阪神(☆4対3★)広島 =リーグ戦24回戦(2024.09.14)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:ゲラ(1勝4敗12S)
敗戦投手:黒原 拓未(4勝3敗0S)
  DAZN
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◆阪神がサヨナラ勝利。阪神は3点を追う7回裏、梅野の押し出し四球と代打・原口の適時打などで同点とする。そのまま迎えた9回には、2死一三塁から中野の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、4番手・ゲラが来日初勝利。敗れた広島は終盤に崩れ、痛い逆転負けを喫した。

◆阪神森下翔太外野手(24)がリーグトップタイ9個目の死球を受けた。7回先頭で迎えた第3打席。広島2番手島内の初球、153キロ直球が右肘付近を直撃した。森下は痛みに顔をゆがめながらも、そのまま一塁へと歩いて行った。前日13日にも、6回先頭の打席で、広島中崎の投球が左肩肩甲骨付近に直撃したばかり。球場はざわめき、怒号も響いた。

◆5連敗中の広島が、阪神に3点差を追いつかれた。先発した森翔平投手(26)が6回無失点と快投し、7回から2番手で島内颯太郎投手(27)が登板。四死球などで1死満塁のピンチを招いたところで降板。森浦大輔投手(26)にスイッチ。しかし梅野に外角低めの際どいボールを見極められ、押し出し四球で1点を返さされた。なおも満塁から木浪の二遊間への打球を二塁手・菊池涼介内野手(34)が飛びついて好捕するも、二塁ベース上でトスを受けた遊撃手の矢野雅哉内野手(25)がまさかのファンブルで2点目を奪われた。さらに代打原口に左前への同点タイムリーを許し、試合を振り出しに戻された。中盤まで主導権を握った試合だったが、泥沼からなかなか抜け出せない。

◆満塁男に運も味方した。阪神は3点を追う7回に押し出し四球で1点を返し、なおも1死満塁の好機。今季満塁時14打数8安打、打率5割7分1厘の阪神木浪聖也内野手(30)に打順が回った。広島3番手森浦に2ストライクと追い込まれ、3球目。129キロ外角チェンジアップを二遊間へ。二塁手菊池がダイビングキャッチし、二塁にグラブトスも遊撃の矢野が落球。2点目を挙げた。なおも1死満塁で代打原口文仁内野手(32)が左前適時打。同点に追いつき、甲子園は大歓声に包まれた。

◆阪神が広島に逆転で今季7度目のサヨナラ勝ちを決めた。同点の9回2死二、三塁、2番中野拓夢内野手(28)が中前にサヨナラ打。前夜に浮上した2位の座を守り、3位広島と2ゲーム差に広げた。昨年の9月14日は、18年ぶりのリーグ優勝を果たした日。「アレ記念日」に、今季リーグトップ25度目の逆転勝利を収めた。7回に一気に3点差を追いついた。先頭の森下が広島2番手島内に死球を受けて出塁。1死一塁から佐藤輝が右前打を放つと、代打前川が四球を選び1死満塁。ここで代わった森浦から梅野が押し出し四球でまず1点をかえすと、二ゴロの間に2点目。なおも1死満塁で代打原口文仁内野手(32)が左前適時打を放ち、終盤に試合を振り出しに戻すと、その勢いのままに勝ち越し、白星をもぎとった。先発の才木浩人投手(25)は、初回、2回と3者凡退で上々のスタートを切るも、6回6安打3失点で13勝目とはならず。打線も3、4、5回と先頭打者を出しながら得点につながらなかったが、終盤に打線が束となった。首位巨人に食らいつき、逆転優勝への可能性をつないだ。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が大事な場面でボークをおかした。同点の9回2死二塁。秋山翔吾外野手(36)への初球。捕手のサインを見終わって、一瞬セットポジションに入るようなしぐさをしながら、取りやめた。球審はすかさずボークを宣告。二塁走者の三塁に進めた。1点が命取りになる場面だったが、秋山を遊ゴロに打ち取って事なきを得た。

◆3位広島が2位阪神にサヨナラ負けを喫し、今季初の6連敗に沈んだ。3点を先取するも、ひっくり返された。9月はこれで2勝10敗。今季初の4カード連続負け越しで、最大14あった貯金は5まで減少した。中盤までは主導権を握った。2年ぶりに2番に坂倉将吾捕手(26)を起用し、野間峻祥外野手(31)を今季2度目の4番に抜てき。両軍無得点の4回、先頭坂倉が右翼線への二塁打を放つと、1死三塁から野間が中犠飛を放って先制。6回は先頭の秋山、坂倉が単打でつなぎ、1死二、三塁から野間がしぶとく二塁へ内野ゴロを放って2点目をゲット。なおも2死三塁から小園海斗内野手(24)が左前適時打を放ち3点目をたたき出した。中継ぎ陣が崩壊した。先発した森翔平投手(26)が6回無失点と快投し、7回から2番手で島内颯太郎投手(27)が登板。四死球などで1死満塁のピンチを招いたところで降板。森浦大輔投手(26)にスイッチ。しかし梅野に外角低めの際どいボールを見極められ、押し出し四球で1点を返さされた。なおも満塁から木浪の二遊間への打球を二塁手・菊池涼介内野手(34)が飛びついて好捕するも、二塁ベース上でトスを受けた遊撃手の矢野雅哉内野手(25)がまさかのファンブルで2点目を奪われた。さらに代打原口に左前への同点タイムリーを許し、試合を振り出しに戻された。8回からは黒原拓未投手(24)が登板。8回は無失点に切り抜けたが、回またぎで登板した9回2死一、三塁から中野に中前打を許し、無念のサヨナラ負けとなった。新井貴浩監督(47)は「今日は自分のちょっと継投ミスかなと。ワンテンポ遅れたかなと。一、二塁で前川のところで、あそこで代えてあげるべきだった」と悔やんだ。ドロ沼からなかなか抜け出せない。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が160キロで無失点に切り抜けた。3-3の9回に4番手で登板。先頭の末包に左前打を許し、続く菊池に犠打を決められて1死二塁とピンチを招いた。ただ、二俣を158キロで空振り三振に仕留めると、2死三塁から秋山には160キロで遊ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。ゲラは9月11日DeNA戦で桑原に決勝ソロを浴びて以来の登板。ピンチを背負いながらも、剛球でねじ伏せた。

◆阪神小野寺暖外野手(26)が好アピールでサヨナラ機を作った。同点の9回1死一塁で代打で登場。2球目の内角球を打ちにいくと、グリップ付近に投球が当たった。小野寺は一塁に歩こうとしたが、球審が呼び止めた。小野寺は打撃手袋を外して、手に当たったことを必死にアピール。ここで初めて球審は死球を宣告した。その後、2死二、三塁から中野拓夢内野手(28)の中前適時打でサヨナラ勝ちした。

◆/水も滴るいい男\これで9月は8勝3敗#中野拓夢 サヨナラタイムリー?プロ野球(2024/9/14)??阪神×広島??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #hanshin pic.twitter.com/BPWROhFs80

◆阪神はリーグ最多今季25度目の逆転勝ちで3位広島を下した。昨年、18年ぶりのリーグ優勝を決めた9月14日に劇勝となった。7回に原口文仁内野手(32)が代打で約1カ月ぶりの安打となる同点打。3-3の9回には中野拓夢内野手(28)のサヨナラ打で試合を決めた。原口と中野のお立ち台一問一答は以下の通り原口-今の気分は本当にいい天気、最高の球場、大勢のファンのみなさまの前で今日勝って本当に最高です。-7回満塁で代打。どんな気持ち今日最高の場面だと思って。またファンのみなさんの大歓声が本当にすごかったので、ここをなんとかしてやろうと打席に立ちました。-レフトへのタイムリーを振り返って飛んだ瞬間は矢野選手にいつもいいプレーをされているのでヒヤッとしたんですけど、抜けてくれて良かったです。-一塁上ではどんな気持ちみんながつないで回してもらった打席だったのでなんとかしたいという気持ちだけ。また後ろにつなげられたので頼むよという気持ちでした。-14試合ぶりの1軍のゲームだったこういう最高の場面がくると思って準備していたのでいつもと変わりなくしっかり自分のスイングができたと思います。-0-3からの勝利は大きいチームが今、波に乗りかけているところなので、今日の試合をチーム一丸で取れたのは明日につながる大きなゲームだったと思います。-個人的な抱負は大事な打席がこれから続くと思うので、そこに向けてしっかり準備してみなさんの期待に応えられるようなバッティングをしたいと思います!中野-大歓声を聞いて改めてもう本当に最高ですし、この球場で最高の結果で終わることができたので本当にうれしく思います。-9回の打席はどんなことを頭に浮かべていた正直ここで打たなければ球場のみなさんが延長かという気持ちになると思って気合を入れて打席に立ちました。-自分へのプレッシャーをかけての打席だったそうですね。自分にプレッシャーをかければ必ずいい結果が出ると思っていたのでしっかりと自分にプレッシャーをかけました。-ランナー二、三塁だったかどう打とうともうランナーが三塁にいたのでヒットでいいという気持ちで楽に打つことができたのでその楽な気持ちを持っていた分、いい結果につながったかなと思います。-サヨナラのときはチームメートから言葉は言葉はないですけど、水かけられるのが嫌だったので必死に逃げてたんですけど、選手のみなさんが思ったより自分にかけにきてくれたのでユニホームがびしょびしょになりましたけど、うれしい気持ちです。-逆転勝利はめちゃくちゃチームにとっても大きな勝利ですし、今日優勝を決めた日でもあるのでなんとしても負けられない試合だったので勝てて良かったかなと思います。-今後の目標チームがいい流れできているのでファンのみなさんと一緒に優勝目指して最後まであきらめず頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします!

◆阪神は代打小野寺暖外野手(28)が懸命につないだ。9回1死一塁で打席に立つと、広島黒原の2球目が右手甲を直撃。死球で出塁し、好機を広げた。「後ろが上位だったので回せば勝てると思っていた。なんとしてもつなごうと思っていました」。代打での出場が多いが、今季自身初の死球でチームに貢献。「1戦1戦、勝つしかない。大きな1勝だったと思います」と振り返った。

◆3位広島が2位阪神にサヨナラ負けを喫し、今季初の6連敗に沈んだ。3点を先取するも、ひっくり返された。9月はこれで2勝10敗。今季初の4カード連続負け越しで、最大14あった貯金は5まで減少した。広島新井貴浩監督(47)の一問一答は以下の通り。-黒原がサヨナラ打を浴びたが勝負にいった中で「まあそれは勝負にいった結果。また明日頑張りたいです」-一時帰国のハーンが不在。7回は島内、森浦を想定していた「今日は自分のちょっと継投ミスかなと。ワンテンポ遅れたかなと。一、二塁で前川のところで、あそこで代えてあげるべきだったと、ちょっとアップアップしていたからね。だから自分のミスだと思います」-2番に坂倉を起用「どういう並びにしたら線になるかな、つながりになるかなというところを考えて、きょうはこういう打順にしました」-ヒットなしでも点を取れる打順「そうやね。まあまあ線として考えた時にね。どういうふうな形で並べればいいだろうと考えたら、きょうの並びになったということかな」-2番坂倉、4番野間は臨機応変に「いつも臨機応変だから。また明日は考えたいと思います」-打線は9安打「いつもいい攻撃ができていたと思います」-森が86球で6回で降板。継投に覚悟「もちろんもちろん。そこはもうスパッと迷いなく6回までというところかな。森は本当にナイスピッチングだったと思います。打者に向かって攻めていくナイスピッチングだと思います」-矢野の交代「もうピッチャーが、最近ちょっとブルペンに負担がかかっているのでイニングをまたいでもらわないと、ブルペンの代打ポジションを考えてあそこはダブルスイッチしました」-明日から本拠地でDeNA戦「1戦1戦という気持ちで明日も戦いたいと思います」

◆阪神の「満塁男」木浪聖也内野手(30)がこの日も勝負強さを見せた。7回に1点をかえし、なおも1死満塁、木浪の痛烈な打球は広島二塁菊池に捕球されるも、ベースカバーに入った遊撃矢野のミスを誘い、この間に1点を追加した。「早く点数を取って次につなげられたのが良かった」。これで満塁では16打点目。9回1死では四球で出塁し、サヨナラのホームを踏み「自分の仕事をしっかりできたので、こういう形で勝てたというのはすごく良かった」と充実感をにじませた。

◆阪神梅野隆太郎捕手(33)が粘りの四球で反撃の1点目をもぎとった。7回1死満塁、2ストライクと追い込まれたところから7球目のボールを見極め、押し出し四球。「ああいうところでの得点は、バッテリーとして逆の立場だったとしてもすごい嫌なところ。同点に追いついたのは大きなことだった」。守備でも粘り強く4投手をリードし「監督が言っていたように勝つか負けるかの勝負をしている。今のチームの流れのまま戦えるように」と汗を拭った。

◆阪神ハビー・ゲラ投手(28)が来日初勝利を手にした。劇的なサヨナラ勝ちで歓喜の輪に加わり「ああやって少年の心のようにはしゃげたので、楽しかったよ」と無邪気に喜んだ。3-3のまま迎えた9回にマウンドへ。先頭の末包に左前打を浴び、犠打で1死二塁も、二俣を158キロ直球で空振り三振。さらにボークで三塁まで進まれるピンチとなったが、最後はこの日2安打の秋山を160キロ直球で遊ゴロに打ち取った。「ヒットとかボークとかいろいろあってサードまで行かれましたけど、より集中してとにかく3つのアウトを取る、0で抑えるということが一番大事で、それができたので良かった」。来日1年目、登板51試合目で初の白星となった。前回11日DeNA戦(甲子園)では同じく3-3の8回に登板するも勝ち越しを許し、4敗目を喫していた。「前回は前回であまり関係なく、今日は0点に抑えるということが大事。それができたので本当に良かった」。6月には2軍降格も経験したが、ここまで防御率1・80。左腕岩崎と再びダブル守護神としてフル回転中だ。まだまだ腕を振り続ける。【磯綾乃】

◆優勝を争う終盤戦、頼もしい左の1ピースが躍動している。阪神富田蓮投手(23)が1イニングを0に抑えて逆転勝利を呼び込んだ。0-3の7回から2番手で登板。直前の6回には2点を失いリードを広げられていた。「これ以上、点はやれないなと思った。先頭を切れれば流れが変わるかなと思って」。先頭菊池に2-2から低めチェンジアップで空振り三振。警戒していた先頭を切って「しっかりできたので良かった」とうなずいた。続く代打磯村には変化球で追い込み、140キロで空振り三振。2死一塁からは、この日2番に入った坂倉を中飛に抑えた。1回1安打無失点で任務完了。直後に味方が3点を取って同点に追いつき、9回のサヨナラ勝ちにつながった。これで14試合連続無失点。本人は「そういう記録はあまり気にしていない」と言うが、後半戦は15試合の登板で防御率0・00と安定感抜群。石井、桐敷、ゲラ、岩崎の勝ちパターンに入っていなくても貢献度は高い。主にビハインドでの登板で「先頭は大事だと思っている」。1人目の打者を打ち取ることでグッと流れを寄せることを意識する。岡田監督も働きぶりを高く評価。「リードされた時は富田か島本ね、左ではいてるんですけど、富田は本当ね、防御率見ても0点台でずーっといい仕事してますよね。もうやれないような展開なんでね、ほんと助かってますよね」。ダメ押し点を奪われない投球でチームを支えている。今後も背番号50の好投が逆転勝利を呼び込むスイッチとなる。「まずは先頭を切ることを重点的にやっていきたいなと思います」。強力な左のカードがブルペンで控える。【林亮佑】

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がマルチ安打で反撃の一翼を担った。5回先頭で左前打を放つと、7回1死一塁で、島内の外のチェンジアップをはじき返し右前打をマーク。「風もあったので。つなげたので良かったです」と打線の一員として仕事を果たした。マルチ安打は6日ヤクルト戦(神宮)以来、6試合ぶり。「勝てたんでね。大きいと思います」とチームの勝利に胸をなで下ろした。佐藤輝が今季の規定打席443を満たした。プロ1年目の21年から4年連続。阪神で新人年から4年以上連続は吉田義男13年、藤井栄治8年、久慈照嘉6年、近本光司6年、中野拓夢4年に続き、2リーグ分立後6人目。なお中野は佐藤輝と同じ20年ドラフトでプロ入り。同一球団の同期入団2人が、新人年からそろって4年連続で規定打席に到達したのは、57年にプロ野球が規定打席を採用して以降初となった。

◆阪神才木浩人投手はたっぷりと汗をかいていた。直球、フォークの切れ味がよく、3回までは快調。だが4回に先制点を許すと、6回には痛い2点を追加された。0-3の6回3失点で降板を余儀なくされた。13勝目を逃し、トップ14勝の巨人菅野に迫れなかった。阪神の屋外デーゲームは6月30日の神宮が最後。甲子園は同22日以来で、才木は同9日の甲子園以来、3カ月以上ぶりの"炎天下"だった。その西武戦は8回1死まで無安打投球したが、足をつって快挙達成ならず。今回は暑さ対策を意識して臨んでいた。「暑かったっす。だいぶ暑かった」と苦笑いしたが、最低限の役割は果たした。「要所で粘りきれなかった。いい雰囲気を持って来られなかったけど、同点にしてくれて、最後にサヨナラで逆転してくれて、よかったです」。反省が残るマウンドだったが、チームの勝ちを喜んだ。

◆ドロ沼から抜け出せそうで抜け出せなかった。3位広島が2位阪神にサヨナラ負けを喫し、今季初の6連敗に沈んだ。3-3の同点の9回2死一、三塁、回またぎの黒原が中野に中前打を許して試合終了。新井貴浩監督(47)は敗因について「今日は自分のちょっと継投ミスかなと。ワンテンポ遅れた」と自戒した。中継ぎ陣が足を引っ張った。6回無失点と好投した先発森に代わり、7回から2番手で島内を投入した。死球、右前打で一、二塁とされ、代打前川には四球で満塁のピンチを招いたところで森浦にスイッチ。しかし、味方守備のミスもあり一気に同点に追いつかれた。指揮官は「一、二塁で(代打)前川のところで(島内を)代えてあげるべきだった」と下唇をかんだ。打順を入れ替えた打線は機能した。指揮官は「どういう並びにしたら線になるかなというところを考えて」と坂倉を2年ぶりに2番に起用し、野間を今季2度目の4番に抜てき。4回、先頭坂倉が右翼線への二塁打を放つと、1死三塁から野間が中犠飛を放って先制。6回は先頭の秋山、坂倉が単打でつなぎ、1死二、三塁から野間がしぶとく二塁へ転がして2点目を奪取。続く小園の左前適時打もあり3点を先取したが、投打がかみ合わなかった。今季初の4カード連続負け越しで、9月は早くも10敗目。最大14あった貯金は5まで減少した。15日からはホームで1ゲーム差のDeNAとの2連戦を迎える。指揮官は「1戦1戦という気持ちで明日も戦いたい」と懸命に前を向いた。【古財稜明】広島島内(7回から登板も1/3で3失点)「バッターと勝負できていなかった。チームに申し訳ないです」広島森(先発で6回無失点と好投)「連敗中で何とか流れを持ってこれるような投球がしたかったんですけど、結果こうなったので、まだ少しできたことはあったのかなと思います」

◆阪神佐藤輝明内野手(25)がマルチ安打で反撃の一翼を担った。5回先頭で左前打を放つと、7回1死一塁で、島内の外のチェンジアップをはじき返し右前打をマーク。「風もあったので。つなげたので良かったです」と打線の一員として仕事を果たした。佐藤輝が今季の規定打席443を満たした。プロ1年目の21年から4年連続。阪神で新人年から4年以上連続は吉田義男13年、藤井栄治8年、久慈照嘉6年、近本光司6年、中野拓夢4年に続き、2リーグ分立後6人目。なお中野は佐藤輝と同じ20年ドラフトでプロ入り。同一球団の同期入団2人が、新人年からそろって4年連続で規定打席に到達したのは、57年にプロ野球が規定打席を採用して以降初となった。

◆阪神森下翔太外野手(24)が死球で突破口を開いた。0-3の7回先頭で島内の投球が右肘付近へ。前川に並ぶリーグ最多9個目の死球で、同点劇を導いた。前日の左肩死球に続く内角攻め。連続試合本塁打は4で途絶えたが勝利に貢献。「肘には直接当たらなかった。また治療して治したい。自分が出塁したら点に絡むケースも増えると思うので、プラスにとらえたいです」と向かっていく姿勢を強調した。

◆「アレ記念日」に劇的勝利や! 阪神が大逆転で今季7度目のサヨナラ勝ちを飾った。7回に3点ビハインドを追いつき、9回2死二、三塁で2番中野拓夢内野手(28)が中前に決勝打を放った。リーグトップとなる今季25度目の逆転勝ち。直接対決2連勝で3位広島に2ゲーム差をつけ、貯金も今季最多の9に伸ばした。昨季18年ぶりのリーグ優勝を飾った9月14日、選手会長の一打で逆転Vへ望みをつないだ。痛烈なライナーが中前に弾むと、あの日と同じ大歓声が響いた。中野は両手を突き上げ、一塁を駆け抜けた。あっという間にナインの波が押し寄せる。歓喜のウオーターシャワーを全身に浴び、白い歯が光った。「この球場で、最高の結果で終わることができたので本当にうれしい」3-3の9回2死二、三塁。サヨナラの好機。甲子園のボルテージは最高潮に達していた。「絶対に自分が決める」。広島黒原の3球目。144キロ高めカットボールを振り抜いた。お手本のようなセンター返し。チーム今季7度目のサヨナラ勝利を決めた。雪辱を果たした。7回は同点に追いついて迎えた2死満塁で空振り三振。「本当はあの場面で打ちたかった」。それでも「悔しい思いをした分、必ずチャンスは回ってくる」とプレッシャーをかけて臨んだ最終打席は劇的打。「水をかけられるのが嫌だったので必死に逃げたんですけど...。ビショビショになりましたけど、うれしいです」。お立ち台ではちゃめっ気たっぷりにほほ笑んだ。1年前の9月14日、18年ぶりのリーグ優勝を決めた。中野にとって甲子園での一番の思い出はもちろん、9回3アウト目の二飛を捕球した瞬間だ。「誰もが優勝を見に来ている中、しっかりと甲子園で優勝を決められた。ものすごい歓声いただけたので、すごく記憶に残ってます」。1年後の「アレ記念日」。あの日の記憶がよみがえりそうな歓喜を、逆転Vへの力に変えるつもりだ。選手会長に就任して迎えた今季。激しい優勝争いのさなか、8月は月間打率1割5分4厘と苦しんだ。「チャンスで打てない打席が続いて、ふがいない。チームを引っ張る身としてすごく苦しいことでした」。それでもチームの勢いとともに9月は月間打率3割4分1厘。「大事な日にチームが勢いに乗れる勝ち方ができた」と喜んだ。3点ビハインドからリーグ最多25度目の逆転勝利。岡田監督も「いやいや、そら大きいですね」と納得の1勝だ。いよいよ首位巨人に2ゲーム差。中野は「選手は上しか見ていない。目の前の試合をどうしたら勝てるのか考えながらやっている。それが1つになって、いい方向には向いてる」と力強い。選手会長の気迫が逆転Vへの望みをつないだ。【村松万里子】

◆「アレ記念日」に劇的勝利や! 阪神が大逆転で今季7度目のサヨナラ勝ちを飾った。7回に3点ビハインドを追いつき、9回2死二、三塁で2番中野拓夢内野手(28)が中前に決勝打を放った。リーグトップとなる今季25度目の逆転勝ち。直接対決2連勝で3位広島に2ゲーム差をつけ、貯金も今季最多の9に伸ばした。昨季18年ぶりのリーグ優勝を飾った9月14日、選手会長の一打で逆転Vへ望みをつないだ。阪神は15日にも自力優勝の可能性が復活する。15日の復活条件は阪神がヤクルトに○、巨人が中日に●。セ・リーグの9月の勝敗は阪神が8勝3敗(勝率7割2分7厘)でトップ。上位争いの巨人(6勝5敗)、広島(2勝10敗)が勝ち星を伸ばせない中、勢いを増している。

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】阪神中野拓夢が劇的サヨナラ打!久しぶりのデーゲームだった甲子園で、9回に勝負を決めるセンター返し。チームメートとともに歓喜。チームの勢いはまだまだ続きます!

◆「アレ記念日」に劇的勝利や!阪神が大逆転で今季7度目のサヨナラ勝ちを飾り、首位巨人に2ゲーム差まで迫った。7回に3点ビハインドを追いつき、9回2死二、三塁で2番中野拓夢内野手(28)が中前に決勝打を放った。リーグトップとなる今季25度目の逆転勝ち。直接対決2連勝で3位広島に2ゲーム差をつけ、首位とも8月8日以来37日ぶりの2ゲーム差まで縮めた。貯金も今季最多の9。昨季18年ぶりのリーグ優勝を飾った9月14日、選手会長の一打で逆転Vへ望みをつなぎ、15日にも自力優勝の可能性が復活する。

◆阪神は才木浩人投手(26)が先発する。今季23度目の先発で広島との対戦は2度目。対戦の少ない相手から甲子園では約3カ月ぶりとなるデーゲームの登板で13勝目を狙う。野手では井上広大外野手(23)が3試合ぶりに先発する。

◆阪神・才木浩人投手(25)が先発し、四回に先制点を献上した。三回までは無失点に抑えたが、この回は先頭の坂倉に右翼線への二塁打で出塁を許し、堂林の送りバントで1死三塁。野間には中犠飛を決められ、最初の1点を刻まれた。才木にとっては8月31日の巨人戦(甲子園)の一回以来、15イニングぶりの失点。チームにとっては3試合連続で先制を許す形となった。

◆広島・野間峻祥外野手(31)が先制犠飛を放った。「打ったのはスライダーかな。チャンスで回してもらったので先制点が取れて良かったです。引き続き頑張ります」7月5日の中日戦以来の「4番・右翼」で出場し、0─0の四回1死三塁で2打席目へ。才木の2球目の変化球を中堅へとはじき返し、右翼線二塁打で出塁していた三走・坂倉が先制のホームを踏んだ。チームは13日に今季ワーストタイの5連敗を喫し、3位に転落した。打線は10試合連続3得点以下と湿りっぱなしだったが、4番が最低限の仕事を果たした。

◆阪神・才木浩人投手(25)が先発し、六回に追加点を許した。秋山、坂倉の1,2番にこの回初めてとなる連打を浴びると、堂林にはスリーバントを決められて1死二、三塁を招いた。ここで、前の打席で先制の中犠飛を許していた野間に二塁へのゴロを打たせたが、打球はハイバウンド。中野は前進守備を敷く中で捕球こそしたが、三走・秋山が突入したホームへの送球をあきらめて一塁にボールを送り、次の1点を奪われた。さらに、なおも2死三塁では小園に三遊間を破るタイムリーを許し、0-3。最少失点で留めておきたかったところで浴びた痛打には才木自身も天を仰いだ。才木はその裏の攻撃で代打を送られ、6回3失点で降板。打線が広島先発・森を打ちあぐねる中で、苦しい展開となった。

◆阪神・才木浩人投手(25)が先発し、6回6安打3失点で降板した。序盤は力のある真っすぐに鋭く落ちるフォークなどを織り交ぜて三振を奪うなど好発進したが、四回は中犠飛で先制点を献上。六回には先頭からの連打と犠打でピンチを招き、二ゴロの間の1点と小園の左前適時打で2失点。直後の攻撃で打順が巡ったところで代打が送られた。今季の右腕のデーゲームでの成績はすさまじく、12試合に登板して9勝を挙げ、勝率.889、防御率1.20だった。しかし、この大事な一戦は酷暑の中で懸命に腕を振るも、悔しい結果となった。

◆阪神は0-3の七回、3点を加えて同点に追いついた。この回、マウンドに上がった2番手・島内からチャンスを作った。先頭の森下が死球を受け、1死から佐藤輝が右前打、代打の前川が四球を選んで満塁。ここで広島は島内に代えて3番手に森浦をマウンドに送った。打席を迎えたのは梅野。追い込まれながらフルカウントから四球を選んで押し出しで1点を返すと、木浪の当たりは二遊間へ。二塁手の菊池が横っ飛びでボールをつかんで遊撃に送り併殺を狙ったが、ボールは遊撃手の矢野のグラブからこぼれる失策で1点差に詰め寄った。なお満塁で打席には代打・原口。8月25日の広島戦(マツダ)以来の打席に入り、149キロ直球を左前に運ぶ適時打で同点に追いついた。「打ったのはストレート。いい流れでみんながつないでくれた打席だったので、もうとにかく自分も次につなぐんだという強い気持ちと、積極的に攻めていく姿勢で打ちにいきました。いいヒットになってよかったです」と振り返った。ラッキーセブンの猛攻で試合を振り出しに戻した。

◆阪神は広島にサヨナラ勝ちで2連勝とした。先発の才木浩人投手(25)は6回3失点。四回に先制点を許すと、六回には1死二、三塁から野間の二ゴロの間に2点目の走者が生還。小園にも適時打を許した。試合は作ったものの、13勝目の白星をつかむことはできなかった。打線は七回に満塁のチャンスを作り、梅野の押し出し四球などで1点差に詰め寄ると、代打・原口文仁内野手(32)が同点の適時打を放って試合を振り出しに戻した。九回に2死一、三塁のチャンスを作り、中野拓夢内野手(28)が中前に運んでサヨナラを決めた。

◆サヨナラ勝ちで歓喜に沸く阪神ナイン =甲子園球場(撮影・根本成)

◆阪神が7度目のサヨナラ勝ちで2位堅持。5度目の挑戦で貯金を今季最多の「9」とした。九回2死一、三塁、中野拓夢内野手(28)の中前打で試合を決めた。中野のサヨナラ打は2023年4月18日広島戦(甲子園)以来、2本目。3点を追う七回は梅野隆太郎捕手(33)の押し出し四球から敵失と代打・原口文仁内野手(32)の左前打で追いついた。森下翔太外野手(24)の連続試合本塁打は「4」、打点は「9」で止まり、安打は9戦連続とした。九回を無失点に抑えたハビー・ゲラ投手(28)が来日初勝利(4敗12S)。広島は6連敗で9月2勝10敗。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=67勝58敗6分、観衆=4万2604人)★テレビインタビュー編(抜粋)ーー3点差からの逆転勝利「いやいや、そら大きいですね」ーーチャンスで凡退していた中野が決めた「ちょっとね、今日も1、2番が機能しなかったんだけど。最後はもう打つしかないでしょ。あっこはね」ーー七回、九回とポイントはあったと思うが、振り返って大きなポイントはどこに「やっぱ七回ね。1ー0で行ってたら、才木は代えなかったんだけど。ちょっと、不甲斐ないね。あっこはバッテリーミスですよね。だから、2点ね。2点であそこまで行ったんでね。2点だけどね、3点目はね。やっぱり。まあでもね、向こうの後ろのピッチャーが良くなかったから、ピッチャー代えてくれたんでね。それでチャンスあったかも分からないですね」ーー才木にとっては3点目を与えた小園のタイムリーは悔やまれる「いやいや、初球ばっかりでしょ、(七回先頭で左前打の)秋山もね」ーー七回の攻撃。打席の中での粘り、見極めが効いた「デッドボール(七回先頭で森下死球)は痛いけど、結局アレがね、フォアボールと一緒だけどね、それが点につながったんじゃないかな」ーー原口はさすがの勝負強さ「いやいや、昨日も最後行こうと思ってたんですけどね。木浪がゲッツーなったんでね。キャッチャー2人になったんでね、遠ざかってたんで、目慣らしも含めてね、昨日も行こかなと思って。今日は原口行くつもりだったけどね。梅野が倒れたら、もう先に行くつもりやったですけどね」ーー八回岩崎、九回ゲラが粘りもありながら抑えた「そらピンチあるけど0点に抑えることが、この時期は一番なんで、粘り強く投げましたけどね」ーー富田がいい働き「だから、リードされた時は富田か島本ね、左はいてるんですけど。富田は本当に、防御率見ても0点台でいい仕事してますよね」ーー踏ん張ってくれるのはチームとして大きい「もう、やれないような展開なんでね、いつも点をね。ほんと助かってますよね」ーー優勝から1年。逆転勝ちで甲子園での連戦はあと2試合「今日はちょっと勝たせてもらったような展開だけど、ここはもう勝ち負けなんで。反省しないといけない点はいっぱいあるけど、なくして行けば、もうちょっと楽に行けるかなと思ってますけどね」★囲み編ーー初球を打たれるのは良くない「良くないっていうか、何十回言うてんの、今年。なあ。勝つから、おかしなるんよ、こんな展開で」

◆中日、西武、阪神で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(70)は同点打の阪神・原口文仁内野手(32)とサヨナラ打の中野拓夢内野手(28)について語った。原口と中野がチームを救った。原口は久々の出番ではありながらも、代打の鉄則である「ファーストストライクを振る」ということができていた。しばらく出番がなかったから心配していたがしびれる一打だったし、この一本は大きかった。試合を決めた中野も、近本がヒットを出せなかった中で、カバーした。延長戦に突入していれば桐敷、石井と勝ちパターンの投手をさらに使わなければならなかったという意味でも、九回で決着をつけた価値は大きい。この一戦はペナントを争う中で、ものすごく大事な試合だと思っていた。阪神とDeNAがともに負けていれば、首位巨人にはプレッシャーがかからないし、阪神にしても広島2連戦で1勝1敗では優勝への挑戦権を手放すような流れだった。2連勝し、サヨナラ勝ちとなれば勢いもつく。巨人のチーム状況は決して良いというわけではない。白星を拾っていけば、逆転優勝の可能性はまだまだ残されている。

◆与えれば致命的となる1点をしっかりと防ぐと、雄たけびを挙げながらガッツポーズを作った。阪神・ハビー・ゲラ投手(28)が同点の九回をしっかりと零封。サヨナラ劇を呼ぶ粘りを見せ、うれしい来日初勝利が届いた。「0点に抑えることが大事。それができてよかったよ」打線が七回に3点差を追いつき、ムードは虎に傾いていた中で、八回を抑えた岩崎からバトンを受けてマウンドへ。しかし、先頭・末包に左前打を浴びると、犠打で1死二塁。2死後、秋山へ初球を投げる直前で、捕手・梅野から送られるサインに首を振る中で体をわずかに動かしてしまい、ボークをとられて走者を三塁に進めてしまった。広島に労せずチャンスを広げさせたことで、甲子園にはどよめきも広がったが、ダブルクローザーの一角は「より集中して、とにかく『3つのアウトを取る』『ゼロで抑える』という部分が一番大事」と平静を保った。そして、秋山を1ストライクから直球で遊ゴロに仕留め、この窮地を脱出。不穏な雰囲気も勝利への後押しとなる大歓声に変えてみせた。背負う背番号「00」は「『100マイル(160キロ)』をイメージさせる感じがしたんだ」という理由で選んだ。剛速球で虎の力になる―との決意を背中で示し、秋山を打ち取った一球は球速160キロを計測。11日のDeNA戦(甲子園)で決勝弾を許して黒星を喫した悔しさも払拭し、その姿は来日51試合目でのうれしい白星を恵んでくれた仲間とのウオーターシャワーへと消えた。「少年の心のように、はしゃげた。楽しかったよ」。数日後にはさらなる歓喜の瞬間に飛び込むために、戦う。(須藤佳裕)

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)は0-3の七回1死一塁で右前打を放ってチャンス拡大に貢献し、その後チーム2点目のホームを踏んだ。五回の第二打席にも左前打をマークし、2安打1得点で6試合ぶりの複数安打、3試合連続安打とした。シーズン終盤でチーム一丸でのサヨナラ勝ちを収め、「勝てたんで」と満足そうにうなずいた。

◆阪神・森下翔太外野手(24)は連続試合本塁打が4、連続試合打点も8で止まったが、七回に同点の口火を切る死球をもぎ取った。2番手・島内の初球、153キロ直球を右ひじ付近に受けるも「出塁できたのは、チームにとってすごくプラスになるのでよかった」と笑顔。9月に入ってから打率・372、4本塁打、10打点を挙げ、マークが厳しくなる中でも「自分が出塁したら点に絡むケースも増える。プラスに捉えていきたい」と力強かった。

◆広島は3点のリードを守り切ることができずサヨナラ負け。先発の森は6回3安打無失点と好投したが、七回には島内と森浦が、九回には黒原がつかまった。打線は四回に1点先制し、六回には2点を追加したが9安打で3点どまり。試合後の新井貴浩監督(47)の一問一答は以下の通り。──3─3の九回に黒原がサヨナラ打を浴びた「それは勝負にいった結果。また明日頑張りたいです」──ハーンが不在。この日は七回に島内、森浦を投入したが3点を失った「自分の継投ミスかなと。ワンテンポ遅れたかなと。一、二塁で前川のところ。あそこで代えてあげるべきだった。(島内が)ちょっとアップアップしていたからね。だから自分のミスだと思います」──この日は2番・坂倉、4番・野間の並びで9安打3得点「どういう並びにしたら線になるかな、つながるかなというところを考えて、こういう打順にしました」──四回と六回の攻撃のようにヒットなしでも点を取れる打順「そうやね。線として考えた時にね。どういうふうな形で並べればいいだろうと考えたら、きょうの並びになったということかな」──2番・坂倉、4番・野間は臨機応変に「いつも臨機応変だから。また明日は考えたいと思います」──打線は9安打「いつもいい攻撃ができていたと思います」──先発の森は6回無失点。86球で降板は継投を覚悟して「もちろんもちろん。そこはもうスパッと迷いなく六回までというところかな。森は打者に向かって攻めていくナイスピッチングだと思います」──遊撃手の矢野を交代した「最近ブルペンに負担がかかっているので、イニングをまたいでもらわないと、ブルペンの代打ポジションを考えてあそこはダブルスイッチしました」──15日からはマツダスタジアムでDeNA2連戦「一戦一戦という気持ちで明日も戦いたいと思います」

◆阪神・富田蓮投手(23)の力投が逆転勝利への流れを作った。七回で先頭の菊池、続く代打・磯村を2者連続三振に打ち取り、秋山に左前打を許すも、続く坂倉を中飛に仕留めた。「先頭を打ち取れば流れは来ると思っていた。そこを重点的にできたのでよかった」。岡田監督も14試合連続無失点の安定感に「防御率を見ても0点台で、ずーっといい仕事してますよね」と目を細めた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(33)は反撃の押し出し四球を選んだ。七回、1死満塁で3番手・森浦に2球で追い込まれるも、「スリーツーになったので、なんとか粘って、見極められたのはすごく大きい」と7球目の外角直球を見極め、三塁走者を迎え入れた。9月の月間打率・381と好調な扇の要は「あした、今のチームの流れのまま戦えるように」と目の前の一戦に焦点を置いた。

◆先発した阪神・才木浩人投手(25)は6回3失点で勝ち負けは付かなかった。チームとしても6月22日以来の甲子園デーゲームに「暑かったですね」と一言。二回までに4奪三振を奪うなど、好調な滑り出しだったが、0-1の六回に2点を失い「1、2点目は仕方がないとして、3点目は無駄な点だった」と唇をかんだ。それでも「同点にしてくれて、最後は逆転してくれたのでよかった」とチームの勝利に安堵した。

◆阪神・木浪聖也内野手(30)は3-3の九回1死から四球を選び、その後、三進すると中野のサヨナラ打で生還。「四球で(塁に)出られたのは大きかった。こういう形で勝てたのもすごくよかった。この勝ちはすごい大きい」。七回、1点を返してなお1死満塁では中前へ抜けようかという当たりが二塁手・菊池の好守に阻まれたが、失策の間に貴重な打点を挙げ、さすが〝満塁男〟だった。

◆阪神・岩崎優投手(33)が失点を許さず勝利への道を作った。味方が同点に追いついた直後の八回にマウンドへ。1死から野間に右前打を浴びたが、続く小園を中飛、矢野を三ゴロに打ち取った。サヨナラ劇につなげる投球で8試合連続無失点。大きな1勝に貢献して「よかったです。また頑張ります」と短い言葉に喜びを込めた。

◆強い打球が三遊間を抜けた。七回、2点を返してなおも1死満塁。代打で登場した阪神・原口文仁内野手(32)が勝利へ導く同点打。ベンチに向かって指をさしてナインを鼓舞した。「ファンのみなさまの歓声がすごかったので、なんとかしてやろうと思って打席に立った」お立ち台でのヒーローインタビューで虎党に感謝した。0-3の七回だ。広島は2番手の島内がマウンドへ。先頭の森下が死球を受け、1死後、佐藤輝が右前打、代打・前川が四球を選んで満塁。3番手の森浦から梅野が押し出しの四球を選び、さらに木浪の打球を処理した菊池からの送球を矢野が捕球ミス。この間に1点差とした。ここで8月25日の広島戦(マツダ)以来の打席となった原口が149キロの直球を左前へ。同18日以来の安打はチームに流れを引き寄せる一打になった。「こういう最高の場面が来ると思って準備をしていた。いつもと変わりなく自分のスイングができた」決して打撃の状態は悪くはなかったが、9月3日から1軍の捕手を2人に減らしたため、岡田監督は万が一に備えて、捕手経験のある原口を〝保険〟としてベンチに置かざるを得なかった。それでも、この日は14試合ぶりに原口の名をコール。「きょうは、あそこ(満塁で)もう原口、行くつもりだった」。絶対に落とせない一戦で、捕手事情よりも原口の勝負強さを最優先。32歳のベテランも虎将の期待にバットで応えた。2010年に入団した同学年で、今季限りで引退する秋山への惜別打でもあった。原口は19年1月に大腸がんを発症したことを公表。現役を続けながらも闘病し、今年1月、完治したことを発表した。「その直後にアキ(秋山)から赤ワインをもらってね。すごく高いやつを。うれしかった。プロに入ってからの付き合いで、いいときも悪いとも一緒だったから」完治祝いの赤ワインは、シーズンが終わって2人で野球談議をするときに開栓するつもりだ。「いい流れで最終盤にきているし、本当に、まだまだ(優勝の)チャンスはあると思う。大事な打席はこれから続くと思うので、しっかり準備したい」。秋山にビッグなお返し-。残り12試合。逆転でリーグ連覇を実現すべくバットを振る。(三木建次)

◆9月14日午前0時。新人トラ番・萩原翔のスマホにはX(旧ツイッター)の通知が次々と来た。「アレから1年です」「9月14日はアレ記念日」「1年前のきょうは泣いた」萩原はそういった数え切れないメッセージや動画の投稿に目を通し、1年前の歓喜をしみじみと思い出していた。「阪神タイガースに関係しているXは片っ端からフォローしているので、日付が変わった瞬間から通知がバンバン来ました。早いもので、もう1年が経ったんですね」岡田監督が甲子園の夜空に舞った2023年9月14日。当時、大学4年生だった萩原は18年ぶりのアレをライトスタンドから見届けた。「9月の甲子園での試合は全部チケットを買っていました。15、16日のマツダスタジアムでの試合もチケットを持っていたので、いつでも優勝してくれ!って感じでした」準備万端で迎えたアレへのカウントダウン。9月1日のヤクルト戦(神宮)から連勝が始まり、優勝へのマジックナンバーがどんどん減っていく中、そわそわした気持ちが膨らんでいった。そして、9・14の巨人戦で歓喜の瞬間を迎える。

◆天国から地獄、そして最後は再び天国の大逆転サヨナラ勝利!! これはデカイ!! それも、今季不振の阪神・中野が最後決めたってのが、ミラクルアレンパの予感をさらに強めたのだ!!天国から地獄というのは、両軍の先発が今季12勝(3敗)の虎のエース才木と、わずか1勝の森じゃ、も~試合前から阪神の勝ちは決まったも同然。さて、森下の5試合連続本塁打でも見させてもらいますか~、と余裕シャクシャクで臨んだら...。ゲゲゲー、若鯉の森の完璧なピッチングに六回までわずか3安打で無得点とお手上げ状態。「も~、今日はアカ~ン!」とさじを投げたら、カープの新井の兄ちゃんが七回から島内に代えて、虎に天国への階段を用意してくれたじゃないのさ~。死球、四球、四球にエラーが絡んで、代打原口のタイムリーで一気に追いついたやないのさ~。そして、仕上げは九回に中野のサヨナラタイムリーと見事、天国へのぼれましたァ!!さぁ、次は下位のヤクルト戦。絶対に取りこぼしは駄目!! ポイントは本塁打王を狙う村上との勝負を避けるコト!! と俺は思うのだ!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
68556 0.553
(↓0.004)
-
(-)
14397
(+1)
353
(+4)
71
(-)
51
(-)
0.243
(-)
2.560
(↓0.01)
2
(-)
阪神
67586 0.536
(↑0.004)
2
(↑1)
12445
(+4)
382
(+3)
62
(-)
35
(-)
0.242
(-)
2.460
(-)
3
(-)
広島
63585 0.521
(↓0.004)
4
(-)
17366
(+3)
347
(+4)
49
(-)
54
(+1)
0.236
(-)
2.450
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
63602 0.512
(↓0.004)
5
(-)
18457
(+2)
432
(+4)
91
(+1)
58
(+1)
0.255
(↓0.001)
3.020
(↓0.01)
5
(-)
中日
54698 0.439
(↑0.005)
14
(↑1)
12339
(+4)
430
(+2)
59
(-)
37
(+2)
0.241
(↑0.001)
2.890
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
54704 0.435
(↑0.004)
14.5
(↑1)
15447
(+4)
501
(+1)
89
(+2)
58
(-)
0.240
(-)
3.690
(↑0.02)