日本ハム(☆1対0★)西武 =リーグ戦21回戦(2024.09.10)・エスコンフィールド北海道=
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西武
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日本ハム
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勝利投手:伊藤 大海(12勝4敗0S)
敗戦投手:ボー・タカハシ(2勝8敗0S)
  DAZN
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◆日本ハムがサヨナラ勝利。日本ハムは両軍無得点で迎えた9回裏、2死三塁の好機で水野の適時打が飛び出し、試合を決めた。投げては、先発・伊藤が9回無失点10奪三振の快投。完封で今季12勝目をマークした。敗れた西武は、打線が4安打無得点と沈黙した。

◆日本ハム伊藤大海は本拠地のエスコンフィールドで昨季1勝7敗の負け越しだったが、今季は7勝1敗と勝敗が一転。日本ハムの投手が同一球場でシーズン8勝以上すると、15年に札幌ドームで8勝を挙げた大谷以来になる。札幌ドームでは他に07~09年にダルビッシュが各8勝しており、04年の北海道移転後では本拠地球場でのシーズン最多勝利に並ぶ。今季は2勝0敗と負けがない西武を相手に、本拠地8勝目を狙う。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が全体練習前に、早出で走塁練習を行った。森本外野守備走塁コーチの指導の下、走者を二塁に置き右翼へのノックで、清宮は打席近くからスタート。一塁コーチに入る代田走塁コーチの指示や、右翼手の返球を見ながら、一塁を蹴ったところで状況判断する動きを繰り返した。右翼からの返球は、直接本塁へ投げるパターン、カットマンに中継する形など、実戦を想定した。8日のオリックス戦(エスコンフィールド)の9回1死二、三塁、清宮は右前へ同点の右前適時打を放つも、一塁をオーバーランしたところで、右翼からの返球を一塁手がカットし一、二塁間に挟まれアウトになっていた。試合後は「僕が悪いっす...僕が悪いっす。せっかくのチームの流れを止めてしまった」と、猛省していた経緯があった。練習後は「確認です。普通にやればできるプレーなんで。あの場面は(二塁へ)行かないのが正解」。走塁チェックを終えた後は、選手会長の松本剛外野手(31)からアドバイスを受けるシーンもあった。清宮は「『走塁と守備は目立とうとするな。ちょっとでもいい走塁をしよう、目立とうとすると、いいことはない。俺も他の選手に言われたことがある。守備と走塁は目立つな。バッティングで目立て。落ち着いてやればうまくなる』と。気持ちの整理ができました」と話した。

◆5日に出場選手登録を抹消された日本ハム山崎福也投手(32)が試合前にブルペン入りした。打撃練習前の水野と田宮も打席に立つ中で球数は90球。今回の抹消期間中に意識しているのは「一番は真っすぐの質。そこを自分なりに良くしたいところがあったんで、それをいい感じにやっています」と明かした。ブルペン投球を視察した新庄剛志監督(52)からはアドバイスも受けた。「今日はチェンジアップの腕の振りをもう少し強くというか『速くできる?』みたいな感じのアドバイスをもらいました。シンプルにチェンジアップ(の変化)が鋭くなった感じはありましたね」と手応えを感じていた。最短で戦列に戻れるのは15日楽天戦(楽天モバイルパーク)から。「この時期に来て、チームもいい順位にいるんでね、自分だけリフレッシュというか何というか...(チームの雰囲気から)外れてはいけないんで。しっかりとチームの試合を見ながら、いろんなことを感じながら今は生活していますね」。シーズン最終盤、そしてポストシーズンでフル回転するための準備を着々と整えている。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)が粋な計らいを見せた。西武野村大樹内野手は、この日が24歳の誕生日で、2回先頭で打席に入ると西武ファンからバースデーソングが流れた。伊藤は1度、プレートを外し、間を置いて、歌が歌い終わるまで、投球を始めなかった。この優しい対応に、野村大もヘルメットのつばを触って感謝。スタンドからは日本ハム、西武ファンから自然と拍手が沸き起こった。SNS上では「プレートを外す伊藤大海すてき」「伊藤大海さんくす」「ファイターズファンもお誕生日おめでとうする、なんて和やかなんだ」と、伊藤の気遣いをたたえる声が相次いだ。伊藤は、4月12日オリックス戦(京セラドーム大阪)でも、28歳の誕生日だった中川圭太外野手の打席で、バースデーソングが流れると、少しだけ投球を待ったことがあり、一部ファンの間では"気遣いエース"として、認知されている。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が17試合連続安打を放った。0-0の4回1死、西武高橋から左前打を放った。次打者レイエスの打席では今季初、自身通算9個目の盗塁も決めた。この日は全体練習前に早出で走塁練習。8日のオリックス戦(エスコンフィールド)の9回1死二、三塁、清宮は右前へ同点の右前適時打を放つも、一塁をオーバーランしたところで、右翼からの返球を一塁手がカットし一、二塁間に挟まれアウトになっていた。試合後は「僕が悪いっす...僕が悪いっす。せっかくのチームの流れを止めてしまった」と、猛省した経緯があった。早出走塁練習では、森本外野守備走塁コーチの指導の下、走者を二塁に置き右翼へのノックで、清宮は打席近くからスタート。一塁コーチに入る代田走塁コーチの指示や、右翼手の返球を見ながら、一塁を蹴ったところで状況判断する動きを繰り返した。右翼からの返球は、直接本塁へ投げるパターン、カットマンに中継する形など、実戦を想定し再確認していた。

◆西武高橋光成投手(27)が、5回終了後にマウンドを譲った。変化球を主体に丁寧にコースを突いてアウトを重ね、5回無失点、被安打はわずかに3だった。2回先頭のレイエス、石井に連打を浴びて無死一、二塁。6番奈良間がバント失敗で1死一、二塁とし、7番万波を5-4-3の併殺に仕留めてピンチを脱した。5回までに66球と省エネ投球を見せていたが、6回から2番手甲斐野に代わった。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)がアクシデントで自己最遅に迫る「56キロ」のボールを投げた。7回2死、西武岸に対しての3球目。前へ踏み出そうとした左足のスパイクの歯がマウンドに引っかかり、バランスを崩した。それでもなんとか投球。ボール球となったが、球速は「56キロ」と表示された。それでも自己最遅ではない。昨年8月5日ソフトバンク戦(エスコンフィールド)の3回に中村晃に対して、ゆったりと投げた意図的な超遅球は「53キロ」を計測。また、22年のオールスターでは計測不能の超スローカーブも投じている。今回は意図的ではなかったが、それらに迫る遅い球速となった。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)が頭脳的な守備でピンチを乗り越えた。0-0の8回1死一塁、西武柘植の投前への小飛球を、あえてダイレクトキャッチせず、ワンバウンドさせて一塁に送球。打者走者の柘植をアウトにした後、打者がアウトになったことで、一塁に戻ろうとした一塁走者の滝沢に一塁手の郡司がタッチして、ダブルプレーが成立した。このプレーにSNS上では「かなりクレバー」とのコメントが入った。伊藤は2回にこの日が24歳の誕生日だった西武野村大樹内野手の打席で、西武ファンからバースデーソングが流れた。伊藤は1度、プレートを外し、間を置いて、歌が歌い終わるまで、投球を始めなかった。この優しい対応に、SNS上では「プレートを外す伊藤大海すてき」「伊藤大海さんくす」「ファイターズファンもお誕生日おめでとうする、なんて和やかなんだ」と、伊藤の気遣いをたたえる声が相次いだ。7回2死ではバランスを崩して投じたボールが「56キロ」と表示されるなど、話題をつくりつづけている。

◆西武が日本ハムにサヨナラ負けし、今季125試合目で最下位が確定した。投手戦を繰り広げたが、最後に力尽きた。松井稼頭央監督(48)の就任2年目となった今季は開幕直後の3カードこそ6勝3敗と快調なスタートを切ったものの、そこから7連敗。黒星がかさみ球団史上最速の39試合目で自力Vが消滅した。就任2年目だった松井監督の休養を受け、交流戦からは渡辺久信GM(59)が監督代行を兼任していた。立て直しを狙ったが状況は変わらず、8月30日の日本ハム戦に敗れたことで今季117試合目で3位以下が確定し、CS進出の可能性が完全消滅していた。125試合を終えて、40勝83敗2分けで借金は43となった。西武が18試合を残して最下位が確定した。西武の最下位は21年以来3年ぶり8度目。18試合以上を残しての最下位確定は、創設1年目の05年楽天(残り18試合)以来19年ぶり。西武では西鉄時代の72年に残り13試合で決まったたことがあったが、それを上回る球団最速での最下位確定となってしまった。

◆日本ハムがサヨナラ勝ちで、貯金を再び15に戻した。0-0の9回2死三塁、途中出場の水野達稀内野手(24)が、サヨナラの右前打を放った。先発の伊藤大海投手(27)が9回114球の4安打完封で、リーグトップの12勝目を挙げた。単独トップにいる勝率も7割5分に上げ、最高勝率受賞の条件となる13勝に王手をかけた。また、本拠地エスコンフィールドでは今季8勝目。04年の北海道移転後、07~09年ダルビッシュに並ぶ球団の同一球場(ダルビッシュは札幌ドーム)最多勝に並んだ。日本ハム伊藤がスコア1-0で完封勝利。チームのサヨナラ勝ちで1-0完封は、23年5月9日に大関(ソフトバンク)が日本ハム戦で記録して以来。日本ハムでは95年4月27日近鉄戦(東京ドーム)で田中幸雄のサヨナラ本塁打によりグロスが完封して以来、球団29年ぶり。

◆自ら交代を申し出た日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)は、負傷ではなかった。7回先頭で右前打を放ったが、一塁上からベンチに何やら呼びかけ、トレーナーを付き添わせながら、引き上げた。その後、代走五十幡がコールされ、交代となった。SNS上では「足痛そうにしてたな」「足やってるっぽいね」とざわついたが、問題はなかった。この一連の流れについて新庄剛志監督(52)はケガではないと説明した。「レイエス本人も、この状況で僕がランナーより五十幡君がランナーの方がいいよっていうような感じは受けました。アクシデントかなとは思ったんだけど、そうではなさそうだった。そういう気持ちはうれしいですけど、今後はボスの指示に従ってほしい。いいピッチャーが続くので、点数が入りづらいから、あとのピッチャーでまだ回ってくるから」。指揮官としては好調な打棒を期待して、まだ代える気はなかったようだが、レイエスのチーム思う気持ちが、ベンチを動かした模様。試合後のレイエスは「ケガ? ゼンゼンダイジョーブ。マタアシタ」と元気だった。

◆サヨナラ勝利が決まった瞬間、日本ハム伊藤大海投手(27)の今季3度目の完封勝利も確定した。「今年一番よかった」。球威抜群の直球、速く鋭く落ちるスプリットに「最近投げ始めたスラッターが今日は操れていた」。9回まで無失点で投げ切ると、新庄監督から「もう1イニング行くけど、握力大丈夫?」と確認されて「全然大丈夫です」と即答。延長に備えていたベンチ裏で水野の劇的一打に歓喜した。新庄監督もエースに託した試合だった。「今日はどうしても(伊藤に)12勝目を付けたかった」と最後まで投げさせる気だった。「今日うれしかったのは(3回に)伊藤君が野村君の時にハッピーバースデー(の曲)が流れた時にプレートを外して終わるまで待っていた。相手をリスペクトしてやれる。そういうチームになった」。ハーラー単独トップに立った右腕が見せた心の余裕は、チームの成長ぶりそのもの。また1歩、CS進出へ近づいた。日本ハム伊藤がスコア1-0で完封勝利。チームのサヨナラ勝ちで1-0完封は、23年5月9日に大関(ソフトバンク)が日本ハム戦で記録して以来。日本ハムでは95年4月27日近鉄戦(東京ドーム)で田中幸雄のサヨナラ本塁打によりグロスが完封して以来、球団29年ぶり。▽日本ハム水野(途中出場で今季2度目のサヨナラ打)「今日は(伊藤)大海さんに勝ちを付けたいっていうのが一番でした」

◆西武が日本ハムにサヨナラ負けし、今季125試合目で最下位が確定した。投手戦を繰り広げたが、最後に力尽きた。渡辺久信GM兼監督代行(59)は「こんだけ負けてりゃ、当然そういう風な時期は来るかなっていうとこだと思う」。9回に決勝打を許したボーについては「ちょっと隙が多すぎる。ここんとこの試合ではいろんな面で」と怒りが収まらなかった。打っては相手エースの伊藤の前に4安打無得点。1回1死から源田の三塁線への三塁打で先制のチャンスが訪れるも、西川、佐藤龍と連続三振。0-0の8回1死で野村大が左前打を放ち俊足の滝沢を代走に送るも、柘植が痛恨のバント失敗で併殺に倒れた。指揮官は「初回のチャンスで点が取れなかった。ランナーを出しても、その後(伊藤が)ギアを上げられた時に、どうにもなんない感じ。終盤もやっと出たランナーはバントで失敗するし。すごく悪循環な感じ」と拙攻を嘆いた。松井監督の就任2年目となった今季は序盤から黒星がかさみ、球団史上最速の39試合目で自力Vが消滅。同監督の休養を受け、交流戦からは渡辺GMが監督代行を兼任するも状況は変わらなかった。8月30日の日本ハム戦に敗れたことでCS進出の可能性が完全消滅し、この日の敗戦で3年ぶりの最下位が確定。残り18試合に向け、指揮官は「うちの順位は決まったけど、今は若い選手もずっと出てるので。野手だったら1打席1打席を意味のある打席にしてほしいと思うし、ピッチャーも1球1球をやっぱり集中して、打たれたとしても悔いが残らないようなボールを放ってほしい」と奮起を促した。【平山連】西武が18試合を残して最下位が確定した。西武の最下位は21年以来3年ぶり8度目。18試合以上を残しての最下位確定は、創設1年目の05年楽天(残り18試合)以来19年ぶり。西武では西鉄時代の72年に残り13試合で決まったたことがあったが、それを上回る球団最速での最下位確定となってしまった。

◆日本ハムがサヨナラ勝ちで、貯金を再び15に戻した。0-0の9回2死三塁、途中出場の水野達稀内野手(24)が、サヨナラの右前打。先発の伊藤大海投手(27)は9回114球を投げ4安打完封で、リーグトップの12勝目を挙げた。日本ハム新庄剛志監督(52)は、リーグ単独トップの12勝を挙げた伊藤と"アイコンタクト"していた。新庄監督 今日はどうしても(伊藤に)12勝をつけたかったんで、12回も行かせるつもりで、150球でも、そういう気持ちでいましたけどね。握力だけちょっと心配だったんで。でも「握力がちょっと」とは言わないでしょう。12回行ってもらうつもりで。伊藤自身がにやっと、笑ったようにも見えたが「僕の気持ちが伝わったんじゃないですか? もう目と目で会話できるので」と振り返った。その上で終盤まで衰えない体力に感服。新庄監督 だって9回の時点で151キロ。初回と変わらないスピード? 投げるコツっていうのが本人わかってると思うんで。マウンドさばきというか落ち着きようが安心して見ていられたので。初回がでかかったですね。源田君の三塁打の後。あの0点は大きかったですね。8回1死一塁、西武柘植の投前への小飛球を、伊藤はあえてダイレクトキャッチせず、ワンバウンドで一塁に送球。打者走者の柘植をアウトにした後、一塁に戻ろうとした滝沢に一塁カバーに入った石井がタッチして、ダブルプレーが成立した。新庄監督 まあ、彼くらいのレベルになればああいう余裕もあるだろうしね。まあうちのバント...あそこは決めてほしかったですね。まあ、でもアレがあったからサヨナラにつながったっていう。プラスに考えて。ファンを思う伊藤の"気遣い"も、うれしかった。西武野村大が、この日が24歳の誕生日を迎えた。3回先頭で打席に入ると西武ファンからバースデーソングが流れた。伊藤は1度、プレートを外し、間を置いて、歌が歌い終わるまで投球を始めなかった。この優しい対応に、野村大もヘルメットのつばを触って感謝。スタンドからは日本ハム、西武ファンから自然と拍手が沸き起こった。SNS上には「プレートを外す伊藤大海すてき」「伊藤大海さんくす」「ファイターズファンもお誕生日おめでとうする、なんて和やかなんだ」と、伊藤の気遣いをたたえる声が相次いだ。新庄監督 今日うれしかったのは、伊藤君が野村君の時にハッピーバースデーの音楽が流れて、プレートを外して、終わるまで待っていたっていう。そういうファンサービスというか、相手をリスペクトしながらやれるチームになったってことにジーンとしましたね。9回サヨナラの場面では、水野が下を向いてガッツポーズしていたが、右翼からの送球が近づいており、あわやの走塁になった。新庄監督 水野君ね。結構、彼は(ミスが)あるんでね(笑い)。ホームラン確信してツーベースとかあるんで、気持ちは分かりますけどね。抜けて行った時点で。7回に右前打で出塁したレイエスに代走を出した状況についても、丁寧に説明した。新庄監督 ケガじゃないんじゃないかな。レイエス本人もこの状況で『僕がランナーより五十幡君がランナーの方がいいよ』っていう状況に見えましたけどね。(トレーナーが付き添ったため)オレもそっち(ケガ)かなとは思ったんだけど、そうでもなさそうだなと。その気持ちはうれしいんですけど、今後はボスの指示に従ってもらって。もう1回、いいピッチャーが続くんで、点数が入りづらいので、まだ(打席が)回ってくるから。でもね、そういう気持ちはうれしい。(代走の五十幡は)その前に用意はさせてませたけど。6回くらいからみんなには準備させているから。すぐ出られるように。試合前にはレイエスの月間MVPも発表された。新庄監督 いや、月間MVPクラスではないでしょう。月間MVPってそんなにうれしいかな。もっともっと、高いレベルでタイトルを取れる選手ですから。試合中には験担ぎ? の「幸運球」をベンチで投げ上げるシーンも見られた。新庄監督 もうそろそろ、グッズ販売するんじゃないですか? 不思議ですよね。これ。ははは。入るわ、点数。いつか途切れるけど。途切れてもね、確率の問題でちょっと。現は担がないタイプだが、独特の言い回しで"効果"を説明した。新庄監督 (験を)担いではいないんですけど、続いているんだったら...。(「幸運球」を持たなくても)選手に力がついているから、これに頼らなくても勝ってます。

◆日本ハム伊藤大海投手(27)が、ハーラー単独トップに立つ12勝目を今季3度目の完封勝利で挙げた。立ち上がりから全力も9回まで球威は落ちず、114球を投げて10奪三振。最後は水野達稀内野手(24)がサヨナラ打を放ってエースの熱投に応えた。伊藤は昨季1勝7敗だった本拠地エスコンフィールドで、今季は8勝目。球団では15年大谷翔平(30=現ドジャース)に並ぶ同一球場8勝以上をマークし、チームの貯金も今季最多タイの「15」となった。伊藤は試合前から周囲に宣言していた。伊藤 今日、ほんとウソじゃなくて、結構いろんな人に「今日、もしかしたらいけるかもしんないです」みたいに言っていたんですよ。体の状態、すごく良くて。トレーナーさんとかにも言っていたんで、有言実行できて良かったです。初回から飛ばした。不運な打球で1死三塁とピンチを背負うも連続三振で無失点。「ペース配分はなかったですね。もう全力で」と9回にも151キロをマークした直球は最後まで威力十分。登板間に修正したスプリットも140キロ台中盤を計測し、さらにスラッターで西武打線を幻惑した。伊藤 カットより遅くてスラよりちょっと速い。スライダーやスプリット系をケアしているバッターに対して、ちょっとスピードもあって曲がりすぎず、真っすぐに近いような軌道なので、どっちも生きてくる。心の余裕もあった。3回に、この日が誕生日の野村大を打席に迎えた際はあえてプレートを外し、ハッピーバースデーの曲が終わるのを待った。いつも相手打線に誕生日の選手がいるか確認しているという右腕は「1年に1回の日なんで。その中で投げたら、なんか失礼だなっていうのはすごくある」と配慮した。8回のバント処理では一塁を守る郡司の「落とせ」という声を聞いて、小飛球をあえて落として併殺に仕留めた。「初めてやりました、野球人生で(笑い)。裕也のファインプレー」と郡司に感謝したが、とっさのプレーにも冷静に対応して見せた。昨季は1勝7敗と苦しんだエスコンフィールドで今季8勝目だ。伊藤 そうっすね...めっちゃ、うれしいです!昨オフの自主トレで本拠地を拠点としたのも、ホームで勝ちたかったから。「今日は、こっちから支配的なピッチングができた」。シーズンに入っても試行錯誤しながらレベルアップするエースは、あこがれのダルビッシュのような相手を圧倒する内容に笑顔。心技体がそろった今季一番の投球で、CS進出を目指すチームのラストスパートを加速させた。【木下大輔】▽日本ハム伏見(伊藤を好リード)「まっすぐも変化球も良かった。スライダー2種類、両方とも良かった。序盤から最後まで勢いも結構、ありました」▽日本ハム郡司(8回1死一塁の守備で犠打の小飛球を処理しようとした伊藤に「落とせ」と声がけ)「まあまあ(本職は)キャッチャーですからね、一応(笑い)。大海も冷静でしたね」○...清宮が自身の記録を更新する17試合連続安打を放った。4回1死で左前打を放ち、次打者レイエスの打席で今季初となる通算9個目の盗塁も決めた。8日のオリックス戦(エスコンフィールド)は9回1死二、三塁で右前へ同点の右前適時打を放った直後に走塁ミス。この日は全体練習前に早出で走塁練習もこなした。2試合ぶり勝利に「みんなで勝ち取った勝利。これからもできることをしっかり積み重ねて行ければ」と次戦を見据えた。

◆日本ハム水野達稀内野手(24)が"パパ初サヨナラ打"を放った。途中出場で、この日最初の打席となった9回2死三塁の場面で試合を決める右前適時打。「真っすぐを空振りしないようにだけ考えて、最後は片手で(スプリットを)拾った」。7日には第1子となる長男誕生を発表したばかり。12日に予定する初対面を前に放ったサヨナラ打は「うれしいですね。責任感もだいぶ感じます」と笑顔だった。

◆日本ハムが0―0の九回2死三塁から水野の適時打でサヨナラ勝ちした。伊藤は球威ある速球を軸に4安打10奪三振で投げ切り、今季3度目の完封でリーグ単独トップの12勝目を挙げた。西武は3年ぶりの最下位が決まった。

◆日本ハムが0―0の九回2死三塁から水野の適時打でサヨナラ勝ちした。伊藤は球威ある速球を軸に4安打10奪三振で投げ切り、今季3度目の完封でリーグ単独トップの12勝目を挙げた。日本ハムのスコア1-0でのサヨナラ勝ちは2021年10月26日の西武戦(九回=松本剛の四球)以来3年ぶり。先発の伊藤が完封勝利。日本ハムの投手がスコア1-0でのサヨナラ勝ちで完封したのは、1995年4月27日のグロス(十回=田中幸雄の本塁打、対近鉄)以来29年ぶり。日本投手では92年8月30日の武田一浩(十二回=中島輝士の本塁打、対ダイエー)以来32年ぶり。

◆エースの風格だ。日本ハム・伊藤大海投手(27)が自己最多となるシーズン3度目の完封勝利で、最多勝争いでリーグ単独トップとなる12勝目を挙げた。「今年一番良かった。こっちから支配的にピッチングができたし、自分でも納得できる内容」0-0の九回2死で、この日の114球目。西川を150キロの直球で三振に仕留めた。10三振全てを空振りで奪った。効果絶大だったのは新球「スラッター」だった。夏場からブルペンで試投し、最近になって実戦で投げ始めたばかり。スライダーやスプリット系をケアしてくる打者に対して、「カットボールより(球速が)遅くて、スライダーより速い。曲がりすぎず真っすぐに近い軌道なので、どっちにも生きてくる」と解説。10以上の球種を操る右腕がまたも新たな武器を手に入れた。マウンドでの振る舞いも〝最高〟だった。三回先頭でこの日に24歳の誕生日を迎えた野村大を迎えると、「一年に一回の日なので、その中で投げたら失礼」と、スタンドの西武ファンからの?ハッピーバースデー?が終わるまでプレートを外した。この姿に、新庄監督は「相手選手をリスペクトしながら試合をやれるチームになったんだなとジーンとした」と目尻を下げた。これで勝率・750。勝率第1位のタイトルに必要なシーズン13勝以上にも王手を懸け、日本ハムでは2015年の大谷翔平(ドジャース)以来となる投手2冠も見えてきた。(東山貴実)

◆日本ハムは今季8度目のサヨナラ勝利。九回2死三塁から一、二塁間を破る劇打を放った水野は「大海さんに勝ちを付けたい一心だった。抜かれながらも、片手だけで拾った感じ」と振り返った。今月上旬に夫人が千葉県内の病院で第1子となる長男を出産。「まだ会っていないので、写真と動画だけ。でも、かわいいですね。明後日、(東京に)帰れるので」と、愛息との初対面を心待ちにしていた。

◆サヨナラ負けの西武は3年ぶりのシーズン最下位が確定した。一回1死から源田が三塁打を放っても西川と佐藤龍が三振。伊藤を勢いづかせてしまい、渡辺監督代行は「チャンスで点が取れなかった」と勝敗の分かれ目を残念がった。先発高橋からゼロでつないだが、九回に5番手のボーが痛打された。今季は残り18試合。監督代行は「モチベーションを持ってやってほしい」と求めた。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
76453 0.628
(↑0.003)
M12
(↑1)
19517
(+4)
346
(+1)
102
(+1)
81
(-)
0.254
(↓0.001)
2.590
(↑0.01)
2
(-)
日本ハム
66518 0.564
(↑0.004)
8
(-)
18480
(+1)
423
(-)
93
(-)
79
(+2)
0.248
(↓0.001)
2.910
(↑0.02)
3
(-)
ロッテ
63576 0.525
(↑0.004)
12.5
(-)
17438
(+4)
444
(+1)
65
(+2)
56
(-)
0.250
(-)
3.220
(↑0.02)
4
(-)
楽天
59603 0.496
(↓0.004)
16
(↓1)
21423
(+1)
491
(+4)
65
(-)
79
(+2)
0.242
(↓0.001)
3.710
(-)
5
(-)
ORIX
58653 0.472
(↓0.003)
19
(↓1)
17353
(+1)
370
(+4)
61
(+1)
51
(-)
0.239
(↓0.001)
2.660
(↓0.01)
6
(-)
西武
40832 0.325
(↓0.003)
37
(↓1)
18290
(-)
433
(+1)
50
(-)
66
(-)
0.208
(-)
3.150
(↑0.02)