1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 | 0 | 0 | 0 | 9 | 13 | 1 | 1 |
ヤクルト | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 |
勝利投手:ビーズリー(7勝2敗0S) 敗戦投手:サイスニード(2勝8敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は1-1で迎えた2回表、近本の適時打で1点を勝ち越す。その後5回に2本の適時打などで3点を加えると、続く6回には佐藤輝のグランドスラムが飛び出し、試合を決定づけた。投げては、先発・ビーズリーが5回1失点で今季7勝目。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。
◆今季の阪神ビーズリーは右打者に強い。昨季は右打者に65打数17安打、被打率2割6分2厘だったが、今季は94打数10安打、被打率1割6厘と好転。右打者に許した長打は7月5日DeNA戦の牧の二塁打と8月1日巨人戦のオコエの本塁打だけだ。今日のヤクルト戦でもオスナ、サンタナら右の強打者を抑えて白星を挙げられるか。
◆阪神森下翔太外野手(24)が2試合連続で先制点をたたき出した。打点は3試合連続。いずれもチーム最初の得点で、打線に勢いを与えている。初回1死二塁で、二遊間に鋭いライナーを放った。二塁手・武岡龍世(23)のグラブをはじき飛ばす強烈な打球で、中堅の前に転々と転がった。スタートが遅れた二塁走者の中野拓夢(28)が快足を飛ばして生還。森下は一塁手のホセ・オスナ(31)がマウンド付近でカットしたにもかかわらず、送球間に二塁をおとしいれる好走塁も見せた。4日の中日戦(甲子園)では初回に同点の2点二塁打。前日5日の同戦は3回に先制左前打を打っている。
◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が不運な安打から同点を許した。先制直後、1点リードの初回。1番西川の打球はライナーで左前へ。左翼手前川は懸命にチャージして捕球を試みたが、滑り込みながらも後逸。ライトの光と重なったとみられる。記録は二塁打となり、3番サンタナの左前適時打で走者が生還。その後は最少失点で切り抜けたが、立ち上がりから両軍が点の取り合いとなった。
◆阪神近本光司外野手(29)がライバルの前で勝ち越しの適時打を放った。2回2死二塁でサイスニードのチェンジアップに食らいついて右前に運んだ。リーグトップの安打数はこれで139本に。タイトルを争うヤクルト長岡秀樹(22)との差をこの時点で「2」に広げたが、中日細川成也外野手(26)が広島戦で3回までに2安打。暫定的に近本とトップに並んでいる。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)への死球に一時場内が騒然となった。1点リードの3回2死二塁の場面。右腕サイスニードの直球が右肩付近を直撃。しばらく苦悶(くもん)の表情を浮かべたが、すぐに一塁へ自分の足で歩き出した。マウンドのサイスニードは申し訳なさそうに帽子を取った。佐藤輝は今季5個目の死球となった。
◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)がヒヤリとする打球を受けた。1点リードの3回、先頭西川の鋭い打球が右足ふくらはぎ付近を直撃。転がった打球を三塁佐藤輝がカバーして一塁はアウト。ビーズリーはその場にしばらくうずくまり、ベンチでの治療を受けた。それでもその後は再びマウンドへ戻り投球再開。左翼席の虎党からは歓声が起こった。2死からサンタナに四球を与えたが、村上を三振に切って無失点で切り抜けた。
◆阪神の「ドラ1カルテット」がそろって打点を挙げた。初回に森下翔太外野手(24)が先制中前打。1-1の2回に近本光司外野手(29)が勝ち越し右前打。5回には暴投で加点したあとに大山悠輔内野手(29)が左翼線二塁打、佐藤輝明内野手(25)が中前打と連続タイムリーが飛び出した。4人はいずれも阪神にドラフト1位で入団した。今季は球団史上初めて、ドラフト1位が4人同時に100安打をマークしている。
◆阪神森下翔太外野手(24)が止まらない。今季初めて1試合4安打をマークした。初回に先制中前打。3回と5回はともに右翼線に落ちる、運も味方した二塁打。6回にも痛烈な左前打を放った。
◆阪神佐藤輝明内野手(25)がとどめを刺した。6回2死満塁から左翼越えに12号のグランドスラム。9-1と一気にワンサイドの展開に持ち込んだ。佐藤輝の満塁アーチは4本目。23年9月13日巨人戦以来で、今季初めて。前日5日の中日戦(甲子園)では満塁で右翼に大飛球を放ったが強い逆風の「浜風」に押し戻され、苦笑いでお手上げポーズ。今度は得意の神宮で左翼にもっていった。打った相手投手は22年まで阪神に所属した尾仲祐哉(29)だった。
◆動画は下記X(エックス)のロゴをクリックすると見られます/どよめきから歓声へ\虎党の待つレフトスタンドへ叩き込んだ#佐藤輝明 12号弾はグランドスラム?プロ野球(2024/9/6)??ヤクルト×阪神??Live on DAZN#DAZNプロ野球 #tigers pic.twitter.com/DQ1laCb70O
◆阪神が4連勝を飾り、約1カ月ぶりに首位と2・5ゲーム差以内に迫った。初回1死二塁で、森下翔太外野手(24)が二遊間に鋭いライナーを放ち、2試合連続の先制点。直後に追いつかれるも、2回2死二塁で、近本光司外野手(29)が右前適時打を放ち、すぐさま勝ち越しに成功した。2-1のまま迎えた中盤に、阪神打線が束になった。5回無死二、三塁で、暴投の間に1点を追加し、なおも無死三塁。大山悠輔内野手(29)が左翼ライン際に適時二塁打を放つと、続く佐藤輝明内野手(25)が中前適時打を放ち、この回3得点。さらに6回は2死満塁で、佐藤輝が今季初となる満塁本塁打を放ちヤクルトを突き放した。この日は森下、近本、大山、佐藤輝と阪神ドラフト1位入団の4選手が打点そろい踏みとなった。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は、3回に打球が右足ふくらはぎ付近を直撃するアクシデントが怒るも、5回3安打1失点で今季7勝目を挙げた。この日巨人は試合がなかったが、首位巨人とは2・5ゲーム差、2位広島は敗れたため1・5ゲーム差にまで縮まった。首位から2・5差以内は、8月8日の2差以来。セ・リーグ連覇を諦めない阪神が、じわじわと追い上げてきた。阪神のドラフト1位入団の近本、森下、大山、佐藤輝の打点そろい踏みは通算6度目。昨季は1度で今季は5度目で、チームは6戦全勝だ。
◆阪神が13安打9得点の猛攻で4連勝を飾った。佐藤輝明内野手(25)が6回に左翼越えに12号のグランドスラムを放り込むなど今季最多の5打点。森下翔太外野手(24)は先制打を含めて、今季初の4安打をマークした。初回に先制中前打。3回と5回はともに右翼線に落ちる、運も味方した二塁打。6回にも痛烈な左前打を放った。ヒーローインタビューには森下が呼ばれた。-4安打「できすぎかなと思います」-先制打「先制点が大事だと思ったので集中していつも通り打席に入りました。(中野)拓夢さんもホームまでかえってきてくれたので、よかったです」-相手はサイスニード「高めのまっすぐが強かったので負けないスイングを心がけて打席に入りました」-今の状態は「今日はラッキーヒットがあったので。明日あさっても試合があるので、チームの勝利に貢献できる一打を打ちたいです」-打点王争いにも「最終的に一番になれればいいなと思っているので、そのために日々努力していきたいと思います」-2位の広島と1・5ゲーム差、首位巨人とは2・5差になった「自分たちは全くあきらめていないので最終的に優勝して2連覇したいと思います」
◆ヤクルトは投打がかみ合わなかった。先発サイスニードは5回途中5失点。マウンドの整備をリクエストするなど、制球が乱れた。今季初登板の元阪神・尾仲は佐藤輝に満塁弾を献上。打線も初回に1点を奪うのが精いっぱい。2回以降は散発2安打に封じられた。高津臣吾監督は「タイガースはすごいなと思って見てましたけど。よくつながる打線だと思いますね」と相手をほめるしかなかった。
◆最下位ヤクルトが、投打がかみ合わず、連敗を喫した。先発のサイスニードは毎回走者の展開で、5回途中5失点。1点ビハインドの5回は先頭から連打をくらい、無死二、三塁から暴投で失点。二走を三塁に進めると、大山に三塁線を破られる適時二塁打を許した。2度もマウンドの整備をリクエストするなど、制球が落ち着かず、ボールは最後まで高めに浮いた。高津監督は「あんまりボールも走ってなかったかな」と渋い表情だった。3番手の元阪神の尾仲は2四球が絡み、佐藤輝に満塁本塁打を献上した。今季初登板も、アピールに失敗。援護したかった打線も初回に2本の長短打で1点を奪うのが精いっぱい。2回以降は散発2安打に抑え込まれた。4安打1得点に対し、相手は13安打9得点。高津監督は「中軸というかね、そこのつながりって、タイガースはすごいなと思って見てましたけど。うん、そうですね、よくつながる打線だと思いますね」と相手をほめるしかなかった。
◆阪神が4連勝を飾り、約1カ月ぶりに首位と2・5ゲーム差以内に迫った。 この日は試合がなかった首位巨人とは2・5ゲーム差、2位広島は敗れたため1・5ゲーム差にまで縮まった。首位から2・5差以内は、8月8日の2差以来。セ・リーグ連覇を諦めない阪神が、じわじわと追い上げてきた。打線は初回に森下が先制打、2回に近本が勝ち越し打。5回は相手の暴投、大山と佐藤輝の適時打で3点を追加。さらに6回は佐藤輝が今季初の満塁本塁打を放ち、突き放した。阪神岡田監督の一問一答は以下の通り-ビーズリーの状態は?このへん(右足を指して)に当たったみたいやけど。なんとか5回まであいつは投げたかったんやろ(笑い)。この点差やし。-心配するほどではない。それは大丈夫。もう1回行ってほしかったけど、もうな、ボールも当たってるし。-いいタイミングで中押しできたあそこは取れるような、相手ピッチャーも、あの展開じゃそんないいピッチャーも出てけえへんから。追加点は取れると思ってたからな。-中盤で追加点を取れたので勝ちパターンのリリーフを誰も使わずに済んだいやいや、もうそんなん全然使うつもりなかった。分担制や4人4人の。-クリーンアップ中心に打線につながりも出たつながりというか、ヒットが出てるからやで、そんなのは。だからつながってるように見えるけど。みんながな、今日は(ヒットが)出てないもんもおったけど、やっぱりヒットが出んかったらそんなんつながりもなんもあらへんからさ、結局は。そういうことやん。ヒットが出だしたからな、こないして、ものすごいいいようにつながってるように見えてしまうもんな、やっぱりな。フォアボールがどっかで絡んだらな、余計そういうつながりがええように見えるよな、やっぱり。-2回の近本のタイムリーも安打からのつながりいやいや、もうな、別にあれや、ビーズリー(の打撃には)には全然期待してないけど、ツーアウトからでも(ランナーが)セカンド行っといたらな、近本がな、そらヒット出る確率が一番高いわけやから、今チームの中ではな、率的にもな、おーん。-昨日は守り勝って、今日は打つ方で、昨年のような感じにおーん。まあ、なあ、みんなそら分かってるからな、この9月が勝負になるっていうのは、それはもう。別にそこに合わせてな、こないして調子上げるいうのはそんなん絶対無理やけど。でもやっぱりな、気持ち的にはこっからや言うのはあるから、やっぱりそれをみんながな、そういう流れ的にもいい流れで回る、打線もある程度点取れる、そしたらやっぱりピッチャーもええようにな、回るよやっぱりな。ちょっと頑張っとけば自分も勝ち星つくっていうかな。相乗効果でそれはな、ええ回りの相乗効果やな。-上位にプレッシャーをかけている。なあ、広島そらきついわな。明日、あさってデーデーらしいやん。この暑いのにデーデーってきついやろう。-阪神も2試合か3試合デーゲームある。あのへんなったら涼しなんねん。なあ、相手のことは知らんけど。-ビーズリーは次回に影響ある?いや、そんなことないよ。次回は抹消せえへんし、そんなの。-詰める可能性はいや、詰めん詰めん。詰めんでもおるもん。まだ青柳はあれやもん。
◆大逆転アレンパいけるぞ! 阪神佐藤輝明内野手(25)が、今季初のグランドスラムで9得点大勝&4連勝を導いた。4点リードの6回2死満塁。東都の虎党が待つ左翼へ12号を届けて勝負を決定づけた。5回にも中押しタイムリーを放ち、今季初の5打点の大活躍だ。チームは試合のなかった首位巨人に約1カ月ぶりの2・5差以内に再接近。残り18試合での大まくりへボルテージは最高潮だ。神宮の虎党は、目の前にかかった放物線に夢の逆転Vを確信した。佐藤輝は黄色に染まった左翼席に目をやった。5-1の6回2死満塁。元阪神尾仲の真ん中直球を逆方向へ。ツバメの戦意を完全に打ち砕いた。「みんながつないでくれたチャンスで、いい打撃ができてよかった。ビーズリーを援護できてよかった。いい状態だと思います」甲子園での中日戦3連勝に続き、強い虎を東京でも見せつけ4連勝に導いた。4年間歩むスラッガー道の節目にもなった。満塁弾で通算80号と通算300打点をダブルでクリア。それでも謙虚に言った。「僕だけじゃ無理なこと。しっかり走者に出てもらっている人たちのおかげです」。神宮は大好物だ。4月の決勝弾を含む今季4本塁打、打率3割5分3厘はセ本拠地別でベストの成績。満塁弾は通算4本目だが、昨年9月13日の巨人戦、優勝マジックを1にしたV弾以来というのもあの熱狂を思い起こさせる。5回の適時打も含めて今季最多5打点の荒稼ぎ。巨人岡本和に7差に迫る61打点で、タイトル争いにも加わってきた。開幕から苦悩の日々を送った。仕事を忘れリラックスに専念する自宅で、ふと体を起こしてバットを握った。夜中に思い立って打撃のビデオを見たこともあった。「普段は野球から離れればそんなに深く考え込むことはないんですけど...。でもそういうのも普通ですよ、普通」。5月には2軍落ち。「我慢や、我慢」。耳にタコができるほど2軍首脳陣から声が飛んだ。手を出してしまう高い直球、低い変化球をいかに見極めるか、突き詰めた。長い苦しみが8月の6本塁打、21打点と9月の好調につながっている。かみ合いだした歯車。岡田監督は「みんなそら分かってるからな、9月が勝負になるっていうのは。打線もある程度、点を取れる。そしたら投手もええように回るよな。ええ回りの相乗効果やな」と手応え。試合のなかった首位巨人と2・5ゲーム差に詰めた。首位から2・5差以内は、8月8日の2差以来。すでに自力2位も復活しており、敗れた2位広島とは1・5差で、鯉の尻尾もつかまえた。テ~ル! テ~ル! 球場の去り際、ファンの大声援が背番号8に届いた。この男抜きで、逆転Vはあり得ない。【柏原誠】佐藤輝がプロ4年目で通算80号本塁打を放った。503試合目での到達で、阪神の生え抜き選手では田淵幸一342試合目、掛布雅之471試合目に次ぎ3位。岡田彰布の550試合目より47試合早い。また、この日で通算301打点をマーク。300打点到達は、田淵523試合目、掛布544試合目、岡田568試合目を越えるハイペースだ。佐藤輝の満塁本塁打は、23年9月13日巨人戦以来、プロ4本目。過去はいずれも甲子園で、他球場では初となった。阪神の満塁本塁打は今季3本目。5月11日DeNA戦の近本、6月16日ソフトバンク戦の前川以来。阪神打者のヤクルト戦の満塁本塁打は、20年7月28日(神宮)以来。この試合ではボーアとサンズが、プロ野球史上初となる来日1年目外国人のグランドスラムそろい踏みを記録した。阪神のドラフト1位入団の近本、森下、大山、佐藤輝の打点そろい踏みは通算6度目。昨季は1度で今季は5度目で、チームは6戦全勝だ。
◆阪神近本光司外野手(29)はしぶとく決勝打を記録した。同点に追いつかれた直後の2回表2死二塁。サイスニードに1ボール2ストライクと追い込まれながら、低めに沈むチェンジアップをバットの先で拾った。低空ライナーを一、二塁間に運び、二塁武岡のグラブのわずか先を抜いた。1回の1打席目はチェンジアップに空振り三振を喫していたが、2打席目ですぐに対応。「1巡目に結構いいチェンジアップを投げていたので。打てて良かったです」と納得した。この日は1安打でシーズン139安打。最多安打争いで中日細川に並ばれたが、チームの完勝に穏やかな表情だ。「1戦1戦しっかり頑張っていきたいです」と冷静に次戦をみすえた。
◆阪神中野拓夢内野手はチャンスメークに納得顔だ。1回1死では左中間最深部に落ちる二塁打を放ち、森下の適時打で先制のホームイン。1点リードの5回にも先頭で中前に運び、この回3得点を呼び込んだ。「クリーンアップが打つので、自分は塁に出ることだけを考えて。いい形で後ろにつなげたかなと思います」。チームは4連勝を飾り、首位巨人に2・5差。「本当に負けられない戦いが続く。もっともっとチーム一丸となっていい試合ができれば」と言葉に力を込めた。
◆阪神富田蓮投手は23歳のバースデー登板を無失点で飾った。大量リードの7回に登板。登板直前にはレフトスタンドの虎党からバースデーソングも贈られ、1イニングを1安打無失点に抑えた。「バースデーソングはいつ歌っていたか分からなくて...」と照れ笑いも「やっぱり自分の投球ができているから抑えられている。そこを曲げずに続けていけたら」と気を引き締めた。
◆阪神の4番大山悠輔内野手(29)は痛烈な適時二塁打で貴重な追加点をたたき出した。2-1と1点リードの5回無死二、三塁で打席へ。サイスニードの暴投で3点目が入った直後の無死三塁、甘く入ったカットボールを逃さず三塁線を破った。「1球ストライクに余裕があったので、狙い球を絞るなど準備をして、思い切っていきました」。1回1死二塁でも中前に運び5戦連続安打。この5試合で3度目のマルチ安打と好調をキープし、得点圏打率3割6分4厘もリーグトップのままだ。
◆阪神森下翔太外野手(24)が、今季初の1試合4安打で9得点大勝に貢献した。「できすぎかな」と気持ちよさそうに汗を拭った。まずは初回1死二塁。サイスニードの外角のカットボールを鋭いスイングで捉えた。強烈な当たりで、ダイビングキャッチを試みた二塁武岡のグラブをはじき、中前へ3夜連続の先制打。3回に右翼へ二塁打を放つと5回にも二塁打、6回にも左前打と止まらず。後ろに座る4番大山、5番佐藤輝の打点も呼び込んだ。「1、2番が多く出て、後ろのバッターも得点圏に強いバッターたちなので、すごくやりやすい。自分は堂々と立って、100%のプレーを続けられている」プロ3度目の4安打。得点圏打率3割5分、3試合連続打点と乗りに乗っている。いずれもその試合のチーム初得点で「自分に求められているところはそういうところ」とこだわる仕事でこの日も勝利に貢献した。今季63打点とし、1位の巨人岡本和に5差に迫った。「最終的に1番になれればいいと思っているので、そのために日々努力していきたい」。2年目の初タイトルにも気合十分だ。前日5日の中日戦(甲子園)後にチャンスでの強さについて問われ「秘訣(ひけつ)とかはない」と言った。「練習でどれだけ自分の理想とした形で、イメージと再現性を高く持って練習できるかどうか」。打点を積み重ねれば、逆転優勝が近づく。「自分たちは全くあきらめていないので、最終的に優勝して2連覇したい」。ミラクル歓喜へ、猛打を奮い続ける。【塚本光】
◆阪神ジェレミー・ビーズリー投手(28)が、ど根性で白星をつかみ取った。1点リードの3回だ。西川の鋭い打球が右足のふくらはぎ付近を直撃。その場でうずくまり、ベンチで治療を受けた。ブルペン陣は緊急で準備を開始。周囲が心配するなか、駆け足でマウンドに戻ってきた。「その時はアドレナリンがしっかり出てたから。どうにか耐えられたよ」数球の投球練習を終えると、力強くOKサイン。足にテーピングを巻きながら再び投球を再開した。アクシデント直後の3回は2死一塁を招いたが、4番村上を空振り三振で無失点。痛みはあるようで、何度も顔をしかめたが、鬼の形相で奮闘。4回は3者凡退で流れをつくった。5回82球を投げ切り3安打1失点で役割を果たした。踏ん張りに打線も奮起し、6回までに9得点と大量援護。今季7勝目をつかみ取った。「今日は打撃陣のおかげで勝った試合だと思っているよ。本当に感謝だね」これで今季のヤクルト戦は3戦3勝。対戦防御率1・06と、ツバメ打線を寄せ付けない投球が続く。自身の体調不良もあり、8月16日の中日戦以来、約3週間ぶりの先発だった。登板間隔が空くことも度々あった今季。大切にするのは気持ちを切らさないことだ。次回の登板日が決まってから、試合当日まで対戦チームの試合を全てチェックするのがルーティン。徹底的に相手打線を分析し、頭にインプットした上で登板に臨でいる。「ゲームまで時間があるのでずっと。長い時間見ていた方が、相手のことを知れるからね」アクシデントにも冷静に対処できるのは、日頃から綿密な準備があるからだ。試合後、患部については「大丈夫だよ」と問題なしを強調。岡田監督も「大丈夫。次回は抹消せえへんし」と明かした。タフネス右腕の力投が、大勝を呼び込んだ。【波部俊之介】
◆阪神・才木浩人投手(26)が先発予定の7日の21回戦に向けて最終調整。夕陽を浴びながらキャッチボールやダッシュをこなした。ヤクルトとの対戦は今季7度目。ここまでの6登板は2勝1敗で、防御率は2・92とチーム別で最も悪いが、8月20日の前回対戦(京セラ)では7回無失点で今季初めて登板を無失点で終え、白星を挙げている。神宮では2試合で0勝1敗、防御率4・50と苦戦しており「何点あっても、どれだけ点差が空いていてもわからない球場なので、1イニングずつしっかり抑えられるようにやっていけたら。点差どうこうより1イニングずつしっかり抑えていけたら」と意気込んだ。
◆3連勝中の阪神はジェレミー・ビーズリー投手(28)が8月16日以来の先発。8月27日のDeNA戦(横浜)に登板予定だったが、発熱のため回避。コンディションを戻し、今季2戦2勝と好相性のヤクルト戦で今季7勝目を目指す。打線は前川右京外野手(21)が3戦ぶりにスタメンで「6番・左翼」に入った。
◆阪神・森下翔太外野手(24)が2試合連続の先制打を放った。一回、1死から中野の打球をヤクルト外野陣がお見合いするラッキーな二塁打で得点圏に走者を進めると、勝負強い森下が打席へと向かった。2球目、サイスニードの直球をはじき返すと、打球は二塁手・武岡のグラブをはじき、中前へ。中野が先制のホームを踏んだ。森下は5日の中日戦(甲子園)に続く2夜連続の先制打。3試合連続安打&打点と絶好調だ。試合前の時点で今季は神宮球場で打率・304と好相性。得意の舞台で若虎が輝いた。
◆阪神がミスから同点を許した。1点を先行して迎えた一回。先頭の西川の打球はライナー性で左翼へ。落下地点へと向かった前川は照明が目に入ったのか、それとも芝生に足を取られたのか。ボールはグラブを抜けて転々。記録は二塁打となったが、守備の乱れから無死二塁とピンチを背負った。長岡を三振に斬り、1死を奪ったビーズリーはサンタナに左前に運ばれて同点。試合は早くも振り出しに戻った。ビーズリーは続く村上に四球を与えてなおも1死一、二塁のピンチ。それでもオスナを遊ゴロ併殺に打ち取り、最少失点でしのいだ。
◆阪神・森下翔太外野手(24)が2試合連続の先制打を放った。一回、1死から中野の打球をヤクルト外野陣がお見合いするラッキーな二塁打で得点圏に走者を進めると、勝負強い森下が打席へと向かった。2球目、サイスニードの直球をはじき返すと、打球は二塁手・武岡のグラブをはじき、中前へ。中野が先制のホームを踏んだ。森下は5日の中日戦(甲子園)に続く2夜連続の先制打。3試合連続安打&打点と絶好調だ。試合前の時点で今季は神宮球場で打率・304と好相性。得意の舞台で若虎が輝いた。「打ったのはカットボール。初回から作った先制のチャンスだったので、なんとか1本出すことができてよかったです。追いつかれてしまったので、また勝ち越せるように次の打席も頑張ります」とコメントした。
◆阪神・近本光司外野手(29)が勝ち越し打を放った。二回、先頭の梅野が中前打を放つと、木浪がたたきつけるように進塁打。ビーズリーは三振も、2死二塁と好機を作った。近本が打席へ。カウント1-2から、サイスニードのチェンジアップに食らいついた。右前に運ぶ一打で阪神が勝ち越し。近本は5日の中日戦(甲子園)で連続試合安打が17でストップしていたが、再び量産体制に入った。
◆阪神・近本光司外野手(29)が勝ち越し打を放った。二回、先頭の梅野が中前打を放つと、木浪がたたきつけるように進塁打。ビーズリーは三振も、2死二塁と好機を作った。近本が打席へ。カウント1-2から、サイスニードのチェンジアップに食らいついた。右前に運ぶ一打で阪神が勝ち越し。近本は5日の中日戦(甲子園)で連続試合安打が17でストップしていたが、再び量産体制に入った。「追い込まれてから上手くチェンジアップを捉えることができました。追いつかれてすぐに勝ち越すことができたので、しっかり流れを掴んでいけるように頑張ります」とコメントした。
◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が好カバーだ。2-1で迎えた三回。先頭は1番の西川。5球目、痛烈な打球がビーズリーの右足を直撃した。ボールはグラウンドを転々。俊足西川に対し、三塁手・佐藤輝がベアハンドで捕球すると、一塁へ送球。判定はアウト。ヤクルトベンチがリプレー検証を要求も、判定は変わらなかった。好守に助けられ、1死を奪ったビーズリーは、軸足である右足に打球が直撃したことで一度ベンチへ。それでも、治療を終えてマウンドへと戻ると、続く長岡の一ゴロにベースカーバーへ全力疾走。一回に同点打を許したサンタナに四球を与えたが、村上を三振に仕留めて無失点で切り抜けた。
◆阪神が五回、大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)の適時打などで3点を追加した。毎回走者を出しながらも、二回以降追加点が奪えず2-1で迎えた五回。中野がこの日2本目の安打となる中前打で出塁すると、森下も右翼線へポトリと落ちる二塁打で無死二、三塁と好機を作る。大山を迎えたところでサイスニードの暴投で中野が生還。攻撃の手を緩めず、大山は痛烈に三塁線を抜く適時二塁打で加点した。さらに佐藤輝も2番手・原から中前適時打。4日の中日戦(甲子園)以来となるクリーンアップ打点そろい踏みで、5-1とリードを広げた。大山は「打ったのはカットボール。チャンスの場面でしたし、どんな形でもランナーを還すことだけを意識していました。次の1点が大事になってくる試合展開でしたし、結果的にタイムリーになってくれてよかったです」とコメントした。
◆阪神・佐藤輝明内野手(25)が満塁本塁打を放ってヤクルトを突き放した。5-1の六回。3番手・尾仲を攻め立て、2死満塁のチャンスで打席へ。カウント1-1から3球目の直球を仕留めた。高々と打球は左翼スタンドへ一直線。左翼手・サンタナも諦めるほどの豪快な打球が突き刺さった。佐藤輝は今季初、通算4本目となるグランドスラム。1試合5打点の大暴れで9-1とリードを広げた。これで通算打点は301となり、入団4年目にして大台に乗せた。
◆阪神は打線が効果的に得点を重ね、ヤクルトに勝って4連勝とした。一回に森下翔太外野手(24)の適時打で先制すると、1-1の二回に近本光司外野手(29)が勝ち越しの適時打。五回には大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)の適時打などで5-1とリードを広げた。さらに六回、2死満塁から佐藤輝が今季初の満塁本塁打。クリーンアップがそろって打点を挙げ、大差をつけた。先発のジェレミー・ビーズリー投手(28)は一回にサンタナに適時打を浴びるも、以降は立ち直って得点を許さず。三回には打球を足に受けるアクシデントがあったものの、五回まで投げて1失点で7勝目を挙げた。チームはこの日試合がなかった首位巨人とのゲーム差を2・5に縮め、敗れた2位広島とは1・5ゲーム差になった。
◆六回2死、満塁本塁打を放った阪神・佐藤輝明=神宮球場(撮影・長尾みなみ)
◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(76)は勝負どころでの阪神の戦い方に言及した。ここで走者を進める。1点を取る。阪神の集中力の高さを凝縮したような勝利だった。フォーカスしたいのは二回無死一塁での木浪の二ゴロ。カウント2-2から2球連続でヒットエンドラン。ファウルでもベンチは作戦を継続させたところに木浪への信頼がうかがえた。また、それに応えて近本の勝ち越し打につなげた木浪も大したもの。優勝争いをするチームはこういう好循環になる。五回の佐藤輝の適時打も3ボールからの直球を捉えたもの。相手はサイスニードから原に代わったばかりだった。絶対に失敗できない状況で振れるのも集中力の証し。その佐藤輝の一打で生還した大山や、一回に森下の中前打で一度、二塁方向に戻った中野が生還できたのも素晴らしい。三塁ベースコーチも的確だった。選手が自分も活躍するーという気持ちになっている。昨季はリーグ優勝&日本一を達成しただけに勝負どころでの戦い方は分かっている。岡田監督が開幕前に語っていた「自分たちの力を信じて」というメッセージが大事なシーズン終盤で効いている。
◆阪神が4連勝。得点圏打率上位4人が適時打を放った。一回に森下翔太外野手(24)の中前打で先制し、二回には近本光司外野手(29)の右前打で勝ち越し。2ー1の五回は暴投で3点目を追加し、大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)の連続適時打で5点目を挙げた。六回には佐藤輝が昨年9月13日巨人戦(甲子園)以来、4本目の満塁本塁打を放った。森下は3度目の1試合4安打。ジェレミー・ビーズリー投手(28)は三回に西川遥輝外野手(32)の打球を右ふくらはぎ付近に受けながらも、5回1失点で7勝目(2敗)を挙げた。4連敗の2位広島に1・5差。試合がなかった首位巨人に2・5差に迫った。チームは残り18試合。岡田彰布監督(66)の主な一問一答は以下の通り(成績=63勝56敗6分、観衆=2万9504人)。ーービーズリーの状態は?「このへん(太ももあたり)に当たったみたいやけど。何とか五回までアイツは投げたかったんやろ。この点差やし、お前」ーー心配するほどではない「それは大丈夫。もう1回行ってほしかったけど、もうな、ボールも当たってるし」ーーいいタイミングで中押しできた「あそこは取れるような、相手ピッチャーも、あの展開じゃ、そんないいピッチャーも出てけえへんから。追加点は取れると思ってたからな」ーー追加点を取れたので勝ちパターンのリリーフを使わずに済んだ「いやいや、もうそんなん全然使うつもりなかった。分担制や4人、4人の」ーークリーンアップ中心に打線につながり「つながりというか、ヒットが出てるからやで、そんなのは。だからつながってるように見えるけど。みんながな、今日は(ヒットが)出てないもんもおったけど、やっぱりヒットが出んかったら、つながりも何もあらへんからさ、結局は。そういうことやん。ヒットが出だしたからな。こうないして、ものすごい、いいようにつながってるように見えてしまうもんな。フォアボールがどっかで絡んだらな、余計つながりがええように見えるよな、やっぱり」ーー二回の近本のタイムリーも安打からのつながり「いやいや、もうな、別にアレや、ビーズリー(の打撃には)には全然期待してないけど、ツーアウトからでも(ランナーが)セカンド行っといたらな、近本がな、そらヒット出る確率が一番高いわけやから、今チームの中ではな、率的にもな、おーん」ーー5日は守り勝ち。今日は打つ方で、昨年のような感じに「おーん。まあ、なあ、みんなそら分かってるからな、この9月が勝負になるっていうのは、それはもう。別にそこに合わせてな、こないして調子上げるいうのは、そんなん絶対無理やけど。でもやっぱりな、気持ち的には、こっからや、いうのはあるから、それをみんながな、そういう流れ的にもいい流れで回る、打線もある程度点取れる、そしたらやっぱりピッチャーもええように回るよ。ちょっと頑張っとけば、自分も勝ち星つくっていうかな。相乗効果でそれはな、ええ回りの相乗効果やな」ーー上位にプレッシャーをかけている「なあ、広島そらきついわな。明日、明後日デーデー(連続デーゲーム)らしいやん。この暑いのにデーデーってきついやろう」ーー阪神もデーゲームある「(9月中旬以降の)あのへんなったら涼しなんねん。なあ、相手のことは知らんけど」ーービーズリーは次回に影響ある?「いや、そんなことないよ。次回は抹消せえへんし、そんなの」ーー詰める可能性は?「いや、詰めん詰めん。詰めんでもおるもん。まだ青柳はアレやもん」
◆阪神が4連勝。得点圏打率上位4人が適時打を放った。一回に森下翔太外野手(24)の中前打で先制し、二回には近本光司外野手(29)の右前打で勝ち越し。2ー1の五回は暴投で3点目を追加し、大山悠輔内野手(29)、佐藤輝明内野手(25)の連続適時打で5点目を挙げた。六回には佐藤輝が昨年9月13日巨人戦(甲子園)以来、4本目の満塁本塁打を放った。森下は3度目の1試合4安打。ジェレミー・ビーズリー投手(28)は三回に西川遥輝外野手(32)の打球を右ふくらはぎ付近に受けながらも、5回1失点で7勝目(2敗)を挙げた。4連敗の2位広島に1・5差。試合がなかった首位巨人に2・5差に迫った。チームは残り18試合。主な選手、コーチのコメントは以下の通り(成績=63勝56敗6分、観衆=2万9504人)。三回の打球直撃についてジェレミー・ビーズリー 「その時はアドレナリンが出ていたので、痛みというよりも怒りとか、そっちのアドレナリンが勝っていたので、何とか耐えられました」ビーズリーについて、安藤優也投手コーチ 「ビーズリーはふくらはぎだったので、心配だったけど、よく粘ってくれた。明日の状態をしっかり確認したい。1試合5打点に佐藤輝明 「いい打撃ができているんじゃないかなと思います」2安打3得点の中野拓夢 「しっかり勝ち切るということが本当に大事になってくると思うので。負けられない戦いが続きますし、チーム一丸となって、いい試合ができれば」2安打1得点の梅野隆太郎 「神宮は何点あっても、キャッチャーとしては心配というか。だから自分の仕事をしっかりできてよかった」今季初の1試合4安打に森下翔太 「負けられる試合は1試合もないので、勝つために泥くさくやっていきたい」二回に適時打の近本光司 「一戦、一戦しっかり頑張っていきたい」
◆リーグ最下位のヤクルトは9月最初の本拠地神宮での一戦で、投打に見せ場なく完敗。2連敗を喫し、借金は今季ワーストタイの19に膨らんだ。高津臣吾監督(55)の主な一問一答は以下の通り。――先発したサイスニードは五回途中5失点で8敗目(2勝)「あまりボールも走っていなかったかな」――5番の佐藤輝に満塁本塁打を浴びるなど阪神のクリーンアップ(森下、大山、佐藤輝)に計8安打7得点と固め打ちされた「うーん。中軸というかね、そこのつながりが、タイガースはすごいなと思ってみていましたけど。うん、そうですね、よくつながる打線だと思いますね」――4番の村上は3打数無安打。当たりが戻ってこない「うん、そうですね。きょうは練習もすごく良くて試合を楽しみにしてたんですけどね、結果につながらなかったですね」――9月は打率0割台と苦戦している「彼だけじゃないですけど、やっぱり、彼が打たないとね、なかなか点につながらないですね」――高津監督からも声をかけた「特にはないですね。バッティングコーチもつきっきりでやっているので」――主将の山田に代わって23歳の武岡を「6番・二塁」に起用した「大チャンスなんですけどね。なんていうのかな、そこをものにできない。ちょっと残念ですね。代わりに出ている間に、印象に残るような1本だったり、プレーを期待していたんですけどね」――守備では不運もあったが影響は「確かに打ち取った当たりがヒットになったりとか。詰まった当たりとか、大山のセンター前もそうですけども、泳いだ当たりが抜けていったりとか(あったが)、それも野球の一部なので。向こうの振りが強いですよ。だから、ミスショットでも良いところに飛んでいくのかな。結果がよくなるのかなと思いますけどね」――高卒3年目の小森がプロ初昇格し、初出場した「これからですね。1軍の雰囲気に慣れて、慣れてというか、経験していろんなものを吸収していってほしいなと思いますけどね」
◆2年目左腕の富田が23歳の誕生日に好投した。七回に3番手で登板し、1安打を浴びるも無失点。登板後にファンからバースデーソングで祝福を受けた。「しっかりバッターと勝負して抑えられたのでよかった」。登板11試合連続無失点と好調をキープ。「自分のピッチングができているからこそ抑えられていると思う。そこを曲げずに、自分の投球をすることを続けていけたら」と語った。
◆痛みも気迫で吹き飛ばした。打球が直撃するアクシデントにも動じない。久しぶりに先発した阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が耐えて耐えて、7勝目をつかんだ。「痛みというよりもアドレナリンが勝っていたので、何とか耐えられた。打撃陣がしっかり打ってくれたおかげで勝てた試合。感謝です」前回登板から3週間ぶりのマウンドとなった。8月27日のDeNA戦に先発予定だったが、発熱で登録抹消に。2軍などで調整登板を行うことなく、中20日でマウンドに上がった。一回にサンタナに適時打を浴びて同点を許すも、二回は無失点。リズムをつかんだように見えたところだった。三回先頭、西川の打球が右ふくらはぎ付近に直撃。跳ね返った打球は佐藤輝が処理して何とかアウトにしたものの、ビーズリーはマウンドで膝をついて立ち上がれない。トレーナーとともに一度ベンチに引き揚げた。しかし数分後、背番号99はダッシュでマウンドへ。右足を少し引きずるような素振りこそ見せたが、負けなかった。試合再開直後、長岡の一ゴロで痛みに耐えながらベースカバーに入って隙を与えなかった。5回82球を投げて1失点で降板したが、ヤクルト戦は今季3戦3勝。「まだまだいけたけど、若い投手が勝ちゲームで投げることは、きっといい経験になるから譲ったよ」と粋な言葉を残した。そんな人柄があるから後輩から慕われている。約1カ月ともに先発ローテで回った及川は、ビーズリーのことを「先生みたい」と表現する。「気遣いができる。日本語を頑張って覚えようとしているのも伝わるし、英語もわかるように話してくれる。本当にいい人だから、もしチームからいなくなったら、みんなが悲しむ存在になっていると思います」1軍、2軍の垣根を越えて、ビーズリーが投手陣にアドバイスを送る姿は珍しくない。話を聞きたくなる、人としての魅力がある。岡田監督は「何とか五回まであいつは投げたかったんやろ(笑)」とねぎらい「抹消せえへん」と次回登板には影響がないと強調した。復帰登板で白星を収めたビーズリーも「監督さんがいってほしいところでいつでも準備はできている」と腕まくり。戦列に戻ってきた助っ投が、逆転Vへの貴重なピースを担う。(中屋友那)ビーズリーの人間性が垣間見えた。二回1死から中村に死球を与え、すぐに帽子を取って中村とヤクルトベンチに向かって頭を下げた。帽子を取ってわびることは外国人選手にとってなじみの深いものではない。「本当に申し訳ない気持ち。最初はバットに当たったと思ったので、申し訳なかったなと思って謝りました」。すると直後の三回、佐藤輝に死球を当ててしまったサイスニードも帽子をとって謝罪。昨季は死球で〝一悶着〟あったカードで、さわやかな風が吹いた。
◆4番・大山は2―1の五回無死二、三塁で打席へ。暴投で1点を加え、なお三塁に走者を置いて三塁線を破る適時二塁打を放った。「次の1点が大事になってくる試合展開」と勝負どころを逃さずに得点を加え、得点圏打率はリーグトップをキープする・364。六回は2死一、三塁で四球を選んで佐藤輝の満塁弾に貢献。打線がつながっての快勝に「何点取ってもいい球場なので、いい攻撃ができた」と胸を張った。
◆中野がラッキーな一打で先制の起点になった。一回に放った左中間深くへの飛球がお見合いのような形で二塁打に。森下の適時打で生還した。「自分はもう塁に出るということだけ考えて。今日はいい形で後ろにつなげた」。五回も中前打で生還までつなげるなど3得点。ここ5試合で3度目のマルチ安打と好調だが「負けられない戦いが続きますし、もっともっとチーム一丸となって、いい試合ができれば」と先を見据えた。
◆相手をのみ込む猛虎打線が、また森下から動き出した。捉えた打球がグラブを弾いて中前に転がり、スコアボードに1を刻む。9得点を呼び込む今季初の4安打で4連勝に貢献した。「最初の打席と最初のチャンスっていうところには、より集中力を持ってやっているので、いい結果になったかな」一回、1死二塁でサイスニードの2球目を捉えると、打球は二塁手・武岡のグラブをはじいて中前へ。中野が先制のホームを踏んだ。持ち前の勝負強さで試合を動かすと、三、五回には右翼への二塁打で猛打賞。六回にも左前打で佐藤輝の満塁弾を呼び込み、昨年8月15日の広島戦(マツダ)以来となる4安打で攻撃を活性化した。5日の中日戦でも先制の適時打を放ち、これで2試合連続の先制打。まさに打線の火付け役として機能している。打点を63に伸ばし、1位の岡本和とは5差。「最終的に1番になれれば。そのために日々努力していきたい」とタイトル獲得への意欲も示した。得点圏打率はリーグ2位の・350で、1位大山、3位佐藤輝、4位近本と阪神のドラフト1位4人が上位を独占している。この日はクリーンアップ全員が打点を記録。森下は大山と佐藤輝の前を打つ3番の役割として、先に自分が打つ重要性を語っていた。「まず自分が1本チャンスで打ってというところで警戒され始める。そこからの駆け引きも含めて結果を出したい」。この日は自身の適時打に始まり、大山と佐藤輝にも快打が生まれた。誰も勝負を避けられない3人の並びが怖さを生み、最終盤のリーグ戦を駆け上がる原動力になっている。これでトリオでそろって打点を挙げれば今季は11戦全勝だ。「負けられる試合は1試合もない。勝つために泥くさくこれからもやっていきたい」この勢いを維持することが、連覇へ続く唯一の道になる。強い覚悟をプレーと言葉で伝え、残り18試合を走り抜く。(邨田直人)?...3番森下、4番大山、5番佐藤輝の3人がそろって打点を挙げた。4日の中日戦(甲子園)以来今季11度目で、記録した試合でチームはすべて勝利している。クリーンアップでのそろい踏みでは今季10戦10勝
◆梅野のバットで下位打線からのチャンスメークに成功し、勝ち越しのホームを踏んだ。「自分の仕事をしっかりできてよかった。出塁とかできたので。返してくれる人が返してくれたので、今日はいい形で攻撃できた」。1-1の二回先頭で中前打を放ち、その後2死二塁で近本の適時打で生還。2安打1四球に投手陣も引っ張り、攻守で連勝に貢献した。
◆山口・宇部工高から入団して3年目のヤクルト・小森航大郎内野手(21)がプロ初出場を果たした。この日にプロ入り後初めて1軍に昇格した右打者は、七回2死一塁で代打として途中出場。阪神の3番手左腕、富田が投じた4球目の変化球を引っ張って左飛に倒れた。「めっちゃ緊張して、ちょっと力んじゃったなっていうのが一番の感想というか、反省。もっと準備していろいろ考えて(打席に)入れたんじゃないかと思うので、次にもしチャンスをいただけたら、しっかりできたらと思う」と振り返った。二塁の守備にも就き、落ち着いてゴロやフライを処理。「守備も緊張していましたけど、(長岡)秀樹さんや、村上さんも声をかけてくださったので、落ち着いてできた」と感謝した。3年目でプロの一歩を踏み出し「いろんな選手からも言っていただいたのですが、ここがスタート。ここで満足せずに一歩一歩できることをやっていきたい。もっともっと野球に貪欲にやっていきたい」とさらなる飛躍を誓った。
◆巧みなバットコントロールが光った。近本が1-1の二回2死二塁で右前適時打を放ち、勝ち越しに成功。試合序盤で主導権を握り、大勝に貢献した。「1巡目は(サイスニードの)チェンジアップ抜けてて、いいボール投げていたので。打ててよかったです」一回先頭ではヤクルト先発・サイスニードのチェンジアップにバットが空を切ったが、二回のチャンスの場面では同じ球種を捉え、貴重なタイムリーにしてみせた。岡田監督も「ツーアウトからでも(ランナーが)セカンド行っといたらな、近本がな、そらヒット出る確率が一番高いわけやから。いまチームの中ではな」と勝負強さに目を細めた。5打数1安打1打点で今季の安打数「139」は中日・細川と並び、セ・リーグトップタイ。2021年以来2度目となる最多安打のタイトルは射程圏だ。もちろん虎を勝たせることが最優先事項。近本は「一戦、一戦しっかり頑張っていきたい」と神宮の虎党の大声援に包まれながら、力を込めた。(新里公章)
◆この勢いは本物だ。阪神はヤクルトに9―1で大勝し、今季4度目の4連勝で試合がなかった首位巨人と2・5ゲーム差に詰め寄った。佐藤輝明内野手(25)が六回に駄目押しの満塁本塁打を放つなど5打点をマーク。NPB史上11人目となる入団4年目での通算300打点に到達した。打線が活気づいてきた岡田虎が、逆転優勝、リーグ連覇に向けて大まくりだ。振り下ろしたバットから、白球は高々と舞い上がる。神宮の夜空に美しい放物線が輝いた。燕にとどめを刺す今季初のグランドスラムは虎党が待つ左翼席へ。佐藤輝がまた一つ大台を超えた。奇跡が現実味を帯びてきた。「入ってくれてよかったです。いい打撃ができているんじゃないかなと思います」5-1で迎えた六回2死満塁。尾仲の直球にただ、バットを合わせた。高く舞い上がった打球は伸びる。左翼手・サンタナはホームに背を向けたまま上空を見上げた。12号は今季初の満塁弾。さっそうとダイヤモンドを周った大砲に惜しみない大声援が降り注いだ。五回無死二塁の好機でも中前適時打を放って、この日は2安打5打点の大暴れ。プロ通算4本目の満塁弾で通算301打点とした。入団4年目での通算300打点到達は同学年の牧(DeNA)に続き、プロ野球史上11人目となるスピード記録。「僕だけじゃ無理な記録なので。しっかりランナーで出てもらっている人のおかげです」と仲間たちに感謝した。
◆リーグ最下位のヤクルトは9月最初の本拠地神宮での一戦で、投打に見せ場なく完敗。2連敗を喫し、借金は今季ワーストタイの19に増えた。阪神のクリーンアップ(森下、大山、佐藤輝)に計8安打7得点と固め打ちされ、高津臣吾監督(55)は「中軸というかね、タイガースのそこのつながりはすごいなと思ってみていましたけど...」となすすべがなかった。主将の山田に代わって、23歳の武岡を「6番・二塁」で起用したが、3三振で交代。指揮官は「大チャンスなんですけどね。そこをものにできない。期待していたけど残念」と苦言を呈した。前日5日の巨人戦(岐阜)で2番に置いた村上を定位置の4番に戻したが、3打数無安打と快音なし。9月は打率・053と苦しんでおり、高津監督は「彼だけじゃないですけど、やっぱり彼が打たないと、なかなか点につながらない」と嘆き節だった。(武田千怜)
◆ヤクルト打線はビーズリーの執念にやられた。変化球がよく落ち、真っすぐも微妙にシュート回転がかかり、とらえられなかった。それ以上に三回に打球を右ふくらはぎに受けていったんベンチへ下がり、マウンドへ戻ってから「絶対に勝つ」といわんばかりの気迫には、すさまじいものがあった。ヤクルトは投手陣も阪神打線の圧力を受け続けた。特にクリーンアップ。森下はますます積極性を発揮しているし、大山も相変わらず走者を置いたときの集中力が高い。そして佐藤輝だ。五回無死二塁でカウント3-0から打って出て中前適時打。すでにリードは3点。「待て」のサインが出ない場合、引っ張りたくなるケースだが、ピッチャーの足元を狙って打ち返した。走者をかえすことを最優先に考えたからこそ、できる打撃だった。その気持ちが六回の満塁本塁打につながったのでは。外角の真っすぐを逆らわずに左翼へ。ミート優先に見えて、余裕でスタンドイン。やはりパンチ力はすごい。ついに乗ってきた阪神。巨人と広島に与える脅威は、今季これまでになかったレベルだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
巨人 |
64 | 52 | 6 | 0.552 (-) | - (-) |
21 | 371 (-) | 329 (-) | 66 (-) | 50 (-) |
0.242 (-) | 2.560 (-) |
2 (-) |
広島 |
62 | 52 | 5 | 0.544 (↓0.005) | 1 (↓0.5) |
24 | 352 (-) | 311 (+3) | 48 (-) | 52 (-) |
0.237 (-) | 2.320 (↓0.01) |
3 (-) |
阪神 |
63 | 56 | 6 | 0.529 (↑0.004) | 2.5 (↑0.5) |
18 | 415 (+9) | 365 (+1) | 55 (+1) | 34 (-) |
0.240 (↑0.001) | 2.460 (↑0.02) |
4 (-) |
DeNA |
60 | 57 | 2 | 0.513 (-) | 4.5 (-) |
24 | 434 (-) | 413 (-) | 88 (-) | 54 (-) |
0.256 (-) | 3.030 (-) |
5 (-) |
中日 |
51 | 65 | 8 | 0.440 (↑0.005) | 13 (↑0.5) |
19 | 320 (+3) | 400 (-) | 55 (+2) | 35 (-) |
0.239 (-) | 2.860 (↑0.02) |
6 (-) |
ヤクルト |
49 | 68 | 4 | 0.419 (↓0.003) | 15.5 (↓0.5) |
22 | 413 (+1) | 481 (+9) | 80 (-) | 56 (+1) |
0.236 (↓0.001) | 3.740 (↓0.05) |
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