オリックス(★3対8☆)ソフトバンク =リーグ戦18回戦(2024.09.13)・京セラドーム大阪=
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ソフトバンク
10101005081110
ORIX
01000101031011
勝利投手:有原 航平(12勝7敗0S)
敗戦投手:山下 舜平大(3勝5敗0S)

本塁打
【オリックス】セデーニョ(12号・6回裏ソロ)

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◆ソフトバンクは同点の3回表、今宮の適時打で勝ち越しに成功する。その後3-2となって迎えた8回に、山川の適時打などで一挙5点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・有原が7回2失点の粘投で今季12勝目。敗れたオリックスは救援陣が振るわず、打線もつながりを欠いた。

◆試合前の特別始球式に、パリ五輪のフェンシングフルーレ団体で金メダルを獲得した飯村一輝(20)が登板し、見事なストライク投球を披露した。「待機させてもらってる時にめちゃくちゃ緊張してたんですけど、マウンドの傾斜とかもわからなかったので、それをうまく調整できてよかったです。ピッチング練習とかできてなくて、さっき京セラについてからキャッチボールさせていただいて、大里選手とキャッチボールさせていただいて、そこでなんとか。ちっちゃい頃から父とキャッチボールしてたので、なんとかうまく投げられて良かったです」フェンシングとの共通項について聞かれ「フェンシングはデュースがないスポーツなので14対14だったり、44対44の1本勝負なんですね。そういったところで1本を勝ち取る、1本を決めきるっていうのは大事。(投球と)結構共通性があるなと思ったので。そこを決めきれたことは大きな自信になりました」と振り返った。五輪の舞台とマウンドを比べ「なんか高さだったり、丸くなってる感じが(競技会場の)グラン・パレと似ていて、すごくなんか試合を思い出したなってのはあったんですけど、結構同じレベルで緊張しました」と苦笑い。ユニホームの背番号1番は「せっかくなら金メダルの『1』にしようかなと思って、つけさせてもらいました」と明かした。金メダル取ってからの周囲の反応を聞かれ「やっぱりフェンシングってマスクを被っているので、顔と名前を一致してもらえない競技ですけど、こうやってお話をいただいて、ちょっとフェンシングが普及してくれればなとも思いますし、なんか投げれんだぞってことを見せられたのがよかったです」と話した。小学校低学年の時、京セラドーム大阪でオリックス-阪神を観戦。「幼い頃に。それをめちゃくちゃ覚えてて、11対3でオリックスが勝ったので、その時から応援させていただいてます」と明かした。飯村はパリ五輪のフェンシング日本代表では最年少で出場。フルーレ団体決勝ではアンカーとして戦い、見事勝利を収めて金メダルを決め、日本中に感動をもたらした。

◆オリックスは2回に1-1の同点に追いついたが、そのプレーは珍しい「盗塁死も生還」だった。1死二、三塁から若月がバントの構えから空振りするスクイズ失敗。飛び出していた三塁走者のセデーニョは三本間にはさまれたが、捕手甲斐からの送球を三塁栗原が捕球ミス。その間にセデーニョが本塁に突入し、きわどいタイミングながらセーフの判定で、ホームインが認められた。ソフトバンク小久保監督からリクエストが出されたが、検証の結果は変わらずセーフ。セデーニョの本盗かとも思われたが、公式記録はセデーニョの盗塁死、栗原には失策がついた。

◆オリックスは8回の守りで、3選手が立て続けに負傷交代するアクシデントに見舞われた。まずは1死二塁から3番手で登板した吉田が、今宮の打球を右足に当てて降板。次に登板した宇田川は栗原への1球目を投げて様子がおかしくなり、結局四球を出してトレーナーに付き添われてベンチに引き上げ、そのまま降板した。右肘に違和感を感じたという。さらに1死満塁となり、近藤の右前適時打の際に本塁を狙った栗原と捕手の若月が激突。上半身を強打した若月はしばらく立ち上がれず、何とかベンチに戻ったが石川との交代を告げられた。

◆ソフトバンク川瀬晃内野手(26)がオリックスの投手で弟の堅斗と初対決した。6点リードの8回2死一、二塁で代打で登場。結果は二ゴロに終わり、初の兄弟対決は弟に軍配が上がった。「この優勝争いをしている中ですが、小久保監督からも準備をしとけと言われていました。まずは兄弟対決を実現させてくれた首脳陣の方々に感謝したいです」と兄として感慨深そうだった。▽オリックス川瀬(兄弟対決で兄のソフトバンク晃を二ゴロに打ち取り)「楽しかった。今日は抑えられたけど、これからホームラン打たれるかもしれない。同じ舞台でやってる以上、真剣勝負。ねじ伏せにいきたいと思います」ソフトバンク川瀬晃と弟のオリックス堅斗が対戦。兄弟が投手と打者で対戦するのは、13年6月3日に江村将也(ヤクルト)と弟の直也(ロッテ)が対戦して以来11年ぶり。近年では他に、98年7月16日の山田勉(広島)と洋(中日)や、12年に3試合で対戦した陽耀勲(ソフトバンク)と陽岱鋼(日本ハム)が投打で兄弟対決している。

◆首位独走のソフトバンクが連勝を4に伸ばし、今季のAクラス入りが確定。両リーグ最速でクライマックスシリーズ(CS)進出を果たした。1-1の3回1死二塁。2番今宮が勝ち越し適時打をマークした。オリックス山下の内角直球を仕留め、左前へ運んだ。2-1の5回無死一、三塁で周東の右犠飛で追加点。8回は1死満塁から山川の左前適時打などで5得点とダメ押した。投げては先発した有原がハーラートップタイとなる12勝目を挙げた。敵地4連戦のカード頭で先勝し、優勝マジックは1つ減って10とした。

◆オリックスはソフトバンク18回戦(京セラドーム大阪)の8回守備で3選手が負傷交代した。吉田輝星投手(23)は1死二塁から最初の打者今宮の打球を右くるぶしに当てて降板。次に登板の宇田川優希投手(25)は栗原への1球目で右肘に違和感が発生し、四球を出して降板。さらに1死満塁から若月健矢捕手(28)が近藤の右前打で本塁を狙った二塁走者の栗原と激突。頭部を強打して退いた。また広岡大志内野手(27)は1回の本塁への走塁の際に頭部を強打し、4回の守備から交代した。これらを受け山岡泰輔投手(28)が今季初めて1軍昇格する見通しとなった。

◆ソフトバンク今宮健太内野手(33)が2試合連続の決勝打を放った。1-1の3回1死二塁。オリックス山下の球威に力負けしなかった。内角高めの直球を初球打ち。詰まったが、最後は押し込んだ。打球は左前へ。2戦連続のV打に一塁ベース上で納得の表情だった。「いつもと同じくつなぐことだけを考えた。うまく反応して打つことができました」3-2の8回1死二塁は投手強襲の内野安打をマーク。この回大量5点を奪う猛攻劇でつなぎ役となった。2安打1打点の活躍でチームの4連勝に大きく貢献した。プロ15年目の今季はここまで118試合に出場する。ベテランと呼ばれる立場になっても、正遊撃手の座を守り続けている。チームは4年ぶりのリーグ優勝が近づき、マジックナンバーはいよいよ10。それでも、背番号6に心境の変化はない。「最後まで何があるか分からないのがシーズン。1つのプレーをしっかりして、気を抜くことのないように」と言い聞かせる。昨季まで選手会長を務め、22年はシーズン最終戦でV逸。23年は大方の予想を裏切る3位だった。何度も悔しさを味わってきただけに、目前とする歓喜の瞬間まで表情は緩めない。9月はここまで9試合を消化し、月間打率は3割2分4厘をマーク。シーズンも最終盤に入り、打撃の調子は右肩上がりだ。「つないでいくことが2番の仕事だと思う」。今宮はそう語っており、自らの役割に徹する。【佐藤究】

◆ソフトバンク4番山川穂高内野手(32)が1イニング5得点の口火を切った。1点リードの8回1死満塁。オリックス古田島の外角直球を仕留め、左前適時打を放った。これで両リーグトップの90打点に到達した。「とにかく集中しました。満塁のチャンスを生かすバッティングができて良かった」。この一打を皮切りに一挙5点を追加。あと1本塁打に迫る通算250号はお預けも、貴重な1本となった。

◆エースが復活した。ソフトバンク有原航平投手(32)が7回9安打2失点(自責1)の好投でハーラートップタイ12勝目を挙げた。8月は防御率5・70と苦しんだが、9月は2試合で同1・20。4試合ぶりの白星を手にし、今季9度目の4連勝に導いた。チームは3年連続でCS出場が決定。優勝へのマジックナンバーを10とし、最短で18日にも4年ぶりのリーグ制覇が決まる。本格的なカウントダウンがいよいよ始まる。小久保監督の一問一答は以下の通り。-8月に苦しんだ有原が4試合ぶりの白星もうあと残り数試合の登板ですかね。もちろん優勝争いですけども、個人タイトルも可能性ありますよね。-8回は川瀬兄弟が対決あの点差でその話はしてたので。-弟の堅斗が登板したら代打で考えていたそうですね。ある程度点差があればっていう話しはしてたんで、なかなかないチャンスなんで。-山下から3得点効率のいいタイムリーが出たんでね。それで有利には進められました。今日はそれよりも、あんまり言えないですけど、ちょろちょろとミスもあった。この時期はミスが出ても勝てばいいんですけど、先のことまで考えると、初歩的なミスは防ぎたい。何があったかは言いませんが。

◆オリックス山下舜平大投手(22)は7回3失点と役割を果たしたが、援護にも恵まれず5敗目を喫した。自身の連勝は3でストップ。「ストレートも序盤からそこまで走ってなかった。途中からカーブやフォークで立て直すことができた。先頭に出塁を許したイニングを粘ることができず、失点してしまったことが悔しい」。1回は先頭周東への四球から先制を許した。3、5回も先頭の安打が失点につながった。

◆エースが復活した。ソフトバンク有原航平投手(32)が7回9安打2失点(自責1)の好投でハーラートップタイ12勝目を挙げた。8月は防御率5・70と苦しんだが、9月は2試合で同1・20。4試合ぶりの白星を手にし、今季9度目の4連勝に導いた。チームは3年連続でCS出場が決定。優勝へのマジックナンバーを10とし、最短で18日にも4年ぶりのリーグ制覇が決まる。本格的なカウントダウンがいよいよ始まる。鬼気迫る表情だった。1点リードの7回2死一、二塁。西川を左飛に仕留め、有原は頬を緩めることなく自軍ベンチに戻った。「ピンチが多かったので。何とかチームの勝ちにつなげたいと思ったのでああいう感じになりました」。堂々たる姿はエースの貫禄だった。9被安打で2失点は有原の真骨頂だ。1回無死一、三塁のピンチでも表情ひとつ変えない。太田、西川、杉本のクリーンアップを淡々と料理した。3イニングで先頭を出しながら、自責点は6回のセデーニョのソロのみ。ピンチで直球、チェンジアップ、カットボールの切れ味が抜群だった。ハーラートップタイ12勝目も「まだそこは考えてなくて」。タイトルには興味を示さず、3年連続のCS確定、優勝マジック10にも「本当に選手は1試合1試合必死にやっている。まだ先を考えず次の試合をしっかり取りたい」と隙を見せなかった。苦しんだ8月から復活した。先月は5試合で防御率5・70。移籍後ワーストの数字に対して自責の念にかられた。「やっぱり迷惑をかけたので」。月が変われば必然的に切り替わる。9月は2試合で1勝1敗も防御率1・20。4試合ぶりの白星で「チームの勝ちに貢献できたので少しホっとしています」と少し白い歯を見せた。リーグ制覇へのラストスパート。有原が本来の安定感を取り戻した。今季最後の6連戦で初戦を白星で飾った。カード2戦目は左腕エースのモイネロがマウンドに上がる。中10日で休養十分。まずは有原が連勝のバトンをつないだ。2カ月ぶりで今季9度目の4連勝。ソフトバンクが再び波に乗ってきた。【只松憲】

◆ソフトバンクは3年連続Aクラスが確定し、まずはCS決定。優勝へのマジックナンバーは10。本格的なカウントダウンがスタートした。有原航平投手(32)がオリックス戦に先発し、7回9安打2失点(自責1)でハーラートップタイ12勝目を挙げた。8月は防御率5・70と苦しんだが、9月は2試合で同1・20。4試合ぶりの白星を手にし「とにかくチームが勝ててよかったなと。ほっとしています」とかみしめた。

◆パリ五輪でフェンシングフルーレ団体で金メダルを獲得した飯村一輝(20)が特別始球式に登板した。ワインドアップから投じた一球はノーバウンドでストライクゾーンに。見事な投球で観客を沸かせ、マウンド付近でオリックスの来田、内藤と記念撮影した。「めちゃくちゃ緊張していた。マウンドの傾斜とかもわからなかったけど、それをうまく調整できてよかった」と充実の表情で振り返った。五輪のフェンシングの会場だった「グラン・パレ」の建物の形状と、マウンドの山型になっている形状が似ていると感じたといい、「(五輪での)すごく試合を思い出して、同じレベルで緊張した」と笑顔で語った。小さい頃からのオリックスファンで森友哉や山下舜平大を応援していると明かした飯村は「フェンシングはマスクを被っているので、顔と名前を一致してもらえない競技。こうやって(始球式の)お話をいただいて、ちょっとでもフェンシングが普及してくれれば」と競技の普及を願った。

◆ソフトバンク・栗原陵也内野手(28)が先制の適時二塁打を放った。先頭の周東佑京内野手(28)の四球からつくった1死二塁で、カウント1-2からオリックス先発・山下のカーブをたたいた打球が左中間を破った。二塁走者の周東が悠々とホームイン。チームに2試合ぶりの先取点をもたらした。「とにかくつないでいくという気持ちだけでした。結果的に先制のタイムリーといいバッティングができて良かったです。このあとも有原さんを援護できるように頑張っていきます」。シーズン二塁打を34に伸ばし、南海時代の1948年に笠原和夫が記録した球団記録、40にどこまで迫れるかも注目となる。

◆ソフトバンクは三回、今宮健太内野手(34)が左前適時打を放って2-1と勝ち越した。二回に同点に追いつかれて迎えた、この回、先頭の牧原大成内野手(31)が左前打を放って出塁。犠打で進めた1死二塁で、初球の直球を左前に運んだ。「いつもと同じくつなぐことだけを考えました。うまく反応して打つことができました。タイムリーとなって良かったです。ここから中盤、終盤と気を引き締めていきたいと思います」。11日の楽天戦(楽天モバイルパーク)では3本のタイムリーを放って3打点と大きく勝利に貢献。「まだ優勝まで近いようで近くない。気を引き締めて必死こいていく」とさらなる奮起を誓っていた最終盤の戦いでまたも快音を響かせた。

◆オリックス・広岡大志内野手(27)が四回の守備で途中交代した。0-1の一回の攻撃で左前打で出塁し、その後、三走として太田の投ゴロの際に本塁突入を試みた際に頭部を強打したため交代したと球団が発表。広岡は本塁でタッチアウトとなり、同点のホームインとはならなかった。二回の第2打席にも立ったが、結果は空振り三振。三塁の守備もこなしていたが、大事を取って交代となった。

◆オリックス・山下舜平大投手(22)が7回5安打3失点と力投したが、4勝目の権利を得ることはできなかった。一回に先頭の周東に四球を与えると、その後1死二塁で栗原に右中間への適時二塁打を許して先制点を献上。同点に追いついた直後の三回に今宮に適時打を浴びて勝ち越された。五回も甲斐の二塁打からピンチを招き、周東の犠飛でリードを広げられた。3失点を喫したものの、3者連続空振り三振を奪うなど計8奪三振と持ち味を発揮。この日の登板に向けては「全勝して、自分の中では勝ち越してシーズンが終わって来年につなげたいという気持ちはある」と意気込んでいたが、リードを許した展開でリリーフ陣にマウンドを譲る形となった。

◆オリックスの救援陣が連続でアクシデントに見舞われた。八回1死二塁で3番手で登板した吉田は今宮に5球目の直球をはじき返されると、右足に当たり、前方へ。自ら捕球したが投手強襲の内野安打となり、一、三塁に。プレー中断後にベンチへと下がり、治療したが、数分後に中嶋監督がベンチを出て交代を告げた。わずか5球での途中降板となり、球場は不穏な空気に包まれる中、4番手として宇田川が登板したが、栗原への1球を投じたところでどこかを痛めた様子を見せて球団トレーナーがマウンドへ。栗原に四球を与えたところでベンチへと下がり、そのまま降板。両投手がそれぞれ5球で離脱するアクシデントに見舞われた。

◆泣きっ面にハチだ。オリックスは八回に3人目の負傷者が出てしまった。八回1死満塁で古田島が近藤に右前打を放ち、三走・今宮が悠々生還。右翼手・来田の返球を捕球しようとした捕手・若月と本塁突入を試みた二走・栗原が三塁線上で衝突し、若月が倒れ込んだ。トレーナーとともに担架が用意されたが、自力で歩行し、ベンチへと下がったが、プレー続行不能と判断されて交代となり、石川がグラウンドに送り込まれた。八回には3番手・吉田、4番手・宇田川がそれぞれ打者1人を投げたところで降板となっており、交代はこのイニングだけで3人となった。球団は吉田は右足に打球が当たったため、宇田川は右肘に違和感を感じたため大事を取って交代したと発表した。四回には広岡が走塁時に頭部を強打した影響で途中交代しており、これで1試合で交代4人となった。

◆ソフトバンクは八回に山川穂高内野手(32)が左前にタイムリー、近藤健介外野手(31)が2点適時打を放つなどして7-2とリードを広げた。この回、先頭の牧原大成内野手(31)が左前打を放って出塁。犠打の後、今宮健太内野手(34)は吉田輝から投手強襲の安打を放って一、三塁とチャンスを広げる。栗原陵矢が宇田川から四球を選んで、塁を埋めたところで打席は山川。このイニングだけ4人目の登板となった古田島からフルカウントからの直球を左前にはじき返して1点を追加。さらに満塁で近藤が走者を2人返す右前適時打を放ち、6-2と一気にリードを広げた。正木智也外野手(24)も中前に適時打を放って古田島をKOした。さらに1死一、三塁から中村晃外野手(34)の左犠飛で8-2と突き放した。

◆オリックスはアクシデントの連続で大量失点し、3連敗を喫した。2-3の八回に悪夢が待っていた。1死二塁で登板した3番手・吉田は今宮の打球が右足に当たって降板。後を継いだ宇田川も右肘の違和感でまたしても打者1人で降板した。5番手の古田島は山川に適時打を浴び、近藤にも2点打を食らった。近藤の適時打で本塁突入を試みた二走・栗原と右翼手から返球を捕球しようとした捕手・若月が衝突。倒れ込んだ若月は自力で立ち上がり、ベンチへ下がったものの、プレー続行不可能と判断されてまたしても交代となった。1イニングで3人の負傷者が出たことが影響して5失点し、勝機が遠のいた。クライマックスシリーズ進出を争う3位・ロッテは最下位の西武に敗れたため、ゲーム差は変わらず7・5だが、オリックスは負傷者続出で今後に不安が残る一戦となった。

◆ソフトバンクはオリックスに快勝して4連勝。優勝へのマジックナンパーを10に減らした。一回に栗原陵矢内野手(28)の適時二塁打で先制。追いつかれた直後の三回に今宮健太内野手(34)の左前適時打で再び勝ち越した。五回に周東佑京外野手(26)の犠飛で3ー1とすると、3ー2の八回には打者一巡の猛攻で5点を奪って突き放した。先発の有原航平投手(32)は7回9安打1失点でハーラートップタイの12勝目を挙げた。

◆ソフトバンクが4連勝で3位以内を確定させた。有原は7回9安打2失点でリーグ最多に並ぶ12勝目。1―1の三回に今宮の適時打で1点勝ち越し、五回に周東の犠飛で加点。八回には一挙5得点で突き放した。オリックスは3連敗。

◆ともに大分商高出身で、ソフトバンクの内野手とオリックスでの投手としてプレーする川瀬兄弟の対決が初めて実現した。八回途中からオリックス投手の弟、堅斗が登板。2死一、二塁となったところで兄の晃が代打で登場した。内角速球で二ゴロに仕留めた22歳の右投手は「めっちゃいい球だったと言われた。これからも全力でねじ伏せていきたい」と笑顔だった。5学年上の晃は、送り出した小久保監督に感謝し「完敗。こういう舞台で対決できるとは思っていなかった。夢のような時間だった」と感慨を込めた。

◆弱り目にたたり目だ。負傷者続出のオリックスは痛すぎる3連敗。中嶋監督はけが人の状況を把握するため、囲み取材を手短に切り上げた。「(負傷者の)経過を聞かなあかんから。(選手の)入れ替えもせなあかんし」八回に悪夢が待っていた。1死二塁で登板した吉田は今宮の打球が右足に当たって降板すると、後を継いだ宇田川も右肘に違和感を覚えて打者1人で緊急降板。さらに近藤の2点打で本塁突入した二走・栗原と右翼からの返球を捕球しようとした捕手・若月が衝突し、負傷交代する非常事態に見舞われた。1イニングで3人の負傷者を出し、5投手をつぎ込みながらも5失点で白星も献上。一回の走塁時に頭部を強打した広岡も四回の守備でベンチに下がっており、脳震とうの可能性がある広岡、若月は交代後に大阪市内の病院へ直行した。クライマックスシリーズ進出を争う3位・ロッテも敗れたため、7・5ゲーム差は変わらないが、交代した4選手が戦線離脱となれば逆転でのCS進出もさらに厳しい道のりとなりそうだ。(織原祥平)

◆ソフトバンク投手陣の勝ち頭・有原が意地を示した。8月16日のロッテ戦(みずほペイペイ)での完封勝利以来、4試合ぶりに白星を掴み、日本ハム・伊藤に並んでハーラートップの12勝目。チームは優勝マジックを10とするとともに、3年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出が決定した。「迷惑をかけていたんで、とりあえずチームの勝ちに貢献できたんで、少しほっとしています」 二回1死二、三塁から味方守備の乱れで一時同点とされた。3-1の六回2死ではセデーニョにソロを浴びて1点差に詰め寄られたが、粘って崩れない。三者凡退に抑えたのは三回のみで、再三走者を背負ったが、9安打を許しながらも7回1失点の好投だ。8月は5登板のうち4試合が5失点以上と、らしくない姿で計22失点と崩れた。9月は投球での体重移動などを修正し、前回6日は8回1失点と持ち前の制球力を取り戻した。これで2試合続けて、エースらしい結果を出したが「ピンチが多かったので、チームの勝ちにつなげたいと。ヒット数たくさん打たれているんで、次に向けて修正していきたい」と、さらなる上昇へ向けた反省も忘れなかった。小久保監督は「もうあと残り数試合の登板ですか。もちろん優勝争いですけども、個人的なタイトルも可能性ありますよね」と、日本ハム時代の2019年以来2度目となる最多勝獲得にも期待を寄せた。残りわずかとなった登板機会で、鷹を盛り立てる大仕事がまだまだ待ち受ける。(上阪正人)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
78453 0.634
(↑0.003)
M10
(↑1)
17534
(+8)
351
(+3)
103
(-)
81
(-)
0.256
(-)
2.580
(-)
2
(-)
日本ハム
67518 0.568
(-)
8.5
(↓0.5)
17483
(-)
425
(-)
95
(-)
79
(-)
0.247
(-)
2.900
(-)
3
(-)
ロッテ
64586 0.525
(↓0.004)
13.5
(↓1)
15456
(+6)
454
(+7)
69
(+1)
56
(-)
0.251
(-)
3.250
(↓0.03)
4
(-)
楽天
60613 0.496
(-)
17
(↓0.5)
19432
(-)
503
(-)
65
(-)
80
(-)
0.242
(-)
3.740
(-)
5
(-)
ORIX
58673 0.464
(↓0.004)
21
(↓1)
15359
(+3)
390
(+8)
64
(+1)
51
(-)
0.239
(-)
2.760
(↓0.03)
6
(-)
西武
41852 0.325
(↑0.005)
38.5
(-)
15302
(+7)
449
(+6)
52
(-)
66
(-)
0.210
(↑0.001)
3.140
(↓0.02)