ソフトバンク(★2対3☆)日本ハム =リーグ戦22回戦(2024.09.17)・みずほPayPayドーム福岡=
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日本ハム
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ソフトバンク
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勝利投手:山﨑 福也(10勝4敗0S)
(セーブ:田中 正義(4勝3敗19S))
敗戦投手:スチュワート・ジュニア(8勝4敗0S)
  DAZN
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◆日本ハムは1点を追う6回表、万波の適時二塁打と水野の適時打で2点を挙げ、逆転に成功する。続く7回には、レイエスが適時二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・山崎福也が6回4安打1失点の好投で今季10勝目。敗れたソフトバンクは、終盤に追い上げを見せるも及ばなかった。

◆日本ハムは今日からソフトバンクと2連戦。今季ソフトバンク戦は前半戦で4勝8敗1分けも、後半戦はここまで5勝3敗で、8月24日から4連勝中。日本ハムがソフトバンク戦で5連勝すれば22年6~8月(6連勝)以来。また、8月23日から5→6→5→6→8得点と5試合連続で5得点以上を記録中。ソフトバンク戦で6試合続けて5得点以上をマークすると04年7~9月(9試合)以来、20年ぶりの猛打記録となる。

◆優勝マジック5のソフトバンクに激震が走った。17日、近藤健介外野手(31)が右足首を痛めて出場選手登録を抹消された。近藤は前日16日のオリックス戦で右足首を負傷し、途中交代。試合中に大阪市内の病院で検査を受けたものの、今後の試合出場については不明だった。一夜明けたこの日も福岡市内の病院を受診。球場入りしたが、試合出場は厳しいと判断が下された。近藤の出場選手登録抹消は、ソフトバンク移籍後初めて。試合前、小久保裕紀監督(52)は、症状について「抹消やから重たいに決まっている」と話した。「いるメンバーで戦っていくしかないか?」と聞かれ、「もちろんそれはそれしかない。本人は最後までやりたいっていう中で。本来はドクターストップなんですけど、確認したいと言って(球場に)来て、やっぱり自分で無理ですと言いにきた。それはしょうがない」と話した。ポストシーズンに向けては「思ったより早いかもしれないし、ただ今日の時点では動くのは難しいということ」と見通しを語った。開幕から5番を務め、ともにリーグトップの打率3割1分4厘、出塁率4割3分9厘の成績を残していた。17日からは2位日本ハムとの直接対決2連戦で、2連勝ならば18日に4年ぶりのリーグ優勝が決まる。優勝目前にして主軸が無念の離脱となった。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手(31)に一瞬ひやりとするアクシデントが起きた。1回表1死の場面。日本ハム上川畑のファウルチップが甲斐の右手の甲付近を直撃した。ベンチから高谷バッテリーコーチ、トレーナーが駆けつけるも、そのままプレーを続行。小久保監督もベンチで心配そうな表情を浮かべた。チームは前日16日のオリックス戦で右足首を負傷した近藤が出場選手登録を抹消された。2連勝すれば4年ぶりのリーグ優勝が決まる日本ハムとの2連戦で、これ以上の主力の離脱は避けたいところだ。

◆ソフトバンクの先発カーター・スチュワート・ジュニア投手(24)が、優勝に王手をかける一戦で先発、4回まで無失点の投球を見せた。立ち上がりから毎回走者を背負った。3回には2死から安打と連続四球で満塁の大ピンチ。ここで日本ハムの4番レイエスを迎えた。それでもフルカウントからワンバウンドするスプリットを振らせ、三振に仕留めて切り抜けた。4回も1死から万波に右中間を割られる二塁打を浴びたが、後続を断った。来日6年目のスチュワートは、昨季プロ初勝利を挙げるなど3勝を挙げ、今季は開幕からローテ入り。ここまで18試合に登板し、8勝3敗、防御率1・98と数字を積み重ねてきた。18年の米ドラフトで、1巡目指名を受けた逸材が本格化したシーズンでもあった。日本ハム戦は今季4試合に登板し2勝1敗、防御率2・52と相性はいい。中9日と間隔を空け、満を持しての登板。前日には「チーム一丸となって勝ちをつかみ取れるように頑張ります」と意気込んでいた通りの投球を見せた。

◆優勝マジックナンバー5とするソフトバンクが先制点を挙げた。0-0の初回。1番今宮健太内野手(33)が右翼線への二塁打で出塁した。続く周東佑京内野手(28)は二ゴロに倒れるも、二塁走者の今宮は三塁へ。この先制機に3番栗原陵矢内野手(28)が右前適時打。日本ハム山崎福也投手(32)の真ん中直球を仕留め、前進守備の一、二塁間を破った。「もう必死に打ちにいきました。先制点を取るバッティングができて良かったです」前日16日のオリックス戦で右足首を負傷した近藤健介外野手(31)がこの日、出場選手登録を抹消された。絶対的な主軸を欠く中、3番栗原が貴重な先制打を放った。

◆ソフトバンクの先発カーター・スチュワート・ジュニア投手(24)が、優勝に王手をかける一戦で先発したが、6回途中2失点で降板した。立ち上がりから毎回走者を背負った。3回2死満塁の大ピンチは日本ハム4番レイエスを空振り三振で切り抜けた。その後も味方が1回に挙げた1点を守っていたが、6回にとうとうつかまった。1死から郡司を歩かせ、万波に同点適時二塁打を浴びた。さらに2死から水野に中前へ勝ち越しの適時打を許し、ここで2番手岩井と交代となった。来日6年目のスチュワートは、昨季プロ初勝利を挙げるなど3勝を挙げ、今季は開幕からローテ入り。ここまで18試合に登板し、8勝3敗、防御率1・98と数字を積み重ねてきた。18年の米ドラフトで、1巡目指名を受けた逸材が本格化したシーズンでもあった。日本ハム戦は今季4試合に登板し2勝1敗、防御率2・52と相性はいい。中9日と間隔を空け、満を持しての登板。前日には「チーム一丸となって勝ちをつかみ取れるように頑張ります」と意気込んでいたが、無念の途中降板となってしまった。

◆あと数センチ...。ソフトバンク柳町達外野手(27)が右翼ポール際に特大ファウルを放った。1-3の7回1死一、二塁。日本ハム杉浦の3球目、内角低め直球を強振した。打球は大きな弧を描いてスタンドに着弾したが、わずかにファウルゾーンだった。本塁打ならば起死回生の逆転3ラン。右翼ポール近くのファンは頭を抱え、球場にはため息が漏れた。柳町は三ゴロに倒れ、なお2死一、三塁で甲斐は二直。無得点に終わった。

◆日本ハム宮西尚生投手(39)が8回に3番手で登板し、通算登板数を867試合に伸ばし、NPB史上4位の梶本隆夫(阪急)に並んだ。通算登板数1位は岩瀬仁紀(中日)の1002。

◆ソフトバンクが日本ハムに敗れ、連勝は7でストップ。この2連戦に連勝すればリーグ優勝が決まっていたが、敗れたため優勝マジックは5のままで、最短Vは20日に持ち越しとなった。日本ハムには5連敗となった。先発カーター・スチュワート・ジュニア投手(24)が逆転を許した。立ち上がりから毎回走者を背負う苦しい投球が続く中、3回2死満塁を切り抜けるなど5回まで無失点。味方が1回に挙げた1点を守っていたが、6回1死から万波に同点適時二塁打、2死から水野に勝ち越しの中前打を許し、降板した。7回には2番手岩井が追加点を奪われた。打線も、初回に栗原の適時打で先手を取ったが、その後は山崎を6回までつかまえられなかった。8回、3番手宮西から1点を奪い、なお2死二、三塁の好機に、故障離脱した近藤に代わり5番に入った正木が凡退。あと少し、届かなかった。

◆日本ハムが今季68勝目を挙げ、14試合を残し68勝53敗8分けとなり、新庄剛志監督(52)は就任3年目で初のシーズン勝ち越しを決めた。球団としても18年以来6年ぶり。1点を追う6回1死一塁、万波中正外野手(24)の左中間二塁打で同点に追いつくと、2死三塁から水野達稀内野手(24)の中前適時打で勝ち越した。8回に1点差に詰め寄られ、9回は守護神の田中正が2死二塁のピンチを招きながら、逃げ切った。新庄監督は「最後、マジ"緊張つよし"。(田中)正義くん。155キロ出してたからね。いいっすよね。力感なく、笑顔でマウンドを楽しんでるね。いやもう、心の底から笑顔で。ブルペンから出てきても『楽しみま~す』って言ってるから」と振り返った。この1勝で目の前でのソフトバンクの胴上げは回避。指揮官は「あと(優勝する可能性)何パーセントある?...向こう(ソフトバンクが)2勝14敗でチャンスあるじゃない。いや、あるよ。胴上げ見ないよ。でもね、選手たちにそれを見せるっていうのもいいことかなと、う~ん...とは思ってましたけど」と話した。4日ソフトバンク戦から中12日で先発した山崎福也投手(32)は6回4安打1失点で、2年連続2ケタとなる10勝目。「まずはゲームを作ることができてよかったです。今日はバランス、真っすぐの質がよく投げられました」と振り返った。この日の勝利で貯金が「15」となり、残り14試合全敗でも勝ち越すことになる。ソフトバンク戦5連勝は22年6~8月の6連勝以来、2年ぶり。また、オリックスが残り12試合全勝でも最高勝率が5割ちょうどのため、4位以上も確定した。

◆ソフトバンクが日本ハムに敗れ、連勝は7でストップ。この2連戦に連勝すればリーグ優勝が決まっていたが、敗れたため優勝マジックは5のままで、最短Vは20日に持ち越しとなった。対日本ハムには5連敗。試合後の小久保裕紀監督(52)の一問一答は以下の通り。-1点差まで詰め寄ったが敗戦小久保監督 まあ、まあ...ね。-スチュワートは6回途中2失点小久保監督 あんまり良くなかったでしょうね。でもね、良くなかったけどゲームはしっかり作ってました。-近藤が離脱。踏ん張りどころか小久保監督 もちろん。あと5つ勝てばいいんで。はい。いるメンバーでやるだけですよ。-代役5番の正木はプレッシャーがかかった小久保監督 いや、そうでもないんじゃないですか。もうずっと出とる選手なんでね。突然近藤がいなくなったからで出した選手じゃないんで。-チーム一丸で小久保監督 はい。いるメンバーでやるだけですよ。この時期はもうあんまり調子とか、ホーム(で優勝を決める)とかあんまり関係ないんで。

◆ソフトバンク先発のカーター・スチュワート投手(24)は、粘ったが6回途中2失点で4敗目を喫した。立ち上がりから毎回走者を背負い、3回2死満塁などのピンチをしのいでいたが、6回に万波、水野に適時打を浴びて逆転を許し、無念の途中降板。「四球が多くなってしまい、チームに良い流れを持ってくることができなかった。全体的に内容も良くなかった」と反省していた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が首位ソフトバンクに逆転勝ちし、就任3年目で初、球団にとっても6年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。1点を追う6回に万波が同点適時二塁打、水野が決勝適時打を放った。開幕前からレギュラーと位置付けた2人の新庄チルドレンが躍動し、先発したFA左腕の山崎も移籍1年目で10勝目に到達。育成と補強で着々と積み上げたチーム力を大一番で発揮し、連敗なら目の前で胴上げされる屈辱も回避して今季4位以上が確定した。★新庄監督の過去2年22年 就任会見で「監督って呼ばないでください。ビッグボース!で」と呼びかけ、1年目は登録名も「BIGBOSS」に。就任後には選手全員を1軍で起用する公約を掲げると、開幕投手に新人の北山を抜てき。支配下69人のうち、日本人全選手を含む68人を起用した。開幕から5連敗して4月までで9勝19敗と出遅れると、最終成績は59勝81敗3分けの勝率4割2分1厘で9年ぶりの最下位。23年 「優勝は目指さない」とした前年から「優勝しか目指さない」と意気込んだ2年目。本拠地をエスコンフィールドに移し、開幕2戦目に清宮のサヨナラ打で初勝利。交流戦で10勝8敗と勝ち越すなど6月には一時4位に浮上するも、7月に13連敗で大きく失速。8月には就任2年目で初めて過去と同じ打順を採用したことも。最終成績は60勝82敗1分けの勝率4割2分3厘で、48年ぶりに2年連続の最下位。「去年は子ども。今年は高校卒業して、世に出て行くような感じになってきた」。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が首位ソフトバンクに逆転勝ちし、就任3年目で初、球団にとっても6年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。1点を追う6回に万波が同点適時二塁打、水野が決勝適時打を放った。開幕前からレギュラーと位置付けた2人の新庄チルドレンが躍動し、先発したFA左腕の山崎も移籍1年目で10勝目に到達。育成と補強で着々と積み上げたチーム力を大一番で発揮し、連敗なら目の前で胴上げされる屈辱も回避して今季4位以上が確定した。新庄監督が大好きな"ヒリヒリゲーム"だった。「最後、マジ『緊張つよし』。(田中)正義君...(笑い)」。1点リードの9回2死から二塁打を浴びた守護神だが、リードを守りきった。その瞬間、チーム6年ぶり、就任3年目で初めてのシーズン勝ち越しが決定。「もう、そういう問題じゃない。とにかくクライマックス(シリーズ進出)が決まるまでは気を抜かずに」と表情を引き締めた。育て上げてきた「新庄チルドレン」が躍動した。1点を追う6回1死一塁。同点適時二塁打を放ったのは万波だ。「何とか強い打球で長打を打ちたいと思っていた。ホームランが理想ですけど、まあ十分いいバッティングだった」と左中間を破る強烈な打球で試合を振り出しに戻すと、続いたのが水野だ。「落ち球をうまく捉えることができた」と決勝の中前適時打で難敵スチュワートを攻略した。新庄監督が開幕前にレギュラーと認めた2人だ。2月の春季キャンプが始まる前日に、昨季25本塁打を放った万波のレギュラーを明言。キャンプ2軍スタートだった水野も攻守でのアピールを受けて3月上旬に本人へ「今のレギュラーは万波君と水野君だよ」と耳打ちした。就任1年目からの"トライアウト"を経て台頭してきた若手が、しっかりと勝負どころで力を発揮できる選手に成長した。新庄監督も最近不調だった万波には「自分なりに考えて、ボール球も振らなくなった」と評価し、水野には「ああいう時に打つんかーいっていう選手。そういう選手が外せない」とたたえた。連敗ならソフトバンクの優勝が決まる2連戦で、目の前の胴上げは阻止。「選手たちにそれを見せるのもいいことかなと思っていましたけど...チクショウ、見られなかった(笑い)」と話すも、これでソフトバンク戦は5連勝。首位快走中のライバルも苦手意識は「あるでしょうね」。3年間の成長を実感する今季68勝目だ。【木下大輔】

◆日本ハム宮西尚生投手(39)が8回に3番手で登板し、通算登板数を867試合に伸ばし、NPB史上4位の梶本隆夫(阪急)に並んだ。先頭の代打佐藤直に二塁打、1死から周東に左前打を許し、1死一、三塁から栗原に右右犠飛で1点を奪われたところで4番手生田目と交代した。3位は金田正一の944試合。「実感わかない。そんなところ気にしてられへん。明日に向け、頑張ります」と次を見据えた。

◆ソフトバンクが4年ぶりのリーグ制覇へ王手をかけられなかった。日本ハムに敗れ、連勝が7でストップ。優勝マジックは5のままで、最短優勝は20日。試合前には近藤健介外野手(31)が右足首を痛めた影響で出場選手登録を抹消された。リーグ首位打者の戦線離脱は痛いが、小久保裕紀監督(52)は「あと5つ勝てばいい。いるメンバーでやるだけ」と冷静に受け止めた。残り13試合。チーム一丸で最後の壁を打ち破る。試合後、小久保監督の口調は冷静だった。1点を追う9回2死二塁で川瀬が遊ゴロ。一打同点の状況をつくっての惜敗に「まあ、まあ」と多くを語らなかった。連勝は7で止まり、最短優勝は20日となった。試合前、近藤が前日16日のオリックス戦で右足首を痛めた影響で出場選手登録を抹消された。代役5番を務めた正木は3打数無安打。8回2死二、三塁の逆転チャンスでは右飛に倒れた。近藤の後を打つ6番打者が、繰り上がりとなった新打順で結果を残せず。小久保監督は「もうずっと(試合に)出とる選手なんでね。突然近藤がいなくなったからで出した選手じゃないんで」と奮起を促した。日本ハムには5連敗。CSでの対決に不安が残るが、まずは目前に迫ったリーグ優勝を一丸でつかみにいく。近藤は打率、出塁率でリーグトップの大黒柱。不在は超がつくほど痛手だが、指揮官は前を向く。小久保監督 あと5つ勝てばいいんで。いるメンバーでやるだけですよ。この時期はもうあんまり調子とか、ホーム(で優勝を決める)とかあんまり関係ないんで。最短優勝日が延びただけで、ホークスの圧倒的有利は揺るがない。残り13試合は、日本ハムの結果を度外視して5勝する。チーム一丸でシーズン最後の壁を打ち破るつもりだ。先制打を含む2打点を挙げた栗原は、近藤への恩返しのチャンス。5月に月間MVPを獲得した際は、近藤のアドバイスが奏功した。「クリ、おれ分かったわ。今のスイングだと真っすぐも打てないし変化球も打てない。スイングを変えたほうが良い」。詳細こそ明かさなかったが、近藤のその一言が転機だった。1回1死三塁の先制右前適時打には「もう必死に打ちにいきました」と勝利への執念を見せた。チームを引っ張ってきた大黒柱。近藤に悲願を届けるために、タカナインはシーズン最終盤で全身全霊をかけて戦う。【只松憲】

◆ソフトバンク山川穂高内野手(32)が近藤の離脱に奮い立ち、2安打で気を吐いた。1-0の4回1死の第2打席だ。フルカウントから日本ハム山崎のチェンジアップを強引に左前へ運んだ。続く7回先頭の打席でも左前打。3戦ぶりのマルチ安打をマークし、9月は月間打率3割1分5厘、2本塁打、9打点も「ここ残り何試合かは調子いい悪いは関係がない。今日勝った、負けただけで考えて」。シーズンも残り13試合。リーグVに向け、目の前の1勝にこだわっていく。チームに激震が走った。16日のオリックス戦で右足首を痛めた近藤が出場選手登録を抹消。今季ここまで全試合で「4番山川-5番近藤」の並びで首位独走の原動力になっていた。不動の5番打者の離脱も、「(心境は)変わらないですね。誰かがいないから(負けた)というのは結果論なので。また明日しっかり打てるように」と引き締めた。

◆日本ハム新庄剛志監督(52)が元日本ハムのソフトバンク近藤健介外野手(31)の状態を心配した。逆転勝利でクライマックスシリーズ(CS)でも対戦が予想される相手に5連勝を決めた試合後。「今日、近藤君がケガ(で離脱)してしまったんで。(元)同じチームメートとしては...」と22年シーズンは監督と選手としてともに戦った近藤のケガを気にかけた。ソフトバンクに苦手意識を与えられているのでは、という質問には「あるでしょうね」と同調したが、CSへ向けては「関係ないでしょ。クライマックスに行ったとしたら、クライマックスの戦い方っていうのはまた変わってくるし」と警戒感は変わらず。さらに「やっぱりベストメンバーで戦いたいという気持ちはありますね」と正々堂々の大勝負をする意味でも、近藤の早期復帰を願っていた。

◆日本ハムフランミル・レイエス外野手(29)が6試合連続安打を放った。1点リードの7回1死一、二塁、ソフトバンク2番手岩井の低めフォークを器用に捉え、左中間へ適時二塁打を放った。11日に8月度の月間MVP表彰を受け、ゲットした賞金30万円を用いて13、14日と仙台で焼肉での「モーレ会」を開催したが、2連敗。仙台から福岡に移動し、ようやくお肉パワーが全員に充電され、勝利につながった。

◆日本ハム山崎福也投手(32)が6回84球を投げ4安打無四球1失点と好投し、2シーズン連続の2ケタ10勝目を挙げた。負ければ18日にもソフトバンク優勝が決まるという崖っぷちの試合。13日ぶりの復帰登板で、チームに3試合ぶりの白星をもたらした。14試合を残し68勝53敗8分けで、就任3年目の新庄剛志監督(52)は初、球団として18年以来6年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。テンポ良く打ち取る"さちや流"が戻ってきた。初回、山崎は先頭の今宮にいきなり右翼線二塁打を許し、1死三塁から栗原の右前適時打で簡単に1点を与えたが、動揺はなかった。2回、3回を各10球、4回を12球と球数をかけずにアウトを重ね、勝利への流れを呼び込んだ。「初回は1点取られたんですけど、調子は悪くなかったので、多分大丈夫かなという気持ちもあって。それ以降は自分らしいピッチングができた」と、手応えを口にした。リフレッシュが効いた。前回登板した4日ソフトバンク戦は、移籍後最短となる3回6安打5失点KOされた。2戦連続3被弾。1度登録を抹消され、中12日での復帰登板で結果を出した。前回と同じ球場で雪辱し「このマウンドでボコボコにされたので、今日は何としても勝つという強い気持ちを持ってマウンドに上がりました」と振り返った。再調整期間は加藤投手コーチと投球動画を何度も見返し、ベストな状態のフォームと球筋を突き詰めた。「ちょっとしたことですけど、映像もたくさん見た中で、どこか早かったり、バランスもちょっと突っ込んでいた感じもあった。そういうところは直った」。客観的意見を聞きながら自分自身のフォームを見つめなおした。この時間が貴重だった。"プチ休暇"を与えた新庄監督は「10勝いったら多分、次は楽に前半の山崎くんのピッチングができる」と左腕の復調を喜んだ。FA移籍1年目での2ケタ到達は20年美馬(楽天→ロッテ)以来8人目。昨季のFA移籍会見で、今季の具体的な目標に優勝、日本一。そして個人として掲げた初の規定投球回到達にも、残り5回1/3まで迫った。「意識してしまうと思うんですけど、自分のピッチングをしてれば達成できると思うので。なのでしっかりと投げます」。苦しみながら壁を乗り越えた経験を、次なるミッション達成への糧とする。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】オリックスのV3を支え日本ハムに移籍した山崎福也が、首位ソフトバンクとの直接対決を制して10勝目。マジックも5のままとし、新庄監督のV争いもまだまだ続きます。

◆ソフトバンク・近藤健介外野手(31)が17日、出場選手登録を抹消された。近藤はここまで129試合の出場で5番打者として打率・314,19本塁打、72打点とチームを牽引してきた。16日のオリックス戦(京セラドーム)の盗塁成功した際に右足首を痛め、七回に代打を送られ大阪市内の病院で検査していた。代わって川村友斗外野手(25)が出場選手登録された。ソフトバンク移籍1年目の昨季は全試合出場しており、移籍後初の欠場となる。

◆ソフトバンクは5番を打ち続けてきた近藤健介外野手(31)が右足首の負傷のため、この日出場選手登録を抹消され、打順は繰り上がって正木智也外野手(24)が5番・右翼で出場する。正木は試合前に「チャンスで回ってくることが増えると思う。しっかり頑張りたい。打順が変わったからといっていい悪いがないよう、いつも通りやりたい」と気合を入れた。

◆7連勝中のソフトバンクが一回、栗原陵矢内野手(28)の右前適時打で先制した。まず、日本ハム先発の山崎に対して直前まで12打数6安打と相性のいい先頭打者・今宮健太内野手(33)が右翼線二塁打を放って出塁。1死三塁として、栗原はカウント2-0から3球目直球を右前に運んだ。「もう必死に打ちにいきました。先制点を取るバッティングができてよかったです。勝ちにもっていけるように頑張っていきます」。ソフトバンク打線は山崎に対して9月4日(みずほペイペイドーム)で3回5失点でKOしている。村上打撃コーチは試合前に「山崎といえばは真っすぐにカットボール、チェンジアップ。ボール球を振らされない、打たされないことが前提になってくる。高さ、ゾーン(の目付け)を上げていくというのが基本になる」と攻略の方策を描いたが、今回も理想的な形で先制打が生まれた。

◆ソフトバンク先発・カーター・スチュワートJr.(24)は1点リードの三回に2死満塁のピンチを招いたが、何とか踏ん張り無失点にしのいだ。簡単に2死を取ってから制球を乱してぐらついた。松本剛に中前打で出塁を許すと、上川畑、清宮に2者連続でストレートの四球を与えて2死満塁を招いた。ここで打席を迎えた4番・レイエスに対しても2球ボールが先行して10球連続ボールと苦しんだが、フルカウントからボールゾーンに落ちるスプリットで空振り三振に斬って切り抜けた。

◆ソフトバンク先発のカーター・スチュワートJr.投手(24)は1点リードの六回に2点を奪われ1-2と逆転を許し、この回途中で降板。5回?を投げて6安打2失点だった。五回までは毎回走者を出しながらも粘って無失点を続け、倉野信次投手コーチも「毎回走者を出しているけど、しっかりと粘り強く投げてくれている。一球一球のボールは力があるから、あまり慎重になりすぎず、思い切って攻めてくれたらいい。力みすぎないように、普段通りの力を出してほしい」と見守っていたが、六回に四球からつかまった。1死から郡司を四球で出塁させると、万波にセンターへの同点二塁打を許した。2死三塁で8番打者の水野に中前への適時打を許して試合をひっくり返された。ここまで109球を投げたところで降板。代わって登板したD2位・岩井俊介投手(23、名城大)は伏見を捕邪飛に打ち取り相手に傾いた流れを断ち切った。

◆ソフトバンクは2点ビハインドの八回、栗原陵矢内野手(28)が右犠飛を放って2-3と1点差に迫った。この回から登板した日本ハム3番手・宮西に対し、先頭の代打・佐藤直樹外野手(26)がレフトに二塁打を放って出塁。周東佑京内野手(28)が左前打を放って得た1死一、三塁のチャンスで、栗原がカウント2-1からの4球目を打ち上げた打球は右翼への犠飛となった。

◆ソフトバンクは日本ハムに競り負け、連勝が7でストップ。優勝へのマジックナンバーは5のままとなった。カーター・スチュワートJr.投手(24)は六回1死一塁から万波に同点二塁打を許すと、水野に中前適時打を打たれて逆転された。七回にも1点を加えられた後、八回に栗原陵矢内野手(28)の犠飛で1点差としたが、反撃はそこで途絶えた。

◆日本ハムが6年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた。0―1の六回に万波の適時二塁打で同点に追い付き、水野の適時打で勝ち越した。山崎が6回1失点と粘り、2年連続2桁となる10勝目。ソフトバンクは連勝が7でストップした。

◆日本ハムの山崎は六回まで4安打1失点にまとめ、移籍1年目で昨年に続く2桁勝利に到達した。2試合連続で打ち込まれていただけに「チームに迷惑をかけたのでほっとしている」と表情を和らげた。一回に先制を許したが、その後は巧みに球を散らして三者凡退が3度。出場選手登録を外れた約2週間でフォームを見直し「いいバランスで投げられた」と納得顔だった。

◆ソフトバンク・栗原は一回に先制の適時打を放つと、2点を追う八回1死一、三塁では、右犠飛を放ってチームの全2打点をマーク。だがチームを勝ちに導けず「もっと頑張らないといけないかなと思いますね」と悔しがった。特に八回の好機では適時打とはならず「一気に逆転するためにはあれ(犠飛)ではな、と思います」。近藤の離脱をカバーする勝負強さを自らに求めた。

◆あと1点が届かなかった。連勝が「7」で止まり、優勝マジックも「5」から減らすことはできなかった。一打同点の九回2死二塁。ソフトバンク・川瀬の遊ゴロを見届けると、小久保監督が速攻で会見場に姿を見せた。「いるメンバーで、あと5つ勝つだけです」いないメンバーの話をしても仕方がない。一番言いたかったのは、そこだろう。この日、最も頼れる打率リーグトップの近藤が登録抹消された。16日のオリックス戦で右足首を痛めて病院へ。本人は出場を望んだが、診断は「NO」だった。優勝目前にして、最悪のシナリオだ。開幕から不動の5番打者がいたら、どうなっていただろう...と思うシーンは何度もあった。八回2死二、三塁は、その象徴。近藤に代わって5番に入った正木は右飛に倒れた。悩み抜いた新オーダーだった。村上打撃コーチは「午前4時まで寝られなかった」と漏らした。ただ、小久保監督は「近藤不在」というマイナス思考を排除していた。「正木も、近藤がいなくなったから出した選手ではないです。ずっと試合に出ている選手ですから、(打順変更の)影響なく頑張ってくれると思いますので。この時期は、調子とか、フォームとか、もう関係ないんで」2位日本ハムに連勝して一気に18日に胴上げ、というストーリーは消滅。最短優勝は20日となった。さらに新庄ハムには5連敗。クライマックスシリーズで再戦する可能性が高い相手に負け過ぎは気になる。払拭する意味でも、きょう18日は勝つしかない。「いるメンバー」の力を集結して-。(上田雅昭)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
81463 0.638
(↓0.005)
M5
(-)
13550
(+2)
355
(+3)
103
(-)
84
(-)
0.256
(-)
2.520
(-)
2
(-)
日本ハム
68538 0.562
(↑0.004)
10
(↑1)
14496
(+3)
440
(+2)
99
(-)
82
(+2)
0.248
(-)
2.950
(↑0.01)
3
(-)
ロッテ
65616 0.516
(↓0.004)
15.5
(-)
11462
(+4)
467
(+5)
71
(+2)
58
(-)
0.249
(↓0.001)
3.240
(↓0.01)
4
(-)
楽天
63613 0.508
(↑0.004)
16.5
(↑1)
16450
(+5)
517
(+4)
68
(-)
81
(+1)
0.243
(-)
3.750
(-)
5
(-)
ORIX
58703 0.453
(-)
23.5
(↑0.5)
12360
(-)
404
(-)
65
(-)
52
(-)
0.237
(-)
2.760
(-)
6
(-)
西武
43862 0.333
(-)
39
(↑0.5)
12310
(-)
451
(-)
55
(-)
70
(-)
0.211
(-)
3.090
(-)