ヤクルト(☆5対3★)阪神 =リーグ戦22回戦(2024.09.08)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:高梨 裕稔(1勝2敗0S)
(セーブ:小澤 怜史(5勝6敗5S))
敗戦投手:西 勇輝(6勝6敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(13号・4回表2ラン)
【ヤクルト】山田 哲人(11号・2回裏2ラン),澤井 廉(1号・3回裏3ラン)

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◆ヤクルトが連敗を3で止めた。ヤクルトは2回裏、山田の2ランで先制に成功する。続く3回には、澤井のプロ初本塁打となる3ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・高梨が6回途中2失点と試合をつくり2年ぶりの白星。敗れた阪神は、攻守に精彩を欠いた。

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◆阪神佐藤輝明内野手(25)がリーグワーストを更新する今季23個目の失策を犯した。0-2の3回1死。長岡の飛球をやや下がりながら落下地点に入ってキャッチしたかに思えたが、グラブからボールがこぼれ落ちて落下。まさかの形で出塁を許した。送球エラーはこれまでにあったが、平凡な飛球を落とす珍しいシーンとなった。このあと、2死一、二塁から沢井に3ランを浴びて失点を招いてしまった。なお、デーゲームでは首位巨人と2位広島がともに敗れており、阪神が勝てば巨人とは1・5差、広島には0・5差と肉薄する。

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◆阪神西勇輝投手(33)が今季ワースト5失点(自責点2)で降板となった。0-0の2回1死二塁。山田に甘く入った130キロシュートを捉えられ、左中間スタンドへの先制2ランを浴びた。3回は三塁佐藤輝のフライ落球、四球などで2死一、二塁。6番沢井に131キロスライダーを捉えられ、右翼席への3ラン。6回の打席で代打が送られ、5回8安打5失点(自責点2)で降板となった。

◆22年ドラフト3位のヤクルト沢井廉外野手(24)が、記念すべきプロ1号を放った。2点リードの3回2死一、二塁。阪神先発・西勇のスライダーを捉え、右翼スタンドへ放り込んだ。「リラックスして打席に入ることができました。力まず自分のスイングができました。追加点となり良かったです」と喜びのコメントを残した。1年目の昨年10月のみやざきフェニックスリーグで、同僚の長岡との交錯プレーで右膝を負傷。長いリハビリの末、5月に実戦復帰を果たした。8月27日に今季初の1軍昇格。チャンスをもらい続け、プロ55打席目で、待望のアーチを描いた。

◆阪神が1日巨人戦(甲子園)以来の、6試合ぶりの黒星を喫した。2カード連続の3連勝はならなかったが、首位巨人と2位広島もともに敗れたため、ゲーム差は2・5、1・5のままとなった。この試合前まで防御率1・84と安定感を誇る西勇輝投手(33)が、今季初の1試合2被弾に泣いた。0-0の2回1死三塁で、ヤクルト山田に左翼へ先制2ランを献上。続く3回は1死から三塁佐藤輝が、フライを落球する失策。四球もからみ2死一、二塁から、沢井に右翼へ3ランを浴びた。西勇は5回8安打5失点で今季6敗目を喫した。1戦目で9点、2戦目に6点を挙げた阪神打線。この日は4回1死一塁で、森下翔太外野手(24)が13号2ランを放ったが、反撃はここまでだった。3位阪神は10日から本拠地甲子園で、4位DeNAとの3連戦に臨む。直近10試合で8勝2敗と勢いに乗る相手に、負けられない試合は続きそうだ。

◆ヤクルト高津臣吾監督(55)が、通算300勝をマークした。試合後、2年ぶりの勝利を挙げた先発高梨からボールを差し出され、戸惑いの表情を浮かべていた。そのままツーショット撮影。やりとりについて「高梨が(ボールを)持って来て『なんだお前初勝利か』って言って『写真撮るの?』って言って、『監督です』っていうから、『何やったの?』って。そのくらい知らなかった。これが早いのか遅いのかね、もっと早くできてればね、良かったのかもしれないけど。みんなの積み重ねだと思って、ありがたくボールいただきましたけどね」と状況を明かした。

◆阪神が1日巨人戦(甲子園)以来の、6試合ぶりの黒星を喫した。2カード連続の3連勝はならなかったが、首位巨人と2位広島もともに敗れたため、ゲーム差は2・5、1・5のままとなった。この試合前まで防御率1・84と安定感を誇る西勇輝投手(33)が、今季初の1試合2被弾に泣いた。西勇は5回8安打5失点で今季6敗目を喫した。1戦目で9点、2戦目に6点を挙げた阪神打線。この日は4回1死一塁で、森下翔太外野手(24)が13号2ランを放ったが、反撃はここまでだった。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り。-初回送ってスムーズに攻撃にうつれたら「なあ。おーん。初めてちゃうか、この後半戦でバントお前。まあホームランはどうしようもないわ、なあ。2点じゃもうな、全然ここの球場やったらな、全然大丈夫やのに、お前」-西もボール自体が悪かったわけではない「いやいや、だから、あそこも低い球やったけどなあ。ちょっと低め続けたからなあ、あれなあ」-2点目の本塁打は失策と四球から「ああ、なあ。そらお前、防ぎようがないもんな、ホームランはお前。2点でな、踏ん張ってたらな、おーん。絶対チャンスあったけどな」-振り返るよりも、次へ「うん。もうそんなん、しゃあないよ」-岡留、富田が点差を保った「うん、抑えとったからな。余計やんか。なあ、何にも無理せんと。まあ、18時からゲームしとったら勝ってたよな。なあ、3-0やったな。なんで17時やったんやろ」-普段通りの野球をやっていくだけ「ああ、まあ、今日は上2つ負けてるの分かってての試合やったからなあ。なんか複雑やな、そういうの」-甲子園で仕切り直し「うん、そらそうや。そんな全部勝たれへんて」

◆ヤクルト高梨裕稔投手(33)が、2年ぶりの勝利を手にした。22年8月24日広島戦(神宮)以来の勝ち星。「チームに貢献できないっていうところが本当に悔しくて。この2年間、どこかで本当に必ずやり返すじゃないですけど、いいピッチングをしてチームに貢献しようっていう風にずっと思ってたんで、それが今日チームが勝てて、なんとか粘ってですけど、そういうピッチングできたのかなと思います」とかみしめた。3回までに5点の援護点をもらった中、4回に森下に2ランを献上。それでも、大崩れはしなかった。3点リードとなった6回は先頭の代打糸原の痛烈なライナーが右腕を直撃するアクシデントに見舞われ、一時は治療のためベンチへ戻ったが、再びマウンドに戻り近本を三振に片付けた。5回1/3を4安打2失点。「(打球が)当たった瞬間は危ないかなと思ったんですけど、意外に力も入りましたし、投げられるなと思って」と気合の投球で、乗り越えた。

◆阪神の1番近本光司外野手(29)はまたも初回先頭で安打を放ったが、先制点には結びつかなかった。ヤクルト高梨の外角高めカットボールを左前へ。ただ、一塁走者としてはランエンドヒットを相手バッテリーに外され、盗塁死に終わった。試合後は「まあ、点にはならなかったので」と敗戦に厳しい表情。「1試合1試合、大事な試合が続いている。しっかり自分たちの流れを作れるように頑張りたい」。シーズン143安打はリーグ単独トップをキープした。

◆阪神石井大智投手(27)は完全投球で反撃ムードを懸命につないだ。2点差に迫った直後の8回裏に登板。先頭の6番オスナをスライダーで遊ゴロに封じると、代打川端からは低めの150キロ直球で3球三振を奪取。勢いのまま、7番山田もキレ味鋭いフォークで空振り三振に仕留めた。1イニングを3人でピシャリ。「なんとかムードを崩さず、ストライク先行でいけました」と納得の投球内容だった。前日7日ヤクルト戦は6点リードの9回に登板し、1イニングを無失点。接戦はもちろん、大量リードでもビハインドでも投入され始めている。これで6戦連続無失点。47試合目のマウンドを終え、自身初のシーズン50試合登板はもう間近だ。「来週も大事な試合が続くので頑張ります」。週明けは4位DeNAとの3連戦が待つ。頼れるセットアッパーのフル回転が続く。

◆2年目のヤクルト沢井廉投手(24)が、待望のプロ1号を放った。2点リードの3回2死一、二塁。阪神西勇のスライダーを右翼スタンドへ。1年目の昨年10月にみやざきフェニックス・リーグで、長岡との交錯プレーで右膝を負傷。5月に実戦復帰し、8月27日に今季初の1軍昇格したばかり。「トレーナーさんとか、理学療法士さんとかにも恩返しじゃないですけど、まず1本打てたことは良かったのかなと思います」とかみしめた。リハビリ期間中は90キロ前半あった体重も、知らないうちに3、4キロ減った。ただ、軽くなったことで、体の動きが早くなったことはプラスに転じた。試合前には村上から「思い切っていけ」と助言され、その通りのフルスイング。「より多く、1打席でも早く、本塁打を打てるようにしていきたい」。将来的な本塁打王を目標に掲げた。

◆阪神森下翔太外野手(24)が2ランを放ち、今季66打点に伸ばした。1位巨人岡本和に2差に肉薄。大卒2年目の勝負強い男が初のタイトル獲得へ、射程圏内に入った。劣勢の空気を切り裂く1発だった。佐藤輝の失策から3ランを許し、5点差に広げられた直後の4回。1死一塁からヤクルト高梨に対した。追い込まれながら低めのフォークをすくい上げた。打球はバックスクリーン左に飛び込む13号2ラン。「0点でズルズルといくより早く点を取って、なんとか流れをうちに持っていけたらよかった」と逆転を信じてバットでチームを鼓舞した。これで5試合連続打点とリーグトップを走る巨人岡本和を猛追。この日は2打点を積み上げ2差に迫った。プロ入り2年目以内に打点、本塁打、打率のいずれかのタイトル獲得は2リーグ制後では球団初。1リーグ時代にさかのぼるほど希少だ。歴史に名を刻むことになるが、求めるのはチームの勝利。「勝つことだけにフォーカスしてやってるので、そこは見てないです」ときっぱり話した。反省も忘れない。2試合連続の初回適時打で、連勝を呼び込んでいたが、第1打席は1死一塁から遊ゴロ併殺。「やっぱり初回は先攻なんで特に大事。大山さんにいい形でつなげていれば、展開がわからなかったと思う」と悔やんだ。6回には1死一、二塁から遊飛に倒れて無得点。「ああいうところで打つために3番に入ってる。またああいう場面があったときに逃さないように」と誓った。上位2チームが敗れて首位巨人とのゲーム差は変わらず2・5差のまま。10日からは甲子園でDeNA、広島、ヤクルトとの7連戦が控える。「勝ち切りたかったですけど、しょうがないので切り替えて。ホームでなんとかこう連勝できるようにしたい」。森下が打点を稼げば、自身の初タイトルも上位チームもグッと近づく。【林亮佑】阪神選手の打撃3冠部門タイトル 打撃主要3タイトルの首位打者、本塁打王、打点王のうち、阪神のプロ入り2年目までの選手による獲得は、1リーグ時代のプロ野球黎明(れいめい)期にまでさかのぼる。1年目の藤村富美男が36年秋に本塁打王、2年目の松木謙治郎が37年春に首位打者と本塁打王、2年目の景浦将が37年春打点王、同秋に首位打者。森下は阪神では87年ぶり4人目、2リーグ分立後では初の快挙を目指す。なお直近の阪神選手の3部門獲得は、14年マートンの首位打者とゴメスの打点王。日本人なら11年新井貴浩の打点王。生え抜きでは、05年今岡誠の打点王。

◆阪神西勇輝投手(33)がまさかの今季初2被弾で6敗目を喫した。「ホームランにしろ、自分の投げミスなので。起きるプレーに対して、防げるところを防がないとこういう展開になる」。5回8安打を浴び、今季ワースト5失点での黒星に唇をかんだ。2回1死三塁、ヤクルト山田に高めに入ったチェンジアップを捉えられ、先制2ランを献上した。続く3回、佐藤輝の落球と四球で招いた2死一、二塁のピンチ。迎えた6番沢井に131キロスライダーを右翼スタンドへ運ばれ、これが決勝の3ランとなった。昨年6月7日楽天戦以来、1年以上ぶりに1試合2本塁打を浴びた。失策がからんでの失点にも、責任を一身に背負った「大事な試合で味方のミスをカバーすることができませんでした。防げるところを防いで、ミスしたらそれをカバーできるようにというのがチームなので」。女房役の坂本とも5月4日巨人戦(東京ドーム)以来、2度目となる久々のバッテリー。「山田選手に打たれたホームランも誠志郎(坂本)の要求に応えることができなかったので迷惑をかけてしまいました」と悔やんだ。今季ここまで20試合に先発し、防御率1・91。ベテランの安定感は最終盤に必ず武器となる。「自分たちは年間通してパフォーマンスを続けて、なんとかゲームを作っていくのが先発の役目」。次戦は再びチームの白星につながる投球を見せる。

◆ああ、もったいない...。阪神が独り勝ちのチャンスをフイにした。2点を追う3回に三塁手・佐藤輝明内野手(25)が平凡なフライを落球。グラブをかすめた打球が頭に当たってグラウンドに弾んだ。この失策を引き金に西勇輝投手(33)がヤクルト沢井に右翼へ3ランを浴びて5点目を献上。6試合ぶりの黒星で連勝もストップした。デーゲームで首位巨人がDeNAに敗れていただけに、勝っていれば1・5差に迫っていた。悔やまれる敗戦だ。ベンチの岡田監督も思わず身を乗り出した。何が起こったんだ...。2点を追う3回1死、迎えたヤクルト長岡は三塁へ高く舞い上がる飛球。三塁佐藤輝は難なく捕球体勢に入ったはずだった。ところが、ボールはグラブをかすめて、佐藤輝の頭へ当たってグラウンドをコロコロ。まさかの「ヘディング」からピンチが広がり、試合を決定づける沢井の3ランにつながってしまった。セ・リーグワーストを更新する23個目の失策に、背番号8も痛恨の表情を浮かべた。いつもと異なる17時開始。ちょうど薄暮の時間帯で打球の見え方が違ったかと問われた佐藤輝は「いや、特にそれはないっすね」と一切言い訳はなかった。勝敗の分岐点を問われた岡田監督も「防ぎようがないもんな、ホームランは」と振り返るだけ。4回からは無失点に抑えていただけに、このイニングが悔やまれる。この日は首位巨人、2位広島がデーゲームでともに敗戦。ゲーム差を縮めるチャンスと分かっていただけに、本音もこぼれた。「今日は上2つ負けてるの分かってての試合やったからなあ。なんか複雑やな、そういうの」。それでもうつむく敗戦ではない。「もうそんなん、しゃあないよ」とすぐに切り替えた。6試合ぶりの黒星にも、岡田監督の表情は穏やか。それどころか軽口さえ飛び出した。「まあ、18時からゲームしとったら勝ってたよな。なあ、3-0やったな。なんで17時やったんやろ」。この日は初戦、2戦目よりも1時間早くプレーボール。失点は序盤の3回までだっただけに、18時開始なら負けていなかったと笑った。10日から甲子園に戻り7連戦に臨む。まずは4位DeNAを迎え、戦い慣れた本拠地で仕切り直しとなる。「うん、そらそうや。そんな全部勝たれへんて」。暗くなる必要はない。一時は首位と最大5・5ゲーム差も、今は2・5差。虎視眈々(たんたん)と逆転優勝を狙う。【磯綾乃】

◆阪神森下翔太外野手(24)が2ランを放ち、今季66打点に伸ばした。1位巨人岡本和に2差に肉薄。大卒2年目の勝負強い男が初のタイトル獲得へ、射程圏内に入った。阪神選手の打撃3冠部門タイトル 打撃主要3タイトルの首位打者、本塁打王、打点王のうち、阪神のプロ入り2年目までの選手による獲得は、1リーグ時代のプロ野球黎明(れいめい)期にまでさかのぼる。1年目の藤村富美男が36年秋に本塁打王、2年目の松木謙治郎が37年春に首位打者と本塁打王、2年目の景浦将が37年春打点王、同秋に首位打者。森下は阪神では87年ぶり4人目、2リーグ分立後では初の快挙を目指す。なお直近の阪神選手の3部門獲得は、14年マートンの首位打者とゴメスの打点王。日本人なら11年新井貴浩の打点王。生え抜きでは、05年今岡誠の打点王。

◆5連勝と勢いに乗る阪神は西勇輝投手(33)が先発。チーム最年長右腕が、今季3度目のヤクルト戦で7勝目を狙う。打線は「5番・三塁」の佐藤輝明内野手(25)に注目。前日まで2試合連続で本塁打を放つなど、今週は17打数7安打で打率・412、10打点と圧巻の活躍。頼れる男のバットで6連勝を目指す。

◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が今季23個目の失策。0-2のビハインドで迎えた三回1死。長岡の放った打球は三塁へ平凡なフライ。落下地点に入ったが、白球はグラブからこぼれ落ちた。これが今季23失策目で飛球落球は初。味方のミスをカバーしたい先発の西勇だったが、続く村上に四球で1死一、二塁のピンチを背負う。それでもオスナを三球三振。しかし、沢井にプロ初本塁打の3ランを浴び、5点差に広げられた。

◆阪神・森下翔太外野手(24)が0-5の四回、バックスクリーン左へ13号2ランを放った。中野が1死から右前打で出塁し、森下が迎えたこの日の第2打席。外角のフォークを捉え、打球をバックスクリーン左に運んだ。4日の中日戦(甲子園)から5試合連続打点で打点は66に。ここ3試合は自身の先制打で試合の主導権を握ってきた中、この日は先に点差をつけられたところで反撃の一打でチームを鼓舞した。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が「4番・三塁」で出場。五回の第3打席に中前打を放ち、9月1日の広島戦(マツダ)以来、自身6試合、25打席ぶりの安打を記録した。五回2死無走者。阪神先発の西勇に対し2ボールからの3球目、チェンジアップを振り抜き、鋭いゴロで中前への安打を放った。

◆ヤクルト・高梨裕稔投手(33)が今季4度目の先発。六回途中4安打2失点、2四球6奪三振の力投を見せ、2022年以来自身2年ぶりとなる勝利投手の権利を獲得した。四回に森下に2ランを浴びたが、二、三、五回はいずれも三者凡退に抑える好投を見せた。六回は、先頭の代打糸原の痛烈なライナーが右腕を直撃するアクシデント。治療のため一度ベンチへ戻ったが、再びマウンドに戻り近本を三振斬り。中野に四球を与え、中軸を前に球数100球となったところで降板。2番手ロドリゲスがピンチを無失点で切り抜けた。

◆阪神の先発・西勇輝投手(33)は5回8安打5失点(自責2)で降板した。「大事な試合で味方のミスをカバーすることができませんでした。山田選手に打たれたホームランも(坂本)誠志郎の要求に応えることができなかったので迷惑をかけてしまいました。あとはみんなを信じてベンチから応援します」。二回1死三塁で変化球が甘く入り、山田に先制2ランを献上。三回は1死から佐藤輝の落球で走者を背負うと、沢井にプロ1号となる3ランを浴びた。味方の守備にも足を引っ張られ、5連勝中と勢いづくチームの波に乗ることができず。それでも、ベンチから大声を出してナインを鼓舞した。

◆阪神の連勝が「5」で止まった。二回、西勇輝投手(33)が山田哲人内野手(32)に本塁打を浴びて、2点を献上。三回には長岡秀樹内野手(22)の飛球を佐藤輝明内野手(25)が落球。その後に沢井廉外野手(24)に3ランを許した。攻撃では四回、森下翔太外野手(24)が5試合連続打点となる13号2ランを中堅左に運んだものの、5点のビハインドが最後まで響いた。佐藤輝は今季23失策目でフライ落球は初。攻撃では3戦連発がかかったが4打数無安打2三振。5回5失点(自責2)の西勇は2連敗で6敗目(6勝)。デーゲームで首位巨人、2位広島が敗れていただけに、痛い一敗を喫し、2・5差と1・5差のまま。10日から1差でCG3連戦(マツダ)が行われ、チームはDeNA3連戦(甲子園)に臨む(成績=64勝57敗6分、観衆=2万9486人)。

◆三回1死無走者で、ヤクルト・長岡秀樹の飛球を落球する阪神・佐藤輝明=神宮球場(撮影・水島啓輔)

◆3点本塁打を放つヤクルト・沢井廉(撮影・長尾みなみ)

◆阪神の連勝が「5」で止まった。二回、西勇輝投手(33)が山田哲人内野手(32)に本塁打を浴びて、2点を献上。三回には長岡秀樹内野手(22)の飛球を佐藤輝明内野手(25)が落球。その後に沢井廉外野手(24)に3ランを許した。攻撃では四回、森下翔太外野手(24)が5試合連続打点となる13号2ランを中堅左に運んだものの、5点のビハインドが最後まで響いた。佐藤輝は今季23失策目でフライ落球は初。攻撃では3戦連発がかかったが4打数無安打2三振。5回5失点(自責2)の西勇は2連敗で6敗目(6勝)。デーゲームで首位巨人、2位広島が敗れていただけに、痛い一敗を喫し、2・5差と1・5差のまま。10日から1差でCG3連戦(マツダ)が行われ、チームは2差のDeNA3連戦(甲子園)に臨む。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=64勝57敗6分、観衆=2万9486人)。ーー一回、送ってスムーズに攻撃に移っていたら(無死一塁で中野のバントが2度ファウル。カウント2ー2から近本盗塁死)「なあ。おーん。初めてちゃうか、この後半戦でバント、お前。まあホームランはどうしようもないわ、なあ。2点じゃもうな、全然ここの球場やったらな、全然大丈夫やのに、お前」ーー西勇もボール自体が悪かったわけではない「いやいや、だから、あそこも低い球やったけどなあ。ちょっと低め続けたからなあ、アレなあ」ーー三回の本塁打は失策と四球から「ああ、なあ。そらお前、防ぎようがないもんな、ホームランはお前。2点でな、踏ん張ってたらな、おーん。絶対チャンスあったけどな」ーー振り返るよりも、次へ「うん。もうそんなん、しゃあないよ」ーー岡留、富田が点差を保った「うん、抑えとったからな。余計やんか。なあ、何にも無理せんと。まあ、6時からゲームしとったら勝ってたよな。なあ、(四回以降は無失点に抑えただけに)3―0やったな。なんで5時やったんやろ」ーー普段通りの野球をやっていくだけ「ああ、まあ、今日は上2つ負けてるの分かってての試合やったからなあ。なんか複雑やな、そういうの」ーー甲子園で仕切り直し「うん、そらそうや。そんな全部勝たれへんて」

◆ヤクルトは2回、山田哲人内野手(32)が11号2ランで先制すると、3回に沢井廉外野手(24)がプロ初となる3ランを放ち序盤で大量リード。先発の高梨裕稔投手(33)が六回途中2失点で2年ぶりの白星となる今季初勝利を挙げた。以下、高梨のヒーローインタビュー。--2年ぶりの勝利投手「ずっと勝ててなかったので、チームに貢献できずに悔しい思いもしてきた。今日、勝てて嬉しいです」--どんな思いでマウンドに上った「今年もまだ全然チームに貢献できてなかったので、早くチームの勝ちに貢献しようという思いでマウンドに上がりました」--六回表に打球が右腕を直撃するアクシデント「体が強いのが僕の武器だと思ってる。本当はしっかり抑えられればよかったんですけど、ファンの人たちの大声援に勇気をもらいました」--後を引き継いだロドリゲス投手がピンチを抑えた「よく抑えてくれて、ありがとうという気持ちです」--高津監督が監督通算300勝「こういう節目の試合で勝ち投手になって本当によかったと思います」--ファンに向けて「 これからもっとチームに貢献できるように全力で腕を振っていきたいと思います。最後まで応援よろしくお願いします」

◆ヤクルトは2回、山田哲人内野手(32)が11号2ランで先制すると、3回に沢井廉外野手(24)がプロ初となる3ランを放ち序盤で大量リード。先発の高梨裕稔投手(33)が六回途中2失点で2年ぶりの白星となる今季初勝利を挙げた。以下、沢井のヒーローインタビュー。--プロ初本塁打の手応え「待望というか、初めて打ったホームランなので、とても嬉しかったです」--ホームランボールはどうする「大切に保管しようと思います」--初めてのお立ち台「たくさんの応援が今日のプレーにつながったのかなと思います」--どんな選手になっていきたい「村上選手のようなホームランでチームを勝たせられるような選手になっていきたいです」--ファンに向けて「これからも勝利に貢献できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」

◆阪神の連勝が「5」で止まった。二回、西勇輝投手(33)が山田哲人内野手(32)に本塁打を浴びて、2点を献上。三回には長岡秀樹内野手(22)の飛球を佐藤輝明内野手(25)が落球。その後に沢井廉外野手(24)に3ランを許した。攻撃では四回、森下翔太外野手(24)が5試合連続打点となる13号2ランを中堅左に運んだものの、5点のビハインドが最後まで響いた。佐藤輝は今季23失策目でフライ落球は初。攻撃では3戦連発がかかったが4打数無安打2三振。5回5失点(自責2)の西勇は2連敗で6敗目(6勝)。デーゲームで首位巨人、2位広島が敗れていただけに、痛い一敗を喫し、2・5差と1・5差のまま。10日から1差でCG3連戦(マツダ)が行われ、チームは2差のDeNA3連戦(甲子園)に臨む。主な選手のコメントは以下の通り(成績=64勝57敗6分、観衆=2万9486人)。三回の飛球落球に佐藤輝明 「(午後5時試合開始の影響は)特にそれはないっすね」一回、2度のバントファウルに中野拓夢 「決められたら、いい流れで、森下も打席に入れたと思います。そういうのが大事になってくる試合も多いので、もっとこだわってやっていきたい」13号2ランも六回1死一、二塁では遊飛の森下翔太 「ああいうところで打つために3番に入ってると思うので、ああいう場面があった時に逃さないようにしたい」一回、左前打で出塁した近本光司 「関係ないです。点にならなかったので」六回途中からの1回?を無失点の富田蓮 「テンポよく投げられましたし、真っすぐで勝負できてよかった」八回を無失点の石井大智 「来週からもまた試合が続くのでそこで結果を残せるように頑張ります」

◆阪神・石井大智投手(27)が2点ビハインドの八回に登板。二回に本塁打を放っていた山田をフォークで空振り三振に抑えるなど、危なげない投球で三者凡退に打ち取った。連投で役割を果たし「点を取った次の回だったのでなんとかムードを崩さずに、という気持ちで、ストライク先行でいい投球ができた」。6試合連続無失点とし、10日からの甲子園7連戦に向けて「また試合が続くので、そこで結果を残せるように」と気を引き締めた。

◆ヤクルト・高梨裕稔投手(33)が今季4度目の先発で、六回途中4安打2失点。2四球6奪三振の力投を見せ、2022年以来自身2年ぶりの勝利投手となった。「チームに貢献できないっていうところがほんとに悔しくて。この2年間、どこかで本当に必ずやり返すじゃないけど、良い投球をしてチームに貢献しようとずっと思っていた。それがきょう、チームが勝てて、何とかか粘ってそういう投球ができたのかなと」六回先頭、代打糸原の痛烈なライナーが右腕を直撃するアクシデント。「当たった瞬間はやばいかなと思ったけど、意外に力も入りましたし、投げられるなと思って」と続投し、近本を三振に仕留め意地を見せた。苦しかった2年間も「やっぱり家族の存在は大きかった」とともに乗り越えつかんだ1勝。「与えられたところでしっかり結果を残して、というのは思っていた。ファームにいた時でも、何としても抑えてやろうっていう気持ちでずっと投げていたので、それがきょう結果につながったかなと思います」と振り返った。

◆阪神・富田蓮投手(23)が回またぎをこなし、12試合連続無失点とした。六回2死から登板し、岩田を見逃し三振に抑えて七回も続投。2死から長岡に内野安打を許したが、続く村上を空振り三振に仕留めた。6月29日に同じ神宮で本塁打を浴びた村上斬りを果たし「ゾーンで勝負した中で三振を取れたことが大きい。これからも続けたい」と胸を張った。

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(77)は阪神・佐藤輝明内野手(25)の失策から3点を失った三回の場面に言及した。投手は、打ってもらうよりも守ってくれた方がよっぽどうれしい。そのなかで三回の佐藤輝の落球はどう考えてもいただけない。先発投手はホームランが出やすい球場となると、神経を使いながら投げる。特にサンタナ、村上、長岡、オスナがいて、山田が7番に陣取るような打線なら、なおさらだ。三回の失策、四球、そしてホームランというのは投手にとって一番よくない失点。西勇もしっかりと反省していると思うが、投手が反省する以上に、野手は反省しないといけない。残り試合も16試合というところまできている。これからの戦いで取り切らなければいけない試合を取りこぼさなければ、優勝へのチャンスは十分にある。そのためにも、「取りこぼしにつながるようなミスはしない」をチームで徹底しなければならない。

◆阪神・近本光司外野手(29)は一回、2試合続けて左前打を放った。得点にはつながらなかったが安打数を143に伸ばし、リーグ単独トップを守った。通算でも916安打で、プロ6年目での通算安打記録で1位の長嶋茂雄(926安打)まで残り10本に迫る。連勝は5で止まったがホームでの7連戦に向け「一試合一試合大事な試合が続いているので。しっかり自分たちの流れをつくれるように頑張りたい」と意気込んだ。

◆阪神・中野拓夢内野手(28)が初回のミスを悔やんだ。安打で出塁した近本を一塁に置いて犠打を試みるも、2球続けて失敗。ヒッティングに切り替わったが5球目を大きく外され、遅れてスタートを切った近本は二塁でアウトになった。「(犠打を)決められたらいい流れで森下も打席に入れた。今後そういうワンプレーが大事になってくる試合も多い。そういうプレーにもっとこだわってやっていきたい」と反省した。

◆リーグ最下位のヤクルトは、連敗を3でストップ。高津臣吾監督(55)は球団史上4人目となる通算300勝に到達した。2年目の沢井廉外野手(24)が右膝のけがを乗り越え、プロ初本塁打をマーク。先発の高梨裕稔投手(33)が六回途中2失点で、自身2年ぶりの白星を挙げた。高津監督の主な一問一答は以下の通り。――高梨の投球「適度にばらけていて、彼らしい球もいくつかあったけど、あそこまでゲームをつくったので、自分の中で何回、何点ってある程度決めてはいたけれども、その範囲内で十分な投球をしてくれたと思います」――久々の勝利投手「何よりも体が強いっていうのが素晴らしい。球数も投げられるし、間隔を詰めても投げられるのが彼のストロングポイント。今、1週間に1回の先発をさせていますけど、決して打たれることはあっても、どこか悪くて外れることがない。そういう意味ではすごく大事な、プロ野球選手としては大事な部分なのかなと思います」――山田が先制2ラン「本塁打、何試合ぶりかな? 久しぶりだよね。昨日、一昨日と安打は出て点が入らないとか、そういうゲームもあったけど、ああやって長打で先に点を取れたっていうのは、非常にこちらとしても大きかったし、向こうとしてもダメージがあったんじゃないかなと。その後の(沢井の)3ランはもちろんですけれど、先に1発で2点取ったっていうのは大きかった」――沢井がプロ1号「まだまだ野球脳というか、頭の勉強が必要ですけど、今はがむしゃらに振ってアピールするというか、逆に言えばそれしかできないので、今はフリーに思い切ってスイングさせていますけど、いいところでの一発だったと思います」――スタメン起用「これはね、僕もそうですけどコーチですよ。なんとかきょうもスタメンで、っていう風に何試合か推してきていたので使ってみようと。投手のタイプによってはちょっとこういうの苦手かなとか、そういうのを見ながら、いろいろスタメンを決めていますけど、いいところで回ってきて、いいスイングをしてくれたんじゃないかなと」――今後、どういう選手になってほしいか「もう勉強することがたくさんありすぎて、まだまだですよ。強く振れるところの強みはありますよ。それは他の人にない、非常に彼にとって素晴らしいところだと思います。それだけじゃやっぱりここでは生きていけないので、打つこと以外の守備であったり、走ることであったりも含め、勉強することだらけです」――監督通算300勝「今、高梨が(勝利球を)持ってきて、『なんだお前初勝利か』って。『写真撮るの?』って言ったら、『監督です』って言うから、『何やったの?』って。そのくらい知らなかった。これが早いのか遅いのか、もっと早くできていればね、よかったのかもしれないけど、みんなの積み重ねだと思って、ありがたくボールをいただきましたけどね」――次は301勝、302勝と「そうですね。また来週頑張りたいと思います」――来週から5位中日戦「良い投手が投げてくるし、バンテリンなので、ロースコアに持っていかなきゃいけないと思います。そのロースコアを作るにはやっぱり先発だと思うので、いつもそうなんですけど、最初に投げる人がしっかりゲームをつくって援軍を待つと。そういう展開にしたいですね。いいゲームをしたいです」

◆手応えを残した阪神・森下翔太外野手(24)の鮮やかなアーチは白星を呼び込めず、空砲になった。好調をキープするも勝利にあと一歩届かず、ゲームセットでベンチに引き揚げた背番号1はしばらく座って動かず、頭を抱えるような素振りで悔しさをにじませた。「早く点を取って、なんとか流れをうちに持っていけたらよかったですけど、なかなか自分も含めて打線となって攻撃できなかった」0―5と差をつけられた直後の四回。外角のフォークを捉え、バックスクリーン左へ13号2ランを放った。この一発で4日の中日戦(甲子園)から5試合連続打点。ここ3試合は自身の先制打で試合の主導権を握った中、この日は先に点差をつけられたところで反撃の一打を放った。森下の本塁打から勢いを取り戻したかったが、逆転に持ち込むことはできず。自身も六回1死一、二塁で遊飛に倒れるなど、得点圏で2度の凡退があった。「(六回は)ああいうところで打つために3番に入っていると思う。また、ああいう場面があったときに逃さないようにしたい」。クリーンアップを打つ責任感をにじませた。9月に入ってからの初本塁打で月間7試合7打点と結果を残し、積み上げた打点は66に。1位の巨人・岡本和に2差まで迫ったが「勝つことだけにフォーカスしてやっているので、そこは見ていない」と言い切った。10日から甲子園に戻って7連戦。逆転Vに向けた大事な試合が待つ聖地で、白星をつかむと意気込んだ。「本当は勝ち切りたかったですけど、今日も。しようがないので切り替えて、ホームゲームが続くので、なんとか連勝できるようにしたい」ファイティングポーズは崩さない。前だけ、上だけを見て戦い続ける。(邨田直人)

◆ヤクルトは8日、阪神22回戦(神宮)に5―3で勝利し、連敗を3でストップ。2年目の沢井廉外野手(24)が三回、プロ初本塁打となる3ランを放った。持ち前のプラス思考で、どん底からはい上がってきた。沢井は昨年10月のみやざきフェニックス・リーグで右膝を負傷。宮崎県内の病院で手術を受け、約5日間の入院中は痛みに耐え続けた。痛み止めは点滴と飲み薬を併用。「寝られないレベルでした」と振り返るほどだったが、決して下は向かなかった。「もう終わったことなので前を向いてやるしかなかったし、早く復帰してもう一回野球をやりたいなという思いが強かった。どんな環境でも一番を目指してやりたいタイプというか、決めたいことは追い求めるタイプ」愛知・中京大中京高時代もプロの世界を夢見たが、3年の夏に思うような結果が出ずプロ志望届の提出を断念。中京大時代はコロナ禍で満足な練習ができない中、「何ができるかなと考えて、筋トレとかに取り組んできた。そういう経験が前向きにさせてくれているのかな」と明かした。常に前を向き、必死に努力を重ねた野球人生。ここが新たなスタートとなる。(ヤクルト担当キャップ・赤尾裕希)

◆日も暮れぬうちから、最下位ヤクルトの一発攻勢に屈した。ミスも絡んで連勝は「5」でストップ。デーゲームで敗れていた上位チームとの差を何としても縮めたかった一戦だけに、阪神・岡田監督は悔しさをにじませた。「きょうは上2つ負けてるの分かってての試合やったからなあ。なんか複雑やな、そういうの」午後5時の虎の試合開始を前に、首位巨人は4位DeNAに大敗し、2位広島も中日に競り負けていた。逆転Vへの機運を高める絶好のチャンスだったが...。いざプレーボールがかかると、投打で〝時を戻したくなる〟ようなシーンの連続になった。西勇は二回に山田に先制2ランを浴びると、三回には佐藤輝のエラーも絡んだが、沢井のプロ初本塁打となる3ランを食らい5失点した。2本のアーチはいずれも5時台の悲劇。3点を追う六回からは岡留、富田のリレーで点差を広げずに踏ん張り、少しずつ追い上げムードが高まっていただけに〝魔の5時台〟のもったいなさは際立った。百戦錬磨の指揮官も「(岡留、富田が)抑えとったからな。余計やんか。なあ」と漏らし、さらに〝岡田節〟が飛び出した。「何にも無理せんと。6時からゲームしとったら勝ってたよな。なあ、3―0やったな。なんで5時やったんやろ」。5時台を消し去ることができたら...。6時以降は前日までの5連勝時と同じように戦えていただけに勝てていたと、独特の言い回しで悔やんだ。

◆架けられたのは重く響く2本のアーチ...。阪神・西勇輝投手(33)は坂本誠志郎捕手(30)と今季初のスタメンバッテリーを組んだが、5回を投げて今季ワーストの5失点(自責2)で6敗目を喫した。「あそこを2点で終わっていたら、別になんちゃない(なんともない)ことだった。起きるプレーに対して、防げるところを防がないと、こういう展開になる」二回に山田に先制2ランを浴びると、三回は佐藤輝の落球をきっかけに2死一、二塁で沢井にプロ初弾となる3ランを許した。今季は前回登板までわずか2被弾だったが、これで昨年6月以来の1試合複数被弾。2020年を最後に白星がない神宮で、またも苦杯をなめた。「年間通してパフォーマンスを続けて、何とかゲームを作っていくのが先発の役目」とも語ったように、決して引きずらずに前を向いて戦っていく。

◆一家の大黒柱として、記念すべき勝ち星を手にした。ヤクルト・高梨裕稔投手(33)が5回?を投げ4安打2失点の力投で、2022年8月24日の広島戦(神宮)以来746日ぶりに勝利。お立ち台では喜びを爆発させた。「本当にずっと勝てていなかったので、貢献できず悔しい思いをしてきました。今日勝てて本当にうれしい。今年もまだ全然チームに貢献できていなかったので、早くチームに貢献しようと思ってマウンドに上がりました」痛みをこらえてマウンドに上がり続けた。序盤からテンポよく投球。四回に森下に2ランを浴びても崩れなかった。六回先頭で、代打・糸原の打球が右腕を直撃。一旦ベンチに下がってから再び登場し「六回を任せてもらったからにはという気持ちはすごくあった」。その後、近本を空振り三振、中野に死球を与えたところで降板したが、先発の役目を果たした。

◆落とせない試合で、まさか-。阪神はヤクルトに3-5で敗れ、連勝が5で止まった。佐藤輝明内野手(25)が飛球を落球した三回1死からピンチが広がり、痛恨の3ラン被弾につながった。デーゲームで首位巨人、2位広島が敗れていただけに痛い一敗だが、チームも佐藤輝も下を向いているヒマなどない。週明け10日からは2ゲーム差に迫ってきた4位DeNAとの3連戦(甲子園)。落とした分を、取り返す!神宮の空に舞い上がった白球から一瞬だけ、目を離した。それがあだとなった。グラブからこぼれ落ちた白球と連勝の勢い。脳天に響くとてつもない大きな痛み-。絶対に落としてはいけない一戦だった。痛恨の落球に佐藤輝は短い言葉を絞り出すしかなかった。「(午後5時試合開始の影響は)いや、それは特にないです。(相手先発高梨は)ボールがよかったと思います」5連勝の波に乗り臨んだ一戦は思わぬ落とし穴が待っていた。2点を先行されて迎えた三回1死。長岡の打球は三塁への平凡なフライ。佐藤輝は落下地点に入り、グラブを構えた。しかし、歓声があがったのはヤクルトベンチだった。つかみ取るはずだった白球は、グラブをかすめて佐藤輝の頭に当たり外野芝生を転々。このミスを皮切りに、先発の西勇が沢井に手痛いプロ1号3ランを浴びた。終わってみれば3-5で敗戦。あの打球をつかんでいれば...。試合前、デーゲームを行った首位巨人がDeNAに、そして2位広島は中日に敗れた。佐藤輝だってもちろん分かっていた。勝っていれば、広島とは0・5、そして巨人とは1・5ゲーム差に接近し、奇跡の大逆転Vがまた近づく。連覇への夢をつなぐ大事な大事な一戦。落球の代償はあまりにも大きい。

◆待望の一発が飛び出した!! ヤクルトは8日、阪神22回戦(神宮)に5―3で勝利し、連敗を3でストップ。2年目の沢井廉外野手(24)が三回、プロ初本塁打となる3ランを放った。右膝の大けがを乗り越えた未来の大砲候補が、高津臣吾監督(55)に球団史上4人目となる通算300勝をもたらした。神宮の夜空に、大きな希望の詰まったアーチがかかった。2万9486人が集まった本拠地で、若き大砲候補、沢井が待望のプロ1号。燕党で埋まった右翼席へ、豪快にたたきこんだ。「やっと、初めて打った本塁打だったのでとてもうれしかった。けがもあって、たくさんの方に支えてもらって、恩返しじゃないけど、まず1本打てたことはよかった」2―0の三回2死一、二塁。阪神先発・西勇の3球続いたチェンジアップを冷静に見極めると、カウント2―1として4球目、甘く入ったスライダーを力強く振り抜いた。「準備したデータを読んで、その配球の中で思い切っていけた」。プロ2年目、通算57打席目でうれしい初本塁打を刻んだ。

◆クワ~! 佐藤輝明で大魚を逸したー!! デーゲームで上位の巨人、広島が敗れ、さあヤクルトに3連勝でひっくり返したるでェ!! 今季最高、気象庁発表なら気温43度くらい(あくまで虎党限定ですよ)の熱い、熱い試合の決着が、サトテルちゃんのサードフライを頭に当てての落球って...。そんなん、あり~!?1973年8月5日、巨人戦での阪神のセンター池田純一(当時の登録名は池田祥浩)の『世紀の落球』は悲壮感が漂うプロ野球の歴史の1コマだし、81年8月26日の中日の〝ウ~やん〟こと宇野勝のヘディング落球は野球ファンを沸かせた歴史的な珍プレーなのに...。佐藤輝にはそーいうドラマはみじんもなく、単純に「ヘタクソ~」というのがひたすら悲しいんだよ、俺はー!!ちゅーか、全国の野球ファンの皆さまにここでクイズです?Q「小学生でも捕れるサードフライを落球する選手がいるチームが優勝しますか?」さあ、その答えは...。するって? ピンポン! ピンポン!! しまーす!! その理由は阪神はAIでも解析できないチームだからやー!!

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
65536 0.551
(↓0.005)
-
(-)
19374
(-)
339
(+8)
68
(-)
50
(-)
0.242
(-)
2.560
(↓0.02)
2
(-)
広島
63535 0.543
(↓0.005)
1
(-)
22357
(+3)
316
(+4)
49
(-)
52
(-)
0.238
(↑0.001)
2.320
(↓0.01)
3
(-)
阪神
64576 0.529
(↓0.004)
2.5
(-)
16424
(+3)
370
(+5)
58
(+1)
34
(-)
0.240
(-)
2.440
(-)
4
(-)
DeNA
61582 0.513
(↑0.005)
4.5
(↑1)
22444
(+8)
416
(-)
88
(-)
55
(-)
0.256
(-)
2.980
(↑0.03)
5
(-)
中日
52668 0.441
(↑0.005)
13
(↑1)
17325
(+4)
405
(+3)
57
(+2)
35
(-)
0.239
(-)
2.850
(-)
6
(-)
ヤクルト
50694 0.420
(↑0.005)
15.5
(↑1)
20418
(+5)
490
(+3)
82
(+2)
56
(-)
0.237
(↑0.001
3.750
(↑0.01)