「とにかく、事を起こすことが大事だったので。そこだけを考えて打席に入りました」。7回1死一、三塁でも三ゴロの間に追加点を挙げており、2打点目の活躍となった。

◆阪神近本がいよいよレジェンドに迫った。4回2死一塁で右前打。7回先頭では代わったばかりの清水から中前打を放ち、その後大山の内野ゴロの間に貴重な4点目のホームを踏んだ。入団6年目以内の通算安打数は925。同記録トップの長嶋茂雄(巨人)まで、あと「1」だ。「自分で意識して。自分で頑張ります」とミスター超えを見据えた。

◆阪神木浪がしぶとく追加点をもぎ取った。1点リードの4回1死一、三塁。中日高橋宏の144キロスプリットに食らいついて二ゴロを放った。二塁手板山はホームに投げきれず三塁走者を生還させた。「結果的にああいう形で点を取れたのは良かった。(チームに)つなぐ意識があったと思うので、いい方向にいった」。6回には中前打を放ち3戦連続安打も決めた。

◆4連勝中と勢いに乗る阪神は、中日との今季最終戦に臨む。先発の村上頌樹投手(26)は今季7度目となる中日戦で7勝目を目指す。好調の打線は捕手を除いて同じメンバーが並んだ。2試合連続でヒーローインタビューに呼ばれている前川右京外野手(21)らを中心に、セ・リーグ防御率トップの中日・高橋宏斗投手(22)の攻略を目指す。首位巨人を2ゲーム差で追う阪神は中日に勝利し、巨人が敗れると自力優勝の可能性が復活する。

◆中日・立浪和義監督(55)が試合前、ロドリゲスに身ぶり手ぶりで守備を教えた。俊足と強肩が自慢の助っ人はキューバから育成枠で入団。今季の開幕前に支配下を勝ち取り、22試合に出場している(17日現在)が、4失策を犯すなど守備でミスが目立つ。チームは苦しい状況が続くが、現役時代、攻守で活躍した立浪監督らしく丁寧にスローイングなどを教えた。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)が一回のマウンドに上がった。中日の先頭・岡林に対して、この日投じた1球目。山なりのカーブがミットにおさまった。球場の球速表示もなされない超スローボール。2球目で二ゴロに打ち取ると、続く福永に対して初球は再び計測不能のスローボール。右飛に打ち取ると、カリステも中飛に仕留め、三者凡退の立ち上がりを見せた。相手先発の高橋宏が150キロ超の直球を連発する中、村上は緩急で対抗した。

◆阪神が難敵から先制点をもぎ取った。0-0で迎えた二回1死。佐藤輝が中日の先発・高橋宏の145キロ変化球をとらえ、右翼フェンス直撃の二塁打を放つと、6番・前川が打席へ。3球目、153キロ直球をはじき返した。二遊間を破る一打で、佐藤輝が生還。打ったのはストレート。テル(佐藤輝)さんがチャンスメークして流れを作ってくれましたし、ゾーンにきた球は積極的にスイングしていくつもりで打席に入りました。相手はいい投手なので先に点が取れてよかったです」。試合前の時点で、セ・リーグトップの防御率1.14を誇る右腕から、若虎が殊勲の一打を放った。3試合連続スタメン出場を果たした前川は、これで3試合連続打点と絶好調だ。

◆阪神が大きな追加点をあげた。1-0で迎えた四回。先頭の佐藤輝が右前打で出塁。前川は中飛に倒れて1死一塁。7番・坂本はカウント1-0から2球目、バットを寝かせた。投球は大きく外れてボール。さらに3球目もバントの構えを見せると、再びボールでカウント3-0。中日先発・高橋宏を小技をちらつかせて揺さぶる。フルカウントとし、6球目、一走・佐藤輝がスタート。坂本は150キロ直球をとらえた。中前に運びエンドランに成功。1死一、三塁と好機を広げると、木浪が二ゴロを放って、2点目をあげた。阪神の攻撃は続く。なおも2死二塁から、9番・村上が150キロ直球をとらえて右前適時打。自らを援護する3点目をたたき出した。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)は5回4安打2失点で降板した。「先制点を与えないことが大事だと思っていたので立ち上がりからより注意して投げました。追加点を取ったあとに無駄な四球から失点してしまったことが悔しいです。5回で交代となり後を託す形になってしまったので、ここからはみんなを信じて応援します」。立ち上がりは打者3人すべての初球でスローボールを投じ、三者凡退に抑えた。二回、三回と走者を一人も許さず、完璧に抑えていた右腕だが、2巡目に入った四回に突如乱れる。先頭の岡林に四球を与えると、福永に左中間を破られる適時三塁打を許し、続くカリステの一ゴロの間に2点目を献上。なおも2死一、三塁としたが板山を三振に抑えてリードは守った。五回は2死からヒットと四球で一、二塁のピンチ。それでも、カリステを左飛に仕留めて小さくこぶしを握り締めた。味方の援護に自らのタイムリーもあって、1点リードを保ったまま、六回の攻撃で代打を送られて降板。9月4日の中日戦(甲子園)以来となる今季7勝目の権利を持って、リリーフ陣に後を託した。

◆阪神が執念の継投策だ。1点リードの六回、岡田監督は代打を送った先発の村上に代わって、右腕の岡留をマウンドへ送り込んだ。4番の石川昂から始まる中日打線。岡留は石川昂を左飛に打ち取ると、続く細川を146キロ直球で見逃し三振に斬った。2死走者なしで岡田監督はベンチを出て投手交代を宣告。下位打線に入るとはいえ、左打者の6番・村松に対して今度は左腕の島本をマウンドへと送った。島本は村松に四球を与えるも続く板山を右飛に抑えて投手2人でこの回を無失点。一分のスキもない指揮官の勝負手が光った。

◆阪神は3-2の七回、つなぎの攻撃で貴重な追加点を奪った。2番手・清水の代わり鼻を攻め立てた。先頭の近本がこの日2本目の安打となる中前打で出塁すると、中野がしっかりと犠打を決める。森下も右前打でつなぎ、1死一、三塁となって大山。追い込まれながらも変化球に食らいついて三遊間へのゴロを転がし、この間に近本が生還。四回に2点を取り合って以降両者得点がなかっただけに、貴重な中押し点となった。

◆阪神・桐敷拓馬投手(25)が4-2で迎えた七回のマウンドに上がった。先頭の代打・辻本を一ゴロに仕留めた左腕だが、続く代打・鵜飼に左翼線へ二塁打を浴びると、2死三塁から福永に死球で一、三塁のピンチを背負った。一発出れば逆転のピンチで迎えたのは3番・カリステ。3球目、147キロ直球で押し込み右飛に仕留め、何とか無失点でしのいだ。これが今季65試合目の登板。シーズンを通してブルペン陣を支える左腕が、この日もしっかりと仕事を果たした。

◆阪神が逃げ切って5連勝。打線が難敵・高橋宏を攻略した。二回1死から佐藤輝が右翼フェンス直撃の二塁打を放つと、前川が中前適時打を放って先制。前川は3試合連続の決勝打となった。四回は佐藤輝の右前打から、木浪のニゴロで追加点。さらに村上が右前適時打を放って3点目を挙げた。七回は清水から1死一、三塁の好機を作ると、大山の三ゴロで4点目。九回には大山、佐藤輝が連続適時打など4得点で、中日を突き放した。先発の村上は5回4安打2失点で今季7勝目(9敗)。六回は岡留、島本、七回から桐敷、ゲラ、富田の継投で逃げ切った。阪神は今季の中日戦を15勝7敗3分でフィニッシュ。怒涛の5連勝で貯金を今季最多の12とし、逆転優勝へ望みをつないだ(成績70勝58敗6分、観衆3万6283人)。

◆阪神が逃げ切って5連勝。中日との最終戦を飾った。ヒーローインタビューには坂本誠志郎捕手(30)が呼ばれた。プロ初の4安打について「秘訣も何も...」と照れ笑いを浮かべていたが、最後に「優勝するので、みんなついてきてください」と力強く宣言。チームの勝利を誰よりも考える捕手が珍しく感情をあらわにし、大きな拍手に包まれた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は四、七回に内野ゴロで得点した阪神打線について言及した。中日・高橋宏は球は速かったが、制球がアバウトだった。試合前のミーティングで傾向を確認していただろうし、全員が徹底できた試合だった。捕手の立場から言わせてもらえば、2点目を追加した四回1死一、三塁での木浪の二ゴロ、1点差に迫られた七回1死一、三塁から大山の三ゴロで突き放した1点が大きい。三振だけは許されない場面で転がすのは簡単に見えてそうではない。六回に代打でファウルで粘って13球を投げさせた小野寺の執念も感じた。七回無死一塁で犠打を決めた中野も見事だ。隙を見せないという点では3ー0の四回に村上は2点を失った。点を取った直後に取られてはいけない。三回2死一、二塁で、捕手のけん制に刺された二走の森下も反省だ。勝負ごとは最後まで分からない。勢いも大事だが、今だからこそ基本を再確認したい。

◆阪神は中日との最終戦に快勝。70勝に到達した。ファンに挨拶をするナイン=バンテリンドーム(撮影・斉藤友也)

◆5連勝の阪神が70勝に到達し、今季最多貯金を「12」に更新した。登板時防御率1・14の高橋宏斗投手(22)から二回、佐藤輝明内野手(25)の二塁打と前川右京外野手(21)の3試合連続打点となる中前打で先制した。四回は内野ゴロと村上頌樹投手(26)の右前打で2点を奪った。1点差の七回に内野ゴロで4点目を追加した大山悠輔内野手(29)は九回にも右前適時打。さらに佐藤輝の二塁打などで4点を挙げて、突き放した。5回2失点の村上は7勝目(9敗)。六回は岡留英貴(24)、島本浩也(31)、七回から桐敷拓馬(25)、ハビー・ゲラ(28)、富田蓮(23)の5投手がつないだ。近本光司外野手(29)は入団6年目の安打を925本とし、最多の長嶋茂雄とは1差。チームは快勝したものの、DeNA戦で引き分けた首位巨人に残り11試合で優勝マジック「9」が点灯した。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=70勝58敗6分、観衆=3万6283人)。ーー大事な試合で安打「ずっと良い感じやんか」ーーランナー三塁から内野ゴロで得点(四回1死一、三塁で木浪の二ゴロで2点目を追加。1点差の七回1死一、三塁では大山の三ゴロで4点目)「そういうことやん」ーー高橋宏から「別にピッチャー誰とか俺ひと言もそんなん言うてないやんか。今日は中日に1つ勝てばええだけの話やんか、それだけやん。ええピッチャーやったら今日負けるんか? そういうことやん。この時期やねんからピッチャー関係あらへんやん。ファームのピッチャー来たら打てるんか? そういうことやんか」ーーどんな形でも「そういうことやんか。そういうことやろ」ーー六回は岡留、島本がしっかり仕事した「おう、予定通りよ。それは。そらな、右、左で行っただけで」ーー石井は投げる予定は「いやいや、そらベンチ入ってるんやから」ーー甲子園から場所を変えても、こういう戦い方ができた「もうそら一緒や。どこでやっても一緒や」

◆阪神が逃げ切って5連勝。70勝に到達したが、試合後に巨人がDeNAに引き分けたため、巨人に優勝マジック9が点灯した。阪神は二回1死から佐藤輝が右翼フェンス直撃の二塁打を放つと、前川が中前へ先制打。四回は木浪のニゴロで追加点。村上が右前適時打を放って3点目を挙げた。七回は清水から1死一、三塁の好機を作ると、大山の三ゴロで4点目。九回には大山、佐藤輝が連続適時打など4得点で中日を突き放した。先発の村上は5回4安打2失点で今季7勝目(9敗)。阪神は今季の中日戦を15勝7敗3分でフィニッシュ。怒涛の5連勝で貯金を今季最多の12とした。主な選手のコメントは以下の通り(成績70勝58敗6分、観衆3万6283人)。二回にフェンス直撃の二塁打。九回も二塁打の佐藤輝 「どっちか入って欲しかったですけど、パワーないっすね(笑)」プロ初4安打の坂本 「びっくりしました」六回途中から登板。先頭に四球を与えた島本 「フォアボールが余計でしたね」内野ゴロを含めて2打点の大山 「とにかくコトを起こすこと。それは大事だったので、そこだけを考えて打席に入りました」高橋宏から先制打。3試合連続打点の前川 「あと9試合なので、ちゃんと結果残せるように頑張ります」六回から登板した岡留 「1人1人しっかり抑えることだけ意識していきました」

◆プロ野球中日の立浪和義監督(55)が18日、成績不振の責任を取って今季限りで退任する考えを明らかにした。就任から2年連続で最下位に沈み、3年契約の最終年の今季も低迷が続いた。本拠地バンテリンドームナゴヤで行われた阪神戦後に取材に応じ「結果を出さないといけないところで結果を出せなかった。監督が責任を取るのは当然」と理由を話した。残り9試合の指揮は執る予定。今季も得点力不足が響いて低迷し、この日敗れて54勝72敗8分けで最下位に転落。試合後に球団側に辞意を伝えたという。加藤宏幸球団本部長は、若手を積極的に起用した3年間について一定の評価をした。井上一樹2軍監督らの名が挙がる後任については「これから本格的に検討する。どうするか早急にまとめる」と話した。

◆強力ブルペン陣がイメージ通りに仕事をこなせば、阪神・岡田彰布監督(66)の手のひらの上で試合は動く。1点リードで繰り出した岡留、島本の継投策がきっちりはまり、竜打線に反撃の糸口を与えずに大勝に導いた。「おう、予定通りよ。それは。そらな、(相手打者の)右、左でいっただけで」虎将はサラリと振り返り、層の厚い投手陣への自信をにじませた。3-2の六回。先発の村上に代わり、岡留を起用。変則サイドスローの右腕は右打ちの4番石川昂をスライダーで左飛に仕留め、同じ右打ちの5番細川からは見逃し三振を奪った。左打ちの村松を迎えた場面で指揮官は予定通り、左腕の島本にスイッチ。ここは四球を与えてしまったが、続く板山はスライダーで右飛に打ち取って流れを渡さず、打線も七回以降に5得点と奮起した。ダブルストッパーの岩崎、ゲラに加え、桐敷と石井の〝勝利の方程式〟が何度もリードを死守してきたが、岡留、島本、防御率0点台の富田の存在感も勝負の時期に高まってきた。岡田監督はこれまでにも「勝ちパターンっていうか、俺は敗戦処理のピッチャーなんか考えてないから。そういう言葉をつかわへんから」とモットーを口にしてきた。ベンチ入りメンバーは全員が勝つための戦力。ブルペン陣の適材適所を見極めて相手打線にぶつければ、選手は応えてくれる。一戦必勝の残り9試合も、ハイレベルな投手力を前面に押し出して白星をつかみとる。立浪竜との今季最終戦に勝利し、首位巨人が引き分けたため、ゲーム差は「1・5」に縮まった。9月13日の広島戦から甲子園で4連勝し、この日は敵地で5連勝に伸ばした。「もうそら一緒や。どこでやっても一緒や」。チームバスへと向かった岡田監督の言葉には気迫がみなぎっていた。(新里公章)

◆まだまだ諦めん!! 阪神は中日に8―3で快勝し、今季4度目の5連勝。二回に前川右京外野手(21)が難敵の高橋宏から中前適時打を放ち、3試合連続となる決勝打を記録した。首位巨人に優勝へのマジックナンバー「9」が点灯したが、1・5ゲーム差に詰めた。残り9試合。逆転優勝に向けて勢いそのままに突き進む。今夜も21歳の若虎が主役だった。一度つかんだ勢いは手放さない。前川が放った痛烈な先制タイムリーが、絶対に落とせない試合の流れを完全に引き寄せた。「いい投手だったので、積極的に打っていこうと思って。点が入ったのでよかったです」相手先発は防御率リーグトップの高橋宏だったが、今の阪神打線の敵ではなかった。二回1死からフェンス直撃の二塁打を放った佐藤輝を置いて打席へ。狙いは一つだった。カウント1―1から外角の153キロ直球を力強くはじき返す。高橋宏の足元をかすめた打球は、飛び込む遊撃手のグラブもすり抜けて中前に抜ける適時打に。先輩がつくった流れに乗り、鮮やかに先手を奪った。この1点が決勝点となり、前川は15日のヤクルト戦(甲子園)から3試合連続となる決勝打となった。15日はプロ3年目で甲子園では初となる今季4号ホームラン、16日の同戦は犠飛、そしてこの日は適時打。いくつものパターンで得点を生み出せることが、前川の強みだ。

◆先発した村上は5回4安打2失点で降板したが、打線の援護を受けて今季7勝目(9敗)だ。昨季のシーズンMVP男が、負けられない試合で意地を示した。「三回まではよかったが、五回までしか投げれなかったし、リリーフの方に申し訳ない」一回は打者3人の初球にすべてスローボールを駆使し、三者凡退に。三回までは走者を許さなかった。だが、3点リードの四回先頭・岡林への四球。続く福永に適時三塁打を浴びると、カリステの一ゴロの間に2失点。それでもその後のピンチでは踏ん張った。四回に自らの適時打でたたき出した3点目が大きかった。「あれはたまたまです。でも、点が入ってよかった」とうなずいた。前日17日には岡田監督から「明日(18日)は村上が今年最高のピッチングしたらええだけやん」とハッパをかけられた。この日の試合前練習中には「絶好調か?」と声を掛けられ「頑張ります」と応えた。指揮官の期待、自らの責務を分かっているからこそ「無駄な四球を出してから点を取られてしまった。ああいうところは(今後)ちゃんとやっていかないと」と反省の言葉を並べた。(三木建次)

◆阪神・坂本誠志郎捕手(30)がプロ初の4安打の固め打ち。九回2死二、三塁で2点中前打を放ってとどめを刺した。「(4安打は)びっくりしました。打った打球がヒットゾーンに飛んでいるのはいいこと」。リードでは、一回各打者の初球にスローボールを選択する大胆な配球も。「村上の緊張がほぐれればいいなと思ってやりました」。攻守でさえた女房役は、今季初のヒーローインタビューで「優勝するのでみんなついてきてください」と呼び掛け、バンテリンドームに詰めかけた虎党を沸かせた。

◆大山が2打点の活躍で勝利を手繰り寄せた。追い上げられて3―2で迎えた四回1死一、三塁で「とにかくコトを起こすこと。それは大事だったので、そこだけを考えて打席に入った」と、追い込まれながら二ゴロを転がして三塁走者を生還させる。九回にも3試合連続安打となる右前適時打を放った。「まずは目の前のこと。あした一日あきますけど、次頑張ります」と、一喜一憂することなく残り試合に臨んでいく。

◆3-2で迎えた六回は岡留&島本の継投で乗り切った。まずは岡留が石川昂、細川の右打者を完璧に料理。右腕は「一発だけを注意して、一人一人しっかり抑えることだけ意識していきました」と胸を張った。左打者の村松からは島本にスイッチ。「フォアボールが余計でしたね」と村松へ与えた四球を悔やんだ左腕だったが、板山を右飛に仕留めて仕事を果たした。

◆森下は3打数2安打2四球とつなぎ役で勝利に貢献した。七回1死二塁からは右前打でチャンスを拡大し、大山の三ゴロで4点目。九回1死一塁では右前へ運び、4得点につなげた。この日は安打よりも六回で降板した高橋宏からの2四球を収穫に挙げた。「なかなか打ち崩せる投手ではない。しっかりとフォアボールが選べたのはよかった」。得点にはつながらずも、プレッシャーをかけられたことを喜んだ。

◆難敵が逆転優勝への道のりに立ちはだかろうが関係ない。佐藤輝がそのバットで高橋宏を粉砕し、勝利への道を切り開いた。バンテリンドームに3度の快音をとどろかせ、輝く大砲は笑みをこぼした。「(先制打の)右京(前川)が打ってくれたのでよかったです」二回1死の第1打席、高橋宏の145キロスプリットを捉えた。右翼フェンス直撃の二塁打はチーム初安打。口火を切る一打で虎を勢いづけると、続く前川の中前打で二塁から先制のホームへと好スライディング。「もう(三塁コーチャーが)回してくれたのでセーフになってよかった」とうなずいた。四回は高橋宏のカットボールに詰まりながらも右前へ。木浪の二ゴロで大きな2点目のホームを踏んだ。試合前時点で今季のバンテリンドームでは8勝1敗、防御率0・57だった難敵攻略の糸口を示し、放ったヒットがすべて得点につながる結果に手応えをにじませる。

◆阪神・近本光司外野手(29)が四回に右前打、七回には中前打を放って、6年目の通算最多安打数で歴代1位の長嶋茂雄(巨人)の926安打にあと「1」とした。「それは自分だけ意識しているので。頑張ります」。自分の記録よりもチームの勝利が最優先。七回の先頭で口火を切り、大山の三ゴロで生還したことを「しっかり塁に出て、(本塁に)かえってこられてよかった」と振り返った。

◆ガオ~! 9月の虎は強いでェ!!中日の先発は1970年の村山実さん以来の防御率0点台を狙う竜のエース高橋宏...。だからどーした!? たとえ相手が日本球界400勝の金やん(金田正一さん)だろうが、いや、かつてニグロリーグで2000勝を挙げたという伝説の投手サチェル・ペイジだろうが、阪神はアレンパのためにマウンドに沈めるしかないんや!! と、ほえてみたらホントに勝ったでェ!!終わってみれば8―3と大勝だけど、この勝利こそまさに岡田野球の真骨頂に他ならないと俺は見たのだ!!七回まで4-2と試合を有利に運んだわが阪神... その4点のうち半分の2得点は、ランナーを三塁に置いた場面で内野ゴロでホームに迎え入れたものなのだ。岡田はんが就任以来、「お~ん、ランナー三塁で外野フライを打つのは難しいでェ、ボテボテの内野ゴロで得点入るやんけ!」を言い続けてきたのだ!! それが岡田流の勝つ野球。よって、アレンパは夢でもなんでもないのだ!!虎の投手陣が良く放ってくれたのも、もちろん大きな勝因です。ありがとう!!

◆九月も下旬に入ったというのに、暑い、暑い。東京都心は最高気温が35・1度に達し、1875(明治8)年の観測開始から最も遅い猛暑日となったそうだ。阪神ナインは名古屋で試合。こちらは最高気温36・4度だって。ドーム球場でよかったですねぇ。中日戦は今季25試合目、つまり最終戦だった。快勝して対戦成績を15勝7敗3分けと大きく勝ち越した。なんといっても、本拠地甲子園では10勝1分けと圧倒したのが大きい。それでも、虎番の脳裏に深く刻まれているのは、勝てなかった試合だったりする。虎番キャップの新里公章は8月17日のバンテリンドームでの引き分け試合を思い出した。2点リードの九回2死満塁で木浪と佐藤輝の三遊間にミスがあって2得点を許し、白星を逃した。「内野安打で二塁走者まで生還する珍しいプレーとなり、ミスの原因についても監督とコーチの見解がわかれていたので、印象深いです」若手虎番の中屋友那は、6月25日の倉敷マスカットスタジアムでの試合を挙げた。阪神を戦力外となって中日に移籍した板山が古巣相手に決勝打を含む3安打の活躍をみせた一戦だ。「去年、鳴尾浜で板山さんの姿を見ていたので、改めて阪神の2軍はレベルが高いんだなと思いました」虎番サブキャップの原田遼太郎は5月14日の豊橋市民球場での試合が印象に残っているという。八回に佐藤輝の捕球ミスが絡んで逆転負け。佐藤輝は翌日から約3週間、2軍へ落とされた。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
70557 0.560
(-)
M9
(-)
11412
(+2)
359
(+2)
76
(+1)
51
(-)
0.243
(↓0.001)
2.540
(↑0.01)
2
(-)
阪神
70586 0.547
(↑0.004)
1.5
(↑0.5)
9458
(+8)
386
(+3)
64
(-)
36
(-)
0.244
(↑0.001
2.430
(-)
3
(-)
広島
64605 0.516
(↓0.004)
5.5
(↓0.5)
14382
(+4)
365
(+5)
51
(-)
56
(-)
0.238
(↑0.001)
2.530
(↓0.02)
4
(-)
DeNA
64613 0.512
(-)
6
(-)
15472
(+2)
446
(+2)
93
(+1)
58
(-)
0.256
(↓0.001)
3.030
(↑0.02)
5
(1↑)
ヤクルト
55724 0.433
(↑0.004)
16
(↑0.5)
12453
(+5)
510
(+4)
90
(+1)
61
(-)
0.239
(↑0.001)
3.660
(↑0.01)
6
(1↓)
中日
54728 0.429
(↓0.003)
16.5
(↓0.5)
9346
(+3)
451
(+8)
61
(-)
37
(-)
0.241
(-)
2.990
(↓0.04)