阪神(★3対4☆)DeNA =リーグ戦20回戦(2024.09.11)・阪神甲子園球場=
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DeNA
1020000104612
阪神
1000020003701
勝利投手:ウィック(5勝1敗1S)
(セーブ:森原 康平(2勝6敗24S))
敗戦投手:ゲラ(0勝4敗12S)

本塁打
【DeNA】牧 秀悟(20号・1回表ソロ),桑原 将志(4号・8回表ソロ)
【阪神】森下 翔太(15号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆DeNAが接戦を制した。DeNAは初回、牧のソロで先制に成功する。その後3-3となって迎えた8回表には、桑原がソロを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・ウィックが今季5勝目。敗れた阪神は、先発・村上が力投を見せるも、2番手・ゲラが痛恨の一発を浴びた。

◆阪神島田海吏外野手(28)が11試合ぶりにスタメンに名を連ねた。「6番左翼」で出場。前日10日にも2安打を放つなど、直近の出場3試合は全て安打を放っている。8月27日DeNA戦(横浜)以来の先発で好調ぶりを発揮したい。先発は今季7勝目を狙う村上頌樹投手(26)が登板する。

◆テニスの23年全仏オープン混合ダブルス覇者の加藤未唯(29=ザイマックス)が、ファーストピッチセレモニーに登板した。背番号100のユニホームを身にまとい登場。力のこもったボールを投げこみ、聖地の虎党を驚かせた。「練習通り100点の投球」と振り返り、聖地のグラウンドの独特の雰囲気を「1秒1秒かみしめました」と話した。好きな選手に阪神森下翔太外野手(24)の名前を挙げ、「爽やかだなと。昨日も試合見ていたんですけど、昨日も打っていましたよね」とファーストピッチ登板前夜も阪神を応援していたことを明かした。

◆阪神ファンがDeNA山本祐大捕手(26)の誕生日に拍手した。2回1死一塁。打席に山本が入ると、左翼スタンドのDeNAファンからバースデーソングが演奏された。これには球場全体の阪神ファンからも拍手が響いた。山本はその直後、遊撃への併殺打に倒れ、阪神はこの回を無失点で切り抜けた。これには阪神ファンも再びの拍手で先発村上頌樹投手(26)をたたえていた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)が得点圏打率トップの勝負強さを見せつけた。初回に1点を先制されたが、その裏、2死二塁から差し込まれながら中前に落とす同点打を放った。試合前の時点の得点圏打率3割6分から、また数字を上げた。ただ大山は同点の3回。無死一塁からアンドレ・ジャクソン投手(28)の一塁前バントを二塁に送球。間に合わず、犠打野選となった。ピンチが広がり、2点を勝ち越されてしまった。

◆阪神森下翔太外野手(24)が3試合連続アーチを描いた。6回先頭でアンドレ・ジャクソン投手(28)の甘いチェンジアップを左翼席にもっていく15号ソロを放った。これで自身初の3試合連発。打点は7試合連続と絶好調。試合途中ながらこの時点でリーグトップ巨人岡本和真内野手(28)と68打点で並んだ。

◆/反撃の狼煙\7試合連続打点&3試合連発#森下翔太 空気を変える一撃?プロ野球(2024/9/11)?? DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/MmTXoc1UF0

◆阪神がまたもセーフティースクイズを決め、同点に追いついた。1-3と2点を追う6回、森下翔太外野手(24)の15号ソロで1点差。なおも連打で無死一、三塁としてアンドレ・ジャクソン投手(28)をKOした。1死後、打者は坂本誠志郎捕手(30)。DeNAバッテリーは初球スクイズ警戒で外角に外すも、2球目はやや高めへの直球。坂本は一塁寄りに完璧に転がし、それを見てスタートした三塁走者・大山悠輔内野手(29)を迎え入れた。阪神は前日10日にも青柳晃洋投手(30)が同点のセーフティースクイズを決めていた。

◆阪神村上頌樹投手(25)が2年連続、規定投球回に到達した。1-3の5回2/3を投げて規定投球回の143イニングをクリア。今季は11日の試合前までに、6勝9敗をマークしている。セリーグMVP、最優秀防御率、新人王の3冠に輝き10勝6敗を記録した昨季に続き、阪神の先発ローテに欠かせない存在として仕事を果たしている。村上は7回103球を投げ、5安打7三振3失点。同点のまま代打を送られ降板し、勝敗はつかなかった。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が痛恨の勝ち越し被弾を許した。3-3の8回から2番手として登板。先頭桑原への初球156キロを打ち上げられると浜風にも乗ってレフトスタンドへと入った。ゲラは今季3本目の被弾。DeNA戦では今季7試合に登板して失点、自責点ともに0で防御率0・00だったが、8試合目でまさかの失点を許した。

◆/アツく燃える\リードオフマンのガッツが光る#桑原将志 勝ち越しホームラン?プロ野球(2024/9/11)?? DeNA×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #baystars pic.twitter.com/owsR8eOycj

◆3位阪神が接戦を落とした。首位巨人と3・5ゲーム差に広がった。2位広島とは変わらず0・5ゲーム差。4位DeNAには2ゲーム差に迫られた。初回に先制を許したものの、直後の攻撃で大山悠輔内野手(29)が同点適時打。3回に2点を失うも、6回には森下翔太外野手(24)の3試合連発となる15号ソロで1点差に迫った。さらに1死一、三塁で坂本誠志郎捕手(30)がセーフティースクイズを決め同点。ビハインドとなってもくらいつく粘り強さがあった。先発村上頌樹投手(26)は7回3失点の粘投。2年連続の規定投球回到達となった。今季は黒星が先行しているものの、昨季リーグMVPの地力の高さを証明した。ただ、2番手ハビー・ゲラ投手(28)が1球に泣いた。8回に登板し、その先頭桑原に初球を捉えられた。ソロアーチで勝ち越しを許してしまった。本拠地甲子園7連戦の2戦目。12日の試合で立て直したい。

◆3位阪神が接戦を落とした。首位巨人と3・5ゲーム差に広がった。2位広島とは変わらず0・5ゲーム差。4位DeNAには2ゲーム差に迫られた。岡田監督の一問一答は以下の通り。-ゲラは浜風もあったが「引っ張ったけど初球やろ。簡単に真っすぐをお前。真っすぐに強いバッターやからな」-真っすぐをいくにしても慎重にコースを「コースってお前、ボールから入ったらええやんか。簡単なことやん」-6回にもう少したたみかけたかった「まあなあ。最初のバッターでな。まあ、同点に追いついたらな、何とかなるわけやから」-近本のゲッツーは驚いた「あれおまえ、(ウィックが)変えとったやん。セットをな。それが分からんかったんやん。クイック速かったからな。おまえ、あれやろ、フォアボール3つ出して交代させられてから、それ知らんもんな。えらい大きいやないかい言うたら」-明日以降に目を向けると森下がホームランは「うん、なんで? 粘りを見せるて、勝っていかなあかんねんから、粘ってよく頑張ったなんてないんやから、勝ち負け言うてるやん、そんなもん」(自ら)「何でや、今日1つ負けただけやないか、何でこんなシュンとなるんや」

◆阪神佐藤輝明内野手(25)が一時同点劇につながる安打を放った。6回、森下のソロで1点差。大山の安打に続いて、佐藤輝はシフトの逆を突く左前打で無死一、三塁とチャンスを大きく広げた。「初球から打ちにいけたので、よかったです」。この一打で難敵ジャクソンを引きずり下ろした。1点勝ち越された直後の8回1死二塁では中飛に倒れ、悔しそうな表情を浮かべた。

◆9回のマウンドに上がった阪神石井大智投手(27)が3者凡退に抑えた。5番宮崎は2球で148キロ直球で遊飛に打ち取り、6番筒香にはシンカーで見逃し三振。山本にはカウント2-2で6球目の136キロフォークで空振り三振に抑えた。「3人で0で終わって良かったので、また明日もしっかり準備して頑張っていきます」と力を込めた。

◆阪神大山悠輔内野手(29)は悔しさを隠さなかった。初回、1点を先制されたが、その裏すぐさま反撃。2死二塁からジャクソンの内角直球に差し込まれながら、しぶとく中前に落として追いついた。得意の形に持ち込み、逆転ムードを作った。すぐに追いつけたことには「良かったです」と短く振り返った。6回は森下のソロの直後に三塁内野安打でチャンスメーク。坂本のセーフティースクイズで判断よく走り、一時同点のホームを踏んだ。トップを走る得点圏打率は3割6分5厘に上昇。4番らしく奮闘する。一方で3回無死一塁の守備ではバントを二塁に送球したが間に合わず、犠打野選となった。そこから2点を勝ち越されてしまった。プロセスよりも今は勝敗が全て。「まずは明日です。(相手の)気迫とかではなくて、自分たちがしっかりやるだけなので。また明日しっかりやります」。口元をぎゅっと結んだ。

◆阪神村上頌樹投手(26)は粘投も勝利を呼び込めなかった。初回、牧に先制ソロを献上すると、同点の3回は1死二、三塁で牧に適時打を浴びるなど2点を勝ち越され「粘れなかったのでそこが響いた」と悔やんだ。ただ7回は2死一、二塁から代打戸柱に前球と50キロ差をつけた98キロカーブで二飛。「また引き出しが増えた。何でもいいからゼロに抑えることを意識していました」と納得の投球だった。同点のまま降板し7回3失点。2年連続でシーズン規定投球回にも到達したが「落とせないところで勝ちにできなかったのは仕事はまだできていない」と悔しさをにじませた。

◆DeNA桑原将志外野手(31)が4号ソロで試合を決めた。リードを2度追いつかれ、3-3で迎えた8回の先頭で投手の代わりばなを捉えた。阪神ゲラの初球156キロを左翼席最前部へ運んだ。梶原が左ふくらはぎ痛で2戦連続欠場する中、8月12日以来、約1カ月ぶりに1番で先発。決勝弾に「感触はよかった。みんながいい緊張感を持って臨んでいる。その中で自分の役割を果たせてよかった」と話した。

◆阪神岡田彰布監督(66)は前だけを向いた。「何でや。今日1つ負けただけやないか。何でこんなシュンとなるんや」。試合後、静かな取材ルームで語った。首位巨人が9回に劇的な逆転勝ちを収め、3・5ゲーム差に広がった。2位広島とは0・5ゲーム差をキープも、4位DeNAは2ゲーム差に迫っている。残り14試合。1敗だけで立ち止まる理由はない。終盤に落とし穴が待っていた。8回に登板したゲラが1球に泣いた。先頭桑原への初球。156キロ直球を左翼スタンドに運ばれた。決勝ソロを被弾。甲子園はため息に包まれた。ゲラはDeNA戦8試合目で初めての失点。「あの1球だけ悔やまれます。それだけです。次、頑張ります」と唇をかんだ。今季自身4敗目に肩を落とした。岡田監督は「初球やろ、簡単に真っすぐを。真っすぐに強いバッターやからな」と指摘。さらに「ボールから入ったらええやんか。簡単なことやん」とバッテリーに苦言を呈した。1球のミスも許されない接戦だからこそ慎重さが欲しかった。打線は8回、9回と得点圏に走者を置いたが反攻はならなかった。粘りは見せた。ビハインドから2度追いついた。初回と6回だ。6回には坂本がセーフティースクイズを決めた。前日10日の青柳に続き、またも岡田采配がズバリ。指揮官のタクトのもと執念は見せた。それでも内容よりも結果の時期。「粘りを見せるて。勝っていかなあかんねんから。粘ってよく頑張ったなんてないんやから、勝ち負け言うてるやん、そんなもん」と岡田監督は言った。甲子園での7連戦の2戦目を落とした。勝利していれば2位浮上だった。引きずるわけにはいかない。12日のDeNA戦で立て直したい。【中野椋】

◆DeNA牧秀悟内野手(26)がメモリアルアーチで先制した。1回1死で迎えた第1打席、1ボール1ストライクから阪神村上のフォークを捉えて左翼席へ放り込んだ。「なかなか村上投手から打ってなかったので、今日はいい形で打てたかなと思います」と納得のひと振りだった。ルーキーイヤーから、4年連続の20発に到達した。原辰徳(巨人)や清原和博(西武)に並ぶ史上5人目で、球団では初めて。「偉大な方と肩を並べることができた。長いプロ野球の世界の中で、こういうふうに記録として残るのもすごくうれしい」と喜ぶ。長打で、単打で、貢献した。この日は8月8日以来の「2番」で先発に名を連ねた。三浦監督は「筒香をスタメンでいったので、全体のバランスとして2番の方がいいかなと。状態もいいですし、1つでも打席が回るようにと思った」と意図を説明。3回1死二、三塁でもカットボールを捉える左前適時打で、3位阪神に競り勝った。前夜は悔しい逆転負け。4位からの逆転Aクラス入りを狙うチームは、8月17日を最後に連敗することなく、上位に食らい付いている。「今日は1点差を守り切った。明日も負けられない。こういう試合を続けていきたい」と主将の頼れる背中を見せている。首位巨人との差は5・5ゲームのままだが、阪神とは再び2ゲーム差に接近した。負けられない毎日の中で放つ1発の価値は大きい。「まだまだ4年目ですし、1歩ずつ前進していきたいなと思います」。牧が打てば、弾みがつく。【鎌田良美】

◆またまた打った。阪神森下翔太外野手(24)が3試合連続となる15号ソロを放った。6回先頭でDeNAジャクソンの甘い変化球を左翼席に運んだ。自身初の3試合連発で7試合連続の打点をマーク。巨人岡本和に次ぐリーグ2位の68打点と打点王のタイトルも照準だ。残り14試合。チームは首位巨人と3・5ゲーム差に広がり4位DeNAも2差に迫る。まさに正念場。背番号1が奇跡の扉をこじ開ける。甲子園の重い空気が、一瞬で吹き飛んだ。大歓声の中心にいたのはまたも森下だ。グラウンド整備が終わった直後の6回先頭。放物線を描いた打球は左翼スタンドに飛び込んだ。球場のボルテージは一気に最高潮となった。「なんとか先頭で出ることを目標にした結果、最高の結果で1点を自分だけで取れたので。あそこで1点追いついたのは良かった」ジャクソンの132キロスライダーを強振。浮いた1球を逃さなかった。プロ初の3試合連発となる15号ソロ本塁打だ。後輩の1発は奮起を呼び、直後に大山と佐藤輝が連打。一時試合を振り出しに戻す坂本のセーフティースクイズにつながった。8回の先頭にも左中間へライナーでの中前打で出塁。敗戦の中で何度も希望を見せた。「状態が良い悪いを作らないのが一番最高だと思うので。前半戦チームに貢献できなかった分、後半で取り返しているだけですね」シーズン序盤は不振にあえぎ、7月は約2週間の2軍再調整も経た。前半戦の借りを返すように結果を出し続けている。これで今季68打点目。セ・リーグ2位の数字だ。再び1点差をつけられたが、本塁打を放った直後は一時巨人岡本和と並んだ。「アウトの内容だったり打席の内容が8、9月は割と良い。そういうところがだんだん相手のバッテリーのプレッシャーにもなる。継続してやっていきたい」試合前のベンチでは岡田監督も「打点王いけるんちゃうか」と期待感をにじませていた。これで7試合連続打点。量産態勢を継続し、一気にタイトル獲得へ駆け上がる。明るい希望を見せながらもチームは1点差で惜敗。首位巨人との差は3・5差に開き、4位DeNAには2差に詰められた。「切り替えて明日の試合に向けて準備して。勝つだけです」。甲子園7連戦の2試合目。聖地を揺らした一撃を次戦は勝利につなげたい。【波部俊之介】森下が3試合連続本塁打。阪神のプロ入り2年目までの選手では、江越大賀(現日本ハム)が16年4月3日DeNA戦から9日広島戦にかけて、4試合続けて以来となった。森下は連続試合打点を7に伸ばした。今季は7月21日広島戦から8月4日DeNA戦にかけて、10試合連続打点を達成。同一年に8試合連続以上打点を2度は、セ・リーグでは86年クロマティ(巨人)が9試合と8試合を1度ずつという例があるが、2リーグ分立後の阪神では初となる。

◆またまた打った。阪神森下翔太外野手(24)が3試合連続となる15号ソロを放った。6回先頭でDeNAジャクソンの甘い変化球を左翼席に運んだ。自身初の3試合連発で7試合連続の打点をマーク。巨人岡本和に次ぐリーグ2位の68打点と打点王のタイトルも照準だ。残り14試合。チームは首位巨人と3・5ゲーム差に広がり4位DeNAも2差に迫る。まさに正念場。背番号1が奇跡の扉をこじ開ける。森下は連続試合打点を7に伸ばした。今季は7月21日広島戦から8月4日DeNA戦にかけて、10試合連続打点を達成。同一年に8試合連続以上打点を2度は、セ・リーグでは86年クロマティ(巨人)が9試合と8試合を1度ずつという例があるが、2リーグ分立後の阪神では初となる。

◆阪神坂本誠志郎捕手(30)がセーフティースクイズを成功させた。1点差に追い上げた6回1死一、三塁、1ボールからDeNA山崎の149キロを一塁側にバントして山崎が処理。「1球しかないので」と三走大山を生還させてセーフティースクイズを1球で決めた。一時は同点となる作戦がはまったが、チームは敗れ「勝てなかったので悔しい」と唇をかんだ。

◆阪神・大竹耕太郎投手(29)が11日、甲子園での試合前練習に参加し、先発予定の12日のDeNA戦(甲子園)に向けてランニングなどで調整した。前回対戦の8月3日(横浜)ではオースティンに2本塁打を許すなど、6回4失点だったが、「そこを意識しても結果はよくならないので、考えないです。レフトへは(打球が)伸びるので、インコースの使い所は考えたい」。甲子園では今季9試合に先発し、5勝1敗、防御率2・02。前回登板の5日の中日戦(甲子園)では自己最多の8奪三振を奪うなど結果を残す。チームはペナントレースの行方を左右する、大事な甲子園7連戦を戦う。「これだけ苦労して、もし優勝できたらそっちの方が価値があると思うし、そういう結末をみんな思い描いている」。自身としても2年連続2桁勝利が懸かる一戦となる。「1位にいて守るよりも、3位から追い上げた方が。マリオカートみたいですよね、(1位で)バナナしか出なかったらきついんで。(3位だと)赤甲羅が出そうです(笑)」昨年とは違い、追う立場の心情を大竹節で例えた。7連戦の3戦目を任された左腕の好投で、チームにより一層の勢いをもたらす。

◆阪神・岡田彰布監督(66)がさすがの眼力で周囲を驚かせた。練習終盤、一塁ベンチ内で報道陣と雑談していると、三塁ベンチから続々と選手が現れた。「あれ、オースティンやんな?」。首位巨人に2・5ゲーム差(試合前まで)と迫っている虎将は記者よりも先に助っ人の存在を確認。オースティンは10日の試合中、ロッカーからベンチに戻る際に天井に頭をぶつけて、七回の守備から退いていた。打率・322、22本塁打と好調なだけに阪神からすればオースティンの状態は勝敗を左右しかねない。厳しい残暑の中でも、チェックに事欠かない岡田監督らしさが表れた。

◆阪神は「6番・左翼」で島田海吏外野手(28)が入った。スタメン出場は8月27日のDeNA戦(横浜)以来。ここまで4打席連続安打中と好調で、10日の同戦では守備から途中出場ながらも、2打数2安打を放った。チームは相手先発のジャクソンと今季6度目の対戦。5試合で1勝1敗、対戦防御率1.53と抑えられている。大事な4位DeNAとの直接対決。伏兵が勝利につながる一打を放つ。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)が初回に手痛い一発を浴びた。1番の桑原を空振り三振に切った右腕。続いて2番に入った牧と対戦した。2球目はカーブでカウント1-1。3球目、フォークがど真ん中に入った。打球は左翼席へ一直線。牧を2番に据えたDeNA打線の前に、先制点を献上した。

◆DeNA・牧秀悟内野手(26)が「2番・二塁」で先発出場し、一回に先制の左越え20号ソロを放った。有藤道世、原辰徳、清原和博、石井浩郎に次いで史上5人目となる1年目から4年連続の20本塁打を成し遂げた。真ん中付近に入った村上のフォークボールを逃さず「自分の形で仕留めることができた」と振り返った。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)が試合を振り出しに戻す右前適時打を放った。牧の20号ソロで1点を先行されて迎えた一回。1死から中野が右前打で出塁すると、森下の二ゴロの間に二進。得点圏で4番大山が打席に向かった。カウント2-1からジャクソンの154キロ直球をはじき返すと、打球は右前にポトリ。チーム全体で苦しむジャクソンだが、大山は試合前の時点で今季の対戦打率・455(11打数5安打)と好相性だった。勝負強い4番は、リーグトップの得点圏打率・365(115打数42安打)に上昇した。

◆12日の阪神戦に先発するDeNA・ケイが試合前にキャッチボールなどで調整し「負けられない試合が続いている。一試合一試合、勝たなければいけないモチベーションで戦っている」と表情を引き締めた。約2カ月ぶりの白星となる6勝目を目指す左腕は、順位争いが熾烈(しれつ)なシーズン佳境の心構えについて「常に平常心でいることが大事」と冷静に語った。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)が勝ち越しを許した。1-1で迎えた三回。先頭の京田に右前打を許すと、ジャクソンは犠打。これを一塁手・大山が二塁へ送球も悪送球。犠打野選で無死一、二塁となった。1番桑原は犠打で1死二、三塁。先制ソロを浴びた牧を打席に迎えた。2球目を痛打されて、左前打。さらに続く佐野の二ゴロで3点目を許し、リードを2点に広げられた。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が止まらない。1-3で迎えた六回先頭。ジャクソンの132キロのチェンジアップをとらえた。打球は左翼席へ。3試合連続の15号ソロで1点差に迫った。「とにかく出塁することを考えて打席に入りました。浮いてきたスライダーを上手く捉えることができました」。森下はこれが今季68打点目。巨人・岡本和に並んでセ・リーグトップに浮上した。

◆阪神がクリーンアップ3連打から同点に追いついた。1-3で迎えた六回。先頭の3番・森下が3試合連続となる15号ソロを放って反撃の口火を切ると、4番・大山が三塁への内野安打、そして5番・佐藤輝が16打席ぶりのヒットとなる左前打。クリーンアップ3連打で1点差としなおも無死一、三塁の好機を作った。DeNAの先発・ジャクソンをマウンドから引きずり下ろし、打席には8月27日以来のスタメン出場を果たした島田。代わった山崎に対してフルカウントから7球目を打ち上げて、遊飛に終わった。1死一、三塁として坂本。カウント1-0から2球目だった。バットを寝かせてセーフティースクイズを敢行。これが一塁側へ見事に決まった。10日の同戦は青柳がセーフティースクイズを成功。連日の奇襲で同点に追いついた。

◆阪神の先発・村上頌樹投手(26)は7回5安打3失点で降板した。一回に牧に20号ソロを浴びると、同点の三回は再び牧に勝ち越し打を許した。それでも四回から六回までは三者凡退で抑えて流れを渡さない。投球でリズムを作ると、六回に味方が同点に追いついた。七回は先頭の宮崎に左前打を許すも、筒香、山本と連続三振。2死一、二塁から代打・戸柱を98キロカーブで二飛に打ち取り、ピンチをしのいだ。七回の攻撃で代打を送られて降板。重要な一戦で試合をまとめた。

◆阪神のハビー・ゲラ投手(28)が痛恨の勝ち越し弾を浴びた。3-3の八回、2番手として登板したが、初球だった。DeNAの1番・桑原に一閃され、打球は高々と舞って左翼スタンドへ。5月26日の巨人戦(甲子園)で岡本和に浴びて以来今季3本目の被本塁打で3-4と勝ち越しを許した。それでも牧、佐野、オースティンは3人で退けてマウンドを降りた。

◆阪神はDeNAとの接戦を落とした。先発の村上は一回、牧に先制ソロを献上。三回にも再び牧の適時打などで2点を加えられた。打線は一回に大山の適時打で同点とし、2点を追う六回には森下の3戦連発となる本塁打と坂本のセーフティースクイズで同点に追いつくも、一度も勝ち越すことはできなかった。八回に登板したゲラが今季3本目の被本塁打となる決勝ソロを桑原に浴び、今季4敗目。首位の巨人が勝利したため、ゲーム差は3・5に広がってしまった。

◆八回、DeNA・桑原将志に本塁打を許す阪神のハビー・ゲラ。接戦を落とし、首位巨人と3・5ゲーム差となった=甲子園球場(撮影・渡辺大樹)

◆DeNAは3―3の八回に桑原がゲラから本塁打を放ち競り勝った。牧は一回の20号ソロなど2打点。救援4投手が六回途中から1安打に封じ、3番手のウィックが5勝目、森原は24セーブ目。阪神は後手に回り、反撃も同点どまり。

◆1回、DeNA・牧秀悟が先制の本塁打を放った=西宮市・甲子園球場(撮影・林俊志)

◆阪神が競り負け。2位広島に逆転勝利を収めた首位巨人とは3・5差に開いた。八回に登板したハビー・ゲラ投手(28)が先頭打者の桑原将志外野手(31)に初球を左翼席に運ばれて、決勝点を献上した。六回、森下翔太外野手(24)の自身初の3戦連発本塁打と1死一、三塁からの坂本誠志郎捕手(30)のセーフティースクイズで追いついたが、ゲラが痛恨の被弾を許した。九回は1死二塁で後続が断たれた。森下は7試合連続安打&打点。トップの巨人・岡本和真内野手(28)も打点を挙げて依然1差。近本光司外野手(29)はノーヒットも最多安打は堅持。21度目の1点差敗戦を喫したチームは「最多貯金8」で4連敗。広島とは0・5差のまま。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=65勝58敗6分、観衆=4万2501人)。ーーゲラは浜風もあったが「引っ張ったけど初球やろ。簡単に真っすぐをお前。真っすぐに強いバッターやからな」ーー真っすぐでもコースを慎重に「コースって、お前、ボールから入ったらええやんか。簡単なことやん」ーー六回にもう少し畳みかけたかった「まあなぁ。最初のバッターでな。まあ、同点に追いついたらな、何とかなるわけやから」ーー近本のゲッツーは驚いた(七回無死一塁で遊ゴロ併殺)「アレ、お前、(ウィックが)変えとったやん。セットをな。それが分からんかったんやん。クイック速かったからな」ーー12以降に目を向けると森下がホームランは「うん、なんで? 粘りを見せるて、勝って行かなアカンねんから、粘ってよく頑張ったなんてないんやから、勝ち負け言うてるやん、そんなもん。何でや、今日一つ負けただけやないか、何でこんなシュンとなるんや」

◆阪神はDeNAとの接戦を落とし、首位巨人との差は3・5ゲームと広がった。先発した村上が一回に牧に先制ソロを浴び、三回にも牧の適時打などで2点を加えられた。打線は2点を追う六回には森下の3戦連発となる本塁打と坂本のセーフティースクイズで追いつくも、一度も勝ち越すことはできなかった。八回に登板したゲラが今季3本目の被本塁打となる決勝ソロを桑原に浴びた。3戦連続本塁打の森下翔太 「ホームランをバコバコ打てるようなバッターだって自分でも思ってない。しっかりミートしたり、センター中心に捉えるようなことだったり、自分の形だったりを意識しながら毎日やっているだけですね」8日のヤクルト戦(神宮)で平凡な飛球を〝ヘディング〟し、落球。六回に左前打を放った佐藤輝明 「初球から打ちにいけたので良かったです」八回に桑原に勝ち越しソロを許したハビー・ゲラ 「悪くなかったんでね。本当、あの一球だけが悔やまれます」痛い黒星を喫したことに大山悠輔 「僕たちはしっかりやるだけなんで。明日しっかりやります」九回を三者凡退に抑えた石井大智 「しっかり粘ってゼロで帰ってきたら1点差はまだね...チャンスはあると思っていた」一回に右前打を放ち、同点劇を演出した中野拓夢 「もう塁に出ることだけを考えていたんで、出られてよかった」三回までに3失点と試合の流れを作れなかった村上頌樹 「三回は粘れなかったので、あそこが響いたのかなと思います」

◆DeNAは3―3の八回に桑原がゲラから本塁打を放ち競り勝った。牧は一回の20号ソロなど2打点。救援4投手が六回途中から1安打に封じ、3番手のウィックが5勝目、森原は24セーブ目。牧のデータは以下のとおり。?DeNA・牧が今季20号。プロ1年目の2021年から4年連続で20本塁打以上(22→24→29→20=計95本)となった。プロ1年目から4年以上続けて20本以上を放ったのは、13年連続の清原和博(1986-98年=西武→巨人)、12年連続の原辰徳(81-92年=巨人)、8年連続の有藤道世(69-76年=ロッテ)、5年連続の石井浩郎(90-94年=近鉄)に次いで5人目。?DeNA(前身を含む)のプロ4年目までの通算本塁打数で、牧の95本は桑田武の94本を抜いて歴代単独2位。最多は村田修一の98本。

◆DeNAは、大和内野手(36)が兵庫・西宮市内の病院で鼻骨骨折と診断されたと発表した。大和は阪神戦(甲子園)前の守備練習でイレギュラーバウンドした打球を顔に受け、グラウンドから引き揚げていた。ベンチ入りメンバーに名を連ねたが、出場機会はなかった。

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(55)は決勝弾を浴びた阪神のハビー・ゲラ投手(28)と7回3失点の村上頌樹投手(26)の〝共通点〟に言及した。敗因は3点しか奪えなかった攻撃にある。ただゲラの被弾には明確な原因がある。それは球種の少なさ。勝利の方程式の一角を担ってきたが、基本は真っすぐとスライダーの2種類しかない。威力があるが、何度も対戦していると、相手にも読まれる。桑原には初球を完全に狙われた。一度、2軍を経験した。その時に、なぜもう1種類、落ちる変化の球を習得しなかったのか。投球の広がりがないから、打者は狙いやすくなるのは当然だ。同じことは先発・村上にも言える。昨年は好投したが、今季も一定のスピード、一定のリズムで投げている。さすがに相手も研究してくる。来季以降の大きな課題だ。ゲラは登板するイニングを固定しなかったツケが回ってきた気もする。相手打者によって、岩崎とゲラの登板順を変えた。作戦ではある。ただ固定されていないため、ゲラが「同点の八回」という出番に対して、心の準備が出来ていたかどうか。同点でやられるケースが目立つは、そのあたりも影響しているのではないか。攻撃面で気になったのは七回。前川が四球を選び、代走・植田。ところが、植田は今季2盗塁。ほとんどスタートを切らない。今シーズン、ずっと首を傾げて、終盤まで来てしまった。この試合でもスタートを切らせていたら、近本の打球で二塁封殺を防げていたかもしれない。足があるのに、もったいない。崖っぷちの状況では目の前の試合を勝っていくしかない。できれば、井上を起用して欲しい。流れを変えるのは本塁打。一発のある井上や原口で活路を見出してもらいたい。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(30)のセーフティースクイズで六回に同点に追いついた。森下の本塁打で1点差とし、大山、佐藤輝の連打で無死一、三塁。1死後、2番手・山崎の2球目を一塁線に転がし、同点の走者を本塁に招き入れた。「1回しかないサインだと思うので(1球で決められて)良かったです」。九回には先頭で遊撃の深い位置への打球を放ち、相手の失策を誘った。それでも「勝てなかったのが悔しいですね」と笑顔はなかった。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)は一回1死から右前打を放ち、大山の同点打につなげた。「塁に出ることだけを考えていたので、出られて良かった」。この日は近本が5打数無安打。中野には塁上に走者がいる状況で打席が回ることはなかった。「そうなったら自分はチャンスメークするだけ。ランナーに出て、まず後ろにつなぐことだけだと思う。そこの意識は変わらない」と2番としての役割を口にした。

◆久々に残した快音は勝利への希望をつなぐ一打となった。六回にHランプを灯した阪神・佐藤輝明内野手(25)はカモメポーズで静かに体を揺らした。「初球から打ちにいけたので良かったです」森下のソロアーチで1点差に迫り、大山は激走の三塁内野安打で出塁。自軍に流れが傾き始めた場面で、佐藤輝もジャクソンの初球をとらえて三遊間を破った。好機を一、三塁に拡大して右腕をKOすると、その後の坂本の投前スクイズによる一時同点を呼び込んだ。あきらめない姿勢を示す攻撃に加わった。2打席目までは2打席連続で空振り三振を喫し、今季ワーストの15打席連続無安打に並んでいたが「早めにタイミングをとって」と修正。8日のヤクルト戦で犯した落球失策後初安打だった。この一打を復調へのきっかけにする。再進撃にはやはり、この男の打棒が必要不可欠だ。

◆阪神・大山悠輔内野手(29)は2安打1打点と4番の役割を果たした。先制された直後の一回2死二塁で、ジャクソンの真ん中154キロ直球をはじき返して右前適時打。先制された直後に同点に追いつき「そこは大きかった」とうなずいた。勝負の甲子園7連戦で連勝とはならなかったが「僕たちはしっかりやるだけなので、あしたしっかりやります」と気合を入れた。

◆2番手で登板した阪神のハビー・ゲラ投手(28)が八回に痛恨の一発を浴びた。先頭の桑原への初球156キロを左翼スタンドぎりぎりに運ばれ決勝点を献上。「(投球は)悪くなかった。本当、あの一球だけが悔やまれる」とうつむいた。ここまで50試合に登板し、防御率1・84とセットアッパーとして勝利に貢献してきた。悔しさを胸に、残り14試合で結果を残し続ける。

◆魂の3戦連発! 阪神はDeNAに3-4で競り負け、広島に逆転勝利をおさめた首位巨人とのゲーム差が「3・5」に開いた。最短で13日にも巨人に優勝へのマジックナンバー「12」が点灯するが、2点を追う六回に自身初の3戦連発となる15号ソロを放った森下翔太外野手(24)の闘志は燃えたぎっている。7試合連続打点もマーク。逆転Vだけを目指して打ち続ける。また森下が、人さし指を高々と掲げてダイヤモンドを一周した。もう誰にも止められない。驚がくの3戦連発に甲子園がどよめく。少しの静寂を挟み、ハッとしたかのように大歓声が背番号1の一打をたたえた。「あの場面でなんとか先頭で(塁に)出ることだけを目標にした結果、最高の結果で自分だけで1点取れた。あそこで1点追いついたのはよかったかなと思います」ビハインドの空気も、ひと振りで変える力がある。1―3の六回。打ちあぐねていた先発・ジャクソンを引きずり下ろす口火打となった。初球の変化球を仕留めると、160キロの速度で放たれた打球は左翼席へ一直線。15号ソロをたたき込み、プロ初の3試合連続本塁打を記録した。「ホームランをバコバコ打てるようなバッターだとは、自分でも思ってない」と話すが、数字を見ればチームトップの15本。シーズン前にしたためた目標の20本塁打も、手が届きそうな位置に見えてきた。この一発で今季68打点に。岡本和(巨人)が広島戦の九回に適時打を放つまでの約1時間、セ・打点トップタイに立っていた。直近7試合連続で打点を挙げ、計9打点を稼いでの猛追。一度とらえた背中は逃さない。

◆痛すぎる一敗が虎を襲った。まさかの併殺、あっけない1球。取れそうで取れなかった勝利のダメージは大きい。それでも、阪神・岡田彰布監督(66)は冷静だった。「きょう(11日)、一つ負けただけやないか」2度も追いつき、終盤の流れは阪神にあった。1-3で迎えた六回は先頭森下の15号ソロで1点差。さらに連打で1死一、三塁の好機を作ると坂本がセーフティースクイズを成功。10日と同じく2夜連続の〝奇襲〟で試合を振り出しに戻した。ベンチからサインを送り、打てる策を打つ。勝利への最善策を示し続けた。「まあ、同点に追いついたらな、何とかなるわけやから」甲子園の虎党も終盤での勝ち越しを信じてやまなかった。しかし、少しだけズレた歯車が流れを変えた。七回、ウィックから先頭の代打・前川が四球を奪う。当然のごとく代走・植田が送られる。打席には1番の近本。結末はまさかの遊ゴロ併殺だった。「(ウィックが)変えとったやん。セット(ポジションでの投げ方)をな。それ(タイミング)が分からんかったんやん。クイック速かったからな」。ウィックとの対戦は8月27日以来。あのとき2四球1安打で1死も奪えず、怒りの表情の三浦監督から降板させられた助っ人は変わっていた。近本はタイミングが合わず。植田もスタートが切れなかった。しぼんだ勝利への機運は、直後に最悪の結末へと変わる。3-3で迎えた八回、ゲラが初球156キロ直球を桑原にはじき返された。うなだれる助っ人。あまりにもあっけない敗戦のハイライトだった。「簡単に真っすぐをお前。(打った桑原は)真っすぐに強いバッターやからな。ボールから入ったらええやんか。簡単なことやん」。初球の入り-。今季、将が事あるごとにバッテリーに言い続けてきたことだった。「勝っていかなアカンねんから。『粘ってよく頑張った』なんてないんやから。勝ち負け(だけだと)言うてるやん、そんなもん」残り14試合。悠長に構える暇はない。広島に連勝した首位巨人とのゲーム差は「3・5」に広がった。確かにこの敗戦は痛い。それでも、ただの〝1敗〟と切り替え、前に進んでいくしかない。(原田遼太郎)

◆先発した阪神・村上は7回3失点も序盤の失点を悔やんだ。一回に牧に先制本塁打を許し、三回にも2点を失ったが、その後は無失点。それでも「三回は粘れなかったので、あそこが響いた。(試合を)落とせないところで勝てなかったので、仕事はできていない」と唇をかんだ。「もうきょうは終わったので、またあしたからチームが勝てるように応援したい」と前を向いた。

◆3-4の九回に3番手で登板した阪神・石井は2三振を奪い、無失点。先頭の宮崎を中飛に打ち取り、筒香、山本は2者連続三振に斬った。「しっかり粘ってゼロで帰ってきたら1点差はまだチャンスがあると思っていた」。逆転勝利にはつながらなかったが、本来の投球が光った。「結果的に3人でゼロで終わったのがすごく良かったので、またあしたも準備して頑張りたい」。8試合連続無失点とした右腕が、勝負の9月にフル回転する。

◆セ・リーグ4位のDeNAは11日、阪神20回戦(甲子園)に4-3で競り勝ち、3位阪神とのゲーム差を2に縮めた。2番に入った牧秀悟内野手(26)が、一回に先制の左越え20号ソロ。原辰徳、清原和博らに次いで史上5人目となるプロ1年目から4年連続の20本塁打を成し遂げた。前夜に大敗を喫し、漂っていた重苦しい空気を拭い去った。ベイスターズファンの歓声が、束になった虎党のため息をかき消した。約1カ月ぶりに2番で打線に名を連ねた牧が、一回に左翼席へ先制の20号ソロをたたきこみ、勝利への道筋をつけた。有藤道世、原辰徳、清原和博、石井浩郎。そうそうたる面々に次いで史上5人目となるプロ1年目から4年連続の20本塁打。真ん中に入った村上のフォークボールを完璧に仕留め「偉大な方と肩を並べることができた。長いプロ野球の(歴史の)中で記録として残るのはすごくうれしい」と声を弾ませた。快音は止まらない。三回1死二、三塁では外寄りの変化球を引っ張り、前進守備を敷いた三遊間を破る適時打。「状態がいい。打席が回るように」と2番に据えた三浦監督は「勢いをつけてくれた。昨日の今日でしたから」とたたえた。3位阪神との3連戦の2戦目。前夜は先発したエースの東が六回途中5失点と珍しく崩れ、大敗を喫した。嫌な空気を払拭し、ナインを勇気づけたのが、主将のバットだった。同点の八回には、約1カ月ぶりに1番に入った桑原が左翼席へ決勝の4号ソロ。1、2番コンビの活躍で接戦をものにした。4位のチームはここ10試合で8勝2敗と大きく勝ち越している。阪神とは2ゲーム差に再接近し、2位広島との差も2・5ゲームに縮まった。牧は「先を見ることなく、目の前の試合を戦っている。今日は1点差を守り切って勝てた。明日も負けられない」と闘志をたぎらせた。(鈴木智紘)

◆う~ん、俺と岡田はんの野球はやっぱり違うのかなぁ...。絶対に負けられないこの試合。六回に森下の一発で1点差に詰め寄り、なお1死一、三塁のチャンスから坂本のスクイズで同点(その前に佐藤輝の左前打で一塁から三塁を陥れた大山。4番でも走る姿にプロを見ましたー!!)。そこまでは岡田はんと俺の考えは一緒だった(と思う)。だけど、大きな違いが出たのは3-3の七回無死一塁。近本にそのまま打たせるのが俺には分からーん!? 結果の遊ゴロゲッツーを責めるのではない。シーズン後半、2番中野に送りバントを徹底したところから猛虎が蘇ったんとちゃうんかい!!よってあの場面、近本が送りバントをやらない選手なのは虎党も承知しているけど、それをあえてやらせる(大事な場面に備えて試合前に練習させておく)。小心者の俺ならハッキリ言いますけど...。間違いかなぁ?ただ、それは結果が裏目に出ただけのことで...。残り14試合、俺の臆病采配を笑い飛ばす豪快な岡田采配でアレンパをしてくれた方が、気分はサイコーなんやでー!!

◆一回表。オースティンの打球が三塁前へ。「うぉぉぉぉぉ」甲子園に観衆の声が大音量で渦巻く。「かわいそうです」ルーキー記者・萩原翔が記者席で憤慨していた。佐藤輝がヘディング落球して以降、三塁方向へ打球が飛ぶと、球場は異様な空気に包まれる。捕ってくれよ! でも、また失策するんじゃないだろうな? そんな音響効果だ。選手に優しい最近のプロ野球界では超レアな光景。決して温かくはない。でも、これって久々に現れた「守備でも目が離せない」規格外スターの証明だと思っている。1997年8月1日の甲子園。センター方向への打球をノーバウンドで顔面にぶつけて落球した選手がいた。現日本ハム監督・新庄剛志。ほおにはボールの縫い目がクッキリ。約5センチはあったか。血がにじんだ縫い目の傷を持つ男?!「脳に来た! カッコ悪い」そう言いながら、お立ち台に立っていた。〝ヘディング〟しても3安打を放っていたから。当時、センター周辺に打球が飛ぶと、スタンドがわいた。新庄のスーパープレーが見られるから。打っても、守っても、華があった。令和の時代、佐藤輝には、その匂いがするのだ。この日の甲子園で、イニングの合間にビジョンに映し出された「選手クイズ」。サッカーが得意な選手は誰?「正解は、佐藤輝明でした」本人が答えを発表していた。一部の観衆が苦笑い。だからヘディングしたんかいな...と。このタイミングで、このクイズが登場するところが、佐藤輝の類まれなるスター性を物語っている。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
67536 0.558
(↑0.003)
-
(-)
17389
(+9)
342
(+2)
69
(-)
51
(-)
0.243
(-)
2.540
(-)
2
(-)
広島
63555 0.534
(↓0.004)
3
(↓1)
20360
(+2)
331
(+9)
49
(-)
53
(+1)
0.236
(↓0.001)
2.400
(↓0.05)
3
(-)
阪神
65586 0.528
(↓0.005)
3.5
(↓1)
14434
(+3)
376
(+4)
61
(+1)
34
(-)
0.241
(-)
2.450
(↓0.01)
4
(-)
DeNA
62592 0.512
(↑0.004)
5.5
(-)
20450
(+4)
426
(+3)
90
(+2)
55
(-)
0.255
(↓0.001)
3.020
(-)
5
(-)
中日
53678 0.442
(↓0.003)
14
(↓1)
15329
(+1)
414
(+8)
58
(-)
35
(-)
0.240
(-)
2.850
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
51704 0.421
(↑0.004)
16.5
(-)
18427
(+8)
494
(+1)
85
(+2)
56
(-)
0.237
(↑0.001)
3.720
(↑0.03)